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JP2907009B2 - 絶縁板および該絶縁板を備えた電気接続箱 - Google Patents

絶縁板および該絶縁板を備えた電気接続箱

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JP2907009B2
JP2907009B2 JP6175761A JP17576194A JP2907009B2 JP 2907009 B2 JP2907009 B2 JP 2907009B2 JP 6175761 A JP6175761 A JP 6175761A JP 17576194 A JP17576194 A JP 17576194A JP 2907009 B2 JP2907009 B2 JP 2907009B2
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JP
Japan
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diameter
electric wire
insulating plate
groove
small
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孝浩 鬼塚
雄次 阪
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
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  • Connections By Means Of Piercing Elements, Nuts, Or Screws (AREA)
  • Connection Or Junction Boxes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用の電気接続箱
に用いられる絶縁板および該絶縁板を備えた電気接続箱
に関し、詳しくは、多数のヒューズ、リレー等を含む電
気回路を集中的に配置して、ワイヤハーネスの分岐接続
を合理的に行う電気接続箱において、内部回路を電線と
圧接端子により構成し、この内部回路を構成する電線の
直径が相違しても、効率よくスペースを取らずに配線出
来るようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の電気接続箱において、内
部回路の設計変更に容易に対応することができるものと
して、導電性金属板を打抜加工して形成するバスバーに
代えて、電線を配線し、該電線と外部出入力端子との接
続、電線同士の接続を圧接端子により行うものが提供さ
れている。
【0003】上記電線と圧接端子とからなる内部回路を
設ける場合、圧接端子は、電気接続箱のアッパーケー
ス、ロアケースおよび/あるいはアッパーケースとロア
ケースの間に介設する絶縁板に予め取り付けておき、該
圧接端子に対して電線を圧入して圧接接続している。
(実開平3−120627号公報、特開平6−9682
0号公報、実開平1−166419号公報等)
【0004】また、上記実開平1−166419号で
は、電気接続箱の内部回路に、電線と圧接端子からなる
回路と、バスバーからなる回路との両方を用いている。
即ち、図9に示すにように、バッテリーに接続される電
源側回路では大電流用の導電材が必要である一方、該電
源側回路と分岐接続する負荷側回路では小電流用の導電
材で良いと共に回路変更が多いため、電源側回路にはバ
スバー1を用い、負荷側回路には電線2と圧接端子3を
用い、バスバー1と電線2とはヒューズ4で接続してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記実開平1−166
419号に記載の電気接続箱のように、上流側の電源側
回路をバスバーで構成し、下流側の負荷側回路を電線と
圧接端子とから構成する場合、構造が複雑になると共
に、バスバーの取付態様と、電線および圧接端子との取
付態様が相違するため、作業工程が増加する。さらに、
バスバーを用いるためにバスバー形成金型を必要とする
と共に、電線を用いるために布線用金型が必要となり、
コストが大幅に増加する問題がある。かつ、電源側の回
路も他車種に共用して用いる時、変更が必要な場合も多
く、その場合、電源回路側にバスバーを用いていると、
容易に回路変更に対応できない欠点がある。
【0006】上記欠点は、電源回路側も電線と圧接端子
とで形成すると解消できるが、電源回路側は太物の大径
電線を用いなければならず、一方、負荷側回路は細物の
