JP2798570B2 - 静電チャック - Google Patents
静電チャックInfo
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Description
おいてシリコンなどのウェハを固定、搬送するために用
いられる静電チャックに関するものであり、特にCVD
やPVD装置などの高温下で使用するための静電チャッ
クに関する。
ンウェハの固定、搬送にはクランプリング、真空チャッ
ク、静電チャックが用いられてきたが、真空チャックは
真空中で使用できず、クランプリングは反り修正能力は
なくウェハサイズが大きくなるほど均熱がとりにくくな
るなどの不都合があった。そこで、電子ビーム描画装
置、ドライエッチング装置、CVD装置、PVD装置等
でシリコンウェハの固定、搬送に静電チャックが有効と
されている。
電極を埋設した構造となっており、その吸着力Fは、 F=S/2×ε0 ×εr ×(V/d)2 F:吸着力 S:静電電極面積 ε0 :真空の誘電率 εr :絶縁体の比誘電率 V:印加電圧 d:絶縁層の厚み で表される。
の式より 高誘電体で絶縁層を形成する 高電圧を印加する 絶縁層を薄くする という方法が考えられる。の方法を用いたものとし
て、高誘電体であるチタン酸カルシウムなどを主成分と
するセラミックスを絶縁体とする静電チャックを本出願
人は既に提案した(特開平4−206948号公報参
照)。また、の方法については絶縁層の絶縁破壊に
つながり、危険を伴うので実用的でない。
チタンなどの遷移金属を添加したのち還元雰囲気で焼成
し、体積固有抵抗を低下させたセラミックスを用いる静
電チャックもあった(特開平2−22166号公報参
照)。これは、体積固有抵抗の低いセラミックスを絶縁
層とすることによって、電圧印加時に微小な漏れ電流が
発生し、この漏れ電流によって吸着力を増強するという
ものであった。
2−22166号公報にみられるような漏れ電流を利用
した静電チャックは、以下に示すようにさまざまな問題
点があった。
画装置、ドライエッチング装置などの−100〜150
℃付近での使用を前提としたものであって、より高温で
の使用には適さないものであった。即ち、この静電チャ
ックにおいて、絶縁体の体積固有抵抗は温度上昇に伴っ
て低下していくため、CVDやPVDなどの蒸着装置あ
るいは高温ドライエッチング装置で使用する250℃以
上という温度域では漏れ電流が大きくなりすぎてウェハ
上に形成した回路の破壊につながってしまうという欠点
があった。
ックスは、焼成条件によって体積固有抵抗を制御してい
るため、炉内全体を完全に同じ雰囲気にする必要があ
り、少しの雰囲気のずれによって体積固有抵抗が異なっ
てくるため、この方法で体積固有抵抗を制御することは
困難であり、均一な製品が得られないことから量産性に
劣るという欠点があった。
タンの混合物であるため、吸着力に時間依存性があり、
電圧を印加してもすぐに吸着力が得られないという致命
的欠点があった。これはチタンがアルミナ内に均一に分
散されていないことや、チタンが酸化されてチタニアが
生成され、比誘電率が非常に異なる材質(アルミナ=1
0、チタニア=46)のものが分散しているためと考え
られる。そして吸着力に時間依存性があると半導体製造
装置におけるウェハの処理能力の低下につながるという
問題点があった。
られるような、高誘電体セラミックスを用いた静電チャ
ックは、高誘電体セラミックス自体の機械的強度が低い
うえに熱衝撃にも弱いため、250℃以上で使用するこ
とは実用性に乏しかった。
D装置あるいは高温エッチング装置などの250℃以上
という温度下で使用する際には、以下のようないくつか
の特性が求められる。
していること ヒ−トショックに強いこと 高熱伝導を有すること ウェハに悪影響を及ぼさない材料であること 上記については、吸着力が高いことによって静電チャ
ックとウェハの接触性を高め、静電チャックの温度にウ
ェハの温度を近づけられるためにウェハの温度分布が小
さくなり、CVDやPVDではウェハ上への均一な成膜
が、高温エッチングではパターンの高精度化が可能とな
るためである。また、についてはウェハのスループッ
ト能力を向上させるためには不可欠な要素である。
度上昇に伴う体積固有抵抗の低下があり、それに伴い漏
れ電流も大きくなって、漏れ電流が大きすぎるとウェハ
上に形成されたパターンの破壊につながる恐れがあるた
めである。また、については、高温における装置への
静電チャックの組み込みでは接着剤の使用が困難であ
り、ネジ等の機械的固定をしなければならないため、ネ
