JP2742886B2 - 好中球コラゲナーゼの免疫学的定量法 - Google Patents
好中球コラゲナーゼの免疫学的定量法Info
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Description
いられる好中球コラゲナーゼ(潜在型及び活性型MMP
−8)の免疫学的定量法に関する。さらに詳しく言え
ば、本発明は精製MMP−8に対し特異的に結合するモ
ノクローナル抗体を用いて、潜在型及び活性型MMP−
8を免疫学的に定量する方法に関する。
テオグリカン、エラスチン、フィブロネクチン及びラミ
ニンなどの接着性糖タンパク質から構成されている(M
artinez−Hernandez et al.,
Lab.Invest.,48,656−677,19
83)。これらマトリックス成分の分解にはマトリック
スメタロプロテアーゼ類(MMPs)が重要な役割を果
たしている。その中の一つである好中球コラゲナーゼ
(MMP−8)は、I型、II型、及びIII 型コラーゲン
を基質とする分子量約85kDa(キロダルトン)の糖
タンパク質であり、好中球の成熟にともない合成され、
細胞内の特殊顆粒に蓄積される(Murphy et
al.,Biochem.J.,162,195−19
7,1977)。なお、MMP−8は糖タンパク質であ
ることから、結合する糖鎖によりその測定分子量はある
程度の幅で報告されている。線維芽細胞などの組織細胞
で産生される間質型コラゲナーゼ(MMP−1)は、細
胞内で合成された後、貯蔵されることなく持続的に分泌
されるが(Nagase el al.,Bioche
m.J.,214,281−288,1983)、MM
P−8は炎症の起こった時、その炎症局所において潜在
型MMP−8として分泌され(Hasty el a
l.,J.Biol.Chem.,261,5645−
5650,1986)、細胞外で活性化され、コラーゲ
ンの分解を行う。
慢性関節リウマチなどのような炎症性疾患だけでなく、
腫瘍性疾患においても腫瘍の伸展とともに炎症反応がよ
くみられる。MMP−8は、この炎症反応において重要
な働きをしており、その働きも炎症の種類や病状により
異なっていると考えられ、各種疾患との関わりを解析す
るうえで血中のMMP−8量の正確な定量法の確立が求
められてきた。体液中、例えば血中、関節液中などには
MMPsのインヒビターであるティシュ・インヒビター
・オブ・メタロプロテアーゼ類(TIMPs)が存在し
ており、そのためMMPsの活性測定からMMPsの定
量をすることは困難である。また、MMPsの各々の基
質特異性が幅広いこともMMPsの分別定量を困難にし
ている。そこで、体液中のMMPsを測定するために、
MMPsに特異的に結合することのできる抗体を用いた
免疫学的手法が用いられる。
(J.Clin.Chem.Clin.Bioche
m.,27,351−359,1989)は、ヒト好中
球から精製したヒトMMP−8に対するウサギポリクロ
ーナル抗体を用いて、2ステップサンドイッチEIA法
によりヒト血漿中のヒトMMP−8量を定量している。
この方法では、ウサギポリクローナル抗体を固相に吸着
させ、その抗体に検体を加え、検体中の抗原と反応させ
る。次に固相抗体に結合した抗原をペルオキシダーゼ標
識ウサギポリクローナル抗体と反応させ、そのペルオキ
シダーゼ活性を測定することにより、ヒトMMP−8を
定量している。しかしながら、この方法ではポリクロー
ナル抗体を使用しているため精度の点で極めて劣り、2
ステップ反応であるため反応時間も7時間と長く、また
定量操作も繁雑となり、得られた感度も低いものであっ
た。さらに、ヒトMMP−8は生体内で潜在型、活性
型、活性型とTIMPsとの複合体などの形態で存在
し、それら互いのバランスが各種疾患、症状、病気など
と密接な関連を持つとも予測されるにも拘らず、そうし
