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JP3046822B1 - 髄内釘の位置決め装置 - Google Patents

髄内釘の位置決め装置

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JP3046822B1
JP3046822B1 JP11247441A JP24744199A JP3046822B1 JP 3046822 B1 JP3046822 B1 JP 3046822B1 JP 11247441 A JP11247441 A JP 11247441A JP 24744199 A JP24744199 A JP 24744199A JP 3046822 B1 JP3046822 B1 JP 3046822B1
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femur
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Abstract

【要約】 【課題】 手術時の操作性を向上させることができると
ともに、X線撮影を妨げることもない髄内釘の位置決め
装置を提供する。 【解決手段】 位置決め装置20を構成する連結アーム
部材21は、髄内釘10に連結された状態で、少なくと
も連結端部21a側の部分が髄内釘10における軸線の
延長線Pの伸びる方向へ斜めに伸びるように形成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は髄内釘の位置決め装
置に係り、特に、大腿骨の近位端から髄内へ導入される
髄内釘に対して用いる場合に好適な位置決め装置の構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、大腿骨の骨折を治療するための
器具として従来から髄内釘が用いられている。髄内釘は
大腿骨の髄内に導入され、髄内釘に形成された横孔に大
腿骨の外側から骨ねじを交差するように挿通させること
によって、骨折部両側の骨部分を髄内釘に対して回転方
向及び軸線方向に固定するようになっている。
【0003】一方、近年、大腿骨の近位端側の骨折、特
に、大腿骨の骨頭近傍(例えば頚部)の骨折を治療する
ために、大腿骨の全長よりもかなり短い髄内釘が用いら
れている。この種の髄内釘は、通常の髄内釘と同様に、
上記骨ねじが挿通する横孔を先端部(大腿骨の遠位端側
に配置される端部)寄りに備えているとともに、基端部
(大腿骨の近位端側に配置される端部)寄りに配置され
るように形成され、大腿骨の骨頭に向けて斜めに形成さ
れた傾斜孔を備えている。この傾斜孔にはラグスクリュ
ウと呼ばれる骨ねじが大腿骨の外側から導入され、この
ラグスクリュウの先端は傾斜孔を抜けて大腿骨の骨頭内
にねじ込まれる。
【0004】上記の髄内釘を大腿骨に取り付ける際に
は、髄内釘の基端部に連結されるように構成された位置
決め装置(ターゲットデバイス、指標装置、取付装置な
どとも呼ばれる。)が使用される。この位置決め装置
は、通常、概略L型の形状を備えており、髄内釘の基端
部に連結される連結アーム部と、該連結アーム部に対し
て屈曲した形状で繋がった位置決め部とを備えている。
この位置決め部は、連結アーム部の先端に形成された連
結端部を髄内釘の基端部に連結した状態で、髄内釘の軸
線とほぼ並行して下方へ伸びるように形成される。位置
決め部には、髄内釘に形成された傾斜孔や横孔に向けて
正確に伸びる軸線を備えた案内孔などを有する案内手段
が設けられている。
【0005】上記位置決め装置を用いる場合、予め大腿
骨の近位端から髄内へ向けてドリル、リーマなどを用い
て穿孔し、まず、髄内釘の基端部に連結アーム部の連結
端部を連結し、髄内釘を大腿骨の近位端から導入する。
髄内釘が大腿骨の髄内に完全に導入されると、位置決め
装置の案内手段を用いて大腿骨の外側からガイドピン
(ガイドワイヤ)を大腿骨内に導入し、上記傾斜孔を通
して大腿骨の骨頭の内側まで挿入する。その後、ガイド
ピンの骨頭内の位置をX線撮影などによって確認し、問
題がなければ、ガイドピンを受け入れる軸孔を有するド
リルやリーマなどを用いて傾斜孔に合致した孔を大腿骨
に形成する。そして、その後、ガイドピンを受け入れる
軸孔を有するラグスクリュウをガイドピンに沿って大腿
骨に導入し、ラグスクリュウが傾斜孔を通過して骨頭の
内部にまで入り込むようにねじ込む。ラグスクリュウの
骨内の位置を正確に設定することは、髄内釘を確実に固
定しその回旋を防止するために、また、骨折した骨頭を
解剖学的な正しい位置に置くために、非常に重要であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
