JP2832476B2 - ヘリカルアンテナ - Google Patents
ヘリカルアンテナInfo
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明はヘリカルアンテナに関するものであり、例
えば直線偏波の電波を無指向性で送受信する用途に適し
たヘリカルアンテナ、特に複数の作動周波数を有するノ
ーマルモードヘリカルアンテナの小形化に関するもので
ある。
えば直線偏波の電波を無指向性で送受信する用途に適し
たヘリカルアンテナ、特に複数の作動周波数を有するノ
ーマルモードヘリカルアンテナの小形化に関するもので
ある。
[従来の技術] ヘリカルアンテナは円偏波または直線偏波の電波の送
受信に用いられる。
受信に用いられる。
ヘリカルアンテナでは、ヘリクスの周長が約1波長の
ときヘリクスの軸方向に電波が放射されるアキシャルモ
ードと、ヘリクスの周長が波長に比べて小さくその軸長
が1波長程度までのときヘリクス軸に対して垂直な面内
に電波が放射されるノーマルモードとの二種の動作モー
ドがある。
ときヘリクスの軸方向に電波が放射されるアキシャルモ
ードと、ヘリクスの周長が波長に比べて小さくその軸長
が1波長程度までのときヘリクス軸に対して垂直な面内
に電波が放射されるノーマルモードとの二種の動作モー
ドがある。
アキシャルモードのヘリカルアンテナでは、ヘリクス
の導線に沿ってほぼ進行波が乗り、各部分からの放射の
位相が一致して、ほぼ円偏波に近い電波が軸方向に主ビ
ームとして放射される。従ってアキシャルモードのヘリ
カルアンテナは指向性が要求される用途に専ら用いられ
ており、車載無線機器や携帯無線機器等の無指向性の要
求される用途には不向きである。
の導線に沿ってほぼ進行波が乗り、各部分からの放射の
位相が一致して、ほぼ円偏波に近い電波が軸方向に主ビ
ームとして放射される。従ってアキシャルモードのヘリ
カルアンテナは指向性が要求される用途に専ら用いられ
ており、車載無線機器や携帯無線機器等の無指向性の要
求される用途には不向きである。
一方、ノーマルモードのヘリカルアンテナは、全体の
寸法が波長に比べて小さくなるほど微小ダイボールと等
価のものに近付き、螺旋軸に直角な方向に水平または垂
直偏波を放射する無指向性アンテナとして動作する。
寸法が波長に比べて小さくなるほど微小ダイボールと等
価のものに近付き、螺旋軸に直角な方向に水平または垂
直偏波を放射する無指向性アンテナとして動作する。
ヘリカルアンテナに軸上に無給電のヘリクスを装荷す
ることによりアンテナ特性を制御することはアキシャル
モードヘリカルアンテナでは既に報告されている(1)が
ノーマルモードヘリカルアンテナについての報告は見当
たらない。
ることによりアンテナ特性を制御することはアキシャル
モードヘリカルアンテナでは既に報告されている(1)が
ノーマルモードヘリカルアンテナについての報告は見当
たらない。
第5図は、従来の無給電ヘリクスを有するアキシャル
モードヘリカルアンテナの一例を示す外形図であり、52
は金属材料よりなる反射板、53は給電コネクタ、54はヘ
リクスを構成する導線が巻回される円筒状の誘電体、56
はヘリカルアンテナとして給電される駆動用ヘリクス、
58は無給電の寄生用ヘリクスである。
モードヘリカルアンテナの一例を示す外形図であり、52
は金属材料よりなる反射板、53は給電コネクタ、54はヘ
リクスを構成する導線が巻回される円筒状の誘電体、56
はヘリカルアンテナとして給電される駆動用ヘリクス、
58は無給電の寄生用ヘリクスである。
この従来の無給電ヘリクスを有するアキシャルモード
ヘリカルアンテナでは、先端にテーパが形成された円筒
状の誘電体54の周面上に2つの導線56,58が互いに平行
して同一方向に螺旋状に巻回され(バイファイラ巻
き)、ヘリクスとして反射板52の前面に配置されてい
る。一方の駆動用ヘリクス56に給電コネクタ53から給電
されると、無給電の寄生用ヘリクス58との相互間に電磁
結合が行われ、ヘリクスの軸方向に円偏波が放射され
る。
ヘリカルアンテナでは、先端にテーパが形成された円筒
状の誘電体54の周面上に2つの導線56,58が互いに平行
して同一方向に螺旋状に巻回され(バイファイラ巻
