JP3077591B2 - Cvd装置及びcvd成膜方法 - Google Patents
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Description
用いるCVD装置及びCVD成膜方法に関し、特に固体
又は液体を原料とするCVD装置及びCVD成膜方法に
関するものである。
の形成手法として、化学気相堆積法(CVD法)が用い
られている。CVD法は、成膜目的とする材料の構成元
素を含む原料を基板を設置した反応室に気体として導入
・混合し、これを加熱などの手段によって反応させ基板
上に成膜する手法であり、従って使用する原料は、室温
で気体であることが望ましい。
酸ストロンチウム,チタン酸ジルコン酸鉛などの材料の
半導体装置への適用が進展するとともに、室温で固体や
液体の原料を用いたCVDも行われるようになってい
る。これは、これらの材料の構成元素を含む適当な気体
原料が少ないことによる。
ローラ(MFC)等の流量制御装置により容易に供給制
御が行える。一方、室温で固体や液体の原料は、一般に
蒸気圧が低く、気体原料に比べて、供給量の制御は困難
である。
る原料供給の方法として、原料を充填容器を加熱して原
料を気化し、そこで発生した原料ガスをMFCに導入し
て直接流量制御する方法が行われている。この方法で
は、原料の供給量を流量として検知,制御しているた
め、再現性の点では問題はない。
を、原料が凝縮する温度以上にまで加熱する必要があ
り、従って原料温度は、通常最も耐熱性に劣るMFCの
耐熱温度以下に制限される。一方、MFCで流量制御を
行うためには、ガスの入口側と出口側で一定の圧力差が
必要である。
する場合でも、MFC等の耐熱温度以下で必要圧力を発
生しない低蒸気圧原料の供給は、この方法ではできず、
対応できる原料が比較的高い蒸気圧を持つ物質に限られ
るという問題点を持つ。
料供給の別の方法として、原料を充填した容器を一定温
度に保っておき、そこにMFC等により流量制御された
定量のキャリアガスを流して原料を供給する方法があ
る。キャリアガスとしては、Ar等の不活性ガスが一般
に用いられる。
系は、原料の凝縮温度以上に加熱する必要があるが、M
FCは、原料容器より上流側にあるため、加熱温度の制
限は、緩いものとなる。このため、気化しにくい低蒸気
圧の原料を用いる場合でも適用できることが、この方法
の利点となり、最も広く行われている。この方法におけ
る原料の輸送量は、原料容器の温度および容器内圧力,
キャリアガスの流量によって制御する。
る原料供給系では、原料輸送量は、以下の式に従う。 n∝F x αPs/(P−αPs) (式1) ここに、nは原料輸送量,Fはキャリアガス流量,Pは
容器内全圧,Psは原料の飽和蒸気圧,αは原料飽和度
である。αは容器内の原料分圧がその原料の飽和蒸気圧
に達しているかどうかを示す係数であり、通常は、これ
が1となるように、即ち、容器内原料分圧が飽和蒸気圧
に一致するような条件下で原料給が行われる。原料の飽
和蒸気圧Psは、温度のみに依存し、高温ほど高い値を
とる。原料飽和度αが1である場合、式1から明らかな
ように、原料輸送量は、原料温度,原料容器内圧力,キ
ャリアガス流量に依存する。CVD成膜に際しては、希
望の成膜速度や組成等が得られるように、これら条件の
最適化を行うのである。
アガスを用いる源流供給方法には、実際に反応室に輸送
される供給量が分からないという問題があった。即ち、
キャリアガスや流量や原料容器の温度・圧力を最適化し
た値に固定として成膜を行っても、原料容器の温度変動
や、使用に伴う原料の減少などの原因によって実際の輸
送量が変動してしまうことは、避けられない。
れを検知する手段を持たなかったため、原料輸送量を目
標値に保つことができなかった。
動による膜厚のずれや、多元膜の場合には、膜組成の目
標値からのずれをもたらし、最終的には、膜の特性が目
標値から外れてしまうという結果を生んでいた。このよ
うなCVD成膜における再現性の欠如が生産性の低下を
もたらしていた。
てなされたものであり、固体または液体原料を用いたC
