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JP2007293250A - ポジ型レジスト組成物およびそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

ポジ型レジスト組成物およびそれを用いたパターン形成方法 Download PDF

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JP2007293250A JP2006257965A JP2006257965A JP2007293250A JP 2007293250 A JP2007293250 A JP 2007293250A JP 2006257965 A JP2006257965 A JP 2006257965A JP 2006257965 A JP2006257965 A JP 2006257965A JP 2007293250 A JP2007293250 A JP 2007293250A
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知也 佐々木
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Kenji Wada
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Abstract

【課題】高エネルギー線、X線、電子線あるいはEUV光を使用する半導体素子の超微細加工において、高感度、高解像性、良好なパターン形状、及びラインエッジラフネスを同時に満足するポジ型レジスト組成物を提供する。
【解決手段】活性光線または放射線の作用により特定構造の化合物を発生する化合物と、酸の作用によりアルカリ可溶性基を生じる基を含有する特定構造の化合物からなるポジ型レジスト、および、当該レジスト組成物を用いたパターン形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、超LSIや高容量マイクロチップの製造などの超マイクロリソグラフィプロセスやその他のフォトファブリケーションプロセスに好適に用いられるレジスト組成物に関する。さらに詳しくは、電子線、X線、EUV光等を使用して高精細化したパターン形成しうるレジストに関し、電子線、X線、EUV光を用いる半導体素子の超微細加工に好適に用いることができるレジスト組成物に関する。
従来、ICやLSIなどの半導体デバイスの製造プロセスにおいては、レジスト組成物を用いたリソグラフィによる微細加工が行われている。近年、集積回路の高集積化に伴い、サブミクロン領域やクォーターミクロン領域の超微細パターン形成が要求されるようになってきている。それに伴い、露光波長もg線からi線に、さらにKrF エキシマレーザー光に、というように短波長化の傾向が見られる。
さらに現在では、エキシマレーザー光以外にも、電子線やX線、あるいはEUV光を用いたリソグラフィの開発も進んでいる。中でも、EUVを光源に用いたリソグラフィは、次世代もしくは次々世代の有力なパターン形成技術と位置付けられ、精力的な研究が行われている。使用されるレジストの要求性能としては、高感度、高解像性、良好なラインエッジラフネスが挙げられる。しかし、上記の性能はトレードオフの関係にあるため、如何にしてこれらを同時に満足させるかが重要となる。ここで、ラインエッジラフネスとは、レジストのパターンと基板界面のエッジがレジストの特性に起因して、ライン方向と垂直な方向に不規則に変動するために、パターンを真上から見たときにエッジが凹凸に見えることを言う。この凹凸がレジストをマスクとするエッチング工程により転写され、電気特性を劣化させるため、歩留まりを低下させる。特に、0.25μm以下の超微細領域ではラインエッジラフネスは極めて重要な改良課題となっている。このような課題は、X線や電子線を用いるリソグラフィーにおいても同様に重要である。
また、以上のような要求とは別に、電子線やX線、EUVなどの光源を用いた場合には、真空下で露光を行うために、溶剤などの低沸点化合物や高いエネルギーにより分解したレジスト材料が揮発し、露光装置を汚染するという、アウトガスの問題も重要となってきている。近年、アウトガスの低減に関しては様々な研究が進められて来ており、トップコート層を設けて低分子化合物の揮発を抑制したり(例えば、特許文献1参照)、ポリマーの分解を抑制するラジカルトラップ剤を添加する(例えば、特許文献2参照)、など様々な試みがなされているが、酸発生剤に関してもアウトガス低減の工夫が望まれている。
これまで、電子線、X線、あるいはEUV光を用いたリソグラフィプロセスに適したレジストとしては、高感度の観点から主に酸触媒反応を利用した化学増幅型レジストが用いられているが、従来、ポジ型レジストにおいては、主成分として、アルカリ水溶液に不溶または難溶性で、酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となる性質を有するフェノール性ポリマー、及び酸発生剤からなる化学増幅型レジスト組成物が検討されてきた。しかし、高分子化合物を基材とする従来のレジストでは、その分子形状が、パターン形状やラインエッジラフネスに反映されてしまうという問題があった。
一方、近年、パターン微細化ならびに低ラインエッジラフネスの観点から、低分子材料を用いることが提案されている。例えば、特定の構造を有するフェノール系化合物誘導体(例えば、特許文献6及び特許文献3〜5参照)、特定の構造を有するカリックスアレーン(例えば、特許文献6及び7参照)、カリックスレゾルシンアレーン(例えば、特許文献7及び8参照)、及びカリックスレゾルシンアレーンを母核とするフェノール系デンドリマー(例えば、特許文献9参照)を用いたレジスト組成物が開示されている。
しかし、単に低分子材料を使用するだけでは、超微細領域での、高感度、高解像性、良好なラインエッジラフネスを同時に満足することはできていない。さらに、EUVリソグラフィにおいて特に重要な要求性能であるところのアウトガス抑制に関しては、十分な検討すらなされていないのが現状である。
欧州特許第1480078号明細書 米国特許第6680157号明細書 特開平10−83073号 特開2000−305270号公報 特開2003−183227号公報 特開平10−120610号公報 特開平11−322656号公報 特開2003−321423号公報 特開平10−310545号公報
従って、本発明の目的は、高エネルギー線、X線、電子線あるいはEUV光を使用する半導体素子の微細加工における性能向上技術の課題を解決することであり、高感度、高解像性、良好なラインエッジラフネスを満たすとともに、アウトガスの低減をも同時に満足するポジ型レジスト組成物およびそれを用いたパターン形成方法を提供することにある。
本発明は以下の通りである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定構造の光酸発生剤と、活性光線または放射線の照射により特定構造の化合物を発生する化合物と、酸の作用によりアルカリ可溶性基を生じる基を含有する特定構造の低分子化合物とを組み合わせたレジスト組成物によって達成した。
即ち本発明は以下の構成によって達成される。
(1)
(Z)一般式(Z−I)で表される構造を有するスルホニウムカチオンを有する化合物と、(T)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する低分子化合物と、(A)活性光線又は放射線の照射により下記一般式(A−I)で表される構造を有する化合物を発生する化合物を含有することを特徴とするレジスト組成物。
Figure 2007293250
一般式(Z−I)中、
1〜Y13は、各々独立に水素原子又は置換基を表し、隣接するもの同士で互いに結合して環を形成してもよい。
Zは単結合または2価の連結基を表す。
Q−A−(X)n−B−R (A−I)
一般式(A−I)中、
Qは、スルホ基(-SO3H)、又はカルボキシル基(-CO2H)を表す。
Aは、2価の連結基を表す。
Xは、−SO2−又は−CO−を表す。
nは、0又は1を表す。
Bは、単結合、酸素原子又は−N(Rx)−を表す。
Rxは、水素原子又は1価の有機基を表す。
Rは、プロトンアクセプター官能基を含む1価の有機基又はアンモニウム基を含む1価の有機基を表す。
Bが−N(Rx)−の時、RとRxが結合して環を形成してもよい。
(2)
低分子化合物(T)が下記一般式(T−I)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする(1)に記載のポジ型レジスト組成物。
Figure 2007293250
一般式(T−I)中、

1、R2、R3及びR4は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。複数のR1が結合して環を形成してもよい。複数のR2が結合して環を形成してもよい。複数のR3が結合して環を形成してもよい。複数のR4が結合して環を形成してもよい。また、複数あるR1、R2、R3及びR4は互いに同じであっても異なっていても良い。
5及びR6は、各々独立に、水素原子又は有機基を表し、複数あるR5及びR6は互いに同じであっても異なっていても良い。また、複数あるR5及びR6のうち少なくとも1つは酸分解性基である。
Wは単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基およびこれらの任意の組み合わせからなる基を表す。
xは正の整数を表す。
yは0以上の整数を表し、Wが単結合の場合、yは0である。
zは0以上の整数を表す。
vは0以上の整数を表す。
m1、m3、及びm4は各々独立して正の整数を表す。

m2及びm5は各々独立して0以上の整数を表す。但し、m1+m2+z=5、m3+v=3、m4+m5=5、m2+m5≧2を満たす。
(3)
一般式(T−I)で表される構造を有する化合物が下記一般式(T−II)〜(T−IV)のいずれかで表される構造を有する化合物であることを特徴とする(2)に記載のポジ型レジスト組成物。
Figure 2007293250
一般式(T−II)〜(T−IV)中、
1、R2、R5、R6、x、z、m1及びm2は、一般式(T−I)におけるそれらと同義である。
7は水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。複数のR7が結合して環を形成してもよい。また、複数あるR7は互いに同じであっても異なっていても良い。
uは正の整数を表す。ただしu+x=3である。
rは正の整数を表す。
0はアリーレン基を表す。
1は単結合、アルキレン基またはシクロアルキレン基を表す。
Aは下記一般式(A)で表される構造を有する基を表す。
Figure 2007293250
一般式(A)中、R3、R4、R6、m4及びm5は、一般式(T−I)におけるそれらと同義である。
(4)
低分子化合物(T)が下記一般式(T−V)で示される化合物であることを特徴とする(1)に記載のポジ型レジスト組成物。
Figure 2007293250
一般式(T−V)中、R1、R2、R3、R5、m4、m5及びxは、一般式(T−I)におけるそれらと同義である。
(5)
活性光線又は放射線の照射により一般式(A−I)で表される構造を有する化合物を発生する化合物が、一般式(A−I)で表される構造を有する化合物のスルホニウム塩化合物、一般式(A−I)で表される構造を有する化合物のヨードニウム塩化合物であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
更に、好ましい様態として、以下の構成を挙げる。
(6)
更に、(C)塩基性化合物及び/又は(D)フッ素及び/又はシリコン系界面活性剤を含有することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(7)