き)、ヘリクスとして反射板52の前面に配置されてい
る。一方の駆動用ヘリクス56に給電コネクタ53から給電
されると、無給電の寄生用ヘリクス58との相互間に電磁
結合が行われ、ヘリクスの軸方向に円偏波が放射され
る。
即ち、アキシャルモードヘリカルアンテナにおいて
は、駆動用ヘリクス56の巻数を増加して全長を長くする
とアンテナ利得ならびに円偏波の軸比の改善が図れる
が、軸方向の寸法を変えなくても、駆動用ヘリクス56に
平行に別の導線を巻回し、その装荷に供する無給電の寄
生用ヘリクス58を設けることにより、小形のヘリカルア
ンテナでも所定のアンテナ利得が得られるようになる。
この種のアンテナの寸法は、一般に軸長に約1波長、直
径に約1/3長を必要とする。
は、駆動用ヘリクス56の巻数を増加して全長を長くする
とアンテナ利得ならびに円偏波の軸比の改善が図れる
が、軸方向の寸法を変えなくても、駆動用ヘリクス56に
平行に別の導線を巻回し、その装荷に供する無給電の寄
生用ヘリクス58を設けることにより、小形のヘリカルア
ンテナでも所定のアンテナ利得が得られるようになる。
この種のアンテナの寸法は、一般に軸長に約1波長、直
径に約1/3長を必要とする。
一方、従来のノーマルモードヘリカルアンテナは、第
6図に示すサイドファイアヘリカルアンテナの場合につ
いて説明すると、円筒状誘電体64の長さ方向の略中央位
置から両側にそれぞれ半波長(λ/2)のピッチで駆動用
ヘリクス66を互いに逆向きに等ピッチ角にて巻回してな
り、中央位置に設けられた給電点63から両駆動用ヘリク
ス66,66に同位相の給電を行うと、同一方向に位置する
ヘリクス上の各長の電流は同位相となり、水平偏波向指
向性の電波がヘリクス軸に対して垂直な方向へ放射され
る。
6図に示すサイドファイアヘリカルアンテナの場合につ
いて説明すると、円筒状誘電体64の長さ方向の略中央位
置から両側にそれぞれ半波長(λ/2)のピッチで駆動用
ヘリクス66を互いに逆向きに等ピッチ角にて巻回してな
り、中央位置に設けられた給電点63から両駆動用ヘリク
ス66,66に同位相の給電を行うと、同一方向に位置する
ヘリクス上の各長の電流は同位相となり、水平偏波向指
向性の電波がヘリクス軸に対して垂直な方向へ放射され
る。
また両駆動用ヘリクス66,66に逆位相の給電を行う
と、同様に垂直偏波無指向性の電波がヘリクス軸に対し
て垂直な方向へ放射される。
と、同様に垂直偏波無指向性の電波がヘリクス軸に対し
て垂直な方向へ放射される。
即ち、ヘリクス軸に対して垂直な方向において直線偏
波の電波の送受信によるノーマルモードの動作が行われ
る。
波の電波の送受信によるノーマルモードの動作が行われ
る。
この種のサイドファイアヘリカルアンテナの寸法は、
軸長が数波長、周長が約1波長となる。
軸長が数波長、周長が約1波長となる。
第7図は従来例の別のヘリカルアンテナの例を示して
おり、円筒状の誘電体74上に導線を螺旋状に巻回してな
る駆動用ヘリクス76が反射板72の前面に配置され、給電
点73から給電を行なうようになっている。この場合、ヘ
リクス周長が波長に比べて小さく、その全長が1波長程
度以下のときは、電波はヘリクス軸に垂直な面内に全方
位に亙って放射され、即ちノーマルモードにて動作が行
われる。
おり、円筒状の誘電体74上に導線を螺旋状に巻回してな
る駆動用ヘリクス76が反射板72の前面に配置され、給電
点73から給電を行なうようになっている。この場合、ヘ
リクス周長が波長に比べて小さく、その全長が1波長程
度以下のときは、電波はヘリクス軸に垂直な面内に全方
位に亙って放射され、即ちノーマルモードにて動作が行
われる。
[発明が解決しようとする課題] 前述したような従来のヘリカルアンテナにおいて、例
えば第5図に示す無給電ヘリクス付きのアキシャルモー
ドヘリカルアンテナでは、駆動用ヘリクス56と寄生用ヘ
リクス58は共にテーパ付き円筒状の誘電体54上に平行し
て巻回され、無給電の寄生用ヘリクス58はアキシャルモ
ードにて円偏波を放射する駆動用ヘリクス56に装荷の作
用をするので、小形化されたヘリカルアンテナを用いて
も所定のアンテナ利得が得られるが、使用電波は単一周
波数の円偏波に制限され、放射の主ビーム方向が軸方向
