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JP2900599B2 - 液晶物質 - Google Patents

液晶物質

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JP2900599B2
JP2900599B2 JP2322462A JP32246290A JP2900599B2 JP 2900599 B2 JP2900599 B2 JP 2900599B2 JP 2322462 A JP2322462 A JP 2322462A JP 32246290 A JP32246290 A JP 32246290A JP 2900599 B2 JP2900599 B2 JP 2900599B2
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coo
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浩 嶺田
知之 油井
正博 城野
誉久 新井
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  • Liquid Crystal Substances (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は液晶表示素子に用いられる新規なフェニルエ
ステル系反強誘電性液晶物質に関するものである。
[従来の技術] 液晶表示素子は、低電圧作動性、低消費電力性、薄型
表示が可能である事等により、現在までに各種の小型表
示素子に利用されてきた。しかし、昨今の情報、OA関連
機器分野、あるいは、テレビ分野への液晶表示素子の応
用、用途拡大に伴って、これまでのCRT表示素子を上回
る、表示容量、表示品質を持つ高性能大型液晶表示素子
の要求が、急速に高まってきた。
しかしながら、現在のネマチック液晶を使用する限り
においては、液晶テレビ用に採用されているアクテイブ
マトリックス駆動液晶表示素子でも、製造プロセスの複
雑さと歩留りの低さにより、その大型化、低コスト化は
容易ではない。又、単純マトリックス駆動のSTN型液晶
表示素子にしても、大容量駆動は必ずしも容易ではな
く、応答時間にも限界があり動画表示は困難である。従
って、ネマチック液晶表示素子は、上記の高性能大型液
晶表示素子への要求を満足するものとはいい難いのが実
状である。
[発明が解決しようとする問題点] このような状況のなかで、高速液晶表示素子として注
目されているのが、強誘電性液晶を用いた液晶表示素子
である。クラークとラガバールにより発表された表面安
定化型強誘電性液晶(以下SSFLCと略記する。)素子
は、その従来にない速い応答速度と広い視野角を有する
事が注目され、そのスイッチング特性に関しては詳細に
検討されおり、種々の物性定数を最適化するため多くの
強誘電性液晶が製造されている。然しながらしきい値特
性が不十分であるためコントラストが不良である、高速
応答が実現されていない、機械的衝撃に依って配向が破
壊されそれの回復が困難であるなどの種々の要因により
実用化までには至っていないのが実状である。
これとは別に、SSFLCと異なるスイッチング機構の素
子の開発も同時に進められている。反強誘電相を有する
液晶物質(以下、反強誘電性液晶物質と言う。)の三安
定状態間のスイッチングも、これらの新しいスイッチン
グ機構の1つである(Japanese Journal of Applied Ph
ysics,Vol.27,pp.L729,1988)。
反強誘電性液晶素子は3つの安定な状態を有する。す
なわち、強誘電性液晶素子で見られる2つのユニフォー
ム状態(Ur,Ul)と第三状態である。この第三状態が反
強誘電相であることをChandamiらが報告している(Japa
nese Journal of Applied Physics,Vol.28,pp.L1261,19
89,Japanese Journal of Applied Physics,Vol.28,pp.L
1265,1989)。このような三安定状態間のスイッチング
が反強誘電性液晶素子の第1の特徴である。反強誘電性
液晶素子の第2の特徴は印加電圧に対して明確なしきい
値が存在することである。更にメモリー性を有しており
これが反強誘電性液晶素子の第3の特徴である。これら
の優れた特徴を利用することにより応答速度が速く、コ
ントラストが良好な液晶表示素子を実現できる。
又、もう一つの大きな特徴として層構造が電界により
容易にスイッチングする事があげられる(Japanese Jou
rnal of Applied Physics,Vol.28,pp.L119,1989,Japane
se Journal of Applied Physics,Vol.29,pp.L111,199
0)。このことにより欠陥が極めて少なく配向の自己修
復能力のある液晶表示素子の作製が可能となる。