(E)塩基性化合物が、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシ構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造及びピリジン構造から選ばれる構造を有する化合物、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体又は水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体であることを特徴とする(6)に記載のポジ型レジスト組成物。
(8)
(1)〜(7)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物を基板に塗布してレジスト膜を得た後、露光及び現像してレジストパターンを形成することを特徴とするレジストパターン形成方法。
本発明により、高エネルギー線、X線、電子線あるいはEUV光を使用する半導体素子の微細加工における性能向上技術の課題を解決することであり、高感度、高解像性、良好なパターン形状、及び良好なラインエッジラフネスとともにアウトガスの抑制をも同時に満足するレジスト組成物およびそれを用いたパターン形成方法が与えられる。
以下、本発明について詳細に説明する。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明のポジ型レジスト組成物は、(Z)一般式(Z−I)で表される構造を有するスルホニウムカチオンを有する化合物と、(T)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する低分子化合物と、(A)活性光線又は放射線の照射により下記一般式(A−I)で表される構造を有する化合物を発生する化合物を含有する。
〔1〕(Z)一般式(Z−I)で表されるスルホニウムカチオンを有する化合物(以下「化合物(Z)」、「(Z)成分」ともいう。)
化合物(Z)は活性光線又は放射線の照射により、下記一般式(Z−I)で表される構造を有するスルホニウムカチオンを発生する。
Figure 2007293250
一般式(Z−I)中、
1〜Y13は、各々独立に、水素原子又は置換基を表し、隣接するもの同士で互いに結合して環を形成してもよい。
Zは、単結合又は2価の連結基を表す。
一般式(Z−I)に於ける、Y1〜Y13の置換基としては、いかなるものでもよく、特に制限は無いが、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基(ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基と言っても良い)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(シクロアルコキシ基を含む)、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基(シクロアルコキシカルボニルオキシ基を含む)、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基(シクロアルコキシカルボニルアミノ基を含む)、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基(シクロアルキルチオ基を含む)、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールスルフィニル基、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基(シクロアルコキシカルボニル基を含む)、カルバモイル基、アリール若しくはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(-B(OH)2)、ホスファト基(-OPO(OH)2)、スルファト基(-OSO3H)、その他の公知の置換基が挙げられる。
1〜Y13として、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基(ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基(シクロアルコキシ基を含む)、アリールオキシ基、、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基(シクロアルコキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基(シクロアルキルチオ基を含む)、アリールチオ基、スルファモイル基、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールスルホニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基(シクロアルコキシカルボニル基を含む)、カルバモイル基、イミド基、シリル基、ウレイド基である。
1〜Y13として、更に好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基(ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基(シクロアルコキシ基を含む)、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基(シクロアルコキシカルボニルアミノ基を含む)、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基(シクロアルキルチオ基を含む)、スルファモイル基、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基(シクロアルコキシカルボニル基を含む)、カルバモイル基である。
1〜Y13として、特に好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基(ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基(シクロアルコキシ基を含む)、アルキルスルホニル基である。
1〜Y13の隣接するもの同士で互いに結合して形成する環としては、芳香族、非芳香族の炭化水素環、複素環及びこれらを更に組み合わせた多環縮合環を挙げることができ、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェナジン環等が挙げられる。
Zの2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、アリーレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、-CH=CH-,-C≡C-,カルボニル基、スルフィド基、スルホン基、スルホキシド基、-COO-,-CONH-,-SO2NH-,-CF2-,-CF2CF2-,-OCF2O-,-CF2OCF2-,-SS-,-CH2SO2CH2-,-CH2COCH2-,-COCF2CO-,-COCO-,-OCOO-.-OSO2O-である。
Zとして、好ましくは、単結合、アルキレン基(好ましくはメチレン基)、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、スルフィド基、スルホン基、-COO-,-CONH-,-SO2NH-,-CF2-,-CF2CF2-,-COCO-であり、より好ましくは、単結合、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、スルフィド基、スルホン基であり、特に好ましくは、単結合、スルホン基である。
(Z)成分の化合物は、対アニオンを有する。対アニオンは、有機アニオンであることが望ましい。有機アニオンとは、炭素原子を少なくとも1つ有するアニオンである。更に、有機アニオンは、非求核性アニオンであることが好ましい。非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。
非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等を挙げることができる。
非求核性スルホン酸アニオンとしては、例えば、脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなどが挙げられる。非求核性カルボン酸アニオンとしては、例えば、脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなどが挙げられる。
脂肪族スルホン酸アニオンにおける脂肪族部位は、アルキル基であっても、シクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボニル基、ボロニル基等を挙げることができる。
芳香族スルホン酸アニオンにおける芳香族基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
上記脂肪族スルホン酸アニオン及び芳香族スルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基の置換基としては、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基としてさらにアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸アニオンにおける脂肪族部位としては、脂肪族スルホン酸アニオンに於けると同様のアルキル基及びシクロアルキル基を挙げることができる。
芳香族カルボン酸アニオンに於ける芳香族基としては、芳香族スルホン酸アニオンおけると同様のアリール基を挙げることができる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数6〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
上記脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基の置換基としては、例えば、芳香族スルホン酸アニオンに於けると同様のハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基等を挙げることができる。これらのアルキル基の置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
その他の非求核性アニオンとしては、例えば、弗素化燐、弗素化硼素、弗素化アンチモン等を挙げることができる。
(Z)成分の化合物の対アニオンとしては、スルホン酸アニオンが好ましく、更に好ましくは、芳香族スルホン酸アニオンである。
対アニオンとして具体的には、メタンスルホン酸アニオン、トリフロロメタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロエタンスルホン酸アニオン、ヘプタフロロプロパンスルホン酸アニオン、パーフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロヘキサンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビストリフロロメチルベンゼンスルホ酸アニオン、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホン酸アニオン、パーフロロエトキシエタンスルホン酸アニオン、2,3,5,6−テトラフロロ−4−ドデシルオキシベンゼンスルホン酸アニオン、p-トルエンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオン等が挙げられる。
(Z)成分の化合物が、一般式(Z−I)で表されるスルホニウムカチオンとともに有する対アニオンは、1価でも2価以上でもよい。対アニオンが、2価以上の場合、(Z)成分の化合物は、一般式(Z−I)で表されるスルホニウムカチオンを2個以上有することができる。
(Z)成分の化合物の含量は、ポジ型レジスト組成物の全固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
(Z)成分の化合物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤である。
