JP3063941B2 - ジデメチルアロサミジン及びその製造法 - Google Patents
ジデメチルアロサミジン及びその製造法Info
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Description
の分野において有用なジデメチルアロサミジン及びその
製造法に関する。
り、真菌が分裂・増殖を繰り返す過程では、キチンの整
合のとれた合成と分解とが行われている。一方、キチン
は昆虫の表皮の主成分であり、昆虫が脱皮・成長してい
く過程では、やはりキチンの合成と分解とが巧みに制御
されていることが知られている。
る主要な酵素であり、従ってこの酵素に対する阻害剤
は、新しいタイプの抗真菌剤あるいは昆虫成長制御剤と
なりうることが期待される。
ロサミジン(Allosamidin:S.Sakuda et al., J.A
ntibiotics. 40, 296〜300, 1987)、メチルアロサミジ
ン(Methylallosamidin:作田庄平ら,第28回天然有機
化合物討論会講演要旨集,p.70,1986)、デメチルアロ
サミジン(Demethylallosamidin:S.Sakuda et al.,
Agric. Biol. Chem., 54, 1333〜1335, 1990,特開
平3−58792号公報)、グルコアロサミジンA及びB、
メチル−N−デメチルアロサミジン(Glucoallosamidi
n.A and B,Methyl−N−demethylallosamidin:Y.
Nishimoto etal., J.Antibiotics,44,716〜722,1
991)が知られている。
たこれらの化合物の、カンジダ・アルビカンス(Candi
da Albicans)等の病原性真菌類のキチナーゼに対する
阻害活性は充分ではなく、さらに強力なキチナーゼ阻害
物質を開発する必要があった。また、これらの化合物は
いずれも脂溶性が低く、昆虫表皮層、真菌膜の透過性が
充分ではないため、さらに脂溶性が高い化合物あるいは
脂溶性を高めるための修飾を行い易い化合物を開発する
必要があった。
キチナーゼに対してより強力な阻害活性を有し、かつ脂
溶性が高い、あるいは脂溶性を高めるための誘導体合成
を行い易いアロサミジン化合物を探索することが重要と
考えた。
ンジダ・アルビカンス由来のキチナーゼに対する阻害活
性を指標に広く天然界より検索した結果、ストレプトミ
セス属の微生物が下記化学構造式〔I〕で表わされるジ
デメチルアロサミジンを生産することを見出し、これに
基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は下記の化学構造式で表わされるジデメチルアロサミジ
ンに関するものである。
ジンを製造するには、同化合物を生産する能力を有する
菌、例えばストレプトミセス・エスピー(Streptomyce
s sp.)AJ9463(FERM BP−2801)を適当な培
地に培養し、その培養物から同化合物を採取することに
より行われる。
ces sp.)AJ9463(FERM BP−2801)の菌学的
性質は次のとおりである。 (1) 形態的性質 顕微鏡下観察では、基生菌糸は各種栄養寒天培地上で分
岐してよく生育し、よく伸長した気菌糸を形成する。輪
生枝は認められない。胞子鎖の形態は多くのものが直線
状ないし、ゆるやかな曲状を示す。成熟した胞子は、楕
円形で1×(1.5〜2)μm程度の大きさを示し、表面は
平滑だがしわがあり、胞子の連鎖は10〜数10であり、胞
子間の境界はやや不鮮明である。また、胞子のう、菌
核、運動性胞子などは認められない。
色の標準を用いた。 シュクロース・硝酸塩寒天培地 中程度に生育し、ほとんど無色の発育上にうっすらと灰
色の気菌糸を形成し、裏面の顕著な色や溶解性色素は認
められない。 グルコース・アスパラギン寒天培地 良好に生育し、うす茶色の発育上に気菌糸はほとんど認
められず、裏面の顕著な色や可溶性色素は認められな
い。 グリセリン・アスパラギン寒天培地(ISP5培地) 中程度に生育ないし生育は悪く、ほとんど無色の発育上
にうっすらと白色〜灰色の気菌糸を形成し、裏面の顕著
な色や可溶性色素は認められない。 スターチ寒天培地(ISP4培地) 良好に生育し、灰味赤茶色の発育上にまばらにうっすら
と白色〜灰色〜黒色の気菌糸を形成し、裏面の顕著な色