VDにおける原料供給量を検知,制御する方法を提供
し、成膜の再現性を向上し、ひいては生産性を向上する
CVD装置及びCVD成膜方法を提供することにある。
め、本発明に係るCVD装置は、反応室と、原料供給系
と、質量分析器とを有するCVD装置であって、前記反
応室は、内部に導入した原料を用いて基板にCVD成膜
を起こさせるものであり、前記原料供給系は、CVD反
応を起こさせる原料を反応室に供給するものであり、前
記原料は、室温で固体または液体であり、質量分析器
は、前記反応室の原料成分を分析し、分析結果に基いて
原料供給系に前記反応室へ供給する原料供給量を制御す
る指令を出力するものである。
輸送量の増減を行う原料輸送量調節機構を含むものであ
り、前記質量分析器は、前記反応室内に供給する原料供
給量を増減する指令を発するものである。 また前記原料
供給系は、加熱可能な原料容器と、前記原料容器に流量
制御されたキャリアガスを供給する機構とを有し、前記
質量分析器の出力に応じて、原料容器の温度を増減、ま
たはキャリアガス流量を増減することにより原料輸送量
を増減するものである。 また前記原料供給系は、加熱可
能な原料容器と、前記原料容器に流量制御されたキャリ
アガスを供給する機構と、前記原料容器内圧力の制御機
構とを有し、前記質量分析器の出力に応じて、前記原料
容器の温度を増減、またはキャリアガス流量を増減する
こと、または前記容器内圧力を増減することにより、原
料輸送量を増減するものである。 また前記原料供給系を
複数系統備えたものである。 また気体原料を供給する気
体原料供給系をさらに備えたものである。また前記原料
供給系とは別に校正用ガスを反応室に導入する供給装置
を有し、前記質量分析器は、前記反応室内の原料と校正
用ガスの濃度比を検出して、反応室内の原料成分を分析
するものである。
室内に室温で固体または液体原料を供給し、その原料を
用いて基板にCVD成膜を行なうCVD成膜方法であっ
て、反応室に設置した質量分析器によりCVD成膜中の
原料成分の分析を行い、その分析強度を基に反応室内へ
の原料供給量を制御するものである。
原料輸送量調節機構を含み、原料輸送量調節機構によ
り、前記原料容器から前記反応室内に供給する原料供給
量を増減する。 また加熱可能な原料容器と、前記原料容
器に流量制御されたキャリアガスを供給する機構とを有
し、前記質量分析器の出力に応じて、原料容器の温度を
増減、またはキャリアガス流量を増減することにより原
料輸送量を増減する。 また加熱可能な原料容器と、前記
原料容器に流量制御されたキャリアガスを供給する機構
と、前記原料容器内圧力の制御機構とを有し、前記質量
分析器の出力に応じて、前記原料容器の温度を増減、ま
たはキャリアガス流量を増減すること、または前記容器
内圧力を増減することにより、原料輸送量を増減する。
また前記原料を複数の系統から供給する。気体原料供給
系から気体原料を供給する。また反応室内に原料と校正
用ガスを供給し、反応室に設置した質量分析器によりC
VD成膜中の原料と校正ガスの成分の濃度差の分析を行
い、それらの分析強度を基に反応室への原料供給量を制
御する。
下の作用がある。すなわち、全ての分子は、それぞれ固
有の質量数を持つ。質量分析器は、気相中に存在する分
子を、質量数ごとに分離して分子の存在数に対応した強
度の信号を発生し、この信号強度は、気相中のガス濃度
の指標として用いることができる。すなわち、複数のガ
ス種の混合気体においても、質量分析器を用いることよ
り、それぞれのガス種の濃度を知ることができる。
質量分析器を装備し、成膜時に導入する反応室に導入す
る際、その一部が質量分析器に導入,測定されるように
しておくことにより、成膜中の反応室内のガス濃度を原
料種ごとに知ることができる。ここで、適切な成膜速度
や組成が得られる成膜条件における各原料の反応室内ガ
ス濃度をあらかじめ調べておき、成膜中のガス濃度と比
較することにより、原料輸送量が適切であるかどうかを
知ることができる。
濃度に目標値からずれが発生した場合、原料供給系に帰