一般式(Z−I)で表されるスルホニウム塩(Z)の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2007293250
Figure 2007293250
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Figure 2007293250
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〔2〕(A)活性光線又は放射線の照射により下記一般式(A−I)で表される構造を有する化合物を発生する化合物(以下、「化合物(A)」ともいう)
Q−A−(X)n−B−R (A−I)
一般式(A−I)中、
Aは、2価の連結基を表す。
Qは、スルホ基(-SO3H)、又はカルボキシル基(-CO2H)を表す。
Xは、−SO2−又は−CO−を表す。
nは、0又は1を表す。
Bは、単結合、酸素原子又は−N(Rx)−を表す。
Rxは、水素原子又は1価の有機基を表す。
Aにおける2価の連結基としては、好ましくは炭素数2〜12の2価の連結基であり、例えば、アルキレン基、フェニレン基等が挙げられる。より好ましくは少なくとも1つのフッ素原子を有するアルキレン基であり、好ましい炭素数は2〜6、より好ましくは炭素数2〜4である。アルキレン鎖中に酸素原子、硫黄原子などの連結基を有していてもよい。アルキレン基は、特に水素原子数の30〜100%がフッ素原子で置換されたアルキレン基が好ましく、Q部位と結合した炭素原子がフッ素原子を有することがより好ましい。
更にはパーフルオロアルキレン基が好ましく、パーフロロエチレン基、パーフロロプロピレン基、パーフロロブチレン基がより好ましい。
Rxにおける1価の有機基としては、好ましくは炭素数4〜30であり、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基などを挙げることができる。
Rxにおけるアルキル基としては、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜20の直鎖及び分岐アルキル基であり、アルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−オクタデシル基などの直鎖アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基などの分岐アルキル基を挙げることができる。
なお、置換基を有するアルキル基として、特に直鎖又は分岐アルキル基にシクロアルキル基が置換した基(例えば、アダマンチルメチル基、アダマンチルエチル基、シクロヘキシルエチル基、カンファー残基など)を挙げることができる。
Rxにおけるシクロアルキル基としては、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数3〜20のシクロアルキル基であり、環内に酸素原子を有していてもよい。具体的には、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などを挙げることができる。
Rxにおけるアリール基としては、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数6〜14のアリール基であり、例えばフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
Rxにおけるアラルキル基としては、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数7〜20のアラルキル基が挙げられ、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基が挙げられる。
Rxにおけるアルケニル基としては、置換基を有していてもよく、例えば、Rxとして挙げたアルキル基の任意の位置に2重結合を有する基が挙げられる。
Rは、プロトンアクセプター性官能基を含む1価の有機基又はアンモニウム基を含む1価の有機基を表す。プロトンアクセプター性官能基とは、プロトンと静電的に相互作用し得る基或いは電子を有する官能基であって、例えば、環状ポリエーテル等のマクロサイクリック構造を有する官能基や、π共役に寄与しない孤立電子対をもった窒素原子を有する官能基を意味する。π共役に寄与しない孤立電子対を有する窒素原子とは、例えば、下記一般式に示す部分構造を有する窒素原子である。
Figure 2007293250
プロトンアクセプター性官能基の好ましい部分構造として、例えば、クラウンエーテル、アザクラウンエーテル、三級アミン、二級アミン、一級アミン、ピリジン、イミダゾール、ピラジン構造などを挙げることが出来る。アンモニウム基の好ましい部分構造として、例えば、三級アンモニウム、二級アンモニウム、一級アンモニウム、ピリジニウム、イミダゾリニウム、ピラジニウム構造などを挙げることが出来る。好ましい炭素数は4〜30であり、このような構造を含む基として、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基などを挙げることができる。
Rにおけるプロトンアクセプター性官能基又はアンモニウム基を含むアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基に於けるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基は、Rxとして挙げたアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基と同様のものである。
上記各基が有してもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、カルボニル基、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜10)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜10)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜10)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20)、アミノアシル基(好ましくは炭素数2〜20)などが挙げられる。アリール基、シクロアルキル基などにおける環状構造については、置換基としては更にアルキル基(好ましくは炭素数1〜20)を挙げることができる。アミノアシル基については、置換基として更に1又は2のアルキル基(好ましくは炭素数1〜20)を挙げることができる。
Bが−N(Rx)−の時、RとRxが結合して環を形成していることが好ましい。環構造を形成することによって、安定性が向上し、これを用いた組成物の保存安定性が向上する。環を形成する炭素数は4〜20が好ましく、単環式でも多環式でもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含んでいてもよい。
単環式構造としては、窒素原子を含む4員環、5員環、6員環、7員環、8員環等を挙げることができる。多環式構造としては、2又は3以上の単環式構造の組み合わせから成る構造を挙げることができる。単環式構造、多環式構造は、置換基を有していてもよく、例えば、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、カルボニル基、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜10)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜10)、アシル基(好ましくは炭素数2〜15)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜15)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜15)、アミノアシル基(好ましくは炭素数2〜20)などが好ましい。アリール基、シクロアルキル基などにおける環状構造については、置換基としては更にアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。アミノアシル基については、置換基としてに1又は2のアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
一般式(A−I)で表される化合物の内、Q部位がスルホン酸である化合物は、新規な化合物である。
一般式(A−I)で表される化合物の内、Q部位がスルホン酸である化合物は、一般的なスルホンアミド化反応を用いることで合成できる。例えば、ビススルホニルハライド化合物の一方のスルホニルハライド部を選択的にアミン化合物と反応させて、スルホンアミド結合を形成した後、もう一方のスルホニルハライド部分を加水分解する方法、あるいは環状スルホン酸無水物をアミン化合物と反応させ開環させる方法により得ることができる。
以下、一般式(A−I)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2007293250
Figure 2007293250
Figure 2007293250
Figure 2007293250
活性光線又は放射線の照射により一般式(A−I)で表される構造を有する化合物を発生する化合物(以下、「化合物(A)」ともいう)としては、一般式(A−I)で表される構造を有する化合物のスルホニウム塩化合物、一般式(A−I)で表される構造を有する化合物のヨードニウム塩化合物が好ましく、更に好ましくは下記一般式(A1)〜(A2)で表される構造を有する化合物である。
Figure 2007293250
一般式(A1)において、
201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
-は、一般式(A−I)で示される化合物の−SO3H部位あるいは-COOH部位の水素原子がとれたスルホン酸アニオンあるいはカルボン酸アニオンを表す。
201、R202及びR203における有機基の炭素数としては、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203の内の2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
201、R202及びR203における有機基の具体例としては、後述する化合物(A1a)、(A1b)、及び(A1c)における対応する基を挙げることができる。
尚、一般式(A1)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(A1)で表される化合物のR201〜R203の少なくともひとつが、一般式(A1)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくともひとつと結合した構造を有する化合物であってもよい。
更に好ましい(A1)成分として、以下に説明する化合物(A1a)、(A1b)、及び(A1c)を挙げることができる。
化合物(A1a)は、上記一般式(A1)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニム化合物、即ち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の内の一部がアリール基で、残りがアルキル基、シクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールアルキルシクロアルキルスルホニウム化合物等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。アリールスルホニム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているシクロアルキル基は、炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖又は分岐状アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203の内のいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
