JP2734408B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents
スクロール圧縮機Info
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Description
し、更に詳細には冷凍、空調機器に使用されるスクロー
ル圧縮機に関する。
に示される従来のスクロール圧縮機は図17に示される
ように構成されていた。図17において、1は固定スク
ロール、2は旋回スクロール、3はクランク軸、4は旋
回スクロール2に形成された軸受部2aに回転可能に装
着された駆動ブッシュ、5はオルダムリング、6は主フ
レーム、6aは主フレーム6に形成された主軸受、7は
電動機固定子、8は電動機回転子、9は副フレーム、9
aは副フレーム9に形成された副軸受、10は密閉容
器、11は外部より冷媒を導びく吸入管、12は吐出
管、13は密閉容器底部に貯溜された潤滑油をそれぞれ
示している。クランク軸3の上端部には偏心軸部3aが
形成され、この偏心軸部3aは駆動ブッシュ4を介在さ
せて旋回スクロール2の台板下面に形成された軸受部2
aに嵌入されている。クランク軸3はその上部側の主軸
部3bが主フレーム6の主軸受6aで支持され且つ下部
側の副軸部3cが副フレーム9の副軸受9aで支持され
ている。なお、14、15は電動機回転子8の両側(上
下)に取付けられた上バランスウエイトおよび下バラン
スウエイトである。
圧縮機の動作について説明する。電動機による回転力
は、電動機回転子8に焼ばめ固定されたクランク軸3に
より伝達され、偏心軸部3aおよび駆動ブッシュ4を介
して旋回スクロール2に伝えられる。旋回スクロール2
は、自転防止機構であるオルダムリング5により円軌道
を動く公転運動を行ない、固定スクロール1との間に形
成される圧縮室の容積変化に従って冷媒の圧縮が行なわ
れる。
ルから密閉容器10内へ流入し、圧縮室内で圧縮された
後、高圧となり、吐出管12より外部冷凍サイクルへ流
出する。ところで、旋回スクロール2に作用する冷媒の
圧縮荷重のうち、スラスト方向力は主フレーム6の上端
面におけるスラスト軸受面6bにより支持され、他方図
18に示されるようにラジアル方向力Fgは駆動ブッシ
ュ4を介してクランク軸3に伝達され、クランク軸3は
主フレーム6の下部ボス部に設けられた主軸受6a、副
フレーム9に設けられた副軸受9aとにより支持され
る。
ランスウエイト14および下バランスウエイト15は、
旋回スクロール2の公転運動により発生する遠心力FC1
とつりあいを取るために設けられ、上バランスウエイト
14および下バランスウエイト15により発生する遠心
力FC2、FC3も主軸受6aおよび副軸受9aにより支持
される。なお、密閉容器10の底部に貯溜された潤滑油
13はクランク軸3の回転に伴う遠心力により各軸受
部、圧縮室などの摺動部へ送られる。
機は前述したように圧縮行程で旋回スクロールに作用す
るラジアル方向力Fgはクランク軸3の上端部である偏
心軸部3aに作用する。しかし、この作用点である偏心
軸部3aは主フレーム6の主軸受6aから副軸受9aと
は反対側の突出端部であるため圧縮荷重Fgにより図1
9に示されるようにクランク軸3がたわみ変形を生じ
る。クランク軸3にたわみ変形が生じると、旋回スクロ
ール2の軸受部2a内での偏心軸部3aの傾斜、主フレ
ーム6の主軸受6a内での主軸受3bの傾斜、又は副フ
レーム9の副軸受9a内での副軸部3cの傾斜を生じ、
そのため各軸受部の負荷容量が低下し、軸受部の摩耗、
焼付きなどを生じるという問題があった。
ータ制御により圧縮機の可変速運転に伴い圧縮機の運転
範囲が低速から高速まで拡大したことから、低速運転域
においては軸受内油膜が発生しにくく、又高速運転域に
おいては旋回スクロール2、上バランスウエイト14、
下バランスウエイト15により発生する遠心力FC1、F
C2、FC3が増大し、クランク軸3のたわみ変形を更に増
大させ、上述の問題が一層顕著に生じ、その解決が望ま
れていた。
決するためになされたもので、圧縮行程で旋回スクロー
ルに作用する圧縮荷重のラジアル方向力によりクランク
軸にたわみ変形を生じた場合でも軸受部の摩耗、焼付き