や可溶性色素は認められない。 チロシン寒天培地(ISP7培地) 中程度に生育ないし生育は悪く、ほとんど無色の発育上
にうっすらと白色〜灰色の気菌糸を形成し、裏面の顕著
な可溶性色素は認められない。 栄養寒天培地 良好に生育し、うす黄茶色の発育上に豊富に灰色の気菌
糸を形成し、裏面の顕著な色や可溶性色素は認められな
い。 イースト・麦芽寒天培地(ISP2培地) 良好に生育し、うす茶色の発育上にまばらにうっすらと
灰色の気菌糸を形成し、裏面の顕著な色は認められず、
可溶性色素は認められないが、わずかに灰味黄茶色を帯
びる程度である。 オートミール寒天培地(ISP3培地) 良好に生育し、灰味茶色の発育上に豊富に灰色の気菌糸
を形成し、裏面の顕著な色は認められず、可溶性色素は
認められないが、わずかに灰茶色を帯びる程度である。
℃で培養し、いずれにおいてもゼラチンの液化が認めら
れた。 スターチの加水分解 スターチ寒天培地(ISP4培地)上で陽性。 脱脂牛乳の凝固・ペプトン化 37℃において強い凝固がみられ、ペプトン化は見られな
かった。27℃においては凝固は見られず強いペプトン化
が見られた。 メラニン様色素の生成 チロシン寒天培地(ISP7培地)で陰性。
ブ培地) 利用する:D−グルコース、D−キシロース、L−ラム
ノース、ラフィノース やや利用する:D−フルクトース、シュクロース 利用しない:L−アラビノース、イノシトール、D−マ
ンニット なお、細胞壁に含まれる2,6−ジアミノピメリン酸は
LL−型であった。
プトマイセス・エスピー(Streptomyces sp.)である
ことが判明した。
法に準ずるが、通常は液体培地による深部培養が有利で
ある。培養に用いられる培地としては、生産菌が利用で
きる栄養源を含有するものであればよい。すなわち、炭
素源としてはグルコース、フラクトース、澱粉、デキス
トリン等が用いられ、窒素源としては肉エキス、カゼイ
ン、グルテン、酵母エキス、大豆粉、コーン・スティー
ブ・リカー、尿素、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニ
ウム等が用いられる。このほか、例えばリン酸水素ナト
リウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の無機塩
も必要に応じて用いることができる。培養にあたり、発
泡のはげしいときにはシリコン化合物、高級アルコー
ル、植物油等の消泡剤を少量を添加すればよい。
が最も好ましい。培養時間は1〜10日間程度がよいが、
培養条件により適宜変更することができる。
ンは、主として菌体内に蓄積されるので、一般には遠心
分離、濾過等の手段により分離した菌体から例えば抗生
物質の単離に用いられる手段によって分離、精製され
る。具体的にはメタノール、n−ブタノール等の低級ア
ルコールによる溶媒抽出法、シリカゲル、けい藻土、ア
ビセル、アルミナ等を使用する吸着カラムクロマトグラ
フィー、トヨパールHW40(東ソー(株)製のゲル濾過用
担体)等を使用するゲル濾過法、各種イオン交換クロマ
トグラフィー、オクタデシル化されたシリカゲルを担体
とする逆相分配カラムクロマトグラフィー及びHPL
C、更には向流分配法、晶析、再結晶等の精製手段を順
次又は適宜組み合わせて行うことにより単離、精製する
ことができる。
サミジンは下記の理化学的性質を有する。 a)外 観;白色粉末 b)分子量;594(FABMS;m/z595(M+H)+、グ
リセロール・マトリックス) c)分子式;C23H38N4O14 d)紫外部吸収スペクトル;0.1N酢酸中、末端吸収 e)1H−核磁気共鳴スペトル;図1(600MHz、0.3%
重酢酸を含む重水中)に示す。 f)13C−核磁気共鳴スペクトル;150MHz、0.3%重
酢酸を含む重水中、下記のシグナルを示す(δ)(ただ
し、本化合物は本溶媒中で複数のコンフォメーションを
とり、それによると考えられる下記以外の複数の微小シ
グナルを示す。)。 171.0(Q)、170.8(Q)、159.3(Q)、97.6(CH)、
96.3(CH)、84.0(CH)、81.7(CH)、77.2(C
H)、77.2(CH)、73.9(CH)、70.5(CH)、6
9.6(CH)、67.1(CH)、66.0(CH)、63.2(C
H)、61.2(CH)、57.9(CH2)、56.5(CH2)、
