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JP2002068667A - クレーンの油圧ウインチの速度制御方法および同装置 - Google Patents

クレーンの油圧ウインチの速度制御方法および同装置

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JP2002068667A
JP2002068667A JP2000261271A JP2000261271A JP2002068667A JP 2002068667 A JP2002068667 A JP 2002068667A JP 2000261271 A JP2000261271 A JP 2000261271A JP 2000261271 A JP2000261271 A JP 2000261271A JP 2002068667 A JP2002068667 A JP 2002068667A
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winch
switching
lowering operation
high speed
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Masato Nagao
正人 長尾
Hisataka Masuda
尚隆 増田
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Tadano Ltd
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Tadano Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウインチ操作レバーのストローク位置に関わ
りなく、所定の条件を満足した場合に高速モードと低速
モードへの切換えを手動により選択することが可能であ
りながらも、制御のハンチングが起こる恐れの無い可変
容量モータを用いた油圧ウインチの速度制御装置を提供
する。 【解決手段】 1回転に必要な容量を切換えて供給流量
に対する回転数を高速モードと低速モードに切換えるこ
とが可能な可変容量モータを用いたクレーンの油圧ウイ
ンチにおいて、過負荷防止装置によりウインチ操作レバ
ーの巻下げ操作開始直前に演算した吊上荷重を巻下げ操
作終了時まで実作用吊上荷重として記憶し、当該実作用
吊上荷重が所定の値よりも小さく、巻下げ操作がなさ
れ、かつ高速モードへの切換を手動により選択したと
き、前記可変容量モータが低速モードから高速モードへ
切換えられるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1回転に必要な容
量を切換えて供給流量に対する回転数を高速モードと低
速モードに切換えることが可能な可変容量モータを用い
た油圧ウインチの速度制御方法とその装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】可変容量モータをウインチドラムの駆動
に用いたクレーンの油圧ウインチの速度制御技術とし
て、特開平7−187585に記載されたものが公知で
ある。操作レバーの中立から所定のストロークまでは各
速度モードとも、ストロークに対するウインチドラム回
転数の関係を同一に制御し、所定のストローク以降では
一度選択した速度モードは途中で別の速度モードに切換
え可能とするものである。そして、特に低速から高速へ
の速度モードの切換えは、予め設定した所定の条件を満
足したときに可能とするものである。所定の条件として
は、高速モード切換ボタンのON信号、パイロット弁の
下げ側パイロット圧信号、所定のロープ張力信号の3条
件が同時にそろうことを必要とする技術が記載されてお
り、上記所定のロープ張力を検出する方法として、過負
荷防止装置を介して得られる吊り荷重を利用する技術が
記載されている。ロープ張力を条件とするのは、高速作
業が可能な所定の軽荷重に制限するためである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、過負荷防止