等の損傷の発生を防止し、信頼性の高いスクロール圧縮
機を提供することにある。
わるスクロ−ル圧縮機は、偏心軸部に嵌合されるととも
に旋回スクロ−ルの軸受部に回転可能に装着され、且つ
クランク軸中心と旋回スクロ−ル中心間の距離を可変と
する駆動ブッシュとを備えるスクロ−ル圧縮機におい
て、偏心軸部がその周面の一部に形成された平坦面部を
備えるかまたはその周面の一部に形成され、クランク軸
の軸線方向に沿ってのみ湾曲した曲面部を備え、駆動ブ
ッシュがその内周面の一部で、前記偏心軸部の平坦面部
に対応する位置にクランク軸の軸線方向に沿ってのみ湾
曲した曲面部を備えるかまたはその内周面の一部で、前
記偏心軸部の曲面部に対応する位置に平坦面部を備え、
平坦面部と曲面部が係合し、駆動ブッシュが偏心軸部の
回転と一体となって回転するものである。
は、請求項1において、クランク軸の軸線方向に沿って
のみ湾曲した曲面部の頂点が、旋回スクロ−ルの軸受部
のほぼ中央の軸方向位置にあるものである。
は、請求項1または請求項2において、主軸部及び副軸
部のうち、少なくとも一方に、クランク軸の軸線方向に
沿う、頂点がフレ−ムの軸受部のほぼ中央の軸方向位置
に存在する曲面部を形成し、曲面部の外周に微小隙間を
もって円筒状ブッシュを嵌合し、主軸部あるいは副軸部
と円筒状ブッシュが一体に回転するように連結され、か
つ、円筒状ブッシュがフレ−ムの軸受部に回転可能に嵌
合されるものである。
は、請求項1または請求項2において、主軸部にクラン
ク軸の軸線方向に沿う曲面部を形成し、曲面部の外周に
微小隙間をもって円筒状ブッシュを嵌合し、主軸部と円
筒状ブッシュが一体に回転するように連結され、かつ、
円筒状ブッシュがフレ−ムの軸受部に回転可能に嵌合さ
れるとともに、副軸部を支持する軸受が転がり軸受のも
のである。また、請求項5に係わるスクロ−ル圧縮機
は、請求項1、請求項2または請求項4において、密閉
容器に嵌着固定された電動機の固定子と、電動機の両端
で、密閉容器に嵌着固定された主フレ−ムと副フレ−ム
と、主フレ−ムと副フレ−ムの軸受部においてそれぞれ
半径方向に支持されるクランク軸の主軸部と副軸部と、
クランク軸に嵌着固定された電動機の回転子と、回転子
の両側に配設された上バランスウエイトと下バランスウ
エイトと、クランク軸の下端側に配設された潤滑油を搬
送するための給油ポンプとを有し、主軸部に全周にわた
って、頂点が主フレ−ムの軸受部のほぼ中央の軸方向位
置に存在する凸となる樽状の帯状部により軸方向に沿う
曲面部を形成し、曲面部の外周に、微小隙間をもって円
筒状ブッシュを嵌合し、主軸部と前記円筒状ブッシュが
連結ピンによって一体に回転するように連結され、か
つ、円筒状ブッシュがフレ−ムの軸受部に回転可能に嵌
合されるとともに、副軸部を支持する軸受が転がり軸受
で構成されているものである。
で旋回スクロールにラジアル方向力が作用し、この力は
クランク軸の上端部である偏心軸部に作用する。これに
より、クランク軸がたわみ変形を生ずる。しかし、クラ
ンク軸の偏心軸部、主軸部又は副軸部が曲面部又は中央
部が全周に亘って凸となる樽状に形成された帯状部等で
構成された軸受装置が採用されているため、この曲面部
又は帯状部によって駆動ブッシュや円筒状のブッシュは
曲面又は樽状面と軸方向に回転と移動が自在に接触して
いるので、各軸受に対して各々平行状態のまま運転する
ことができる。そのため各軸受に対して片当りは起ら
ず、摩耗の発生や焼付きは生じない。また、旋回スクロ
ールに作用する遠心力等により、クランク軸中心と旋回
スクロール中心の偏心方向に、駆動ブッシュが偏心軸部
に対して摺動して、旋回スクロールは固定スクロールの
半径方向に押圧され、これによって、旋回スクロールの
渦巻歯の側面と固定スクロールの渦巻歯の側面に隙間が
生じることが防止できる。
された実施例について更に詳細に説明する。図1には本
発明の第1の実施例に係るスクロール圧縮機20が示さ
れている。本実施例のスクロール圧縮機20を示す図1
において、図17に示される従来のスクロール圧縮機と
同一又は相当する部分は同一の参照符号を付してその説
明を省略する。
向ほぼ中間部に電動機の回転子8が焼ばめにより固定さ
れているクランク軸21を含む。このクランク軸21