た各種形態のヒトMMP−8をそれぞれ区別して測定す
ることはできない。
的に結合するモノクローナル抗体を用いて被検試料中の
潜在型MMP−8あるいは潜在型及び活性型MMP−8
の両方、そして活性型MMP−8とTIMPsとの複合
体を測定することによる活性型MMP−8をそれぞれ感
度ならびに精度良く、また迅速に定量し得る方法を提供
することにある。こうした方法に用いる試薬キットを提
供することも本発明の特徴の一つである。本発明は、M
MP−8に対し特異的に結合するところの少なくとも二
種類のモノクローナル抗体を測定試薬として用いて、免
疫学的に潜在型MMP−8の測定を行ったり、潜在型、
活性型MMP−8両方の測定を行うことを特徴とするM
MP−8の定量法を提供するものである。該二種類のモ
ノクローナル抗体としては、それぞれ好中球コラゲナー
ゼの実質的に異なる領域に対し特異的に結合するモノク
ローナル抗体であることが特に好ましい。本発明の測定
法では、サンドイッチ法における固相抗体に結合させる
抗体として一方の好中球コラゲナーゼに対し特異的に結
合するモノクローナル抗体を用い、そして標識物を付与
する抗体として他方の好中球コラゲナーゼに対し特異的
に結合するモノクローナル抗体を用いて、その免疫学的
測定を行うことが好ましい。さらにMMP−8に対し特
異的に結合するモノクローナル抗体とTIMPsに対し
特異的に結合するモノクローナル抗体を測定試薬として
用いて複合体からの活性型MMP−8の測定を行うこと
を特徴とするMMP−8の定量法を提供するものであ
る。本発明の方法は、固相担体に結合させる抗体あるい
は標識物を付与する抗体として、それぞれ、MMP−8
の実質的に異なる抗原決定基に対し特異的に結合するモ
ノクローナル抗体を使用することをも特徴とするもので
ある。
は、ケラー及びミルシュタイン(Kohler,G.&
Milstein,C.,Nature,256,4
95,1975)などにより開示されたミエローマ細胞
を用いての細胞融合技術を利用して得られたモノクロー
ナル抗体であってもよいことはいうまでもない。本発明
で使用されるモノクローナル抗体は、次のような工程で
作製できる。 1.免疫原性抗原の調製 2.免疫原性抗原による動物の免疫 3.ミエローマ細胞(骨髄腫細胞)の調製 4.抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合 5.ハイブリドーマ(融合細胞)の選択及びモノクロー
ン化 6.モノクローナル抗体の製造
Biol.Chem.Hoppe−Seyler.,3
71,295−304,1990に記載の方法により調
製したヒトMMP−8を用いることができる。こうして
得られたヒトMMP−8は、さらに免疫原性コンジュゲ
ートなどにしてもよいが、そのまま適当なアジュバント
と混合して動物を免疫するのに使用できる。さらにヒト
MMP−8は、それを断片化したものを適当な縮合剤を
介して種々の担体タンパク質類と結合させてハプテン−
タンパク質の如き免疫原性コンジュゲートとし、これを
用いて特定の配列のみを認識できるモノクローナル抗体
をデザインするのに用いることもできる。担体タンパク
質類と結合させるにあたっては、担体タンパク質類はま
ず活性化されることができる。こうした活性化にあたり
活性化結合基を導入することが挙げられる。
テルあるいは活性化カルボキシル基、例えばニトロフェ
ニルエステル基、ペンタフルオロフェニルエステル基、
1−ベンゾトリアゾールエステル基、N−スクシンイミ
ドエステル基など、(2)活性化ジチオ基、例えば2−
ピリジルジチオ基などが挙げられる。担体タンパク質類
としては、キーホール・リンペット・ヘモシアニン(K
LH),牛血清アルブミン(BSA)、卵白アルブミ
ン、グロブリン、ポリリジンなどのポリペプタイド、細
菌菌体成分、例えばBCGなどが挙げられる。
講座14、免疫生物学、丸善株式会社、昭和60年、日