装置を介して得られる吊り荷重値は、ウインチの動作に
伴なう吊荷の振れ等により変動するため、ウインチ動作
中にあって、ロープ張力の条件が高速モードを許容した
り、許容しなかったりと判定が変わり、制御のハンチン
グが起こる場合があった。
【0004】そこで、本発明は、ウインチ操作レバーの
ストローク位置に関わりなく、所定の条件を満足した場
合に高速モードと低速モードへの切換えを手動により選
択することが可能でありながらも、制御のハンチングが
起こる恐れの無い可変容量モータを用いた油圧ウインチ
の速度制御装置を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明に
係るクレーンの油圧ウインチの速度制御方法は、1回転
に必要な容量を切換えて供給流量に対する回転数を高速
モードと低速モードに切換えることが可能な可変容量モ
ータを用いたクレーンの油圧ウインチにおいて、過負荷
防止装置によりウインチ操作レバーの巻下げ操作開始直
前に演算した吊上荷重を巻下げ操作終了時まで実作用吊
上荷重として記憶し、当該実作用吊上荷重が所定の値よ
りも小さく、巻下げ操作がなされ、かつ高速モードへの
切換を手動により選択したとき、前記可変容量モータが
低速モードから高速モードへ切換えられることを特徴と
している。
【0006】この方法によると、過負荷防止装置により
ウインチ操作レバーの巻下げ操作開始直前に演算した吊
上荷重を巻下げ操作終了時まで実作用吊上荷重として記
憶し、当該実作用吊上荷重を高速モードへの切換条件の
判定に使用しているので、ウインチ巻下げ動作中にあっ
て、吊上荷重の条件に関し、高速モードを許容したり、
許容しなかったりと判定が変わることがなく、制御のハ
ンチングが起こる恐れがないのである。
【0007】さらに、本願の請求項2の発明に係るクレ
ーンの油圧ウインチの速度制御装置は、1回転に必要な
容量を切換えて供給流量に対する回転数を高速モードと
低速モードに切換えることが可能な可変容量モータを用
いたクレーンの油圧ウインチにおいて、ブーム長さ、伸
縮ブーム起伏角度およびブームモーメントから吊上荷重
を演算するとともに、ウインチ操作レバーの巻下げ操作
開始直前に演算した吊上荷重を巻下げ操作終了時まで実
作用吊上荷重として記憶する過負荷防止装置と、 前記
ウインチ操作レバーの巻下げ操作を検出する巻下げ操作
検出手段と、高速モードと低速モードへの切換を手動に
より選択可能なモード選択手段と、前記可変容量モータ
の1回転に必要な容量を切換えるモータ容量切換手段
と、からなる油圧ウインチの速度制御装置であって、前
記速度制御装置は、前記過負荷防止装置が記憶した実作
用吊上荷重が所定の値よりも小さく、前記巻下げ操作検
出手段が巻下げ操作を検出し、かつ前記モード選択手段
が高速モードに選択されたとき、前記モータ容量切換手
段へ高速モード切換信号を出力することを特徴としてい
る。
【0008】この構成によると、前記過負荷防止装置
は、ブーム長さ、ブーム起伏角度およびブームモーメン
トから吊上荷重を演算するとともに、ウインチ操作レバ
ーの巻下げ操作開始直前に演算した吊上荷重を巻下げ操
作終了時まで実作用吊上荷重として記憶しており、当該
実作用吊上荷重を高速モードへの切換条件の判定に使用
しているので、ウインチ巻下げ動作中にあって、吊上荷
重の条件に関し、高速モードを許容したり、許容しなか
ったりと判定が変わることがなく、制御のハンチングが
起こる恐れがないのである
【0009】
【発明の実施の形態】図1に、本発明の実施の形態に係
るクレーンの油圧ウインチの速度制御装置の油圧・電気
回路図を示す。
【0010】1はウインチを駆動するための油圧ポン
プ、2は駆動油圧の最高圧力を設定するリリーフ弁、3
はパイロット式操作弁、4はカウンタバランス弁、5は
ウインチドラム駆動用の可変容量モータである。可変容
量モータ5は容量制御シリンダ12によってその容量を
変化させられるようになっており、容量制御シリンダ1
2が操作されていない図1の状態では低速モードとなっ
ている。
【0011】6は前記パイロット式操作弁3と可変油圧
モータ5を連絡する巻上側油路であって、前記カウンタ