に限定されてしまい、且つそのアンテナ寸法、特に軸長
は一般のアキシャルモードヘリカルアンテナと同様に波
長程度を必要とするので、小形化に限界がある。
えば第5図に示す無給電ヘリクス付きのアキシャルモー
ドヘリカルアンテナでは、駆動用ヘリクス56と寄生用ヘ
リクス58は共にテーパ付き円筒状の誘電体54上に平行し
て巻回され、無給電の寄生用ヘリクス58はアキシャルモ
ードにて円偏波を放射する駆動用ヘリクス56に装荷の作
用をするので、小形化されたヘリカルアンテナを用いて
も所定のアンテナ利得が得られるが、使用電波は単一周
波数の円偏波に制限され、放射の主ビーム方向が軸方向
に限定されてしまい、且つそのアンテナ寸法、特に軸長
は一般のアキシャルモードヘリカルアンテナと同様に波
長程度を必要とするので、小形化に限界がある。
また第6図に示すサイドファイアヘリカルアンテナ
は、導体円管柱64の略中央位置から両側に逆向きに巻回
された一対の駆動用ヘリクス66,66へ中央位置の給電点
より同位相または逆位相の給電を行うことにより、ノー
マルモードで全方位に亙り直線偏波の電波を用いた送受
信が行えるが、両駆動用ヘリクス66,66は、円管柱64の
略中央位置から両側に巻回され、通常その一巻の導体長
さは2波長、ピッチはλ/2程度であるので、ヘリカルア
ンテナとしての寸法は軸長が長大になると共に、作動周
波数は一周波でしかも使用周波数に制限がある。従っ
て、トランシーバやコードレス電話などの専有スペース
をできる限り小さくしたい要求のアンテナとしては不向
きである。
は、導体円管柱64の略中央位置から両側に逆向きに巻回
された一対の駆動用ヘリクス66,66へ中央位置の給電点
より同位相または逆位相の給電を行うことにより、ノー
マルモードで全方位に亙り直線偏波の電波を用いた送受
信が行えるが、両駆動用ヘリクス66,66は、円管柱64の
略中央位置から両側に巻回され、通常その一巻の導体長
さは2波長、ピッチはλ/2程度であるので、ヘリカルア
ンテナとしての寸法は軸長が長大になると共に、作動周
波数は一周波でしかも使用周波数に制限がある。従っ
て、トランシーバやコードレス電話などの専有スペース
をできる限り小さくしたい要求のアンテナとしては不向
きである。
更に第7図に示すヘリカルアンテナは所謂エンドファ
イヤヘリカルアンテナとよばれるタイプのもので、全体
の寸法が波長に比べて十分小さい場合は放射電波がヘリ
クス軸に対して垂直な面内に全方位に亙って放射される
ノーマルモードにて作動可能であるが、作動周波数は一
周波に限られるという問題点があった。
イヤヘリカルアンテナとよばれるタイプのもので、全体
の寸法が波長に比べて十分小さい場合は放射電波がヘリ
クス軸に対して垂直な面内に全方位に亙って放射される
ノーマルモードにて作動可能であるが、作動周波数は一
周波に限られるという問題点があった。
この発明はかかる問題点を解決するためになされたも
ので、全方位に亙り電波の送受信が行えると共に、周波
数間隔が可調整的設定できる複数の作動周波数を備えた
小形形状のヘリカルアンテナを得ることを目的とするも
のである。
ので、全方位に亙り電波の送受信が行えると共に、周波
数間隔が可調整的設定できる複数の作動周波数を備えた
小形形状のヘリカルアンテナを得ることを目的とするも
のである。
[課題を解決するための手段] 請求項1に記載の発明に係るヘリカルアンテナは、使
用すべき波長に比べて小さい周長で螺旋状に巻回され、
螺旋軸と直交する電波反射面の前面に配置した第1ヘリ
クスと、無給電の螺旋状の第2ヘリクスと、前記第1ヘ
リクスに接続された給電手段とを有するヘリカルアンテ
ナにおいて、前記第2ヘリクスは、前記第1ヘリクスよ
り小さい螺旋軸寸法で前記第1ヘリクスの外側又は内側
に同心状に装荷され、前記第1ヘリクスによる第1のア
ンテナ共振周波数より低い第2のアンテナ共振周波数を
生じるものであることを特徴とする。この場合、第1ヘ
リクスと第2ヘリクスは、給電線の接続位置さえ所望の
給電高さに選べるなら、何ずれが内側または外側であっ
てもよい。
用すべき波長に比べて小さい周長で螺旋状に巻回され、
螺旋軸と直交する電波反射面の前面に配置した第1ヘリ
クスと、無給電の螺旋状の第2ヘリクスと、前記第1ヘ
