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JP2798072B2 - 非晶性カリックスアレーン組成物およびそれを用いる膜製造方法 - Google Patents

非晶性カリックスアレーン組成物およびそれを用いる膜製造方法

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JP2798072B2
JP2798072B2 JP27819196A JP27819196A JP2798072B2 JP 2798072 B2 JP2798072 B2 JP 2798072B2 JP 27819196 A JP27819196 A JP 27819196A JP 27819196 A JP27819196 A JP 27819196A JP 2798072 B2 JP2798072 B2 JP 2798072B2
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Japan
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calixarene
amorphous
arene
film
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良武 大西
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NEC Corp
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  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非晶性のカリック
スアレーン組成物に関し、特に非晶性の塗膜を形成する
カリックスアレーン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】カリックスアレーン類はフェノールとホ
ルムアルデヒドの縮合により合成される環状のオリゴマ
およびその誘導体である。1980年ころにモノマから
の一段合成法が確立してから広く研究されるようになっ
た。
【0003】この化合物は環状のフェノール樹脂とも見
なされるが、物性は通常のフェノール樹脂とは大きく異
なり、一般には有機溶剤や水への溶解性に乏しく、多く
の場合結晶性で、高融点であり融点が400℃を超える
ものもある。
【0004】カリックスアレーンは、杯状の分子形状を
とることが多く、従来からこの空孔に他の原子や分子が
はまりこむ包接現象に関心が集まっていた。
【0005】しかし、カリックスアレーンの物性的特徴
からこの化合物をうまく修飾すれば有用な素材となりう
る。本出願人は、カリックスアレーンの素材としての応
用を図るべく研究を進め、特公平7−23340に有機
溶剤に可溶で、高耐熱性で、非晶性であるために溶液か
らの均一な膜形成が可能なメチルカリックス[6]アレ
ーンアセチル化物を明らかにしている。メチルカリック
ス[6]アレーンアセチル化物による膜は非常に平滑で
強固な膜であったが、約0.8μmより厚い膜を形成す
るとクラックを生じやすいという問題があった。
【0006】一方、1,3−ジメトキシ4t−ブチルカ
リックス[4]アレーン(C.D.グッチェ他、テトラ
ヘドロン 39巻409頁、1983)は例外的に有機
溶剤に対して極めて良好な溶解性を示す。本出願人は、
1,3−ジメトキシ4t−ブチルカリックス[4]アレ
ーンの10重量%溶液をスピン塗布で基板上に膜形成し
たが、成膜直後から膜内に部分結晶を生じた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、十分に厚い
塗膜を形成してもクラックが発生することがなく、ま
た、結晶化することがなく、絶縁膜や、レジスト等の目
的にも使用しうる非晶性カリックスアレーン組成物を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、非晶性カリッ
クスアレーン類と結晶性カリックスアレーン類からな
り、この非晶性カリックスアレーン類の割合が1〜80
重量%である非晶性カリックスアレーン組成物に関す
る。
【0009】一般にカリックスアレーン類は結晶化しや
すい性質であるが、本発明では非晶性のカリックスアレ
ーンを添加することで結晶化を妨げる結果、非晶性のカ
リックスアレーン組成物が得られるのである。そして本
発明のカリックスアレーン組成物は、約0.8μm以上
の比較的厚い膜を形成してもクラックが生ずることがな
く、また結晶化することがなく、絶縁膜やレジスト等の
目的にも使用することができる。また種々の機能を有す
る結晶性カリックスアレーン類を含む膜を形成すること
もできる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のカリックスアレーン類と
は、フェノールとホルムアルデヒドの環状縮合物および
その誘導体をいう。
【0011】本発明の非晶性カリックスアレーン組成物
は、非晶性カリックスアレーン類を1〜80重量%含む
ものであり、好ましくは2〜50重量%、さらに好まし
くは3〜20重量%含むものである。
【0012】ここで、非晶性カリックスアレーン類と
は、通常の化学的・物理的操作によっては結晶化しない
カリックスアレーンであり、例えば、t−ブチルカリッ
クス[6]アレーンのアセチル化物、メチルカリックス
[6]アレーンのアセチル化物、クロルメチルカリック