バランス弁4が介装されている。7は前記パイロット式
操作弁3と可変容量モータ5を連絡する巻下げ側油路で
ある。11は前記巻上側油路6あるいは巻下げ側油路7
のうち高圧側の油圧を前記容量制御シリンダ12へ供給
するシャトル弁、13はパイロット圧によって切換えら
れるハイドロ弁である。ハイドロ弁13はパイロット圧
が作用していないときは、前記容量制御シリンダ12の
伸長側油室14をタンクに連通しており、パイロット圧
が作用したときは前記シャトル弁11からの圧力が前記
容量制御シリンダ12の伸長側油室14に作用するよう
に切換わる。そのとき、前記可変容量モータ5は高速モ
ードへ切換えられる。
【0012】21はパイロット油圧ポンプ、22は減圧
弁、23はソレノイド切換弁である。24は前記ハイド
ロバルブ13と前記ソレノイド切換弁23を連絡するパ
イロット油路であって、ソレノイド切換弁23が通電さ
れたときには、前記パイロット油圧ポンプ21の油圧が
前記減圧弁22で減圧されて、前記ハイドロ弁13に作
用し、前記ハイドロ弁13が切換えられるようになる。
【0013】25はウインチ操作レバー、26はパイロ
ット弁、27は前記パイロット式操作弁3の巻下げ側3
Aとパイロット弁26を連絡する巻下げ側パイロット油
路、28は前記パイロット式操作弁3の巻上げ側3Bと
パイロット弁26を連絡する巻上げ側パイロット油路で
ある。
【0014】30は過負荷防止装置、31はブーム長さ
検出器、32はブーム角度検出器、33はブームモーメ
ント検出器、34は前記巻下げ側パイロット油路27の
巻下げ圧力検出器であって、巻下げ操作検出手段として
機能するものである。過負荷防止装置30は前記ブーム
長さ検出器31、ブーム角度検出器32、ブームモーメ
ント検出器33および巻下げ圧力検出器34からの信号
により、後述する高速指令信号ライン35に高速指令信
号を出力する。
【0015】41と42はともに高速モード選択スイッ
チであって、41はキャビンの操作パネルに取付けられ
たパネルスイッチであり、42は前記ウインチ操作レバ
ー25に取付けられたレバースイッチである。パネルス
イッチ41は自己保持型、一方レバースイッチ42は自
動復帰型となっており、高速モード選択操作時にその操
作の都合で使い分けが可能となっている。43はリレー
コイル、44はリレーコイル43により駆動されるリレ
ースイッチ、45はインジケータランプ、46は電源、
47は前記ソレノイド切換弁23への出力ラインであ
る。
【0016】図2は、前記過負荷防止装置30の油圧ウ
インチの速度制御装置に関係する部分のブロック図であ
る。50は吊上荷重演算部であって、前記ブーム長さ検
出器31、ブーム角度検出器32、およびブームモーメ
ント検出器33からのブーム長さL、ブーム角度θ、お
よびブームモーメントMの各信号を受取り、常時、吊上
荷重を演算するものである。55は実作用吊上荷重演算
部であって、前記吊上荷重演算部50からの吊上荷重と
巻下げ圧力検出器34からの巻下げ操作信号を受取り、
実作用吊上荷重を演算している。すなわち、実作用吊上
荷重演算部55は、巻下げ操作信号が入った時から巻下
げ操作信号が入らなくなるまでの間、巻下げ操作信号が
入る直前の吊上荷重を実作用吊上荷重として後述する荷
重比較部52に出力するのである。
【0017】51は制限荷重記憶部であって、所定の値
を記憶し、荷重比較部52にその値を出力するものであ
る。所定の値としては、可変容量モータ5を高速モード
にして高速巻下げするに適した軽荷重が設定される。荷
重比較部52は、前記実作用吊上荷重演算部50から出
力された実作用吊上荷重と前記制限荷重記憶部51から
出力された値とを比較し、実作用吊上荷重が所定の値よ
りも小さい場合に後述する出力部53に出力信号を出力
するものである。出力部53は、内部にその作動時に前
記高速指令信号ライン35を接地側に接続する内蔵スイ
ッチ54を有しており、前記荷重比較部52からの出力
信号を受取った時には、当該内蔵スイッチ54を作動さ
せるものである。
【0018】図3は、上述した油圧ウインチ速度制御装
置のウインチ操作レバーの巻下げ側レバーストロークと
ウインチ速度の関係を表すグラフである。
