JP2852004B2 - パイプ式モジュラワイパ装置におけるパイプ締結方法 - Google Patents
パイプ式モジュラワイパ装置におけるパイプ締結方法Info
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Description
ク等の車両に搭載されるパイプ式モジュラワイパ装置に
おけるパイプ締結方法に関するものである。
この種モジュラワイパ装置の中には、窓面を払拭するた
めのワイパ装置として、ワイパ軸が軸支される一対のブ
ラケットをパイプを介して一体的に連結するパイプ式の
モジュラワイパ装置があるが、この場合、両ブラケット
の連結強度が低かったりしてブラケットの位置関係がズ
レると、ブレードの払拭範囲が変化して必要な払拭面積
が確保できなかったり、ブレードが窓面からはみ出たり
する惧れがある。そこで、ブラケットのパイプ締結精度
および強度を確実にすることが要求され、この様な要求
に応えるため、実開平4−71360号公報、実開平4
−86565号公報に示すものをかつて提案した。つま
りこのものは、パイプ挿入孔に挿入せしめたパイプナッ
トの裾部を、ブラケット側から螺入したボルト緊締に基
づいて膨出状に折返し変形させてパイプに抜止め係止す
るようにしたものであり、必要な精度と強度を確保する
状態でのパイプ締結を達成することができた。
度良く穿設する加工工程が必要で作業性に劣るうえ、パ
イプナット、ボルトが部品として必要になって部品点数
が多く、コストアップの要因となっている。
情に鑑みこれらの欠点を一掃することができるパイプ式
モジュラワイパ装置におけるパイプ締結方法を提供する
ことを目的として創案されたものであつて、第一の発明
は、ワイパ軸がそれぞれ軸支されるブラケット同志を、
パイプを介して一体的に連結して構成されるパイプ式モ
ジュラワイパ装置において、前記パイプをブラケットに
締結するにあたり、ブラケット側から突出するパイプ取
付け部は、予め設定される間隔を存して互いに外面状態
で平行状に対向する少なくとも一対の係合凹段面が外周
に形成されたものとし、前記パイプ取付け部に外嵌した
パイプの前記各係合凹段面に対応する部位を、前記設定
される間隔よりは大きいが、該間隔にパイプ肉厚の二倍
を加えた値よりは小さい間隔に設定される金型歯部でカ
シメ加工して係合凹段面に圧接させたことを特徴とする
ものである。第二の発明は、ワイパ軸がそれぞれ軸支さ
れるブラケット同志を、パイプを介して一体的に連結し
て構成されるパイプ式モジュラワイパ装置において、前
記パイプをブラケットに締結するにあたり、ブラケット
側から突出するパイプ取付け部は、予め設定される間隔
を存して互いに内面状態で平行状に対向する少なくとも
一対の係合凹段面が外周に形成されたものとし、前記パ
イプ取付け部に外嵌したパイプの前記各係合凹段面に対
応する部位を、前記設定される間隔よりは小さいが、該
間隔からパイプ肉厚の二倍を引いた値よりは大きい間隔
に設定される金型歯部でカシメ加工して係合凹段面に圧
接させたことを特徴とするものである。
プの確実な締結を、部品点数も少なく加工も簡単に行え
るようにしたものである。
明する。図面において、1はパイプ式モジュラワイパ装
置を構成する第一ブラケットであって、該第一ブラケッ
ト1は、アルミニウム等の金属素材を鋳造(ダイカス
ト)して形成したものであり、この第一ブラケット1に
ボルトナット締結手段を介して一体的に固着されたモー
タブラケット1hにワイパモータ2が組込まれている。
そしてワイパモータ2の出力軸に一体的に設けられるモ
ータリンク3の先端部に、第一ワイパロッド4の基端部
が球継ぎ手5を介して揺動自在に軸支され、該第一ワイ
パロッド4の先端部は、第一ブラケット1に回動自在に
軸支される第一ワイパリンク6の先端部に球継ぎ手7を
介して揺動自在に軸支されている。一方、8は前記第一
ブラケット1に、鋼製のパイプ9を介して一体的に連結
される第二ブラケットであって、該第二ブラケット8に