小径電線および中径の電線を用いており、これらの電線
を同一平面上に布線すると、電線を配線するための占有
面積が増大し、電気接続箱の設置スペースを大きくと
り、場所によっては設置できない場合もある。
【0007】また、従来のように、アッパーケースある
いはロアケースに圧接端子を取り付け、これらケースの
内面に電線を布線すると同時に圧接端子と接続させる場
合、アッパーケースおよびロアケースの外面にはコネク
タ部が突設されて凹凸があるため、電線の布線および圧
接端子との接続が安定して出来ない問題がある。また、
ケースに予め取り付けた圧接端子への電線の圧接と、ケ
ース同士の組み付けが同時に行われるため、電線と圧接
端子との圧接状態の良否が確認できない問題がある。
【0008】本発明は、上記した問題に鑑みてなされた
もので、各種サイズの電線を面積を取らずに効率よく布
線できるようにして、電気接続箱の内部回路を上流側の
電源側回路を含めて全て電線と圧接端子とからなる回路
で構成し、かつ、圧接端子と電線との圧接が安定した状
態で簡単かつ確実に行え、しかも圧接状態の良否が確認
できるようにすることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、請求項1で、ケース内部に取り付けられ
る絶縁板として、その少なくとも一面に電線を挿入保持
する配線溝を設け、該配線溝の少なくとも一部を細幅の
小径電線挿入溝部と、該小径電線挿入溝部の開口側に広
幅の大径電線挿入溝部とを段状に形成し、小径電線と大
径電線を重ねて挿入保持できるようにし、かつ、該配線
溝の所要箇所に溝幅を大とした圧接端子打込部が設けら
れている絶縁板を提供している。
【0010】上記配線溝は、回路に応じて、小径電線挿
入溝部と大径電線挿入溝部の間に中間幅の中径電線挿入
溝部を設けて、3段形状の溝としている。(請求項2) あるいは、上記配線溝を絶縁板の両面に開口させて、絶
縁板の厚さ方向の中心部に小径電線挿入溝部、両側に中
径電線挿入溝部および/あるいは大径電線挿入溝部を設
けてもよい。(請求項3) 上記した両端に開口した場合には、配線溝は3段形状あ
るいは5段形状等となる。
【0011】上記段状の配線溝に形成する圧接端子打込
部は、溝幅全体を大径電線用の圧接端子が打ち込める幅
に形成し、該圧接端子打込部にスロットの幅を小径用、
中径用および/あるいは大径用に連続して形成した圧接
端子を小径電線挿入溝部側から打ち込んで各電線と圧接
出来るように構成している。(請求項4) なお、段状の配線溝に圧接端子を打ち込む場合は、重ね
て配線した電線同士を接続する場合である。各電線に単
独に圧接端子を接続する場合は、段状の配線溝に連続さ
せる1段形状の配線溝(即ち、小径電線のみを配線する
小径電線溝、大径電線のみを配線する大径電線溝等)に
設けた圧接端子打込部に圧接端子を打ち込んで圧接接続
させる。
【0012】また、本発明は、請求項5で、ケース内部
に取り付けられ、その少なくとも一面に電線を挿入保持
する配線溝を設け、該配線溝の少なくとも一部を細幅の
小径電線挿入溝部と、該小径電線挿入溝部の開口側に広
幅の大径電線挿入溝部とを段状に形成し、小径電線と大
径電線を重ねて挿入保持できるようにし、かつ、該配線
溝の所要箇所に溝幅を大とした圧接端子打込部が設けら
れている絶縁板と、上記配線溝に挿入保持された電線
と、一端側に電線圧接部を備えると共に他端側に出入力
端子部を備え、上記絶縁板の配線溝に挿入保持された電
線に対して、上記圧接端子打込部で打ち込んで電線と圧
接接続させ、出入力端子部をケースの外壁に設けた端子
孔より突出して外部回路と接続する圧接端子とを備えて
いることを特徴とする電気接続箱を提供している。
【0013】
【作用】本発明の請求項1の絶縁板によると、小径電線
と大径電線とを同一垂直線上に配線する場合、上記小径
電線挿入溝部に対して小径電線を直接配線し、ついで、
該小径電線に重ねるように、大径電線挿入溝部に大径電
線を直接配線する。このように、径の相違する電線を垂
直方向に重ねて配線できるためスペースをとらない。ま
た、請求項2の絶縁板においては、小径、中径および大
径の3種類のサイズの異なる電線を同一垂直線上に配置
出来る。尚、上記段状に形成した配線溝を、別個に形成
した小径電線用の配線溝および大径電線用の配線溝にそ
れぞれ連続させ、例えば、独立して形成した一段形状の
小径電線用の配線溝に配線した小径電線を、上記段状に
形成した配線溝の小径電線挿入溝部に配線している。
【0014】請求項3の絶縁板では、一面を上向きとし
て配置して小径の電線より順次配線し、ついで、絶縁板
を逆転して他面を上向きとし、配線する。この絶縁板で
は、両面に開口させて形成しているため、同一垂直線上