位置決め装置の構造においては、髄内釘の基端部を患者
の体表面からある程度入り込んだ位置、すなわち大腿骨
の近位端とほぼ同じ深さ位置に収める必要があることか
ら、手術時の操作性を確保するために、連結アーム部の
連結端部を髄内釘の基端部から或る程度髄内釘の延長方
向に伸びるように高く形成している。このため、ガイド
ピンやラグスクリュウの先端部が骨頭の適切な位置まで
挿入されているかどうかをX線撮影によって確認すると
き、ガイドピンやラグスクリュウの先端部が連結アーム
部の連結端部の影になる撮影方向が存在し、この方向か
らX線撮影を行ってもガイドピンやラグスクリュウの先
端部を確認することができないという問題点がある。上
記の撮影方向は患者の側方であるため、この撮影ができ
ないとガイドピンやラグスクリュウの先端部が患者の前
後方向に見て正確な位置に収まっているかを確認するこ
とができなくなり、髄内釘の正確な装着が困難になる。
【0007】そこで本発明は上記問題点を解決するもの
であり、その課題は、手術時の操作性を向上させること
ができるとともに、X線撮影を妨げることもない髄内釘
の位置決め装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の髄内釘の位置決め装置は、骨端部から長骨内
に導入される髄内釘に装着され、該髄内釘に交差する姿
勢で組み付けられるインプラントの挿入を案内若しくは
補助するために用いられる髄内釘の位置決め装置であっ
て、前記髄内釘の基端部に連結される連結端部を有する
連結アーム部と、該連結アーム部に接続されて前記髄内
釘にほぼ並行するように伸び、前記インプラント若しく
は前記インプラントを案内する案内器具の案内若しくは
位置決めを行う案内手段を備えた位置決め部とを有し、
前記連結アーム部における少なくとも前記連結端部寄り
の部分は、前記髄内釘に連結された状態で、前記髄内釘
の前記基端部からの延長軸線が伸びる側へ斜めに伸びる
ように形成されていることを特徴とする。
【0009】この発明によれば、連結アーム部のうち少
なくとも連結端部寄りの部分が、髄内釘の基端部からの
延長軸線の延長方向へ斜めに伸びるように形成されてい
ることによって、髄内釘に連結される連結端部を低く形
成しても、髄内釘の導入作業に支障がなくなるので、連
結端部によってX線撮影などの体内画像の撮影が妨げら
れたり、連結端部が骨盤に抵触したりすることを防止す
ることが可能になる。
【0010】本発明において、少なくとも前記連結端部
寄りの部分における、前記延長軸線の伸びる側の外面
に、前記連結アームの延長方向に沿って伸び、両端部に
おいてその延長方向に開放された形状の縦溝が形成され
ていることが好ましい。この発明によれば、縦溝を形成
することによって、連結アーム部の機械的強度の低下を
抑制しつつ、連結アーム部の連結端部寄りの部分におけ
る上面をさらに低く形成することができるので、体内画
像の撮影をより容易に行うことができる。
【0011】本発明において、前記長骨は大腿骨であ
り、前記連結端部に前記髄内釘を接続して前記髄内釘を
大腿骨内に導入した状態で、前記連結端部が前記大腿骨
の骨頭の最上部よりも低くなるように構成されているこ
とが好ましい。この発明によれば、連結端部が大腿骨の
骨頭の最上部よりも低くなるように構成されていること
によって、大腿骨の骨頭内に導入するガイドピンやラグ
スクリュウの先端部の位置を体内画像の撮影により容易
に知ることができる。
【0012】本発明において、前記連結アーム部は、前
記連結端部と前記連結端部寄りの部分との間において滑
らかに湾曲していることが好ましい。この発明によれ
ば、連結端部を低く形成しても、連結端部と、傾斜した
部分との間が滑らかに湾曲していることにより、髄内釘
の挿入時においてスムーズに連結端部の近傍を体内に導
入することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明
に係る髄内釘の位置決め装置の実施形態について詳細に
説明する。図1は、本実施形態の位置決め装置を用いて
大腿骨内に髄内釘を導入した状態を示す概略斜視図であ
る。
【0014】本実施形態の位置決め装置を用いて取り付
けられる髄内釘10は、図示のように、比較的太く形成
された基部11と、比較的細く、基部11に対して僅か
に軸線が傾斜するように形成された挿入部12とからな
り、基部11には、後述するラグスクリュウを挿通させ
るための斜めに貫通した2つの傾斜孔11a,11bが
形成され、また、内部に図示しない雌ねじを有する基端
部11cが設けられている。一方、基部11の先端側に
伸びる挿入部12には、後述する骨ねじを挿通させるた
