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JP2788614B2 - クレーンのブーム起伏制御方法及び装置 - Google Patents

クレーンのブーム起伏制御方法及び装置

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Publication number
JP2788614B2
JP2788614B2 JP10088495A JP10088495A JP2788614B2 JP 2788614 B2 JP2788614 B2 JP 2788614B2 JP 10088495 A JP10088495 A JP 10088495A JP 10088495 A JP10088495 A JP 10088495A JP 2788614 B2 JP2788614 B2 JP 2788614B2
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boom
speed
deceleration
crane
load factor
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JP10088495A
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宰一 錦野
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クレーンにおけるブー
ムの起伏駆動を制御する方法及び装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、ブームが起伏駆動されるクレー
ンでは、転倒防止や機械の破損を防止すべく、クレーン
の能力に見合った定格総荷重が設定されている。この定
格総荷重は、作業半径が増大するにつれて低くなるの
で、この定格総荷重に対する実荷重の比率(負荷率)は
ブームの起伏に伴って変化することとなる。従って、ブ
ームの起伏操作時には、上記負荷率を監視しておき、こ
の負荷率が上限値(例えば100 %)を超える前にブーム
の起伏駆動を停止させることが重要であるが、このよう
な負荷率の監視をオペレータが常時行うとなるとその負
担が非常に大きくなる。そこで、このようなクレーンで
は、ブームの駆動中、上記負荷率が上記上限値に達した
時点でブームを自動停止させる制御装置が設けられるの
が一般的である。
【0003】ところで、このような自動停止を行う場合
には、安全上、停止前にブーム起伏速度を十分に下げて
おくことが望ましい。そこで、ブームの起伏停止前に減
速を行う制御装置として、例えば実開平5−69069
号マイクロフィルムには、負荷率ηについて予め上記上
限値よりも低い第1の値η1を設定するとともに、上記
負荷率ηと実際のポンプ吐出量Qとについて図7のグラ
フに示すような関係を設定しておき、この関係に基づい
て、上記負荷率ηの変化に応じてポンプ吐出量Qを変化
させるようにしたものが開示されている。
【0004】この装置によれば、負荷率ηが増加するブ
ーム倒伏時、この負荷率ηがまず第1の負荷率η1に達
した時点からポンプ吐出量Qが減らされ始め(すなわち
減速が開始され)、負荷率が 100 %に達した時点で、
ポンプ吐出量Qが最低値まで下げられるとともにコント
ロールバルブが中立位置に戻されてウインチ駆動が強制
停止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記装置では、減速開
始用の第1の値η1がブームの起伏駆動状態にかかわら
ず一定であり、どんな場合でも、負荷率ηが第1の値η
1に達すると必ず減速が開始される。従って、ブーム倒
伏速度が十分低くてまだ減速の必要がない場合にも、負
荷率ηが上記第1の値η1に達した時点から減速が開始
されることになる。しかも、ブームの起伏方向について
は考慮されていないので、例えば上記負荷率ηが 100%
である停止状態からブームを起立方向に駆動する場合、
この起立方向の駆動は安全でその速度を制限する必要が
ないにもかかわらず、上記負荷率ηが第1の値η1に下
がるまでは少しずつしか起立速度が増速されないことに
なる。
【0006】このような制御が実行されると、オペレー
タに違和感を与えるだけでなく、起伏速度が必要以上に
制限されるために作業効率が著しく低下する不都合があ
る。
【0007】本発明は、このような事情に鑑み、オペレ