リクスに接続された給電手段とを有するヘリカルアンテ
ナにおいて、前記第2ヘリクスは、前記第1ヘリクスよ
り小さい螺旋軸寸法で前記第1ヘリクスの外側又は内側
に同心状に装荷され、前記第1ヘリクスによる第1のア
ンテナ共振周波数より低い第2のアンテナ共振周波数を
生じるものであることを特徴とする。この場合、第1ヘ
リクスと第2ヘリクスは、給電線の接続位置さえ所望の
給電高さに選べるなら、何ずれが内側または外側であっ
てもよい。
また請求項2に記載の発明に係るヘリカルアンテナ
は、請求項1に記載のヘリカルにおいて、前記第2ヘリ
クスが前記第1ヘリクスより大きい周長を有するもので
ある。
は、請求項1に記載のヘリカルにおいて、前記第2ヘリ
クスが前記第1ヘリクスより大きい周長を有するもので
ある。
更に請求項3に記載の発明に係るヘリカルアンテナで
は、第2ヘリクスの螺旋ピッチを含む構造パラメータ
を、前記第2のアンテナ共振周波数の目標値に応じて予
め定めてなるものである。
は、第2ヘリクスの螺旋ピッチを含む構造パラメータ
を、前記第2のアンテナ共振周波数の目標値に応じて予
め定めてなるものである。
[作 用] この発明のヘリカルアンテナは、波長に比べて周長の
小さい螺旋状に巻回された第1ヘリクスを駆動ヘリクス
とし、この駆動ヘリクスに対してそれと同心状に螺旋状
に巻回された無給電の第2ヘリクスを装荷したものであ
るので、第2ヘリクスの装荷の効果により、小形寸法に
てノーマルモードにおける電波の送受信が可能である。
小さい螺旋状に巻回された第1ヘリクスを駆動ヘリクス
とし、この駆動ヘリクスに対してそれと同心状に螺旋状
に巻回された無給電の第2ヘリクスを装荷したものであ
るので、第2ヘリクスの装荷の効果により、小形寸法に
てノーマルモードにおける電波の送受信が可能である。
またこのヘリカルアンテナでは、第1ヘリクスの共振
周波数近傍の第1周波数と第2ヘリクスの構成パラメー
タで定まる第2周波数との少なくとも2周波で動作可能
であり、これは第2ヘリクスの螺旋ピッチを含む構成パ
ラメータの変更によりその共振周波数を調整して、その
近傍の第2周波数での作動を可能とするものである。
周波数近傍の第1周波数と第2ヘリクスの構成パラメー
タで定まる第2周波数との少なくとも2周波で動作可能
であり、これは第2ヘリクスの螺旋ピッチを含む構成パ
ラメータの変更によりその共振周波数を調整して、その
近傍の第2周波数での作動を可能とするものである。
更に、本発明のヘリカルアンテナはノーマルモードで
作動し、水平面内においては全方位に亙り電波の送受信
が行えるので、複数周波で動作する移動用通信機器に好
適である。
作動し、水平面内においては全方位に亙り電波の送受信
が行えるので、複数周波で動作する移動用通信機器に好
適である。
前記第2ヘリクスが、前記第1ヘリクスより大きい周
長および小さい螺旋軸方向寸法を有するものである場
合、第2ヘリクスによって定まる第2の作動周波数は第
1ヘリクスによって定まる第1の作動周波数より低い周
波数となる。
長および小さい螺旋軸方向寸法を有するものである場
合、第2ヘリクスによって定まる第2の作動周波数は第
1ヘリクスによって定まる第1の作動周波数より低い周
波数となる。
[実施例] この発明の一実施例を添付図面を参照して詳細に説明
する。
する。
第1図はこの発明の一実施例を示す側面図、第2図は
第1図の上面図であり、図において、反射板3と給電端
子(同軸コネクタ)4は、前記従来のエンドファイヤヘ
リカルアンテナと同様であるので詳しい説明は省略す
る。反射板3の前面には駆動ヘリクスを構成する螺旋状
に導線を巻回した第1ヘリクス1が取り付けられ、その
螺旋軸は反射板3に直交している。この第1ヘリクス1
には給電端子4からの給電線5が所定の給電点位置で接
続されている。また第1ヘリクス1の先端部において、
その外側には寄生ヘリクスを構成する螺旋状に導体を巻
回した無給電の第2ヘリクス2が例えば発泡スチロール
等の電波に影響を与えない材料で作られた図示しない支
持手段によって同軸状に配置されている。これら第1と
第2のヘリクス1,2はいずれも空芯コイルであるので小
型に構成できる。
第1図の上面図であり、図において、反射板3と給電端
