JP2666102B2 - 積層型誘電体フィルタ - Google Patents
積層型誘電体フィルタInfo
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- JP2666102B2 JP2666102B2 JP4158579A JP15857992A JP2666102B2 JP 2666102 B2 JP2666102 B2 JP 2666102B2 JP 4158579 A JP4158579 A JP 4158579A JP 15857992 A JP15857992 A JP 15857992A JP 2666102 B2 JP2666102 B2 JP 2666102B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1/4波長共振型のス
トリップ線路を形成した複数の誘電体共振器を、間に結
合調整用基板を挾むように厚み方向に積層して一体化し
た積層型誘電体フィルタに関するものである。この誘電
体フィルタは、例えばマイクロ波用の各種無線機器など
に好適である。
トリップ線路を形成した複数の誘電体共振器を、間に結
合調整用基板を挾むように厚み方向に積層して一体化し
た積層型誘電体フィルタに関するものである。この誘電
体フィルタは、例えばマイクロ波用の各種無線機器など
に好適である。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波用フィルタとして共振器をス
トリップ線路で構成する形式がある。例えば1/4波長
共振器の場合、誘電体基板上に直線状のストリップ線路
型の共振器導体を設け、その一端が開放となり、他端が
外部電極に短絡されるようにする。ここで共振器導体
は、共振波長の1/4波長の奇数倍の長さに設定する。
実際のフィルタを構成する場合には、複数の上記共振器
導体を誘電体基板上に並べて短絡側を共通に接続し、隣
接する共振器導体の間隔はフィルタ特性に対応した結合
強度となる所定の距離に定める。
トリップ線路で構成する形式がある。例えば1/4波長
共振器の場合、誘電体基板上に直線状のストリップ線路
型の共振器導体を設け、その一端が開放となり、他端が
外部電極に短絡されるようにする。ここで共振器導体
は、共振波長の1/4波長の奇数倍の長さに設定する。
実際のフィルタを構成する場合には、複数の上記共振器
導体を誘電体基板上に並べて短絡側を共通に接続し、隣
接する共振器導体の間隔はフィルタ特性に対応した結合
強度となる所定の距離に定める。
【0003】このようなストリップ線路型フィルタで
は、各共振器導体を平面的に配置している。例えば、誘
電体基板上にスクリーン印刷法によって所定形状に導電
ペーストを付着させるか、あるいは誘電体基板の表面に
所定形状となるように電極形成部をやや窪ませる加工を
施し、その内部に導電ペーストを充填する。その後、誘
電体基板を加熱処理して導電ペーストを焼き付け、所望
の電極パターンを形成する。また別の例としては、2枚
の誘電体基板の間に、予め打抜きあるいはエッチングな
どにより所定の形状に成形した薄肉導電板(共振器導
体)を挾み込むトリプレート構造もある。
は、各共振器導体を平面的に配置している。例えば、誘
電体基板上にスクリーン印刷法によって所定形状に導電
ペーストを付着させるか、あるいは誘電体基板の表面に
所定形状となるように電極形成部をやや窪ませる加工を
施し、その内部に導電ペーストを充填する。その後、誘
電体基板を加熱処理して導電ペーストを焼き付け、所望
の電極パターンを形成する。また別の例としては、2枚
の誘電体基板の間に、予め打抜きあるいはエッチングな
どにより所定の形状に成形した薄肉導電板(共振器導
体)を挾み込むトリプレート構造もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これら従来のストリッ
プ線路型フィルタは、いずれにしても共振器導体が誘電
体基板上で平面的に配置されるため、面積的にはあまり
小形化できない。特に共振器導体を多段に接続してフィ
ルタを構成する場合は、高さ寸法は増大しなくても、ど
うしても平面的には大きくならざるを得ない。また同一
の誘電体基板上に共振器導体を形成する構成であり、フ
ィルタの帯域は共振器導体の間隔による結合状態で決ま
るため、特にフィルタを小形化する場合に所望の帯域を