本生化学会編、続生化学実験講座5、免疫生化学研究
法、東京化学同人、1986年、日本生化学会編、新生
化学実験講座12、分子免疫学 III、抗原・抗体・補
体、東京化学同人、1992年などに記載の方法に準じ
て行うことができる。抗原と共に用いられるアジュバン
トとしては、例えばフロイント完全アジュバント、リビ
(Ribi)アジュバント、百日咳ワクチン、BCG、
リピッドA、リポソーム、水酸化アルミニウム、シリカ
などが挙げられる。免疫は、例えばBALB/cなどの
マウスをはじめとする動物を使用して行われる。抗原の
投与量は、例えばマウスに対して約1〜400μg/動
物で、一般には宿主動物の腹腔内や皮下に注射し、以後
1〜4週間おきに、好ましくは1〜2週間ごとに腹腔
内、皮下、静脈内あるいは筋肉内に追加免疫を2〜10
回程度反復して行う。免疫用のマウスとしてはBALB
/c系マウスの他、BALB/c系マウスと他系マウス
とのF1マウスなどを用いることもできる。必要に応
じ、抗体価測定系を調製し、抗体価を測定して動物免疫
の程度を確認できる。
しては免疫グロブリンを産生しない細胞株から選ぶこと
ができ、例えばP3−NS−1−Ag4−1(NS−
1)(Eur. J. Immunology, 6, 511〜519, 1976)、SP
2/0−Ag14(SP2)(Nature, 276, 269〜270,
1978 ) 、マウスミエローマMOPC−21セルライン
由来のP3−X63−Ag8−U1(P3U1)(Curre
nt topicsin Microbiology and Immunology, 81, 1 〜
7, 1978 )、P3−X63−Ag8(X63)(Natur
e, 256, 495〜497, 1975 ) 、P3−X63−Ag8.
653(J. Immunology, 123, 1548〜1550, 1979) など
を用いることができる。8−アザグアニン耐性のマウス
ミエローマ細胞株はダルベッコMEM培地(DMEM培
地)、RPMI−1640培地などの細胞培地に、例え
ばペニシリン、アミカシンなどの抗生物質、牛胎児血清
(FCS)などを加え、さらに8−アザグアニン(例え
ば5〜45μg/ml)を加えた培地で継代されるが、
細胞融合の2〜5日前に正常培地で継代して所要数の細
胞株を用意することができる。また使用細胞株は、凍結
保存株を約37℃で完全に解凍したのちRPMI−16
40培地などの正常培地で3回以上洗浄後、正常培地で
培養して所要数の細胞株を用意したものであってもよ
い。
胞融合 上記2.の工程に従い免疫された動物、例えばマウスは
最終免疫後、2〜5日後にその脾臓が摘出され、脾細胞
懸濁液を得る。脾細胞の他、生体各所のリンパ節細胞を
得て、それを細胞融合に使用することもできる。こうし
て得られた脾細胞懸濁液と上記3.の工程に従い得られ
たミエローマ細胞株を、例えば最小必須培地(MEM培
地)、DMEM培地、RPMI−1640培地などの細
胞培地中に置き、細胞融合剤、例えばポリエチレングリ
コールを添加する。細胞融合剤としては、この他各種当
該分野で知られたものを用いることができ、この様なも
のとしては不活性化したセンダイウイルス(HVJ:H
emagglutinating virus of
Japan)などが挙げられる。好ましくは、例えば3
0〜60%のポリエチレングリコールを0.5〜2ml
加えることができ、分子量が1,000〜8,000の
ポリエチレングリコールを用いることができ、さらに分
子量が1,000〜4,000のポリエチレングリコー
ルがより好ましく使用できる。融合培地中でのポリエチ
レングリコールの濃度は、例えば30〜60%となるよ
うにすることが好ましい。必要に応じ、例えばジメチル
スルホキシドなどを少量加え、融合を促進することもで
きる。融合に使用する脾細胞(リンパ球):ミエローマ
細胞株の割合は、例えば1:1〜20:1とすることが