反強誘電性液晶物質としては、特開平1−213390、特
開平1−316339、特開平1−316367、特開平1−31637
2、特開平2−28128の各公報、及びLiquid Crystals,Vo
l.6,pp.167,1989に記載のものが知られているが、反強
誘電性液晶に関する研究は始まったばかりで、現在まで
に知られている反強誘電性液晶物質の数は少ない。
本発明の目的は、新規な反強誘電性液晶物質、特に、
しきい値特性に優れ、高速応答性に優れた新規なフェニ
ルエステル系反強誘電性液晶物質を提供することであ
る。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、一般式(1)、 R−X−(C6H4−COO−(C6H4−COO−C*H(CF3)(CH2−O(CH
2nH (1) 〔式中Rは直鎖脂肪族アルキル基、Xは単結合またはO
を表す。KおよびLは1または2、mは5以上、nは1
以上の整数である。また、C*は不斉炭素原子を表
す。〕で表される新規なフェニルエステル系反強誘電性
液晶物質である。
本発明の液晶物質の製造法の一例を反応式で示すと次
の通りである。
上記の反応式に於てR,R′またはR″は直鎖脂肪族ア
ルキル基を示すが、アルキル基の炭素数は液晶の相転移
温度、融点などに影響を及ぼす。炭素数が余りにも少な
いと液晶相すら示さず、また炭素数が多すぎるとスイッ
チングデバイスとして有用なカイラルスメクチックC相
或は反強誘電相の温度範囲が室温よりはるかに高い温度
となったり、或は融点が高くなったり実用上好ましくな
い性質が発現する。この様なことから望ましいRまたは
R″に於ける炭素数は6〜14、より好ましくは8〜12で
ある。
また反強誘電相の発現は、一般式(1)に於てmが5
以上である必要がある。また一般式(1)のCnH2n+1
nは得られる液晶の性質にあまり影響を与えないが、安
定した液晶相を得るには2以上であることが好ましい。
本発明では光学活性源としてCF3C*H(OH)(CH2m
OCnH2n+1の一般式で示されるアルコールが用いられてい
るがこれは次のようなルートに依って容易に製造され
る。
[発明の効果] 本発明は、新規なフェニルエステル系反強誘電性液晶
物質を提供する事ができるものである。そして、本発明
により提供された新規な反強誘電性液晶物質は、その特
徴である高速応答性或は三安定状態間のスイッチング、
明確なしきい値特性、良好なメモリー性を利用した液晶
表示素子に用いる事ができる。
[実施例] 次に実施例を掲げて本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はもちろんこれに限定されるものではない。
実施例1 4−(1−トリフルオロメチル−6−エトキ
シヘキシロキシカルボニルフェニル)4′−オクチロキ
シビフェニル−4−カルボキシレート 〔一般式(1)においてR=C8H17,X=0、K=2,L=1,
m=5,n=2の場合〕 1)4−(4′−n−オクチロキシ)ビフェニルカルボ
ン酸(1)の製造 n−C8H17O−C6H4−C6H4−COOH (1) 4−(4′−ハイドロキシ)ビフェニルカルボン酸1
0.5g、n−オクチルブロマイド14.0g、水酸化カリウム
6.45gを、エタノール1500ml、水200mlの混合液に加え、
還流下で10時間反応させた。更に水500mlを加え3時間
攪拌した。反応終了後、濃塩酸を加えて酸性としてか
ら、溶媒を500ml留去して室温まで冷却し、白色固体を
得た。これを十分水洗してから、クロロホルムより再結
晶し、目的物(1)を白色結晶として12.0g得た。
2)4−アセトキシ−1−(1−トリフルオロメチル−
6−エトキシヘキシロキシカルボニル)ベンゼン(2)
の製造 CH3COO−C6H4−COO−C*H(CF3)(CH25OC2H
5 (2) 4−アセトキシ安息香酸3.5gを塩化チオニル25mlに加
え、還流下で10時間反応させた。次に、過剰の塩化チオ
ニルを留去してから、ピリジン10ml、トルエン50mlを加
えて、そこへ光学活性1,1,1−トリフルオロ−7−エト
キシ2−ヘプタノール2.0gを滴下した。滴下後4時間加
熱還流してから放冷し、ジクロロメタン500mlで希釈し
て、有機層を希塩酸、1N水酸化ナトリウム水溶液、水の
順で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。更に、溶媒
を留去して粗製の目的物(2)1.9gを得た。
3)4−ハイドロキシ−1−(1−トリフルオロメチル
−6−エトキシヘキシロキシカルボニル)ベンゼン
(3)の製造 HO−C6H4−COO−C*H(CF3)(CH25OC2H5 (3) 上記化合物(2)の粗製物1.9gを、エタノール50mlに
溶解させて、ベンジルアミン4gを滴下した。更に室温下
で4時間攪拌したのち、クロロホルム500mlで希釈し
て、希塩酸、水の順で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
した。溶媒を留去してから、シリカゲルカラムクロマト
