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JP2793440B2 - 磁気センサおよびその製造方法 - Google Patents

磁気センサおよびその製造方法

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JP2793440B2
JP2793440B2 JP4189750A JP18975092A JP2793440B2 JP 2793440 B2 JP2793440 B2 JP 2793440B2 JP 4189750 A JP4189750 A JP 4189750A JP 18975092 A JP18975092 A JP 18975092A JP 2793440 B2 JP2793440 B2 JP 2793440B2
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layer
compound semiconductor
magnetic sensor
sensor
lattice constant
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JP4189750A
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一郎 柴崎
直洋 久世
和宏 永瀬
達郎 岩渕
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Kogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な半導体センサに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】InAsはきわめて高い電子移動度を持
つ材料であり、高感度磁気センサなどへの応用が期待さ
れてきたが、1)高電子移動度が得られるほど良好な結
晶性を有したInAs薄膜の成長が困難である、2)I
nAsのバンドギャップが狭いために磁気センサとして
使用した場合高温での温度特性が劣る、という製造プロ
セスと素子特性の両方に問題があった。
【0003】これまでInAs薄膜の成長が様々な基板
上に試みられてきたが、薄膜の単結晶を成長させるため
の絶縁性の基板の格子定数がInAsと大きく異なり、
そのために基板上に成長したInAs結晶は基板との界
面近くに格子の乱れが発生し、低い電子移動度となり、
十分にその特性を得るに至っていない。また、このよう
な特性の膜は素子の製造工程による特性の変動が大き
く、また抵抗値の温度特性も悪くなる傾向が見られる。
このため厚さの薄いInAs薄膜を感磁部とする磁気セ
ンサを造ろうとすると電子移動度が低くなり高感度の磁
気センサの製作は難しかった。
【0004】また、InAsの温度特性を改良するため
に、バンドギャップを広げる目的でGaを導入したIn
GaAsの3元混晶系が試みられてきた。InGaAs
と格子定数が一致する絶縁性の基板としてInPが存在
するが、InPと格子整合するInとGaの組成比は、
In0.53Ga0.47Asだけであり、InGaAsの任意
の組成に対応する絶縁性基板は存在しない。そのためI
nPとは異なる格子定数をもつInGaAsの薄膜成長
においてもInAs同様に基板との界面に発生する格子
乱れを抑えることができず、高電子移動度のInGaA
s薄膜を得るのは困難であった。
【0005】さらに、厚さを薄くして大きなシート抵抗
値を得ることも必要であるが、格子の乱れによりキャリ
ヤ濃度の制御も難しく、このため、電子移動度が大き
く、かつ、シート抵抗値の大きい磁気センサに好ましい
InAs系薄膜を得ることは難しかった。
【0006】これまでにInAs薄膜を感磁層に利用し
た磁気センサの技術として、特公平2−24033号,
特開昭61ー20378号と特開昭61ー259583
号公報がある。特公平2−24033号公報では、In
Asの感磁層にS,Siをドーピングして素子の温度特
性を改良したホール素子が提案されているが、100℃
を越える高温で、素子抵抗値の低下が見られており、高
温でホール素子を使用した場合の信頼性に問題があっ
た。特開昭61ー20378号公報では、半絶縁性Ga
As基板上に結晶成長させたInAsまたはInGaA
sを感磁層とするホール素子が提案されているが、Ga
As基板とInAs層の界面には格子乱れが発生し、そ
の影響のために高温での信頼性および感度もまだ不十分
であった。また、特開昭61ー259583号公報で
は、サファイア基板上に形成されたInAsを感磁層と
するホール素子が提案されているが、100℃を越える
高温での素子抵抗値の低下が見られ、高温で使用する場
合の信頼性は不十分であった。このため、従来とは異な
る根本的な磁気センサの高感度化の技術が求められてい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、結晶の格子
の乱れのない高電子移動度のセンサ薄膜層を製作し、工
程による特性変化がなく、温度特性にも優れた高感度半
導体センサを実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
InAs系薄膜の問題点を解決し、電子移動度の大きい
センサ薄膜層の製作方法を検討し、高感度半導体センサ
の製作に取り組んだ。その結果、InAs格子定数
±5%以内の格子定数を有し、かつ、InAsよりバン
ドギャップエネルギーの大きい化合物半導体層を形成し
たのち、その上に、InAsを結晶成長させると、膜厚
が薄くてもInAsの非常に大きな電子移動度が得られ
る事を見いだした。さらに、InAsに格子整合する該
化合物半導体層を用いれば、結晶性の良いInAs超薄
膜を形成させることができ、InAs超薄膜の量子効果
から、素子特性を改善できることを見いだした。また、
InAsよりもさらにバンドギャップを広げるためにI
nAsにGaを導入したInGaAsにおいても、In
GaAsに格子整合する化合物半導体層を用いれば、結
晶性のよいInGaAs超薄膜の形成が可能となり、素
子とした場合の温度特性も改良できることを見いだし
た。さらに超薄膜による量子効果を利用すれば、InA
sやInGaAsにSbを導入し、さらなる高感度を実
現できることを見いだし、本発明を完成した。即ち、高
抵抗の第一化合物半導体層と、該層の上に形成されたI
nAs層と、該InAs層の上に形成されたオーム性電
極を有する磁気センサであって、該第一化合物半導体が
InAs格子定数の±5%以内の格子定数を有し、か
つ、InAsより大きいバンドギャップエネルギーをも
つことを特徴とする磁気センサである。また、該InA
s層がInAs層にGaやSbが導入された3元系もし
くは4元系混晶であってもよい。即ち、InAs層がI
x Ga1-x As(0<x <1.0)やInx Ga1-x Asy
Sb1-y(0 <x ≦1.0 , 0 ≦y <1.0)であってもよい。
以下、InAs層、Inx Ga1-x As(0<x <1.0)層
及びInx Ga1-x Asy Sb1-y(0 <x ≦1.0 , 0 ≦
y <1.0)層を総称してセンサ層と呼ぶことにする。
【0009】さらに、該センサ層の上面には、センサ層
を構成する結晶と格子定数が同じか、もしくは、近い値
をもち、該結晶より大きいバンドギャップエネルギーを
もつ高抵抗の第二化合物半導体層が、形成されていても
よい。
【0010】さらに、該センサ層と第一及び第二化合物
半導体層の界面の欠陥を減らして高電子移動度を実現す
るために、該界面の一方もしくは、両方の結合種が、セ
ンサ層側はセンサ層を構成する結晶から選ばれたIII
族、そして第一及び第二化合物半導体層側は該化合物半
導体から選ばれたV族から形成されることが好ましい。
また界面の結合種がセンサ層側はセンサ層を構成する結
晶から選ばれたV族、そして第一及び第二化合物半導体
層側は該化合物半導体から選ばれたIII 族から形成され
ていてもよい。また該III 族ーV族結合の間に中間層が
挿入されていてもよい。
【0011】さらに該センサ層には電気伝導にあずかる
電子が存在するが、その電子濃度は5×1016〜8×1
18/cm3 の範囲が好ましく、8×1016〜3×1018
/cm3 は、より好ましい範囲である。必要に応じてセン
サ層にドナー不純物がドープされてもよい。また、セン
サ層に対してバリア層となる第一および第二化合物半導
体層にドーピングしてもよい。さらにセンサ層とドーピ
ングされたバリア層の間にはスペーサー層を導入するこ
とがよく行われる。
【0012】本発明のセンサ層の上に形成される電極
は、センサ層に直接オーミックコンタクトして形成され
ることが好ましく行われるが、第二化合物半導体層が存
在する場合には、第二化合物半導体層の上に電極が形成
されたのちに、第二化合物半導体層を介して、アニール
などでセンサ層にオーミックコンタクトさせることも行
われる。
【0013】さらに、本発明の磁気センサはホール素
子、磁気抵抗素子などのホール効果や磁気抵抗効果を利
用する磁気センサである。
【0014】さらに、Al,Ga,In,AsおよびP
からなる群より選択されるSbを含む3元素以上の高抵
抗の第一化合物半導体層を形成する工程と、該層の上に
センサ層を形成する工程でしかも、該第一化合物半導体
がセンサ層を構成する結晶格子定数の±5%以内の格
子定数を有し、該結晶より大きいバンドギャップエネル
ギーを持っていることを特徴としており、さらに該セン
サ層を加工する工程と、該センサ層の上面に複数のオー
ム性電極を形成する工程を有する事を特徴とする磁気セ
ンサの製造方法である。さらに、必要に応じて、前記第
二化合物半導体層がセンサ層の上面に形成される工程が
含まれる。また、必要に応じてセンサ層、第一または第
二化合物半導体層にドーピングする工程も含まれる。第
二化合物半導体層の上面に電極を形成し、アニールなど
でセンサ層にオーミックコンタクトさせる工程も本発明
の範囲である。
【0015】本発明の磁気センサは、必要に応じてボン
ディングされ、かつ、パッケイジされて用いられること
もよく行われる。本発明の磁気センサはSiICチップ
と一緒にパッケイジされることもよく行われる。
【0016】
【実施例】次に、本発明をさらに詳細に説明する。
【0017】図1は本発明の基本となる高感度磁気セン
サの一つである高感度ホール素子を示す。図1−(a)
は断面を模式的に示したものである。図1−(b)は上
面からみた図である。図1に於いて1は基板、2はセン
サ層を構成する結晶格子定数の±5%以内の格子定数
を有し、かつ、該結晶より大きいバンドギャップエネル
ギーをもち、Al,Ga,In,AsおよびPからなる
群より選択されるSbを含む3元素以上の高抵抗の第一
化合物半導体層であり、3はセンサ層を示している。4
(41、42、43、44)はオーム性の電極を示して
いる。また、5(51、52、53、54)はボンディ
ングの為の電極である。ここでは簡単の為に磁気センサ
チップのみを示した。図2は本発明の他の実施例を示し
たものであり、6は高抵抗の第二化合物半導体層であ
る。また、7はセンサ層中にドープされたドナー不純物
を示している。8は半導体の表面を保護するために必要
に応じて形成された絶縁物からなるパッシベーション層
を示す。