挙げられるが、より好ましくは4:1〜7:1とするこ
とができる。融合反応を1〜10分間行い、次にRPM
I−1640培地などの細胞培地を加える。融合反応処
理は複数回行うこともできる。融合反応処理後、遠心な
どにより細胞を分離した後選択用培地に移す。
びモノクローン化 選択用培地としては、例えばヒポキサンチン、アミノプ
テリン及びチミジンを含む、FCS含有MEM培地、R
PMI−1640培地などの培地、所謂HAT培地が挙
げられる。選択培地交換の方法は、一般的には培養プレ
ートに分注した容量と当容量を翌日加え、その後1〜3
日ごとにHAT培地で半量ずつ交換するというようにす
ることができるが、適宜これに変更を加えて行うことも
できる。また融合後8〜16日目には、アミノプテリン
を除いた、所謂HT培地で1〜4日ごとに培地交換をす
ることができる。フィーダーとして、例えばマウス胸腺
細胞を使用することもでき、それが好ましい場合があ
る。ハイブリドーマの増殖のさかんな培養ウェルの培養
上清を、例えば放射免疫分析(RIA)、酵素免疫分析
(ELISA)、蛍光免疫分析(FIA)などの測定
系、あるいは蛍光惹起細胞分離装置(FACS)など
で、ヒトMMP−8あるいはその断片ペプチドを抗原と
して用いたり、あるいは標識抗マウス抗体を用いて目的
抗体を測定するなどして、スクリーニングしたり分離す
る。目的抗体を産生しているハイブリドーマをクローニ
ングする。クローニングには、寒天培地中でコロニーを
ピック・アップするか、あるいは限界希釈法によりなさ
れうる。限界希釈法でより好ましく行うことができる。
クローニングは複数回行うことが好ましい。
RPMI−1640培地などの適当な増殖用培地中で培
養し、その培地上清から所望のモノクローナル抗体を得
ることが出来る。大量の抗体を得るためには、ハイブリ
ドーマを腹水化することが挙げられる。この場合ミエロ
ーマ細胞由来の動物と同系の組織適合性動物の腹腔内に
各ハイブリドーマを移植し、増殖させるか、例えばヌー
ド・マウスなどに各ハイブリドーマを移植し、増殖さ
せ、該動物の腹水中に産生されたモノクローナル抗体を
回収して得ることが出来る。ハイブリドーマの移植に先
立ち、プリスタン(2,6,10,14−テトラメチル
ペンタデカン)などの鉱物油を腹腔内投与した後、ハイ
ブリドーマを増殖させ、腹水を採取すればよい。腹水液
はそのまま、あるいは従来公知の方法、例えば硫酸アン
モニウム沈殿法などの塩析、セファデックスなどによる
ゲルろ過法、イオン交換クロマトグラフィー法、電気泳
動法、透析、限外ろ過法、アフィニティ・クロマトグラ
フィー法、高速液体クロマトグラフィー法などにより精
製してモノクローナル抗体として用いることができる。
好ましくは、モノクローナル抗体を含有する腹水は、硫
安分画した後、DEAE−セファロースの如き、陰イオ
ン交換ゲル及びプロテインAカラムの如きアフィニティ
ーカラムなどで処理し精製分離処理できる。特に好まし
くは抗原又は抗原断片(例えば合成ペプチド、組換え抗
原タンパク質あるいはペプチド、抗体が特異的に認識す
る部位など)を固定化したアフィニティー・クロマトグ
ラフィー、プロテインAを固定化したアフィニティー・
クロマトグラフィーなどが挙げられる。
市販のアイソタイプ特異的抗マウスIg抗体、例えばア
イソタイプ特異的ウサギ抗マウスIg抗体などを用いて
その抗体構成鎖の重鎖及び軽鎖のタイプについて調べる
ことができる。ヒトMMP−8標品中の種々の形態の分
子、すなわち潜在型ヒトMMP−8、活性型ヒトMMP
−8、さらには活性型MMP−8の分解切断により生成
すると考えられる分子量45kDaと25kDa断片な
どとの反応性を検討すると、潜在型MMP−8を特異的
に認識できるモノクローナル抗体、活性型MMP−8を
特異的に認識できるモノクローナル抗体、活性型MMP
−8の分解切断により生成すると考えられる分子量45
kDa断片を特異的に認識できるモノクローナル抗体、