次に、化合物(A1b)について説明する。
化合物(A1b)は、一般式(A1)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表す化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203における芳香環を有さない有機基としては、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20の有機基である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基である。
201〜R203におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜20の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。R201〜R203としてのアルキル基は、直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましい。
201〜R203におけるシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。R201〜R203としてのシクロアルキル基は、2−オキソシクロアルキル基がより好ましい。
201〜R203における直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基としては、鎖中に二重結合を有していてもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
201〜R203における2−オキソシクロアルキル基としては、鎖中に二重結合を有していてもよく、好ましくは、上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
201〜R203のアルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、アルコキシカルボニル基(例えば炭素数炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
化合物(A1c)とは、以下の一般式(A1c)で表される化合物であり、アリールアシルスルフォニウム塩構造を有する化合物である。
Figure 2007293250
一般式(A1c)に於いて、
213は、置換基を有していてもよいアリール基を表し、好ましくはフェニル基、ナフチル基である。
213における好ましい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、ニトロ基、水酸基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基が挙げられる。
214及びR215は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
201及びY202は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はビニル基を表す。
-は、一般式(A−I)で示される化合物の−SO3H部位あるいは-COOH部位の水素原子がとれたスルホン酸アニオンあるいはカルボン酸アニオンを表す。
213とR214は、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、R214とR215は、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、Y201とY202は、それぞれ結合して環構造を形成しても良い。これらの環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。R213及びR214、R214及びR215、Y201及びY202が結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
214、R215、Y201及びY202におけるアルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐状アルキル基が好ましい。Y201及びY202におけるアルキル基としては、
アルキル基の2位に>C=Oを有する2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基(好ましくは炭素数2〜20のアルコキシ基)、カルボキシアルキル基がより好ましい。
214、R215、Y201及びY202におけるシクロアルキル基としては、炭素数3〜20のシクロアルキル基が好ましい。
201及びY202は、好ましくは、炭素数4個以上のアルキル基であり、より好ましくは、4〜6、更に好ましくは、4〜12のアルキル基である。
また、R214又はR215の少なくとも1つは、アルキル基であることが好ましく、更に好ましくは、R214及びR215の両方がアルキル基である。
一般式(A2)中、R204及びR205は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
-は、一般式(A−I)で示される化合物の−SO3H部位あるいは-COOH部位の水素原子がとれたスルホン酸アニオンあるいはカルボン酸アニオンを表す。
204及びR205のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
204及びR205におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。
204及びR205におけるシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
204及びR205は、置換基を有していてもよい。R204及びR205が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
活性光線又は放射線の照射により一般式(A−I)で表される化合物を発生する化合物としては、好ましくは、一般式(A1)で表される化合物であり、更に好ましくは一般式(A1a)〜(A1c)で表される化合物である。
本発明に於ける、プロトンアクセプター性官能基を有し、活性光線又は放射線の照射によりスルホ基あるいはカルボン酸基を生成し、そのアクセプター性が低下若しくは消失、又はプロトンアクセプター性官能基が酸性に変化する化合物としては、例えば、前記一般式(A1)又は(A2)で表される化合物に於いて、X-の一般式(A−I)で表される化合物のRが、プロトンアクセプター官能基を含む1価の有機基で有る化合物を挙げることができる。
尚、本発明に於いて、アクセプター性が低下するとは、プロトンアクセプター官能基を有する化合物とプロトンからプロトン付加体である非共有結合錯体が生成する時、その化学平衡に於ける平衡定数が減少することを意味する。
以下、プロトンアクセプター性官能基を有し、活性光線又は放射線の照射によりスルホ基を生成し、そのアクセプター性が低下若しくは消失、又はプロトンアクセプター性官能基が酸性に変化する化合物、及び活性光線又は放射線の照射により一般式(I)で表される有機酸を発生する化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2007293250
Figure 2007293250
Figure 2007293250
Figure 2007293250
Figure 2007293250
化合物(A)の合成は、一般式(A−I)で表される化合物又はそのリチウム、ナトリウム、カリウム塩と、ヨードニウム又はスルホニウムの水酸化物、臭化物、塩化物等から、特表平11−501909号公報又は特開2003−246786号公報に記載されている塩交換法を用いて容易に合成できる。
化合物(A)の内、一般式(A−I)のQ部位がカルボン酸である化合物から誘導される化合物は、特許文献、特開平11-125907に記載の化合物に含まれる。しかし、本特許のように、アウトガス抑制酸発生剤、また以下で詳細に述べる低分子化合物との組み合わせは新規である。
本発明のポジ型レジスト組成物中の化合物(A)の含量は、組成物の固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%である。
〔3〕(T)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する低分子化合物(以下「(T)成分」、「化合物(T)」ともいう。)
本発明に用いる酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する低分子化合物(T)は芳香環とアルキレン鎖またはシクロアルキレン鎖とから形成され、酸分解性基を含有する化合物(バインダー)である。なかでも、芳香環−アルキレン鎖−芳香環の連結で形成される構造を含むことが好ましい。
本発明に用いる酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する低分子化合物(T)は、ポリマーではない。即ち、単一の分子骨格を持つ母核化合物に酸分解性基等の保護基が置換したものである。または、ポリマーに見られような分子量分散を示さない。
あるいは、重合性モノマーに由来する繰り返し単位を10個以上は有さない、といった特徴をもつ化合物である。
本発明に用いる(T)成分の化合物は下記一般式(T−I)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2007293250

一般式(T−I)中、
1、R2、R3及びR4は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。複数のR1が結合して環を形成してもよい。複数のR2が結合して環を形成してもよい。複数のR3が結合して環を形成してもよい。複数のR4が結合して環を形成してもよい。また、複数あるR1、R2、R3及びR4は互いに同じであっても異なっていても良い。
5及びR6は、各々独立に、水素原子又は有機基を表し、複数あるR5及びR6は互いに同じであっても異なっていても良い。また、複数あるR5及びR6のうち少なくとも1つは酸分解性基である。
Wは単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基およびこれらの任意の組み合わせからなる基を表す。
xは正の整数を表す。
yは0以上の整数を表し、Wが単結合の場合、yは0である。
zは0以上の整数を表す。
vは0以上の整数を表す。
m1、m3、及びm4は各々独立して正の整数を表す。
m2及びm5は各々独立して0以上の整数を表す。但し、m1+m2+z=5、m3+v=3、m4+m5=5、m2+m5≧2を満たす。
1、R2、R3及びR4におけるアルキル基は、直鎖でも分岐型でもよく、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基等の炭素数1〜10個のものが挙げられる。
1、R2、R3及びR4におけるシクロアルキル基としては、単環、多環どちらでもよい。たとえば、炭素数5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができる。その炭素数は6〜30個が好ましく、特に炭素数7〜25個が好ましく、例えばアダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン残基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基等を挙げることができる。これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していてもよい。
上記アルキル基又はシクロアルキル基が有してよい置換基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)等を挙げることができる。