【0018】本発明に於いて、センサ層中にドープされ
るドナー不純物は7で示してあるがこの不純物の位置は
全体に一様でも、また、定められた位置のみでもよい。
例えば、中央部のみにドープされてもよく、また、一部
をドープし他の部位はドープされなくてもよい。さら
に、中央部は多く周辺部は少なくてもよい。また、中央
部は少なく、周辺部に多く不純物がドープされることも
よく行われる。これらは層別に分けて行われてもよい。
本発明でセンサ層にドープされる不純物は、一般にセン
サ層を構成する結晶にドナーとして作用するものなら何
でもよく、S,Si,Ge,Seなどは好ましいもので
ある。
【0019】本発明のセンサ層を構成するInx Ga
1-x Asy Sb1-y 層のInとGaの組成比は 0<x ≦
1.0 であり、好ましくは 0.6≦x ≦1.0 である。さらに
InAsの高電子移動度を利用するためには 0.8≦x ≦
1.0 がより好ましい。また、Inx Ga1-x Asy Sb
1-y 層のAsとSbの組成比は0 ≦y ≦1.0 であるが、
好ましくは 0.4≦y ≦1.0 、より好ましくは 0.6≦y ≦
1.0 の範囲である。センサ層の厚さは、1.4μm以
下、好ましくは、0.5μm以下、より好ましくは、
0.3μm以下である。0.2μm以下もより高感度の
半導体センサを製作するためによく用いられる。また、
0.1μm以下は、より大きな入力抵抗値の半導体セン
サを製作するために好ましく用いられる。また、さらに
該センサ層を薄くし、第一及び、必要に応じて第二化合
物半導体層によりセンサ層に電子を閉じ込め、量子井戸
を形成し、量子効果により耐熱、耐圧等を向上させるこ
とも行われる。この場合はセンサ層の厚みは、50nm
以下であり、好ましくは30nm以下、より好ましくは
0nm以下である。また、特に、薄いセンサ層を用い
る場合、本発明では、第一、もしくは、第二の化合物半
導体層のセンサ層の境界面の近くにドナー不純物のドー
プを行い、該不純物より供給される電子を境界面を越え
てセンサ層に供給することによりセンサ層中の不純物に
よる散乱を少なくし、高感度化のためにより高い電子移
動度を得ることもしばしば行われる。この場合、センサ
層中の電気伝導は、第一または第二の化合物半導体層か
らセンサ層へ供給される電子が担う場合と、さらに、セ
ンサ層中に存在した電子やセンサ層中にドープされてい
るドナー不純物原子より供給される電子との混合伝導の
場合もある。図3にこのような本発明の実施例を示し
た。9はこのような目的で高抵抗の化合物半導体層にド
ープされたドナー不純物である。図3−(a)は第一の
化合物半導体層にドナー不純物がドープされた例であ
る。図3−(b)は第二の化合物半導体層にドープされ
た例である。ドナー不純物9よりセンサ層中に供給され
る電子は二次元的に広がった電子ガスを形成している場
合もあるが、センサ層中のドナー不純物7より供給され
た電子と共に電気伝導にあずかる。この目的でドープす
る不純物9は、ドナー不純物として作用するものなら何
でもよいが、Si,S,Ge,Seなどは好ましいもの
である。
【0020】本発明の半導体センサに用いる高抵抗の第
一及び第二の化合物半導体層の抵抗値は絶縁もしくは半
絶縁性が好ましいが、これらに準じた高い抵抗値でもよ
い。たとえば、第一及び第二化合物半導体層の抵抗値が
センサ層の抵抗値に対して少なくとも5〜10倍以上
高く、好ましくは100倍以上、より好ましくは100
0倍以上高いものである。
【0021】本発明の半導体センサに用いられているセ
ンサ層がその上に形成される、第一化合物半導体層、及
び、センサ層の上面に形成される第二の化合物半導体層
は、一般にセンサ層を構成する結晶格子定数の±5%
以内の格子定数を有し、かつ、バンドギャップエネルギ
ーが該結晶より大きい値をもてばよい。特に、第一化合
物半導体層は、Al,Ga,In,AsおよびPからな
る群より選択されるSbを含む3元素以上の化合物半導
体を含み、たとえばAl a1 Ga 1-a1 Sb、GaAs c1
1-c1 、AlAs c1 Sb 1-c1 ,Al a1 Ga 1-a1 As c1
1-c1 、Al b1 In 1-b1 As c2 Sb 1-c2 、Al b2 In
1-b2 d1 Sb 1-d1 やAl a2 Ga 1-a2 d2 Sb 1-d2 などを
挙げることができる。また、第二化合物半導体層は、G
aSb,AlSbなどの2元系の化合物半導体の他に、
上記Ala1Ga1-a1Sb、GaAsc1Sb1-c1、AlA
c1Sb1-c1,Ala1Ga1-a1Asc1Sb1-c1、Alb1
In1-b1Asc2Sb1-c2、Alb2In1-b2d1Sb1-d1
やAla2Ga1-a2d2Sb1-d2 などを挙げることができ
る。かかる該化合物半導体層において、Ala1Ga1-a1
Asc1Sb1-c1では、{0 ≦a1≦1.0, 0≦c1≦0.6 }が
好ましく、{0.5 ≦a1≦1.0, 0≦c1≦0.4 }がより好ま
しい範囲である。Alb1In1-b1Asc2Sb1-c2では、
{0.2 ≦b1≦1.0, 0≦c2≦1.0 }が好ましく、{0.5 ≦
b1≦1.0, 0≦c2≦0.8 }がより好ましい範囲である。A
b2In1-b2d1Sb1-d1は、{0 ≦b2≦1.0, 0≦d1
1.0 }であるが、{0.1 ≦b2≦1.0, 0.1≦d1≦0.8 }が
好ましい範囲である。Ala2Ga1-a2d2Sb1-d2
は、{0 ≦a2≦1.0, 0≦d2≦0.5 }が好ましく、{0.5
≦a2≦1.0, 0≦d2≦0.35}がより好ましい範囲である。
ここで第一及び第二化合物半導体層の格子定数センサ
層を構成する結晶の格子定数の±5%以内、より好まし
くは±2%以内である。
【0022】第一化合物半導体層の厚みl1 は 0.1 μ
m≦l1 ≦10μmであり、好ましくは、0.5 μm≦l1
≦5 μmの範囲である。またセンサ層の量子効果を得る
ためには1μm以上が好ましい。第二化合物半導体層の
厚みl2 は通常第一化合物半導体層に準ずるが、好まし
い範囲として1μm以下、より好ましくは、0.5μm
以下、また0.1μm以下も好ましく用いられる。ま
た、第一及び第二化合物半導体層は、これらの化合物半
導体から選ばれた数種類からなる多層を形成していても
よい。たとえば、第二化合物半導体層の上に第三の化合
物半導体層が形成されてもよい。第三化合物半導体層は
第二化合物半導体層に準ずる半導体絶縁層であり、その
厚みもl2 と同様である。該第二及び第三化合物半導体
層はセンサ層の空気酸化を防ぎ、さらにパッシベーショ
ンなどによるダメージに対するプロテクト効果がある。
【0023】本発明のセンサ層と第一及び第二化合物半
導体層によって形成される界面の結合種には、InーS
b,GaーSb,GaーAs,InーAs,AlーA
s,AlーSb,InーP,GaーPがある。この中で
もInーSbが好ましく用いられる。また該III 族層ー
V族層の間に中間層が導入されていてもよい。図4に
は、このような界面結合種の部分を拡大した図を示す。
該界面結合種を形成するには、第一化合物半導体層とセ
ンサ層の界面の場合は、まず第一化合物半導体層の成長
がおわると化合物半導体層から選ばれたV族(III 族)
のみを照射し、次に該V族(III 族)の照射をやめると
同時にセンサ層を構成する結晶から選ばれたIII 族(V
族)のみを照射する。次にセンサ層結晶の残りのIII 族
とV族の照射を開始し、センサ層を成長させる。またセ
ンサ層と第二化合物半導体層の界面の場合は、センサ層
の成長が終了するとセンサ層結晶から選ばれたIII 族
(V族)のみを照射する。つぎに該III 族(V族)の照
射をやめると同時に第二化合物半導体から選ばれたV族
(III 族)を照射する。そして第二化合物半導体の残り
の元素の照射を開始し、第二化合物半導体層を成長させ
る。該III 族及びV族の照射による界面層は、数原子層
だけ成長させるのが好ましく、1原子層だけ成長させる
のがより好ましい。
【0024】本発明の半導体センサを構成している電極
は、通常はオーミック電極であるが、この場合直接セン
サ層にオーミックコンタクトさせることが好ましいが、
第二化合物半導体層の上に電極を形成し、第二化合物半
導体層を介して、センサ層とオーミックコンタクトさせ
る構造でもよい。この構造は、次の方法によって形成さ
れる。すなわち、電極とセンサ層のオーミックコンタク
トを得るために、合金化アニールを行い、電極材料を第
二化合物半導体層からセンサ層まで拡散させるか、ある
いは、電極下部の領域のみにドナー不純物をイオン注入
し、接触抵抗を下げる方法がある。また、電極金属は、
AuGe/Ni/Auの3層構造をはじめとする公知の
積層電極構造でよいが、Al,Ti,Au,Wなどの単
層金属でもよく、多くの組み合せが可能である。
【0025】本発明の磁気センサを形成するために用い
られる基板は、一般に単結晶を成長できるものであれば
何でもよく、GaAsの単結晶の半絶縁基板、Si単結
晶基板等は、好ましい例である。また、結晶を、成長さ
せる表面として、(100)面や(110)面、等はよ
く用いられる。さらに、これらの結晶面から数度傾けて
カットされた表面が結晶成長性を向上させる為に用いら
れることもよく行われる。例えば、(100)面より2
度オフした面は、好ましい例である。
【0026】また、本発明の磁気センサの製造法に於い
て、第一の化合物半導体層を形成する工程、センサ層を
形成する工程や第二の化合物半導体を形成する工程は、
一般に薄膜の単結晶の成長できる方法であれば何でも好
いが、分子線エピタキシー法、や、MOVPE法、AL
E法などは特に好ましい方法である。
【0027】さらに、センサ層を必要に応じて所要の形
状に加工する工程は、ウエットエッチングやドライエッ
チング、イオンミリングなどが用いられる。これらの方
法は、必要に応じて、第一、及び、第二化合物半導体層
を所要の形状に加工する目的にもまた好ましく用いられ
る。
【0028】図5は本発明の高感度磁気センサの基本的
な一例である磁気抵抗素子である。図5−(a)は二端
子磁気抵抗素子の断面図を示している。図5−(b)は
上面からみた図である。図5−(c)は三端子の差動型
の磁気抵抗素子を上面からみた図である。10はショー
トバー電極である。このショートバー電極は磁気抵抗効
果を上げる効果があり、磁気感度をあげる為に好ましく
用いられる。図5のショートバー電極10はセンサ層3
とオーム性接触をしており、普通は金属が用いられる。
【0029】本発明の磁気センサは、センサの出力を増
幅するためのSiICチップと一緒にパッケイジされて
ホールICや磁気抵抗IC等の磁気センサとして用いら
れることも好ましく行われる。図6にこのような例を示
した。11は磁気センサチップを、12はSiICチッ
プ、13はリード上のアイランド部、14はリード、1
5はワイヤを、そして、16はモールド樹脂を示してい
る。
【0030】以下に本発明を実施例により述べるが、本
発明はこれらの例のみに限定されるものではない。
【0031】(実施例1−a)直径2インチのGaAs
基板の表面にMBE(モレキュラービームエピタキシ
ー)法により、第一化合物半導体層としてノンドープの
Al0.8 Ga0.2 As0.16Sb0.84を0.30μm成長
させた。次にセンサ層としてSiドープInAsを0.