還をかけて供給量を調節する。従来から行われている固
体や液体原料の原料供給では、供給量を目標値を決めて
制御することはできないが、単純な供給量の増減は、原
料容器の温度の増減,容器内圧力の増減、またキャリア
ガス流量の増減などの手段により比較的容易に行うこと
ができる。
なわち反応室内ガス濃度が検知できれば、上述のような
供給量を増減する手段による供給量の負帰還制御が可能
となり、成膜時の各原料ガス濃度を目標値に保つことが
できる。このようにして、反応室内の各原料のガス濃度
を一定に保つ結果、成膜速度,組成などの膜特性の再現
性が保たれ、生産性が向上するのである。
には、CVD成長を行う圧力や分析器への汚染を考慮す
る。CVDを行う成膜圧力が高いと、質量分析器内の原
料ガス等による汚染が進むほか、質量分析測定が行えな
い場合がある。このような場合は、質量分析器と反応室
雰囲気はノズル,オリフィス等で分離し、質量分析器側
を反応室とは別系統の排気装置を用いて差動排気するこ
とにより、真空に保っておく。ノズル,オリフィスを通
して導入される原料ガス分子を分析することにより、成
膜圧力が高い場合や汚染を防止しながら上述の作用が得
られる。
を用いることもできる。これは、原料とは別に反応室に
一定量の校正ガスを流しておき、質量分析器により測定
される各原料ガスの信号強度は、校正ガスの信号強度と
の比として扱い、原料ガスと校正ガスの濃度比を検知す
る。この方法によっても、上述の作用は全く同様に得ら
れる。
汚染等により変動した場合でも、校正ガスと原料ガスに
対する感度変動が同様であった場合は、その影響をキャ
ンセルすることができ、より再現性の高い成膜が可能と
なる。校正ガスとしては、CVDの反応への影響が少な
く、また質量分析時に分解や他のガスとの混同の恐れが
少ない、ヘリウム等の希ガスの使用が有効である。
びCVD方法では、反応室に質量分析器を装備すること
により、成膜中の反応室内における原料ガス濃度を原料
種別に知ることができる。この検知されたガス濃度を用
いて原料供給量を調節することにより、従来困難であっ
た固体又は液体原料を用いるCVDにおける原料供給量
制御が可能となり、成膜の再現性が得られ、生産性を向
上させる効果が得られる。以上により、固体又は液体原
料を用いるCVDにおける従来の問題点を解決すること
ができるのである。
て、図面を参照して説明する。
1に係るCVD装置を示す構成図である。
CVD装置は、基本的構成として、CVD反応を起こさ
せる反応室1と、固体又は液体の原料を供給する原料供
給系2と、信号処理装置3とから構成される。
排出機構13とが含まれ、さらに質量分析器14が装備
されている。液体または固体原料供給系2には、複数組
の原料容器21と原料輸送量調節機構22及び原料輸送
配管23が含まれている。
信号を信号経路31を通して受け取り、原料供給量を所
定の値に調整する信号を信号経路32を通して、液体ま
たは固体原料供給系2の原料輸送量調節機構23に出力
するようになっている。
を使用する際は、反応室1に校正ガス導入機構4を設置
しており、校正ガス導入機構4には、校正ガス流量調節
機構41と校正ガス配管12が含まれている。
に原料供給系という)2において液体又は固体の原料以
外に気体原料を併用するときには、気体原料供給系5を
付加することも可能である。
ように行われる。すなわち、成膜対象の基板11は、反
応室1内に設置されている。CVD成膜を行うにあたっ
ては、反応室1内に原料供給系2から原料ガスを供給
し、基板加熱又はプラズマ生成などの手段をもつ反応励
起機構12によって原料ガスを反応させて基板11上に
成膜を行う。原料ガスは、ガス排出機構13により反応
室1外へ排出される。
反応室1内に供給される原料ガスの輸送量の制御を行
う。原料ガスの輸送量を制御するには、まず反応室1に
供給される原料ガスの一部を質量分析器14に導入し、
原料ガス固有の質量数について分析を行う。その分析結
果による質量数の測定値は、反応室1内の原料ガス濃度
の指標として用いることができる。
定値を信号経路31を通して取り込み、この測定値と予