制御することが難しい。
プ線路型フィルタは、いずれにしても共振器導体が誘電
体基板上で平面的に配置されるため、面積的にはあまり
小形化できない。特に共振器導体を多段に接続してフィ
ルタを構成する場合は、高さ寸法は増大しなくても、ど
うしても平面的には大きくならざるを得ない。また同一
の誘電体基板上に共振器導体を形成する構成であり、フ
ィルタの帯域は共振器導体の間隔による結合状態で決ま
るため、特にフィルタを小形化する場合に所望の帯域を
制御することが難しい。
【0005】スクリーン印刷による共振器パターンの形
成は、一般に印刷精度が悪く、周波数及び結合が変化す
るため、トリミングが必要となる。また誘電体基板に凹
部を形成して導電材料を充填する場合は、不必要な部分
にまで導電材料が付着してしまうため、それを除去しな
ければならず、煩雑な作業が要求される。更にトリプレ
ート構造の場合は、導電板の存在によって、その厚み分
だけ両誘電体基板の間に隙間が生じるため、等価誘電率
が低下し、寸法をさほど小さくできない。また導電板の
厚みの部分の遮蔽対策も必要となる。誘電体基板を重ね
合わせるときに寸法的なずれが発生し易く、所望の特性
が得られ難い。
成は、一般に印刷精度が悪く、周波数及び結合が変化す
るため、トリミングが必要となる。また誘電体基板に凹
部を形成して導電材料を充填する場合は、不必要な部分
にまで導電材料が付着してしまうため、それを除去しな
ければならず、煩雑な作業が要求される。更にトリプレ
ート構造の場合は、導電板の存在によって、その厚み分
だけ両誘電体基板の間に隙間が生じるため、等価誘電率
が低下し、寸法をさほど小さくできない。また導電板の
厚みの部分の遮蔽対策も必要となる。誘電体基板を重ね
合わせるときに寸法的なずれが発生し易く、所望の特性
が得られ難い。
【0006】本発明の目的は、上記のような従来技術の
欠点、即ちスクリーン印刷による電極寸法のばらつきの
問題、凹部への導電ペーストの塗布の困難性、及びトリ
プレート構造における導電板電極の厚みによる不具合、
重ね合わせ時の寸法のずれ等を解決でき、且つ多段フィ
ルタを構成する場合でも全体を小形化でき、帯域幅の制
御が容易で、実装基板の回路に組み込み易い構造にでき
る積層型誘電体フィルタを提供することである。
欠点、即ちスクリーン印刷による電極寸法のばらつきの
問題、凹部への導電ペーストの塗布の困難性、及びトリ
プレート構造における導電板電極の厚みによる不具合、
重ね合わせ時の寸法のずれ等を解決でき、且つ多段フィ
ルタを構成する場合でも全体を小形化でき、帯域幅の制
御が容易で、実装基板の回路に組み込み易い構造にでき
る積層型誘電体フィルタを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、基本的には、
1/4波長共振ストリップ線路型の誘電体共振器と結合
調整用基板とを交互に厚み方向に積層して一体化する形
式の積層型誘電体フィルタである。ここで誘電体共振器
は、短冊状の誘電体基板の内部中央長手方向に内部電極
を形成し、一端面及び両主表面を除いた外周部分に外部
電極を形成した構造である。また結合調整用基板は外周
部に電極を有する。前記の誘電体共振器を複数、それら
の間に結合調整用基板を挾むように積層する。厚み方向
の両側に位置する誘電体共振器の更に外側に外側基板を
設ける。この外側基板は外側主表面と外周部に電極を形
成した構造である。そして両側に位置する誘電体共振器
の外周部分に独立した島状電極を形成し、該島状電極を
入出力結合電極とする。両側に位置する誘電体共振器
は、それらに形成した島状電極が一体化した構造体の同
一辺側に位置するように配置する。
1/4波長共振ストリップ線路型の誘電体共振器と結合
調整用基板とを交互に厚み方向に積層して一体化する形
式の積層型誘電体フィルタである。ここで誘電体共振器
は、短冊状の誘電体基板の内部中央長手方向に内部電極
を形成し、一端面及び両主表面を除いた外周部分に外部
電極を形成した構造である。また結合調整用基板は外周
部に電極を有する。前記の誘電体共振器を複数、それら
の間に結合調整用基板を挾むように積層する。厚み方向
の両側に位置する誘電体共振器の更に外側に外側基板を
設ける。この外側基板は外側主表面と外周部に電極を形
成した構造である。そして両側に位置する誘電体共振器
の外周部分に独立した島状電極を形成し、該島状電極を