グラフィーで単離精製し、目的物(3)1.2gを得た。
4)4−(1−トリフルオロメチル−6−エトキシヘキ
シロキシカルボニルフェニル)−4′−n−オクチロキ
シビフェニル−4−カルボキシレート(4)の製造 上記化合物(1)1.0gに、塩化チオニル10mlを加え、
10時間加熱還流した。過剰の塩化チオニルを留去した
後、ピリジン10ml、トルエン60mlを加えてから、上記化
合物(3)0.5gのトルエン溶液20mlを滴下し、室温で10
時間反応させた。反応終了後、クロロホルム500mlで希
釈し、希塩酸、1N炭酸ナトリウム水溶液、水の順で洗浄
して、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。次に、溶
媒を留去してから、シリカゲルカラムクロマトグラフで
単離した。次いでエタノールで再結晶して目的物(4)
0.8gを得た。目的物(4)のNMRスペクトルを第1図に
示す。相の同定は、テクスチャー観察、及びDSC(示差
走査熱量計)の測定により行った。
本発明の化合物(4)の相系列は、次の通りであっ
た。本化合物では反強誘電相が認められ、カイラクスメ
クチック相(SC*)は認められなかった。
ここでSA及びSCA*はそれぞれスメクチックA相及び
反強誘電相を表す。
5)ラビング処理したポリイミド薄膜を有する、ITO電
極付の液晶セル(セル厚3μm)に、上記化合物(4)
を等方相の状態で充填した。このセルを、毎分1.0℃で
徐冷して、SA相で液晶を配向させた。セルを直交する偏
向板間に液晶の層方向がアナライザーまたはポラライザ
ーと平行になるように設置し、セルに±40V、0.2Hzの三
角波電圧を印加して、透過光量の変化をフォトマルチプ
ライヤーにより測定した。その結果、90℃から43℃の温
度領域で、反強誘電相に特有なダブルヒステリシスの応
答履歴が認められた。
80℃での光学応答履歴を第2図に示す。
実施例2〜3 実施例1と全く同様にしてn−CmH2m+1O−C6H4−C6H4
−COO−C6H4−COO−C*H(CF3)(CH25OC2H5におい
てmが9、12である化合物を製造し相の同定をテクスチ
ャー観察及びDSCの測定により行った。
これらの化合物の相系列は表1に示した通りであり、
いずれも反強誘電相を有していた。
また実施例1の5)と同様にこれらの化合物の光学応
答を調べたところ、いずれも反強誘電相に特有のダブル
ヒステリシスを示した。
上表に於てSXは未同定の液晶相を示す。
実施例4 4−(1−トリフルオロメチル−6−エトキ
シヘキシロキシカルボニルフェニル)−4′−n−デシ
ルビフェニル−4−カルボキシレートの製造 〔一般式(1)においてR=C10H21,X=−(単結合),K
=2,L=1,m=5,n=2の場合〕 4′−オクチロキシビフェニル−4−カルボン酸の代
わりに4′−デシルビフェニル−4−カルボン酸を用い
た以外は実施例1と同じようにして目的物を製造した。
第3図に目的物のNMRスペクトルを示した。相の同定を
テクスチャー観察及びDSCの測定により行ったところ次
のような相系列を示し,反強誘電相が認められ、また同
時に強誘電相であるカイラルスメクチック相(SC*)も
認められた。
また実施例1の5)と同様にこの化合物の光学応答を
調べたところ、反強誘電相に特有のダブルヒステリシス
を示した。
実施例5 4−(1−トリフルオロメチル−6−エトキ
シ−ヘキシロキシカルボニルビフェニル)4′−オクチ
ルベンゾエートの製造 〔一般式(1)においてR=C8H17,X=−(単結合)K
=1,L=2,m=5,n=2の場合〕 1)4′−アセトキシ−4−(1−トリフルオロメチル
−6−エトキシヘキシロキシカルボニル)ビフェニル
(1)の製造 CH3COO−C6H4−C6H4−COO−C*H(CF3)(CH25OC2H5 (1) 4′−アセトキシ−4−ビフェニルカルボン酸2.5gに
塩化チオニル10mlを加え6時間加熱還流した。その後過
剰の塩化チオニルを完全に留去した。得られた酸塩化物
にトルエン50mlを加えて溶解し、更にピリジン5mlを加
えた。この溶液に1、1、1−トリフルオロ−7−エト
キシ−2−ヘプタノール1.4gを滴下した。18時間加熱還
流した後、放冷しジクロロメタン100mlを加え、塩酸、
水酸化ナトリウム水溶液、水の順序で洗浄した。乾燥後
溶媒を除きシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
し2.5gの目的物を得た。
2)4′−ヒドロキシ−4−(1−トリフルオロメチル
−6−エトキシヘキシロキシカルボニル)ビフェニル
(2)の製造 HO−C6H4−C6H4−COO−C*H(CF3)(CH25OC2H
5 (2) さきに製造した化合物(1)にエタノール15ml、ベン
ジルアミン1.2gを加え室温下1昼夜攪拌した。ジクロロ
メタン50mlを加え塩酸、水で洗浄した。乾燥後溶媒を除
き、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2.