ジ止め時や装置使用時の熱膨張差に耐え得る機械的強度
を有していなければならない。また、ウェハ上に高精度
のパターンを形成するには静電チャックの表面形状を高
精度に仕上げなければならないため、高剛性も必要とな
ってくる。
のために静電チャック下面から冷却する場合や、高温使
用時の静電チャック内の温度分布による熱歪みに耐え得
ることが必要なため、耐熱衝撃性に優れていなければな
らない。また、については、ウェハ加工時に、ウェハ
表面に温度分布ができてしまうと均一な成膜、パターン
の高精度化ができにくくなってしまうため、ウェハに接
触する静電チャックの材質は熱伝導に優れている方が好
ましい。さらに、については、静電チャックはウェハ
と直接接触するため、構成する元素がシリコンウェハの
特性劣下につながらないように、シリコンウェハに悪影
響を及ぼさない元素で構成されていなければならない。
ナにチタンを添加したセラミックスを用いた静電チャッ
クでは、漏れ電流が大きく、応答性も悪いものであり、
一方高誘電体セラミックスを用いた静電チャックは機械
的特性が劣るものであるため、いずれも上記〜の特
性を満たさなかった。
50℃以上の高温領域で好適に用いられる静電チャック
を得ることを目的とする。
は、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素を主成分と
し、アルミニウム、珪素、酸素、窒素以外の元素量が
0.2重量%以下の組成を有し、250℃以上の温度域
における体積固有抵抗値が108 〜1013Ωcmの範囲
にあり、抗折強度が20kg/mm2 以上でかつ耐熱衝
撃性ΔTが150℃以上であるセラミックス体中に静電
電極を埋設したことを特徴とするものである。ここで、
体積固有抵抗値を108 〜1013Ωcmとしたのは、1
013Ωcmより大きいと、電圧印加時の漏れ電流が小さ
すぎて充分な吸着力が得られないからであり、一方、1
08 Ωcmより小さいと漏れ電流が大きすぎて吸着した
ウエハの回路を破壊するなどの悪影響を及ぼすためであ
る。また、抗折強度を20kg/mm2 以上でかつ耐熱
衝撃性ΔTを150℃以上としたのは、抗折強度が20
kg/mm2 未満では、静電チャックを装置にネジなど
で固定する時や高温域における装置使用時にクラックや
割れが生じ、耐熱衝撃性ΔTが150℃未満であると、
急速昇温時にセラミックス内に発生する熱歪みに耐える
ことができず、クラックや割れを生じて破損するからで
ある。
(Si)、アルミニウム(Al)の酸化物または窒化物
から構成され、熱伝導率が10W/mk以上の特性を有
するものを用いる。
はセラミックス体1中に静電電極2を埋設したものであ
り、この静電電極2と被吸着物3に電圧4を印加するこ
とによって吸着力が発生し、吸着面1a上に被吸着物3
を固定することができる。上記セラミックス体1は、常
温では体積固有抵抗が1014Ωcm以上と大きく、漏れ
電流が非常に小さいため吸着力はほとんど発生しない
が、250℃以上の温度域では体積固有抵抗が108 〜
1013Ωcmに低下するため、漏れ電流が大きくなって
吸着力が発生する。
2 O3 )、アルミナの単結晶体であるサファイア、シリ
カ(SiO2 )、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪
素(Si3 N4 )を主成分とするものであって、上記体
積固有抵抗を示すためには、これらの主成分を85重量
%以上含むものを用いる。また、後述するようにウェハ
への汚染をなくすためには、アルミニウム(Al)、珪
素(Si)、酸素(O)、窒素(N)以外の元素からな
る成分(不純物)を合計0.2重量%以下とすることが
好ましい。
成分であるAl2 O3 を85重量%以上含み、残部がS
iO2 で、その他のCaやNaなどの成分を合計0.2
重量%以下としたもの、または主成分であるAl2 O3
を99.8重量%以上としたものが良い。また、窒化ア
ルミニウムセラミックスの場合は、焼結助剤であるY2
O3 等を焼成時に蒸発させることによって、主成分であ
るAlNを99.8重量%以上としたものが良い。さら
に、窒化珪素質セラミックスの場合は、主成分であるS
i3 N4 を85重量%以上含み、残部がAl2 O3 で、
不純物を0.2重量%以下としたものが良い。
ス成形、またはグリーンシートを積層することによって
板状に成形し、所定条件で焼成すれば、上記セラミック
ス体1を得ることができる。また、サファイアで形成す
る場合は、EFG法などの製法で板状に引き上げた後、
所定形状に加工することでセラミックス体1を得ること