は、旋回スクロール2の軸受部2aに嵌入され、該旋回
スクロール2に直接旋回力を付与する偏心軸部22を上
端部に一体的に形成され、またそれより下方側には主フ
レーム6の主軸受部6aで支持される主軸部23および
更に下端部には副フレーム9の副軸受部9aで支持され
る副軸部24が形成されている。クランク軸21に形成
されたこれらの偏心軸部22、主軸部23、および副軸
部24を支持する軸受装置即ち軸受構造を順次説明す
る。
ル圧縮機20におけるクランク軸21の上端部に形成さ
れた偏心軸部22についての軸受構造を概略的に示す断
面図である。この偏心軸部22は図2から明らかなよう
にクランク軸21の中心O1に対して所定距離だけずら
した位置を中心点O2 とする円を基礎とする外形形状を
有し、2つの中心点O1 ・O2 を結ぶ線をYY、これに
直交する線をXXとする時、偏心軸部22の周面であっ
てYY線に沿う方向の位置に平坦面部22aが形成され
ている。また、偏心軸部22において平坦面部22aと
相反する側の周面には軸方向に沿って外側に凸状に湾曲
した曲面部22bが形成されている。
クロール2の軸受部2aに回転可能に装着される駆動ブ
ッシュ25は、偏心軸部22が嵌合する穴の内周面にお
ける偏心軸部22の平坦面部22aと曲面部22bとに
それぞれ対応する位置に形成された平坦面部25a、2
5bを備えている。このような構成の偏心軸部22によ
り駆動ブッシュ25を介して旋回スクロール2を旋回運
動させる時、偏心軸部22が図4に示されるように傾い
ても曲面部22bが駆動ブッシュ25の対応する平坦面
部25bに対して軸方向に回転と移動が自在に接触して
いることから駆動ブッシュ25は旋回スクロール2の軸
受部2a内において、偏心軸部22の傾斜につれて、共
に傾斜することはなく、軸受に対して平行のまま回転し
て偏心軸部22の軸受機能を発揮する。従って旋回スク
ロール2の軸受部2a内で片当りなどの発生がなく、軸
受性能の低下が防止され且つ摩耗の低減や焼付の発生防
止も可能となる。なお、図1、図2および図4から曲面
部22bの頂点が旋回スクロール2の軸受部2aのほぼ
中央の軸方向位置にある。また、図2おいて、偏心軸部
22と駆動ブッシュ25との間に偏心方向であるYY線
方向に隙間があり、駆動ブッシュ25がYY線方向に動
くことが可能となる。
た偏心軸部についての別の実施例を示す斜視図である。
この偏心軸部26は、基本的には図2に示された偏心軸
部22と同様にクランク軸21の中心O1 に対して所定
距離だけずらした位置を中心点O2 とする円を基礎とす
る外形形状を有し、2つの中心点O1 ・O2 を結ぶ線に
沿う方向の位置における周面に形成された平坦面部26
aを形成した偏心ピン部21aを備えている。そして、
この偏心ピン部21aにおいて平坦面部26aと相反す
る側の周面には上面からみてコ字形の切欠き部26bが
形成されている。
ように正面が湾曲面27aで且つ裏面が平坦面27bと
された別体の接合部材27が上方から差し込み装着され
る。この接合部材27は円筒体の周面の一部をその長手
方向に沿って削ぎ取った形状をし、該接合部材27は偏
心軸部26の切欠き部26bにその湾曲面27aが偏心
軸部26の軸方向に沿って外側に凸状になるように装着
される。これにより、実質的に図2に示される偏心軸部
22と同じ構成となる。なお、この偏心軸部26に嵌合
される駆動ブッシュは図2に示されるものと同じでよ
く、従ってその説明は省略する。
れた偏心軸部に取付けられる駆動ブッシュの別の例が示
されている。この駆動ブッシュ28は、図2に示された
駆動ブッシュ25のように基本的に偏心軸部の基礎円に
嵌合する穴28aを備え、この穴28aは、1つの径方
向中心線に直交する内周面部の一方に平坦面部28bを
備え、且つ他方には切欠き部28cを備えて形成されて
いる。そして、この切欠き部28cには、形状としては
図5に示された別体の接合部材27とまったく同一の接
合部材をその曲面部27aが駆動ブッシュ28の軸方向
に沿って内側に凸状になるように差し込み装着される。
合、これが嵌合装着される偏心軸部は図2に示されたも
のとは異なり、一方の平坦面部22aと相反する側の外
周面が曲面ではなく、同じ平坦面部とされたものが使用