ス[6]アレーンのメチルエーテル等を挙げることがで
きる。この中でも、式(I)で表されるメチルカリック
ス[6]アレーンアセチル化物(5,11,17,23,29,35-hex
amethyl-37,38,39,40,41,42-hexaacetoxycalix[6]aren
e)は高い耐熱性を有しているので膜形成用に用いる場
合に特に好ましい。
【0013】
【化3】
【0014】結晶性カリックスアレーン類とは、通常の
結晶化方法によって容易に結晶化するカリックスアレー
ンであり、既知のカリックスアレーンの多くは結晶性で
ある。例えば、t−ブチルカリックス[4]アレーン、
t−ブチルカリックス[6]アレーン、t−ブチルカリ
ックス[8]アレーン、カリックス[5]アレーン、t
−ブチルカリックス[4]アレーンアセチル化物、t−
ブチルカリックス[8]アレーンアセチル化物等を挙げ
ることができる。結晶性カリックスアレーンのなかで
も、式(II)で表される1,3−ジメトキシ4t−ブ
チルカリックス[4]アレーン(5,11,17,23-tetra-t-b
utyl-25,27-dimethoxy-26,28-dihydroxycalix[4]aren
e)が好ましい。
【0015】
【化4】
【0016】本発明のカリックスアレーン溶液は、有機
溶媒と上記の非晶性カリックスアレーン組成物とからな
るものであり、有機溶媒に非晶性カリックスアレーン組
成物を構成するカリックスアレーン類を溶解して調製す
る。
【0017】有機溶媒としては、非晶性カリックスアレ
ーン類および結晶性カリックスアレーン類を溶解するも
のであれば制限はなく、例えばベンゼン、トルエンおよ
びキシレン等の芳香族系溶媒、クロルベンゼンおよびジ
クロロベンゼン等の塩素化芳香族系溶媒、クロロフォル
ム等の塩素化脂肪族炭化水素等を挙げることができる
が、目的に合わせて適宜選択することが好ましい。膜形
成の目的には揮発性が高すぎないこと方が好ましく、例
えば沸点が約100℃前後の溶媒を選択して使用するこ
とができる。また必要に応じて溶媒を混合して用いても
良い。
【0018】また、カリックスアレーン溶液中に含まれ
るカリックスアレーン組成物の濃度としては、目的に応
じて適宜調整できるが、膜を形成する場合には所定の膜
厚が得られるように、例えば0.5〜20重量%程度で
ある。
【0019】非晶性カリックスアレーンの膜の形成は、
このカリックスアレーン溶液を用いて、例えばシリコン
基板、ガラス基板等の基板上にスピンコート等で塗布し
た後、必要に応じて400℃以下の温度で加熱しながら
溶媒を乾燥することで行うことができる。
【0020】
【実施例】クロルベンゼン90重量部に対し、1,3−
ジメトキシ4t−ブチルカリックス[4]アレーン(ア
クロス・ヒミカ製)を10重量部溶解し、さらにメチル
カリックス[6]アレーンアセチル化物を2重量部溶解
して均一な溶液を得た。これを0.2μmのフィルター
で濾過してから、清浄なシリコン基板上にスピンコータ
を用いて種々の回転速度で塗布し平坦な膜を形成した。
その後窒素雰囲気下で200℃で20分程度乾燥した。
【0021】例えば800rpmの回転数で塗布した膜
の厚さは1.5μmであった。顕微鏡で観察したとこ
ろ、クラックの発生がなく、結晶化もしていなかった。
数日間放置後再度観察したが結晶化の兆候は全くなく、
塗膜の一部をピンセットで押して外力を加えたがクラッ
クは発生しなかった。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、十分に厚い塗膜を形成
してもクラックが発生することがなく、また、結晶化す
ることがなく、絶縁膜や、レジスト等の目的にも使用し
うる非晶性カリックスアレーン組成物を提供することが
できる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 43/23 C07C 69/21 C08J 5/18 B05D 7/24 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶性カリックスアレーン類と結晶性カ
    リックスアレーン類からなり、この非晶性カリックスア
    レーン類の割合が1〜80重量%である非晶性カリック
    スアレーン組成物。
  2. 【請求項2】 前記非晶性カリックスアレーン類が式
    (I)で示されるメチルカリックス[6]アレーンアセ
    チル化物である請求項1記載の非晶性カリックスアレー
    ン組成物。 【化1】
  3. 【請求項3】 前記結晶性カリックスアレーン類が式
    (II)で示される1,3−ジメトキシ4t−ブチルカ
    リックス[4]アレーンである請求項1または2に記載
    の非晶性カリックスアレーン組成物。 【化2】
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の非晶性
    カリックスアレーン組成物からなる塗膜。
  5. 【請求項5】 有機溶媒と請求項1〜3のいずれかに記
    載の非晶性カリックスアレーン組成物とからなるカリッ
    クスアレーン溶液。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のカリックスアレーン溶液
    を、基板上に塗布し、ついで溶媒を除去すること工程を
    含むカリックスアレーン膜の製造方法。
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