子(同軸コネクタ)4は、前記従来のエンドファイヤヘ
リカルアンテナと同様であるので詳しい説明は省略す
る。反射板3の前面には駆動ヘリクスを構成する螺旋状
に導線を巻回した第1ヘリクス1が取り付けられ、その
螺旋軸は反射板3に直交している。この第1ヘリクス1
には給電端子4からの給電線5が所定の給電点位置で接
続されている。また第1ヘリクス1の先端部において、
その外側には寄生ヘリクスを構成する螺旋状に導体を巻
回した無給電の第2ヘリクス2が例えば発泡スチロール
等の電波に影響を与えない材料で作られた図示しない支
持手段によって同軸状に配置されている。これら第1と
第2のヘリクス1,2はいずれも空芯コイルであるので小
型に構成できる。
尚、図中において、Hは第1ヘリクス1のアンテナ
高、H′は第2ヘリクス2のアンテナ高、Dは第1ヘリ
クス1の直径、D′は第2ヘリクス2の直径、Pは第1
ヘリクス1のピッチ角、P′は第2ヘリクス2のピッチ
角を示している。
高、H′は第2ヘリクス2のアンテナ高、Dは第1ヘリ
クス1の直径、D′は第2ヘリクス2の直径、Pは第1
ヘリクス1のピッチ角、P′は第2ヘリクス2のピッチ
角を示している。
上記のように構成されたヘリカルアンテナにおいて
は、第1ヘリクス1が電波を反射する反射板3の前面に
配置され、第1ヘリクス1の給電点には給電コネクタ4
からの給電線5が接続されて給電が行われる。また、こ
の場合、第1ヘリクス1の外側の第2ヘリクス2は、そ
のアンテナ高H′が第1ヘリクス1のアンテナ高Hより
小さく、ピッチ角P′も第1ヘリクスのピッチ角Pより
小さい。第1ヘリクス1と第2ヘリクス2は相互に電磁
結合し、第1ヘリクス1に第2ヘリクス2が装荷された
状態となっている。螺旋状に巻回された周長が使用波長
に比べて小さく且つ螺旋導体の全長Lが1/2波長程度を
なす第1ヘリクス1は、電波をヘリクス軸に対して垂直
な面内に放射する動作モード、即ちノーマルモードで作
動する。
は、第1ヘリクス1が電波を反射する反射板3の前面に
配置され、第1ヘリクス1の給電点には給電コネクタ4
からの給電線5が接続されて給電が行われる。また、こ
の場合、第1ヘリクス1の外側の第2ヘリクス2は、そ
のアンテナ高H′が第1ヘリクス1のアンテナ高Hより
小さく、ピッチ角P′も第1ヘリクスのピッチ角Pより
小さい。第1ヘリクス1と第2ヘリクス2は相互に電磁
結合し、第1ヘリクス1に第2ヘリクス2が装荷された
状態となっている。螺旋状に巻回された周長が使用波長
に比べて小さく且つ螺旋導体の全長Lが1/2波長程度を
なす第1ヘリクス1は、電波をヘリクス軸に対して垂直
な面内に放射する動作モード、即ちノーマルモードで作
動する。
また第1ヘリクス1への給電位置によりアンテナ効率
が変わるので、通常リターンロス特性などを考慮して反
射板からアンテナ高Hの70〜80%位置を給電長とする。
このように無給電の第2ヘリクスを装荷した状態で反射
板3の前面に配置された第1ヘリクス1を駆動ヘリクス
とするヘリカルアンテナでは、寸法が小形化されても所
定の性能が得られる。
が変わるので、通常リターンロス特性などを考慮して反
射板からアンテナ高Hの70〜80%位置を給電長とする。
このように無給電の第2ヘリクスを装荷した状態で反射
板3の前面に配置された第1ヘリクス1を駆動ヘリクス
とするヘリカルアンテナでは、寸法が小形化されても所
定の性能が得られる。
第3図は、ヘリクス全長Lと共振周波数Fとの関係を
実測した結果を示しており、ヘリクスの導線の線径φ=
1mmの場合の例である。ヘリクス直径Dを一定としたと
き、第1ヘリクス1の導線の全長Lが増加するか、また
はピッチ角Pが大きくなると共振周波数が低下する。第
1ヘリクス1の共振周波数は、アンテナ高H,ヘリクス直
径D,ピッチ角Pに依存し、これらの構造パラメータが変
わると共振周波数が変化する。第1ヘリクス1と、これ
に装荷される無給電の第2ヘリクス2との間では電磁結
合が行われるが、第2ヘリクス2は、そのアンテナ高
H′,ヘリクスの直径D′,ピッチ角P′によって決め
られる固有の共振周波数を備えている。
実測した結果を示しており、ヘリクスの導線の線径φ=
1mmの場合の例である。ヘリクス直径Dを一定としたと
き、第1ヘリクス1の導線の全長Lが増加するか、また