される。このことから分ることは、偏心軸部と駆動ブッ
シュとの関係において、クランク軸の中心点O1 と偏心
軸部の中心点O2 を結ぶ線に沿う方向の位置における各
周面(偏心軸部の外周面と駆動ブッシュの内周面)に形
成された2組の対向係合面部のうち、1組の対向係合面
部は両方共平坦面部(例えば図2のように平坦面部22
a、25a)で構成され、しかし他の1組の対向係合面
部はいずれか一方が上述した曲面部で且つ他方が平坦面
部であればよいということである。
接合部材27を準備して、偏心軸部又は駆動ブッシュに
形成した切欠き部に装着するようにすると、クランク軸
の偏心軸部外周面に軸線に沿う方向に湾曲する曲面部を
直接且つ精度よく加工する困難さおよび駆動ブッシュの
嵌合穴内周面についても同様に生ずる困難さが解消さ
れ、加工性および加工精度の向上が図れるばかりではな
く加工コストをも低減することができる。なお、偏心軸
部と駆動ブッシュとの間の1組の対向係合面部におい
て、いずれか一方に設けられる曲面部の概念には、例え
ば図7に示されるように軸方向と直交して形成された溝
29に円筒形のころ30を嵌入することによって形成さ
れるものも含む。
ころ30が一般的な汎用部品の使用を可能にし、加工性
が著しく改善されることから加工コストを低減すること
ができる。また、図8に示されるように1組の対向係合
面部において一方の曲面部(例えば偏心軸部22の場合
曲面部22b)と他方の平坦面部(例えば駆動ブッシュ
25の場合平坦面部25b)との間に例えば焼入れ鋼な
どの高硬度部材31を配設すれば、両当接部について十
分な硬度を確保でき、その際駆動ブッシュを焼結素材な
どの比較的硬度の低い材料で形成することができること
から加工コストを低減させながらも信頼性も確保するこ
とができるという利点がある。
フレーム6における主軸受部6aでクランク軸21の主
軸部23を支持する軸受構造が示されている。この主軸
部23には、中央部が全周に亘って凸となる樽状に形成
された帯状部32が設けられている。そして、この帯状
部32の中央部における最大突出部と微小隙間をもって
その外周に円筒状ブッシュ33が嵌合され、この円筒状
ブッシュ33はクランク軸21の主軸部下部に形成され
た着座面21aに着座されている。なお、図1および図
9より曲面部の頂点である、中央部が全周に亘って凸と
なる樽状に形成された帯状部32が主軸受部6aのほぼ
中央の軸方向位置にある。
受部6a内に回転可能に嵌合されており、クランク軸2
1と一体に回転するものである。そのため、円筒状ブッ
シュ33の下面33aと着座面21aとの両方に軸方向
に沿う穴が形成され、この穴に連結ピン34が圧入され
ている。これにより、円筒状ブッシュ33はクランク軸
21と一体に回転するが、クランク軸21が圧縮荷重F
gを受けると円筒状ブッシュ33に対して傾むくため連
結ピン34が圧入されるいずれか一方の穴を径方向に長
い長穴としている。図9に示される例では着座面21a
に形成される穴を長穴としているが、勿論円筒状ブッシ
ュ33の下面33aに形成する穴を長穴としてもよい。
樽状に形成された帯状部32を備えるクランク軸21の
主軸部23と主フレーム6の主軸受部6aに配置された
円筒状ブッシュ33とからなる軸受構造によれば、クラ
ンク軸21に及ぼされる圧縮荷重Fgと遠心力荷重FC1
・FC2・FC3は方向がほぼ直交し、その大きさは圧縮機
の運転条件により可変するためクランク軸21のたわみ
方向も可変するが、主軸部23の帯状部32における曲
面部と円筒状ブッシュ33との接点は、クランク軸21
のたわみ方向およびたわみの大きさに追従して移動する
ことができ、圧縮機の運転条件によらず、常に円筒状ブ
ッシュ33は主フレーム6の主軸受部6aに対し平行状
態のまま(円筒状ブッシュ33の回転中心軸線が主軸受
部6aの中心軸線に一致した状態を維持したまま)回転
する。
なく軸受の摩耗、焼付き等のおそれのない信頼性の高い
軸受構造を得ることができる。
る帯状部曲面上で円筒状ブッシュ33が接点を移動した
場合、着座面21aと円筒状ブッシュ33の下面33a
との間に隙間を生じさせようとするが、帯状部32の曲
面部曲率を選択することによりこの隙間を最小におさえ
ることができ、円筒状ブッシュ33を潤滑するための油
