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JP3087325B2 - 光学活性化合物とその製造法 - Google Patents

光学活性化合物とその製造法

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JP3087325B2
JP3087325B2 JP4728791A JP4728791A JP3087325B2 JP 3087325 B2 JP3087325 B2 JP 3087325B2 JP 4728791 A JP4728791 A JP 4728791A JP 4728791 A JP4728791 A JP 4728791A JP 3087325 B2 JP3087325 B2 JP 3087325B2
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formula
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dioxin
compound
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JP4728791A
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主税 金子
雅之 佐藤
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JNC Corp
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Chisso Corp
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Publication date
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  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生理活性化合物など有用
光学活性化合物の製造において有利な出発物質となりう
る光学活性化合物およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学活性3‐ヒドロキシブチロラクトン
は抗ガン剤である(−)‐アブリシスタチン〔H.M.
Shieh.,Tetrahedron Letter
s,23,4643(1982)〕、昆虫フェロモンの
1種(−)‐α‐マルチストリアチン〔M.Larch
eveque et al.,Tetrahedro
n,43,2303(1987)〕、カルバペネム系抗
生物質の合成における中間体S‐N‐ベンジルオキシ‐
4‐アセトキシメチル‐2‐アゼチジノン〔H.Yam
ada et al.,Heterocycles.,
26,2841(1987)〕の合成原料に用いられて
いる。さらに光学活性3‐ヒドロキシ‐ブチロラクトン
を還元することにより得られる光学活性1,2,4‐ブ
タントリオールは(+)‐イブスジエノール〔K.Mo
ri et al.,Tetrahedron,35
933(1979)〕、S‐3‐ピペリジノール〔R.
K.Olsen et al.,J.Org.Che
m.,50,896(1985)〕、トリパリンB
〔C.Papageorgiou et al.,J.
Org.Chem.,50,1144(1985)〕、
アーバメクチンB1a〔S.Hanessian et
al.,J.Org.Chem.,48,4427(1
983)〕、ジヒドロキシペンチルウラシル〔H.Ha
yashi et al.,J.Am.Chem.So
c.,95,8749(1973)〕の合成原料として
有用である。
【0003】 以上のように光学活性3‐ヒドロキシブ
チロラクトンは非常に有用な化合物であるにも関わらず
効率的な製造法は知られていない。例えば、一般的には
天然に産出するリンゴ酸、あるいはそのエステル体を原
料に誘導する方法がK.Mori et al.,Te
trahedron.,35,933(1979)、
H.Hayashi et al.,J.Am.Che
m.Soc.,95,8749(1973)、E.J.
Corey et al.,J.Am.Chem.So
c.,100,1942(1978)、S.J.Shi
ueyet al.,J.Org.Chem.,53
1040(1988)、などに記されているが、この方
法は2つのカルボキシル基あるいはエステル基の一方の
みを選択的に還元する必要があるうえ、対体である3
‐ヒドロキシブチロラクトンを得るためには出発原料と