め測定してある目標ガス濃度値との比較を行い、目標値
とのずれが発生した場合は、ガス濃度を目標値に近付け
るような修正信号を信号経路32を通して原料供給系2
の原料輸送量調節機構22に出力する。
3からの修正信号に基づいて、反応室1内への原料ガス
の輸送量を制御する。これにより、反応室1内の原料ガ
ス濃度が補正される。
り返す、いわゆる負帰還制御を行うことにより、反応室
1内への原料輸送量のずれを修正し、反応室1内の原料
ガス濃度を常に目標値に保つことができる。
どによる分析感度の変動への対策として用いる。校正ガ
スとしては、希ガス等の原料ガスとの混同の恐れのない
ガスを用いることが望ましく、校正ガス流量調節機構4
1により一定流量に調節した上で校正ガス配管42を通
して反応室1に導入する。この場合、原料ガスに加えて
校正ガスの質量分析も質量分析器14により行い、その
強度比を反応室1内の原料ガス濃度の指標として用い
る。この強度比が、予め測定した強度比に近づくように
反応室1内への校正ガスの輸送量調節を行うことによ
り、校正ガスを用いない場合より再現性の高い源流輸送
量制御が可能となる。
14が一台のときには、上述の質量分析測定及び輸送量
調節の制御サイクルを各原料に対して交互に行えばよ
い。また複数の質量分析器14を反応室1に装備して、
別個に制御することも可能である。
CVD装置を具体的に実施した実施例を示すものであっ
て、一種類の液体原料を用いた場合の例(実施例1)で
あり、テトライソプロピルチタン(Ti(i−OC
3H7)4:以下、TIPという)を原料として用いて二
酸化チタン(TiO2)を成膜するCVD装置を示して
いる。
体の物質で、これをステンレス製原料容器21に充填
し、流量制御機構24で流量制御されたキャリアガス
(Ar)によりバブリングし、原料輸送配管23を通し
て供給する。流量制御機構としてはMFCを用いた。原
料容器21には、温度調節機構25及び容器内の圧力調
節を行う圧力調節機構26が備えられている。
り1Torrに保持した。反応室1に設置する質量分析
器14としては、四重極型質量分析器を用いた。反応室
1と質量分析器14の間は、0.5mmのオリフィス1
5で分離し、質量分析器14側をターボ分子ポンプ16
で差動排気することにより、10-4Torr以下に保持
した。
を設置し、また励起手段12として基板加熱を行って成
膜した。成膜基板としては、表面に200nmの酸化膜
(SiO2)層を有するシリコンウェハを用い、基板温
度は600℃とした。
(減少)するには、(1)原料蒸気圧を増加(減少)さ
せる、即ち原料温度を増加(減少)させる、(2)キャ
リアガス流量を増加(減少)する、(3)容器内圧力を
減少(増加)させる、の3つの手段がある。従って、質
量分析器14による反応室1内のガス濃度測定の結果か
ら、原料輸送量制御を行う制御対象もこの3つの手段と
なる。
ャリアガス流量を増減させることによって原料輸送量を
加減する方法を実施した。この場合、信号処理装置3か
らの出力信号は、図2中実線で示す信号経路32を通っ
て、キャリアガス流量制御機構24(MFC)に導かれ
る。原料容器内圧力は200Torr,原料温度は40
℃に固定した。また反応室1内の原料ガス濃度として
は、質量分析器14における質量数48の信号強度を採
用した。これは、チタンの安定同位体の中で最も存在確
率が大きいチタン(48)原子の質量に対応する。TI
Pの質量スペクトルには、質量分析器14の内部で原料
分子が分解されるため、TIP分子自体の質量数の他、
チタン原子の質量数,イソプロピル基の質量数など、多
くの質量数に信号が出現する。その中で、他分子からの
信号との区別が付けやすいことからチタン原子に対応す
る質量数の信号強度をガス濃度の指標として選択した。
処理装置3によって処理し、キャリアガス流量を制御し
た。また、あらかじめキャリアガス流量を変化させてT
iO2の成膜を行い成膜速度を調べた結果、本実施例の
成膜条件におけるTiO2の成膜速度は、ほぼキャリア
ガス流量、すなわち原料輸送量に比例することを確認し
た。