ータに違和感を与えることなく、また、作業能率を低下
させることなく、安全なブーム起伏駆動の停止を保証で
きるクレーンのブーム起伏制御方法及び装置を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は、クレーンの負荷率を検出し、
この検出負荷率が予め設定された停止負荷率に合致した
時点でブームの起伏駆動を停止させるクレーンのブーム
起伏制御方法において、上記ブームの起伏方向を判別
し、その方向が倒伏方向である場合に倒伏速度に相当す
る値が高いほど低い減速開始負荷率を演算し、上記検出
負荷率が上記減速開始負荷率に合致した時点からブーム
倒伏の減速を開始するものである(請求項1)。
【0009】この方法では、ブーム倒伏減速中にこの減
速を目的として演算した目標倒伏速度が外部から入力さ
れる指令倒伏速度を上回る場合にはこの入力される指令
倒伏速度を目標倒伏速度に設定することにより、後述の
ようなより優れた効果が得られる(請求項2)。
【0010】また本発明は、クレーンの負荷率を検出す
る負荷率検出手段を備え、この検出負荷率が予め設定さ
れた停止負荷率に合致した時点でブームの起伏駆動を停
止させるクレーンのブーム起伏制御装置において、上記
ブームが倒伏方向に駆動されている場合にその倒伏速度
に相当する値が高いほど低い減速開始負荷率を演算する
第1演算手段と、検出負荷率が上記減速開始負荷率に合
致した時点からウインチを減速させるための目標倒伏速
度を演算する第2演算手段と、この第2演算手段で演算
された目標倒伏速度に基づいて上記ブームの倒伏を制御
する減速制御手段とを備えたものである(請求項3)。
【0011】この装置では、外部から入力される指令倒
伏速度に基づいて上記減速開始負荷率を演算するように
上記第1演算手段を構成してもよい(請求項4)。
【0012】また、ブーム倒伏減速中に上記第2演算手
段により演算された目標倒伏速度が外部から入力される
指令倒伏速度を上回る場合にはこの入力される指令倒伏
速度を目標倒伏速度としてウインチ駆動を制御するよう
に上記減速制御手段を構成することにより、後述のよう
なより優れた効果が得られる(請求項5)。
【0013】上記減速制御の具体的な手段としては、上
記ブームを起伏駆動する油圧アクチュエータと、この油
圧アクチュエータに作動油を供給する油圧源と、この油
圧源と上記油圧アクチュエータとの間に設けられ、スプ
ールの作動により上記油圧源から油圧アクチュエータへ
の作動油の供給流量を変化させるコントロールバルブと
を備えるとともに、上記目標倒伏速度に応じて上記スプ
ールを作動させるように上記減速制御手段を構成したも
のが、好適である(請求項6)。
【0014】
【作用】請求項1,3記載の方法及び装置では、まずブ
ームの起伏方向が判別され、この方向がブーム倒伏方向
である場合に、検出負荷率が減速開始負荷率に到達した
時点からブーム倒伏の減速が開始され、ブーム倒伏速度
は最終的に微小速度まで落される。そして、実際の負荷
率が停止負荷率に到達した時点で倒伏駆動が停止され
る。ここで、上記減速開始負荷率は、ブームの倒伏速度
に相当する値(請求項4では外部から入力された指令倒
伏速度)が高いほど低い値に設定されるため、上記倒伏
速度が大きい場合、すなわちブーム停止までの制動に長
い時間を要する場合には、比較的早い時点から上記減速
が開始され、逆に上記倒伏速度が小さい場合、すなわち
短時間で停止までの制動ができる場合には、比較的遅い
時点まで上記減速が開始されずに通常の駆動制御が続け
られることになる。
【0015】請求項2,5記載の方法及び装置では、ブ
ーム倒伏減速中、上記第2演算手段により演算された目
標倒伏速度と外部から入力される指令倒伏速度とが比較
され、前者が後者を上回る場合には、指令倒伏速度が目
標倒伏速度として設定され、これに基づいてウインチ駆
動が制御される。
【0016】請求項6記載の装置では、ウインチ駆動用
油圧アクチュエータと油圧源との間に設けられたコント
ロールバルブにおけるスプールの作動により、油圧アク
チュエータへの作動油の供給流量が調節され、これによ
りブームの倒伏速度が制御される。
【0017】
【実施例】本発明の第1実施例を図1〜図4に基づいて
説明する。
【0018】図1において、クレーン本体1には、ブー
ムピン2を中心としてブーム3が起伏可能に取付けられ
るとともに、荷吊り用のウインチドラム4A及びブーム
起伏用のウインチドラム4Bが搭載されている。
【0019】ウインチドラム4Aから引き出されたロー