入出力結合電極とする。両側に位置する誘電体共振器
は、それらに形成した島状電極が一体化した構造体の同
一辺側に位置するように配置する。
【0008】結合調整用基板は、単純な平板状の誘電体
基板の他、誘電体基板の一部に開口部あるいは切り込み
部を形成して結合度を調整する構造もある。誘電体基板
の主表面に導体パターンを形成する構造でもよい。通
常、このような誘電体フィルタの少なくとも開放面側
は、例えば金属ケースや金属板、導体を被覆した誘電体
基板等の遮蔽体で覆う。
基板の他、誘電体基板の一部に開口部あるいは切り込み
部を形成して結合度を調整する構造もある。誘電体基板
の主表面に導体パターンを形成する構造でもよい。通
常、このような誘電体フィルタの少なくとも開放面側
は、例えば金属ケースや金属板、導体を被覆した誘電体
基板等の遮蔽体で覆う。
【0009】
【作用】誘電体共振器は、内部及び外周面の電極によっ
て1/4波長共振型のストリップ線路形式の共振器とな
る。そして、その外周面の一端の無電極部分(電極を形
成していない方)が開放面、他端の電極を形成している
方が短絡面となる。誘電体共振器で挾まれる結合調整用
基板は、その材質、厚み、開口部や切り込み部の形状や
位置等に応じて、隣接する共振器間での結合を調整す
る。
て1/4波長共振型のストリップ線路形式の共振器とな
る。そして、その外周面の一端の無電極部分(電極を形
成していない方)が開放面、他端の電極を形成している
方が短絡面となる。誘電体共振器で挾まれる結合調整用
基板は、その材質、厚み、開口部や切り込み部の形状や
位置等に応じて、隣接する共振器間での結合を調整す
る。
【0010】上記の誘電体共振器を複数個、その厚み方
向に、間に結合調整用基板を介して積層することによ
り、所望段数の誘電体フィルタを容易に製造でき且つ極
めて小形化できる。
向に、間に結合調整用基板を介して積層することによ
り、所望段数の誘電体フィルタを容易に製造でき且つ極
めて小形化できる。
【0011】
【実施例】図1は本発明に係る積層型誘電体フィルタの
一実施例を示す分解斜視図、図2はその組立斜視図であ
り、3段フィルタの場合である。この積層型誘電体フィ
ルタは、1/4波長共振ストリップ線路型の3個の誘電
体共振器10a,10b,10cと2枚の結合調整用基
板12a,12bとを、交互に厚み方向に積層する形式
である。更に両側に位置する誘電体共振器10a,10
cの外側に外側基板14a,14bを配置し、各誘電体
基板を位置決めして接着剤などで結合し一体化する。こ
こでは、各誘電体共振器10a,…,10cの向き(開
放面及び短絡面の位置)は全て同一とする。外側の誘電
体共振器10a,10cの無電極端面近傍の外周部分に
は独立した島状電極16a,16bを設けて、それを入
出力結合電極とする。
一実施例を示す分解斜視図、図2はその組立斜視図であ
り、3段フィルタの場合である。この積層型誘電体フィ
ルタは、1/4波長共振ストリップ線路型の3個の誘電
体共振器10a,10b,10cと2枚の結合調整用基
板12a,12bとを、交互に厚み方向に積層する形式
である。更に両側に位置する誘電体共振器10a,10
cの外側に外側基板14a,14bを配置し、各誘電体
基板を位置決めして接着剤などで結合し一体化する。こ
こでは、各誘電体共振器10a,…,10cの向き(開
放面及び短絡面の位置)は全て同一とする。外側の誘電
体共振器10a,10cの無電極端面近傍の外周部分に
は独立した島状電極16a,16bを設けて、それを入
出力結合電極とする。
【0012】全誘電体共振器10a,…,10cは、基
本的にはほぼ同様の形状であり、両主表面を除く部分に
1/4波長共振のストリップ線路を形成したものであ
る。即ち、短冊状の誘電体基板20の内部中央長手方向
に内部電極22を形成すると共に、両主表面(表裏両
面)及び一方の端面を除く外周部分に外部電極24を形
成した構造である。ここで無電極側の端面が開放面、電
極形成側の端面が短絡面となる。また外側の誘電体共振
器10a,10cには島状電極16a,16bを設ける
が、その場合は誘電体基板の無電極端面近傍の外周部分
に他の電極から分離するように形成する。誘電体共振器
10a,…,10cは、その外部電極24あるいは島状
電極16a,16bをトリミングすることにより、それ
ぞれ共振周波数あるいは入出力結合を微調整することが
できる。