【0019】レバーストロークS0からS1までの間は
わずかなストロークではあるが不感帯があり、それ以降
のストロークではレバーストロークに応じてウインチ速
度が増加するよう関係付けられている。低速モードでは
ストロークS1−S2の間ではA−Bの線に沿ってウイ
ンチ速度が増加し、ストロークS2−S3の間ではウイ
ンチ速度は変化しない。高速モードではストロークS1
−S2の間ではA−Dの線に沿ってウインチ速度が増加
し、ストロークS2−S3の間ではウインチ速度は変化
しない。
【0020】レバーストロークS1−S3間での低速モ
ードと高速モード相互間の切換が可能であるので、低速
モードを表すA−C線と高速モードを表すA−E線には
さまれた領域を破線でハッチングして表している。
【0021】以下に上述した実施形態の油圧ウインチの
速度制御装置の作用を説明する。 (吊上荷重が所定の値より小さい場合)高速モード選択
スイッチ(41あるいは42)が操作されていない状
態、即ち低速モード選択時、前記ウインチ操作レバー2
5を巻下げ側に操作すると、前記パイロット式操作弁3
は巻下げ側3Aに切換わり、油圧ポンプ1からの作動油
は巻下げ側油路7を経て可変容量モータ5に供給され
る。この時の可変容量モータ5は低速モード状態である
ので、レバーストロークに応じたウインチ速度は図3の
低速モードのA−C線で表される関係となる。
【0022】ウインチ操作レバー25を巻下げ側に操作
したときには、前記巻下げ側パイロット油路27にパイ
ロット油圧が発生するので、前記巻下げ圧力検出器34
は巻下げ操作信号を前記過負荷防止装置30に出力す
る。図2に示された過負荷防止装置30内部の実作用吊
上荷重演算部55では、巻下げ操作信号の入力により巻
下げ操作信号入力直前に吊上荷重演算部50が演算した
吊上荷重を実作用吊上荷重として荷重比較部52に出力
する。荷重比較部52では実作用吊上荷重が所定の値よ
りも小さいので、出力部53に出力信号を出力する。出
力部53に内蔵された内蔵スイッチ54が操作され高速
指令信号ライン35はアースに接続される。
【0023】この状態で、前記高速モードスイッチ(4
1あるいは42)が操作されると同時にリレーコイル4
3に電源46からの電気が流れ、リレースイッチ44が
ONとなる。電源46から出力ライン47を経て、前記
ソレノイド切換弁23へ通電され、当該ソレノイド切換
弁23が切換わる。すると、前記パイロット油圧ポンプ
21のパイロット油圧がパイロット油路24を経て、前
記ハイドロ弁13に加えられる。当該ハイドロ弁13が
切換わることにより、前記容量制御シリンダ12の伸長
側油室14に巻下げ側油路7の油圧が作用し、可変容量
モータ5を高速モードとなる小容量側へ切換える。可変
容量モータ5は高速で回転するので、ウインチ速度は高
速となるのである。
【0024】図3に示したグラフで上記の操作を説明す
ると、低速モードのA−C上の任意の点Pから高速モー
ドのA−E上の点Qへ移ることになる。
【0025】高速モードでのウインチ巻下げ操作中は、
ウインチ操作レバー25の巻下げ側への操作を継続して
いる限り、高速指令信号ラインは内蔵スイッチがON状
態を維持するので、通電状態であるリレーコイル43の
駆動が維持され、リレースイッチ44のON状態が維持
される。すなわち、図2に示された過負荷防止装置30
内部の吊上荷重演算部50で演算される吊上荷重が吊荷
の振動等で変動しても、実作用吊上荷重演算部55は巻
下げ操作信号が入力された直前の吊上荷重を実作用吊上
荷重として荷重比較部52に出力しているので、荷重比
較部52は継続して出力信号を出力し、出力部53は内
蔵スイッチ54のON状態を維持する。そのため、高速
指令信号ライン35の切換わりに伴なうハンチングを起
こす恐れがないのである。
【0026】高速モードから低速モードへの切換は、O
N状態にある高速モード切換スイッチ(41あるいは4
2)をOFF側に操作することにより行うことが可能で
ある。すなわち、高速モード切換スイッチ(この場合4
1および42の両方)がOFF状態となると、前記出力
ライン47には電源46からの電気が流れないので、前
記ソレノイド切換弁23はパイッロット油圧ポンプ21