25μm成長させた。このInAs薄膜の電子移動度の
値は19000cm2 /Vs、シート抵抗値は150Ω
/□、電子濃度0.88×1017cm-3であった。
【0032】次に、フォトリソグラフィー法を用いて、
GaAs基板上に形成された積層薄膜上に感磁部となる
部分を形成するためのレジストパターンを形成した。引
き続いて、H3 PO4 系のエッチング液により不要部分
をエッチングした後、レジストを除去した。次に、ウエ
ーハー全面にプラズマCVD法により、0.2μmのS
iN膜を形成した。該層上にフォトリソグラフィー法に
より、電極となる部分が開口部となっているレジストパ
ターンを形成した。次に反応性イオンエッチングを使っ
て、電極の形成される部分のSiNをエッチングし、セ
ンサ層を露出させた。さらに真空蒸着法により、AuG
e(Au:Ge=88:12) 層を2000Å, Ni層を500Å,
Au層を3500Å連続蒸着し、通常のリフトオフ法に
より、ホール素子の電極パターンを得た。こうして、2
インチのウエーハー上に多数のホール素子を製作した。
次に、ダイシングソーにより個々のホール素子に切断し
た。この製作したホール素子のチップサイズは0.36
mm×0.36mmであった。このホール素子チップ
を、ダイボンドし、ワイヤーボンドし、ついで、トラン
スファーモールドを行い、エポキシ樹脂によるモールド
されたホール素子を製作した。膜特性は後出の表1に、
素子の特性は表2に示した。
【0033】表2に示したように、実施例1−aのホー
ル素子は定格入力電圧に於いて、500Gの磁束密度を
持つ磁界中で210mVという大きなホール出力電圧を
有する。この値は、平均的なGaAsホール素子のホー
ル出力電圧の2倍以上の値である。また、ホール出力電
圧の温度特性を図7に示した。また、定電圧での、ホー
ル出力電圧の温度変化は100℃以上においても小さく
優れた温度特性を示している。図8に示したように素子
抵抗値の温度変化が150℃まで極めて小さく、抵抗値
の低下も非常に小さい。さらに、標準的なミニモールド
型でモールドした場合の、熱放散の係数は2.3mW/
℃程度であり、従来は不可能な100〜150℃高温に
於いても使用できることがわかった。また、低温側での
使用はー50℃でも問題はなく、広い温度範囲で信頼性
のあることがわかった。このように本発明の磁気センサ
の一つであるホール素子は、磁界でのホール出力電圧が
大きく即ち高感度であり、かつ高温まで使用でき、信頼
性も極めて高い。
【0034】(実施例1−b)実施例1−aと同様の方
法により、第一化合物半導体層としてノンドープのAl
0.8 Ga0.2 As0.16Sb0.84を0,30μm成長させ
た。次にノンドープInAsを0.25μm成長させ
た。このInAs薄膜の電子移動度の値は12000c
2 /Vs、シート抵抗値は520Ω/□、電子濃度
4.00×1016cm-3であった。
【0035】実施例1−aと同様にホール素子を作製
し、同条件で特性を測定したところ、ホール出力電圧が
150mV,入力抵抗が1.1kΩで、100℃以上の
高温領域で実施例1−aに比べて若干抵抗値の低下が見
られた。
【0036】(実施例2)直径2インチのGaAs基板
の表面にMBE法により、第一化合物半導体層としてノ
ンドープのAl0.8 Ga0.2 As0.16Sb0.84を0.3
0μm成長させた。次にセンサ層としてSiドープIn
Asを0.15μm成長させた。このInAs薄膜の電
子移動度の値は19000cm2 /Vs、シート抵抗値
は230Ω/□、電子濃度0.95×1017cm-3であ
った。
【0037】以下、実施例1−aと同様にしてホール素
子を製作した。
【0038】膜特性は後出の表1に、素子の特性は表2
に示した。
【0039】表2に示したように、実施例2のホール素
子は定格入力電圧に於いて、500Gの磁束密度を持つ
磁界中で260mVという大きなホール出力電圧を有す
る。この値は、平均的なGaAsホール素子のホール出
力電圧の2倍以上の値である。また、ホール出力電圧の
温度依存性は実施例1−aと同様の特性を示した。さら
に、素子抵抗値の温度依存性も実施例1−aと同様15
0℃まで極めて小さかった。このように素子抵抗値の温
度変化は極めて小さく、また抵抗値の低下も非常に小さ
い。このため、定電圧で素子を使用した時に、過電流が
流れて不良となることもなく、高温での信頼性もよい。
さらに低温側での使用はー50℃でも問題はなく、広い
温度範囲で信頼性のあることがわかった。このように本
発明の磁気センサの一つであるホール素子は、磁界での
ホール出力電圧が大きく即ち高感度で、かつ高温まで使
用でき、信頼性も極めて高い。
【0040】(実施例3)直径2インチのGaAs基板
の表面にMBE法により、第一化合物半導体層としてノ
ンドープのAl0.8 Ga0.2 As0.16Sb0.84を0.3
0μm成長させた。次にセンサ層としてSiドープIn
Asを0.10μm成長させた。このInAs薄膜の電
子移動度の値は19000cm2 /Vs、シート抵抗値
は300Ω/□、電子濃度1.1×1017cm-3であっ
た。
【0041】以下、実施例1−aと同様にしてホール素
子を製作した。
【0042】膜特性は後出の表1に、素子の特性は表2
に示した。
【0043】表2に示したように、実施例3のホール素
子は定格入力電圧に於いて、500Gの磁束密度を持つ
磁界中で270mVという大きなホール出力電圧を有す
る。この値は、平均的なGaAsホール素子のホール出
力電圧の2倍以上の値である。また、ホール出力電圧の
温度依存性は実施例1−aと同様の特性を示した。さら
に、素子抵抗値の温度依存性も実施例1と同様150℃
まで極めて小さかった。このように素子抵抗値の温度変
化は極めて小さく、また抵抗値の低下も非常に小さい。
このため、定電圧で素子を使用した時に、過電流が流れ
て不良となることもなく、高温での信頼性もよい。さら
に低温側での使用はー50℃でも問題はなく、広い温度
範囲で信頼性のあることがわかった。このように本発明
の磁気センサの一つであるホール素子は、磁界でのホー
ル出力電圧が大きく即ち高感度で、かつ高温まで使用で
き、信頼性も極めて高い。
【0044】
【0045】(実施例4)直径2インチのGaAs基板
の表面にMBE法により第一化合物半導体層としてノン
ドープのAl0.8 Ga0.2 As0.16Sb0.84を0.3μ
m成長させた。次にセンサ層としてSiドープInAs
を0.10μm成長させた。次に、第二化合物半導体層
としてノンドープのAl0.8 Ga0.2 As0.16Sb0.84
を500Å成長させ、さらにキャップ層としてGaAs
0.16Sb0.84を100Å成長させた。このInAs薄膜
の電子移動度の値は21000cm2 /Vs、シート抵
抗値は280Ω/□、電子濃度1.1×1017cm-3
あった。
【0046】次に、フォトリソグラフィー法を用いて、
GaAs基板上に形成された積層薄膜上に感磁部となる
部分を形成するためのレジストパターンを形成した。引
き続いて、H3 PO4 系のエッチング液により不要部分
をエッチングした後、レジストを除去した。次に、ウエ
ーハー全面にプラズマCVD法により、0.2μmのS
iN膜を形成した。該層上にフォトリソグラフィー法に
より、電極となる部分が開口部となっているレジストパ
ターンを形成した。次に反応性イオンエッチングを使っ
て、電極の形成される部分のSiNをエッチングした
後、HCl系のエッチング液により不要な部位にある第
二化合物半導体層とキャップ層を除去し、センサ層を露
出させた。さらに真空蒸着法により、AuGe(Au:Ge=8
8:12) 層を2000Å, Ni層を500Å ,Au層を3
500Å連続蒸着し、通常のリフトオフ法により、ホー
ル素子の電極パターンを形成した。こうして、2インチ
のウエーハー上に多数のホール素子を製作した。次に、
ダイシングソーにより個々のホール素子に切断した。こ
の製作したホール素子のチップサイズは0.36mm×
0.36mmであった。
【0047】このホール素子チップを、ダイボンドし、
ワイヤーボンドし、ついで、トランスファーモールドを
行い、エポキシ樹脂によるモールドされたホール素子を
製作した。
【0048】膜特性は後出の表1に、素子の特性は表2
に示した。
【0049】表2に示したように、実施例4のホール素
子は定格入力電圧に於いて、500Gの磁束密度を持つ
磁界中で309mVという大きなホール出力電圧を有す
る。この値は、平均的なGaAsホール素子のホール出
力電圧の3倍以上の値である。また、ホール出力電圧の
温度特性は実施例1−aと同じであり100℃以上に於
いてもよい温度特性を示した。素子抵抗値の温度依存性
も実施例1−aと同様であり、温度変化は極めて小さ
く、抵抗値の低下も非常に小さかった。標準的なミニモ
ールド型で樹脂モールドした素子の、熱放散の係数は
2.3mW/℃程であり、この素子は、100〜150
℃という従来不可能である高温に於いても使用できるこ
とが明らかとなった。このように本発明の磁気センサの
一つであるホール素子は、磁界でのホール出力電圧が大
きく即ち高感度で、かつ高温まで使用でき、信頼性も極
めて高い。低温側での使用はー50℃でも問題はなく、
広い温度範囲で信頼性のあることがわかった。
【0050】(実施例5)直径2インチのGaAs基板
の表面にMBE法により、第一化合物半導体層としてA
0.80Ga0.2 As0.32Sb0.68を0.30μm成長さ
せた。次にセンサ層としてSiドープIn0.8 Ga0.2
Asを0.10μm成長させた。このIn0.8 Ga0.2
As薄膜の電子移動度の値は15500cm2 /Vs、
シート抵抗値は330Ω/□、電子濃度1.22×10
17cm-3であった。
【0051】以下、実施例1−aと同様にしてホール素
子を製作した。
【0052】膜特性は後出の表1に、素子の特性は表2
に示した。
【0053】表2に示したように、実施例5のホール素
子は定格入力電圧に於いて、500Gの磁束密度を持つ
磁界中で200mVという大きなホール出力電圧を有す
る。この値は、平均的なGaAsホール素子のホール出
力電圧の2倍以上の値である。また、ホール出力電圧の
温度特性を図9に示した。また、定電圧での、ホール出
力電圧の温度変化は100℃以上に於いても小さく、優
れた温度特性を示している。さらに、図10に示したよ
うに素子抵抗値の温度変化は150℃まで極めて小さ
く、抵抗値の低下も見られない。このため、定電圧で素
子を使用した時に、過電流が流れて不良となることもな
く、高温での信頼性もよい。従来不可能であった高温に
於いても使用できることが明らかとなった。さらに低温
側での使用は、ー60℃でも問題はなく、広い温度範囲
で信頼性のあることがわかった。このように本発明の磁
気センサの一つであるホール素子は、磁界でのホール出
力電圧が大きく即ち高感度で、かつ高温まで使用でき、
信頼性も極めて高い。またこの素子は、パワー消費も少
なく、特にGaAsホール素子と比べて、同じ感度を得
るのに半分の消費電力でよい。
【0054】
【0055】(実施例6)直径2インチのGaAs基板
の表面にMBE法により第一化合物半導体層としてノン
ドープのAl0.8 Ga0.2 As0.23Sb0.77を0.3μ
m成長させた。次にセンサ層としてSiドープIn0.8