49.9(CH)、49.5(CH)、48.4(CH)、17.9(C
H3)、17.9(CH3)
述の通りであり、既知のアロサミジン類と異なりアロサ
ミゾリンの7位のアミノ基が脱メチル化された新規化合
物であり、カンジダ・アルビカンス、サッカロミセス・
セレビシエ(Saccharomycescerevisiae)及びトリコデ
ルマ・エスピー(Trichoderma sp.)由来のキチナーゼ
に対し、強力な阻害活性を示すことが判明した。
ロサミゾリンの7位のアミノ基がメチル化されていない
事は、ここに脂溶性の高い置換基を導入する際に有利で
あり、昆虫表皮や真菌膜に対する透過性を増した脂溶性
の高いキチナーゼ阻害剤を合成するには有利と考えられ
た。
ジデメチルアロサミジンは、カンジダ・アルビカンス、
サッカロマイセス・セレビシエ、トリコデルマ・エスピ
ー由来のキチナーゼに対し阻害活性を示す。
く、マウス腹水乳ガン細胞やヒト白血病細胞に対して
は、いずれの化合物1mg/mlの濃度で添加しても何ら生
育阻害を示さなかった。
させることによって、例えば抗真菌剤として利用するこ
とができる。これらを有効成分として含有する抗真菌剤
はヒトに包含されるカビ、酵母等の真菌の関与する真菌
症、ほ乳動物を治療する真菌症治療薬として有用であ
る。経口投与の場合は錠剤、カプセル剤またはエリキシ
ル剤のような調剤で、また非経口投与の場合は無菌溶液
剤、懸濁液剤で処方することによって生体中の真菌増殖
を阻害し、あるいは死滅させることができる。本発明の
化合物を前記の有効成分として使用する場合には、かか
る治療を必要とする患者(動物、およびヒト)にたいし
て患者あたり10〜1000mgの容量範囲で投与することがで
きる。用量は病気の重さ、患者の体重および当業者が認
める他の因子によって変化させればよい。
合物または混和物として用いることができ、生理学的に
認められるベヒクル、担体、賦形剤、結合剤、防腐剤、
安定剤、香味剤等と共に一般に認められた製薬実施に要
求される単位用量形態で混和される。これらの組成物ま
たは製剤における活性物質の量は指示された範囲の適当
な用量が得られるようにするものである。
具体的な薬剤は次に示す物である。アラビヤゴム、コー
ンスターチまたはゼラチンのような結合剤、微晶性セル
ロースのような賦形剤、アルギン酸等のような膨化剤、
ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ナトリウム
デソキシコレート等の溶解補助剤、ショ糖、乳糖のよう
な甘味剤、ペパーミントのような香味剤、調剤単位形態
がカプセルである場合には上記タイプの材料に更に油脂
のような液状単体を含有することができる。種々の他の
材料は被覆剤として、または調剤単位の物理的形態を別
な方法で変化させるために存在させることができる。例
えば、錠剤はシェラック、ショ糖またはその両方で被覆
することができる。シロップまたはエリキシルは活性化
合物、甘味剤としてショ糖、防腐剤としてメチルおよび
プロピルパラペン、色素およびチェリーまたはオレンジ
香味のような香味剤を含有することができる。
なベヒクル中の活性物質、ゴマ油、ヤシ油、落花生油、
綿実油等のような天然産出植物油またはエチルオレート
等のような合成脂肪ベヒクルを溶解または懸濁させる通
常の製薬実施にしたがって処方することができる。緩衝
剤、防腐剤、酸化防止剤等が必要に応じて結合すること
ができる。
母エキス 0.1g及び水100mlからなるpH 7.2の培地を
調製し、500ml容坂口フラスコに注入した。120℃で20分
間滅菌したのち、ストレプトミセス・エスピーAJ9463
(FERM BP−2801)の斜面培養菌体を1白金耳接
種し、28℃、150rpmで2日間回転攪拌培養して第一次種
母液を得た。一方、上記と同じ組成の培地1lを調製
し、500ml容坂口フラスコ10本に100mlずつ分注して120
℃で30分間滅菌した。これに上記第一次種母液を2mlず
つ加え、28℃、150rpmで5日間回転攪拌培養して培養液
を得た。この様にして得られた培養液より吸引濾過によ
り菌体を回収した。
えて一晩抽出した。抽出液をヌッチェを用いて濾過し、
菌体と抽出液を分離した。得られた抽出液を減圧濃縮し
てメタノールを除去した後、蒸留水を加えて全体の液量
を80mlにした。この全量をφ2.7×14cmの活性炭カラム
に吸着させ、蒸留水80mlで洗った後、10%エタノール16
