JP2762332B2 - 積層型誘電体デュプレクサ - Google Patents
積層型誘電体デュプレクサInfo
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- JP2762332B2 JP2762332B2 JP35090492A JP35090492A JP2762332B2 JP 2762332 B2 JP2762332 B2 JP 2762332B2 JP 35090492 A JP35090492 A JP 35090492A JP 35090492 A JP35090492 A JP 35090492A JP 2762332 B2 JP2762332 B2 JP 2762332B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、帯域通過フィルタ(B
PF)部と帯域阻止フィルタ(BEF)部とを組み合わ
せた積層型誘電体デュプレクサに関するものである。更
に詳しく述べると、1/4波長共振型のストリップ線路
を形成した複数枚の共振器基板を、間に結合調整用基板
を挾むように厚み方向に積層し、共振器基板の外周に設
けた独立した島状電極間を導体で接続した有極型の帯域
通過フィルタ部と、同様の構造の複数枚の共振器基板
を、間にシールド用基板を挾むように厚み方向に積層
し、共振器基板の外周の独立した島状電極間をコイルで
接続した帯域阻止フィルタ部とを備え、両フィルタ部を
合成用コイルで接続し合成した積層型誘電体デュプレク
サに関するものである。この誘電体デュプレクサは、例
えばマイクロ波用の各種無線機器などに好適である。
PF)部と帯域阻止フィルタ(BEF)部とを組み合わ
せた積層型誘電体デュプレクサに関するものである。更
に詳しく述べると、1/4波長共振型のストリップ線路
を形成した複数枚の共振器基板を、間に結合調整用基板
を挾むように厚み方向に積層し、共振器基板の外周に設
けた独立した島状電極間を導体で接続した有極型の帯域
通過フィルタ部と、同様の構造の複数枚の共振器基板
を、間にシールド用基板を挾むように厚み方向に積層
し、共振器基板の外周の独立した島状電極間をコイルで
接続した帯域阻止フィルタ部とを備え、両フィルタ部を
合成用コイルで接続し合成した積層型誘電体デュプレク
サに関するものである。この誘電体デュプレクサは、例
えばマイクロ波用の各種無線機器などに好適である。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波用デュプレクサとしては、複
数の穴を有する一体型の誘電体同軸共振器を用いる帯域
通過フィルタと、単穴形式の複数の誘電体同軸共振器を
用いる帯域阻止フィルタとを組み合わせた誘電体デュプ
レクサが知られている。帯域通過フィルタは、一体型の
誘電体同軸共振器に有極用コンデンサを接続し、コンデ
ンサ間を導線で接続して有極帰還回路を付加する構造で
ある。また帯域阻止フィルタは、単体型の誘電体同軸共
振器にそれぞれ結合用コンデンサを接続し、各コンデン
サ間をコイルで接続する構造である。帯域通過フィルタ
の一端に送信端子を設け、帯域阻止フィルタの一端に受
信端子を設ける。そして両フィルタの他端間を合成用コ
イルで接続し合成してアンテナに接続する。
数の穴を有する一体型の誘電体同軸共振器を用いる帯域
通過フィルタと、単穴形式の複数の誘電体同軸共振器を
用いる帯域阻止フィルタとを組み合わせた誘電体デュプ
レクサが知られている。帯域通過フィルタは、一体型の
誘電体同軸共振器に有極用コンデンサを接続し、コンデ
ンサ間を導線で接続して有極帰還回路を付加する構造で
ある。また帯域阻止フィルタは、単体型の誘電体同軸共
振器にそれぞれ結合用コンデンサを接続し、各コンデン
サ間をコイルで接続する構造である。帯域通過フィルタ
の一端に送信端子を設け、帯域阻止フィルタの一端に受
信端子を設ける。そして両フィルタの他端間を合成用コ
イルで接続し合成してアンテナに接続する。
【0003】帯域通過フィルタを構成する一体型の誘電
体同軸共振器は、直方体状の誘電体ブロックに数個(例
えば4段の場合は4個)の共振子穴を並設すると共に、
それらの間に結合子穴を設け、各穴が開口している一方
の面を除く全外面と共振子穴の内面にメタライズ層を形
成した構造である。各穴が開口している面のうちメタラ
イズ層が無い方が開放面、メタライズ層が有る方が短絡
面となる。これは1/4波長共振型であり、間の結合子
穴によって各共振子が結合する。別の配線基板を用意
し、それに共振器数と同数の有極用コンデンサを搭載す
る。そして各共振子穴の内面メタライズ層と各コンデン
サとの間をリード端子で接続する。予め配線基板に形成
されている導体パターンによって第1番目と第2番目、
及び第3番目と第4番目のコンデンサ間をそれぞれ接続
し、それによって有極帰還回路を形成する。
体同軸共振器は、直方体状の誘電体ブロックに数個(例
えば4段の場合は4個)の共振子穴を並設すると共に、
それらの間に結合子穴を設け、各穴が開口している一方
の面を除く全外面と共振子穴の内面にメタライズ層を形
成した構造である。各穴が開口している面のうちメタラ
イズ層が無い方が開放面、メタライズ層が有る方が短絡
面となる。これは1/4波長共振型であり、間の結合子
穴によって各共振子が結合する。別の配線基板を用意
し、それに共振器数と同数の有極用コンデンサを搭載す
る。そして各共振子穴の内面メタライズ層と各コンデン
サとの間をリード端子で接続する。予め配線基板に形成
されている導体パターンによって第1番目と第2番目、
及び第3番目と第4番目のコンデンサ間をそれぞれ接続
し、それによって有極帰還回路を形成する。
【0004】帯域阻止フィルタを構成する各誘電体同軸
共振器は、角柱状の誘電体の中央に共振子穴を設け、該
共振子穴が開口している一方の面を除く全外面と共振子
穴の内面にメタライズ層を形成した構造である。共振子
穴が開口している面のうちメタライズ層が無い方が開放
面、メタライズ層が有る方が短絡面となる。この誘電体
同軸共振器を複数個並設する。それとは別に配線基板を
用意し、それに共振器数と同数の結合用コンデンサを搭