して非天然型のリンゴ酸を使用しなければならないが非
常に高価でとても実用的であるとはいいがたい。このよ
うに従来の方法には多くの問題点があり、これを解決す
る光学活性3‐ヒドロキシブチロラクトンの製造法およ
びその製造過程において有効に活用できる光学活性化合
物が望まれてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決することであり、光学活性3‐ヒドロキシ
ブチロラクトンの製造法および該製造法に必要な新規な
光学活性化合物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは2,2‐ジ
メチル‐1,3‐ジオキシ‐6‐(3‐ヒドロキシ‐1
‐プロペニル)‐4‐オンの不斉化エポキシ化、還元、
オゾンによる酸化的開裂による実用的な光学活性ヒドロ
キシブチロラクトンの製造法を見出し本発明を完成する
に至った。
【0006】本発明の光学活性3‐ヒドロキシブチロラ
クトンの製造法は、前記式(化1)で示される2,2‐
ジメチル‐1,3‐ジオキシ‐6‐(3‐ヒドロキシ‐
1‐プロペニル)‐4‐オン(以下アリルアルコール体
という)の不斉エポキシ化を行ない式(化2)で示され
る光学活性2,2‐ジメチル‐1,3‐ジオキシ‐6‐
(3‐ヒドロキシ‐1,2‐エポキシプロピル)‐4‐
オン(以下1,2‐エポキシ体という)を得る。つぎに
このエポキシ体を還元することにより式(化3)で示さ
れる光学活性2,2‐ジメチル‐1,3‐ジオキシ‐6
‐(2,3‐ジヒドロキシプロピル)‐4‐オン(以下
ジオール体という)を得る。このジオール体をオゾンに
よりオレフィンの酸化的開裂を行ない式(化4)で示さ
れる光学活性3‐ヒドロキシブチロラクトンを得ること
を特徴とする。
【0007】本発明の光学活性化合物は、前記式(化
3)で表される光学活性光学活性2,2−ジメチル−
1,3−ジオキシン−6−(2,3−ジヒドロキシプロ
ピル)−4−オン(ジオール体という)である。この光
学活性化合物の製造法は、前記式(化1)で示される
2,2−ジメチル−1,3−ジオキシン−6−(3−ヒ
ドロキシ−1−プロペニル)−4−オンのエポキシ化を
行い、前記式(化2)で示される光学活性2,2−ジメ
チル−1,3−ジオキシン−6−(3−ヒドロキシ−
1,2−エポキシプロピル)−4−オンを合成し、つぎ
に該化合物を還元することにより、前記式(化3)で示
される光学活性2,2−ジメチル−1,3−ジオキシン
−6−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−4−オンを
得ることを特徴とする。また、この製造法における中間
体である前記式(化2)で示される光学活性2,2−ジ
メチル−1,3−ジオキシン−6−(3−ヒドロキシ−
1,2−エポキシプロピル)−4−オンも本発明の光学
活性化合物の一つである。
【0008】本発明の前記式(化3)で表される光学活
性光学活性2,2−ジメチル−1,3−ジオキシン−6
−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−4−オン(ジオ
ール体という)を、オゾンガスでオレフィンの酸化的開
裂を行なうことにより、式(化4)で示される光学活性
3−ヒドロキシブチロラクトンを得ることができる。ま
た、酸性条件下アセトナイド化することにより式(化
5)で示されるアセトナイド体を得ることができる
【0009】本発明の光学活性3‐ヒドロキシブチロラ
クトンの製造法についてさらに具体的に説明する。第一
段としてつぎの化6の反応を行なう。
【化6】 すなわち、テトラ‐アルコキシチタン、酒石酸ジエステ
ルの存在下式(化1)で示されるアリルアルコール体を
t‐ブチルハイドロパーオキサイド(TBHP)に代表
される酸化剤を用いて無水条件下不斉エポキシ化を行う
ことにより式(化2)で示される1,2‐エポキシ体が
得られる。ここで用いるテトラ‐アルコキシチタンとし
ては一般的に用いられているテトラ‐イソプロピルオキ
シチタン〔Ti(OiPr) 4 〕で充分であり、酒石酸
ジエステルとしては入手容易な酒石酸ジイソプロピル
(DIPT)、酒石酸ジエチル(DET)をもちいてな
んら問題はない。また無水条件下はモリキュラーシーブ
スによって実現されるが脱水効果があればどのような脱
水剤を用いてもよい。また、使用する酒石酸ジエステル
はD体とL体とを使い分けることによって得られる式
(化2)で示される1,2‐エポキシ体として(+)
体、(−)体をつくり分けることができる。
【0010】第二段としてつぎの化7の反応を行なう。
【化7】 すなわち、第一段で得た式(化2)で示される1,2‐
エポキシ体を水素雰囲気下パラジウム炭素(Pd/C)
