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JP2773390B2 - ペンタフルオロエタンの製法 - Google Patents

ペンタフルオロエタンの製法

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JP2773390B2
JP2773390B2 JP2133994A JP13399490A JP2773390B2 JP 2773390 B2 JP2773390 B2 JP 2773390B2 JP 2133994 A JP2133994 A JP 2133994A JP 13399490 A JP13399490 A JP 13399490A JP 2773390 B2 JP2773390 B2 JP 2773390B2
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Japan
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hfc
hydrogen
chloropentafluoroethane
catalyst
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真介 森川
俊一 鮫島
優 吉武
伸 立松
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Asahi Glass Co Ltd
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  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は塩素を含まないフルオロカーボン(HFC)の
一種であるペンタフルオロエタンの製法に関するもので
ある。
[従来の技術及び発明が解決しようとする課題] 近年、冷媒、発泡剤、および溶剤として広く用いられ
ているクロロフルオロカーボン(フロン)によるオゾン
層破壊の可能性が論議され、その製造、使用について規
制される方向にある。現在、オゾンの濃度変化とフロン
との相関については必ずしも明確になっているとは言え
ないが、フロンが紫外線により分解して生成する塩素化
合物がオゾン分解反応の触媒として作用するとされてい
る。そのための代替フロンとしては水素を含有して大気
圏で分解する構造のものが適していると考えられてい
る。例えば、規制対象となっているフロン115(CFC−11
5、化学式:CClF2CF3、沸点=−39.1℃)の代替候補とし
てはペンタフルオロエタン、すなわちHFC−125(化学
式:CF3CHF2、沸点=−48.5℃)が有望と考えられてい
る。しかし現在商業的な大量生産は行なわれていない。
HFC−125を製造する方法として可能性のある種々の製造
法の中で、商業的に製造されているクロロペンタフルオ
ロエタン(CFC−115、沸点=−39.1℃)を原料としこれ
を、水素で還元を行なう方法は高選択的にHFC−125を得
ることが可能である。(次式参照) また、副生成物である塩化水素は蒸留、またはアルカ
リ処理による除去が可能であり、工業的な生産に適して
いる。しかし、クロロペンタフルオロエタンは比較的反
応活性が低く、従って反応率を上げるために反応温度を
高くした場合、脱フッ素水素添加反応が起こりやすくな
り、1,1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、
および1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)を生成
しやすいという問題点を有していた。
[課題を解決するための手段] 本還元反応においてはクロロペンタフルオロエタン分
子中のハロゲン原子を引き抜き水素で置き換える。この
場合、反応は次式に示すように逐次的に進行すると考え
られ、反応条件によっては主生成物ペンタフルオロエタ
ンの他に少量のHCF−134aおよびHFC−143aが生成する。
C−Cl結合はC−F結合に比較しかなり弱いため低い
反応温度では反応ステージで止まりやすく選択的にHF
C−125が得られる。しかし、CFC−115は比較的反応活性
に乏しく高い反応率を得るために反応温度を上げた場
合、結合エネルギーが大きなC−F結合も断ち切られや