載すると共に、各コンデンサ間をコイルで接続する。そ
して各誘電体同軸共振器の内部電極(共振子穴の内面メ
タライズ層)と各コンデンサとの間をリード端子で接続
する。
共振器は、角柱状の誘電体の中央に共振子穴を設け、該
共振子穴が開口している一方の面を除く全外面と共振子
穴の内面にメタライズ層を形成した構造である。共振子
穴が開口している面のうちメタライズ層が無い方が開放
面、メタライズ層が有る方が短絡面となる。この誘電体
同軸共振器を複数個並設する。それとは別に配線基板を
用意し、それに共振器数と同数の結合用コンデンサを搭
載すると共に、各コンデンサ間をコイルで接続する。そ
して各誘電体同軸共振器の内部電極(共振子穴の内面メ
タライズ層)と各コンデンサとの間をリード端子で接続
する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような誘電体同
軸共振器構造の場合は、共振器とは別に配線基板や有極
用あるいは結合用のコンデンサを必要とし、それの組み
立ての他、各コンデンサと共振子穴の内面メタライズ層
とをリード端子で接続しなければならず、部品点数が多
く、実装工数が増大し、組み立ても煩瑣となる。また誘
電体同軸共振器構造では、誘電体ブロックに穴を形成す
るため、本質的に小形化に限界がある。
軸共振器構造の場合は、共振器とは別に配線基板や有極
用あるいは結合用のコンデンサを必要とし、それの組み
立ての他、各コンデンサと共振子穴の内面メタライズ層
とをリード端子で接続しなければならず、部品点数が多
く、実装工数が増大し、組み立ても煩瑣となる。また誘
電体同軸共振器構造では、誘電体ブロックに穴を形成す
るため、本質的に小形化に限界がある。
【0006】ところでマイクロ波用フィルタとしては、
共振器をストリップ線路で構成する形式もある。例えば
1/4波長共振器の場合、誘電体基板上に直線状のスト
リップ線路型の共振器導体を設け、その一端が開放とな
り、他端が外部電極に短絡されるようにする。帯域通過
フィルタを構成する場合には、複数の上記共振器導体を
誘電体基板上に並べて短絡側を共通に接続することによ
り構成できる。しかし帯域阻止フィルタは構成できず、
そのため帯域通過フィルタと帯域阻止フィルタとを組み
合わせる形式のデュプレクサは実現できない。
共振器をストリップ線路で構成する形式もある。例えば
1/4波長共振器の場合、誘電体基板上に直線状のスト
リップ線路型の共振器導体を設け、その一端が開放とな
り、他端が外部電極に短絡されるようにする。帯域通過
フィルタを構成する場合には、複数の上記共振器導体を
誘電体基板上に並べて短絡側を共通に接続することによ
り構成できる。しかし帯域阻止フィルタは構成できず、
そのため帯域通過フィルタと帯域阻止フィルタとを組み
合わせる形式のデュプレクサは実現できない。
【0007】本発明の目的は、上記のような従来技術の
欠点を解消し、有極用及び結合用のコンデンサを共振器
基板に一体的に作り込むことにより、配線基板などを不
要とし付加する部品数を低減して煩瑣な半田付けなどの
組立工数を極力少なくし、小形化し易い構造の積層型誘
電体デュプレクサを提供することである。
欠点を解消し、有極用及び結合用のコンデンサを共振器
基板に一体的に作り込むことにより、配線基板などを不
要とし付加する部品数を低減して煩瑣な半田付けなどの
組立工数を極力少なくし、小形化し易い構造の積層型誘
電体デュプレクサを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、基本的には、
積層型の帯域通過フィルタ部と積層型の帯域阻止フィル
タ部とを組み合わせて、合成用コイルで接続し合成した
誘電体デュプレクサである。帯域通過フィルタ部は、1
/4波長共振ストリップ線路型の共振器基板と結合調整
用基板とを交互に厚み方向に積層し、共振器基板は有極
用コンデンサを一体的に組み込んだ構造として、それに
導体を接続して有極帰還回路を形成した構成である。帯
域阻止フィルタ部は、同様の1/4波長共振ストリップ
線路型の共振器基板とシールド用基板とを交互に厚み方
向に積層し、共振器基板は結合用コンデンサを一体的に
組み込んだ構造として、それにコイルを接続して結合し
た構成である。
積層型の帯域通過フィルタ部と積層型の帯域阻止フィル
タ部とを組み合わせて、合成用コイルで接続し合成した
誘電体デュプレクサである。帯域通過フィルタ部は、1
/4波長共振ストリップ線路型の共振器基板と結合調整
用基板とを交互に厚み方向に積層し、共振器基板は有極
用コンデンサを一体的に組み込んだ構造として、それに
導体を接続して有極帰還回路を形成した構成である。帯
域阻止フィルタ部は、同様の1/4波長共振ストリップ
線路型の共振器基板とシールド用基板とを交互に厚み方
向に積層し、共振器基板は結合用コンデンサを一体的に
組み込んだ構造として、それにコイルを接続して結合し
た構成である。
【0009】ここで各共振器基板は、典型的には、短冊
状の誘電体基板の内部中央長手方向に内部電極を形成
し、一端面を除いた外周部分に独立した島状電極と外部
電極を形成した構造である。結合調整用基板は外周部に
電極を有する。シールド用基板は、厚み方向に対してほ
ぼ垂直な面内に広がるシールド電極を内蔵すると共に外
周部に電極を有する。前記共振器基板を複数枚、それら
の間に結合調整用基板又はシールド用基板を挾むように
積層する。また厚み方向の両側に位置する共振器基板の
更に外側に外側基板を設ける。この外側基板は外側主表
面と外周部に電極を有する。帯域通過フィルタ部では島
状電極間を導体で接続して有極帰還回路を形成し、帯域
阻止フィルタ部では各島状電極間をコイルで接続する。
そして両フィルタ部の両側に位置する共振器基板の島状
電極を受信用又は送信用結合電極とアンテナ用結合電極
とする。
状の誘電体基板の内部中央長手方向に内部電極を形成
し、一端面を除いた外周部分に独立した島状電極と外部
電極を形成した構造である。結合調整用基板は外周部に
電極を有する。シールド用基板は、厚み方向に対してほ
ぼ垂直な面内に広がるシールド電極を内蔵すると共に外
周部に電極を有する。前記共振器基板を複数枚、それら