本的にはほぼ同様の形状であり、両主表面を除く部分に
1/4波長共振のストリップ線路を形成したものであ
る。即ち、短冊状の誘電体基板20の内部中央長手方向
に内部電極22を形成すると共に、両主表面(表裏両
面)及び一方の端面を除く外周部分に外部電極24を形
成した構造である。ここで無電極側の端面が開放面、電
極形成側の端面が短絡面となる。また外側の誘電体共振
器10a,10cには島状電極16a,16bを設ける
が、その場合は誘電体基板の無電極端面近傍の外周部分
に他の電極から分離するように形成する。誘電体共振器
10a,…,10cは、その外部電極24あるいは島状
電極16a,16bをトリミングすることにより、それ
ぞれ共振周波数あるいは入出力結合を微調整することが
できる。
【0013】誘電体基板は、例えばチタン酸バリウム系
など、通常マイクロ波用フィルタに使用しているマイク
ロ波用高誘電率材料の焼結体である。誘電体共振器10
a,…,10cは、図5のA〜Cに示すような方法で形
成する。所定の厚みと幅を有するマイクロ波用高誘電率
材料の焼結体基板を2枚用意する。Aに示すように、一
方(ここでは下側)の焼結体基板30aには上下両面全
体及び片側端面に銀ペースト32を塗布して焼付ける。
他方(ここでは上側)の焼結体基板30bには下面全
体、片側端面、及びそれに連続する上面の大部分に銀ペ
ースト33を塗布すると共に、上面の反対側端面寄りに
分離して帯状に銀ペースト34を塗布し、焼付ける。次
にBに示すように、焼結体基板30aの上面全体と焼結
基板30bの下面全体に接着用銀ペースト35を塗布し
て接合し、焼付け一体化する。その後、Cに示すように
所定の厚さで細断すると、図1に示した誘電体共振器が
出来上がる。
など、通常マイクロ波用フィルタに使用しているマイク
ロ波用高誘電率材料の焼結体である。誘電体共振器10
a,…,10cは、図5のA〜Cに示すような方法で形
成する。所定の厚みと幅を有するマイクロ波用高誘電率
材料の焼結体基板を2枚用意する。Aに示すように、一
方(ここでは下側)の焼結体基板30aには上下両面全
体及び片側端面に銀ペースト32を塗布して焼付ける。
他方(ここでは上側)の焼結体基板30bには下面全
体、片側端面、及びそれに連続する上面の大部分に銀ペ
ースト33を塗布すると共に、上面の反対側端面寄りに
分離して帯状に銀ペースト34を塗布し、焼付ける。次
にBに示すように、焼結体基板30aの上面全体と焼結
基板30bの下面全体に接着用銀ペースト35を塗布し
て接合し、焼付け一体化する。その後、Cに示すように
所定の厚さで細断すると、図1に示した誘電体共振器が
出来上がる。
【0014】図1に戻って、結合調整用基板12a,1
2bは、誘電体基板26の両主表面を除く外周部(但し
一部を除く)に電極38を形成した構造である。また外
側基板14a,14bは、誘電体基板40の外側主表面
と外周部(但し一部を除く)に電極42を形成したもの
である。なお結合調整用基板12a,12b及び外側基
板14a,14bの一端面は無電極部であり、且つ各電
極38,42が前記島状電極16a,16bに接続しな
いように、それらの近傍も無電極部とする。これらの結
合調整用基板12a,12b及び外側基板14a,14
bは、必ずしも誘電体共振器と同一材質である必要はな
い。例えばフォルステライト等の誘電体共振器より誘電
率が低い材料でもよい。
2bは、誘電体基板26の両主表面を除く外周部(但し
一部を除く)に電極38を形成した構造である。また外
側基板14a,14bは、誘電体基板40の外側主表面
と外周部(但し一部を除く)に電極42を形成したもの
である。なお結合調整用基板12a,12b及び外側基
板14a,14bの一端面は無電極部であり、且つ各電
極38,42が前記島状電極16a,16bに接続しな
いように、それらの近傍も無電極部とする。これらの結
合調整用基板12a,12b及び外側基板14a,14
bは、必ずしも誘電体共振器と同一材質である必要はな
い。例えばフォルステライト等の誘電体共振器より誘電
率が低い材料でもよい。
【0015】これらの誘電体基板同士を、前記のように
誘電体共振器10a,10b,10cが同じ向きになる
ように配列し、接着剤などを用いて結合一体化する。な
お図面を分かり易くするため、各図において電極形成部
分に影線を施し、無電極部分(誘電体の素地が露出して
いる部分)には細かな点々を付して表している。