がこの隙間から流出するのを防止することができる。
では、円筒状ブッシュ33に対する着座面21aがクラ
ンク軸21に形成されていたが、図10に示されるよう
に上バランスウエイト14の上面14aとしてもよい。
この場合、クランク軸21は全長に亘ってその外径を主
軸部外径以下とすることができることからクランク軸の
機械加工性が向上する。
軸21の主軸部23として、圧縮荷重Fgの反力方向と
遠心力荷重FC1、FC2、FC3の反力方向の2面に、中央
部が凸となる曲面部23a、23bを形成し、その外周
に微小隙間をもって、該曲面部23a、23bに対応す
る部分を平坦面35a、35bとした円筒状ブッシュ3
5を嵌合させた場合でも、円筒状ブッシュ35はクラン
ク軸21の圧縮荷重Fg、遠心力荷重FC1、FC2、FC3
によるたわみ変形に追従し、クランク軸21の主軸部2
3の曲面部23a、23b上で接点を移動することがで
き、その結果主フレーム6の主軸受部6aに対し平行状
態のまま回転させることができ、前述した例の軸受構造
と同様な効果を得ることができる。また、この例では2
面ある曲面部23a、23bがクランク軸21と円筒状
ブッシュ35との周方向における連結作用も兼ねること
から連結ピンは不要である。
副フレーム9における副軸受部9aでクランク軸21を
支持する軸受構造が示されている。この軸受構造は、前
述した主フレーム6の主軸受部6aでクランク軸21の
主軸部23を支持する軸受構造とほぼ同様にクランク軸
21の副軸部24が中央部を凸にした樽状の帯状部36
を形成し、その外周に微小隙間をあけて嵌合された円筒
状ブッシュ37とで構成されている。なお、図1および
図12より曲面部の頂点である中央部を凸にした樽状の
帯状部36が副軸受部9aのほぼ中央の軸方向位置にあ
る。
と一体に回転するように径方向にあけられた穴に一端が
圧入固定された連結ピン38の他端をクランク軸21に
形成された軸方向に長い長穴24aに係合して周方向に
相互に連結されている。なお、図1および図12におい
て、符号16は給油ポンプ部、17はこの給油ポンプ部
のカバーをそれぞれ示している。
9aでクランク軸21の副軸部24を支持する軸受構造
によると、クランク軸21が図13に示されるようにた
わみ変形を生じた場合、クランク軸21の副軸部24に
形成された中央部が凸となる樽状の帯状部表面上で、外
周に設けられた円筒状ブッシュ37との接点が移動し、
その結果円筒状ブッシュ37は副フレーム9のボス部即
ち副軸受部9aに対し平行状態のまま回転することがで
き、軸受負荷容量が低下することもなく、軸受の摩耗、
焼付き等のおそれのない信頼性の高い軸受構造を得るこ
とができる。
を支持する軸受構造では、クランク軸21の副軸部24
に中央部が凸となる樽状の帯状部36を形成し、その外
周に円筒状ブッシュ37を嵌合した場合についてのもの
であったが、図14に示されるように内周面に中央部が
凸となる樽状の帯状部39aを形成した円筒状ブッシュ
39をクランク軸21に嵌合して構成したものであって
もよい。
7との回転方向における連結手段として円筒状ブッシュ
37の穴に圧入された連結ピン38をクランク軸21に
形成された長穴24aに係合させたが、図14に示され
るように円筒状ブッシュ39に長穴を形成し、この長穴
にクランク軸21の副軸部24に形成した穴に圧入固定
した連結ピン38を係合してもよい。
を支持する軸受構造では、この副軸部24もしくは円筒
状ブッシュ39に中央部が凸となる樽状の帯状部を形成
したものであったが、一般的に副フレーム9の副軸受部
9aに作用する圧縮荷重や遠心力荷重は偏心軸部22、
主軸部23にかかる圧縮荷重や遠心力荷重よりも小さ
く、そのため図15に示されるようにクランク軸21の
副軸部24をころがり軸受40を使用して副軸受部9a
に支持してもよい。このようなころがり軸受40(図1
5では深溝玉軸受)を使用した場合、スクロール圧縮機
では外輪回転荷重(荷重方向が回転し、内輪が回転、外
輪が静止した状態)となるので、内輪40aとクランク
軸21との間はすきまばめとする。
21の副軸部24を支持する軸受構造においてクランク
軸21に荷重が作用すると、図16に示されるように荷