の間に結合調整用基板又はシールド用基板を挾むように
積層する。また厚み方向の両側に位置する共振器基板の
更に外側に外側基板を設ける。この外側基板は外側主表
面と外周部に電極を有する。帯域通過フィルタ部では島
状電極間を導体で接続して有極帰還回路を形成し、帯域
阻止フィルタ部では各島状電極間をコイルで接続する。
そして両フィルタ部の両側に位置する共振器基板の島状
電極を受信用又は送信用結合電極とアンテナ用結合電極
とする。
【0010】ここで帯域通過フィルタ部と帯域阻止フィ
ルタ部とが連続し外面を一体メタライズ化するのが好ま
しい。例えば、帯域通過フィルタ部は外側の島状電極を
受信用結合電極、中央寄りの島状電極をアンテナ用結合
電極とし、帯域阻止フィルタ部は外側の島状電極を送信
用結合電極、中央寄りの島状電極をアンテナ用結合電極
とする。そして受信用結合電極には受信端子を、送信用
結合電極には送信端子を、また一方のアンテナ用結合電
極にはアンテナ端子を接続する。
ルタ部とが連続し外面を一体メタライズ化するのが好ま
しい。例えば、帯域通過フィルタ部は外側の島状電極を
受信用結合電極、中央寄りの島状電極をアンテナ用結合
電極とし、帯域阻止フィルタ部は外側の島状電極を送信
用結合電極、中央寄りの島状電極をアンテナ用結合電極
とする。そして受信用結合電極には受信端子を、送信用
結合電極には送信端子を、また一方のアンテナ用結合電
極にはアンテナ端子を接続する。
【0011】共振器基板は、上記構造の他、例えば一部
に切り込みを設けて全体をほぼU型とした外部誘電体
と、該外部誘電体の切り込みに嵌入する内部誘電体を組
み合わせ、その接合面及び外周などに電極を設けて1/
4波長共振ストリップ線路を折り返すように立体的に形
成した構造でもよい。結合調整用基板は、単純な板状の
誘電体基板の他、誘電体基板の一部に開口部あるいは切
り込み部を形成して結合度を調整する構造もある。誘電
体基板の主表面に導体パターンを形成する構造でもよ
い。またシールド用基板は、2枚の誘電体を積層した界
面にシールド電極を形成した構造がよい。通常、このよ
うな誘電体デュプレクサの少なくとも開放面側は、例え
ば金属ケースや金属板等の遮蔽体で覆う。
に切り込みを設けて全体をほぼU型とした外部誘電体
と、該外部誘電体の切り込みに嵌入する内部誘電体を組
み合わせ、その接合面及び外周などに電極を設けて1/
4波長共振ストリップ線路を折り返すように立体的に形
成した構造でもよい。結合調整用基板は、単純な板状の
誘電体基板の他、誘電体基板の一部に開口部あるいは切
り込み部を形成して結合度を調整する構造もある。誘電
体基板の主表面に導体パターンを形成する構造でもよ
い。またシールド用基板は、2枚の誘電体を積層した界
面にシールド電極を形成した構造がよい。通常、このよ
うな誘電体デュプレクサの少なくとも開放面側は、例え
ば金属ケースや金属板等の遮蔽体で覆う。
【0012】有極帰還回路の構成としては、例えば4段
フィルタの場合、第1番目と第2番目、及び第3番目と
第4番目の共振器基板の島状電極間を、それぞれ導体で
接続する。この場合は、結合調整用基板の外周面に導体
パターンを設けて、それによって接続部を形成すること
も可能である。
フィルタの場合、第1番目と第2番目、及び第3番目と
第4番目の共振器基板の島状電極間を、それぞれ導体で
接続する。この場合は、結合調整用基板の外周面に導体
パターンを設けて、それによって接続部を形成すること
も可能である。
【0013】
【作用】共振器基板は、内部及び外周の電極によって1
/4波長共振型のストリップ線路形式の共振器となる。
そして、その外周面の一端の無電極部分(電極を形成し
ていない方)が開放面、他端の電極を形成している方が
短絡面となる。但し、折り返し型の場合は、開放面と短
絡面が同じ端に現れる。共振器基板で挾まれる結合調整
用基板は、その材質、厚み、開口部や切り込み部の形状
や位置などに応じて、隣接する共振器間での結合を調整
する。共振器基板の間に位置するシールド用基板は、隣
接する共振器間の直接的な結合を阻止し、それぞれ独立
した共振器として働くようにする。
/4波長共振型のストリップ線路形式の共振器となる。
そして、その外周面の一端の無電極部分(電極を形成し
ていない方)が開放面、他端の電極を形成している方が
短絡面となる。但し、折り返し型の場合は、開放面と短
絡面が同じ端に現れる。共振器基板で挾まれる結合調整
用基板は、その材質、厚み、開口部や切り込み部の形状
や位置などに応じて、隣接する共振器間での結合を調整
する。共振器基板の間に位置するシールド用基板は、隣
接する共振器間の直接的な結合を阻止し、それぞれ独立
した共振器として働くようにする。
【0014】上記の各共振器基板では、その外周部分に
形成した島状電極と共振器基板の内部電極との間で静電
容量が生じ、それが有極用もしくは結合用コンデンサと
して働く。そのため適当な島状電極間を導体で接続する
ことで、有極を呈する帯域通過フィルタ特性を発現させ
ることができる。また各島状電極間をコイルで接続する
ことにより、帯域阻止フィルタ特性が発現する。
形成した島状電極と共振器基板の内部電極との間で静電
容量が生じ、それが有極用もしくは結合用コンデンサと
して働く。そのため適当な島状電極間を導体で接続する
ことで、有極を呈する帯域通過フィルタ特性を発現させ
ることができる。また各島状電極間をコイルで接続する
ことにより、帯域阻止フィルタ特性が発現する。
【0015】
【実施例】図1は本発明に係る積層型誘電体デュプレク
サの一実施例を示しており、図2はその部分組立斜視図
である。両図に示すように、帯域通過フィルタ部10と
帯域阻止フィルタ部20との組み合わせからなる。両フ
ィルタ部10,20は、共に4枚の共振器基板を有す
る。帯域通過フィルタ部10の片側に受信端子12を装
着し、帯域阻止フィルタ部20の片側に送信端子22を
装着する。そして、帯域通過フィルタ部10の反対側に
アンテナ端子14を装着し、帯域阻止フィルタ部20と
の間を合成用コイル24で接続し合成する。
サの一実施例を示しており、図2はその部分組立斜視図
である。両図に示すように、帯域通過フィルタ部10と