Ga0.2 Asを0.10μm成長させた。次に、第二化
合物半導体層としてノンドープのAl0.8 Ga0.2 As
0.23Sb0.77を500Å成長させ、さらにキャップ層と
してGaAs0.23Sb0.77を100Å成長させた。この
In0.8 Ga0.2 As薄膜の電子移動度の値は1900
0cm2 /Vs、シート抵抗値は310Ω/□、電子濃
度1.06×1017cm-3であった。
【0056】以下、実施例4と同様にしてホール素子を
製作した。
【0057】膜特性は後出の表1に、素子の特性は表2
に示した。
【0058】表2に示したように、実施例6のホール素
子は定格入力電圧に於いて、500Gの磁束密度を持つ
磁界中で240mVという大きなホール出力電圧を有す
る。この値は、平均的なGaAsホール素子のホール出
力電圧の2倍以上の値である。また、ホール出力電圧の
温度特性は実施例5と同じであり100℃以上に於いて
もよい温度特性を示した。素子抵抗値の温度依存性も実
施例5と同様であり、温度変化は極めて小さく、抵抗値
の低下も見られなかった。標準的なミニモールド型で樹
脂モールドした素子の、熱放散の係数は2.3mW/℃
程であり、この素子は、100〜150℃という従来不
可能である高温に於いても使用できることが明らかとな
った。このように本発明の磁気センサの一つであるホー
ル素子は、磁界でのホール出力電圧が大きく即ち高感度
で、かつ高温まで使用でき、信頼性も極めて高い。低温
側での使用はー60℃でも問題はなく、広い温度範囲で
信頼性のあることがわかった。
【0059】(実施例7)直径2インチのGaAs基板
の表面にMBE法により第一化合物半導体層としてノン
ドープのAl0.8 Ga0.2 As0.45Sb0.55を0.3μ
m成長させた。次にセンサ層としてSiドープIn0.65
Ga0.36Asを0.10μm成長させた。次に、第二化
合物半導体層としてノンドープのAl0.8 Ga0.2 As
0.45Sb0.55を500Å成長させ、さらにキャップ層と
してGaAs0.45Sb0.55を100Å成長させた。この
In0.65Ga0.35As薄膜の電子移動度の値は1300
0cm2 /Vs、シート抵抗値は380Ω/□、電子濃
度1.26×1017cm-3であった。
【0060】以下、実施例4と同様にしてホール素子を
製作した。
【0061】膜特性は後出の表1に、素子の特性は表2
に示した。
【0062】表2に示したように、実施例7のホール素
子は定格入力電圧に於いて、500Gの磁束密度を持つ
磁界中で195mVという大きなホール出力電圧を有す
る。この値は、平均的なGaAsホール素子のホール出
力電圧の2倍の値である。また、ホール出力電圧の温度
特性は実施例5と同じであり100℃以上に於いてもよ
い温度特性を示した。素子抵抗値の温度依存性も実施例
5と同様であり、温度変化は極めて小さく、抵抗値の低
下も見られなかった。標準的なミニモールド型で樹脂モ
ールドした素子の、熱放散の係数は2.3mW/℃程で
あり、この素子は、100〜150℃という従来不可能
である高温に於いても使用できることが明らかとなっ
た。このように本発明の磁気センサの一つであるホール
素子は、磁界でのホール出力電圧が大きく即ち高感度
で、かつ高温まで使用でき、信頼性も極めて高い。低温
側での使用はー60℃でも問題はなく、広い温度範囲で
信頼性のあることがわかった。
【0063】(実施例8)直径2インチのGaAs基板
の表面にMBE法により第一化合物半導体層としてノン
ドープのAl0.8 Ga0.2 As0.75Sb025を0.3μ
m成長させた。次にセンサ層としてSiドープIn0.3
Ga0.7 Asを0.10μm成長させた。次に、第二化
合物半導体層としてノンドープのAl0.8 Ga0.2 As
0.75Sb0.25を500Å成長させ、さらにキャップ層と
してGaAs0.75Sb0.25を100Å成長させた。この
In0.3 Ga0.7 As薄膜の電子移動度の値は9000
cm2 /Vs、シート抵抗値は420Ω/□、電子濃度
1.65×1017cm-3であった。
【0064】以下、実施例4と同様にしてホール素子を
製作した。
【0065】膜特性は後出の表1に、素子の特性は表2
に示した。
【0066】表2に示したように、実施例8のホール素
子は定格入力電圧に於いて、500Gの磁束密度を持つ
磁界中で140mVというホール出力電圧を有する。こ
の値は、平均的なGaAsホール素子のホール出力電圧
の約1.5倍の値である。また、ホール出力電圧の温度
特性は実施例5と同じであり100℃以上に於いてもよ
い温度特性を示した。素子抵抗値の温度依存性も実施例
5と同様であり、温度変化は極めて小さく、抵抗値の低
下も見られなかった。標準的なミニモールド型で樹脂モ
ールドした素子の、熱放散の係数は2.3mW/℃程で
あり、この素子は、100〜150℃という従来不可能
である高温に於いても使用できることが明らかとなっ
た。このように本発明の磁気センサの一つであるホール
素子は、磁界でのホール出力電圧が大きく即ち高感度
で、かつ高温まで使用でき、信頼性も極めて高い。低温
側での使用はー60℃でも問題はなく、広い温度範囲で
信頼性のあることがわかった。
【0067】(実施例9)直径2インチのGaAs基板
の表面にMBE法により第一化合物半導体層としてノン
ドープのAl0.8 In0.2 As0.3 Sb0.7 を0,3μ
m成長させた。次にセンサ層としてSiドープIn0.8
Ga0.2 As0.3 Sb0.7 を0.10μm成長させた。
次に、第二化合物半導体層としてノンドープのAl0.8
In0.2 As0.3 Sb0.7 を500Å成長させた。この
In0.8 Ga0.2 As0.3 Sb0.7薄膜の電子移動度の
値は20000cm2 /Vs、シート抵抗値は270Ω
/□、電子濃度1.15×1017cm-3であった。
【0068】次に、フォトリソグラフィー法を用いて、
GaAs基板上に形成された積層薄膜上に感磁部となる
部分を形成するためのレジストパターンを形成した。引
き続いて、H3 PO4 系のエッチング液により不要部分
をエッチングした後、レジストを除去した。次に、ウエ
ーハー全面にプラズマCVD法により、0.2μmのS
iN膜を形成した。該層上にフォトリソグラフィー法に
より、電極となる部分が開口部となっているレジストパ
ターンを形成した。次に反応性イオンエッチングを使っ
て、電極の形成される部分のSiNをエッチングした
後、HCl系のエッチング液により不要な部位にある第
二化合物半導体層を除去し、センサ層を露出させた。さ
らに真空蒸着法により、AuGe(Au:Ge=88:12) 層を2
000Å,Ni層を500Å, Au層を3500Å連続
蒸着し、通常のリフトオフ法により、ホール素子の電極
パターンを形成した。こうして、2インチのウエーハー
上に多数のホール素子を製作した。次に、ダイシングソ
ーにより個々のホール素子に切断した。この製作したホ
ール素子のチップサイズは0.36mm×0.36mm
であった。
【0069】このホール素子チップを、ダイボンドし、
ワイヤーボンドし、ついで、トランスファーモールドを
行い、エポキシ樹脂によるモールドされたホール素子を
製作した。
【0070】膜特性は後出の表1に、素子の特性は表2
に示した。
【0071】表2に示したように、実施例9のホール素
子は定格入力電圧に於いて、500Gの磁束密度を持つ
磁界中で300mVというホール出力電圧を有する。こ
の値は、平均的なGaAsホール素子のホール出力電圧
より約3倍大きい値である。また、ホール出力電圧の温
度特性は実施例5と同じであり100℃以上に於いても
よい温度特性を示した。素子抵抗値の温度依存性も実施
例5と同様であり、温度変化は極めて小さく、抵抗値の
低下も見られなかった。標準的なミニモールド型で樹脂
モールドした素子の、熱放散の係数は2.3mW/℃程
であり、この素子は、100〜150℃という従来不可
能である高温に於いても使用できることが明らかとなっ
た。このように本発明の磁気センサの一つであるホール
素子は、磁界でのホール出力電圧が大きく即ち高感度
で、かつ高温まで使用でき、信頼性も極めて高い。低温
側での使用はー60℃でも問題はなく、広い温度範囲で
信頼性のあることがわかった。
【0072】(比較例) 実施例9と同様にノンドープのAl0.8 In0.2 As
0.7 Sb0.3 を0.3μm成長させた。次にSiドープ
In0.8 Ga0.2 As0.3 Sb0.7 を0.10μm成長
させた。次に、ノンドープのAl0.8 In0.2 As0.7
Sb0.3 を500Å成長させた。このIn0.8 Ga0.2
As0.3 Sb0.7 薄膜の表面モホロジーは悪く、シート
抵抗値も非常に高く、電子移動度は測定できなかった。
ホール素子化は不可能であった。なお、ノンドープのA
0.8 In0.2 As0.7 Sb0.3 とSiドープのIn
0.8 Ga0.2 As0.3 Sb0.7 との格子不整合は6.7
%であった。
【0073】(実施例10)直径2インチのGaAs基
板の表面にMBE法により第一化合物半導体層としてノ
ンドープのAl0.8 In0.2 As0.05Sb0.95を0.3
μm成長させた。次にセンサ層としてSiドープIn
0.8 Ga0.2 As0.5 Sb0.5 を0.10μm成長させ
た。次に、第二化合物半導体層としてノンドープのAl
0.8 In0.2 As0.05Sb0.95を500Å成長させた。
このIn0.8 Ga0.2 As0.5 Sb0.5薄膜の電子移動
度の値は21000cm2 /Vs、シート抵抗値は27
0Ω/□、電子濃度1.10×1017cm-3であった。
【0074】以下、実施例9と同様にしてホール素子を
製作した。
【0075】膜特性は後出の表1に、素子の特性は表2
に示した。
【0076】表2に示したように、実施例10のホール
素子は定格入力電圧に於いて、500Gの磁束密度を持
つ磁界中で310mVというホール出力電圧を有する。
この値は、平均的なGaAsホール素子のホール出力電
圧より約3倍大きい値である。また、ホール出力電圧の
温度特性は実施例5と同じであり100℃以上に於いて
もよい温度特性を示した。素子抵抗値の温度依存性も実
施例5と同様であり、温度変化は極めて小さく、抵抗値
の低下も見られなかった。標準的なミニモールド型で樹
脂モールドした素子の、熱放散の係数は2.3mW/℃
程であり、この素子は、100〜150℃という従来不
可能である高温に於いても使用できることが明らかとな
った。このように本発明の磁気センサの一つであるホー
ル素子は、磁界でのホール出力電圧が大きく即ち高感度
で、かつ高温まで使用でき、信頼性も極めて高い。低温
側での使用はー60℃でも問題はなく、広い温度範囲で
信頼性のあることがわかった。
【0077】(実施例11)直径2インチのGaAs基
板の表面にMBE法により第一化合物半導体層としてノ
ンドープのAl0.4 In0.6 As0.05Sb0.95を0.3
μm成長させた。次にセンサ層としてSiドープIn
0.8 Ga0.2 As0.2 Sb0.8 を0.10μm成長させ
た。次に、第二化合物半導体層としてノンドープのAl
0.4 In0.6 As0.05Sb0.95を500Å成長させた。
このIn0.8 Ga0.2 As0.2 Sb0.8薄膜の電子移動