に多数の電線を配線できる。この場合、絶縁板の厚さは
大となるが、電気絶縁箱を設置するスペースが小さくな
るため、高さに余裕がある場合には、好適に用いられ
る。
【0015】請求項4の絶縁板によると、段状に形成し
た配線溝に重ねて配線した複数の電線を1つの圧接端子
により接続することが出来る。即ち、段状の配線溝の所
要箇所に形成した圧接端子打込部に圧接端子を小径電線
挿入溝部側より圧入すると、配線溝に配線した小径電線
および大径電線を、1回の圧接端子の取り付けにより電
気的に接続できる。
【0016】請求項5の絶縁板を備えた電気接続箱で
は、絶縁板に対して電線の布線パターンに応じて小径電
線および大径電線を直接挿入し、ついで、圧接端子を電
線に圧接して取り付ける。この時点では、絶縁板にケー
スが取り付けられおらず、この状態で圧接接端子と電線
の圧接状態の良否を確認することが出来る。その後に、
絶縁板にケースを配置し、ケースの端子孔に絶縁板より
突出した圧接端子の出入力端子部を貫通させながら、絶
縁板に対してケースを取り付ける。上記のように、径の
相違する電線を垂直方向に重ねて配線できる絶縁板を用
いると、電源回路側の大径電線と、負荷回路側の小径電
線とを同一垂直線上に配置でき、電気接続箱の内部回路
として、バスバーを用いずに、全て電線で構成した場
合、スペースをとらず電気接続箱の小型化を図ることが
出来る。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。図1から図5は第1実施例の絶縁板12を
備えた電気接続箱を示し、該電気接続箱は、図1に示す
ように、アッパーケース10とロアケース11の内部に
一枚の厚肉の絶縁板12を挟持した構成である。該絶縁
板12の下面12aには布線パターンに応じて複数の電
線挿入保持用の一段の配線溝13(13A、13B)と複
数段からなる段状の配線溝30を設けている。上記配線
溝13、30の内部には、小径電線14あるいは/およ
び大径電線15を電線送出機(図示なし)より直接的に挿
入している。この配線溝13および30の内部に保持さ
れた電線14、15に対して、圧接端子16、17およ
び31の圧接部16a、17a、31aを圧入して圧接
接続し、これら圧接端子の他端の出入力端子部16b、
17b、31bをアッパーケース10およびロアケース
11の外壁に形成した端子孔19、20より突出させて
いる。
【0018】詳しくは、上記アッパーケース10、ロア
ケース11及び絶縁板12はいずれもポリプロピレンな
どの絶縁樹脂より成形している。アッパーケース10は
図2に示すように、下端面開口で上壁部10aに、ヒュ
ーズ嵌合部21と、負荷側の電線と接続したコネクタ
(図示なし)を嵌合するコネクタ部22を形成しており、
これらヒューズ嵌合部21、コネクタ部22の周壁に囲
まれた内面に、それぞれ上記端子孔19を穿設してい
る。一方、ロアケース11は上端面開口で、その下壁部
11aより、負荷側の電線と接続したコネクタを嵌合す
るコネクタ部23を突設し、該コネクタ部23の周壁に
囲まれた内面に上記端子孔20を穿設している。上記ア
ッパーケース10とロアケース11の外周壁10b、1
1bの先端面は互いに当接して電気接続箱を形成するよ
うにしている。
【0019】絶縁板12は、図1に示すように、アッパ
ーケース10とロアケース11とを当接した状態で形成
される内部空間に丁度密嵌する形状に成形しており、本
実施例では略一定の肉厚の平板形状である。該絶縁板1
2のロアケース11の内面と接する下面12a側には、
図4(A)(B)および図5に示すように、布線パターンに
対応して配線溝13、30を設けている。
【0020】配線溝13は小径電線14を挿入する配線
溝13Aと大径電線15を挿入する配線溝13Bとから
なり、それぞれ直線形状および一部を屈曲させた平面視
でコ字形状等としている。配線溝30は倒凸形状をして
おり、小径電線14と大径電線15の両方を絶縁板12
の厚さ方向に重ねて配線できる段状に形成している。該
配線溝30は、小径電線挿入溝部30Aの一端を上記小
径電線の配線溝13Aに連続させていると共に、大径電
線挿入溝部30Bの一端を上記大径電線の配線溝13B
に連続させている。
【0021】詳しくは、配線溝30は、絶縁板12の下
面12a側を開口させて形成しており、該下面12aより
大径電線15を配線する広幅の大径電線挿入溝部30B
を凹設し、該大径電線挿入溝部30Bの底面中央より小
径電線14を配線する細幅の小径電線挿入溝部30Aを
凹設している。これら小径電線挿入溝部30Aおよび大
径電線挿入溝部30Bの幅は、電線14、15の直径W
1より僅かに小さくしている。また、大径電線挿入溝部
30Bの深さを大径電線15の直径W1に対して約1.