プ6Aはブームヘッドのシーブ7に掛けられ、このロー
プ6によってフックブロック8が吊下げられた状態とな
っている。ウインチドラム4Bから引き出されたロープ
6Bは、一対の動滑車9A,9B間に巻かれており、一
方の動滑車9Aがピン11を介して回動可能にクレーン
本体1側の支持部材1aに連結され、他方の動滑車9B
がガイケーブル6Cを介してブームヘッドに連結されて
いる。従って、ウインチドラム4Aの回転駆動によりフ
ックブロック8が昇降し、ウインチドラム4Bの駆動に
よりブーム3が起伏するようになっている。
【0020】このブーム3の基部には、ブーム起伏角検
出器5が設けられ、上記動滑車9Aとピン11との間に
は、上記ロープ6Bの張力を検出するロープ張力検出器
13が設けられている。
【0021】図2は、上記ウインチドラム4Bを駆動す
るための油圧回路を示したものである。この回路は、油
圧ポンプ10と、タンク12と、ドラム駆動用の油圧モ
ータ(油圧アクチュエータ)14とを備え、上記油圧ポ
ンプ10と油圧モータ14との間にはコントロールバル
ブ16が設けられている。
【0022】このコントロールバルブ16は、図例では
3位置パイロット切換弁からなり、双方のパイロット部
16a,16bにパイロット圧が供給されていない中立
状態では、油圧ポンプ10の吐出油を油圧モータ14に
供給することなくタンク12に直接逃がし、パイロット
部16aに油圧が供給された場合には、上記吐出油を油
圧配管18Aを通じて油圧モータ14に供給するととも
に戻り油を油圧配管18Bを通じてタンク12に逃が
し、パイロット部16bに油圧が供給された場合には、
上記吐出油を油圧配管18Bを通じて油圧モータ14に
供給するとともに戻り油を油圧配管18Aを通じてタン
ク12に逃がすように構成されている。そして、上記油
圧モータ14に上記油圧配管18Aから油圧が供給され
た場合には、ウインチドラム4Bが巻下げ方向(ブーム
倒伏方向;図1では時計回り方向)に回転駆動され、上
記油圧モータ14に上記油圧配管18Bから油圧が供給
された場合には、ウインチドラム4Bが巻上げ方向(ブ
ーム起立方向;図1では反時計回り方向)に回転駆動さ
れるように、油圧モータ14とウインチドラム4Bとが
連結されている。
【0023】各パイロット部16a,16bへのパイロ
ット圧供給は、それぞれパイロット用油圧ポンプ22
A,22Bから電磁比例減圧弁20A,20Bを介して
行われる。上記電磁比例減圧弁20A,20Bは、ソレ
ノイドに入力される電気信号に対応する設定圧までパイ
ロット用油圧ポンプ22A,22Bの吐出油を減圧しな
がらこれをパイロット圧として上記パイロット部16
a,16bに導くものである。
【0024】なお、図2において26はメインリリーフ
弁である。
【0025】この実施例装置には、図1に示すようなレ
バー角度検出器30と、減速開始負荷率演算器32と、
負荷率演算器34と、モータ駆動制御器36とが装備さ
れている。
【0026】レバー角度検出器30は、運転室内に設け
られた操作レバー28の操作方向及び操作量を検出する
ものである。負荷率演算器(負荷率検出手段)34は、
上記ブーム起伏角検出器5により検出されるブーム起伏
角とブーム長(この実施例では一定)とから定格総荷重
を求め、この定格総荷重と、ロープ張力検出器13の出
力信号から求められる実荷重とに基づいて、現在の負荷
率をリアルタイムで演算するものである。
【0027】上記減速開始負荷率演算器(第1演算手
段)32及びモータ駆動制御器(第2演算手段及び減速
制御手段)36は、最終的に、検出負荷率が予め設定さ
れた停止負荷率(この実施例では 100 %)に到達した
時点で安全に停止できるよう、それまでにブーム倒伏速
度を十分減速させることを目的として、ウインチドラム
4Bの駆動制御(すなわちブーム3の起伏駆動制御)を
行うものである。その動作を図3のフローチャートに示
す。
【0028】まず、減速開始負荷率演算器(第1演算手
段)32は、操作レバー28の操作方向から、これに対
応するウインチドラム4Bの指令駆動方向(すなわち指
令起伏方向)を判別し、この方向が巻上げ方向(ブーム
起立方向)である場合には(ステップS1でNO)、現
在の操作レバー28の操作量に対応する制御信号(指令
倒伏速度に対応する信号)bを演算する(ステップS
7)。そして、モータ駆動制御器36は、上記制御信号
bをそのまま巻上げ駆動用の電磁比例減圧弁20Aに出
力する(ステップS10)。これにより、コントロール