度の値は21000cm2 /Vs、シート抵抗値は25
0Ω/□、電子濃度1.19×1017cm-3であった。
【0078】以下、実施例9と同様にしてホール素子を
製作した。
【0079】膜特性は後出の表1に、素子の特性は表2
に示した。
【0080】表2に示したように、実施例11のホール
素子は定格入力電圧に於いて、500Gの磁束密度を持
つ磁界中で305mVというホール出力電圧を有する。
この値は、平均的なGaAsホール素子のホール出力電
圧より約3倍大きい値である。また、ホール出力電圧の
温度特性は実施例5と同じであり100℃以上に於いて
もよい温度特性を示した。素子抵抗値の温度依存性も実
施例5と同様であり、温度変化は極めて小さく、抵抗値
の低下も見られなかった。標準的なミニモールド型で樹
脂モールドした素子の、熱放散の係数は2.3mW/℃
程であり、この素子は、100〜150℃という従来不
可能である高温に於いても使用できることが明らかとな
った。このように本発明の磁気センサの一つであるホー
ル素子は、磁界でのホール出力電圧が大きく即ち高感度
で、かつ高温まで使用でき、信頼性も極めて高い。低温
側での使用はー60℃でも問題はなく、広い温度範囲で
信頼性のあることがわかった。
【0081】(実施例12)量子効果を利用したホール
素子を得る目的で、直径2インチのGaAs基板の表面
にMBE法により第一化合物半導体層としてノンドープ
のAl0.8 Ga0.2As0.16Sb0.84を1.0μm成長
させた。次にセンサ層としてノンドープInAsを15
0Å成長させた。次に、第二化合物半導体層としてノン
ドープのAl0.8 Ga0.2 As0.16Sb0.84を500Å
成長させ、さらにキャップ層としてGaAs0.16Sb
0.84を100Å成長させた。このInAs薄膜の電子移
動度の値は15000cm2 /Vs、シート抵抗値は2
00Ω/□、電子濃度1.39×1018cm-3であっ
た。この薄膜は量子井戸を形成していることも確認され
た。
【0082】以下、実施例4と同様にしてホール素子を
製作した。
【0083】膜特性は後出の表3に、素子の特性は表4
に示した。
【0084】表4に示したように、実施例12のホール
素子は定格入力電圧に於いて、500Gの磁束密度を持
つ磁界中で220mVという大きなホール出力電圧を有
する。この値は、平均的なGaAsホール素子のホール
出力電圧の2倍以上の値である。また、ホール出力電圧
の温度特性を図11に示した。定電圧での、ホール出力
電圧の温度変化は100℃以上においても小さく優れた
温度特性を示している。図12に示したように、素子抵
抗値の温度変化は150℃程度まで全く低下することも
なく、優れた温度特性を有していることがわかった。こ
のため定電圧で素子を使用した時に、過電流が流れて不
良となることもなく、高温での信頼性もよい。標準的な
ミニモールド型で樹脂モールドして製作した素子は、熱
放散の係数は2.3mW/℃程であり、この素子は、1
00〜150℃という従来不可能である高温に於いても
使用できることが明らかとなった。また、低温側での使
用は、ー50℃でも問題はなく、広い温度範囲で信頼性
のあることがわかった。このように本発明の磁気センサ
の一つであるホール素子は、磁界でのホール出力電圧が
大きく即ち高感度で、かつ高温まで使用でき、信頼性も
極めて高い。
【0085】
【0086】(実施例13)量子効果を利用したホール
素子を得る目的で、直径2インチのGaAs基板の表面
にMBE法により第一化合物半導体層としてノンドープ
のAl0.8 Ga0.2As0.16Sb0.84を1.0μm成長
させた。次にセンサ層としてノンドープInAsを20
0Å成長させた。次に、第二化合物半導体層としてノン
ドープのAl0.8 Ga0.2 As0.16Sb0.84を500Å
成長させ、さらにキャップ層としてGaAs0.16Sb
0.84を100Å成長させた。このInAs薄膜の電子移
動度の値は15000cm2 /Vs、シート抵抗値は2
15Ω/□、電子濃度0.97×1018cm-3であっ
た。この薄膜は量子井戸を形成していることも確認され
た。
【0087】以下、実施例4と同様にしてホール素子を
製作した。
【0088】膜特性は後出の表3に、素子の特性は表4
に示した。
【0089】表4に示したように、実施例13のホール
素子は定格入力電圧に於いて、500Gの磁束密度を持
つ磁界中で225mVという大きなホール出力電圧を有
する。この値は、平均的なGaAsホール素子のホール
出力電圧の2倍以上の値である。また、ホール出力電圧
の温度変化は実施例12と同様に小さく、また素子抵抗
値の温度変化も実施例12と同様に150℃程度まで全
く低下することもなく、温度依存性に優れていることが
わかった。標準的なミニモールド型で樹脂モールドして
製作した素子は、熱放散の係数は2.3mW/℃程であ
り、この素子は、100〜150℃という従来不可能で
ある高温に於いても使用できることが明らかとなった。
また、低温側での使用はー50℃でも問題はなく、広い
温度範囲で信頼性のあることがわかった。このように本
発明の磁気センサの一つであるホール素子は、磁界での
ホール出力電圧が大きく即ち高感度で、かつ高温まで使
用でき、信頼性も極めて高い。
【0090】(実施例14)量子効果を利用したホール
素子を得る目的で、直径2インチのGaAs基板の表面
にMBE法により第一化合物半導体層としてノンドープ
のAl0.8 Ga0.2As0.16Sb0.84を1.0μm成長
させた。次にセンサ層としてノンドープInAsを30
0Å成長させた。次に、第二化合物半導体層としてノン
ドープのAl0.8 Ga0.2 As0.16Sb0.84を500Å
成長させ、さらにキャップ層としてGaAs0.16Sb
0.84を100Å成長させた。このInAs薄膜の電子移
動度の値は15000cm2 /Vs、シート抵抗値は2
50Ω/□、電子濃度0.56×1018cm-3であっ
た。
【0091】以下、実施例4と同様にしてホール素子を
製作した。
【0092】膜特性は後出の表3に、素子の特性は表4
に示した。
【0093】表4に示したように、実施例14のホール
素子は定格入力電圧に於いて、500Gの磁束密度を持
つ磁界中で210mVという大きなホール出力電圧を有
する。この値は、平均的なGaAsホール素子のホール
出力電圧の2倍以上の値である。また、ホール出力電圧
の温度変化は実施例12と同様の特性を示した。また素
子抵抗値の温度変化も実施例12と同様に150℃を越
えても抵抗値の低下の見られず、耐熱性もきわめてよ
い。この素子は、100〜150℃という従来不可能で
ある高温に於いても使用できることが明らかとなった。
また、低温側での使用はー50℃でも問題はなく、広い
温度範囲で信頼性のあることがわかった。このように本
発明の磁気センサの一つであるホール素子は、磁界での
ホール出力電圧が大きく即ち高感度で、かつ高温まで使
用でき、信頼性も極めて高い。
【0094】(実施例15)量子効果を利用したホール
素子を得る目的で、直径2インチのGaAs基板の表面
にMBE法により第一化合物半導体層としてノンドープ
のAl0.8 Ga0.2As0.16Sb0.84を1.0μm成長
させた。次にセンサ層としてノンドープInAsを10
0Å成長させた。次に、第二化合物半導体層としてノン
ドープのAl0.8 Ga0.2 As0.16Sb0.84を500Å
成長させ、さらにキャップ層としてGaAs0.16Sb
0.84を100Å成長させた。このInAs薄膜の電子移
動度の値は14000cm2 /Vs、シート抵抗値は2
20Ω/□、電子濃度2.03×1018cm-3であっ
た。この薄膜は量子井戸を形成していることも確認され
た。
【0095】以下、実施例4と同様にしてホール素子を
製作した。
【0096】膜特性は後出の表3に、素子の特性は表4
に示した。
【0097】表4に示したように、実施例15のホール
素子は定格入力電圧に於いて、500Gの磁束密度を持
つ磁界中で170mVという大きなホール出力電圧を有
する。この値は、平均的なGaAsホール素子のホール
出力電圧の2倍の値である。また、ホール出力電圧の温
度変化は実施例12と同様であり、100℃以上におい
ても優れた温度特性を示した。また素子抵抗値の温度変
化も実施例12と同様に150℃を越えても抵抗値の低
下の見られず、耐熱性もきわめてよい。この素子は、1
00〜150℃という従来不可能である高温に於いても
使用できることが明らかとなった。また、低温側での使
用はー50℃でも問題はなく、広い温度範囲で信頼性の
あることがわかった。このように本発明の磁気センサの
一つであるホール素子は、磁界でのホール出力電圧が大
きく即ち高感度で、かつ高温まで使用でき、信頼性も極
めて高い。
【0098】(実施例16)量子効果を利用したホール
素子を得る目的で、直径2インチのGaAs基板の表面
にMBE法により第一化合物半導体層としてノンドープ
のAl0.8 Ga0.2As0.23Sb0.77を1.0μm成長
させた。次にセンサ層としてノンドープIn0.9 Ga
0.1 Asを150Å成長させた。次に、第二化合物半導
体層としてノンドープのAl0.8 Ga0.2 As0.23Sb
0.77を500Å成長させ、さらにキャップ層としてGa
As0.23Sb0.77を100Å成長させた。このIn0.9
Ga0.1As薄膜の電子移動度の値は14000cm2
/Vs、シート抵抗値は300Ω/□、電子濃度0.9
9×1018cm-3であった。この薄膜は量子井戸を形成
していることも確認された。
【0099】以下、実施例4と同様にしてホール素子を
製作した。
【0100】膜特性は後出の表3に、素子の特性は表4
に示した。
【0101】表4に示したように、実施例16のホール
素子は定格入力電圧に於いて、500Gの磁束密度を持
つ磁界中で215mVという大きなホール出力電圧を有
する。この値は、平均的なGaAsホール素子のホール
出力電圧の2倍の値である。また、ホール出力電圧の温
度変化は実施例12と同様の特性を示した。さらに素子
抵抗値の温度依存性も実施例12と同様150℃程度ま
で極めて小さく、しかも抵抗値の低下も見られず、優れ
た温度特性を有していることがわかった。このように素
子抵抗値の温度変化は極めて小さい為、標準的なミニモ
ールド型で樹脂モールドして製作した素子は、熱放散の
係数は2.3mW/℃程度であり、従来不可能であった
高温に於いても使用できることが明らかとなった。ま
た、低温側での使用は、ー50℃でも問題はなく、広い
温度範囲で信頼性のあることがわかった。このように本
発明の磁気センサの一つであるホール素子は、磁界での
ホール出力電圧が大きく即ち高感度で、かつ高温まで使
用でき、信頼性も極めて高い。
【0102】(実施例17)量子効果を利用したホール
素子を得る目的で、直径2インチのGaAs基板の表面
にMBE法により第一化合物半導体層としてノンドープ
のAl0.8 Ga0.2As0.32Sb0.68を1.0μm成長
させた。次にセンサ層としてノンドープIn0.8 Ga
0.2 Asを150Å成長させた。次に、第二化合物半導
体層としてノンドープのAl0.8 Ga0.2 As0.32Sb
0.68を500Å成長させ、さらにキャップ層としてGa