活性型MMP−8の分解切断により生成すると考えられ
る分子量25kDa断片を特異的に認識できるモノクロ
ーナル抗体などが得られることが確認できる。例えば、
潜在型MMP−8を特異的に認識できるモノクローナル
抗体としては、重鎖のタイプとしてγ鎖、特にはγ1鎖
を持つもの、μ鎖を持つものが挙げられ、軽鎖のタイプ
としてκ鎖を持つものが挙げられる。活性型MMP−8
を特異的に認識できるモノクローナル抗体としては、重
鎖のタイプとしてγ鎖、特にはγ1 、γ2b鎖を持つも
の、μ鎖を持つものが挙げられ、軽鎖のタイプとしてκ
鎖を持つものが挙げられる。分子量45kDa断片を特
異的に認識できるモノクローナル抗体あるいは分子量2
5kDa断片を特異的に認識できるモノクローナル抗体
としては、重鎖のタイプとしてγ鎖、特にはγ1鎖を持
つものが挙げられ、軽鎖のタイプとしてκ鎖を持つもの
が挙げられる。
決定したり、ハイブリドーマ株から得られた抗体をコー
ドする核酸配列を利用して、遺伝子組換え技術により抗
体を作製することも可能である。さらにこれら抗体をト
リプシン、パパイン、ペプシンなどの酵素により処理し
て、場合により還元して得られるFab、Fab’、F
(ab’)2 といった抗体フラグメントにして使用して
もよい。標識物を付与する抗体としては、IgG画分、
更にはペプシン消化後還元して得られる特異的結合部F
ab’を用いることができる。これらの場合の標識物の
例としては、下記するように酵素(ペルオキシダーゼ、
アルカリホスファターゼあるいはβ−D−ガラクトシダ
ーゼなど)、化学物質、蛍光物質あるいは放射性同位元
素などがある。
に対し特異的に結合するモノクローナル抗体を用いて検
体試料中のMMP−8を免疫学的に定量する方法が提供
される。特にMMP−8の潜在型を特異的に認識するモ
ノクローナル抗体、MMP−8の中央領域を特異的に認
識するモノクローナル抗体、MMP−8のカルボキシル
末端領域を認識するモノクローナル抗体、及びMMP−
8のアミノ末端領域を認識するモノクローナル抗体から
成る群から選ばれたものであり、それぞれMMP−8の
うちの実質的に異なる領域に特異性を有するモノクロー
ナル抗体の少なくとも二つを組み合わせ、MMP−8の
潜在型やMMP−8の活性型を免疫学的に定量する方法
が提供される。さらに本発明では、こうして得られたM
MP−8に対し特異的に結合するモノクローナル抗体と
ティシュ・インヒビター・オブ・メタロプロテアーゼに
特異的に結合する抗体とを用いて、検体試料中の活性型
MMP−8とTIMPs複合体を免疫学的に定量する方
法も提供される。特にティシュ・インヒビター・オブ・
メタロプロテアーゼ−1を特異的に認識するモノクロー
ナル抗体をMMP−8に対し特異的に結合するモノクロ
ーナル抗体と組み合わせる測定方法が好ましく提供され
る。また、ティシュ・インヒビター・オブ・メタロプロ
テアーゼ−2のアミノ末端領域を認識するモノクローナ
ル抗体もMMP−8に対し特異的に結合するモノクロー
ナル抗体と組み合わせて測定に使用できる。ヒトMMP
−8は、糖タンパク質であるため結合する糖鎖などによ
り分子量にバラツキを生ずるなどし、研究者により報告
される測定分子量も異なるが、例えばKnauper,
et al.,Biochem.J.,291,847
−854,1993では潜在型は85kDa、活性型は
64kDa、活性型から生ずる断片を40kDa断片及
び27kDa断片としているし、Hasty,eta
l.,J.Biol.Chem.,261,5645−
5650,1986では潜在型は75kDa、活性型は
57kDa、活性型から生ずる断片を22kDa断片と
しているし、Macartney et al.,Eu
r.J.Biochem.,130,71−78,19
83では潜在型は91kDa、活性型は64kDa、活
性型から生ずる断片を24kDa断片としている。した
がって本発明では実質的にヒトMMP−8の潜在型、活