ができる。
20kg/mm2 以上と機械的強度が高く、耐熱衝撃性
ΔTが150℃以上とヒートショックに強く、熱伝導率
10W/m・K以上と熱伝導性の良いものを用いる。ま
た、上記のように、これらのセラミックスは、アルミニ
ウム(Al)、珪素(Si)、酸素(O)、窒素(N)
の元素からなるため、ウェハに悪影響を及ぼすことはな
い。さらに、上記セラミックスは単一主成分からなる材
料であるため吸着時の応答性がよく、均質な材料を容易
に製造することができる。
クを示したが、静電電極2を複数形成し、これらの静電
電極2間に電圧を印加することにより双極型の静電チャ
ックとすることもできる。
ように、セラミックス体1中に静電電極2とともにヒー
タ5を埋設して静電チャックを構成することもできる。
この場合は、ヒータ5に電圧6を印加することによっ
て、セラミックス体1を250℃以上に加熱し、このと
き静電電極2と被吸着物3との間に電圧4を印加するこ
とで、セラミックス体1中に微小な漏れ電流を生じ、吸
着力を発生させることができる。このように、ヒータ5
を埋設した静電チャックは、所定の吸着力を得られるよ
うにセラミックス体1の温度を制御することが容易であ
り、より好適に使用することができる。
を得るものであり、適正な吸着力を得るためには体積固
有抵抗が重要になってくる。そこで常温における体積固
有抵抗が1014Ωcm以上のアルミナをセラミック体1
として用い、図2に示すヒータ5を内蔵した単極型の静
電チャックを作製して、10-1Torrの真空中におい
て静電チャックの静電電極2と被吸着物3間に300V
の電圧4を印加し、昇温しながら被吸着物3を垂直に剥
すことにより吸着力の測定を行った。
すように、250℃付近で吸着力が急激に大きくなり、
400℃でほぼ一定になって、100g/cm2 以上の
充分な吸着力を生じることがわかる。この結果を、上記
アルミナセラミックスの体積固有抵抗と温度の関係を示
すグラフ(図4)と比較すると、温度が250℃以上で
体積固有抵抗が1013Ωcm以下の時に充分な吸着力を
発生できることが確認できた。しかし、漏れ電流が大き
くなりすぎるとウェハ上の回路を破壊することを考える
と体積固有抵抗は108 〜1013Ωcmが好ましく、上
記アルミナセラミックス製静電チャックは250〜50
0℃の温度域で好適に使用できることがわかる。
ウムからなるセラミックスの体積固有抵抗と温度との関
係を示すように、これらのセラミックスも250〜50
0℃の温度域において、体積固有抵抗が108 〜1013
Ωcmとなる。そして、これらのセラミックスで静電チ
ャックを構成したところ、上記アルミナセラミックスと
同様に250℃以上の温度で吸着力100g/cm2 以
上の充分な吸着力を生じることが確認された。
アは、体積固有抵抗が大きいことから、500℃以上の
温度域でも充分使用可能である。
に、 常温における体積固有抵抗が1014Ωcm以上で、4
00℃になると1011Ωcmに低下するアルミナ静電チ
ャック(本発明実施例) アルミナ原料にチタンなどの遷移金属を添加したのち
還元雰囲気で焼成し、常温における体積固有抵抗を10
11Ωcmにした静電チャック(比較例) の2つの静電チャックを用意した。
温で、は400℃において、それぞれ吸着力の時間依
存性の測定を行った(いずれも真空度は10-1Tor
r、印加電圧は300V)。結果を図5に示すように、
(比較例)においては所定の吸着力が得られるまで2
00秒ほど要するが、(本発明実施例)においてはわ
ずか1秒ほどで所定の吸着力が得られるという結果とな
り、本発明の静電チャックは時間依存性がなく、吸着、
離脱の応答性が良いことがわかった。
料からなるのに対し、本発明実施例は単一材料からなる
ためである。
性を確認するための実験を行った。表1に示すまざまな
特性のセラミックスを用いて、それぞれヒータを内蔵し
たφ6インチの静電チャックを用意し、 500℃まで50℃/分で急昇温を行う ネジ止めで金具とアセンブリ行い、500℃までゆっ
くり昇温を行う 実験を行った。なお、表1中、強度とは常温での抗折強
度のことであり、耐熱衝撃性とは水中投下時にクラック
を生じる温度差ΔTのことである。
が150℃よりも小さいもの(試料C、D)は、実験
でクラックが生じ、また強度が20kg/mm2 よりも
小さいもの(試料B、D)は実験でクラックが生じ
た。したがって、高温域で用いるためには、強度20k
g/mm2 以上、耐熱衝撃温度150℃以上のセラミッ
クスを用いる必要がある。
に必要な熱伝導率を確認する実験を行った。表2に示す
ように、種々の熱伝導率をもったセラミックスで、図2