からのパイロット圧力を遮断し、前記ハイドロ弁13は
巻下げ側油路7の油圧を容量制御シリンダ12の伸長側
油室14に加えなくなる。すると、可変容量モータ5は
低速モード、即ち大容量となり低速で回転することとな
る。
【0027】以上のように、高速モードから低速モード
への切換は、過負荷防止装置の高速指令信号ライン35
の状態に関係無く切換可能である。言い換えると、ウイ
ンチ操作レバー25の操作の有無および吊上荷重に関係
なく切換可能となっている。
【0028】なお、上述の操作は、ウインチ操作レバー
25を巻下げ側に操作した後、高速モード選択スイッチ
(41あるいは42)選択操作する場合を説明したが、
先に高速モード選択スイッチを選択操作しておいてか
ら、ウインチ操作レバー25を巻下げ側に操作した場合
は、ウインチ操作レバー25の操作後すぐに、前記高速
指令信号ライン35に電源46の電気が流れ、上述した
のと同様に高速モードでのウインチの運転が行われる。
すなわち、図3のグラフで言うと、高速モードを表すA
−Eの線に沿ってのウインチ操作が行われることとなる
のである。 (吊上荷重が所定の値より大きい場合)高速モード選択
スイッチ(41あるいは42)が操作されていない状態
では、レバーストロークに応じたウインチ速度は図3の
低速モードのA−C線で表される関係となる点は上述し
た吊上荷重が所定の値より小さい時と同じである。
【0029】ウインチ操作レバー25を巻下げ側に操作
したとき、図2に示された過負荷防止装置30内部の荷
重比較部52では実作用吊上荷重が所定の値よりも大き
いので、出力部53に出力信号を出力しない。出力部5
3に内蔵された内蔵スイッチ54は操作されず、高速指
令信号ライン35はアースに接続されないままである。
【0030】この状態で、前記高速モードスイッチ(4
1あるいは42)が操作されてもリレーコイル43に電
源46からの電気が流れないので、リレースイッチ44
はOFFのままである。したがって、前記ソレノイド切
換弁23に通電されることがないので、可変容量モータ
5は高速モードに切換られることはない。
【0031】これにより、大きな吊上荷重かつ高速モー
ドでの巻下げ操作が防止されるので、異常な高圧の発生
による可変容量モータ5の損傷等の不具合発生を防止す
ることができるのである。
【0032】また、低速モードでのウインチ巻下げ操作
中は、ウインチ操作レバー25の巻下げ側への操作を継
続している限り、高速指令信号ライン35は内蔵スイッ
チ54がOFF状態を維持するので、前記リレースイッ
チ44のOFF状態が維持される。すなわち、図2に示
された過負荷防止装置30内部の吊上荷重演算部50で
演算される吊上荷重が吊荷の振動等で変動しても、実作
用吊上荷重演算部55は巻下げ操作信号が入力された直
前の吊上荷重を実作用吊上荷重として荷重比較部52に
出力しているので、荷重比較部52は継続して出力信号
を出力せず、出力部53は内蔵スイッチ54のOFF状
態を維持する。そのため、高速モード切換スイッチ(4
1あるいは42)が仮にON状態であっても、高速指令
信号ライン35の切換わりに伴なうハンチングを起こす
恐れがないのである。
【0033】
【発明の効果】以上の如く構成し作用するものであるか
ら、本願請求項1の発明のクレーンの油圧ウインチの速
度制御方法によると、過負荷防止装置によりウインチ操
作レバーの巻下げ操作開始直前に演算した吊上荷重を巻
下げ操作終了時まで実作用吊上荷重として記憶し、当該
実作用吊上荷重を高速モードへの切換条件の判定に使用
しているので、ウインチ巻下げ動作中にあって、吊上荷
重の条件に関し、高速モードを許容したり、許容しなか
ったりと判定が変わることがなく、制御のハンチングが
起こる恐れがないのである。
【0034】また、本願請求項2の発明のクレーンの油
圧ウインチの速度制御装置によると、前記過負荷防止装
置は、ブーム長さ、ブーム起伏角度およびブームモーメ
ントから吊上荷重を演算するとともに、ウインチ操作レ
バーの巻下げ操作開始直前に演算した吊上荷重を巻下げ
操作終了時まで実作用吊上荷重として記憶しており、当
該実作用吊上荷重を高速モードへの切換条件の判定に使
用しているので、ウインチ巻下げ動作中にあって、吊上