帯域阻止フィルタ部20との組み合わせからなる。両フ
ィルタ部10,20は、共に4枚の共振器基板を有す
る。帯域通過フィルタ部10の片側に受信端子12を装
着し、帯域阻止フィルタ部20の片側に送信端子22を
装着する。そして、帯域通過フィルタ部10の反対側に
アンテナ端子14を装着し、帯域阻止フィルタ部20と
の間を合成用コイル24で接続し合成する。
【0016】帯域通過フィルタ部10の本体部分は、1
/4波長共振ストリップ線路型の4枚の共振器基板30
a,…,30dと3枚の結合調整用基板32a,…,3
2cとを交互に厚み方向に積層する形式である。更に両
側に位置する共振器基板30a,30dの外側に外側基
板34a,34bを配置する。各共振器基板30a,
…,30dの向き(開放面及び短絡面の位置)は全て同
一である。
/4波長共振ストリップ線路型の4枚の共振器基板30
a,…,30dと3枚の結合調整用基板32a,…,3
2cとを交互に厚み方向に積層する形式である。更に両
側に位置する共振器基板30a,30dの外側に外側基
板34a,34bを配置する。各共振器基板30a,
…,30dの向き(開放面及び短絡面の位置)は全て同
一である。
【0017】全共振器基板30a,…,30dはほぼ同
一形状であり、1/4波長共振のストリップ線路を有す
る。即ち、短冊状の誘電体基板40の内部中央長手方向
(2個の誘電体片の貼り合わせ面の全体)に内部電極4
1を形成すると共に、一方の端面を除く外周部分に外部
電極42を形成する。無電極側の端面が開放面、電極形
成側の端面が短絡面となる。各共振器基板の無電極端面
近傍の外周部分には独立した(他の電極から分離した)
島状電極43を設ける。
一形状であり、1/4波長共振のストリップ線路を有す
る。即ち、短冊状の誘電体基板40の内部中央長手方向
(2個の誘電体片の貼り合わせ面の全体)に内部電極4
1を形成すると共に、一方の端面を除く外周部分に外部
電極42を形成する。無電極側の端面が開放面、電極形
成側の端面が短絡面となる。各共振器基板の無電極端面
近傍の外周部分には独立した(他の電極から分離した)
島状電極43を設ける。
【0018】帯域阻止フィルタ部20は、1/4波長共
振ストリップ線路型の4枚の共振器基板50a,…,5
0dと3枚のシールド用基板52a,…,52cとを交
互に厚み方向に積層する形式である。更に両側に位置す
る共振器基板50a,50dの外側に外側基板54a,
54bを配置する。各共振器基板50a,…,50dは
同じ向き(開放面及び短絡面の位置)である。
振ストリップ線路型の4枚の共振器基板50a,…,5
0dと3枚のシールド用基板52a,…,52cとを交
互に厚み方向に積層する形式である。更に両側に位置す
る共振器基板50a,50dの外側に外側基板54a,
54bを配置する。各共振器基板50a,…,50dは
同じ向き(開放面及び短絡面の位置)である。
【0019】帯域阻止フィルタ部20で用いる共振器基
板50a,…,50dは、前記の帯域通過フィルタ部1
0で用いる共振器基板30a,…,30dと同様の構造
である。短冊状の誘電体基板60の内部中央長手方向に
内部電極61を形成すると共に、一方の端面を除く外周
部分に外部電極62を形成する。各共振器基板の無電極
端面近傍の外周部分には独立した島状電極63を設け
る。
板50a,…,50dは、前記の帯域通過フィルタ部1
0で用いる共振器基板30a,…,30dと同様の構造
である。短冊状の誘電体基板60の内部中央長手方向に
内部電極61を形成すると共に、一方の端面を除く外周
部分に外部電極62を形成する。各共振器基板の無電極
端面近傍の外周部分には独立した島状電極63を設け
る。
【0020】上記の共振器基板を構成する誘電体基板
は、例えばチタン酸バリウム系など、通常マイクロ波用
フィルタに使用しているマイクロ波用高誘電率材料の焼
結体である。ここで共振器基板は2個の誘電体片の組み
合わせからなる。一方の誘電体片は一端を除く外周面に
電極を有する構造であり、他方の誘電体は一端とその近
傍を除く外周面に電極を有し、無電極側の端面近傍に島
状電極を設けた構造である。両誘電体片を接合すること
により共振器基板を構成できる。島状電極と内部電極と
の間に有極用あるいは結合用のコンデンサが形成され
る。これらの共振器基板は、その外部電極あるいは島状
電極をトリミングすることにより、それぞれ共振周波数
あるいはコンデンサ容量を微調整することができる。
は、例えばチタン酸バリウム系など、通常マイクロ波用
フィルタに使用しているマイクロ波用高誘電率材料の焼
結体である。ここで共振器基板は2個の誘電体片の組み
合わせからなる。一方の誘電体片は一端を除く外周面に
電極を有する構造であり、他方の誘電体は一端とその近
傍を除く外周面に電極を有し、無電極側の端面近傍に島
状電極を設けた構造である。両誘電体片を接合すること
により共振器基板を構成できる。島状電極と内部電極と
の間に有極用あるいは結合用のコンデンサが形成され
る。これらの共振器基板は、その外部電極あるいは島状
電極をトリミングすることにより、それぞれ共振周波数
あるいはコンデンサ容量を微調整することができる。
【0021】このような構造の共振器基板は、実際には
次のような製法で量産できる。所定の厚みと幅を有する
マイクロ波用高誘電率材料の焼結体基板を2枚用意す
る。一方の焼結体基板には上下両面全体及び片側端面に
銀ペーストを塗布して焼付け、他方の焼結体基板には下
面全体、片側端面、及びそれに連続する上面の大部分に
銀ペーストを塗布すると共に、上面の反対側端面寄りに
分離して帯状に銀ペーストを塗布し、焼付ける。次に一
方の焼結体基板の上面全体と他方の焼結基板の下面全体
に接着用銀ペーストを塗布して接合し、焼付け一体化す
る。その後、所定の幅で細断すると、前述したような共
振器基板を多数製造できる。
次のような製法で量産できる。所定の厚みと幅を有する
マイクロ波用高誘電率材料の焼結体基板を2枚用意す
る。一方の焼結体基板には上下両面全体及び片側端面に
銀ペーストを塗布して焼付け、他方の焼結体基板には下
面全体、片側端面、及びそれに連続する上面の大部分に
銀ペーストを塗布すると共に、上面の反対側端面寄りに