誘電体共振器10a,10b,10cが同じ向きになる
ように配列し、接着剤などを用いて結合一体化する。な
お図面を分かり易くするため、各図において電極形成部
分に影線を施し、無電極部分(誘電体の素地が露出して
いる部分)には細かな点々を付して表している。
【0016】図3に示すように、通常、このような誘電
体フィルタ45には、金属製ケース47を被せて遮蔽し
て回路基板に実装する。金属製ケース47は、底面が開
口しており、底面の側部外向きに4個のアースタブ48
を突設すると共に上面に貫通した長窓49を設けた構造
である。島状電極16a,16bが底面で露出する向き
に誘電体フィルタ45を金属製ケース47内に装着し、
長窓49から半田を流し込んで両者の機械的固定と電気
的接続を行う。図4は固定後の底面(回路基板との対向
面)を示している。この誘電体フィルタは回路基板上に
面実装できる。回路基板上に載せて島状電極16a,1
6bを回路基板の入出力パターンに接続すると共にアー
スタブ48も回路基板のアースパターンに半田付けして
電気的接続と機械的固定を行う。
体フィルタ45には、金属製ケース47を被せて遮蔽し
て回路基板に実装する。金属製ケース47は、底面が開
口しており、底面の側部外向きに4個のアースタブ48
を突設すると共に上面に貫通した長窓49を設けた構造
である。島状電極16a,16bが底面で露出する向き
に誘電体フィルタ45を金属製ケース47内に装着し、
長窓49から半田を流し込んで両者の機械的固定と電気
的接続を行う。図4は固定後の底面(回路基板との対向
面)を示している。この誘電体フィルタは回路基板上に
面実装できる。回路基板上に載せて島状電極16a,1
6bを回路基板の入出力パターンに接続すると共にアー
スタブ48も回路基板のアースパターンに半田付けして
電気的接続と機械的固定を行う。
【0017】上記のようなストリップ線路型の誘電体共
振器は、誘電体基板中に形成した内部電極によって1/
4波長共振器が形成され、それが外部電極で短絡したも
のとなる。従って、基本的には誘電体共振器の長さ寸法
(内部電極の長さ)で共振波長(言い換えると共振周波
数)が決まる。また誘電体共振器の厚さ(積層方向寸
法)が大きいほど共振周波数は低くなり、幅(内部電極
と外部電極との間隔)が小さくなるほど共振周波数は低
くなる。各誘電体共振器は、間に位置する結合調整用の
誘電体基板によって段間の結合調整が行われ、それによ
って所望のフィルタ特性が発現する。そのため入出力結
合を行う島状電極の位置を変えずに、所望の種々のフィ
ルタ特性に調整可能である。なお入出力は誘電体共振器
の内部電極と島状電極との間の容量によって結合する。
振器は、誘電体基板中に形成した内部電極によって1/
4波長共振器が形成され、それが外部電極で短絡したも
のとなる。従って、基本的には誘電体共振器の長さ寸法
(内部電極の長さ)で共振波長(言い換えると共振周波
数)が決まる。また誘電体共振器の厚さ(積層方向寸
法)が大きいほど共振周波数は低くなり、幅(内部電極
と外部電極との間隔)が小さくなるほど共振周波数は低
くなる。各誘電体共振器は、間に位置する結合調整用の
誘電体基板によって段間の結合調整が行われ、それによ
って所望のフィルタ特性が発現する。そのため入出力結
合を行う島状電極の位置を変えずに、所望の種々のフィ
ルタ特性に調整可能である。なお入出力は誘電体共振器
の内部電極と島状電極との間の容量によって結合する。
【0018】図6は本発明で用いうる結合調整用基板の
他の実施例を示している。Aに示す結合調整用基板50
は、基板の中央に開口部52を形成したものである。開
口部に代えて切込み部を設けてもよい。電極は各基板の
外周部のみに形成する(開口部や切り込み部には形成し
ない)。これら開口部52や切り込み部の形状の調整に
よって隣接する誘電体共振器間の結合度を調整し、フィ
ルタ特性を制御する。またBに示す結合調整用基板54
は、基板の主表面に結合調整用の導体膜56を設けたも
のである。但し導体膜56は誘電体共振器の電極には接
触しないように形成する。導体膜56は、主表面の一方
のみに設けてもよいし、両主表面に設けてもよい。この
図では2個並設しているが、一方のみでもよい。また導
体膜は、外周の電極に接続される構成でもよい。導体膜
56によって電磁界を制御できるから、これによって隣
接する誘電体共振器間の結合度を調整し、フィルタ特性