に示すヒータ内蔵のφ6インチ静電チャックを用意し、 静電チャック中心を300℃まで加熱した後ウェハを
静電チャックに載せ、サーモビュア(表面温度計)で表
面の温度分布を確認する 静電チャック中心を300℃まで加熱した後ウェハを
静電チャックに載せ、静電チャックでウェハを吸着して
サーモビュア(表面温度計)で表面の温度分布を確認す
る 実験を行った。結果は表2に示す通りである。
20℃以内と考えられるが、この表2より、その範囲に
入っているのは熱伝導率が10W/m・K以上の静電チ
ャック(試料C、D)を用いて吸着させていた場合のみ
である。したがって、熱伝導率が10W/m・K以上の
セラミックスを用いれば良い。
ミックスを用いれば、熱伝導率が170W/m・K以上
と極めて大きいことから、より好適である。
ウェハに対する汚染度の関係を調べる実験を行った。表
3に示すように、アルミナを主成分とし、不純物である
NaとCaの量が異なるセラミックスで静電チャックを
作製し、NaとCaの量が1ppm以下のシリコンウェ
ハを被吸着物として各静電チャックで吸着させた後、ウ
ェハをチェックして汚染度(NaとCaの含有量)を測
定した。
C、Dに示すように、静電チャックを構成するアルミナ
セラミック中の不純物量が合計2000ppm(0.2
重量%)以下であれば、吸着されたウェハに対する汚染
度が小さいことがわかる。また、この実験例では、アル
ミナセラミックスについてのみ示したが、他のセラミッ
クスであっても、同様に不純物量を極めて少なくするこ
とで、ウェハに対する悪影響を防止でき、特にサファイ
アは好適である。なお、ここで不純物とは、珪素(S
i)、アルミニウム(Al)、酸素(O)、窒素(N)
以外の元素を含む成分のことである。
上の温度域における体積固有抵抗が108 〜1013Ωc
mのセラミックスに静電電極を備えて静電チャックを構
成したことによって、CVD装置、PVD装置あるいは
高温エッチング装置等の250℃以上の温度で使用して
も良好にウェハを吸着することができ、固定、搬送、矯
正を行うことができる。
i)、アルミニウム(Al)の酸化物または窒化物から
構成され、抗折強度20kg/mm2 以上、熱伝導率1
0W/m・K以上、耐熱衝撃性ΔT150℃以上の特性
を有するものを用いることによって、250℃以上の温
度で使用しても熱応力に耐えられ、また熱伝導率が高い
ことによりウェハの全面均熱をはかられ、ウェハの均一
成膜、加工パターンの高精度化などが可能となり、また
ウェハの処理能力を向上することができ、ウェハに対す
る汚染の問題もなくなるなどの効果をもった高性能の静
電チャックを提供できる。
面図である。
を示すグラフである。
の温度と体積固有抵抗との関係を示すグラフである。
時間との関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素を
主成分とし、アルミニウム、珪素、酸素、窒素以外の元
素量が0.2重量%以下の組成を有し、250℃以上の
温度域における体積固有抵抗値が108 〜1013Ωc
m、抗折強度が20kg/mm2 以上、耐熱衝撃性ΔT
が150℃以上のセラミックス体中に静電電極を埋設し
てなる静電チャック。
Priority Applications (2)
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JPH06177231A JPH06177231A (ja) | 1994-06-24 |
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Cited By (2)
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JPH0945624A (ja) * | 1995-07-27 | 1997-02-14 | Tokyo Electron Ltd | 枚葉式の熱処理装置 |
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Family Cites Families (1)
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-
1992
- 1992-12-01 JP JP32207892A patent/JP2798570B2/ja not_active Expired - Fee Related
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