膜速度が得られるようなガス濃度を測定しておき、それ
以後は、このガス濃度が保たれるようにキャリアガス流
量を増減する本発明のCVD方法による成膜を行い、成
膜速度の再現性を調べた。
を10g,1回の成膜時間を60分として成膜を繰り返
した場合の成膜速度の変動を示す図で、目標の成膜速度
を100%として表示している。また比較のため図3中
の破線Bには、キャリアガス増減による輸送量制御を行
わない従来法による成膜速度変動を併せて示している。
この従来法においても原料充填量などの条件は実施例と
同一とし、原料供給系のキャリアガス流量,容器内圧
力,原料温度を当初の条件に固定して繰り返し成膜を行
った。
返し成膜時に成膜速度が次第に低下するのが認められる
のに対し、本発明による原料供給方法を用いた場合、約
50回以上の長い期間にわたって一定の成膜速度を維持
できていることが分かる。上述したように、TiO2の
成膜速度は原料供給量に比例するため、従来法の成膜で
成膜速度が徐々に低下するのは、原料輸送量が減少して
いるためである。
一定に保たれていることから、原料輸送量が一定に制御
されていることが分かる。即ち、本発明の反応室内の原
料ガス濃度を質量分析器により測定し、これが一定を保
つようにキャリアガス流量を制御するCVD方法によ
り、成膜速度に再現性が得られる効果が確認できた。
は、成膜速度が徐々に低下するのに対し、本発明による
方法では、約50回目以降に急激な成膜速度低下がみら
れる。これは容器に充填した原料がなくなったためであ
る。よって本発明の反応室中のガス濃度を測定するCV
D方法によれば、原料の再充填の必要時期を正確に検知
できるという効果も得られる。
流量以外の条件、即ち原料温度または容器内圧力を増減
することによる原料輸送量制御を実施した。その結果は
図3と全く同様であり、容器に充填した原料がなくなる
直前まで一定の成膜速度を保った成膜が可能であった。
即ち、本発明のCVD方法において原料輸送量の調節
は、原料温度の調節及び容器内圧力の調整による方法も
可能であることが確認された。
多元膜を成膜する別の実施例におけるCVD装置の例
(実施例2)であり、TIP及びジビバロイルメタナー
トストロンチウム(Sr(C11H19O2)2:以下、Sr
(DPM)2という)及び酸化ガスとして酸素(O2)を
用いてチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)を成膜
するCVD装置を示している。
給系2に21〜26で示されるTIP供給系に加えて、
符号21a〜25aで示されるSr(DPM)2供給系
が加わっていること、校正ガス供給系4が加えられてい
ること、さらに酸素の供給を行う気体原料供給系5が加
えられていることである。
の物質で、ステンレス製原料容器21aに充填し、キャ
リアガス流量制御機構21aで流量制御したキャリアガ
スが粉末中を通過するようにして供給した。キャリアガ
スにはアルゴンを、流量制御機構としてはMFCを使用
した。原料容器21aには温度調節機構25aが備えら
れている。容器内圧力制御は行わない。これはSr(D
PM)2の加熱温度が150℃以上の高温になり、圧力
調節機構の設置が困難なためである。
定とし、Sr(DPM)2輸送量の調節はキャリアガス
流量の調節によった。この場合、式1において容器内の
圧力Pがキャリアガス流量の関数となるが、原料供給系
内が圧縮性粘性流とすると、容器内圧力はキャリアガス
流量の1/2乗に比例する。このため原料輸送量はキャ
リアガス流量の1/2乗にほぼ比例することになり、従
って容器内圧力の制御を行わない場合であっても、キャ
リアガス流量の増減による原料輸送量の調節が可能であ
ると予想されるのである。
様であり、キャリアガス流量によって原料輸送量の調節
を行った。またO2はマスフローコントローラで流量制
御して反応室に導入した。TIP原料の反応室内濃度は
前述例と同様に質量数48の、またSr(DPM)2の
ガス濃度は質量数88の信号強度を採用した。質量数8
8は最も存在確率の大きいストロンチウムの安定同位体