はピッチ角Pが大きくなると共振周波数が低下する。第
1ヘリクス1の共振周波数は、アンテナ高H,ヘリクス直
径D,ピッチ角Pに依存し、これらの構造パラメータが変
わると共振周波数が変化する。第1ヘリクス1と、これ
に装荷される無給電の第2ヘリクス2との間では電磁結
合が行われるが、第2ヘリクス2は、そのアンテナ高
H′,ヘリクスの直径D′,ピッチ角P′によって決め
られる固有の共振周波数を備えている。
第4図はこのヘリカルアンテナのリターンロス特性の
実測結果を示し、第2ヘリクス2が装荷されたヘリカル
アンテナは、導線の線径φ=1mm一定とし、第2ヘリク
ス2の装荷位置やヘリクス直径D′を変えても、第1ヘ
リクス1のみによる本来のヘリカルアンテナの共振周波
数f0と近接した第1周波数f1にて共振現象を呈し、この
ときのリターンロスは−20dBと小さい。従って第1周波
数f1は第2ヘリクス2の影響を実質的に殆ど受けない。
実測結果を示し、第2ヘリクス2が装荷されたヘリカル
アンテナは、導線の線径φ=1mm一定とし、第2ヘリク
ス2の装荷位置やヘリクス直径D′を変えても、第1ヘ
リクス1のみによる本来のヘリカルアンテナの共振周波
数f0と近接した第1周波数f1にて共振現象を呈し、この
ときのリターンロスは−20dBと小さい。従って第1周波
数f1は第2ヘリクス2の影響を実質的に殆ど受けない。
また第2ヘリクス2の構造パラメータによって決めら
れる第2周波数f2は、第1周波数f1より周波数が低く、
ヘリクス直径D′の影響を受けるので、その寸法が小さ
くなると周波数は高くなる。
れる第2周波数f2は、第1周波数f1より周波数が低く、
ヘリクス直径D′の影響を受けるので、その寸法が小さ
くなると周波数は高くなる。
またリターンロスは、特に第2周波数f2で第2ヘリク
ス2の装荷位置により整合のとれる位置が大きく変わる
ので、予め最適位置に配置する。
ス2の装荷位置により整合のとれる位置が大きく変わる
ので、予め最適位置に配置する。
従ってノーマルモードにおいては、第1と第2の複数
の周波数において共振するヘリカルアンテナが得られ
る。
の周波数において共振するヘリカルアンテナが得られ
る。
またピッチ角P′を大きくするか又は全長L′を短く
すると第2周波数f2が変わり、2つの周波数間隔を例え
ば(f1−f2)/f1≒10〜50%の範囲で調節できるように
することが可能である。
すると第2周波数f2が変わり、2つの周波数間隔を例え
ば(f1−f2)/f1≒10〜50%の範囲で調節できるように
することが可能である。
また周波数間隔を小さくすると周波数特性が広帯域化
できる。
できる。
この実施例のヘリカルアンテナは、500MHz近傍にて使
用するとき、アンテナ高は波長の1/10に小形化できる。
用するとき、アンテナ高は波長の1/10に小形化できる。
更に全方位に亙る指向性を有するので、専有スペース
に制限を受けるコードレス電話、自動車電話ならびにト
ランシーバなどの移動用通信機器への利用に適する。
に制限を受けるコードレス電話、自動車電話ならびにト
ランシーバなどの移動用通信機器への利用に適する。
[発明の効果] 以上に説明した通り、本発明によれば、ヘリカルアン
テナを構成する第1ヘリクスと同心状に無給電の第2ヘ
リクスを配設する簡単な構造によって無給電の第2ヘリ
クスにて装荷されたヘリカルアンテナの寸法が小形化さ
れ、第2ヘリクスの構造パラメータを変えると相互の周
波数間隔が調節でき、従って可調整的に設定できる複数
の作動周波数を有する小形ヘリカルアンテナが得られ
る。
テナを構成する第1ヘリクスと同心状に無給電の第2ヘ
リクスを配設する簡単な構造によって無給電の第2ヘリ
クスにて装荷されたヘリカルアンテナの寸法が小形化さ
れ、第2ヘリクスの構造パラメータを変えると相互の周
波数間隔が調節でき、従って可調整的に設定できる複数
の作動周波数を有する小形ヘリカルアンテナが得られ
る。
更に周波数間隔を小さくすると周波数特性が広帯域化
でき、ノーマルモードでの全方位に亙る2周波の送受信
が行えるので移動用通信機器への利用が図れる。
でき、ノーマルモードでの全方位に亙る2周波の送受信
が行えるので移動用通信機器への利用が図れる。