荷重の条件に関し、高速モードを許容したり、許容しな
かったりと判定が変わることがなく、制御のハンチング
が起こる恐れがないのであるこのように、本願発明は過
負荷防止装置が演算する吊上荷重は吊荷の振動等により
見かけ上変化するが、実際にはクレーンが一度吊り上げ
た吊上荷重は吊荷を下すまで変化しない点に注目したも
ので、ウインチ操作レバーの巻下げ操作開始直前に演算
した吊上荷重を巻下げ操作終了時まで実作用吊上荷重と
して記憶し、速度制御に利用するものである。それによ
り、可変容量モータを使用した油圧ウインチの安定した
速度制御が可能となったものである。したがって、その
実用的価値は高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の発明の実施の形態に係るクレーンの油圧
ウインチの速度制御装置の油圧・電気回路である。
【図2】過負荷防止装置の油圧ウインチの速度制御装置
に関係する部分のブロック図である。
【図3】レバーストロークとウインチ速度の関係を示す
グラフである。
【符号の説明】
1 油圧ポンプ、2 リリーフ弁、3 パイロット式操
作弁、4 カウンタバランス弁、5 可変容量モータ、
6 巻上側油路、7 巻下側油路、11 シャトル弁、
12 容量制御シリンダ、13 ハイドロ弁、14 伸
長側油室、21パイロット油圧ポンプ、22 減圧弁、
23 ソレノイド切換弁、24 パイロット油路、25
ウインチ操作レバー、26 パイロット弁、27 巻
下側パイロット油路、28 巻上側パイロット油路、3
0 過負荷防止装置、31 ブーム長さ検出器、32
ブーム角度検出器、33 ブームモーメント検出器、3
4巻下げ圧力検出器、35 高速指令信号ライン、41
42 高速モード選択スイッチ、43 リレーコイ
ル、44 リレースイッチ、45 インジケータラン
プ、46 電源、47 出力ライン、50 吊上荷重演
算部、51 制限荷重記憶部、52 荷重比較部、53
出力部、54 内蔵スイッチ、55 実作用吊上荷重
演算部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1回転に必要な容量を切換えて供給流量
    に対する回転数を高速モードと低速モードに切換えるこ
    とが可能な可変容量モータを用いたクレーンの油圧ウイ
    ンチにおいて、 過負荷防止装置によりウインチ操作レバーの巻下げ操作
    開始直前に演算した吊上荷重を巻下げ操作終了時まで実
    作用吊上荷重として記憶し、当該実作用吊上荷重が所定
    の値よりも小さく、巻下げ操作がなされ、かつ高速モー
    ドへの切換を手動により選択したとき、前記可変容量モ
    ータが低速モードから高速モードへ切換えられることを
    特徴とするクレーンの油圧ウインチの速度制御方法。
  2. 【請求項2】 1回転に必要な容量を切換えて供給流量
    に対する回転数を高速モードと低速モードに切換えるこ
    とが可能な可変容量モータを用いたクレーンの油圧ウイ
    ンチにおいて、 ブーム長さ、ブーム起伏角度およびブームモーメントか
    ら吊上荷重を演算するとともに、ウインチ操作レバーの
    巻下げ操作開始直前に演算した吊上荷重を巻下げ操作終
    了時まで実作用吊上荷重として記憶する過負荷防止装置
    と、 前記ウインチ操作レバーの巻下げ操作を検出する巻下げ
    操作検出手段と、 高速モードと低速モードへの切換を手動により選択可能
    なモード選択手段と、 前記可変容量モータの1回転に必要な容量を切換えるモ
    ータ容量切換手段と、からなる油圧ウインチの速度制御
    装置であって、 前記速度制御装置は、前記過負荷防止装置が記憶した実
    作用吊上荷重が所定の値よりも小さく、前記巻下げ操作
    検出手段が巻下げ操作を検出し、かつ前記モード選択手
    段が高速モードに選択されたとき、前記モータ容量切換
    手段へ高速モード切換信号を出力することを特徴とする
    クレーンの油圧ウインチの速度制御装置。
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