分離して帯状に銀ペーストを塗布し、焼付ける。次に一
方の焼結体基板の上面全体と他方の焼結基板の下面全体
に接着用銀ペーストを塗布して接合し、焼付け一体化す
る。その後、所定の幅で細断すると、前述したような共
振器基板を多数製造できる。
【0022】結合調整用基板32a,…,32cは、誘
電体基板44の外周部(但し一部を除く)に電極45を
有する。シールド用基板52a,…,52cは、厚み方
向に対して垂直な面内に広がるシールド電極を内蔵し、
外周部(但し一部を除く)に電極を有する。具体的に
は、2枚の誘電体64a,64bの主表面(但し片面)
にシールド電極65を形成し、外周に電極66を設け
て、両誘電体64a,64bをシールド電極65が背中
合わせとなるように貼り合わせた構造である。また外側
基板34a,34b,54a,54bは、誘電体基板4
6の外側主表面と外周部(但し一部を除く)に電極47
を形成したものである。なお、各基板の一端面は無電極
部であり、且つ各電極が前記島状電極に接続しないよう
に、それらの近傍も無電極部とする。これらの各基板
は、必ずしも共振器基板と同一材質である必要はない。
例えばフォルステライト等の共振器基板より誘電率が低
い材料でもよい。
電体基板44の外周部(但し一部を除く)に電極45を
有する。シールド用基板52a,…,52cは、厚み方
向に対して垂直な面内に広がるシールド電極を内蔵し、
外周部(但し一部を除く)に電極を有する。具体的に
は、2枚の誘電体64a,64bの主表面(但し片面)
にシールド電極65を形成し、外周に電極66を設け
て、両誘電体64a,64bをシールド電極65が背中
合わせとなるように貼り合わせた構造である。また外側
基板34a,34b,54a,54bは、誘電体基板4
6の外側主表面と外周部(但し一部を除く)に電極47
を形成したものである。なお、各基板の一端面は無電極
部であり、且つ各電極が前記島状電極に接続しないよう
に、それらの近傍も無電極部とする。これらの各基板
は、必ずしも共振器基板と同一材質である必要はない。
例えばフォルステライト等の共振器基板より誘電率が低
い材料でもよい。
【0023】これらを、前記のように共振器基板30
a,…,30d及び50a,…,50dが同じ向きにな
るように配列し、接着剤などを用いて結合一体化する。
この構成では外面の一体メタライズ化が可能である。ま
た外側基板34bと54bは、シールド用基板で代用可
能である。この実施例では、両フィルタ部で基板を共通
化できるため、実質的には(共振周波数の調整などの関
係上での微差はあるが)共振器基板、結合調整用基板、
2種の外側基板の合計4種類で(シールド用基板は両外
側基板の組み合わせで構成できる)製作可能である。な
お図面を分かり易くするため、各図において電極部分に
は影線を施し、無電極部分(誘電体の素地が露出してい
る部分)には細かな点々を付して表している。
a,…,30d及び50a,…,50dが同じ向きにな
るように配列し、接着剤などを用いて結合一体化する。
この構成では外面の一体メタライズ化が可能である。ま
た外側基板34bと54bは、シールド用基板で代用可
能である。この実施例では、両フィルタ部で基板を共通
化できるため、実質的には(共振周波数の調整などの関
係上での微差はあるが)共振器基板、結合調整用基板、
2種の外側基板の合計4種類で(シールド用基板は両外
側基板の組み合わせで構成できる)製作可能である。な
お図面を分かり易くするため、各図において電極部分に
は影線を施し、無電極部分(誘電体の素地が露出してい
る部分)には細かな点々を付して表している。
【0024】帯域通過フィルタ部10では、第1番目の
共振器基板30aと第2番目の共振器基板30bの島状
電極43間、及び第3番目の共振器基板30cと第4番
目の共振器基板30dの島状電極43の間を導体(例え
ば錫メッキ銅線)36で接続し、それによって有極帰還
回路を形成している。また帯域阻止フィルタ部20で
は、各共振器基板50a,…,50dに形成した4個の
島状電極63間を3個のコイル56で接続する。
共振器基板30aと第2番目の共振器基板30bの島状
電極43間、及び第3番目の共振器基板30cと第4番
目の共振器基板30dの島状電極43の間を導体(例え
ば錫メッキ銅線)36で接続し、それによって有極帰還
回路を形成している。また帯域阻止フィルタ部20で
は、各共振器基板50a,…,50dに形成した4個の
島状電極63間を3個のコイル56で接続する。
【0025】通常、このような誘電体デュプレクサは、
金属製ケースを被せて遮蔽し回路基板に実装する。各端
子を回路基板の導体パターンに接続すると共に、金属製
ケースに設けたアースタブ等を回路基板のアースパター
ンに半田付けして電気的接続と機械的固定を行う。
金属製ケースを被せて遮蔽し回路基板に実装する。各端
子を回路基板の導体パターンに接続すると共に、金属製
ケースに設けたアースタブ等を回路基板のアースパター
ンに半田付けして電気的接続と機械的固定を行う。
【0026】さて上記のようなストリップ線路型の共振
器基板は、誘電体基板中に形成した内部電極によって1
/4波長共振器が形成され、それが外部電極で短絡した
ものとなる。従って基本的には共振器基板の長さ寸法
(内部電極の長さ)で共振波長(言い換えると共振周波
数)が決まる。また共振器基板の厚さ(積層方向寸法)
が大きいほど共振周波数は低くなり、幅(内部電極と外
部電極との間隔)が小さくなるほど共振周波数は低くな
る。帯域通過フィルタ部10では、各共振器基板は、間
に位置する結合調整用基板によって段間の結合調整が行
われ、それによって帯域通過フィルタ特性が発現する。
なお入出力は両端に位置する共振器基板の内部電極と島
状電極との間の容量によって結合する。更に有極帰還回
路によって極が生じ、急峻なフィルタ特性が得られる。
また帯域阻止フィルタ部20では、シールド用基板によ
り互いにシールドされた各共振器基板が、島状電極と内
部電極との間で形成される結合用コンデンサと付加した
コイルによって段間結合し、それによって帯域阻止フィ
ルタ特性が生じる。両フィルタ部の共振周波数を受信周
波数に対応させることで、アンテナの送受共用が可能と