5倍に設定すると共に、小径電線挿入溝部30Aの深さ
を小径電線14の直径に対して略同一に設定している。
尚、絶縁板12の肉厚は、下面12aから小径電線挿入
溝部30Aの底面までの、配線溝30の全体の深さより
厚くしている。
【0022】また、配線溝30に挿入する電線14、1
5の両方を圧接端子31と接続する部位には、大径電線
挿入溝部30Bの両側壁30a、30bを広げて上面開口
の圧接端子打込部32を形成している。該圧接端子打込
部32は、絶縁板12の上面12bより延在させてお
り、下面12aまでは貫通させずに大径電線挿入溝部3
0Bの所要部位まで延在させている。該圧接端子打込部
32はアッパーケース10のヒューズ嵌合部21の端子
孔19と対向する位置に形成している。
【0023】上記配線溝13A、13Bは、夫々電線1
4、15の直径W1と夫々対応する配線溝13A、13
Bの幅W2を、W1≧W2に設定し、かつ、配線溝14
の深さHと電線直径W1との関係をH≧2W1に設定し
ている。なお、配線溝の深さHは上記関係に限定され
ず、電線直径W1よりも大であればよいが、上記のよう
に2倍に以上とすることが好ましい。
【0024】また、上記配線溝13Aに挿入する小径電
線14と圧接端子16とを接続する部分では、配線溝1
3Aの両側壁13a、13bを広げて溝幅をW3とした
下面開口の圧接端子打込部24を形成している。また、
上記配線溝13Bには、その底面部より絶縁板12の上
面12bへ貫通する上面開口の圧接端子打込部25を形
成している。該圧接端子打込部25は絶縁板12の下面
12aまでは延在させず、上面12bより配線溝13の
側壁13a、13bの中間部位まで形成している。さら
に、上記配線溝13Aの一部にも絶縁板12の上面12
b側へ開口させた圧接端子打込部26を形成している。
上記圧接端子打込部24はロアケース11の端子孔20
と対向し、圧接端子打込部25はアッパーケース10の
ヒューズ嵌合部21の端子孔19と対向し、圧接端子打
込部26はアッパーケース10のコネクタ部22の端子
孔20と対向した位置に設けている。
【0025】図5に示すように、上記配線溝30に圧接
する圧接端子31は、導電性の金属板からなり、一側部
に雄型の出入力端子部31bを備えると共に、他側部に
二股に分岐した圧接部31aを備え、該圧接部31aの幅
を上記圧接端子打込部32に圧入される寸法にしてい
る。該圧接部31aの中央には、凸状に切り欠いたスロ
ット31cを設けている。該スロット31cは、挿入端側
を大径電線15の芯線の直径と略同一幅にして大径用ス
ロット部31c−1を形成していると共に、出入力端子
部31b側を小径電線14の芯線の直径と略同一にして
小径用スロット部31c−2を形成している。
【0026】上記配線溝13Bに打ち込んで大径電線1
5に圧接する圧接端子17、配線溝13Aに打ち込んで
小径電線14に圧接する圧接端子16は従来と同様な形
状で、導線性の金属板からなり、一側部に雄型の出入力
端子部16b、17bを備え、他側部に二股に分岐して
中央部にスロット(図示なし)を有する電線圧接部16
a、17aを有する形状である。これら圧接端子16、
17の電線圧接部16a、17aは上記圧接端子打込部
24、25、26に圧入される寸法としている。
【0027】次に、上記部材からなる電気接続箱の組立
方法を説明する。まず、絶縁板12の下面12aを上向
きとして、配線溝13、30のうち、小径電線用の配線
溝13Aおよび配線溝30の小径電線挿入溝部30A
に、小径電線14を電線送出機により送りだして直接挿
入する。この時、配線溝13Aおよび小径電線挿入溝部
30Aは、その幅を電線14よりわずかに小さく設定し
て小径電線14を圧入するため、配線溝13Aおよび小
径電線挿入溝部30Aの内部に挿入された小径電線14
に曲がりグセがあっても配線溝13Aより浮き上がるこ
となく確実に保持出来る。
【0028】ついで、大径電線配線溝13Bおよび配線
溝30の大径電線挿入溝部30Bに、大径電線15を電
線送出機により送り出して直接挿入する。この大径電線
15の場合、上記溝の深さを深くし、かつ、溝幅を小さ
くして電線を圧入しているため、大径電線15が配線溝
13Bおよび大径電線挿入溝部30Bより浮き上がるこ