などを触媒に用い接触還元を行うことにより式(化3)
で示されるジオール体を得ることができる。ここで用い
る触媒としてはパラジウム系触媒の他に白金系触媒等の
汎用品で充分であるし、また、加圧加熱条件下で反応を
行うことにより反応時間の短縮も可能である。また、オ
キシラン環を開環することができる試薬であればそれを
用いて反応することも可能である。この場合用いる試薬
としては水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウ
ム、ボランなどがあげられる。
【0011】第三段としてつぎの化8の反応を行なう。
【化8】 すなわち、式(化3)で示される化合物にオゾンガスを
導入しオレフィンの酸化的開裂を行うことにより目的物
である式(化4)で示される光学活性3−ヒドロキシブ
チロラクトンが製造される。
【0012】本発明の式(化2)で示される光学活性
2,2‐ジメチル‐1,3‐ジオキシ‐6‐(3‐ヒド
ロキシ‐1,2‐エポキシプロピル)‐4‐オン(1,
2‐エポキシ体)は前記化6の反応で得られる。
【0013】本発明の式(化3)で示される2,2‐ジ
メチル‐1,3‐ジオキシ‐6‐(2,3‐ジヒドロキ
シプロピル)‐4‐オン(ジオール体)は前記化6およ
び化7の反応で得られる。
【0014】本発明の式(化5)で示される光学活性化
合物は次に示す反応で得ることができる。
【化9】 すなわち、前記化7の反応で得られた式(化3)で示さ
れるジオール体を酸性条件下アセトナイド化することに
より式(化5)で示されるアセトナイド体{6−
((3,3−ジメチル(2,4−ジオキソラニル))メ
チル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキシン−4−
オン}を得ることができる。用いる試薬としては通常ア
セトナイド化にもちいるアセトン、ジメトキシプロパン
などが好適である。また。用いる酸触媒としては実施例
中で使用したか過塩素酸の他に塩酸、硫酸、硝酸などの
鉱酸をp−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸
などのスルホン酸類が好適に用いられる。
【0015】本発明の製造法における出発物質である式
(化1)で示される2,2‐ジメチル‐1,3‐ジオキ
シン‐6‐(3‐ヒドロキシ‐1‐プロペニル)‐4‐
オンは、例えば次のような反応経路によって好適に製造
される。
【化10】 すなわち、(1)式で示される6‐メチル‐1,3‐ジ
オキシン‐4‐オンにジイソプロピルアミド(LDA)
に代表される塩基の存在下クロロ酢酸クロリド(2)を
作用し(3)式で示される6‐(2‐オキソ‐3‐クロ
ロプロピル)‐1,3‐ジオキシン‐4‐オンに誘導し
たのち水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミ
ニウムに代表される還元剤を作用することによって
(4)式に示される6‐(2‐ヒドロキシ‐3‐クロロ
プロピル)‐1,3‐ジオキシン‐4‐オンが得られ
る。このものは塩基処理を施すことにより(5)式で示
される2,3‐エポキシ体を経由して容易に式(化1)
で示されるアリルアルコール体へと誘導される。ここで
用いる塩基は水酸化ナトリウムで充分であるが水酸化カ
リウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、などごく一般的に用いられている塩基性化合物をも
ちいることも可能である。
【0016】また、化11に示したとおり、式(化5)
で示されるアセトナイド体を適当な条件下酸化的に開裂
することによって製造される(6)式で示されるβ‐ケ
トエステル体は還元することによって(7)式で示され
るβ‐ヒドロキシエステル体に変換されるが、このもの
は酸処理を行うことにより容易に(8)式で示される光
学活性4‐ヒドロキシ‐6‐ヒドロキシメチルテトラヒ
ドロ‐2‐ピラノンに誘導される(応用例参照)。
【化11】
【0017】このものはコンパクチン、メヴィノリンの
活性部位である(S.Takanoet al.,Sy
nthesis,539(1989))。コンパクチ
ン、メヴィノリン(下記化12参照)はHMG‐CoA
(3‐ヒドロキシ‐3‐メチルグルタリル補酵素A)還
元酵素の強力な桔抗阻害剤としてその有効性が注目され
ている化合物である(G.E.Stokker et
al.,J.Med.Chem.,28,347(19
85))。
【化12】
【0018】
【実施例】以下に、更に本発明を実施例により具体的に
説明する。 (実施例1) <第1段>2,2‐ジメチル‐1,3‐ジオキシ‐6‐
(3‐ヒドロキシ‐1‐プロペニル)‐4‐オン(略し
てアリルアルコール体という)(式(化1)の化合物)