重方向に対して内輪40aが傾きクランク軸21の傾き
に追従しようとする。このようなクランク軸21の傾き
に対してころがり軸受40の負荷能力や信頼性は損なわ
れず、クランク軸21が傾いても軸受負荷能力や信頼性
が低下することはない。
ロール圧縮機では、クランク軸21の偏心軸部22、主
軸部23および副軸部24を支持する軸受構造が駆動ブ
ッシュ25又は円筒状ブッシュ33、37を配置し、各
軸部の軸受面を各ブッシュに対して平行軸受として作用
するような凸状の曲面とすることにより構成されたが、
クランク軸21の偏心軸部、主軸部又は副軸部のいずれ
か1つが上述した軸受構造により支持されていればその
軸部における軸負荷容量の低下を防止することができる
ことは言うまでもない。
1に係わるスクロ−ル圧縮機は、偏心軸部に嵌合される
とともに旋回スクロ−ルの軸受部に回転可能に装着さ
れ、且つクランク軸中心と旋回スクロ−ル中心間の距離
を可変とする駆動ブッシュとを備えるスクロ−ル圧縮機
において、偏心軸部がその周面の一部に形成された平坦
面部を備えるかまたはその周面の一部に形成され、クラ
ンク軸の軸線方向に沿ってのみ湾曲した曲面部を備え、
駆動ブッシュがその内周面の一部で、前記偏心軸部の平
坦面部に対応する位置にクランク軸の軸線方向に沿って
のみ湾曲した曲面部を備えるかまたはその内周面の一部
で、前記偏心軸部の曲面部に対応する位置に平坦面部を
備え、駆動ブッシュが偏心軸部の回転と一体となって回
転するものであるので、偏心軸部と駆動ブッシュ間に平
坦面部とクランク軸の軸線方向に沿ってのみ湾曲した曲
面部とからなる係合面部を有することとなり、クランク
軸の広範囲な傾斜に対応して駆動ブッシュは軸受部に対
して平行状態を維持でき、片当りによる軸受の摩耗、損
傷及び焼付き等の恐れのないスクロ−ル圧縮機が得ら
れ、また、前記係合面部において、平坦面部とクランク
軸の軸線方向に沿ってのみ湾曲した曲面部との線接触に
より、偏心軸部と駆動ブッシュとが一体に回転すること
により、曲面部の摩耗が防止でき、信頼性の高い片当り
防止手段を有するスクロ−ル圧縮機が得られる。即ち、
クランク軸の広範囲な傾斜に対する対応性と高い信頼性
とを両立させた片当り防止手段を有するスクロ−ル圧縮
機が得られる。また、旋回スクロ−ルに遠心力等の力が
偏心方向に作用することにより、駆動ブッシュの移動に
より旋回スクロ−ルは固定スクロ−ルに半径方向に押圧
され、これによって、旋回スクロ−ルの渦巻歯の側面と
固定スクロ−ルの渦巻歯の側面に隙間が生じることが防
止でき、効率が高く、かつ信頼性の高いスクロ−ル圧縮
機を得ることができる。
は、請求項1において、クランク軸の軸線方向に沿って
のみ湾曲した曲面部の頂点が、旋回スクロ−ルの軸受部
のほぼ中央の軸方向位置にあるので、駆動ブッシュに作
用する力の作用点と駆動ブッシュの支持点が一致するの
で、駆動ブッシュが軸線方向に回転しょうとするモ−メ
ントが発生せず、クランク軸が傾いた場合でも、駆動ブ
ッシュはクランク軸とともに傾くことはなく、軸受に対
して平行状態を維持できる。
は、請求項1または請求項2において、主軸部及び副軸
部のうち、少なくとも一方に、クランク軸の軸線方向に
沿う、頂点がフレ−ムの軸受部のほぼ中央の軸方向位置
に存在する曲面部を形成し、曲面部の外周に微小隙間を
もって円筒状ブッシュを嵌合し、主軸部あるいは副軸部
と円筒状ブッシュが一体に回転するように連結され、か
つ、円筒状ブッシュがフレ−ムの軸受部に回転可能に嵌
合されるので、クランク軸が傾いた場合に、主軸部また
は副軸部の軸受部の摩耗、損傷及び焼付が防止できる。
は、請求項1または請求項2において、主軸部にクラン
ク軸の軸線方向に沿う曲面部を形成し、曲面部の外周に
微小隙間をもって円筒状ブッシュを嵌合し、主軸部と円
筒状ブッシュが一体に回転するように連結され、かつ、
円筒状ブッシュがフレ−ムの軸受部に回転可能に嵌合さ
れるとともに、副軸部を支持する軸受が転がり軸受のも
のであるので、クランク軸が傾いた場合に、主軸部の軸
受部の摩耗、損傷及び焼付きが防止できるとともに、副
軸部では転がり軸受の内輪が傾き、副軸部の傾きに追従
するので、軸受の摩耗、損傷及び焼付きが防止でき、ま
た、一般的な汎用部品の転がり軸受を用いることにより