となく挿入することが出来る。この電線14、15を配
線溝13A、13Bおよび配線溝30の小径電線挿入溝
部30A、大径電線挿入溝部30Bに挿入する時には、
絶縁板12は平板形状で凹凸がないため、電線を安定し
た状態で挿入できる。この状態で、配線溝30には小径
電線14と大径電線15とが、絶縁板12の厚さ方向に
重ねられて配線されている。
【0029】絶縁板12の配線溝13、30への電線1
4、15の配線が終了すると、まず、圧接端子16を圧
接端子打込部24に圧入する。この時、圧接端子16の
電線圧接部16aは、スロットの両端縁で小径電線14
を挟んで絶縁被覆を切断する。該圧接工程で、圧接端子
16は電線14の芯線と電気接続すると同時に、絶縁板
12に取り付けられ、出入力端子部16bは絶縁板12
の下面側より突出する。
【0030】ついで、絶縁板12を上側面を上向きとし
て、圧接端子16、17、30を圧接端子打込部26、
25、32に圧入する。この圧接端子16の圧入によ
り、該圧接端子16を小径電線14と接続すると同時に
絶縁板12に取り付けられ、出入力端子16bが絶縁板
12の上面側より突出する。同様に、圧接端子17を大
径電線15と接続すると同時に絶縁板12に取り付けら
れ、該絶縁板12の上面より圧接端子17の出入力端子
部17bが突出する。
【0031】また、上記圧接端子31の圧入により、該
圧接端子31を小径電線14および大径電線15と接続
すると同時に、絶縁板12に取り付けられ、絶縁板12
の上面より圧接端子31の出入力端子部31bが突出す
る。即ち、圧接端子31の圧接部31aと圧接端子打込
部32の開口を対向させ、圧接端子31を圧接端子打込
部32に圧入する。これにより、大径用スロット部31
c−1が大径電線15の絶縁被覆を切断すると同時に、
小径用スロット部31c−2が小径電線14の絶縁被覆
を切断し、大径用スロット部31c−1が大径電線15
の芯線と電気接続すると共に、小径用スロット部31c
−2が小径電線14の芯線と電気接続する。よって、小
径電線14と大径電線15とは圧接端子31を介して電
気的に接続される。
【0032】このように絶縁板12の配線溝13A、1
3B、30に配線した電線14、15に対して、圧接端
子16、17、31を圧接接続した状態では、絶縁板1
2の上下両面にアッパーケース10およびロアケース1
1が取り付けられていないため、各圧接端子16、1
7、31と電線14、15の圧接状態の良否が確認でき
る。
【0033】ついで、上記絶縁板12を挟んでアッパー
ケース10とロアケース11とを組みつける。この時、
アッパーケース10のヒューズ嵌合部21の端子孔19
から大径電線15と接続した圧接端子17、31の出入
力端子部17b、30bを突出させると共に、コネクタ部
22の端子孔19から小径電線14と接続した圧接端子
16の出入力端子部16bを突出させる。また、ロアケ
ース11のコネクタ部23の端子孔20から小径電線1
4と接続した圧接端子16の出入力端子部16bを突出
させる。
【0034】上記のように組み立てた電気接続箱は、そ
の内部回路は全て小径電線14、大径電線15と、それ
らに接続した圧接端子16、17、31とから構成され
ている。即ち、電源側回路は大径電線15と、該大径電
線15に圧接接続した圧接端子17、31とで構成し、
これらの端子部17b、31bをヒューズ嵌合部21に取
り付けるヒューズ(図2に示す)と接続している。一方、
負荷側回路は小径電線14と、該小径電線14に圧接接
続する圧接端子16とで構成し、これらの端子部16b
は、コネクタ部22、23に嵌合される負荷側コネクタ
と接続している。
【0035】このように、本発明の電気接続箱は、内部
回路にバスバーを用いず、全て電線と圧接端子とで構成
してるため、回路変更に簡単に対応することが出来る。
また、絶縁板12は、小径電線挿入溝部30Aと大径電
線挿入溝部30Bからなる段状の配線溝30を設けて、
小径電線14と大径電線15とを上下2段に配線してい
るため、小径電線14と大径電線15を混在させる構成
としても、占有面積を削減することが出来、電気接続箱
全体が大型化することは無い。かつ、電線14、15
は、圧接端子31の一回の圧接により接続できるため、