5及びR6における有機基は酸分解性又は非酸分解性の基を表す。本発明では酸分解性基を1分子中に1〜30個含有する。1分子中に含有させる酸分解性基の数は好ましくは3〜25個、さらに好ましくは4〜20個である。
5及びR6における酸分解性の有機基とは酸の作用により分解しアルカリ可溶性基を生じる有機基(酸分解性基)であり、後述する基を挙げることができる。
5及びR6における非酸分解性の有機基とは酸の作用により分解することのない有機基であり、例えば、酸の作用により分解することのない、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミド基、シアノ基等を挙げることができる。アルキル基は、炭素数1〜10個のアルキル基又はシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等を挙げることができる。アリール基は、炭素数6〜14のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等を挙げることができる。アラルキル基は、炭素数6〜12個のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、クミル基等を挙げることができる。アルコキシ基及びアルコキシカルボニル基に於けるアルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基等を挙げることができる。
Wにおけるアルキレン基は、直鎖でも分岐型でもよく、炭素数1〜10のものが好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基等が挙げられる。
Wにおけるシクロアルキレン基は、単環、多環どちらでもよく、環を形成するアルキレン基としては、例えば炭素数3〜8個のシクロアルキレン基(例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基)を挙げることができる。
Wにおけるアルキレン基およびシクロアルキレン基はさらに置換基を有していてよく、置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
また、アルキレン鎖またはシクロアルキレン鎖は、アルキレン鎖中に―O―、―OC(=O)―、―OC(=O)O―、―N(R)−C(=O)―、―N(R)−C(=O)O―、―S―、―SO―、―SO2―を含んでいても良い。ここでRは水素原子またはアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等)である。
Wにおける環状のアリーレン基としては、好ましくはフェニレン基、トリレン基、ナフチレン基等の炭素数6〜15個のものが挙げられる。
一般式(T−I)で表される構造を有する化合物はさらに下記一般式(T−II)〜(T−IV)のいずれかで表される構造を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2007293250
一般式(T−II)〜(T−IV)中、
1、R2、R5、R6、x、z、m1及びm2は、一般式(T−I)におけるそれらと同義である。
7は水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。複数のR7が結合して環を形成してもよい。また、複数あるR7は互いに同じであっても異なっていても良い。
uは正の整数を表す。ただしu+x=3である。
rは正の整数を表す。
0はアリーレン基を表す。
1は単結合、アルキレン基またはシクロアルキレン基を表す。
Aは下記構造を表す。
Figure 2007293250
式中、R3、R4、R6、m4及びm5は、一般式(T−I)におけるそれらと同義である。
本発明に用いる(T)成分の化合物は、下記一般式(T−V)で表されるカリックスアレーン誘導体およびカリックスレゾルシナレーン誘導体であることも好ましい。
Figure 2007293250
一般式(T−V)中、R、R、R、R5、m4、m5、及びxは、一般式(T−I)におけるそれらと同義である。
低分子化合物(T)は、多価フェノール化合物等の母核となる化合物(母核化合物)のフェノール性水酸基と保護反応剤とを反応させ、該母核化合物のフェノール性水酸基を酸分解性基で保護することにより合成できる。ここでの保護反応剤とは、保護基を導入する反応を行う際に使用する化合物を指す。尚、母核化合物中に含まれるフェノール性水酸基の総数に対する酸分解性基で保護されたフェノール性水酸基の割合を保護率と呼ぶ。
以下に(T)成分の母核となる化合物(母核化合物)の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2007293250
Figure 2007293250
Figure 2007293250
Figure 2007293250
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Figure 2007293250
Figure 2007293250
Figure 2007293250
本発明に用いられる低分子化合物(T)1分子中に酸分解性基を含有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する化合物は、アルカリ可溶性基を含有することが好ましい。
アルカリ可溶性基としては水酸基、スルホ基、フェノール基、カルボン酸基、ヘキサフルオロイソプロパノール基〔−C(CF32OH〕が挙げられる。好ましくはフェノール基、カルボキシル基、ヘキサフルオロイソプロパノール基であり、さらに好ましくはフェノール基、カルボキシル基である。
酸分解性基は上記に挙げたアルカリ可溶性基中のOHの水素原子に代わる置換基であり、−C(R11a)(R12a)(R13a)、−C(R14a)(R15a)(OR16a)、−CO−OC(R11a)(R12a)(R13a)が好ましい。ここで、R11a〜R13aは、それぞれ独立して、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表す。R14aおよびR15aは、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基を表す。R16aは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表す。尚、R11a、R12a、R13aのうちの2つ、またはR14a、R15a、R16aのうちの2つが結合して環を形成してもよい。
なお、一般式(T−I)中のR5又はR6の場合、例えば以下のように、酸分解性基を有する基を変性により導入することもできる。
−〔C(R17a)(R18a)〕p−CO−OC(R11a)(R12a)(R13a
ここで、R17aおよびR18aは、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基を表す。
また、pは1〜4の整数である。
以下に酸分解性基の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2007293250
(T)成分の母核化合物の分子量は通常200〜5000、好ましくは300〜4000、さらに好ましくは400〜3000、特に好ましくは400〜1500である。(T)成分の母核化合物は、例えば本州化学工業(株)などから市販されており、これを用いることができる。また、各種フェノール化合物と各種アルデヒド、ケトンの縮合により合成することもできる。
(T)成分の含有量は、ポジ型レジスト組成物の固形分全量に対して、通常50質量%〜99.5質量%であり、好ましくは60質量%〜99.0質量%、さらに好ましくは70質量%〜98.0質量%である。
本発明のレジスト組成物には、さらに樹脂(ポリマー)を加えても良い。添加する樹脂は(酸分解性基を含有しない)アルカリ可溶性樹脂か、酸分解性樹脂である。アルカリ可溶性樹脂としてはp−ヒドロキシスチレンの単独重合体あるいは共重合体、(メタ)アクリル酸の単独重合体あるいは共重合体、p−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)スチレンの単独重合体あるいは共重合体が挙げられる。酸分解性樹脂としては上記アルカリ可溶性樹脂を酸分解性基で保護した樹脂が挙げられる。
添加する樹脂の含有量は、レジスト組成物の固形分全量に対して通常1〜50質量%、好ましくは5〜40質量%、さらに好ましくは8〜30質量%である。
<その他の成分>〔4〕(C)塩基性化合物
本発明では、使用する化合物(Z)、化合物(A)、ならびに低分子化合物(T)、また後述する添加樹脂の組み合わせによっては、(C)塩基性化合物を含有した方がよい場合もある。
塩基性化合物(C)の好ましい構造としては、下記式(a)〜(e)で示される構造を挙げることができる。
Figure 2007293250
ここでR250、R251及びR252は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル、炭素数3〜20のシクロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であり、ここでR250とR251は互いに結合して環を形成してもよい。これらは置換基を有していてもよく、置換基を有するアルキル基及びシクロアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基又は炭素数3〜20のアミノシクロアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基又は炭素数3〜20のヒドロキシシクロアルキル基が好ましい。
また、これらはアルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含んでも良い。
式中、R253、R254、R255及びR256は、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜6のシクロアルキル基を示す。
好ましい化合物として、グアニジン、アミノピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン、アミノアルキルモルフォリン、ピペリジンを挙げることができ、置換基を有していてもよい。更に好ましい化合物として、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造又はピリジン構造を有する化合物、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体等を挙げることができる。
イミダゾール構造を有する化合物としてはイミダゾール、2、4、5−トリフェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール等があげられる。ジアザビシクロ構造を有する化合物としては1、4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1、5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン、1、8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エンなどがあげられる。オニウムヒドロキシド構造を有する化合物としてはトリアリールスルホニウムヒドロキシド、フェナシルスルホニウムヒドロキシド、2−オキソアルキル基を有するスルホニウムヒドロキシド、具体的にはトリフェニルスルホニウムヒドロキシド、トリス(t−ブチルフェニル)スルホニウムヒドロキシド、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムヒドロキシド、フェナシルチオフェニウムヒドロキシド、2−オキソプロピルチオフェニウムヒドロキシドなどがあげられる。オニウムカルボキシレート構造を有する化合物としてはオニウムヒドロキシド構造を有する化合物のアニオン部がカルボキシレートになったものであり、例えばアセテート、アダマンタン−1−カルボキシレート、パーフロロアルキルカルボキシレート等があげられる。トリアルキルアミン構造を有する化合物としては、トリ(n−ブチル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン等を挙げることができる。アニリン化合物としては、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体としては、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン等を挙げることができる。