の製造 クロロアルコール体((4)式の化合物)3.0g
(0.136モル)、2N‐水素化ナトリウム10ml、
ジエチルエーテル20mlの混合物を室温で30分撹拌し
た。10%塩酸を徐々に加え中和し酢酸エチル抽出無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し残査をカラ
ムクロマトグラフィー(溶出液 ヘキサン:酢酸エチル
2:1)に付し2,2‐ジメチル‐1,3‐ジオキシ
‐6‐ヒドロキシアリル‐4‐オン1.77g(収率7
0%)を得た。各種スペクトルデータはよくその構造を
支持した。 MS 実測値184.0735(計算値184.072
4) IR(CHCl3 ) 1730cm-1 NMR(CDCl3 ) δ;1.73(s,6H) 2.52(br,1H) 4.36(dd,2H) 5.32(s,1H) 6.16(d,1H) 6.66(dt,1H)
【0019】<第2段> 式(化2)で示される1,2‐エポキシ体の製造 テトラ‐イソプロピルオキシチタン1.28g(8.3
5ミリモル)、ジクロロメタン50mlの混合物に−20
℃でD‐酒石酸ジイソプロピルエステル1.95g
(8.35ミリモル)、ジクロロメタン20mlの混合物
を加えた。このものに第1段で得たアリルアルコール体
1.28g(6.96ミリモル)、ジクロロメタン20
mlの混合液を加え30分撹拌したのち、t‐ブチルハイ
ドロパーオキサイド(3.0M 2,2,4‐トリメチ
ルペンタン溶液)5.7ml(16.7ミリモル)、モレ
キュラーシーブス4Aの400mgを加え20時間撹拌し
た。飽和硫酸ナトリウム水溶液10ml、ジエチルエーテ
ル40mlを加え更に室温で5時間撹拌した。反応液をセ
ライト濾過し無水硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を留去
した。残査をカラムクロマトグラフィー(溶出液 ヘキ
サン:酢酸エチル 3:1)に付し、1,2‐エポキシ
体1.32g(収率90%)を得た。各種スペクトルデ
ータはよくその構造を支持した。 MS 実測値200.0684(計算値200.067
7) IR(CHCl3 ) 1745cm-1 NMR(CDCl3 ) δ;1.71(s,6H) 3.10(br,1H) 3.25−3.60(m,2H) 3.77−4.00(m,2H) 5.56(s,1H) 〔α〕 D25 +34.7°(c 1.75,CHC
3
【0020】(実施例2)式(化3)で示されるジオー
ル体の製造 実施例1で得た1,2‐エポキシ体680mg(3.4ミ
リモル)、酢酸エチル5ml、10%パラジウム炭素15
0mgの混合物を水素雰囲気下常温常圧で撹拌した。吸引
濾過により触媒を除去し、減圧下溶媒を留去した。残査
をカラムクロマトグラフィー(溶出液 ヘキサン:酢酸
エチル 1:2)に付し、ジオール体659mg(収率9
6%)を得た。各種スペクトルデータはよくその構造を
支持した 。 MS 実測値203.0206(計算値203.0
936) IR(CHCl3 ) 3450,1720cm-1 NMR(CDCl3 ) δ;1.74(s,6H) 2.40(d,2H) 2.50−3.30(br,2H) 3.62(m,2H) 3.98(m,1H) 5.34(s,1H) 〔α〕 D24 −22.8°(c 1.63,CHC
3
【0021】(実施例3) (S)‐3‐ヒドロキシブチロラクトン(式(化4)の
化合物)の製造 実施例2で得たジオール体188mg(0.93ミリモ
ル)、メタノール20mlの混合物に−78℃でオゾンガ
スを3時間導入した。反応後酸素を通じ過剰のオゾンを
除去したのちジメチルスルフィド577mg(9.3ミリ
モル)を加え3時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し残査
をジクロロメタン10mlに溶解し3滴のトリフルオロ酢
酸を加え20時間撹拌した。減圧下溶媒を留去し残査を
カラムクロマトグラフィー(溶出液 ヘキサン:酢酸エ
チル 2:1)に付し(S)‐3‐ヒドロキシブチロラ
クトン73.1mg(収率77%)を得た。各種スペクト
ルデータはよくその構造を支持した。また、比旋光度は
文献値(K.C.Luk.,Synthesis,22
7(1988))とよく一致した。 MS 実測値102.0349(計算値102.031
7) IR(CHCl3 ) 3450,17805cm-1 NMR(CDCl3 ) δ;2.05(dr,6H) 2.40−2.80(m,2H) 4.20−4.50(m,2H) 4.40−4.90(m,1H) 〔α〕 D31 −83.2° (c 0.41,EtO
H) (文献値 R体;〔α〕 D23 +77.3°(c 2.