回動自在に軸支される第二ワイパリンク10の先端部と
第一ワイパリンク6の先端部とのあいだには、球継ぎ手
11、12を介して第二ワイパロッド13が介装されて
いる。そしてワイパモータ2の駆動に伴うリンク作動に
よって、これらワイパリンク6、10がワイパ軸14、
15を軸芯にして往復揺動し、これによって両ワイパ軸
14、15に一体的に取り付けられる左右ワイパアーム
(図示せず)の払拭作動ができるようになっており、こ
れらの構成については何れも従来通りである。
第一、第二ブラケット1、8に対する締結構造に本発明
が実施されているが、これら締結構造は何れも同じであ
るので、以降、パイプ9の第一ブラケット1との締結構
造について説明する。前記第一ブラケット1には、円柱
状をしたパイプ取付け部1aが一体的に突出している
が、該パイプ取付け部1aの外周面には都合八個の係合
溝1bが形成されるが、それらの配置としては周回り方
向においては、図4の断面図に示すように上下にそれぞ
れ二個づつ都合四個の係止溝1bが断面略直角溝形状に
形成されるが、上下に各一対づつ形成される各係止溝1
bの外面状態で周回り方向に互いに平行状に対向する縦
面同志(つまり両縦面同志は中実状態で対向している)
が本発明の係合横断面1cとなって周回り方向に間隔A
を存する設定になっている。また、図5の断面図で示す
ように、軸方向には長い凹溝形状の係止溝1bの二個づ
つが対となって形成されているが、各係止溝1bの外面
状態で軸方向に互いに平行状に対向する縦面同志(この
ものも両縦面同志は中実状態で対向している)が本発明
の係合横断面1dとなって軸方向に間隔Xを存する設定
になっている。
9の取付けは次ぎの構成になっている。ここでパイプ9
の肉厚をC、パイプ内径はパイプ取付け部1aの外径と
略一致する設定になっていて、パイプ9のパイプ取付け
部1aへの挿入は無理嵌めすることなくできるようにな
っている。一方、16は前記挿入したパイプ9をパイプ
取付け部1aにカシメ固定するための金型であって、該
金型16には、周回り方向に隣設する上側(または下
側)同志の係止溝1bに相当する部位のパイプ9をカシ
メるため都合四個の歯部16aが略直角コーナー形状に
突出形成されるが、歯部16aの周回り方向の対向間隔
Bは、係合横断面1c同志の周回り方向の間隔Aよりは
大きいが、パイプ肉厚Cを二倍したものと係合横断面1
c同志の周回り方向間隔Aとを加えたものより小さくな
る(A<B<A+2C)設定になっている。一方、歯部
16aの軸方向の対向間隔Yは、係止溝1b同志の軸方
向の間隔Xよりは大きいが、パイプ肉厚Cを二倍したも
のと係止溝1b同志の軸方向間隔Xとを加えたものより
小さくなる(X<Y<X+2C)設定になっており、こ
の状態でパイプ9のカシメ固定がなされることになる。
おいて、第一、第二ブラケット1、8同志はパイプ9を
介して一体的に連結されるが、該パイプ9のブラケット
1、8への締結は、前述したようにパイプ9をパイプ取
付け部1aにカシメ固定して取付けられることになり、
この結果、従来のようにパイプナットやボルトが不要に
なるうえ、パイプ9に対して面倒な孔加工が不要になっ
て、部品点数が減少し、加工工程も簡略化される。
いては、パイプ9は、カシメ加工によってブラケット側
に締結されることになるが、このカシメ加工において、
パイプ9は、パイプ9の肉厚を加味した寸法よりは小さ
い設定の歯部16aによってカシメ加工されることにな
る。この結果、パイプ9は係合溝1bの縦面に対して隙
間がない圧着状態となって周回り方向両方の回り止めと
および軸方向両方の位置ズレ規制とがなされ、強固な締
結となる。
bの素材はアルミニウムで、パイプ9の素材は鋼製であ
るが、パイプ9が前記パイプ9の肉厚Cを加味した寸法
よりは小さい設定のカシメ加工がなされることにより、
パイプ9のカシメ部はパイプ取付け部1aに対し、係止
溝1bに塑性変形を伴う状態で圧接することになり、こ
の結果、より食い付きの良いカシメ加工がなされ、締結