これらの塩基性化合物は、単独であるいは2種以上で用いられる。但し(B)成分の使用量が0.05質量%以上の場合、塩基性物質は用いても用いなくてもよい。塩基性化合物を用いる場合、その使用量は、ポジ型レジスト組成物の固形分を基準として、通常0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。十分な添加効果を得る上で0.001質量%以上が好ましく、感度や非露光部の現像性の点で10質量%以下が好ましい。
〔5〕(D)フッ素及び/又はシリコン系界面活性剤
本発明のポジ型レジスト組成物は、更に、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物がフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤とを含有することにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源の使用時に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないレジストパターンを与えることが可能となる。
これらのフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布していても、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C613基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C613基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C817基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C817基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、などを挙げることができる。
フッ素及び/又はシリコン系界面活性剤の使用量は、ポジ型レジスト組成物の全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
〔6〕(F)有機溶剤
本発明のポジ型レジスト組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤に溶解して用いる。
使用し得る有機溶剤としては、例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。
(Fa)ケトン系溶剤
本発明において使用される溶剤として好ましくは、少なくとも1つのケトン構造を有する溶剤である。
ケトン構造を有する溶剤としては、鎖状ケトン溶剤、環状ケトン溶剤が挙げられ、合計炭素数5〜8の化合物が塗布性が良好で好ましい。
鎖状ケトン溶剤としては、例えば、2−ヘプタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられ、好ましくは2−ヘプタノンである。
環状ケトン溶剤としては、例えば、シクロペンタノン、3−メチル−2−シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、イソホロン等挙げられ、好ましくはシクロヘキサノン、シクロヘプタノンである。
溶剤はケトン構造を有する溶剤単独、もしくは他の溶剤との混合溶剤として用いることが好ましい。混合する溶剤(併用溶剤)としてはプロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、乳酸アルキル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、アルコキシプロピオン酸アルキル、ラクトン化合物等を挙げることができる。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等を挙げることができる。
乳酸アルキルとしては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル等を挙げることができる。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等を挙げることができる。
アルコキシプロピオン酸アルキルとしては、例えば、メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等を挙げることができる。
ラクトン化合物としては、例えば、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。
好ましい併用溶剤としては、プロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、乳酸アルキル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルを挙げることができる。より好ましい併用溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを挙げることができる。
ケトン系溶剤と併用溶剤とを混合することにより、基板密着性、現像性、DOF等が改善される。
ケトン系溶剤と上記併用溶剤の比率(質量比)は、好ましくは10/90〜95/5、より好ましくは20/80〜80/20、更に好ましくは30/70〜70/30である。
また、膜厚均一性や現像欠陥性能を高める観点で、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の沸点200℃以上の高沸点溶剤を混合してもよい。
これら高沸点溶剤の添加量は、全溶剤中の通常0.1〜15質量%であり、好ましくは0.5〜10質量%であり、更に好ましくは1〜5質量%である。
本発明に於いては、溶剤を単独に用いて、好ましくは2種類以上の溶剤を用いて、固形分濃度として、通常3〜25質量%、好ましくは5〜22質量%、より好ましくは5〜15質量%のポジ型レジスト組成物を調製する。
<その他の添加剤>
本発明のポジ型レジスト組成物には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、上記(D)成分以外の界面活性剤、光増感剤、及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物等を含有させることができる。
本発明においては、上記(D)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を加えることもできる。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタン脂肪族エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステル類等のノニオン系界面活性剤を挙げることができる。
これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
(パターン形成方法)
本発明のポジ型レジスト組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。
例えば、ポジ型レジスト組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布、乾燥し、感光性膜を形成する。
当該感光性膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射し、好ましくはベーク(加熱)を行い、現像する。これにより良好なパターンを得ることができる。
活性光線又は放射線の照射時に感光性膜とレンズの間に空気よりも屈折率の高い液体を満たして露光(液浸露光)を行ってもよい。これにより解像性を高めることができる。
活性光線又は放射線としては、赤外光、可視光、紫外光、遠紫外光、X線、電子線等を挙げることができるが、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下の波長の遠紫外光、具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線、電子ビーム等であり、特に好ましくは、ArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV(13.5nm)、電子ビームである。
現像工程では、アルカリ現像液を次のように用いる。レジスト組成物のアルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
さらに、上記アルカリ現像液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
<合成例1 10-トリル-9-オキソチオキサンテニウム ノナフルオロブタンスルホン酸塩(Z-1)の合成>
チオキサンテン-9-オン10gをトリフルオロ酢酸40ml中で攪拌し、氷冷下、30%過酸化水素水5.4mlとトリフルオロ酢酸10.8mlを混合した溶液をゆっくり添加した。その後、氷冷下30分攪拌後、室温で1時間攪拌を行った。さらに、反応液を水にあけ、析出した結晶をろ取した。得られた結晶をアセトニトリルで再結晶し、スルホキシド体4.6gを得た。スルホキシド体3gをトルエン20ml中で攪拌し、氷冷下、トリフルオロ酢酸無水物3.7mlとノナフルオロブタンスルホン酸2.2mlを添加した。反応液を徐々に室温まで昇温し、1時間攪拌した。反応液にジイソプロピルエーテルを添加し結晶を析出させ、酢酸エチルとジイソプロピルエーテルの混合溶媒で再結晶することにより、10-トリル-9-オキソチオキサンテニウム ノナフルオロブタンスルホン酸塩(Z-1)を3.9g得た。1H-NMR(400MHz、CDCl3)σ2.38(s,3H),7.34(d,2H),7.72(m,2H),7.95(m,4H),8.28(m,2H),8.63(d,2H)
<合成例2 10-トリル-9-オキソチオキサンテニウム 3,5-ビストリフロロメチルベンゼンスルホン酸塩(Z-2)の合成>
合成例1で得られた10-トリル-9-オキソチオキサンテニウム ノナフルオロブタンスルホン酸塩(Z-1) 1.5gに、10-トリル-9-オキソチオキサンテニウム ノナフルオロブタンスルホン酸塩1.5gをメタノール/水=1/1溶液に溶解し、イオン交換樹脂(アンバーライトIRA402ClをNaOH水でアニオンをOHに置換したもの)に通し、3,5-ビストリフロロメチルベンゼンスルホン酸1gを加え、クロロホルムで抽出することで対塩が変更した10-トリル-9-オキソチオキサンテニウム 3,5-ビストリフロロメチルベンゼンスルホン酸塩(A2)1.7gを得た。1H-NMR(400MHz、CDCl3)σ2.37(s,3H),7.34(d,2H),7.79(m,3H),7.93(m,4H),8.34(m,4H),8.62(d,2H)
<合成例3 2-アセチル-10-トリル-9-オキソチオキサンテニウム ノナフルオロブタンスルホン酸塩 (Z-8)の合成>