1gの目的物を得た。
3)4−(1−トリフルオロメチル−6−エトキシ−ヘ
キシロキシカルボニルビフェニル)4′−オクチルベン
ゾエート(3)の製造 p−オクチル安息香酸1gを塩化チオニル10mlを用いて
1)と同じ方法で塩素化した。得られた酸クロマイドに
トルエン20ml、ピリジン4mlを加え化合物(2)の1gを
加えた。約20時間加熱還流後、放冷しジクロロメタン50
mlを加えた。塩酸、水酸化ナトリウム水溶液、水の順序
で洗浄し乾燥後溶媒を除いてシリカゲルカラムクロマト
グラフィーで精製し目的物0.5gを得た。
目的物のNMRスペクトルを、第4図に示す。相の同定
は、テクスチャー観察、及びDSCの測定により行った。
本発明の化合物(3)の相系列は、次の通りであっ
た。
4)実施例1の5)と同様にこの化合物の光学応答を調
べたところ、反強誘電相に特有のダブルヒステリシスを
示した。
実施例6 4−(1−トリフルオロメチル−6−エトキ
シ−ヘキシロキシカルボニルビフェニル)4′−オクチ
ルオキシベンゾエートの製造 〔一般式(1)においてR=C8H17,X=0,K=1,L=2,m=
5,n=2の場合〕 実施例5におけるp−オクチル安息香酸をp−オクチ
ルオキシ安息香酸にした以外は実施例5と同様にして目
的物を製造した。目的物のNMRスペクトルを第5図に示
した。相の同定のテクスチャー観察及びDSCの測定によ
り行ったところ次のような相系列を示し反強誘電相が認
められた。
また実施例1の5)と同様にこの化合物の光学応答を
調べたところ、反強誘電相に特有のダブルヒステリシス
を示した。
実施例7 4−(1−トリフルオロメチル−6−エトキ
シ−ヘキシロキシカルボニルビフェニル)4′−オクチ
ルオキシビフェニル−4−カルボキシレートの製造 〔一般式(1)においてR=C8H17,X=0,K=2,L=2,m=
5,n=2の場合〕 実施例1で製造した4′−オクチロキシビフェニル−
4−カルボン酸と実施例5で製造した4′−ヒドロキシ
−4−(1−トリフルオロメチル−6−エトキシヘキシ
ロキシカルボニル)ビフェニルを用い実施例1と同様の
方法で目的物を製造した。目的物のNMRスペクトルを第
6図に示した。相の同定をテクスチャー観察及びDSCの
測定により行ったところ次のような相系列を示し反強誘
電相が認められた。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1の液晶物質(4)のNMRスペクトルを
示す図である。第2図は実施例1の液晶物質(4)の光
学応答履歴を示す図である。第3図、第4図、第5図、
第6図はそれぞれ実施例4、5、6、7の各液晶物質の
NMRスペクトルを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−3154(JP,A) 特開 平2−160748(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(1)、 R−X−(C6H4−COO−(C6H4−COO−C*H(CF3)(CH2−O(CH
    2nH (1) 〔式中Rは直鎖脂肪族アルキル基、Xは単結合またはO
    を表す。KおよびLは1または2、mは5以上、nは1
    以上の整数である。また、C*は不斉炭素原子を表
    す。〕で表される新規なフェニルエステル系反強誘電性
    液晶物質。
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