バルブ16のパイロット圧16aにパイロット圧が供給
されてスプールが作動し、ウインチドラム4Bはレバー
操作量に応じた速度で巻上げ駆動され、ブーム3は起立
方向に駆動されることになる。
【0029】一方、上記指令駆動方向が巻下げ方向(ブ
ーム倒伏方向)である場合には(ステップS1でYE
S)、減速開始負荷率演算器32は、レバー操作量に対
応する指令巻下げ速度(ブーム倒伏速度に相当する値)
を算出し(ステップS2)、この指令巻下げ速度に基づ
いて、ブーム倒伏速度を予め設定された減速度で所定の
微小速度まで低下させるのに要する減速必要負荷率を演
算する(ステップS3)。この減速必要負荷率と上記指
令巻下げ速度との関係は図4のグラフに示されるように
比例関係として定められており、例えば指令巻下げ速度
が最大速度である場合には10%に設定される。さら
に、この減速開始負荷率演算器32は、上記減速必要負
荷率を停止負荷率(100%)から差し引いた値を減速開
始負荷率として算出する(ステップS4)。
【0030】なお、本発明において、「ブーム起伏速度
に相当する値」と減速開始負荷率との関係は、特に比例
関係でなくても良く、一方の増大に伴って他方も増大す
る関係であれば良く、クレーンの特性に応じて適宜設定
すればよい。また、減速完了負荷率と停止負荷率とは合
致していてもよいし、減速完了負荷率が停止負荷率より
小さくても良い。前者の場合には、停止負荷率まで減速
制御が続けられることになり、後者の場合には、減速完
了負荷率まで減速制御が続行されてその後は微小倒伏速
度が維持され、停止負荷率に到達した時点で倒伏停止が
実行されることになる。
【0031】上記のような減速開始負荷率の演算後、モ
ータ駆動制御器36は、現在の負荷率が上記減速開始負
荷率以上であるか否か、すなわち減速領域内にあるか否
かを判定する(ステップS5)。
【0032】まだ、減速領域内に到達していない間は
(ステップS5でNO)、レバー操作量に対応する制御
信号bを演算して(ステップS7)、これをそのまま巻
下げ駆動用の電磁比例減圧弁20Bに出力する(ステッ
プS10)。これにより、ウインチドラム4Bはレバー
操作量に応じた速度で巻下げ駆動され、ブーム3は倒伏
方向に駆動されることになる。
【0033】このようにブーム3が倒伏して負荷率が上
昇していき、減速開始負荷率に到達すると(すなわち減
速領域内に入ると;ステップS5でYES)、モータ駆
動制御器36は、予め設定された減速度に基づき、現在
の負荷率に対応する制御信号(巻下げ速度に相当する信
号)aを演算し(ステップS6)、減速開始負荷率演算
器32はレバー操作量に対応する制御信号bを演算する
(ステップS7)。そして、モータ駆動制御器36は、
両制御信号a,b同士を比較し、制御信号aが制御信号
b以下である場合のみ(ステップS8でYES)、制御
信号aを電磁比例減圧弁20Bに入力し(ステップS
9)、それ以外の場合は(ステップS8でNO)、制御
信号bを電磁比例減圧弁20Bに入力する(ステップS
10)。このような減速制御により倒伏速度が十分に低
下した後、負荷率が100%に到達した時点で、制御信号
の出力を止め、ウインチドラム4Bの駆動を停止させ
る。この停止制御は、モータ駆動制御器36が行っても
よいし、他の装置(過負荷防止の安全装置)が行っても
よい。これにより、クレーンの転倒やブーム3等の機械
の破損が未然に防止される。
【0034】この装置によれば、次の効果を得ることが
できる。
【0035】a)まずウインチドラム4Bの駆動方向
(すなわちブーム3の起伏方向)を判別し、その方向が
ブーム倒立方向である場合にのみ減速制御を行うように
しているので、安全方向への駆動であるブーム起立時に
はブーム3の駆動速度が制限されない。従って、作業能
率は低下せず、また、オペレータに違和感を与えること
もない。
【0036】b)ブーム倒伏時、減速を開始する負荷率
を一定の値に固定するのではなく、操作レバー28から
入力される指令巻下げ速度(指令倒伏速度)が高いほど
低い減速負荷率を設定するようにしているので、指令巻
下げ速度が高い場合には早いタイミングで減速を開始す
ることにより、無理のないブーム停止制御を確保する一
方、指令巻下げ速度が低くてまだ減速の必要がない場合
には減速開始タイミングを遅らせることにより、高い作
業能率を確保できる。
【0037】c)減速領域内に入っても、この減速のた
めに演算される目標倒伏速度(制御信号aに相当する速
度)がオペレータからの指令倒伏速度(制御信号bに相