すくなりHFC−134a、HFC−143a等の生成量が増加する。
副生成物の中で、HFC−143a(1,1,1−トリフルオロエタ
ン)の沸点は−47.6℃であって、ペンタフルオロエタン
の沸点と極めて近く、分離が困難であるため極力生成を
抑制する必要がある。本発明者は反応条件の最適化につ
いて鋭意検討を行った結果、比較的高い反応率とHFC−1
25の高い選択率を同時に得られる方法を見いだし本発明
を提供するに至ったものである。以下、本発明の詳細に
ついて実施例とともに説明する。
CFC、HFCの水素還元に関する詳細な反応メカニズムは
必ずしも明らかにされていないが多くの反応データか
ら、脱ハロゲン水素添加反応は触媒上で吸着解離した水
素原子が触媒表面に吸着しているCFC、HFCに衝突するこ
とにより進行すると推定される。本反応においてHFC−1
34a、HFC−143aの生成反応を抑制するためにはHFC−12
5、HFC−134aの吸着可能なサイト数を減らし、触媒表面
での滞在時間を低減することが有効であり、そのために
は反応分子との吸着サイトとの幾何的整合性を低下させ
るか、または反応分子と同等、またはそれ以上の吸着エ
ネルギーを有する化学種を添加することが有効であると
考えられる。特に、添加する化学種がCFC−115、HFC−1
25に比較して反応活性が低い方が望ましいが、必須条件
ではない。
反応装置に充填した触媒表面における種々のガスの正
確な吸着エネルギー値を再現性よく得ることは困難であ
る。しかし、大まかな傾向については蒸発潜熱を参考に
して吸着エネルギーの大小を判断することができる。例
えば、活性炭上への種々のガスの吸着エネルギーは蒸発
潜熱の大略2倍程度であることが知られている。
一方、CFC、HCFCの吸着エネルギーの序列は基本的に
は塩素原子数、炭素原子数、多重結合数を基に判断する
ことができる。例えば(2)式に関与する化学種の中で
は下式のような吸着熱の序列が推定される。
CFC−115>>HFC−125≧HFC−134a≧HFC−143a (3) これより、反応率が高くなった場合、その結果として
の気相中におけるCFC−115の分圧減少に対応して触媒表
面におけるCFC−115の被覆率が減少すると、HFC−125の
吸着サイトが増加し、HFC134a、HFC−143aの生成量が増
大することが理解される。より正確な議論を行うために
は、触媒金属の電子構造、結晶格子等のパラメータを考
慮して吸着熱は評価されるべきであるが、HFC−125の吸
着を抑制するための添加化合物選択のための判断基準と
して利用可能であることが実施例に示すように実験的に
明らかにされた。具体的には、CFC−115の蒸発潜熱は約
4.6kcal/molであってCFC−115のすべてのフッ素原子が
水素原子に置換された構造を有するエタンのそれは約3.
7kcal/molである。本発明者らは検討の結果、3kcal/mol
以上の蒸発潜熱を有する化合物を添加することによりHF
C−125の触媒表面への吸着を抑制でき、その結果、HFC
−134aおよびHFC−143aの生成を抑制できることを確認
した。また、反応性の低い添加物を選ぶことがより有効
であることも併せて確認された。添加化合物としては、
クロロペンタフルオロエタン以外のハロンゲン化炭化水
素、および炭化水素(炭化水素にあっては特に炭素数1
〜4程度の炭化水素)の中から選ばれる少なくとも1種
である。例えば、エタン、1−クロロ−1,1−ジフルオ
ロエタン、ジクロロジフルオロメタン、クロロジフルオ
ロメタン、テトラフルオロエタン、ジクロロテトラフル
オロエタン、クロロフルオロメタン、ジクロロトリフル
オロエタン、ジクロロフルオロエタン、トリクロロトリ
フルオロエタン、等が使用できる。
添加成分の量は多くするほど副生物生成抑制効果は大
きくなるが、反応装置の有効利用という点で不利とな
る。従って、通常CFC−115の1モルに対して0.01〜5モ
ル、好ましくは0.05〜2モルが好適である。
触媒としては、既知の水素化触媒、すなわち白金族元
素、鉄族元素またはレニウムのうちいずれか1種、また
は2種以上を主成分として含む触媒の中で耐酸性を有す
るものが適用可能である。白金族の中では特にパラジウ
ム、白金、ロジウム、ルテニウム等が好適である。担体
としては、例えば、活性炭、アルミナ、ジルコニア等が
好適である。触媒担持量は0.01〜10wt%、好ましくは0.