なる。
器基板は、誘電体基板中に形成した内部電極によって1
/4波長共振器が形成され、それが外部電極で短絡した
ものとなる。従って基本的には共振器基板の長さ寸法
(内部電極の長さ)で共振波長(言い換えると共振周波
数)が決まる。また共振器基板の厚さ(積層方向寸法)
が大きいほど共振周波数は低くなり、幅(内部電極と外
部電極との間隔)が小さくなるほど共振周波数は低くな
る。帯域通過フィルタ部10では、各共振器基板は、間
に位置する結合調整用基板によって段間の結合調整が行
われ、それによって帯域通過フィルタ特性が発現する。
なお入出力は両端に位置する共振器基板の内部電極と島
状電極との間の容量によって結合する。更に有極帰還回
路によって極が生じ、急峻なフィルタ特性が得られる。
また帯域阻止フィルタ部20では、シールド用基板によ
り互いにシールドされた各共振器基板が、島状電極と内
部電極との間で形成される結合用コンデンサと付加した
コイルによって段間結合し、それによって帯域阻止フィ
ルタ特性が生じる。両フィルタ部の共振周波数を受信周
波数に対応させることで、アンテナの送受共用が可能と
なる。
【0027】図3は本発明に係る積層型誘電体デュプレ
クサの他の実施例を示している。基本構成は、前述の図
1に示す実施例と同様である。帯域通過フィルタ部70
は、1/4波長共振ストリップ線路型の4枚の共振器基
板71a,…,71dと3枚の結合調整用基板72a,
…,72cとを交互に厚み方向に積層し、その両側に外
側基板73a,73bを配置する形式である。また帯域
阻止フィルタ部74は4枚の共振器基板75a,…,7
5dと3枚のシールド用基板76a,…,76cとを交
互に厚み方向に積層し、両側に外側基板77a,77b
を配置する形式である。そして各誘電体基板を位置決め
して接着剤などで結合し一体化する。ここで各基板の形
状は、段差を有する(一隅を切り欠いた)形状である。
帯域通過フィルタ部70と帯域阻止フィルタ部74とを
合成用コイル78で接続し合成する。
クサの他の実施例を示している。基本構成は、前述の図
1に示す実施例と同様である。帯域通過フィルタ部70
は、1/4波長共振ストリップ線路型の4枚の共振器基
板71a,…,71dと3枚の結合調整用基板72a,
…,72cとを交互に厚み方向に積層し、その両側に外
側基板73a,73bを配置する形式である。また帯域
阻止フィルタ部74は4枚の共振器基板75a,…,7
5dと3枚のシールド用基板76a,…,76cとを交
互に厚み方向に積層し、両側に外側基板77a,77b
を配置する形式である。そして各誘電体基板を位置決め
して接着剤などで結合し一体化する。ここで各基板の形
状は、段差を有する(一隅を切り欠いた)形状である。
帯域通過フィルタ部70と帯域阻止フィルタ部74とを
合成用コイル78で接続し合成する。
【0028】共振器基板の詳細を図4に示す。各共振器
基板は、一部に切り込みを設けて全体をほぼU型とし且
つその一方の脚部を他方よりも長く成形した外部誘電体
80と、その切り込みに嵌入する内部誘電体81との組
み合わせである。外部誘電体80は、長脚部端面82を
除く外周部分に電極83を形成したものである。また内
部誘電体81は、長短2個の誘電体片84,85を一端
を揃え且つその近傍を除いて電極86を介して接合する
と共に、長い方の誘電体片84の接合面近傍に独立した
島状電極87を形成し、該島状電極87と長い誘電体片
84の突出した端面88と両誘電体片84,85の外周
部分に電極89を形成した構造である。そして内部誘電
体81を、その無電極端面88が外部誘電体80の長脚
部端面82近傍に位置し、且つ内部誘電体81の外周電
極89が外部誘電体80の切り込み面に接する向きに、
内部誘電体81を外部誘電体80の切り込みに挿入して
ガラス接着などにより固定する。
基板は、一部に切り込みを設けて全体をほぼU型とし且
つその一方の脚部を他方よりも長く成形した外部誘電体
80と、その切り込みに嵌入する内部誘電体81との組
み合わせである。外部誘電体80は、長脚部端面82を
除く外周部分に電極83を形成したものである。また内
部誘電体81は、長短2個の誘電体片84,85を一端
を揃え且つその近傍を除いて電極86を介して接合する
と共に、長い方の誘電体片84の接合面近傍に独立した
島状電極87を形成し、該島状電極87と長い誘電体片
84の突出した端面88と両誘電体片84,85の外周
部分に電極89を形成した構造である。そして内部誘電
体81を、その無電極端面88が外部誘電体80の長脚
部端面82近傍に位置し、且つ内部誘電体81の外周電
極89が外部誘電体80の切り込み面に接する向きに、
内部誘電体81を外部誘電体80の切り込みに挿入して
ガラス接着などにより固定する。
【0029】このような共振器基板は、結果的には、恰
も細長い棒状の誘電体の両外側と内側にW状に電極を形
成したストリップ線路型1/4波長共振器を、更に半分
に折り返したものと見なすことができ、誘電体材料を効
果的に利用して小形化したものとなる。ここでは、外部
誘電体80の長脚部端面82が内部誘電体81の長い誘
電体片84の先端よりも突出するようにしてあり、その
結果として生じる長脚部内側に延在露出する電極部分8
3aを周波数トリミング電極として使用する。その部分
を削ると共振器長さが短くなったように見えるから、そ
れによって共振周波数を高周波側へずらすように調整で
きる。
も細長い棒状の誘電体の両外側と内側にW状に電極を形
成したストリップ線路型1/4波長共振器を、更に半分
に折り返したものと見なすことができ、誘電体材料を効
果的に利用して小形化したものとなる。ここでは、外部
誘電体80の長脚部端面82が内部誘電体81の長い誘
電体片84の先端よりも突出するようにしてあり、その
結果として生じる長脚部内側に延在露出する電極部分8
3aを周波数トリミング電極として使用する。その部分
を削ると共振器長さが短くなったように見えるから、そ
れによって共振周波数を高周波側へずらすように調整で
きる。
【0030】結合調整用基板は、図5に示すように、一
隅を切り欠いた板状の誘電体90の外周面(但し段差部
分及び先端面を除く)に電極91を設けた構造である。