当する速度)を上回る場合には、後者の指令倒伏速度を
優先するようにしているので(前記ステップS8)、安
全側(すなわち低速駆動側)には常にオペレータの意志
を尊重した、より柔軟な駆動制御を実行できる。
【0038】次に、第2実施例を図5及び図6に基づい
て説明する。
【0039】前記第1実施例では、パイロット圧を制御
するモータ駆動制御器36を第2演算手段及び減速制御
手段として兼用していたが、ここでは、上記モータ駆動
制御器36とは別に第2演算手段及び減速制御手段とし
てポンプ容量調節器40を備えている。このポンプ容量
調節器40は、負荷率が減速領域内に入った時点からこ
の負荷率に応じた目標ポンプ吐出量を演算し、これに見
合う制御信号を電磁比例減圧弁38に出力することによ
り、可変容量型の油圧ポンプ10の傾転角を徐々に変化
させてポンプ吐出量を減少させるように構成されてい
る。
【0040】このように、本発明では、ブーム起伏速度
を変化させる手段を問わず、上記のようなポンプ吐出量
制御のほか、第1実施例で示した電磁比例減圧弁20
A,20Bとコントロールバルブ16との間に新たな電
磁比例減圧弁を設けてパイロット圧を絞るようにしても
よい。ただし、上記第1実施例のように、元来油圧モー
タ14の駆動制御に必要なコントロールバルブ16及び
電磁比例減圧弁20A,20Bをそのまま利用して減速
制御を行えば、駆動回路をより簡素化でき、その信頼性
を高めることができる利点がある。
【0041】また、本発明は例として次のような態様を
とることも可能である。
【0042】(1) 本発明における「停止負荷率」は 100
%に限らず、例えば余裕をもって100%未満の値に設定
してもよい。この場合も、減速完了負荷率は、停止負荷
率以下の所定値に設定すればよい。
【0043】(2) 上記実施例では、ウインチによってブ
ームを起伏駆動する場合について説明したが、本発明で
は、ブーム起伏駆動の具体的な手段を問わず、その駆動
速度が調節可能である場合に広く適用できるものであ
る。
【0044】(3) 本発明における「倒伏速度に相当する
値」としては、前記操作レバー28の操作量に対応する
指令倒伏速度のほか、パイロット圧やブーム起伏角検出
器5の検出回転量の時間変化率から演算される実際のブ
ーム起伏速度を採用するようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明は、まずブームの起
伏方向を判別し、この方向がブーム倒伏方向である場合
に、ブームの倒伏速度に相当する値(請求項4では外部
から入力された指令倒伏速度)が高いほど低い減速開始
負荷率を演算し、この減速開始負荷率に検出負荷率が到
達した時点から減速を開始するようにしたものであるの
で、安全上、真にブーム起伏速度の制限が必要である場
合にのみ、減速を行うことができ、オペレータに違和感
を与えることなく、また、作業能率の低下を招くことな
く、無理のない安全な駆動停止を保証できる効果があ
る。
【0046】さらに、請求項2,5記載の方法及び装置
では、ブーム倒伏減速中に上記第2演算手段により演算
された目標倒伏速度が外部から入力される指令倒伏速度
を上回る場合には、この入力される指令倒伏速度を目標
倒伏速度としてブーム起伏駆動を制御するようにしてい
るので、安全側(低速駆動側)については常にオペレー
タの意志を尊重することができ、より柔軟な制御を実行
できる効果がある。
【0047】請求項6記載の装置では、ブーム起伏駆動
用油圧アクチュエータと油圧源との間に設けられたコン
トロールバルブにおけるスプールの作動により、油圧ア
クチュエータへの作動油の供給流量を調節し、これによ
りブームの倒伏速度を制御するようにしたものであるの
で、油圧アクチュエータの駆動速度を調節するための特
別な手段を不要にでき、これにより構造を簡略化してよ
り信頼性の高い装置を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるブーム起伏制御装
置の全体構成図である。
【図2】上記ブーム起伏制御装置により制御されるウイ
ンチ駆動回路の回路図である。
【図3】上記ブーム起伏制御装置の行う演算制御動作を
示すフローチャートである。
【図4】上記演算制御動作において演算される減速必要
負荷率及び減速開始負荷率と指令巻下げ速度との関係を
示すグラフである。
【図5】本発明の第2実施例におけるブーム起伏制御装
置の全体構成図である。
【図6】上記ブーム起伏制御装置により制御されるウイ