As0.32Sb0.68を100Å成長させた。このIn0.8
Ga0.2As薄膜の電子移動度の値は13000cm2
/Vs、シート抵抗値は320Ω/□、電子濃度1.0
0×1018cm-3であった。この薄膜は量子井戸を形成
していることも確認された。
【0103】以下、実施例4と同様にしてホール素子を
製作した。
【0104】膜特性は後出の表3に、素子の特性は表4
に示した。
【0105】表4に示したように、実施例17のホール
素子は定格入力電圧に於いて、500Gの磁束密度を持
つ磁界中で205mVという大きなホール出力電圧を有
する。この値は、平均的なGaAsホール素子のホール
出力電圧の2倍の値である。また、ホール出力電圧の温
度特性を図13に示した。定電圧での、ホール出力電圧
の温度変化は100℃以上においても小さく優れた温度
特性を示している。図14に示したように、素子抵抗値
の温度変化は180℃程度まで全く低下することもな
く、優れた温度特性を有していることがわかった。標準
的なミニモールド型で樹脂モールドして製作した素子
は、熱放散の係数は2.3mW/℃程であり、この素子
は、100〜180℃という従来不可能である高温に於
いても使用できることが明らかとなった。また、低温側
での使用は、ー60℃でも問題はなく、広い温度範囲で
信頼性のあることがわかった。このように本発明の磁気
センサの一つであるホール素子は、磁界でのホール出力
電圧が大きく即ち高感度で、かつ高温まで使用でき、信
頼性も極めて高い。
【0106】
【0107】(実施例18)量子効果を利用したホール
素子を得る目的で、直径2インチのGaAs基板の表面
にMBE法により第一化合物半導体層としてノンドープ
のAl0.8 Ga0.2As0.45Sb0.55を1.0μm成長
させた。次にセンサ層としてノンドープIn0.65Ga
0.35Asを150Å成長させた。次に、第二化合物半導
体層としてノンドープのAl0.8 Ga0.2 As0.45Sb
0.55を500Å成長させ、さらにキャップ層としてGa
As0.45Sb0.55を100Å成長させた。このIn0.65
Ga0.35As薄膜の電子移動度の値は14000cm2
/Vs、シート抵抗値は360Ω/□、電子濃度0.8
3×1018cm-3であった。この薄膜は量子井戸を形成
していることも確認された。
【0108】以下、実施例4と同様にしてホール素子を
製作した。
【0109】膜特性は後出の表3に、素子の特性は表4
に示した。
【0110】表4に示したように、実施例18のホール
素子は定格入力電圧に於いて、500Gの磁束密度を持
つ磁界中で205mVという大きなホール出力電圧を有
する。この値は、平均的なGaAsホール素子のホール
出力電圧の2倍の値である。また、定電圧での、ホール
出力電圧の温度変化は100℃以上においても小さく優
れた温度特性を示している。また、素子抵抗値の温度変
化も180℃程度まで全く低下することもなく、優れた
温度特性を有していることがわかった。標準的なミニモ
ールド型で樹脂モールドして製作した素子は、熱放散の
係数は2.3mW/℃程であり、この素子は、100〜
180℃という従来不可能である高温に於いても使用で
きることが明らかとなった。また、低温側での使用は、
ー60℃でも問題はなく、広い温度範囲で信頼性のある
ことがわかった。このように本発明の磁気センサの一つ
であるホール素子は、磁界でのホール出力電圧が大きく
即ち高感度で、かつ高温まで使用でき、信頼性も極めて
高い。
【0111】(実施例19)直径2インチのGaAs基
板の表面にMBE法により第一化合物半導体層としてノ
ンドープのAl0.8 Ga0.2 As0.75Sb0.25を1.0
μm成長させた。次にセンサ層としてノンドープIn
0.3 Ga0.7 Asを150Å成長させた。次に、第二化
合物半導体層としてノンドープのAl0.8 Ga0.2 As
0.75Sb0.25を500Å成長させ、さらにキャップ層と
してGaAs0.75Sb0.25を100Å成長させた。この
In0.3 Ga0.7 As薄膜の電子移動度の値は1000
0cm2/Vs、シート抵抗値は400Ω/□、電子濃
度1.04×1018cm-3であった。この薄膜は量子井
戸を形成していることも確認された。
【0112】以下、実施例4と同様にしてホール素子を
製作した。
【0113】膜特性は後出の表3に、素子の特性は表4
に示した。
【0114】表4に示したように、実施例19のホール
素子は定格入力電圧に於いて、500Gの磁束密度を持
つ磁界中で150mVという大きなホール出力電圧を有
する。この値は、平均的なGaAsホール素子のホール
出力電圧の1.5倍以上の値である。また、定電圧で
の、ホール出力電圧の温度変化は100℃以上において
も小さく優れた温度特性を示している。また、素子抵抗
値の温度変化も180℃程度まで全く低下することもな
く、優れた温度特性を有していることがわかった。標準
的なミニモールド型で樹脂モールドして製作した素子
は、熱放散の係数は2.3mW/℃程であり、この素子
は、100〜180℃という従来不可能である高温に於
いても使用できることが明らかとなった。また、低温側
での使用は、ー60℃でも問題はなく、広い温度範囲で
信頼性のあることがわかった。このように本発明の磁気
センサの一つであるホール素子は、磁界でのホール出力
電圧が大きく即ち高感度で、かつ高温まで使用でき、信
頼性も極めて高い。
【0115】(実施例20)直径2インチのGaAs基
板の表面にMBE法により第一化合物半導体層としてノ
ンドープのAl0.8 In0.2 As0.3 Sb0.7 を1.0
μm成長させた。次にセンサ層としてノンドープIn
0.8 Ga0.2 As0.8 Sb0.2 を150Å成長させた。
次に、第二化合物半導体層としてノンドープのAl0.8
In0.2 As0.3 Sb0.7 を500Å成長させた。この
In0.8 Ga0.2 As0.8 Sb0.2 薄膜の電子移動度の
値は15000cm2 /Vs、シート抵抗値は300Ω
/□、電子濃度0.93×1018cm-3であった。この
薄膜は量子井戸を形成していることも確認された。
【0116】以下、実施例9と同様にしてホール素子を
製作した。
【0117】膜特性は後出の表3に、素子の特性は表4
に示した。
【0118】表4に示したように、実施例20のホール
素子は定格入力電圧に於いて、500Gの磁束密度を持
つ磁界中で210mVという大きなホール出力電圧を有
する。この値は、平均的なGaAsホール素子のホール
出力電圧の2倍以上の値である。また、ホール出力電圧
の温度変化は実施例17と同様に小さく、また素子抵抗
値の温度変化も実施例17と同様に180℃程度まで全
く低下することもなく、温度依存性に優れていることが
わかった。標準的なミニモールド型で樹脂モールドして
製作した素子は、熱放散の係数は2.3mW/℃程であ
り、この素子は、100〜180℃という従来不可能で
ある高温に於いても使用できることが明らかとなった。
また、低温側での使用はー60℃でも問題はなく、広い
温度範囲で信頼性のあることがわかった。このように本
発明の磁気センサの一つであるホール素子は、磁界での
ホール出力電圧が大きく即ち高感度で、かつ高温まで使
用でき、信頼性も極めて高い。
【0119】
【0120】(実施例21)直径2インチのGaAs基
板の表面にMBE法により第一化合物半導体層としてノ
ンドープのAl0.8 In0.2 As0.05Sb0.95を1.0
μm成長させた。次にセンサ層としてノンドープIn
0.8 Ga0.2 As0.5 Sb0.5 を150Å成長させた。
次に、第二化合物半導体層としてノンドープのAl0.8
In0.2 As0.05Sb0.95を500Å成長成長させた。
このIn0.8 Ga0.2 As0.5 Sb0.5薄膜の電子移
動度の値は15000cm /Vs、シート抵抗値は
290Ω/□、電子濃度0.96×1018cm-3であっ
た。この薄膜は量子井戸を形成していることも確認され
た。
【0121】以下、実施例9と同様にしてホール素子を
製作した。
【0122】膜特性は後出の表3に、素子の特性は表4
に示した。
【0123】表4に示したように、実施例21のホール
素子は定格入力電圧に於いて、500Gの磁束密度を持
つ磁界中で215mVという大きなホール出力電圧を有
する。この値は、平均的なGaAsホール素子のホール
出力電圧の2倍以上の値である。また、ホール出力電圧
の温度変化は実施例17と同様に小さく、また素子抵抗
値の温度変化も実施例17と同様に180℃程度まで全
く低下することもなく、温度依存性に優れていることが
わかった。標準的なミニモールド型で樹脂モールドして
製作した素子は、熱放散の係数は2.3mW/℃程であ
り、この素子は、100〜180℃という従来不可能で
ある高温に於いても使用できることが明らかとなった。
また、低温側での使用はー60℃でも問題はなく、広い
温度範囲で信頼性のあることがわかった。このように本
発明の磁気センサの一つであるホール素子は、磁界での
ホール出力電圧が大きく即ち高感度で、かつ高温まで使
用でき、信頼性も極めて高い。
【0124】(実施例22)直径2インチのGaAs基
板の表面にMBE法により第一化合物半導体層としてノ
ンドープのAl0.4 In0.6 As0.05Sb0.95を1,0
μm成長させた。次にセンサ層としてノンドープIn
0.8 Ga0.2 As0.2 Sb0.8 を150Å成長させた。
次に、第二化合物半導体層としてノンドープのAl0.4
In0.6 As0.05Sb0.95を500Å成長成長させた。
このIn0.8 Ga0.2 As0.2 Sb0.8薄膜の電子移動
度の値は16000cm2 /Vs、シート抵抗値は27
0Ω/□、電子濃度0.96×1018cm-3であった。
この薄膜は量子井戸を形成していることも確認された。
【0125】以下、実施例9と同様にしてホール素子を
製作した。
【0126】膜特性は後出の表3に、素子の特性は表4
に示した。
【0127】表4に示したように、実施例22のホール
素子は定格入力電圧に於いて、500Gの磁束密度を持
つ磁界中で230mVという大きなホール出力電圧を有
する。この値は、平均的なGaAsホール素子のホール
出力電圧の2倍以上の値である。また、ホール出力電圧
の温度変化は実施例17と同様に小さく、また素子抵抗
値の温度変化も実施例17と同様に180℃程度まで全
く低下することもなく、温度依存性に優れていることが
わかった。標準的なミニモールド型で樹脂モールドして
製作した素子は、熱放散の係数は2.3mW/℃程であ
り、この素子は、100〜180℃という従来不可能で
ある高温に於いても使用できることが明らかとなった。
また、低温側での使用はー60℃でも問題はなく、広い
温度範囲で信頼性のあることがわかった。このように本
発明の磁気センサの一つであるホール素子は、磁界での
ホール出力電圧が大きく即ち高感度で、かつ高温まで使
用でき、信頼性も極めて高い。
【0128】(実施例23)直径2インチのGaAs基
板の表面にMBE法により第一化合物半導体層としてノ
ンドープのAl0.8 Ga0.2 As0.16Sb0.84を1.0
μm成長させた。次にSbのみを照射し、1原子層だけ
成長させた。次に、Sbの照射をやめると同時にInの
みを1原子層だけ照射した。引き続いてAsを照射し、