の質量数である。また本実施例では質量分析器によるガ
ス濃度測定に校正ガスを使用し、TIP,Sr(DP
M)2それぞれの測定信号強度は、信号処理装置によっ
て校正ガスの濃度に対する濃度比として処理し、それぞ
れの濃度比が一定を保つように輸送量の制御を行った。
校正ガスとしてはヘリウムを用い、マスフローコントロ
ーラにより1sccmに流量制御した上で反応室に導入
した。
速度が得られ、かつ膜中のSrとTiの存在比が1対1
になる条件におけるTi,Srそれぞれの反応室内ガス
濃度比をあらかじめ求め、以後反応室内のガス濃度比が
それらの値に保たれるように、各原料のキャリアガス流
量を増減して成膜を行い、成膜速度及び膜組成の再現性
を調べた。比較のために各原料のキャリアガス流量を当
初の値に固定して成膜する従来法による成膜も行った。
原料容器への充填量はいずれの場合もTIPが20g,
Sr(DPM)2が10gとし、また、一回の成膜時間
は60分とした。
度の変動を示す図である。図中破線Bで示される従来法
による原料供給では繰り返し成膜時に成膜速度が次第に
低下しており、原料輸送量の総量が減少していることが
わかる。これに対し、実線で示される本発明による原料
供給方法を用いた場合、約40回以上の長期にわたって
一定の成膜速度を維持できている。
を示している。図中破線Bで示される従来法による成膜
では、成膜の繰り返しに伴いTiに対するSrの組成が
次第に低下している。これはSr(DPM)2の輸送量
減少が、TIPの輸送量減少よりも急激であるため、組
成に変化が現れるものである。
供給方法を用いた場合では、約40回以上の期間にわた
って1対1の組成比を維持できている。約40回の繰り
返しの後にSr組成が低下しているのは、Sr原料がな
くなったためである。
ない従来法においては、成膜の繰り返しに伴いSr(D
PM)2,TIPそれぞれの輸送量が減少するため成膜
速度が低下し、またその減少率に差があるため膜組成も
変動してしまう。
のガス濃度測定をもとに原料輸送量を制御するCVD方
法では、成膜速度,膜組成ともに長期間にわたって一定
値を維持することができる。即ち、本発明のCVD方法
が複数の原料を用いる多元膜においても有効であり、再
現性向上に効果があることが分かった。
号強度は、初期の成膜時から40回の成膜後までに約2
割低下しており、質量分析器の感度低下がみられた。こ
れは、Sr(DPM)2の蒸気圧が低いため反応室内に
凝縮しやすく、このため反応室と質量分析器を隔てるオ
リフィス部分または質量分析器内部に付着して感度低下
をもたらしたと考えられる。しかしこのように質量分析
器感度が低下した場合でも成膜速度,組成が再現性をも
っていることから、校正ガスを用いて、原料ガス濃度を
校正ガス濃度との比として扱う方法の有効性が確認でき
た。
方法を用いることにより、固定または液体原料を用いる
CVDにおいても原料輸送量の制御が可能となり、再現
性が向上する効果が得られた。
体又は液体原料を用いるCVDにおいて、CVD反応室
に質量分析器を設置して原料ガスの濃度測定を行い、そ
の強度を基に原料輸送量の調節をすることにより、従来
困難であった固体又は液体原料の輸送量制御が可能とな
り、成膜速度や膜組成などの再現性が得られるようにな
る。本方法では、単一原料を用いる場合のみならず、複
数の固体又は液体原料を用いる場合でもそれぞれの原料
に対して輸送量制御が可能であり、多元膜のCVD成膜
においても有効である。また原料ガスとは別途に校正ガ
スを反応室に導入し、質量分析器によるガス濃度測定時
にこの校正ガスの強度との比をとることにより、質量分
析器の感度変動によらないより一層の再現性向上の効果
が得られる。
現性が得られ、生産性が向上する効果が得られる。
成図である。
の関係を示す図である。
ある。
示す図である。
す図である。
Claims (14)
- 【請求項1】 反応室と、原料供給系と、質量分析器と
を有するCVD装置であって、前記 反応室は、内部に導入した原料を用いて基板にCV
D成膜を起こさせるものであり、前記 原料供給系は、CVD反応を起こさせる原料を反応