ンチ駆動回路の回路図である。
【図7】従来のブーム起伏制御装置により制御されるポ
ンプ吐出量と負荷率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
3 ブーム 4B ウインチドラム 5 ブーム起伏角検出器(負荷率検出手段) 6B ロープ 10 油圧ポンプ 13 ロープ張力検出器(負荷率検出手段) 14 油圧モータ(油圧アクチュエータ) 16 コントロールバルブ 28 操作レバー 30 レバー角度検出器 32 減速開始負荷率演算器(第1演算手段) 34 負荷率演算器(負荷率検出手段) 36 モータ駆動制御器(第2演算手段及び減速制御手
段) 40 ポンプ容量制御器(第2演算手段及び減速制御手
段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B66C 23/00 - 23/94

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クレーンの負荷率を検出し、この検出負
    荷率が予め設定された停止負荷率に合致した時点でブー
    ムの起伏駆動を停止させるクレーンのブーム起伏制御方
    法において、上記ブームの起伏方向を判別し、その方向
    が倒伏方向である場合に倒伏速度に相当する値が高いほ
    ど低い減速開始負荷率を演算し、上記検出負荷率が上記
    減速開始負荷率に合致した時点からブーム倒伏の減速を
    開始することを特徴とするクレーンのブーム起伏制御方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のクレーンのブーム起伏制
    御方法において、ブーム倒伏減速中にこの減速を目的と
    して演算した目標倒伏速度が外部から入力される指令倒
    伏速度を上回る場合にはこの入力される指令倒伏速度を
    目標倒伏速度に設定することを特徴とするクレーンのブ
    ーム起伏制御方法。
  3. 【請求項3】 クレーンの負荷率を検出する負荷率検出
    手段を備え、この検出負荷率が予め設定された停止負荷
    率に合致した時点でブームの起伏駆動を停止させるクレ
    ーンのブーム起伏制御装置において、上記ブームが倒伏
    方向に駆動されている場合にその倒伏速度に相当する値
    が高いほど低い減速開始負荷率を演算する第1演算手段
    と、検出負荷率が上記減速開始負荷率に合致した時点か
    らウインチを減速させるための目標倒伏速度を演算する
    第2演算手段と、この第2演算手段で演算された目標倒
    伏速度に基づいて上記ブームの倒伏を制御する減速制御
    手段とを備えたことを特徴とするクレーンのブーム起伏
    制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のクレーンのブーム起伏制
    御装置において、外部から入力される指令倒伏速度に基
    づいて上記減速開始負荷率を演算するように上記第1演
    算手段を構成したことを特徴とするクレーンのブーム起
    伏制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載のクレーンのブー
    ム起伏制御装置において、ブーム倒伏減速中に上記第2
    演算手段により演算された目標倒伏速度が外部から入力
    される指令倒伏速度を上回る場合にはこの入力される指
    令倒伏速度を目標倒伏速度としてウインチ駆動を制御す
    るように上記減速制御手段を構成したことを特徴とする
    クレーンのブーム起伏制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれかに記載のクレー
    ンのブーム起伏制御装置において、上記ブームを起伏駆
    動する油圧アクチュエータと、この油圧アクチュエータ
    に作動油を供給する油圧源と、この油圧源と上記油圧ア
    クチュエータとの間に設けられ、スプールの作動により
    上記油圧源から油圧アクチュエータへの作動油の供給流
    量を変化させるコントロールバルブとを備えるととも
    に、上記目標倒伏速度に応じて上記スプールを作動させ
    るように上記減速制御手段を構成したことを特徴とする
    クレーンのブーム起伏制御装置。
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