センサ層としてノンドープInAsを150Å成長させ
た。次に、再びInのみを1原子層だけ照射し、Inの
照射をやめると同時にSbのみを照射した。Sbを1原
子層形成後、第二化合物半導体層としてノンドープのA
0.8 Ga0.2 As0.16Sb0.84を500Å成長させ、
さらにキャップ層としてGaAs0.16Sb0.84を100
Å成長させた。このInAs薄膜の電子移動度の値は2
1000cm2 /Vs、シート抵抗値は205Ω/□、
電子濃度0.97×1018cm-3であった。InAs層
とAl0.8 Ga0.2 As0.16Sb0.84層の界面にInー
Sbの結合種を形成することによって電子移動度は大幅
に向上した。
【0129】以下、実施例4と同様にしてホール素子を
製作した。
【0130】膜特性は後出の表3に、素子の特性は表4
に示した。
【0131】表4に示したように、実施例23のホール
素子は定格入力電圧に於いて、500Gの磁束密度を持
つ磁界中で260mVという大きなホール出力電圧を有
する。この値は、平均的なGaAsホール素子のホール
出力電圧の3倍以上の値である。また、ホール出力電圧
の温度特性は実施例12と同様であり、100℃以上に
おいてもよい温度特性を示した。また素子抵抗値の温度
変化も実施例12と同様に150℃程度まで全く低下す
ることもなく、温度依存性に優れていることがわかっ
た。標準的なミニモールド型で樹脂モールドして製作し
た素子は、熱放散の係数は2.3mW/℃程であり、こ
の素子は、100〜150℃という従来不可能である高
温に於いても使用できることが明らかとなった。また、
低温側での使用はー50℃でも問題はなく、広い温度範
囲で信頼性のあることがわかった。このように本発明の
磁気センサの一つであるホール素子は、磁界でのホール
出力電圧が大きく即ち高感度で、かつ高温まで使用で
き、信頼性も極めて高い。
【0132】(実施例24)直径2インチのGaAs基
板の表面にMBE法により第一化合物半導体層としてノ
ンドープのAl0.8 Ga0.2 As0.32Sb0.68を1.0
μm成長させた。次にSbのみを照射し、1原子層だけ
成長させた。次に、Sbの照射をやめると同時にInの
みを1原子層だけ照射した。引き続いてAsとGaを照
射し、センサ層としてノンドープIn0.8 Ga0.2 As
を150Å成長させた。次に、再びInのみを1原子層
だけ照射し、Inの照射をやめると同時にSbのみを照
射した。Sbを1原子層形成後、第二化合物半導体層と
してノンドープのAl0.8 Ga 0.2 As0.32Sb0.68
500Å成長させ、さらにキャップ層としてGaAs
0.32Sb0.68を100Å成長させた。このIn0.8 Ga
0.2 As薄膜の電子移動度の値は16000cm2 /V
s、シート抵抗値は300Ω/□、電子濃度0.87×
1018cm-3であった。In0.8 Ga0.2 As層とAl
0.8 Ga02 As0.32Sb0.68層の界面にInーSbの
結合種を形成することによって電子移動度は大幅に向上
した。
【0133】以下、実施例4と同様にしてホール素子を
製作した。
【0134】膜特性は後出の表3に、素子の特性は表4
に示した。
【0135】表4に示したように、実施例24のホール
素子は定格入力電圧に於いて、500Gの磁束密度を持
つ磁界中で225mVという大きなホール出力電圧を有
する。この値は、平均的なGaAsホール素子のホール
出力電圧の2倍以上の値である。また、ホール出力電圧
の温度特性は実施例17と同様であり、100℃以上に
おいてもよい温度特性を示した。また素子抵抗値の温度
変化も実施例17と同様に180℃程度まで全く低下す
ることもなく、温度依存性に優れていることがわかっ
た。標準的なミニモールド型で樹脂モールドして製作し
た素子は、熱放散の係数は2.3mW/℃程であり、こ
の素子は、100〜180℃という従来不可能である高
温に於いても使用できることが明らかとなった。また、
低温側での使用はー60℃でも問題はなく、広い温度範
囲で信頼性のあることがわかった。このように本発明の
磁気センサの一つであるホール素子は、磁界でのホール
出力電圧が大きく即ち高感度で、かつ高温まで使用で
き、信頼性も極めて高い。
【0136】以上、これまでの結果をまとめると表1〜
表4のようになる。表2および表4中で温度特性を示す
ランクAは温度特性が非常に優れ、高温においても素子
抵抗値の低下は全く見られない。ランクBは温度特性は
優れているが、高温において若干の素子抵抗値の低下が
見られるが実用上支障のないものであることを表してい
る。
【0137】
【表1】
【0138】
【表2】
【0139】
【表3】
【0140】
【表4】
【0141】以上、本発明を実施例によって述べたが、
本発明はこれらに限定されるものではなく、さらに、本
発明に基づいた多くの例があり、多様な応用が可能であ
り、これらはすべて本発明の範囲である。
【0142】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明によれば、A
l,Ga,In,AsおよびPからなる群より選択され
るSbを含む3元素以上の高抵抗の第一化合物半導体層
を、この層の上に形成されたセンサ層との関係で所定の
格子定数およびバンドギャップエネルギーを有するもの
としたことにより、磁気センサとして、従来にない、高
感度、高出力の磁気センサを得ることができる。また、
本発明において用いられる薄膜形成や素子形成プロセス
は、大量生産が可能であり、工学的に有益な技術であ
る。さらに、例えば、結晶性のよいInx Ga1-x As
y Sb1-y(0< X≦1.0, 0≦y ≦1.0)薄膜層を感磁部とし
たものでは、磁気センサ出力や素子抵抗値の温度依存性
も小さく、また素子抵抗値が高温まで低下しないため、
耐熱性、耐圧も大きく、使用できる温度範囲も広く信頼
性も高い。このため、従来できなかった広い応用が可能
であり、産業上の有用性は計り知れない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気センサの基本となる実施例とし
て、ホール素子の構造を示す断面図および上面図であ
る。
【図2】第二の化合物半導体層を有する本発明の他の実
施例を示す断面図である。
【図3】第一、及び、第二の化合物半導体層から電子を
供給する構造を有する実施例を示す断面図である。
【図4】InAs層と第一化合物半導体層の界面結合種
を拡大した模式図である。
【図5】本発明の磁気センサの1例である磁気抵抗素子
の例を示す断面図および上面図である。
【図6】本発明の磁気センサの1例であるホール素子と
IC回路の形成されたSiICのチップとが同一パッケ
イジ内にモールドされた本発明のハイブリッド磁気セン
サの例を示す模式的断面図である。
【図7】本発明の実施例1におけるホール出力電圧の温
度特性を示す特性図である。
【図8】本発明の実施例1における素子抵抗値の温度変
化を示す特性図である。
【図9】本発明の実施例5におけるホール出力電圧の温
度特性を示す特性図である。
【図10】本発明の実施例5における素子抵抗値の温度
変化を示した図である。
【図11】本発明の実施例12におけるホール出力電圧
の温度特性を示す特性図である。
【図12】本発明の実施例12における素子抵抗値の温
度変化を示す特性図である。
【図13】本発明の実施例17におけるホール出力電圧
の温度特性を示す特性図である。
【図14】本発明の実施例17における素子抵抗値の温
度変化を示す特性図である。
【符号の説明】
1 基板 2 第一化合物半導体層 3 センサ層 4 オーム性の電極 5 ボンディングのための電極 6 第二化合物半導体層 7 ドナー不純物 8 パッシベーション層 9 ドナー不純物 10 ショートバー電極 11 磁気センサチップ 12 SiICチップ 13 アイランド部 14 リード 15 ワイヤ 16 モールド樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩渕 達郎 静岡県富士市鮫島2番地の1 旭化成工 業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−194576(JP,A) 特開 平2−226778(JP,A) 特公 平2−61150(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 43/06 H01L 43/08

Claims (28)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、該基板上のAl,Ga,In,
    AsおよびPからなる群より選択されるSbを含む3元
    素以上の高抵抗の第一化合物半導体層と、該層の上に形
    成されたセンサ層としてのInAs薄膜層と、該InA
    s薄膜層の上に形成された電極からなる磁気センサであ
    って、該第一化合物半導体がInAs格子定数の±5
    %以内の格子定数を有し、かつ、InAsより大きなバ
    ンドギャップエネルギーを有していることを特徴とする
    磁気センサ。
  2. 【請求項2】 基板と、該基板上のAl,Ga,In,
    AsおよびPからなる群より選択されるSbを含む3元
    素以上の高抵抗の第一化合物半導体層と、該層の上に形
    成されたセンサ層としてのInx Ga1-x As(0<x <
    1.0)薄膜層と、該Inx Ga1-x As薄膜層の上に形成
    された電極から成る磁気センサであって、該第一化合物
    半導体がInx Ga1-x As格子定数の±5%以内の
    格子定数を有し、かつ、Inx Ga1-x Asより大きな
    バンドギャップエネルギーを有していることを特徴とす
    る磁気センサ。
  3. 【請求項3】 基板と、該基板上のAl,Ga,In,
    AsおよびPからなる群より選択されるSbを含む3元
    素以上の高抵抗の第一化合物半導体層と、該層の上に形
    成されたセンサ層としてのInx Ga1-x Asy Sb
    1-y(0 <x ≦1.0, 0≦y <1.0)薄膜層と、該Inx Ga
    1-x Asy Sb1-y 薄膜層の上に形成された電極からな
    る磁気センサであって、該第一化合物半導体がInx
    1-x Asy Sb1-y 格子定数の±5%以内の格子定
    数を有し、かつ、Inx Ga1-xAsy Sb1-y より大
    きなバンドギャップエネルギーを有していることを特徴
    とする磁気センサ。
  4. 【請求項4】 前記センサ層が50nm以下の膜厚を有
    することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの項
    に記載の磁気センサ。
  5. 【請求項5】 前記センサ層の電子濃度が、5×1016
    〜8×1018/cm3の範囲であることを特徴とする請求
    1ないし4のいずれかの項に記載の磁気センサ。
  6. 【請求項6】 前記第一化合物半導体層はAl a1 Ga
    1-a1 Sb(0<a 1 <1),AlAs c1 Sb 1-c1 (0<
    1 ≦0.6),GaAs c1 Sb 1-c1 (0<c 1 ≦0.