室に供給するものであり、前記原料は、室温で固体または液体であり、 質量分析器は、前記反応室の原料成分を分析し、分析結
果に基いて原料供給系に前記反応室へ供給する原料供給
量を制御する指令を出力するものであることを特徴とす
るCVD装置。 - 【請求項2】 前記原料供給系は、原料容器と、原料輸
送量の増減を行う原料輸送量調節機構を含むものであ
り、 前記質量分析器は、前記反応室内に供給する原料供給量
を増減する指令を発するものであることを特徴とする請
求項1に記載のCVD装置。 - 【請求項3】 前記原料供給系は、加熱可能な原料容器
と、前記原料容器に流量制御されたキャリアガスを供給
する機構とを有し、前記質量分析器の出力に応じて、原
料容器の温度を増減、またはキャリアガス流量を増減す
ることにより原料輸送量を増減することを特徴とする請
求項1に記載のCVD装置。 - 【請求項4】 前記原料供給系は、加熱可能な原料容器
と、前記原料容器に流量制御されたキャリアガスを供給
する機構と、前記原料容器内圧力の制御機構とを有し、
前記質量分析器の出力に応じて、前記原料容器の温度を
増減、またはキャリアガス流量を増減すること、または
前記容器内圧力を増減することにより、原料輸送量を増
減することを特徴とする請求項1に記載のCVD装置。 - 【請求項5】 前記原料供給系を複数系統備えたことを
特徴とする請求項1,2,3又は4に記載のCVD装
置。 - 【請求項6】 気体原料を供給する気体原料供給系をさ
らに備えたことを特徴とする請求項1,2,3,4又は
5に記載のCVD装置。 - 【請求項7】 前記原料供給系とは別に校正用ガスを反
応室に導入する供給装置を有し、前記質量分析器は、前
記反応室内の原料と校正用ガスの濃度比を検出して、反
応室内の原料成分を分析するものであることを特徴とす
る請求項1,2,3,4,5又は6に記載のCVD装
置。 - 【請求項8】 反応室内に室温で固体または液体原料を
供給し、その原料を用いて基板にCVD成膜を行なうC
VD成膜方法であって、 反応室に設置した質量分析器によりCVD成膜中の原料
成分の分析を行い、 その分析強度を基に反応室内への原料供給量を制御する
ことを特徴とするCVD成膜方法。 - 【請求項9】 原料容器と、原料輸送量の増減を行う原
料輸送量調節機構を含み、原料輸送量調節機構により、
前記原料容器から前記反応室内に供給する原料供給量を
増減することを特徴とする請求項8に記載のCVD成膜
方法。 - 【請求項10】 加熱可能な原料容器と、前記原料容器
に流量制御されたキャリアガスを供給する機構とを有
し、前記質量分析器の出力に応じて、原料容器の温度を
増減、またはキャリアガス流量を増減することにより原
料輸送量を増減するを特徴とする請求項8に記載のCV
D成膜方法。 - 【請求項11】 加熱可能な原料容器と、前記原料容器
に流量制御されたキャリアガスを供給する機構と、前記
原料容器内圧力の制御機構とを有し、前記質量分析器の
出力に応じて、前記原料容器の温度を増減、またはキャ
リアガス流量を増減すること、または前記容器内圧力を
増減することにより、原料輸送量を増減することを特徴
とする請求項8に記載のCVD成膜方法。 - 【請求項12】 前記原料を複数の系統から供給するこ
とを特徴とする請求項8,9,10又は11に記載のC
VD成膜方法。 - 【請求項13】 気体原料供給系から気体原料を供給す
ることを特徴とする請求項8,9,10,11又は12
に記載のCVD成膜方法。 - 【請求項14】 反応室内に原料と校正用ガスを供給
し、反応室に設置した質量分析器によりCVD成膜中の
原料と校正ガスの成分の濃度差の分析を行い、 それらの分析強度を基に反応室への原料供給量を制御す
ることを特徴とする請求項8,9,10,11,12又
は13に記載のCVD成膜方法。
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1997
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