作業工数の削減を図ることが出来る。
【0036】図6は第2実施例の絶縁板12を示し、該
絶縁板12は、電気接続箱に対して、負荷側回路用の小
径電線14および中径電線35と、電源側回路用の大径
電線15との3種の電線を配線するためのものである。
絶縁板12は、絶縁板12の下面12aより大径電線1
5を配線する大径電線挿入溝部30Bと、該大径電線挿
入溝部30Bの底面中央に中径電線35を配線する中間
幅の中径電線挿入溝部30Cと、該中径電線挿入溝部3
0Cの底面中央に上記小径電線14を配線する小径電線
挿入溝部30Aとを連続して凹設した3段形状の配線溝
30を設けている。これら挿入溝30B、30C、30
Aにより形成される配線溝30は、その深さを絶縁板1
2の肉厚と同一に設定し、小径電線挿入溝部30Aが上
面12aに貫通した状態としている。
【0037】上記のように、3種の径の電線14、1
5、35を配線する電気接続箱は、これらの電線を配線
するための占有面積が大となる問題があるが、上記配線
溝30を設けた絶縁板12を用いることにより、上記問
題が生じることを防止することが出来る。
【0038】図7は第3実施例の絶縁板12を示し、該
絶縁板12は上下面を開口させて上記配線溝30を形成
しており、絶縁板12の厚さ方向の中央に小径電線挿入
溝部30Aを設け、該小径電線挿入溝部30Aの上下両
側に、大径電線挿入溝部30B、30Bを設けた3段状
に形成している。
【0039】図8は第4実施例の絶縁板12を示し、該
絶縁板12は上記第3実施例と同様に上下面を開口させ
て配線溝30を形成しており、絶縁板12の厚さ方向の
中央に小径電線挿入溝部30Aを設け、該小径電線挿入
溝部30Aの上下両側に、中径電線挿入溝30C、30
Cを設け、更にこれら中径電線挿入溝30C、30Cの
両外側に大径電線挿入溝部30B、30Bを設けた5段
状に形成している。
【0040】上記第3および第4実施例では、絶縁板1
2の中央部位に配線する中径電線35および/または小
径電線14に対しては圧接端子を圧接せずに、外側に位
置する大径電線15にのみ圧接端子を圧接接続する構成
としている。上記第3および第4実施例に示すように絶
縁板に配線溝を形成すると、上記第1または第2実施例
より、更に電線を配線するのに要する占有面積を削減す
ることが出来、電気接続箱全体の小型化を図ることが出
来る。
【0041】尚、本発明は上記構成に限定されず、例え
ば、配線溝14、15、30は、絶縁板12の下面側を
開口させて形成しているが、上面側を開口させ、また
は、上面側と下面側を開口させた配線溝を混在させる構
成としても良い。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の請求項1から請求項3の絶縁板によると、一面より、
大径電線を配線する大径電線挿入溝部を設けると共に、
該大径電線の底面に小径電線挿入溝部を設けて段状の配
線溝を形成しているため、直径の異なる電線を絶縁板の
厚さ方向に重ねて配線することが出来る。よって、従来
例では、サイズの異なる電線を絶縁板に配線する構成と
すると、絶縁板が大型化する問題が生じていたが、この
問題が生じることを防止することが出来る。
【0043】また、上記のように段状に形成した配線
溝、および、段状に形成していない配線溝は、所要の深
さで凹設しているため、これらの配線溝に対して小径電
線および大径電線を直接に配線することが出来る。よっ
て、従来、必要とされていた布線用金型を不要としてコ
ストダウンを図ることが出来る。かつ、絶縁板の表面に
は凹凸がないため、安定した状態で、電線の布線作業お
よび圧接端子の圧接作業を行うことが出来る。
【0044】請求項4の絶縁板によると、重ねて配線さ
れた電線に対して圧接する圧接端子を、小径電線側より
圧入するように圧接端子打込部を形成すると共に、圧接
端子のスロットを段状に形成しているため、重ねて配線
した電線に対して、1回の圧接で全てに電気接続するこ
とが出来る。よって、電源側の回路と負荷側の回路とを
接続する場合に、作業工数を削減することが出来、作業
性の向上を図ることが出来る。負荷側および電源側の回
路に変更があった場合には、上記のように段状に形成し
ていない配線溝に配線した小径電線、および、大径電線