0ml、50%エタノール 400mlで順次溶出した。50%エタ
ノールで溶出した画分を減圧濃縮しエタノールを除去し
た。これに蒸留水を加え、全体の液量を20mlにした後、
酢酸でpHを5.0に合わせた。
5.0)で平衡化したSP−SephadexC−25(Pharmacia
社製)カラムに通過させた後、引き続き50mM酢酸アンモ
ニウム(pH 5.0)で溶出した。ジデメチルアロサミジ
ン含有画分を集め、凍結乾燥を行なった。
カラム(Capcell Pak C18 SG120カラム;φ4.6×2
50mm、充填剤粒径5μm、(株)資生堂製)を用いた高速
液体クロマトグラフィーによりジデメチルアロサミジン
を精製した。流速は1ml/minであり、溶出は10mM酢酸
アンモニウム(pH 8.9)水溶液中のアセトニトリル濃
度を30分間に0%から50%まで上昇させていく直線グラ
ジエント法により行った。また、成分の検出は220nmの
紫外線吸収により行った。
れ、分取、減圧濃縮、凍結乾燥後、0.3mgの白色粉末と
して得られた。この時のアロサミジンとデメチルアロサ
ミジンの溶出時間はそれぞれ15.0分と12.2分であった。
阻害活性の測定 (i) キチナーゼ酵素液の調製法 カンジダ・アルビカンス(C.albicans)のキチナーゼ
は以下の方法により調製した。まず、グルコース 4g、
ポリペプトン 1g、水 100mlからなるサブロー培地(p
H 5.6)を調製し、500ml容三角フラスコに注入した。1
20℃で20分間滅菌した後、カンジダ・アルビカンスAT
CC 10231の斜面培養菌体を1白金耳接種し、37℃で2
日間振盪培養し、第一次種母液を得た。一方、上記組成
の培地1lを調製し、500ml容三角フラスコ10本に100ml
ずつ分注し、120℃で20分間滅菌した。これに、上記第
一次種母液を2mlずつ加え、37℃で2日間振盪培養し、
第二次種母液を得た。さらに、上記組成の培地50lを調
製し、100l容培養タンクに注入し、120℃で30分間滅菌
した。これに、上記第二次種母液1lを加え、37℃で15
時間培養した。この時の攪拌速度は140rpm、通気速度は
100l/minであった。この様にして得られた培養液をシ
ャープレスの遠心分離器にかけ、菌体を回収した。この
時得られた菌体の湿重量は、250gであった。
ス−トリス、0.25Mサッカロース、1mMエチレンジアミ
ン四酢酸二ナトリウム塩、pH 6.5)800mlに懸濁し、
これをDyno−mill(ビーズ:MK−2GX,0.25〜0.5
mm)に2回通し、細胞を粉砕した。得られた細胞破砕液
を9000gにて30分間遠心分離し、上澄液を回収した。こ
の上澄液をさらに152000gにて1時間超遠心分離し、上
澄液を回収した。この上澄液を排除限界分子量2万の限
界濾過膜(Toyo Ultrafilter UP−20)にて約5倍
に濃縮し、これをカンジダ・アルビカンスの粗キチナー
ゼ酵素液として以下のアッセイに用いた。
は、以下の方法により調製した。まず、パン酵母(鐘淵
化学工業(株)製)400gを酵素抽出緩衝液(0.1%ジギト
ニン(digitonin:和光純薬(株)製)、0.1%β−メルカ
プトエタノール、25mMメス(MES:半井化学薬品(株)
製))2lに懸濁し30℃、120spmで2時間振盪し、酵素
を抽出した。この抽出液を12000gにて10分間遠心分離
し、上澄液を回収した。この上澄液を限外濾過膜(UP
−20)にて約5倍に濃縮した。濃縮液にクエン酸緩衝液
(0.15Mクエン酸水溶液に0.15Mクエン酸ナトリウム水
溶液を加えpHを3.0に調整したもの)800mlを加え、生
じた沈澱を遠心分離(0℃,12000g,10min)により除
去した後、上清を再び限外濾過膜(UP−20)にて約80
mlまで濃縮した。この濃縮液をパン酵母のキチナーゼと
して以下のアッセイに用いた。
p.)のキチナーゼは、市販のChitinase T−1(朝日
工業(株)製)をMclLvanine緩衝液(0.1Mクエン酸水溶
液に0.2Mリン酸水素2ナトリウム水溶液を加えpHを
5.2に調整したもの)で50μg/mlの濃度に希釈して以
下のアッセイに供した。
アルビカンスのキチナーゼ酵素液50μl、100μg/ml
の4−methylumbelliferyl β−D−N、N'、N"triac