1〜5wt%が特性、コスト等の点から好適である。なお、
使用に当たってはかかる金属の化合物は少なくとも一部
還元する。
水素と原料の割合は大幅に変動させ得る。しかしなが
ら、通常、化学量論量の水素を使用してハロゲン原子を
除去する。出発物質の全モル数に対して、化学量論量よ
りかなり多い量、例えば4倍モルまたはそれ以上の水素
を使用し得る。反応圧力については常圧、または常圧以
上の圧力が使用し得る。
反応温度は0℃〜450℃、好ましくは50℃〜350℃、よ
り好ましくは100℃〜350℃とし、液相、または気相で反
応を行なうことが適当である。接触時間は、反応を気相
で行なう場合には通常0.1〜300秒、特には5〜100秒で
ある。
[実施例] 以下に本発明の実施例を示す。
実施例1 パラジウム触媒を300cc充填した内径2.6cm、長さ100c
mのインコネル600製反応器を塩浴炉中に浸漬した。
水素、クロロペンタフルオロエタン、および1−クロ
ロ−1,1−ジフルオロエタンを2:1:0.3のモル比で反応管
に導入した。水素、出発物質の流量はそれぞれ、100cc/
分、50cc/分、15cc/分とし、反応温度は250℃とした。
酸分を除去した後、−78℃に冷却したトラップに反応粗
液を回収しガスクロ及び19F−NMRを用いて分析した。結
果を第1表に示す。
実施例2 白金触媒を用い、反応原料に水素、クロロペンタフル
オロエタン、および1−クロロ−1,1−ジフルオロエタ
ンを2:1:0.1のモル比で反応管に導入する他は実施例1
と同様にして反応と分析を行った。その結果を第1表に
示す。
実施例3 ロジウム触媒を用い、反応原料に水素、クロロペンタ
フルオロエタン、およびクロロジフルオロメタンを2:1:
0.3のモル比で反応管中に導入する他は実施例1と同様
にして反応と分析を行った。その結果を第1表に示す。
比較例1 パラジウム触媒を用い、反応原料に水素、およびクロ
ロペンタフルオロエタンを2:1のモル比で反応管に導入
し、反応温度を200℃とする他は実施例1と同様にして
反応と分析を行った。その結果を第2表に示す。
比較例2 パラジウム触媒を用い、反応原料に水素、およびクロ
ロペンタフルオロエタンを2:1のモル比で反応管に導入
する他は実施例1と同様にして反応と分析を行った。そ
の結果、痕跡量のHFC−134aとともに相当量のHFC−143a
が副生した。(第2表参照) 比較例3 白金触媒を用いる他は比較例1と同様にして反応と分
析を行った。その結果、痕跡量のHFC−134aとともに相
当量のHFC−143aが副生した。(第2表参照) 比較例4 ロジウム触媒を用いる他は比較例1と同様にして反応
と分析を行った。その結果、痕跡量のHFC−134aととも
に相当量のHFC−143aが副生した。(第2表参照) [発明の効果] 本発明は実施例に示したごとく、高純度のペンタフル
オロエタン(HFC−125)を高収率で製造し得るという効
果を有する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 平1−258632(JP,A) 特開 平3−99026(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 19/08 C07C 17/23

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロロペンタフルオロエタンをクロロペン
    タフルオロエタン以外のハロゲン化炭化水素、および炭
    化水素から選ばれる少なくとも1種の化合物の共存下、
    還元触媒を使用して水素で還元を行なうペンタフルオロ
    エタンの製法。
  2. 【請求項2】共存させる化合物の蒸発潜熱が3kcal/mol
    以上である請求項1に記載のペンタフルオロエタンの製
    法。
  3. 【請求項3】共存させる化合物が、エタン、1−クロロ
    −1,1−ジフルオロエタン、ジクロロジフルオロメタ
    ン、クロロジフルオロメタン、テトラフルオロエタン、
    ジクロロテトラフルオロエタン、クロロフルオロメタ
    ン、ジクロロトリフルオロエタン、ジクロロフルオロエ
    タン、又はトリクロロトリフルオロエタンである請求項
    1または2に記載のペンタフルオロエタンの製法。
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DE69513152T2 (de) * 1994-02-07 2000-06-21 E.I. Du Pont De Nemours And Co., Wilmington Verfahren zur trennung von pentafluorethan aus einer mischung, die halogenierte kohlenwasserstoffe und chlorpentafluorethan enthält

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