    6)およびAl a1 Ga 1-a1 As c1 Sb 1-c1 (0<a 1
    1,0<c 1 ≦0.6)からなる群より選択される化合
    物半導体を含むことを特徴とする請求項1ないし5のい
    ずれかの項に記載の磁気センサ。
  7. 【請求項7】 前記第一化合物半導体層にドナー不純物
    がドープされていることを特徴とする請求項1ないし6
    のいずれかの項に記載の磁気センサ。
  8. 【請求項8】 前記センサ層にドナー不純物がドープさ
    れていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか
    記載の磁気センサ。
  9. 【請求項9】 前記ドナー不純物が、Si、S、Ge、
    Seのいずれかであることを特徴とする請求項7または
    8に記載の磁気センサ。
  10. 【請求項10】 前記センサ層としてのInAs層の上
    面に、高抵抗の第二化合物半導体層が形成され、該第二
    化合物半導体が、前記センサ層としてのInAs格子
    定数の±5%以内の格子定数を有し、かつ、InAsよ
    り大きなバンドギャップエネルギーを有していることを
    特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
  11. 【請求項11】 前記センサ層としてのInx Ga1-x
    As層の上面に、高抵抗の第二化合物半導体層が形成さ
    れていて、該第二化合物半導体が、前記センサ層として
    Inx Ga1-x As格子定数の±5%以内の格子定
    数を有し、かつ、Inx Ga1-x Asより大きなバンド
    ギャップエネルギーを有していることを特徴とする請求
    項2記載の磁気センサ。
  12. 【請求項12】 前記センサ層としてのInx Ga1-x
    Asy Sb1-y 層の上面に、高抵抗の第二化合物半導体
    層が形成され、該第二化合物半導体が、前記センサ層と
    してのInx Ga1-x Asy Sb1-y 格子定数の±5
    %以内の格子定数を有し、かつ、Inx Ga1-x Asy
    Sb1-y より大きなバンドギャップエネルギーを有して
    いることを特徴とする請求項3記載の磁気センサ。
  13. 【請求項13】 前記センサ層が50nm以下の膜厚を
    有することを特徴とする請求項10ないし12のいずれ
    かの項に記載の磁気センサ。
  14. 【請求項14】 前記センサ層の電子濃度が、5×10
    16〜8×1018/cm3 の範囲であることを特徴とする請
    求項10ないし13のいずれかの項に記載の磁気セン
    サ。
  15. 【請求項15】 前記第二化合物半導体層にAla1Ga
    1-a1Asc1Sb1-c1層(0≦a1≦1.0, 0≦c1
    ≦0.6)を利用したことを特徴とする請求項10ない
    し14のいずれかの項に記載の磁気センサ。
  16. 【請求項16】 前記第一化合物半導体層、及び前記第
    二化合物半導体層の両方、もしくはいずれか一方にドナ
    ー不純物がドープされていることを特徴とする請求項
    ないし15のいずれかの項に記載の磁気センサ。
  17. 【請求項17】 前記センサ層にドナー不純物がドープ
    されていることを特徴とする請求項10ないし16のい
    ずれかに記載の磁気センサ。
  18. 【請求項18】 前記ドナー不純物が、Si、S、G
    e、Seのいずれかであることを特徴とする請求項16
    または17に記載の磁気センサ。
  19. 【請求項19】 前記磁気センサがホール素子であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし18のいずれかの項に記
    載の磁気センサ。
  20. 【請求項20】 前記磁気センサが磁気抵抗素子である
    ことを特徴とする請求項1ないし18のいずれかに記載
    の磁気センサ。
  21. 【請求項21】 基板の上にセンサ層となるInAs
    格子定数の±5%以内の格子定数を有しかつInAsよ
    り大きいバンドギャップエネルギーを持ちAl,Ga,
    In,AsおよびPからなる群より選択されるSbを含
    む3元素以上の高抵抗の第一化合物半導体層を形成する
    工程と、該層の上にセンサ層としてのInAs層を形成
    する工程と、該InAs層を加工する工程と、該InA
    s層の上に複数のオーム性電極を形成する工程を有する
    ことを特徴とする磁気センサの製造方法。
  22. 【請求項22】 基板の上にセンサ層となるInx Ga
    1-x As格子定数の±5%以内の格子定数を有しかつ
    Inx Ga1-x Asより大きいバンドギャップエネルギ
    ーを持ちAl,Ga,In,AsおよびPからなる群よ
    り選択されるSbを含む3元素以上の高抵抗の第一化合
    物半導体層を形成する工程と、該層の上にセンサ層とし
    てのInx Ga1-x As(0<x <1.0)層を形成する工程
    と、該Inx Ga1-x As層を加工する工程と、該In
    x Ga1-x As層の上に複数のオーム性電極を形成する
    工程を有することを特徴とする磁気センサの製造方法。
  23. 【請求項23】 基板の上にセンサ層となるInx Ga
    1-x Asy Sb1-y 格子定数の±5%以内の格子定数
    を有しかつInx Ga1-x Asy Sb1-y より大きいバ
    ンドギャップエネルギーを持ちAl,Ga,In,As
    およびPからなる群より選択されるSbを含む3元素以
    上の高抵抗の第一化合物半導体層を形成する工程と、該
    層の上にセンサ層としてのInx Ga1-x Asy Sb
    1-y(0 <x ≦1.0 , 0 ≦y <1.0)層を形成する工程と、
    該Inx Ga1-x Asy Sb1-y層を加工する工程と、
    該Inx Ga1-x Asy Sb1-y 層の上に複数のオーム
    性電極を形成する工程を有することを特徴とする磁気セ
    ンサの製造方法。
  24. 【請求項24】 前記センサ層の上面に該センサ
    子定数の±5%以内の格子定数を有しかつ前記センサ
    より大きいバンドギャップエネルギーを持つ高抵抗の第
    二化合物半導体層を形成する工程を有する事を特徴とす
    る請求項21ないし23のいずれかの項に記載の磁気セ
    ンサの製造方法。
  25. 【請求項25】 基板と、該基板の上に形成された
    l,Ga,In,AsおよびPからなる群より選択され
    るSbを含む3元素以上の高抵抗の第一化合物半導体層
    と該層の上に形成されたセンサ層としてのInAs薄膜
    層と該InAs薄膜層の上に形成された電極とからなる
    磁気センサであって、該第一化合物半導体がInAs
    格子定数の±5%以内の格子定数を有し、かつ、InA
    sより大きいバンドギャップエネルギーを持つ磁気セン
    サと、増幅回路を備えたSiIC(シリコンモノリシッ
    ク集積回路)チップとが同一パッケイジ内でモールドさ
    れていることを特徴とするハイブリッド磁気センサ。
  26. 【請求項26】 基板と、該基板の上に形成された
    l,Ga,In,AsおよびPからなる群より選択され
    るSbを含む3元素以上の高抵抗の第一化合物半導体層
    と該層の上に形成されたセンサ層としてのInx Ga
    1-x As(0<x<1.0)薄膜層と該Inx Ga1-x
    As薄膜層の上に形成された電極とからなる磁気センサ
    であって、該第一化合物半導体がInx Ga1-x As
    格子定数の±5%以内の格子定数を有し、かつ、Inx
    Ga1-x Asより大きいバンドギャップエネルギーを持
    つ磁気センサと、増幅回路を備えたSiIC(シリコン
    モノリシック集積回路)チップとが同一パッケイジ内で
    モールドされていることを特徴とするハイブリッド磁気
    センサ。
  27. 【請求項27】 基板と、該基板の上に形成された
    l,Ga,In,AsおよびPからなる群より選択され
    るSbを含む3元素以上の高抵抗の第一化合物半導体層
    と該層の上に形成されたセンサ層としてのInx Ga
    1-x Asy Sb1-y (0<x≦1.0,0≦y<1.
    0)薄膜層と該Inx Ga1-x Asy Sb1-y 薄膜層の
    上に形成された電極とからなる磁気センサであって、該
    第一化合物半導体がInx Ga1-x Asy Sb1-y
    子定数の±5%以内の格子定数を有し、かつ、Inx
    1-x Asy Sb1-y より大きいバンドギャップエネル
    ギーを持つ磁気センサと、増幅回路を備えたSiIC
    (シリコンモノリシック集積回路)チップとが同一パッ
    ケイジ内でモールドされていることを特徴とするハイブ
    リッド磁気センサ。
  28. 【請求項28】 前記センサ層の上面に第二化合物半導
    体層が形成され、該第二化合物半導体層が前記センサ
    格子定数の±5%以内の格子定数を有し、かつ、前記
    センサ層より大きいバンドギャップエネルギーを持つこ
    とを特徴とする請求項25ないし27のいずれかの項に
    記載のハイブリッド磁気センサ。
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