0,EtOH)
【0022】(実施例4)式(化5)で示されるアセト
ナイド体の製造 実施例2で得たジオール体233mg(1.14ミルモ
ル)、アセトン10ml、触媒量の過塩素酸(70%含
有)を2時間撹拌した。アンモニア水で中和したのち溶
媒を減圧下留去し残査をカラムクロマトグラフィー(溶
出液 ヘキサン:酢酸エチル 8:1)に付しアセトナ
イド体239mg(収率86%)を得た。各種スペクトル
データはよくその構造を支持した。 MS 実測値243.1184(計算値243.032
9) IR(CHCl3 ) 1725cm-1 NMR(CDCl3 ) δ;1.43(s,3H) 1.54(s,3H) 1.74(s,6H) 2.40−2.80(m,2H) 3.50−4.60(m,3H) 5.43(s,1H) 〔α〕 D25 −23.0° (c 0.80,CHCl
3
【0023】(実施例5)(応用例)β‐ケトエステル
体(化11の式(6)の化合物の製造) 式(化5)で示されるアセトナイド体222mg(0.9
2ミリモル)、メタノール44mg(1.38ミリモ
ル)、トルエン8mlの混合物を130℃で2時間加熱し
た。溶媒を減圧下留去し残査をカラムクロマトグラフィ
ー(溶出液 ヘキサン:酢酸エチル 20:1)に付し
β‐ケトエステル((6)式の化合物)198mg(収率
98%)を得た。各種スペクトルデータはよくその構造
を支持した。 MS 実測値216.0980(計算値216.099
7) IR(CHCl3 ) 1735,1725cm-1 NMR(CDCl3 ) δ;1.32(s,3H) 1.38(s,3H) 2.70−3.00(m,3H) 3.48(s,2H) 3.72(s,3H) 3.96−4.75(m,3H) 〔α〕 D28 −4.0° (c 2.08,CHC
3
【0024】
【発明の効果】本発明の製造法は2,2,‐ジメチル‐
1,3‐ジオキシン‐6‐(3‐ヒドロキシ‐1‐プロ
ペニル)‐4‐オンを出発物質として、操作が簡単で光
学純度を損なうことなく収率よく光学活性3‐ヒドロキ
シブチロラクトンが得られる。また、上記製造法におい
て新規な光学活性中間体を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C07D 407/06 317:00 319:00) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 307/33 C07D 317/06 C07D 407/04 - 407/06 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(化1)で示される2,2−ジメチル
    −1,3−ジオキシン−6−(3−ヒドロキシ−1−プ
    ロペニル)−4−オンの不斉エポキシ化を行い、式(化
    2)で示される光学活性2,2−ジメチル−1,3−ジ
    オキシン−6−(3−ヒドロキシ−1,2−エポキシプ
    ロピル)−4−オンを合成し、つぎに該化合物を還元す
    ることにより、式(化3)で示される光学活性2,2−
    ジメチル−1,3−ジオキシン−6−(2,3−ジヒド
    ロキシプロピル)−4−オンとし、最後に該化合物をオ
    ゾンガスでオレフィンの酸化的開裂を行うことを特徴と
    する式(化4)で示される光学活性3−ヒドロキシブチ
    ロラクトンの製造法 【化1】 (*は不斉素炭素原子を示す。)。
  2. 【請求項2】 式(化3) 【化2】 (*は不斉素炭素原子を示す。)で表される光学活性
    2,2−ジメチル−1,3−ジオキシン−6−(2,3
    −ジヒドロキシプロピル)−4−オン。
  3. 【請求項3】 式(化1)で示される2,2−ジメチル
    −1,3−ジオキシン−6−(3−ヒドロキシ−1−プ
    ロペニル)−4−オンの不斉エポキシ化を行い、式(化
    2)で示される光学活性2,2−ジメチル−1,3−ジ
    オキシン−6−(3−ヒドロキシ−1,2−エポキシプ
    ロピル)−4−オンを合成し、つぎに該化合物を還元す
    ることにより、式(化3)で示される光学活性2,2−
    ジメチル−1,3−ジオキシン−6−(2,3−ジヒド
    ロキシプロピル)−4−オンを得ることを特徴とする光
    学活性化合物の製造法 【化3】 (*は不斉素炭素原子を示す。)。
  4. 【請求項4】請求項3記載の式(化2)で表される光学
    活性2,2−ジメチル−1,3−ジオキシン−6−(3
    −ヒドロキシ−1,2−エポキシプロピル)−4−オ
    ン。
  5. 【請求項5】 式(化3)で示される光学活性2,2−
    ジメチル−1,3−ジオキシン−6−(2,3−ジヒド
    ロキシプロピル)−4−オンをオゾンガスでオレフィン
    の酸化的開裂を行なうことにより、式(化4)で示され
    る光学活性3 −ヒドロキシブチロラクトンを得ることを
    特徴とする光学活性化合物の製造法 【化4】 (*は不斉素炭素原子を示す。)。
  6. 【請求項6】 式(化3)で示される光学活性2,2−
    ジメチル−1,3−ジオキシン−6−(2,3−ジヒド
    ロキシプロピル)−4−オンをつぎの式 【化5】 (*は不斉素炭素原子を示す。)で示すように酸性条件
    下アセトナイド化することにより式(化5)で示される
    アセトナイド体{6−((3,3−ジメチル(2,4−
    ジオキソラニル))メチル)−2,2−ジメチル−1,
    3−ジオキシン−4−オン}を得ることを特徴とする光
    学活性化合物の製造法。
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