コスト低減ができる。また、請求項5に係わるスクロ−
ル圧縮機は、請求項1、請求項2または請求項4におい
て、密閉容器に嵌着固定された電動機の固定子と、電動
機の両端で、密閉容器に嵌着固定された主フレ−ムと副
フレ−ムと、主フレ−ムと副フレ−ムの軸受部において
それぞれ半径方向に支持されるクランク軸の主軸部と副
軸部と、クランク軸に嵌着固定された電動機の回転子
と、回転子の両側に配設された上バランスウエイトと下
バランスウエイトと、クランク軸の下端側に配設された
潤滑油を搬送するための給油ポンプとを有し、主軸部に
全周にわたって、頂点が主フレ−ムの軸受部のほぼ中央
の軸方向位置に存在する凸となる樽状の帯状部により軸
方向に沿う曲面部を形成し、曲面部の外周に、微小隙間
をもって円筒状ブッシュを嵌合し、主軸部と前記円筒状
ブッシュが連結ピンによって一体に回転するように連結
され、かつ、円筒状ブッシュがフレ−ムの軸受部に回転
可能に嵌合されるとともに、副軸部を支持する軸受が転
がり軸受で構成されているので、前記請求項4の発明と
同様な効果が得られる。
示す縦断面図である。
ランク軸上端の偏心軸部に駆動ブッシュを嵌合して示す
上面図である。
施例を旋回スクロールの軸受部に装着した状態で図2の
III−III線に沿って得た断面図である。
ク軸偏心軸部の軸受構造においてクランク軸に傾きが生
じた状態を示す断面図である。
構成例を示す斜視図である。
別の構成例を示す斜視図である。
他の構成例を示す断面図である。
す断面図である。
おいて、クランク軸の主軸部を支持する軸受構造を示す
断面図である。
構成例を示す断面図である。
他の構成例を示す分解斜視図である。
においてクランク軸の副軸部を支持する軸受構造を示す
断面図である。
構造においてクランク軸に傾きが生じた状態を概略的に
示す断面図である。
構成例を示す断面図である。
他の構成例を示す断面図である。
構造においてクランク軸に傾きが生じた状態を概略的に
示す断面図である。
ある。
用する圧縮荷重およびバランスウエイトの遠心力の方向
を示す説明図である。
きの状態を概略的に示す説明図である。
部、6 主フレーム、6a 主軸受部、8 電動機回転
子、9 副フレーム、9a 副軸受部、10密閉容器、
14 上バランスウエイト、15 下バランスウエイ
ト、20 スクロール圧縮機、21 クランク軸、22
偏心軸部、23 主軸部、24 副軸部、25 駆動
ブッシュ、32 帯状部、33 円筒状ブッシュ、36
帯状部、37 円筒状ブッシュ。
Claims (5)
- 【請求項1】 端部に偏心軸部を持つ回転可能なクラン
ク軸と、 固定スクロ−ルと、 流体を圧縮するために前記固定スクロ−ルと協働する旋
回スクロ−ルと、 前記偏心軸部に嵌合されるとともに前記旋回スクロ−ル
の軸受部に回転可能に装着され、且つ前記クランク軸中
心と前記旋回スクロ−ル中心間の距離を可変とする駆動
ブッシュと、 を備えるスクロ−ル圧縮機において、 前記偏心軸部がその周面の一部に形成された平坦面部を
備えるかまたはその周面の一部に形成され、クランク軸
の軸線方向に沿ってのみ湾曲した曲面部を備え、 前記駆動ブッシュがその内周面の一部で、前記偏心軸部
の平坦面部に対応する位置にクランク軸の軸線方向に沿
ってのみ湾曲した曲面部を備えるかまたはその内周面の
一部で、前記偏心軸部の曲面部に対応する位置に平坦面
部を備え、 平坦面部と曲面部が係合し、 前記駆動ブッシュが前記偏
心軸部の回転と一体となって回転することを特徴とする
スクロ−ル圧縮機。 - 【請求項2】 クランク軸の軸線方向に沿ってのみ湾曲
した曲面部の頂点が、旋回スクロ−ルの軸受部のほぼ中
央の軸方向位置にあることを特徴とする請求項1記載の
スクロ−ル圧縮機。 - 【請求項3】 フレ−ムを備え、 前記フレ−ムの軸受部において半径方向に支持されるク
ランク軸の主軸部及び副軸部を有し、 前記主軸部及び副軸部のうち、少なくとも一方に、クラ
ンク軸の軸線方向に沿う、頂点が前記フレ−ムの軸受部
のほぼ中央の軸方向位置に存在する曲面部を形成し、 前記曲面部の外周に微小隙間をもって円筒状ブッシュを
嵌合し、 前記主軸部あるいは副軸部と前記円筒状ブッシュが一体
に回転するように連結され、かつ、前記円筒状ブッシュ