めの横孔12aと、この横孔12aのさらに先端側を2
つに分岐するように髄内釘10の軸線方向に延長するス
リット12bとが形成されている。
【0015】本実施形態の位置決め装置20は、上記髄
内釘10の基端部11cに連結される連結端部21aを
有する連結アーム部材21と、この連結アーム部材21
の他端部21bに接続される位置決め部材22とから概
略構成される。連結アーム部材21は、髄内釘10に連
結された状態で、図2に示すように、少なくとも連結端
部21a側の部分が髄内釘10における軸線の延長線P
の伸びる方向へ斜めに伸びるように形成されている。図
示例においては、上記延長線Pと連結アーム部材21に
おける連結端部21a側の部分の上面との間の交差角θ
は約60度である。
【0016】上記交差角θは30〜70度の範囲内であ
ることが好ましいが、一般的に交差角θが小さくなると
連結アーム部材が骨盤に抵触しやすくなることから挿入
時の作業性が悪化し、交差角θが大きくなると髄内釘を
所定位置に収めるために連結端部をある程度高く形成し
なければならなくなる。
【0017】また、本実施形態においては、連結端部2
1aと、髄内釘10における連結端部寄りの傾斜した部
分との間が滑らかに湾曲するように形成されている。図
2に示すように、髄内釘10が所定位置(髄内釘10の
基端部11cが大腿骨Aの骨端部(大転子部Bの上端
部)とほぼ一致する位置)にセットされたとき、連結端
部21aは大腿骨の骨頭Cの上端部よりも低い位置に配
置されるように形成される。
【0018】連結アーム部材21の連結端部21aに
は、図1及び図3に示すように、連結アーム部材21と
髄内釘10とを連結するためのボルト23を挿入して軸
線方向に係合させるための段付きの挿通孔21cが形成
されている。また、他端部21bには、連結アーム部材
21と位置決め部材22とを接続するためのボルト24
を挿入して軸線方向に係合させるための段付きの挿通孔
21fが形成されている。連結端部21aの端部には、
図3に示すように、髄内釘10の基端部11cに形成さ
れた図示しない切欠き状の係合凹部に嵌合するように形
成された係合凸部21gが形成されている。したがっ
て、係合凸部21gを基端部11cの係合凹部に嵌合さ
せた状態で、図1に示すボルト23を挿通孔21cに挿
入し、基端部11cに形成された図示しない雌ねじに螺
合させることによって、髄内釘10をその軸線周りに回
転しない状態でしっかりと連結アーム部材21に連結す
ることができる。
【0019】さらに、連結アーム部材21における連結
端部21a側の部分の上面には、連結アーム部材21の
延長方向に伸びる縦溝21dが形成されている。この縦
溝21dにおける連結端部21a側の端部は、上記挿通
孔21cの内部にそのまま開口しており、また、この縦
溝21dにおける他端部21b側の端部は、連結アーム
部材21が伸びる方向にそのまま開口している。すなわ
ち、この縦溝21dの両端部はその延長方向に開放され
た形状になっている。
【0020】連結アーム部材21には、上下方向及び左
右方向に貫通した複数の貫通孔21eが形成されてい
る。これらの貫通孔は軽量化を図るためのものであるの
で、貫通孔でなく、所定の深さ位置まで穿設された穴部
や凹部であっても構わない。
【0021】位置決め部材22は、連結アーム部材21
に対する接続端部22aから、下方の案内構造部22b
に至るまで、髄内釘10に対して並行して伸びるように
構成されている。接続端部22aには、図4に示すよう
に、上記ボルト24に螺合する雌ねじ部22cと、上記
の連結アーム部材21の他端部21bに形成された図3
に示す係合凹部21hに嵌合する係合凸部22kとが設
けられている。したがって、係合凸部22kを係合凹部
21hに嵌合させるようにして連結アーム部材21と位
置決め部材22とを突合せ、この状態で、ボルト24を
挿通孔21fに挿通させ、さらに雌ねじ部22cに螺合
させることによって、位置決め部材22をその延長軸線
の周りに回転させることができないようにしっかりと連
結アーム部材21に対して接続することができる。
【0022】案内構造部22bは、位置決め部材22の
下半分において上下方向に伸びるように形成されたすり
割り状のスリット22sによって2つに分割されたもの
となっている。このスリット22sの相互に対向する内
面には、図4に示すように、半円筒面を有する凹溝がス
リット22sを挟んでその両側に相互に対応する位置に
形成され、その結果、図4に一点鎖線で中心線を示す大
小様々な内径及び様々な貫通方向を有する5つの案内孔
22d,22f,22g,22h,22iが形成され
る。
【0023】案内構造部22bの下端部には、スリット
22bを挟んだ一方の部分には雌ねじを備えた図4に示