またその給電は1点のみで行えるため、複数周波数に
対して特別の励振回路を必要としないという効果もあ
る。
対して特別の励振回路を必要としないという効果もあ
る。
第1図はこの発明の一実施例を示す側面図、第2図は第
1図の上面図、第3図はヘリクスの全長と共振周波数と
の関係を示す線図、第4図はヘリカルアンテナのリター
ンロス特性を示す線図、第5図は従来の無給電ヘリクス
を有するアキシャルモードヘリカルアンテナの一例を示
す外形図、第6図は従来のノーマルモードサイドファイ
アヘリカルアンテナの一例を示す外形図、第7図は従来
のエンドファイアヘリカルアンテナの一例を示す外形図
である。 (主要部分の符号の説明) 1……第1ヘリクス、2……第2ヘリクス、3……反射
板、4……給電端子、5……給電線。
1図の上面図、第3図はヘリクスの全長と共振周波数と
の関係を示す線図、第4図はヘリカルアンテナのリター
ンロス特性を示す線図、第5図は従来の無給電ヘリクス
を有するアキシャルモードヘリカルアンテナの一例を示
す外形図、第6図は従来のノーマルモードサイドファイ
アヘリカルアンテナの一例を示す外形図、第7図は従来
のエンドファイアヘリカルアンテナの一例を示す外形図
である。 (主要部分の符号の説明) 1……第1ヘリクス、2……第2ヘリクス、3……反射
板、4……給電端子、5……給電線。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−36448(JP,A) 特開 昭60−98705(JP,A) 特開 昭63−18804(JP,A) 特開 平2−127804(JP,A) 特開 平1−125103(JP,A) 特開 昭63−286008(JP,A) 実開 昭62−191207(JP,U) 実開 平1−115315(JP,U) 実開 平2−106717(JP,U) 特公 昭51−26025(JP,B1) 特公 昭38−10856(JP,B1) 実公 昭41−650(JP,Y1) 米国特許4868576(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01Q 5/00 - 5/02 H01Q 9/00 - 11/20
Claims (3)
- 【請求項1】使用すべき波長に比べて小さい周長で螺旋
状に巻回され、螺旋軸と直交する電波反射面の前面に配
置した第1ヘリクスと、無給電の螺旋状の第2ヘリクス
と、前記第1ヘリクスに接続された給電手段とを有する
ヘリカルアンテナにおいて、 前記第2ヘリクスは、前記第1ヘリクスより小さい螺旋
軸寸法で前記第1ヘリクスの外側又は内側に同心状に装
荷され、前記第1ヘリクスによる第1のアンテナ共振周
波数より低い第2のアンテナ共振周波数を生じるもので
あることを特徴とするヘリカルアンテナ。 - 【請求項2】前記第2ヘリクスが前記第1ヘリクスより
大きい周長を有することを特徴とする請求項1に記載の
ヘリカルアンテナ。 - 【請求項3】第2ヘリクスの螺旋ピッチを含む構造パラ
メータが前記第2のアンテナ共振周波数の目標値に応じ
て予め定められていることを特徴とする請求項1に記載
のヘリカルアンテナ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2031369A JP2832476B2 (ja) | 1990-02-14 | 1990-02-14 | ヘリカルアンテナ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03236612A JPH03236612A (ja) | 1991-10-22 |
JP2832476B2 true JP2832476B2 (ja) | 1998-12-09 |
Family
ID=12329340
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2031369A Expired - Fee Related JP2832476B2 (ja) | 1990-02-14 | 1990-02-14 | ヘリカルアンテナ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2832476B2 (ja) |