チオサリチル酸15gと4-ブロモアセトフェノン20gを炭酸ナトリウム12gと銅触媒0.2gの存在下、ジメチルホルムアミド200ml中、170度で6時間攪拌した後、反応液を塩酸水溶液にあけ、ろ取した。得られた結晶をアセトニトリルで再結晶を行い、16gのスルフィドを得た。得られたスルフィド10gをポリリン酸100g中、60度で5時間攪拌後、氷水にあけた。結晶をろ取し、炭酸水素ナトリウム水溶液及び水で結晶を洗い、エタノールで再結晶を行うことで2-アセチル-9H-チオキサン-9-オン5gを得た。更に得られた2-アセチル-9H-チオキサン-9-オン3gをトリフルオロ酢酸12ml中で氷冷下攪拌し、30%過酸化水素水1.4mlとトリフルオロ酢酸2.7mlの混合溶液をゆっくり加えた。添加後、氷冷下30分攪拌し、続いて室温で1時間攪拌し反応を終結させた。反応液を水にあけ、酢酸エチルと水酸化ナトリウム水溶液で分液し、有機層を減圧留去することでスルホキシド体3.6gを得た。それをトルエン15g中で攪拌し、氷冷下、トリフルオロ酢酸無水物3.3ml、ノナフルオロブタンスルホン酸1.9mlを添加し、氷冷下30分、室温で1時間攪拌した。反応液にジイソプロピルエーテルを加え結晶化させ、得られた結晶を酢酸エチルとジイソプロピルエーテルの混合溶媒で再結晶することにより2-アセチル-10-トリル-9-オキソチオキサンテニウム ノナフルオロブタンスルホン酸塩(A8)1gを得た。1H-NMR(400MHz、CDCl3σ2.39(s,3H),2.74(s,3H),7.37(d,2H),7.72(m,2H),7.97(m,2H),8.19(m,1H),8.39(m,2H),8.67(d,1H),9.09(s,1H)
<合成例4 (Z-40)の合成>
チアンスレン20gを酢酸300ml中で還流させ、そこに希硝酸を36mlゆっくり滴下した。5時間反応させた後、反応液を水1.2lに注ぎ、結晶を析出させた。結晶をろ過後、アセトニトリルで再結晶を行い、チアンスレン-S-オキシド12gを得た。H-NMR(400MHz、CDCl3)σ7.42(t,2H),7.56(t,2H),7.63(d,2H),7.93(d,2H)
チアンスレン-S-オキシド2gをトルエン10mlに溶解し、氷冷した。そこにトリフルオロ酢酸無水物を2.8mlとノナフルオロブタンスルホン酸1.2mlを加え、1時間攪拌した。ジイソプロピルエーテルを加え、上澄みを除去後、シリカゲルカラム(クロロホルム/メタノール=19/1)で精製を行い、4.4gの5-(p-トリル)チアンスレニウムノナフルオロブタンスルホン酸塩を得た。H-NMR(400MHz、CDCl3)σ2.34(s,3H),7.08(d,2H),7.22(d,2H),7.78(m,6H),8.65(d,2H)
5-(p-トリル)チアンスレニウムノナフルオロブタンスルホン酸塩2gをトリフルオロ酢酸6mlに懸濁し、室温で30%過酸化水素水0.75mlを滴下した。その後、80℃で1時間攪拌し、水とクロロホルムを加え、分液を行った。クロロホルム層を減圧留去後、シリカゲルカラム(クロロホルム/メタノール=19/1)で精製を行い、(Z-40)を1.2g得た。H-NMR(400MHz、CDCl3)σ2.47(s,3H),7.47(d,2H),7.66(d,2H),7.98(t,2H),8.04(t,2H),8.40(d,2H),8.43(d,2H)
<合成例5 (Z-73)の合成>
チアンスレン-S-オキシド1gをエトキシベンゼン1.1mlと混合し、氷冷した。そこにトリフルオロ酢酸無水物を1.2mlとノナフルオロブタンスルホン酸0.71mlを加え、15分攪拌した。ジイソプロピルエーテルを加え、上澄みを除去後、クロロホルム、水を加え分液を行った。クロロホルム層を減圧留去して、2.5gの5-(p-エトキシベンゼン)チアンスレニウムノナフルオロブタンスルホン酸塩を得た。 H-NMR(400MHz、CDCl3)σ1.38(t,3H),4.00(q,2H),6.92(d,2H),7.29(d,2H),7.75(m,6H),8.56(d,2H)
2.5gの5-(p-エトキシベンゼン)チアンスレニウムノナフルオロブタンスルホン酸塩をトリフルオロ酢酸10mlに懸濁し、氷冷した。そこに30%過酸化水素水を0.89ml滴下し、1時間攪拌した。反応後、反応液を水にあけ、更にクロロホルムを加えて分液を行った。クロロホルム層を減圧留去し、ジイソプロピルエーテル、酢酸エチルの混合溶媒で再結晶を行い、(Z-73)を1.3g得た。H-NMR(400MHz、CDCl3)σ1.47(t,3H),4.20(q,2H),7.26(d,2H),7.91(m,6H),7.98(m,2H),8.39(d,2H)
(Z-1)〜(Z-105)の内で上記以外の化合物についても、同様の方法で合成した。一方、(Z-106)〜(Z-121)については、特開2003-149800号公報などに記載の公知の方法で合成した。
<化合物(A)の合成例>
合成例A1(化合物(A−1)の合成)
300mL滴下ロート及び窒素導入管を装着した500mL三口フラスコに、1,1,2,2,3,3-Hexafluoro-propane-1,3-disulfonyl difluoride 15.0 g (47.4 mmol) を入れ、窒素下THF 150mLに溶解させ氷冷攪拌し、滴下ロートより4-piperidinopiperidine 7.98 g(47.4 mmol)とtriethylamine 9.60 g(47.4 mmol)のTHF溶液 100mLを1時間かけ滴下した。滴下後氷冷下1時間攪拌し、更にアイスバスを除去し室温にて4時間攪拌した。反応溶液にAcOEt 200mLと水100mLを加え、析出した固体をろ過し、アセトンで洗浄して下記構造の白色固体13.1gを得た。この固体11.1gをMeOH 300 mLと1M−水酸化ナトリウム水溶液50mLの混合溶媒中室温で1時間攪拌し、これにトリフェニルスルホニウムブロミド 8.2 g (24 mmol)を加え室温で3時間攪拌した。クロロホルム 200 mLを加え、有機層を水で数回洗浄し、有機層を濃縮、真空乾燥して目的固体 14.2gを得た。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.43 (m, 2H), 1.58 (m, 6H), 1.70 (m, 2H), 2.41 (t, 1H), 2.48 (m, 4H), 3.05 (t, 2H), 4.01 (d, 2H), 7.72 (m, 15H)
19F-NMR (300 MHz, CDCl3) δ-114.4(t, 2F), -118.0(m, 2F), -122.9(m, 2F)
合成例A2(化合物(A−33)の合成)
300mL滴下ロート及び窒素導入管を装着した500mL三口フラスコに、1,1,2,2,3,3-Hexafluoro-propane-1,3-disulfonyl difluoride 15.0 g (47.4 mmol) を入れ、窒素下THF 150mLに溶解させ氷冷攪拌し、滴下ロートより4-methylpiperazine 4.75 g(47.4 mmol)とtriethylamine 4.80 g(47.4 mmol)のTHF溶液 100mLを1時間かけ滴下した。滴下後氷冷下1時間攪拌し、更にアイスバスを除去し室温にて4時間攪拌した。反応溶液に1M−水酸化ナトリウム水溶液50mLを加え室温で4時間攪拌し、その後これにトリフェニルスルホニウムブロミド 14.6 g (43 mmol)を加え室温で3時間攪拌した。クロロホルム 300 mLを加え、有機層を水で数回洗浄し、有機層を濃縮、真空乾燥して目的固体 14.9gを得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.31 (s, 3H), 2.45 (bs, 4H), 3.56 (bs, 4H), 7.72 (m, 15H)
19F-NMR (400 MHz, CDCl3) δ-110.8(t, 2F), -114.0(m, 2F), -119.0(t, 2F)
合成例A3(化合物(A−39)の合成)
トリフェニルスルホニウムブロミド 16.1 g (46.9 mmol)と酸化銀 12.4g (53.5 mmol)をメタノール150 mLに加え室温で2時間攪拌した。銀塩をろ過によって除去し、濾液にN、N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸 10.0 g (46.9 mmol)を加え、更に1時間攪拌した。溶媒を除去、乾燥して目的の白色固体 22.5 gを得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.615 (m, 4H), 3.005 (s, 4H), 3.583 (bs, 4H), 4.932(bs, 2H), 7.277-7.835 (m, 15H)
合成例A4(化合物(A−40)の合成)
トリフェニルスルホニウムブロミド 16.1 g (46.9 mmol)と酸化銀 12.4g (53.5 mmol)をメタノール150 mLに加え室温で2時間攪拌した。銀塩をろ過によって除去し、濾液に2−ヒドロキシ−3−モルフォリノプロパンスルホン酸10.57 g (46.9 mmol)を加え、更に1時間攪拌した。溶媒を除去、乾燥して目的の無色オイル 20.0 gを得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.354 (m, 1H), 2.543 (m, 5H), 2.842 (m, 1H), 3.084 (m, 1H), 3.694 (t, 4H), 4.35 (m, 1H), 5.02 (bs, 1H), 7.684-7.823 (m, 15H)
合成例A5(化合物(A−42)の合成)
トリフェニルスルホニウムブロミド 16.1 g (46.9 mmol)と酸化銀 12.4g (53.5 mmol)をメタノール150 mLに加え室温で2時間攪拌した。銀塩をろ過によって除去し、濾液にN−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸10.38 g (46.9 mmol)を加え、更に1時間攪拌した。溶媒を除去、乾燥して目的の無色オイル 24.8 gを得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.98-1.28 (m, 6H), 1.61 (d, 1H), 1.69 (d, 2H), 1.85(d, 2H), 2.42 (m, 1H), 2.73 (t, 2H), 2.88 (m, 2H), 7.72 (m, 9H), 7.85(m, 6H)
上記以外の化合物Aも、同様にして合成した。
<バインダーTの合成例>
合成例T1(バインダー(T-1)の合成)
反応容器中に下記に示すフェノール化合物(1)35.74g(0.05mol)、PGMEA200g、炭酸カリウム41.46g(0.05mol)、保護反応剤(4)(ブロモ酢酸t−Buエステル)40.96g(0.21mol)を加え、反応溶液を100℃に加熱した。3時間攪拌した後反応溶液を室温まで放冷し、0.1N−HCl水溶液を加え中和し、酢酸エチル50ml、蒸留水50mlを加え洗浄を行った。その後、真空乾燥してバインダー(T-1)を得た。1Hおよび13C−NMR解析から、全フェノール性OHに対する保護率は46.3%であった。
合成例T2(バインダー(T-2)の合成)
反応容器中に下記に示すフェノール化合物(1)34.04g(0.05mol)、PGMEA150ml、トリエチルアミン25.04g(0.2475mol)、4-ジメチルアミノピリジン2.0gを加えて撹拌した。その後、保護反応剤(5)(ジ−t−ブチルジカーボネート)54.02g(0.2475mol)のテトラヒドロフラン100ml溶液を2時間かけて滴下した。滴下後さらに3時間撹拌した後、0.1NのHCl水溶液で中和し、酢酸エチル50ml、蒸留水50mlで洗浄、抽出を行った。有機層を分離した後、真空乾燥してバインダー(T-2)を得た。1Hおよび13C−NMR解析から、全フェノール性OHに対する保護率は45.6%であった。
合成例T3(バインダー(T-4)の合成)
反応容器中で下記に示すフェノール化合物(2)44.16g(0.05mol)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下PGMEAと省略)200gに溶解し、この溶液を60℃、20mmHgまで減圧して約40gの溶剤を系中に残存している水と共に留去した。20℃まで冷却し、保護反応剤(1)49.75g(0.18mol)、p−トルエンスルホン酸2.5gを添加し、室温にて2時間撹拌した。その後、トリエチルアミン3.0gを添加して中和し、酢酸エチル50g、水50gにより洗浄操作を3回行った。その後、真空乾燥してバインダー(T-4)を得た。1Hおよび13C−NMR解析から、全フェノール性OHに対する保護率は45.3%であった。