を制御する。更にCに示す結合調整用基板58は、基板
の中央縦方向に開口部59を形成したものである。開口
部の形状は任意であり、複数個あってもよい。
他の実施例を示している。Aに示す結合調整用基板50
は、基板の中央に開口部52を形成したものである。開
口部に代えて切込み部を設けてもよい。電極は各基板の
外周部のみに形成する(開口部や切り込み部には形成し
ない)。これら開口部52や切り込み部の形状の調整に
よって隣接する誘電体共振器間の結合度を調整し、フィ
ルタ特性を制御する。またBに示す結合調整用基板54
は、基板の主表面に結合調整用の導体膜56を設けたも
のである。但し導体膜56は誘電体共振器の電極には接
触しないように形成する。導体膜56は、主表面の一方
のみに設けてもよいし、両主表面に設けてもよい。この
図では2個並設しているが、一方のみでもよい。また導
体膜は、外周の電極に接続される構成でもよい。導体膜
56によって電磁界を制御できるから、これによって隣
接する誘電体共振器間の結合度を調整し、フィルタ特性
を制御する。更にCに示す結合調整用基板58は、基板
の中央縦方向に開口部59を形成したものである。開口
部の形状は任意であり、複数個あってもよい。
【0019】図7は本発明に係る積層型誘電体フィルタ
の他の実施例を示している。これも3段フィルタの例で
あり、基本的には前述した図2と同様であるから、対応
する部材には同一符号を付し、それについての説明は省
略する。この実施例では、誘電体共振器10a,10c
の島状電極16a,16bが外側基板14a,14bの
外側主表面まで延設されているような形状(符号44で
表す)としている。これによって面実装時に半田付け部
(フィレット)が目視確認できるようになり、実装の確
実性を高め、作業の容易化を図っている。その場合、金
属製ケースの形状を変えるか、図8に示すような開放面
の遮蔽手段を採用することになる。
の他の実施例を示している。これも3段フィルタの例で
あり、基本的には前述した図2と同様であるから、対応
する部材には同一符号を付し、それについての説明は省
略する。この実施例では、誘電体共振器10a,10c
の島状電極16a,16bが外側基板14a,14bの
外側主表面まで延設されているような形状(符号44で
表す)としている。これによって面実装時に半田付け部
(フィレット)が目視確認できるようになり、実装の確
実性を高め、作業の容易化を図っている。その場合、金
属製ケースの形状を変えるか、図8に示すような開放面
の遮蔽手段を採用することになる。
【0020】本発明の積層型誘電体フィルタでは、入出
力結合電極となる島状電極が一体化した構造体の同一辺
側に位置するため、特に段数が少なく小型化した場合
に、入出力間での電波飛びにより不要な結合が発生し、
減衰特性を低下させる問題がある。そこで前記の実施例
では金属製ケースを被せているが、それに代えて図8の
A〜Dに示すような遮蔽手段を採用してもよい。Aは開
放面近傍に断面L字型の金属板60を取り付けた例であ
る。Bは各誘電体共振器について内部電極に達するよう
なスリット62を形成した例である。スリット62によ
り内部電極が切断されるため、そのスリット62の壁面
が開放面となる。このようなスリットは図5に示す製造
工程で長尺状の時に一括して容易に形成できる。Cは各
誘電体共振器について内部電極の形状を変える例であ
る。内部電極の一端が端面まで達しないように構成する
ことで開放面側(外部電極には短絡しない)とする。無
電極部分を符号63で示す。このような内部電極も、図
5に示す製造工程で容易に形成できる。BとCではいず
れも誘電体共振器の両端面に導体膜を形成して、開放側
の導体膜64を遮蔽手段とするものである。Dでは、外
側に導体膜66を有する別体の誘電体基板68を取り付
ける例である。いずれにしても、開放面側に設けた金属
板あるいは導体膜が遮蔽効果を発揮し、回路基板に面実
装した時に外壁全体がほぼ導体(電極や金属板など)で
囲まれた状態となり、入出力間での電波飛びによる不要
な結合を阻止して、減衰特性を向上させる。
力結合電極となる島状電極が一体化した構造体の同一辺
側に位置するため、特に段数が少なく小型化した場合
に、入出力間での電波飛びにより不要な結合が発生し、
減衰特性を低下させる問題がある。そこで前記の実施例
では金属製ケースを被せているが、それに代えて図8の