に対する圧接端子の圧接位置を変更することにより、簡
単に対応することが出来る。
【0045】請求項5のように、上記請求項1から請求
項4の絶縁板を備えた電気接続箱によると、上記のよう
に絶縁板に電線および圧接端子を配置した状態で、ケー
スを取り付けるため、ケースを取り付けていない前工程
で、圧接端子と電線の圧接状態の良否を確認することが
出来るため、電気接続箱に不良製品が発生することを防
止することが出来る。また、絶縁板は、上記配線溝を絶
縁板の両面に形成することにより、形状の小型化を図る
ことが出来、よって、電気接続箱全体の小型化を図るこ
とが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の絶縁板を用いた電気接
続箱を示す断面図である。
【図2】 電気接続箱のアッパーケースを示す平面図で
ある。
【図3】 電気接続箱のロアケースを示す底面図であ
る。
【図4】 第1実施例の絶縁板を示し、(A)は要部底面
図、(B)は要部斜視図である。
【図5】 絶縁板への電線および圧接端子の挿入状態を
示す断面図である。
【図6】 第2実施例の絶縁板を示す断面図である。
【図7】 第3実施例の絶縁板を示す断面図である。
【図8】 第4実施例の絶縁板を示す断面図である。
【図9】 従来の電気接続箱の内部回路を示す配線図で
ある。
【符号の説明】
10 アッパーケース 11 ロアケース 12 絶縁板 12a 下面(一面) 12b 上面(他面) 13 配線溝 13A 小径電線用の配線溝 13B 大径電線用の配線溝 14 小径電線 15 大径電線 16、17 圧接端子 30 段状の配線溝 30A 小径電線挿入溝部 30B 大径電線挿入溝部 31 段状配線溝用の圧接端子

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケース内部に取り付けられる絶縁板であ
    って、 その少なくとも一面に電線を挿入保持する配線溝を設
    け、該配線溝の少なくとも一部を細幅の小径電線挿入溝
    部と、該小径電線挿入溝部の開口側に広幅の大径電線挿
    入溝部とを段状に形成し、小径電線と大径電線を重ねて
    挿入保持できるようにし、かつ、該配線溝の所要箇所に
    溝幅を大とした圧接端子打込部が設けられている絶縁
    板。
  2. 【請求項2】 上記小径電線挿入溝部と大径電線挿入溝
    部の間に中間幅の中径電線挿入溝部を設けて、3段形状
    の溝としている請求項1に記載の絶縁板。
  3. 【請求項3】 上記配線溝を絶縁板の両面に開口させ
    て、絶縁板の厚さ方向の中心部に小径電線挿入溝部、両
    側に中径電線挿入溝部および/あるいは大径電線挿入溝
    部を設けている請求項1に記載の絶縁板。
  4. 【請求項4】 上記段状の配線溝に形成する圧接端子打
    込部は、溝幅全体を大径電線用の圧接端子が打ち込める
    幅に形成し、該圧接端子打込部にスロットの幅を大径用
    から小径用へ段状に連続して形成した圧接端子を、大径
    用スロットを小径電線挿入溝部側から打ち込んで各電線
    と圧接出来るように構成としている請求項2に記載の絶
    縁板。
  5. 【請求項5】 ケースと、 上記ケース内部に取り付けられ、その少なくとも一面に
    電線を挿入保持する配線溝を設け、該配線溝の少なくと
    も一部を細幅の小径電線挿入溝部と、該小径電線挿入溝
    部の開口側に広幅の大径電線挿入溝部とを段状に形成
    し、小径電線と大径電線を重ねて挿入保持できるように
    し、かつ、該配線溝の所要箇所に溝幅を大とした圧接端
    子打込部が設けられている絶縁板と、 上記配線溝に挿入保持された電線と、 一端側に電線圧接部を備えると共に他端側に出入力端子
    部を備え、上記絶縁板の配線溝に挿入保持された電線に
    対して、上記圧接端子打込部で打ち込んで電線と圧接接
    続させ、出入力端子部をケースの外壁に設けた端子孔よ
    り突出して外部回路と接続する圧接端子とを有する絶縁
    板を備えた電気接続箱。
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