性型を測定するものであればとくにその分子量は限定さ
れるものでない。ヒトMMP−8は、大きく分けてプロ
ペプチド(propeptide)、触媒活性ドメイン
(catalytic domain)、ヒンジ領域
(hinge region)及びペキシン様ドメイン
(pexin−like domain)の4つの領域
に分けられ、プロペプチド領域(80番目アミノ酸付近
まで)をアミノ末端領域、ペキシン様ドメイン領域(約
260番目アミノ酸付近から最後まで)をカルボキシル
末端領域とされ、その間の触媒活性ドメイン及びヒンジ
領域を中央領域とされるのが一般的である。
的に定量する方法においては、プロテアーゼ・インヒビ
ター、例えば塩酸ベンズアミジンなどの存在下に処理を
行うことができる。さらにトリプシン様セリンプロテア
ーゼに対するインヒビター、例えばアミノベンズアミジ
ン、β−ナフトアミジン、m−トルアミジン、p−トル
アミジン、シクロヘキシルカルボキサミジン、フェニル
グアニジン、N−ベンゾイルアルギニン、1−プロリル
グアニジン、n−ブチルアミン、ベンジルアミン、チオ
ニン、プロフラビンなどを用いても所期の目的を達成す
るかぎり可能である。こうしたプロテアーゼ・インヒビ
ターは、試料中のMMP−8などの抗原量の回収を増加
させる目的であってもよいし、あるいはMMP−8の分
解を防ぐ目的であることもできる。また見かけの測定の
感度を高めたり、測定可能とするためであることもでき
る。したがって、こうした目的を達成するための方法で
あればすべて本発明の測定方法で行うことができる。次
に、本発明の測定方法では、検体試料中のMMP−8を
活性化処理する工程が含まれていても良い。活性化処理
は物理的な方法であることもできるが、好ましくは有機
水銀化合物のような活性化剤、例えば4−アミノフェニ
ル酢酸第二水銀(4−APMA)などを用いる方法が挙
げられる。こうした活性化処理する工程は、潜在型ヒト
MMP−8から活性型ヒトMMP−8に変換される量を
免疫学的に定量する目的でなされることができるし、あ
るいは活性型ヒトMMP−8の抗原量の回収を増加させ
る目的であってもよいし、また測定の感度を高めたり、
測定可能とするためであることもできる。したがって、
こうした目的を達成するための方法であればすべて本発
明の測定方法で行うことができる。
MP−8を免疫学的に定量する方法においては、好中球
コラゲナーゼ・インヒビター、例えばTIMP−1、T
IMP−2などの存在下に処理を行うことができる。こ
うしたインヒビターは、試料中の活性型ヒトMMP−8
−好中球コラゲナーゼ・インヒビター複合体を測定する
目的であることもできる。さらに検体試料中の好中球コ
ラゲナーゼ・インヒビターの影響を測定するためである
こともできる。また測定の感度を高めたり、測定可能と
するためであることもできる。したがって、こうした目
的を達成するための方法であればすべて本発明の測定方
法で行うことができる。さらにこうした本発明の検体試
料中の活性型ヒトMMP−8を免疫学的に定量する方法
においては、好中球コラゲナーゼ・インヒビターに対す
るモノクローナル抗体、例えば抗ウシTIMP−1モノ
クローナル抗体、例えばクローンNo.7−6C1(K
odama et al.,Collagen Re
l.Res.,7,341−350,1987)など、
抗ヒトTIMP−2モノクローナル抗体、例えばクロー
ンNo.68−6H4,,67−4H11(Fujim
oto et al.,Clin.Chim.Act
a,220,31−45,1993)などとを組合わせ
た測定系であることができる。さらにこの場合、ヒトM
MP−8を認識するモノクローナル抗体としては、ヒト
MMP−8のカルボキシル末端領域を特異的に認識でき
るモノクローナル抗体、あるいは分子量25kDa断片
を特異的に認識できるモノクローナル抗体を、抗TIM