A〜Dに示すような遮蔽手段を採用してもよい。Aは開
放面近傍に断面L字型の金属板60を取り付けた例であ
る。Bは各誘電体共振器について内部電極に達するよう
なスリット62を形成した例である。スリット62によ
り内部電極が切断されるため、そのスリット62の壁面
が開放面となる。このようなスリットは図5に示す製造
工程で長尺状の時に一括して容易に形成できる。Cは各
誘電体共振器について内部電極の形状を変える例であ
る。内部電極の一端が端面まで達しないように構成する
ことで開放面側(外部電極には短絡しない)とする。無
電極部分を符号63で示す。このような内部電極も、図
5に示す製造工程で容易に形成できる。BとCではいず
れも誘電体共振器の両端面に導体膜を形成して、開放側
の導体膜64を遮蔽手段とするものである。Dでは、外
側に導体膜66を有する別体の誘電体基板68を取り付
ける例である。いずれにしても、開放面側に設けた金属
板あるいは導体膜が遮蔽効果を発揮し、回路基板に面実
装した時に外壁全体がほぼ導体(電極や金属板など)で
囲まれた状態となり、入出力間での電波飛びによる不要
な結合を阻止して、減衰特性を向上させる。
【0021】上記の両実施例は誘電体共振器を3個使用
した3段フィルタの例であるが、本発明は2段もしくは
4段以上の多段誘電体フィルタにも適用できることは言
うまでもない。3段以上の場合、中間に位置する誘電体
共振器の向きは全く任意である。また島状電極は、誘電
体フィルタの上下面に配置する構成でもよい。
した3段フィルタの例であるが、本発明は2段もしくは
4段以上の多段誘電体フィルタにも適用できることは言
うまでもない。3段以上の場合、中間に位置する誘電体
共振器の向きは全く任意である。また島状電極は、誘電
体フィルタの上下面に配置する構成でもよい。
【0022】
【発明の効果】本発明は上記のように、誘電体基板の内
部と外周に電極を形成し、一端面のみで短絡した構造の
ストリップ線路型誘電体共振器を用いるから、この誘電
体共振器を、間に結合調整用基板を介して複数積層する
ことにより、所望の段数のフィルタを作製できる。これ
によってフィルタを、より一層小形化でき、実装する際
に占有面積を小さく出来るため、機器の小形化に有利で
ある。
部と外周に電極を形成し、一端面のみで短絡した構造の
ストリップ線路型誘電体共振器を用いるから、この誘電
体共振器を、間に結合調整用基板を介して複数積層する
ことにより、所望の段数のフィルタを作製できる。これ
によってフィルタを、より一層小形化でき、実装する際
に占有面積を小さく出来るため、機器の小形化に有利で
ある。
【0023】結合調整用基板は、誘電体共振器とは別部
材であるため、その材質、寸法、構造などを変えること
で、容易に結合度合を制御でき、帯域幅を調整できる。
更に本発明では、外部電極と島状電極(入出力結合電
極)が実装基板の回路パターンに面接合できるため、整
合が取り易い利点もある。
材であるため、その材質、寸法、構造などを変えること
で、容易に結合度合を制御でき、帯域幅を調整できる。
更に本発明では、外部電極と島状電極(入出力結合電
極)が実装基板の回路パターンに面接合できるため、整
合が取り易い利点もある。
【図1】本発明の一実施例を示す分解斜視図。
【図2】その組立斜視図。
【図3】誘電体フィルタへの金属製ケースの装着を示す
分解斜視図。
分解斜視図。
【図4】その底面図。
【図5】本発明で用いる誘電体共振器の製作方法を示す
説明図。
説明図。
【図6】本発明で用いる結合調整用基板の他の例を示す
斜視図。
斜視図。
【図7】本発明の更に他の実施例を示す説明図。
【図8】遮蔽手段の例を示す説明図。
10a,10b,10c 誘電体共振器 12a,12b 結合調整用基板 14a,14b 外側基板 16a,16b 島状電極 20 誘電体基板 22 内部電極 24 外部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01P 11/00 H01P 11/00 L (72)発明者 佐藤 久夫 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電 気化学株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−120101(JP,A) 特開 平5−136613(JP,A) 特開 平5−152815(JP,A) 特開 平5−167307(JP,A) 特開 平5−175702(JP,A) 実開 平2−106701(JP,U)