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KR960043337A (ko) * | 1995-05-24 | 1996-12-23 | 김광호 | 반사판이 부착된 휴대용 무선기기 안테나 |
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US6278414B1 (en) * | 1996-07-31 | 2001-08-21 | Qualcomm Inc. | Bent-segment helical antenna |
US5986620A (en) * | 1996-07-31 | 1999-11-16 | Qualcomm Incorporated | Dual-band coupled segment helical antenna |
JP3126313B2 (ja) * | 1996-09-19 | 2001-01-22 | 松下電器産業株式会社 | アンテナ装置 |
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ATE286308T1 (de) * | 1997-03-27 | 2005-01-15 | Qualcomm Inc | Antenne und speiseschaltung dafür |
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DE69931861T2 (de) | 1998-03-19 | 2006-10-05 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd., Kadoma | Antennenanordnung und mobiles kommunikationsgerät |
JP3432831B2 (ja) * | 1998-06-30 | 2003-08-04 | 三菱電機株式会社 | 携帯電話用アンテナ装置 |
JP2000101331A (ja) | 1998-09-25 | 2000-04-07 | Tokin Corp | 2共振ヘリカルアンテナ |
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FR2810163A1 (fr) * | 2000-06-09 | 2001-12-14 | Thomson Multimedia Sa | Perfectionnement aux antennes-sources d'emission/reception d'ondes electromagnetiques |
KR20030078428A (ko) * | 2002-03-29 | 2003-10-08 | 주식회사 케이세라 | 다중 대역 헬리컬 안테나 |
GB2409108B (en) * | 2003-12-13 | 2006-07-12 | Motorola Inc | A radio unit and an antenna arrangement therefor |
JP6529297B2 (ja) * | 2015-03-20 | 2019-06-12 | 日本無線株式会社 | 偏波共用ヘリカルアンテナ |
CN106252851B (zh) * | 2016-09-12 | 2023-03-24 | 广东通宇通讯股份有限公司 | 一种高增益宽频带振子天线 |
CN115458955B (zh) * | 2022-10-19 | 2023-10-10 | 无锡国芯微电子系统有限公司 | 多频段单绕螺旋天线 |
-
1990
- 1990-02-14 JP JP2031369A patent/JP2832476B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH03236612A (ja) | 1991-10-22 |
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---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |