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JP2859475B2 - スピンオンフィルターおよびそのフィルター用エレメント組立体 - Google Patents

スピンオンフィルターおよびそのフィルター用エレメント組立体

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Publication number
JP2859475B2
JP2859475B2 JP3287012A JP28701291A JP2859475B2 JP 2859475 B2 JP2859475 B2 JP 2859475B2 JP 3287012 A JP3287012 A JP 3287012A JP 28701291 A JP28701291 A JP 28701291A JP 2859475 B2 JP2859475 B2 JP 2859475B2
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JP
Japan
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filter
passage
case
filter element
spin
Prior art date
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JP3287012A
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English (en)
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JPH0596107A (ja
Inventor
俊行 田上
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Wako Sangyo KK
Original Assignee
Wako Sangyo KK
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Publication date
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  • Filtration Of Liquid (AREA)
  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオイル等の流体の濾過に
用いられるフィルターに関し、さらに詳しくは、いわゆ
るスピンオンフィルターと称される使い捨てタイプのフ
ィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】スピンオンフィルターは従来からエンジ
ン用オイルフィルター等として種々用いられている。こ
の従来のスピンオンフィルター(エレメント組立体)
は、上端が開口し下端が閉側した円筒状ケース内にフィ
ルターエレメントを配設し、ケース開口に円盤状のカバ
ー部材を接合して構成され、カバー部材に形成した取付
ネジによりエンジンケース等の相手部材に着脱自在とな
っているのが一般的である。その交換はフィルターエレ
メントを取り出して行うのではなく、アセンブリ状態で
行うようになっており、フィルター交換が容易なように
なっている。
【0003】このようにスピンオンフィルターはエレメ
ント組立体全体が交換されるタイプ、いわゆる使い捨て
タイプであるので、全体のコストを低くする必要があ
り、従来においては、ケースおよびカバー部材は板金加
工されて作られていた。さらにカバー部材は厚めの円盤
からなる基板とこの上にスポット溶接された比較的薄い
カバー板とからなり、基板に取付ネジが形成され、カバ
ー板の外縁がケースの上端縁と一緒に折り重ねられ(ロ
ール成形され)両者が接合されていた。
【0004】上記のようなスピンオンフィルターの場合
には、エンジン用オイルフィルターのようにその使用流
体の圧力が低圧である場合には何ら問題ないのである
が、使用圧力が高い場合の使用は、下板に形成された取
付ネジの強度の問題およびカバー板とケースの上端縁と
の接合部強度の問題などから、不適であるという問題が
ある。しかしながら、高圧作動流体の濾過にスピンオン
フィルターを使用したいという要求も強く、例えば、5
MPa(メガパスカル)以上の高圧下でも使用可能なス
ピンオンフィルターが望まれている。
【0005】このようなことから、最近においてはこの
ような高圧下でも使用可能なスピンオンフィルター(エ
レメント組立体)がいくつか提案されている。例えば、
特公昭60−38168号公報や、特開平3−1546
06号公報に開示されているスピンオンフィルターがあ
る。いずれもほぼ円筒状のケースの上端開口を肉厚の厚
いカバーにより覆うとともに、このカバーに取付ネジを
設けて構成されている。この場合に、ケースとカバーの
結合部の耐圧強度を大きくするため、ケース上端を内方
に折り曲げたり(特公昭60−38168号)、ケース
上端をカバーの段付き部に沿って径方向内方にプレス変
形させるとともにこの部分を保持リングにより覆ったり
している(特開平3−154606号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなスピンオ
ンフィルター(エレメント組立体)を用いればエレメン
ト組立体自体の耐圧強度は十分に高めることができるの
あるが、このエレメント組立体をフィルターヘッドに取
り付ける部分の強度およびシール性の問題が生じやすい
という問題がある。
【0007】まず、上記エレメント組立体においては、
いずれも、カバーの中央に取付用雌ネジを有した出口通
路が形成され、この出口通路の周囲にカバーを貫通して
入口通路が形成されている。この出口通路に形成された
雌ネジがフィルターヘッドの雄ネジと螺合してエレメン
ト組立体の取付が行われるのであるが、出口通路をあま
り大きくできないためこのネジの有効径をあまり大きく
することができない。これを大きくすると、その周囲の
入口通路が小さくなり、入口通路を大きくするにはカバ
ーを大きくする必要があるためである。ネジ結合部には
ケース内の流体圧力が引っ張り力として作用するため、
ケース内の流体圧力が高圧となると、この部分の強度が
不足することがあるという問題がある。
【0008】また、上記フィルターではエレメント組立
体をフィルターヘッドに取り付けた状態で出口通路内の
流体が外部に漏れ出さないように、シールリングが出口
通路を囲んで配設される。ここで、このシールリングは
上記ネジの螺合によりフィルターヘッドとの間に挟まれ
て圧縮されシールを行うようになっているため、上記の
ようにネジの螺合強度が不足すると、このシールに作用
する圧縮力が不足してシール不良が発生するおそれがあ
るという問題もある。
【0009】本発明はこのような問題に鑑みたもので、
エレメント組立体自体の強度のみならず、このエレメン
ト組立体とフィルターヘッドの取付部(スピンオン取付
部)の強度も十分で、高圧下でも十分に使用可能なスピ
ンオンフィルターおよびこのフィルター用エレメント組
立体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的達成のた
め、本発明のスピンオンフィルターは、入口ポートに連
通する第1通路および出口ポートに連通する第2通路を
有してなるフィルターヘッドと、ケース内にフィルター
エレメントを内蔵してなりフィルターヘッドに螺合して
着脱自在に取り付けられるエレメント組立体とから構成
される。このとき、ケースは、上端部が開口し下端部が
閉塞したほぼ円筒状のケース本体と、このケース本体に
その上端開口を覆って取り付けられるカバー部材とから
構成され、ケース本体にフィルターエレメントを内蔵し
た状態でカバー部材を取り付けてエレメント組立体が構
成される。そして、フィルターヘッドには、外側円筒部
および内側円筒部を有して2重円筒状に形成された連結
部が設けられ、外側円筒部と内側円筒部との間の空間に
より形成される外側通路および内側円筒部内に形成され
る内側通路が、それぞれ第1通路および第2通路の一方
に連通する。カバー部材には上下に貫通する貫通孔が形
成されるとともにこの貫通孔に雌ネジが形成され、外側
円筒部の外面に雄ネジが形成されており、これら雌ネジ
と雄ネジとが螺合してエレメント組立体がフィルターヘ
ッドに着脱自在に取り付け可能となっており、このよう
にしてエレメント組立体がフィルータヘッドに取り付け
られた状態で、内側円筒部はフィルターエレメント内に
突出して内側通路がフィルターエレメントの内部空間に
連通し、外側通路がケース内におけるフィルターエレメ
ントより外側の空間に連通するようになっている。
【0011】なお、第1通路が外側通路と連通し、第2
通路が内側通路と連通しており、入口ポートから流入す
る流体が第1通路および外側通路を通ってケース内にお
けるフィルターエレメントより外側の空間内に流入し、
フィルターエレメントを通って濾過された後、フィルタ
ーエレメントの内部空間に流入し、内側通路および第2
通路を通って前記出口ポートから流出するように構成す
るのが望ましい。
【0012】なお、フィルターヘッドにおいて、外側円
筒部をフィルターヘッド本体とは別体に構成し、この外
側円筒部をフィルターヘッド本体に螺合結合して取り付
けても良い。
【0013】一方、本発明に係るスピンオンフィルター
用エレメント組立体は、上端部が開口し下端部が閉塞し
たほぼ円筒状のケース本体と、このケース本体内に挿入
保持されこのケース本体内を通って流れる流体の濾過を
行うフィルターエレメントと、ケース本体内にフィルタ
ーエレメントを配設した状態でケース本体の上端部開口
を覆って取り付けられたカバー部材とから構成され、カ
バー部材には上下に貫通する貫通孔が形成されるととも
にこの貫通孔に取付用雌ネジが形成されている。フィル
ターエレメントの上端には内部空間に連通する連通孔が
形成されており、フィルターエレメントがケース本体内
に配設されるとともにその上端部開口を覆ってカバー部
材が取り付けられた状態で、連通孔は貫通孔と所定間隔
をおいて上下に対向して貫通孔を介して外部に覗くよう
に構成されている。そして、取付用雌ネジをフィルター
ヘッドに形成した雄ネジと螺合させてエレメント組立体
をフィルターヘッドに着脱自在に取り付け可能であり、
このようにフィルターヘッドに取り付けられた状態で、
連通孔を介してフィルターエレメントの内部空間をフィ
ルターヘッドの入口もしくは出口通路の一方と連通さ
せ、連通行と貫通孔との所定間隔を介してフィルターヘ
ッドの入口もしくは出口通路の他方と連通させるように
なっている。
【0014】ここで、カバー部材の外周面にリング状溝
を形成し、ケース本体の上端部がこのリング状溝内に入
り込むようにプレス成形して、ケース本体にカバー部材
を取り付けるのが好ましい。なお、フィルターエレメン
トがほぼ円筒状の外形を有する場合には、このエレメン
トをケース本体の下部内に配設したバネにより上方に押
し上げるとともにこのエレメントの上端外周部をカバー
部材に下方に突出して形成した複数のガイド部により受
け止め、エレメントをケース本体内で保持するのが良
い。この構成の場合には、複数のガイド部の間の空間を
介してケース本体の内周面とエレメントの外周面との間
の空間を貫通孔に連通させることができる。さらに、カ
バー部材の上端外周部に複数の凹部が外周に露出して形
成するのが好ましく、このようにすれば、この凹部にフ
ィルターエレメント取り外し用工具(引掛けスパナ等)
を取り付けてエレメントの取り外しを容易に行うことが
できるようになる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の好ましい実施
例について説明する。本発明に係るスピンオンフィルタ
ーの全体を図1に示しており、このスピンオンフィルタ
ーは、フィルターヘッド1と、このフィルターヘッド1
に着脱自在にネジ係合されて取り付けられたエレメント
組立体3とから構成される。フィルターヘッド1は、例
えば、油圧装置等に固定されており、必要に応じてエレ
メント組立体3がフィルターヘッド1から取り外されて
新しいエレメント組立体3と交換されるようになってい
る。
【0016】フィルターヘッド1は、鋳鉄、アルミ鋳物
等により製造されたブランク品に所定の機械加工が施さ
れて作られる。このフィルターヘッド1のボディ10は
入口ポート11と出口ポート13とを有し、これらポー
ト11,13にそれぞれ連通する第1通路12と第2通
路14とが図示のように形成されている。両通路12,
14は壁15により隔てられているが、この壁15には
バイパス通路15aが形成され、このバイパス通路15
aにはチェックバルブ18が配設されている。チェック
バルブ18は、通常はバイパス通路15aを閉塞し、第
1通路12内の油圧P1と第2通路14内の油圧P2と
の差圧ΔP(=P1−P2)が所定圧Pa以上(ΔP>
Pa)となったときにバイパス通路15aを開放する。
【0017】このフィルターヘッド1のボディ10の下
面には、下方に突出する外側円筒部21および内側円筒
部23からなる2重円筒状の連結部が一体に設けられて
いる。このため、外側円筒部21の内周面と内側円筒部
23の外周面との間には上下に延びる断面リング状の外
側通路22(図2参照)が形成され、この外側通路22
は上部において第1通路12に連通し、下部は開放され
ている。また、内側円筒部23内には上下に延びる円筒
状の内側通路24が形成され、この内側通路24は上部
において第2通路14に連通し、下部は開放されてい
る。
【0018】なお、図示のように、内側円筒部23の方
が外側円筒部21より下方への突出量が多く、内側円筒
部23の下端部23aは外側円筒部21の下端面よりさ
らに下方に突出している。外側円筒部21の外周面には
雄ネジ21aが形成されている。さらに、外側円筒部2
1の外周側におけるボディ10の下面には、第1シール
リング61が当接するシール面10aが形成されてい
る。
【0019】一方、エレメント組立体3は、図4にも示
すように、エレメントケース30と、このエレメントケ
ース30内に挿入保持されたフィルターエレメント50
とから構成される。なお、エレメントケース30は、上
端部32が開口し下端部33が閉塞された円筒状のケー
ス本体31と、このケース本体31の上端部開口を覆っ
て取り付けられたカバー35とから構成される。
【0020】カバー35には、上下に貫通する貫通孔3
6が形成され、この貫通孔36の内周面に、上記フィル
ターヘッド1の外側円筒部21に形成された雄ネジ21
aと螺合する雌ネジ36aが形成されている。このた
め、この雌ネジ36aを外側円筒部21の雄ネジ21a
と螺合させるようにして、エレメント組立体3を回転さ
せながらフィルターヘッド1に取り付ける(スピンオン
する)ことができる。なお、カバー35の上端部37の
外周部には、図2に示すように、複数の凹部37aが設
けられている。この凹部37aに引掛けスパナ100等
の工具を引っ掛けることができ、これによりエレメント
組立体3を回転させ、フィルターヘッド1への取付、取
外しを容易に行えるようにしている。
【0021】また、カバー35の上端部37の内周部に
は段付き部37bが形成されており、この段付き部37
bにシールリング61が載置されている。カバー35の
外周面にはリング状溝38が形成されており、カバー3
5がケース本体31の上端開口内に挿入された後、ケー
ス本体31の上端部32が内方にプレス形成されてリン
グ状溝38内に入り込む。これにより、カバー35がケ
ース本体31の上端部にしっかりと結合されている。な
お、この結合部のシールを行う第2シールリング62
が、リング状溝38の下側に形成されたシールリング溝
39内に配設されてカバー本体31により覆われてい
る。
【0022】カバー35の下端部には下方に突出する複
数のガイド部40が設けられている。各ガイド部40に
おける内周部にも段付き部40aが形成されており、こ
の段付き部40aによりフィルターエレメント50の上
端外周部を受け止めるようになっている。各ガイド部4
0の間には、図3に示すように、連通空間41が形成さ
れている。
【0023】フィルターエレメント50は、蛇腹状に折
曲した濾材の端部を接合して断面が菊花状で外形がほぼ
円筒状となるようにした菊花状濾材54を、円板状の上
および下エンドプレート51,52で挟むようにして挟
持し、内周部を円筒状のセンターチューブ53により支
持して構成される。センターチューブ53は多数の小孔
53aを有したパンチシート等から作られており、濾材
54を通過して濾過された作動油がこの小孔53aを通
過して、その内部空間である第3空間72内に流入する
ようになっている。
【0024】ケース30の底部には圧縮コイルバネ65
が配設されており、この圧縮コイルバネ65によりフィ
ルターエレメント50が上方に押されている。このた
め、エレメント50の上端外周部(上エンドプレート5
1の外周部)51bが、カバー35の下端内周に形成さ
れた段付き部40に受け止められ、この状態でエレメン
ト50はケース30内で保持されている。このように保
持されると、上エンドプレート51により、ケース30
内の空間が上エンドプレート51より上側の第1空間7
0とエレメント50より外側の第2空間71とに分割さ
れるのであるが、カバー35の下端部に形成された連通
空間41により両空間70,71は連通される。
【0025】エレメント50の上エンドプレート51に
はその中央部に連通孔51aが形成されており、上記の
ようにエレメント50がケース30内に保持された状態
で、この連通孔51aはカバー35の貫通孔36と対向
する。このため、エレメント組立体3がフィルターヘッ
ド1に取り付けられる前の状態(単体の状態)では、セ
ンターチューブ53内の第3空間72はこの連通孔51
aを介して第1空間70と連通する。なお、この連通孔
51aの内周部には第3シールリング63が配設されて
いる。
【0026】上記のエレメント組立体3が、カバー35
の雌ネジ36aを外側円筒部21の雄ネジ21aと螺合
させるようにして、回転しながらフィルターヘッド1に
取り付けられる(スピンオンされる)と、図1に示すよ
うに、内側円筒部23の下端部23aが、上エンドプレ
ート51の連通孔51a内に突入する。このため、第1
空間70は内側円筒部23により仕切られて第3空間7
2から隔離され、第3空間72は連通孔51aを介して
内側通路24と連通する。このとき、第3シールリング
63によりこの部分がシールされる。また、同時に、第
1空間70は外側通路22と連通し、この空間はネジ結
合部の外側において段付き部37bとシール面10aと
の間に挟持された第1シールリング61によりシールさ
れる。
【0027】以上のように構成されたスピンオンフィル
ターによる作動油の濾過について簡単に説明する。濾過
対象となる作動油は、矢印INで示すように、入口ポー
ト11から第1通路12内に送り込まれ、外側通路22
を通って第1空間70内に流入する。そして、第1空間
70から連通空間41を通って第2空間71内に流入し
た後、濾材54を通って濾過され、第3空間72内に流
入する。第3空間72からは、内側通路24および第2
通路14を通って出口ポート13から矢印OUTで示す
ように送りだされる。この場合において、濾材54の目
詰まりが進んでこの濾材54の前後の油圧差ΔPが所定
値Pa以上となると、チェックバルブ18によりバイパ
ス通路15aが開放される。
【0028】以上のようにして作動油の濾過を行うとき
に、ケース3内の作動油の油圧は、ケース3を下方に押
してこれをフィルターヘッド1から離す方向に作用す
る。この力は、ネジ結合部に作用するのであるが、本例
の場合には、エレメント5に流入する通路(外側通路2
2)およびエレメント5から流出する通路(内側通路2
4)の両方がネジ部より内径側に設けられるので、この
ネジの有効径を大きくすることかできる。このため、ネ
ジ結合強度を十分に高くすることが可能であり、高圧下
でも使用できる。
【0029】以上においては、フィルターヘッドを一体
に形成した例を示しているが、図5に示すように、外側
円筒部121をボディ110とは別体に製造し、両者を
ネジ121aにより結合してフィルターヘッド101を
作っても良い。このようにすれば、ボディ110の鋳造
および機械加工が容易となり、フィルターヘッドの製作
が容易となる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るスピ
ンオンフィルターによれば、ケース本体にフィルターエ
レメントを内蔵した状態でカバー部材を取り付けてエレ
メント組立体が構成され、フィルターヘッドには、外側
円筒部および内側円筒部を有して2重円筒状に形成され
た連結部が設けられ、外側円筒部に形成された雄ネジと
エレメント組立体のケースに形成された雌ネジとが螺合
してエレメント組立体がフィルータヘッドに着脱自在に
取り付けられる。このようにしてエレメント組立体がフ
ィルータヘッドに取り付けられた状態で、内側円筒部は
フィルターエレメント内に突出して内側通路がフィルタ
ーエレメントの内部空間に連通し、外側通路がケース内
におけるフィルターエレメントより外側の空間に連通す
るようになっているので、ヘッドとエレメントとを結合
するネジの有効径を大きくすることができ、この部分の
強度を高くすることができる。
【0031】なお、フィルターヘッドにおいて、外側円
筒部をフィルターヘッド本体とは別体に構成し、この外
側円筒部材をフィルターヘッド本体に螺合結合して取り
付けても良く、このようにすればカバー部材の製造が容
易となる。
【0032】一方、本発明に係るスピンオンフィルター
用エレメント組立体は、上端部が開口し下端部が閉塞し
たほぼ円筒状のケース本体と、このケース本体内に挿入
保持されこのケース本体内を通って流れる流体の濾過を
行うフィルターエレメントと、ケース本体内にフィルタ
ーエレメントを配設した状態でケース本体の上端部開口
を覆って取り付けられたカバー部材とから構成され、カ
バー部材には上下に貫通する貫通孔が形成されるととも
にこの貫通孔に取付用雌ネジが形成され、さらに、フィ
ルターエレメントの上端にその内部空間に連通する連通
孔が形成され、フィルターエレメントがケース本体内に
配設されるとともにその上端部開口を覆ってカバー部材
が取り付けられた状態で、連通孔は貫通孔と所定間隔を
おいて上下に対向して貫通孔を介して外部に覗くように
構成されている。このように構成すれば、外側円筒部お
よび内側円筒部を有して2重円筒状に形成された連結部
が設けられたフィルターヘッドに対して、外側円筒部に
形成された雄ネジとエレメント組立体のケースに形成さ
れた雌ネジとを螺合してエレメント組立体をフィルータ
ヘッドに着脱自在に取り付けることができる。このよう
にしてエレメント組立体がフィルータヘッドに取り付け
られた状態で、例えば、内側円筒部を連通孔を介してフ
ィルターエレメント内に突出させて出口通路をフィルタ
ーエレメントの内部空間に連通させ、連通孔と貫通孔と
の所定間隔を介して内側円筒部と外側円筒部との間の入
口通路をケース内におけるフィルターエレメントより外
側の空間に連通させることができ、この結果、ヘッドと
エレメントとを結合するネジの有効径を大きくすること
ができ、この部分の強度を高くすることができる。
【0033】ここで、カバー部材の外周面にリング状溝
を形成し、ケース本体の上端部がこのリング状溝内に入
り込むようにプレス成形して、ケース本体にカバー部材
を取り付けるのが好ましく、このようにすれば、ケース
本体とカバー部材との結合強度を高くすることができ
る。なお、フィルターエレメントがほぼ円筒状の外形を
有する場合には、このエレメントをケース本体の下部内
に配設したバネにより上方に押し上げるとともにこのエ
レメントの上端外周部をカバー部材のガイド部により受
け止め、エレメントをケース本体内で保持するのが良
く、これにより、ケース内でエレメントを安定して保持
することができる。
【0034】この構成の場合には、各ガイド部の間には
連通空間が形成されるので、この連通空間を介してケー
ス本体の内周面とエレメントの外周面との間の空間が貫
通孔に連通する。さらに、カバー部材の上端外周部に複
数の凹部が外周に露出して形成するのが好ましく、この
ようにすれば、この凹部にフィルターエレメント取り外
し用工具(引掛けスパナ等)を取り付けてエレメントの
取り外しを容易に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスピンオンフィルターを示す断面
図である。
【図2】上記スピンオンフィルターを矢印II-IIに沿っ
て示す断面図である。
【図3】上記スピンオンフィルターを矢印III-IIIに沿
って示す断面図である。
【図4】本発明に係るエレメント組立体を示す断面図で
ある。
【図5】本発明に係るスピンオンフィルターを構成する
フィルターヘッドの一例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 フィルターヘッド 3 エレメント組立体 11 入口ポート 13 出口ポート 21 外側円筒部 23 内側円筒部 30 エレメントケース 31 ケース本体 35 カバー 50 フィルターエレメント 51,52 エンドプレート 54 濾材 61,62,63 シールリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 27/08 B01D 35/02 F01M 11/03

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入口ポートに連通する第1通路および出
    口ポートに連通する第2通路を有してなるフィルターヘ
    ッドと、ケース内にフィルターエレメントを内蔵してな
    り前記フィルターヘッドに螺合して着脱自在に取り付け
    られるエレメント組立体とからなるスピンオンフィルタ
    ーであって、 前記ケースが、上端部が開口し下端部が閉塞したほぼ円
    筒状のケース本体と、このケース本体にその上端開口を
    覆って取り付けられるカバー部材とから構成され、前記
    ケース本体に前記フィルターエレメントを内蔵した状態
    で前記カバー部材を取り付けて前記エレメント組立体が
    構成され、 前記フィルターヘッドには、外側円筒部および内側円筒
    部を有して2重円筒状に形成された連結部が設けられ、
    前記外側円筒部と内側円筒部との間の空間により形成さ
    れる外側通路および前記内側円筒部内に形成される内側
    通路が、それぞれ前記第1通路および前記第2通路の一
    方に連通し、 前記カバー部材には上下に貫通する貫通孔が形成される
    とともにこの貫通孔に雌ネジが形成され、前記外側円筒
    部の外面に雄ネジが形成されており、前記雌ネジと前記
    雄ネジとが螺合して前記エレメント組立体が前記フィル
    ターヘッドに着脱自在に取り付け可能となっており、 前記エレメント組立体が前記フィルータヘッドに取り付
    けられた状態で、前記内側円筒部は前記フィルターエレ
    メント内に突出して前記内側通路が前記フィルターエレ
    メントの内部空間に連通し、前記外側通路が前記ケース
    内における前記フィルターエレメントより外側の空間に
    連通するように構成されていることを特徴とするスピン
    オンフィルター。
  2. 【請求項2】 前記第1通路が前記外側通路と連通し、
    前記第2通路が前記内側通路と連通しており、前記入口
    ポートから流入する流体が前記第1通路および前記外側
    通路を通って前記ケース内における前記フィルターエレ
    メントより外側の空間内に流入し、前記フィルターエレ
    メントを通って濾過された後、前記フィルターエレメン
    トの内部空間に流入し、前記内側通路および前記第2通
    路を通って前記出口ポートから流出するようになってい
    ることを特徴とする請求項1に記載のスピンオンフィル
    ター。
  3. 【請求項3】 前記フィルターヘッドにおいて、前記外
    側円筒部がフィルターヘッド本体とは別体に構成されて
    おり、この外側円筒部が前記フィルターヘッド本体に螺
    合結合されて取り付けられていることを特徴とする請求
    項1に記載のスピンオンフィルター。
  4. 【請求項4】 上端部が開口し下端部が閉塞したほぼ円
    筒状のケース本体と、このケース本体内に挿入保持され
    このケース本体内を通って流れる流体の濾過を行うフィ
    ルターエレメントと、前記ケース本体内に前記フィルタ
    ーエレメントを配設した状態で前記ケース本体の上端部
    に前記開口を覆って取り付けられたカバー部材とからな
    るエレメント組立体において、 前記カバー部材には上下に貫通する貫通孔が形成される
    とともにこの貫通孔に取付用雌ネジが形成され、 前記フィルターエレメントの上端にその内部空間に連通
    する連通孔が形成され、前記フィルターエレメントが前
    記ケース本体内に配設されるとともに前記開口を覆って
    カバー部材が取り付けられた状態で、前記連通孔は前記
    貫通孔と所定間隔をおいて上下に対向して前記貫通孔を
    介して外部に覗いており、 前記取付用雌ネジをフィルターヘッドに形成した雄ネジ
    と螺合させて前記エレメント組立体を前記フィルターヘ
    ッドに着脱自在に取り付け可能であり、このように前記
    フィルターヘッドに取り付けられた状態で、前記連通孔
    を介して前記フィルターエレメントの内部空間を前記フ
    ィルターヘッドの入口もしくは出口通路の一方と連通さ
    せ、前記連通行と前記貫通孔との所定間隔を介して前記
    フィルターヘッドの前記入口もしくは出口通路の他方と
    連通させるようになっていることを特徴とするスピンオ
    ンフィルター用エレメント組立体。
  5. 【請求項5】 前記カバー部材の外周面にリング状溝が
    形成され、前記ケース本体の上端部がこのリング状溝内
    に入り込むようにプレス成形されて、前記ケース本体に
    前記カバー部材が取り付けられていることを特徴とする
    請求項4に記載のスピンオンフィルター用エレメント組
    立体。
  6. 【請求項6】 前記フィルターエレメントがほぼ円筒状
    の外形を有し、このエレメントを前記ケース本体の下部
    内に配設したバネにより上方に押し上げるとともにこの
    エレメントの上端外周部を前記カバー部材に下方に突出
    して設けられた複数のガイド部により受け止めて前記エ
    レメントを前記ケース本体内で保持するように構成され
    ており、 前記複数のガイド部の間の空間を介して、前記ケース本
    体の内周面と前記エレメントの外周面との間の空間を、
    前記貫通孔に連通させるようになっていることを特徴と
    する請求項4に記載のスピンオンフィルター用エレメン
    ト組立体。
  7. 【請求項7】 前記カバー部材の上端外周部に複数の凹
    部が外周に露出して形成されており、この凹部を利用し
    てフィルターエレメント取り外し用工具を用いることが
    できるようになっていることを特徴とする請求項4に記
    載のスピンオンフィルター用エレメント組立体。
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