Claims (3)
- 【請求項1】 短冊状の誘電体基板を用いた誘電体共振
器を、複数個、間に短冊状の結合調整用基板を挟んで基
板厚み方向に積層し、その基板厚み方向の両側に位置す
る誘電体共振器の更に外側に短冊状の外側基板を配置
し、全体を接合して直方体ブロック状に一体化した構造
をなし、 各誘電体共振器は、 短冊状の誘電体基板の幅方向の中央
に、基板厚み方向全体にわたり且つ基板長手方向全長に
わたって延びる内部電極を設けると共に、該誘電体基板
の一端面を除いた外周部分に外部電極を形成して1/4
波長共振ストリップ線路を構成したものであり、 短冊状の 結合調整用基板は、外周部に外部電極を有し且
つ誘電体共振器と接する両主表面には外部電極及び内部
電極と導通する導体膜は無く、短冊状の 外側基板は、外側主表面と外周部に外部電極を
有していて、誘電体共振器と接する内側主表面には外部
電極及び内部電極と導通する導体膜はなく、 両側に位置する誘電体共振器の外周部には、外部電極及
び内部電極から独立した島状電極を形成して、該島状電
極が一体化した構造体の同一辺側に位置するように配置
し、両島状電極を入出力結合電極とする積層型誘電体フ
ィルタ。 - 【請求項2】 結合調整用基板は、短冊状の誘電体基板
に、厚み方向に貫通する開口部を形成するか、あるいは
短冊状の誘電体基板の主表面に、隣接する誘電体共振器
の内部電極とは導通しない導体膜を形成した構造をなし
ている請求項1記載の積層型誘電体フィルタ。 - 【請求項3】 全ての誘電体共振器を同じ向きに配列
し、それらの開放面側に遮蔽手段を設けた請求項1記載
の積層型誘電体フィルタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4158579A JP2666102B2 (ja) | 1992-05-26 | 1992-05-26 | 積層型誘電体フィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4158579A JP2666102B2 (ja) | 1992-05-26 | 1992-05-26 | 積層型誘電体フィルタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05327309A JPH05327309A (ja) | 1993-12-10 |
JP2666102B2 true JP2666102B2 (ja) | 1997-10-22 |
Family
ID=15674777
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4158579A Expired - Lifetime JP2666102B2 (ja) | 1992-05-26 | 1992-05-26 | 積層型誘電体フィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2666102B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62120101A (ja) * | 1985-11-20 | 1987-06-01 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 共振器 |
JPH0294903A (ja) * | 1988-09-30 | 1990-04-05 | Toko Inc | 誘電体フィルタとその製造方法および結合調整方法 |
JPH02106701U (ja) * | 1989-02-10 | 1990-08-24 | ||
JPH04103202A (ja) * | 1990-08-22 | 1992-04-06 | Murata Mfg Co Ltd | 誘電体フィルタ |
-
1992
- 1992-05-26 JP JP4158579A patent/JP2666102B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05327309A (ja) | 1993-12-10 |
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