表1に示す他のバインダーに関しても、使用するフェノール化合物、保護反応剤を変更する以外は上記合成例と同様の方法で得た。
以下に、母核化合物であるフェノール化合物(1)〜(6)、保護反応剤(1)〜(6)の構造を示す。
Figure 2007293250
Figure 2007293250
Figure 2007293250
Figure 2007293250
保護反応剤(6)
保護反応剤(1)〜(3)と(6)を用いた場合、フェノール化合物(1)〜(6)中のフェノール性OHがアセタールで保護されることになる。また保護反応剤(4)を用いた場合、フェノール化合物(1)〜(6)中のフェノール性OHがt−ブトキシカルボニルメチルで保護されることになる。また保護反応剤(5)を用いた場合、フェノール化合物(1)〜(6)中のフェノール性OHがt−ブトキシカルボニルで保護されることになる。
フェノール化合物(1)〜(6)および保護反応剤(1)〜(6)は、いずれも入手容易であるか常法を用いて合成できる。
バインダーに使用した母核化合物、保護反応剤及び保護率を表1にまとめて示す。保護率は全フェノールOHに対するモル%である。
Figure 2007293250
Figure 2007293250
[実施例]i)レジスト組成物の調製 (実施例3)
本発明のバインダー(T-2):1.1300 g
添加樹脂(BT-1):0.1250 g
化合物Z (Z-33): 0.0759 g
化合物A (A-48):0.0150 g
界面活性剤:0.002 gを下記表2に示す溶剤に溶解させ、固形分濃度が6.5質量%の溶液を調製した。この溶液を0.1μmのテフロンフィルターで濾過し、ポジ型レジスト液を得た。他の実施例ならびに比較例のレジスト溶液も上記と同様の方法で得た。
(ii)パターン作製および評価(EB)
上記のように調製したポジ型レジスト液をスピンコータを利用して、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコンウエハー上に均一に塗布し、120℃90秒間加熱乾燥を行い、膜厚0.15μmのポジ型レジスト膜を形成した。このレジスト膜に対し、電子線描画装置((株)日立製作所製HL750、加速電圧50KeV)を用いて電子線照射を行った。照射後に110℃、90秒ベークし、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて60秒間浸漬した後、30秒間、水でリンスして乾燥した。得られたパターンを下記の方法で評価した。
[感度]
得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製 S−4800)を用いて観察した。150nmライン(ライン:スペース=1:1)を解像する時の最小照射エネルギーを感度とした。
[解像力]
上記の感度を示す照射量における限界解像力(ラインとスペースが分離解像)を解像力とした。
[パターン形状]
ライン幅150nm(ライン/スペース=1:1)の部分の断面をSEM((株)日立製作所製S−8840)で観察し、以下の基準で評価した。
A:パターン側壁と基板との角度、およびパターン側壁とパターン表面との角度がどちらも90±2度である場合。
B:パターン側壁と基板との角度が90±2度であるが、パターン側壁とパターン表面との角度が85度以上88度未満あるいは92度以上95度未満である場合。または、パターン側壁とパターン表面との角度が90±2度であるが、パターン側壁と基板との角度が85度以上88度未満あるいは92度以上95度未満である場合。
C:パターン側壁と基板との角度、およびパターン側壁とパターン表面との角度がどちらも85度以上88度未満あるいは92度以上95度未満である場合。
D:パターン側壁と基板との角度が85度未満あるいは95度以上である場合、T−トップ形状が見られる場合またはパターン表面全体が丸くなっている場合。
[ラインエッジラフネス(LER)]
上記の感度を示す照射量における150nmラインパターンの長さ方向50μmにおける任意の30点について、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いてエッジがあるべき基準線からの距離を測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。この値が小さい程、良好な性能であることを意味する。
〔アウトガス〕
150nmライン(ライン:スペース=1:1)を解像する時の最小照射エネルギーを照射した時の膜厚の変動率で評価を行った。
アウトガス:((露光前の膜厚)−(露光後の膜厚))/(露光前の膜厚)×100
この値が小さい程、良好な性能であることを意味する。
評価結果を表2に示す。
Figure 2007293250
Figure 2007293250
Figure 2007293250
表2に示した略号を以下に示す。
添加樹脂
Figure 2007293250
酸発生剤
Figure 2007293250
塩基性化合物
N-1:トリオクチルアミン
N-2:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン
N-3:2,4,6−トリフェニルイミダゾール
界面活性剤
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)
W−3:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
W−4:ポリオキシエチレンラウリルエーテル
溶剤
S−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S−2:プロピレングリコールモノメチルエーテル
S−3:乳酸エチル
表2に示したとおり、本発明のレジスト組成物は、比較例の組成物に比べて、感度、解像度、パターン形状、ラインエッジラフネス、真空中PEDにおけるライン幅の変化に関して優れた特性を示す。
上記実施例7、11、23、32、41及び比較例1〜5の各レジスト組成物を用い、実施例1と同様の方法でレジスト膜を得た。得られたレジスト膜にEUV光(波長13.5nm)を用いて、露光量を0〜10.0mJの範囲で0.5mJづつ変えながら面露光を行い、さらに110℃、90秒ベークした。その後2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて、各露光量での溶解速度を測定し、感度曲線を得た。
この感度曲線において、レジストの溶解速度が飽和するときの露光量を感度とし、また感度曲線の直線部の勾配から溶解コントラスト(γ値)を算出した。γ値が大きいほど溶解コントラストに優れている。これらの結果をそれぞれ実施例46〜50および比較例8〜12とした。
評価結果を表3に示す。
Figure 2007293250
表3に示した結果から分かるように、本発明のレジスト組成物は、高い感度、高い溶解コントラスト、アウトガス抑制を両立している。

Claims (6)

  1. (Z)一般式(Z−I)で表される構造を有するスルホニウムカチオンを有する化合物と、(T)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する低分子化合物と、(A)活性光線又は放射線の照射により下記一般式(A−I)で表される構造を有する化合物を発生する化合物を含有することを特徴とするレジスト組成物。
    Figure 2007293250
    一般式(Z−I)中、
    1〜Y13は、各々独立に水素原子又は置換基を表し、隣接するもの同士で互いに結合して環を形成してもよい。
    Zは単結合または2価の連結基を表す。
    Q−A−(X)n−B−R (A−I)
    一般式(A−I)中、
    Qは、スルホ基(-SO3H)、又はカルボキシル基(-CO2H)を表す。
    Aは、2価の連結基を表す。
    Xは、−SO2−又は−CO−を表す。
    nは、0又は1を表す。
    Bは、単結合、酸素原子又は−N(Rx)−を表す。
    Rxは、水素原子又は1価の有機基を表す。
    Rは、プロトンアクセプター官能基を含む1価の有機基又はアンモニウム基を含む1価の有機基を表す。
    Bが−N(Rx)−の時、RとRxが結合して環を形成してもよい。
  2. 低分子化合物(T)が下記一般式(T−I)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
    Figure 2007293250

    一般式(T−I)中、
    1、R2、R3及びR4は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。複数のR1が結合して環を形成してもよい。複数のR2が結合して環を形成してもよい。複数のR3が結合して環を形成してもよい。複数のR4が結合して環を形成してもよい。また、複数あるR1、R2、R3及びR4は互いに同じであっても異なっていても良い。
    5及びR6は、各々独立に、水素原子又は有機基を表し、複数あるR5及びR6は互いに同じであっても異なっていても良い。また、複数あるR5及びR6のうち少なくとも1つは酸分解性基である。
    Wは単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基およびこれらの任意の組み合わせからなる基を表す。
    xは正の整数を表す。
    yは0以上の整数を表し、Wが単結合の場合、yは0である。
    zは0以上の整数を表す。
    vは0以上の整数を表す。
    m1、m3、及びm4は各々独立して正の整数を表す。
    m2及びm5は各々独立して0以上の整数を表す。但し、m1+m2+z=5、m3+v=3、m4+m5=5、m2+m5≧2を満たす。
  3. 一般式(T−I)で表される構造を有する化合物が下記一般式(T−II)〜(T−IV)のいずれかで表される構造を有する化合物であることを特徴とする請求項2に記載のポジ型レジスト組成物。
    Figure 2007293250
    一般式(T−II)〜(T−IV)中、
    1、R2、R5、R6、x、z、m1及びm2は、一般式(T−I)におけるそれらと同義である。
    7は水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。複数のR7が結合して環を形成してもよい。また、複数あるR7は互いに同じであっても異なっていても良い。
    uは正の整数を表す。ただしu+x=3である。
    rは正の整数を表す。
    0はアリーレン基を表す。
    1は単結合、アルキレン基またはシクロアルキレン基を表す。
    Aは下記一般式(A)で表される構造を有する基を表す。
    Figure 2007293250
    一般式(A)中、R3、R4、R6、m4及びm5は、一般式(T−I)におけるそれらと同義である。
  4. 低分子化合物(T)が下記一般式(T−V)で示される化合物であることを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
    Figure 2007293250
    一般式(T−V)中、R1、R2、R3、R5、m4、m5及びxは、一般式(T−I)におけるそれらと同義である。
  5. 活性光線又は放射線の照射により一般式(A−I)で表される構造を有する化合物を発生する化合物が、一般式(A−I)で表される構造を有する化合物のスルホニウム塩化合物、一般式(A−I)で表される構造を有する化合物のヨードニウム塩化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物を基板に塗布してレジスト膜を得た後、露光及び現像してレジストパターンを形成することを特徴とするレジストパターン形成方法。
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