強度が向上する。
ものであることは勿論であって、対となる係合凹段面の
数は、前記実施例に限定されるものでなく、必要におい
て任意の数にすることができ、また、前記第一実施例の
ように外面同志で対向する、つまり中実状態で対向する
係合凹段面のものではなく、内面同志で対向する係合凹
段面においても実施することができる。この様な内面同
志で互いに対向する係合凹段面としては、図6に示す第
二実施例のように、長溝状にした係止溝1eの両端面を
係合凹段面1fとするもの、あるいは図7に示す第三実
施例のように、一対の係合溝1gの外側端面を係合凹段
面hとすることができ、その場合に、金型歯部16bに
よる係止溝1gの軸方向両端縁におけるパイプ9のカシ
メ固定を、係合凹段面同志の間隔をα、金型歯部16b
の間隔βを、パイプ9の肉厚をCとしたとき、間隔αよ
りは小さいが、該間隔αからパイプ肉厚Cの二倍を引い
た値よりは大きい設定、つまりα>β>α−2Cの関係
となるように設定して行うことで同様に実施することが
できる。また、本実施例ではアルミニウム製のブラケッ
ト、鋼製のパイプを用いているが、パイプ材はアルミニ
ウム等としても同様の効果を奏することは言うまでもな
い。
れたものであるから、ブラケット同志を連結するパイプ
のブラケットへの締結は、パイプをブラケットに形成さ
れるパイプ取付け部にカシメ固定することで行われるこ
とになって、従来のようにパイプナットやボルトが不要
になるうえ、パイプに対して面倒な孔加工が不要になっ
て、部品点数が減少し、加工工程も簡略化される。しか
もパイプのカシメ加工において、パイプは、パイプの肉
厚分を加味した寸法設定の金型歯部によってカシメ加工
されることで、外面状態あるいは内面状態で互いに対向
する係合凹段面に対してパイプカシメ部は隙間がない圧
接状態となり、この結果、パイプは、係合凹段面が互い
に対向する両方向への位置ズレが強固に規制された高精
度の締結状態となり、これによって、一対のブラケット
をパイプをカシメ固定して連結するものでありながら、
ブラケットの位置ズレがなくなって精度良いパイプ式モ
ジュラワイパ装置とすることができ、信頼性が高くワイ
パ軸の位置ズレにより払拭範囲が変化してしまうような
ことがない。
図である。
る。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 ワイパ軸がそれぞれ軸支されるブラケッ
ト同志を、パイプを介して一体的に連結して構成される
パイプ式モジュラワイパ装置において、前記パイプをブ
ラケットに締結するにあたり、ブラケット側から突出す
るパイプ取付け部は、予め設定される間隔を存して互い
に外面状態で平行状に対向する少なくとも一対の係合凹
段面が外周に形成されたものとし、前記パイプ取付け部
に外嵌したパイプの前記各係合凹段面に対応する部位
を、前記設定される間隔よりは大きいが、該間隔にパイ
プ肉厚の二倍を加えた値よりは小さい間隔に設定される
金型歯部でカシメ加工して係合凹段面に圧接させたこと
を特徴とするパイプ式モジュラワイパ装置におけるパイ
プ締結方法。 - 【請求項2】 ワイパ軸がそれぞれ軸支されるブラケッ
ト同志を、パイプを介して一体的に連結して構成される
パイプ式モジュラワイパ装置において、前記パイプをブ
ラケットに締結するにあたり、ブラケット側から突出す
るパイプ取付け部は、予め設定される間隔を存して互い
に内面状態で平行状に対向する少なくとも一対の係合凹
段面が外周に形成されたものとし、前記パイプ取付け部
に外嵌したパイプの前記各係合凹段面に対応する部位
を、前記設定される間隔よりは小さいが、該間隔からパ
イプ肉厚の二倍を引いた値よりは大きい間隔に設定され
る金型歯部でカシメ加工して係合凹段面に圧接させたこ
とを特徴とするパイプ式モジュラワイパ装置におけるパ
イプ締結方法。
Priority Applications (2)
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