すねじ孔22jが形成され、他方の部分にはねじ孔22
jに対応する位置に図示しない段付きの挿通孔が形成さ
れている。これらのねじ孔22j及び挿通孔には、挿通
孔の形成された側から雄ねじ付きの締結軸23が挿入さ
れ、締結軸23の先端部はねじ孔22jに螺合するとと
もに、締結軸23の中間部が挿通孔の段付き部に係合
し、締結軸23が所定深さよりも挿入できないように構
成されている。したがって、締結軸23のねじ込み度合
いによってスリット22sによって形成された案内構造
部22bの間隙量を調節できるようになっている。締結
軸23の外端部には操作レバー24が回動自在に連結さ
れており、操作レバー24を締結軸23の軸線に対して
交差する姿勢とした図示の状態で、操作レバー24を旋
回させることによって締結軸23を容易に回転させるこ
とができる。
【0024】上記実施形態においては、連結アーム部材
21と位置決め部材22とをボルト24によって接続し
た状態で使用する。そして、髄内釘10が連結アーム部
材21の連結端部21aに連結された状態で、リーマ等
によって穿孔された大腿骨の近位端から髄内に導入され
る。
【0025】このとき、骨盤側方の切開部から髄内釘1
0の先端部を差込み、大腿骨Aの大転子部Bの上部に形
成された開口から髄内に導入するが、髄内釘10を大腿
骨Aの大転子部Bから髄内に導入可能とするために、切
開部は大腿骨Aの大転子部Bよりもやや上方に形成され
る。しかしながら、従来一般の位置決め装置において連
結アーム部はその連結端部から水平若しくはやや下方に
向けて伸びるように形成されているので、連結アーム部
が切開部から外部へ引き出された状態にするには、その
連結端部は、必然的に大転子部Bから切開部まで(或い
は、場合によっては切開部からさらに上方まで)、髄内
釘の軸線の延長方向である上方へ伸びた形状になってい
なければならない。すなわち、従来の装置では、連結端
部が髄内釘の軸線方向上方へそのまま切開部まで、或い
はそれ以上の高さまで一旦伸びた後、水平又はやや下方
へ伸びるように形成された連結アーム部が形成されてい
た。
【0026】しかしながら、本実施形態では、連結アー
ム部材21の連結端部側の部分が斜め上方へ向けて伸び
ているので、連結端部を従来ほど高く(上下方向に長
く)しなくても連結アーム部材21を切開部から体外へ
引き出した状態にすることができるようになる。したが
って、連結端部21aを低く形成することができるよう
になるので、図2に示す矢印Fの方向からX線を照射し
た場合、連結端部21aがX線撮影の邪魔になることが
少なくなり、骨頭C内におけるガイドピン31やラグス
クリュウ32の先端部の位置を容易に知ることができ
る。
【0027】なお、この場合、図示のように連結端部2
1aが骨頭Cの上端部よりも低い位置に配置されるよう
に形成することによって、さらにX線撮影を容易に行う
ことができる。また、連結アーム部材21の少なくとも
斜め上方に伸びる部分の上面に縦溝21dが形成され、
この縦溝21dの両端部がその延長方向に開放されてい
ることによって、連結アーム部材21の機械的強度をそ
れほど低下させることなく、X線の照射範囲若しくはX
線画像の範囲を下方へ広げることができる。
【0028】また、上記と同様に連結端部21aを低く
形成することができることにより、髄内釘10の挿入時
において連結端部21aが骨盤Dに抵触する可能性をほ
とんど無くすことができるから、手術時の作業性を向上
させることができる。
【0029】さらに、本実施形態では、連結端部21a
を低く形成することによって連結端部21aの全てが体
内に導入されることになるが、連結端部21aと、そこ
に続く傾斜した部分との間が滑らかに湾曲しているた
め、髄内釘10を切開部から挿入し、大腿骨A内に導入
するとき、スムーズに連結端部21aを体内に導入させ
ることができるようになる。
【0030】上記のように髄内釘10が図2に示す正規
の位置に収まると、次に、図1及び図4に示す案内孔2
2fに、図2に点線で示すスリーブ状の案内器具30を
挿入し、操作レバー24を回転させて案内構造部22b
によって案内器具30を挟圧し、固定する。そして、案
内器具30によってガイドピン31を案内しながら大腿
骨A内に挿入し、髄内釘10の傾斜孔11aを通過させ
て、ガイドピン31の先端を骨頭C内に到達させる。そ
の後、ドリルやリーマなどの穿孔具を用いてガイドピン
31に沿って孔を形成し、さらにラグスクリュウ32を
ガイドピンに沿って骨内に導入する。
【0031】なお、案内構造部22bの案内孔22d
は、上記と同様にして髄内釘10の傾斜孔11bを通過
するガイドピンやラグスクリュウなどを案内するための
ものである。また、案内孔22g及び22hは、髄内釘
10のスリット12b内を水平方向に通過する骨ねじ3
3を案内するための図示しない案内器具を取り付けるも
のであり、案内孔22iは、髄内釘10の横孔12aを
通過する骨ねじ33を案内するための図示しない案内器
具を取り付けるためのものである。
【0032】尚、本発明の位置決め装置は、上述の図示
例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱
しない範囲内において、種々変更を加え得ることは勿論
である。
【0033】例えば、上記実施形態では、連結アーム部
材21の全長のうち連結端部21a寄りの約半分の長さ
を有する部分が連結端部21aから斜め上方へ直線状に
伸びているが、この傾斜した部分の長さは任意である。
ただし、当該部分が少なくとも切開部から体外へ出る付
近まで形成されていることが好ましい。
【0034】また、上記の斜め上方へ伸びている傾斜し
た部分は、本実施形態のように直線状である必要はな
く、全体として湾曲するように形成されていても構わな
い。
【0035】さらに、上記実施形態では、大腿骨の骨頭
や頚部などの大腿骨上部に発生した骨折を治療するため
の髄内釘を取り付けるための位置決め装置として構成さ
れているが、このような髄内釘でなく、従来から使用さ
れてきた種々の髄内釘の本体に対して、上記の骨ねじ3
3のようなインプラントを取り付けるための位置決め装
置として構成することも可能である。
【0036】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
連結アーム部のうち少なくとも連結端部寄りの部分が、
髄内釘の基端部からの延長軸線の延長方向へ斜めに伸び
るように形成されていることによって、髄内釘に連結さ
れる連結端部を低く形成しても、髄内釘の導入作業に支
障がなくなるので、連結端部によってX線撮影などの体
内画像の撮影が妨げられたり、連結端部が骨盤に抵触し
たりすることを防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る髄内釘の位置決め装置の実施形態
を示す概略斜視図である。
【図2】同実施形態の使用状態を説明するための側面図
である。
【図3】同実施形態の連結アーム部材の構造を示す縦断
面図である。
【図4】同実施形態の位置決め部材の構造を示す縦断面
図である。
【符号の説明】
10 髄内釘 11c 基端部 20 位置決め装置 21 連結アーム部材 21a 連結端部 21d 縦溝 22 位置決め部材

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨端部から長骨内に導入される髄内釘に
    装着され、該髄内釘に交差する姿勢で組み付けられるイ
    ンプラントの挿入を案内若しくは補助するために用いら
    れる髄内釘の位置決め装置であって、 前記髄内釘の基端部に連結される連結端部を有する連結
    アーム部と、該連結アーム部に接続されて前記髄内釘に
    ほぼ並行するように伸び、前記インプラント若しくは前
    記インプラントを案内する案内器具の案内若しくは位置
    決めを行う案内手段を備えた位置決め部とを有し、 前記連結アーム部における少なくとも前記連結端部寄り
    の部分は、前記髄内釘に連結された状態で、前記髄内釘
    の前記基端部からの延長軸線が伸びる側へ斜めに伸びる
    ように形成されていることを特徴とする髄内釘の位置決
    め装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、少なくとも前記連結
    端部寄りの部分における、前記延長軸線の伸びる側の外
    面に、前記連結アームの延長方向に沿って伸び、両端部
    においてその延長方向に開放された形状の縦溝が形成さ
    れていることを特徴とする髄内釘の位置決め装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記長
    骨は大腿骨であり、前記連結端部に前記髄内釘を接続し
    て前記髄内釘を大腿骨内に導入した状態で、前記連結端
    部が前記大腿骨の骨頭の最上部とほぼ同じ高さになる
    か、或いは、それよりも低くなるように構成されている
    ことを特徴とする髄内釘の位置決め装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか1
    項において、前記連結アーム部は、前記連結端部と前記
    連結端部寄りの部分との間において滑らかに湾曲してい
    ることを特徴とする髄内釘の位置決め装置。
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