が前記フレ−ムの軸受部に回転可能に嵌合されることを
特徴とする請求項1または請求項2に記載のスクロ−ル
圧縮機。 - 【請求項4】 フレ−ムを備え、 前記フレ−ムの軸受部において半径方向に支持されるク
ランク軸の主軸部及び副軸部を有し、 前記主軸部にクランク軸の軸線方向に沿う曲面部を形成
し、 前記曲面部の外周に微小隙間をもって円筒状ブッシュを
嵌合し、 前記主軸部と前記円筒状ブッシュが一体に回転するよう
に連結され、かつ、前記円筒状ブッシュが前記フレ−ム
の軸受部に回転可能に嵌合されるとともに、 前記副軸部を支持する軸受が転がり軸受であることを特
徴とする請求項1または請求項2に記載のスクロ−ル圧
縮機。 - 【請求項5】 密閉容器と、 前記密閉容器に嵌着固定された電動機の固定子と、 前記電動機の両端で、前記密閉容器に嵌着固定された主
フレ−ムと副フレ−ムと、 前記主フレ−ムと副フレ−ムの軸受部においてそれぞれ
半径方向に支持されるクランク軸の主軸部と副軸部と、 前記クランク軸に嵌着固定された電動機の回転子と、 前記回転子の両側に配設された上バランスウエイトと下
バランスウエイトと、 前記クランク軸の下端側に配設された潤滑油を搬送する
ための給油ポンプとを有し、 前記主軸部に全周にわたって、頂点が前記主フレ−ムの
軸受部のほぼ中央の軸方向位置に存在する凸となる樽状
の帯状部により軸方向に沿う曲面部を形成し、 前記曲面部の外周に、微小隙間をもって円筒状ブッシュ
を嵌合し、 前記主軸部と前記円筒状ブッシュが連結ピンによって一
体に回転するように連結され、かつ、前記円筒状ブッシ
ュが前記フレ−ムの軸受部に回転可能に嵌合されるとと
もに、 前記副軸部を支持する軸受が転がり軸受で構成されてい
ることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項4
のいずれか1項に記載のスクロ−ル圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7157593A JP2734408B2 (ja) | 1995-06-23 | 1995-06-23 | スクロール圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7157593A JP2734408B2 (ja) | 1995-06-23 | 1995-06-23 | スクロール圧縮機 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2734408B2 true JP2734408B2 (ja) | 1998-03-30 |
Family
ID=15653108
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7157593A Expired - Lifetime JP2734408B2 (ja) | 1995-06-23 | 1995-06-23 | スクロール圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2734408B2 (ja) |
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KR101849138B1 (ko) * | 2012-01-04 | 2018-04-16 | 엘지전자 주식회사 | 회전축 삽입부를 갖는 스크롤 압축기 및 그 제조방법 |
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JPS6285819A (ja) * | 1985-10-11 | 1987-04-20 | Sankyo Boeki Kk | 変位検出装置 |
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-
1995
- 1995-06-23 JP JP7157593A patent/JP2734408B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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