etyl−chitotrioside(以下、4MBTCと略す。SIG
MA社)水溶液50μl、50mMビス−トリス緩衝液(pH
6.5)75μl、0.1N酢酸25μlを加え、37℃にて30分
間反応させた。この時ブランクとしては、酵素液50μl
の代わりに50mMビス−トリス緩衝液(pH 6.5)を用い
て同様に反応した。反応後、0.5Mグリシン−水酸化ナ
トリウム緩衝液(pH 10.4)を添加して全液量を5ml
にした後、蛍光光度計(日立製作所(株)製 MPF−
4)にて蛍光強度を測定した。この時の励起波長は350n
m、蛍光波長は440nmであった。酵素添加時の蛍光強度の
読み取り値とブランクの読み取り値の差をキチナーゼ活
性とした。
する際には、これらを0.1N酢酸に溶解し、その溶液25
μlを上記反応系における0.1N酢酸25μlの代わりに
添加した。また、パン酵母およびトリコデルマ・エスピ
ーのキチナーゼに対する阻害活性を測定する際には、上
記反応系における添加緩衝液を50mMビス−トリス緩衝液
(pH 6.5)から各々0.1Mクエン酸緩衝液(pH3.0)
およびMclLvanine緩衝液(pH 5.2)に変えて測定し
た。
ッカロミセス・セレビシエ及びトリコデルマ・エスピー
のキチナーゼに対する酵素阻害活性は下記の表1に示す
通りであった。
ッコ改変MEM培地に10%の牛胎児血清を加えた培地中
に、マウス腹水乳ガン細胞FM3Aを1×105個/mlと
なるように接種し、これにジデメチルアロサミジンを1
mg/mlになるように添加して、37℃で3日間静置培養し
た。培養したマウス腹水乳ガン細胞FM3Aを顕微鏡で
観察したが生育阻害は全く認められなかった。
えた培地中に、ヒト白血病細胞K562を1×105個/mlと
なるように接種し、これにジデメチルアロサミジンを1
mg/mlになるように添加して37℃で3日間静置培養し
た。培養したヒト白血病細胞K562を顕微鏡で観察した
が生育阻害は全く認められなかった。
ジダ・アルビカンス、サッカロミセス・セレビシエ、ト
リコデルマ・エスピー由来のキチナーゼに対する阻害作
用を有している。従って、抗真菌剤及びキチナーゼ阻害
剤を提供することができる。また、この化合物は発酵生
産されるところから容易に大量生産することができる。
さらに、ジデメチルアロサミジンは分子内に一級アミン
を有しており、このことは脂溶性の高い置換基を導入
し、より有効な誘導体を合成する上で有利と考えられ
る。
鳴スペクトルを示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記の化学構造式で表わされるジデメチ
ルアロサミジン 【化1】 - 【請求項2】 ストレプトミセス属に属し、請求項1記
載のジデメチルアロサミジンを生産しうる微生物を培養
して、培養物からジデメチルアロサミジンを採取するこ
とを特徴とする請求項1記載のジデメチルアロサミジン
の製造法
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP28179592A JP3063941B2 (ja) | 1992-10-20 | 1992-10-20 | ジデメチルアロサミジン及びその製造法 |
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JP28179592A JP3063941B2 (ja) | 1992-10-20 | 1992-10-20 | ジデメチルアロサミジン及びその製造法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH06128279A JPH06128279A (ja) | 1994-05-10 |
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ID=17644088
Family Applications (1)
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JP28179592A Expired - Fee Related JP3063941B2 (ja) | 1992-10-20 | 1992-10-20 | ジデメチルアロサミジン及びその製造法 |
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