シールド用基板も、図6に示すように、一隅を切り欠い
た2枚の板状誘電体92a,92bの片面にシールド電
極93を形成すると共に、外周面(但し段差部分及びそ
の先端面を除く)に電極94を設けて、シールド電極9
3を背中合わせに接合した構造である。外側基板も一隅
を切り欠いた板状であり、外側主表面と外周部(但し一
部を除く)に電極を形成したものである。
隅を切り欠いた板状の誘電体90の外周面(但し段差部
分及び先端面を除く)に電極91を設けた構造である。
シールド用基板も、図6に示すように、一隅を切り欠い
た2枚の板状誘電体92a,92bの片面にシールド電
極93を形成すると共に、外周面(但し段差部分及びそ
の先端面を除く)に電極94を設けて、シールド電極9
3を背中合わせに接合した構造である。外側基板も一隅
を切り欠いた板状であり、外側主表面と外周部(但し一
部を除く)に電極を形成したものである。
【0031】図3に戻って、共振器基板71a,71b
の島状電極87の間、及び共振器基板71c,71dの
島状電極87の間に導体95を接続して有極帰還回路を
形成する。また共振器基板75a,…,75dの島状電
極87間をコイル96で結線する。共振器基板71aの
島状電極には受信端子97を、共振器基板71dの島状
電極にはアンテナ端子98を、共振器基板75aの島状
電極には送信端子99を設ける。誘電体デュプレクサと
しての動作は、前記実施例の場合と同様であるので、そ
れらについての説明は省略する。
の島状電極87の間、及び共振器基板71c,71dの
島状電極87の間に導体95を接続して有極帰還回路を
形成する。また共振器基板75a,…,75dの島状電
極87間をコイル96で結線する。共振器基板71aの
島状電極には受信端子97を、共振器基板71dの島状
電極にはアンテナ端子98を、共振器基板75aの島状
電極には送信端子99を設ける。誘電体デュプレクサと
しての動作は、前記実施例の場合と同様であるので、そ
れらについての説明は省略する。
【0032】本発明は上記の実施例のみに限定されるも
のではない。結合調整用基板は、単なる板状の他、誘電
体基板の中央に開口部や切り込み部を形成してもよい。
その形状の調整によって隣接する共振器基板間の結合度
を調整できる。あるいは誘電体基板の主表面に結合調整
用の導体膜を設けてもよい。但し導体膜は、共振器基板
の電極には接触しないように形成する。導体膜は、主表
面の一方のみに設けてもよいし、両主表面に設けてもよ
い。また導体膜は、外周の電極に接続される構成でもよ
い。導体膜によって電磁界を制御できるから、これによ
って隣接する共振器基板間の結合度を調整できる。
のではない。結合調整用基板は、単なる板状の他、誘電
体基板の中央に開口部や切り込み部を形成してもよい。
その形状の調整によって隣接する共振器基板間の結合度
を調整できる。あるいは誘電体基板の主表面に結合調整
用の導体膜を設けてもよい。但し導体膜は、共振器基板
の電極には接触しないように形成する。導体膜は、主表
面の一方のみに設けてもよいし、両主表面に設けてもよ
い。また導体膜は、外周の電極に接続される構成でもよ
い。導体膜によって電磁界を制御できるから、これによ
って隣接する共振器基板間の結合度を調整できる。
【0033】上記の実施例は帯域通過フィルタ部及び帯
域阻止フィルタ部ともに、共振器基板を4枚使用した4
段構成の例であるが、本発明は複数段に適用できる。通
常、この誘電体デュプレクサには金属製ケースを被せる
が、それに代えて例えば開放面近傍に断面L字型の金属
板を取り付けるなど、他の遮蔽手段を用いてもよい。い
ずれにしても、開放面側に設けた金属板あるいは導体膜
が遮蔽効果を発揮し、回路基板に面実装した時に外壁全
体がほぼ導体(電極や金属板など)で囲まれた状態とな
り、入出力間での電波飛びによる不要な結合を阻止し
て、減衰特性を向上させる。
域阻止フィルタ部ともに、共振器基板を4枚使用した4
段構成の例であるが、本発明は複数段に適用できる。通
常、この誘電体デュプレクサには金属製ケースを被せる
が、それに代えて例えば開放面近傍に断面L字型の金属
板を取り付けるなど、他の遮蔽手段を用いてもよい。い
ずれにしても、開放面側に設けた金属板あるいは導体膜
が遮蔽効果を発揮し、回路基板に面実装した時に外壁全
体がほぼ導体(電極や金属板など)で囲まれた状態とな
り、入出力間での電波飛びによる不要な結合を阻止し
て、減衰特性を向上させる。
【0034】
【発明の効果】本発明は上記のように、誘電体基板の内
部に電極を形成した1/4波長共振ストリップ線路を備
え、且つ外周に島状電極を形成して、有極用あるいは結
合用コンデンサを一体的に作り込んだ共振器基板を使用
するため、従来必要であった配線基板やコンデンサなど
は不要となり、部品点数並びに実装工数が低減する。こ
れによって誘電体デュプレクサを、より一層小形化で
き、実装する際に占有面積を小さく出来るため、機器の
小形化に有利である。更に共振器基板の共通化、シール
ド用基板と外側基板との部品共通化などにより、全体の
構成部品点数も削減できる。
部に電極を形成した1/4波長共振ストリップ線路を備
え、且つ外周に島状電極を形成して、有極用あるいは結
合用コンデンサを一体的に作り込んだ共振器基板を使用
するため、従来必要であった配線基板やコンデンサなど
は不要となり、部品点数並びに実装工数が低減する。こ
れによって誘電体デュプレクサを、より一層小形化で
き、実装する際に占有面積を小さく出来るため、機器の
小形化に有利である。更に共振器基板の共通化、シール
ド用基板と外側基板との部品共通化などにより、全体の
構成部品点数も削減できる。
【図1】本発明に係る誘電体デュプレクサの一実施例を
示す斜視図。
示す斜視図。
【図2】その部分組立斜視図。
【図3】本発明に係る誘電体デュプレクサの他の実施例
を示す斜視図。
を示す斜視図。
【図4】それに用いる共振器基板の説明図。
【図5】結合調整用基板の説明図。
【図6】シールド用基板の説明図。
10 帯域通過フィルタ部 20 帯域阻止フィルタ部 24 合成用コイル 30a,…,30d 共振器基板 32a,…,32c 結合調整用基板 34a,34b 外側基板 36 導体 43 島状電極 50a,…,50d 共振器基板 52a,…,52c シールド用基板 54a,54b 外側基板 56 コイル 63 島状電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−54502(JP,A) 特開 平6−169202(JP,A) 特開 平6−169201(JP,A) 特開 平6−77705(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01P 1/213 H01P 1/203 H01P 1/205 H01P 7/08
Claims (6)
- 【請求項1】 誘電体基板の内部及び外周に電極を形成
して1/4波長共振ストリップ線路を構成した複数枚の
共振器基板を、それらの間に結合調整用基板を挾むよう
に積層し、その厚み方向の両側に位置する共振器基板の
更に外側に外側基板を配置した帯域通過フィルタ部と、
上記と同様の複数枚の共振器基板を、それらの間にシー
ルド用基板を挾むように積層し、その厚み方向の両側に
位置する共振器基板の更に外側に外側基板を配置した帯
域阻止フィルタ部とを組み合わせ、前記の結合調整用基
板は外周部に電極を有し、シールド用基板は厚み方向に
対してほぼ垂直な面内に広がるシールド電極を内蔵する
と共に外周部に電極を有し、外側基板は外側主表面と外
周部に電極を有しており、各共振器基板の外周部分に独
立した島状電極を形成して、帯域通過フィルタ部では島
状電極間を導体で接続して有極帰還回路を形成し、帯域
阻止フィルタ部では各島状電極間をコイルで接続し、両
フィルタ部の両側に位置する共振器基板の島状電極を受
信用又は送信用結合電極とアンテナ用結合電極とし、両
アンテナ用結合電極間を合成用コイルで接続し合成した
積層型誘電体デュプレクサ。 - 【請求項2】 帯域通過フィルタ部と帯域阻止フィルタ
部とが連続して外面が一体メタライズ化され、帯域通過
フィルタ部は外側の島状電極を受信用結合電極、中央寄
りの島状電極をアンテナ用結合電極とし、帯域阻止フィ
ルタ部は外側の島状電極を送信用結合電極、中央寄りの
島状電極をアンテナ用結合電極とした請求項1記載のデ
ュプレクサ。 - 【請求項3】 共振器基板は、誘電体基板の内部中央長
手方向に内部電極を形成すると共に、一端面を除いた外
周部分に独立した島状電極と外部電極を形成して1/4
波長共振ストリップ線路を構成した請求項1又は2記載
のデュプレクサ。 - 【請求項4】 共振器基板は、一部に切り込みを設けて
全体をほぼU型とした外部誘電体と、該外部誘電体の切
り込みに嵌入する内部誘電体を組み合わせ、それらの接
合面に電極を設けて1/4波長共振ストリップ線路を折
り返すように立体的に形成した構造である請求項1又は
2記載のデュプレクサ。 - 【請求項5】 共振器基板は、一部に切り込みを設けて
全体をほぼU型とし且つその一方の脚部を他方よりも長
くした外部誘電体と、該外部誘電体の切り込みに嵌入す
る内部誘電体を組み合わせた構造であって、前記外部誘
電体はその長脚部端面を除く外周部分に電極を有し、内
部誘電体は長短2個の誘電体片を一端を揃え且つその近
傍を除いて電極を介して接合すると共に長い方の誘電体
片の接合面近傍に独立して露出する島状電極を形成し、
該島状電極と長い誘電体片の突出した端面を除く外周部
分に電極を形成した構造をなし、該内部誘電体を、その
無電極端面が外部誘電体の長脚部端面近傍に位置し且つ
内部誘電体の外周電極が外部誘電体の切り込み面に接す
る向きで外部誘電体の切り込みに嵌入固定し、1/4波
長共振ストリップ線路を折り返すように立体的に形成し
た構造である請求項1又は2記載のデュプレクサ。 - 【請求項6】 シールド用基板は、2枚の誘電体を積層
した界面にシールド電極を形成した構造をなしている請
求項1又は2記載のデュプレクサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35090492A JP2762332B2 (ja) | 1992-12-04 | 1992-12-04 | 積層型誘電体デュプレクサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35090492A JP2762332B2 (ja) | 1992-12-04 | 1992-12-04 | 積層型誘電体デュプレクサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06177609A JPH06177609A (ja) | 1994-06-24 |
JP2762332B2 true JP2762332B2 (ja) | 1998-06-04 |
Family
ID=18413694
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP35090492A Expired - Lifetime JP2762332B2 (ja) | 1992-12-04 | 1992-12-04 | 積層型誘電体デュプレクサ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2762332B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3498649B2 (ja) * | 1998-11-13 | 2004-02-16 | 株式会社村田製作所 | 誘電体フィルタ、デュプレクサおよび通信装置 |
KR100661881B1 (ko) * | 2006-03-13 | 2006-12-28 | 센티스 주식회사 | 스트립 라인 공진기를 구비한 중계기 |
-
1992
- 1992-12-04 JP JP35090492A patent/JP2762332B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH06177609A (ja) | 1994-06-24 |
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