P−1モノクローナル抗体あるいは抗TIMP−2モノ
クローナル抗体と組合わせて用い、活性型ヒトMMP−
8を免疫学的に定量することができる。
競合型イムノアッセイまたは非競合型イムノアッセイで
行うことができ、ラジオイムノメトリックアッセイ、E
LISAなどを用いることができ、B−F分離を行って
もあるいは行わないでその測定を行うことができる。好
ましくは酵素免疫測定法であり、さらにサンドイッチ型
アッセイが挙げられる。例えばサンドイッチ型アッセイ
では、MMP−8に対する抗体の一方を検出可能に標識
化する。同じ抗原を認識できる他の抗体を固相に固定化
する。検体と標識化抗体及び固相化抗体を必要に応じ順
次反応させるためインキュベーション処理し、ここで非
結合抗体を分離後、標識物を測定する。測定された標識
の量は抗原、すなわちMMP−8の量と比例する。この
アッセイでは、不溶化抗体や、標識化抗体の添加の順序
に応じて同時サンドイッチ型アッセイ、フォワード(fo
rward)サンドイッチ型アッセイあるいは逆サンドイッチ
型アッセイなどと呼ばれる。例えば洗浄、撹拌、震盪、
ろ過あるいは抗原の予備抽出等は、特定の状況のもとで
それら測定工程の中で適宜採用される。特定の試薬、緩
衝液等の濃度、温度あるいはインキュベーション処理時
間などのその他の測定条件は、検体中の抗原の濃度、検
体試料の性質等の要素に従い変えることができる。当業
者は通常の実験法を用いながら各測定に対して有効な最
適の条件を適宜選定して測定を行うことが出来る。
体が知られており、本発明ではそれらから適宜選んで用
いることができる。担体としては、抗原抗体反応などに
使用されるものが種々知られており、本発明においても
勿論これらの公知のものの中から選んで使用できる。特
に好適に使用されるものとしては、例えばガラス、例え
ば活性化ガラス、多孔質ガラス、シリカゲル、シリカ−
アルミナ、アルミナ、磁化鉄、磁化合金などの無機材
料、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
ポリフッ化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリ
レート、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合
体、ポリアクリルアミド、架橋ポリアクリルアミド、ス
チレン−メタクリレート共重合体、ポリグリシジルメタ
クリレート、アクロレイン−エチレングリコールジメタ
クリレート共重合体など、架橋化アルブミン、コラーゲ
ン、ゼラチン、デキストラン、アガロース、架橋アガロ
ース、セルロース、微結晶セルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、セルロースアセテートなどの天然または
変成セルロース、架橋デキストラン、ナイロンなどのポ
リアミド、ポリウレタン、ポリエポキシ樹脂などの有機
高分子物質、さらにそれらを乳化重合して得られたも
の、細胞、赤血球などで、必要に応じ、シランカップリ
ング剤などで官能性基を導入してあるものが挙げられ
る。さらに、ろ紙、ビーズ、試験容器の内壁、例えば試
験管、タイタープレート、タイターウェル、ガラスセ
ル、合成樹脂製セルなどの合成材料からなるセル、ガラ
ス棒、合成材料からなる棒、末端を太くしたりあるいは
細くしたりした棒、末端に丸い突起をつけたりあるいは
偏平な突起をつけた棒、薄板状にした棒などの固体物質
(物体)の表面などが挙げられる。これら担体へは、抗
体を結合させることができ、好ましくは本発明で得られ
るMMP−8に対し特異的に結合するモノクローナル抗
体を結合させることができる。担体とこれら抗原抗体反
応に関与するものとの結合は、吸着などの物理的な手
法、あるいは縮合剤などを用いたり、活性化されたもの
などを用いたりする化学的な方法、さらには相互の化学
的な結合反応を利用した手法などにより行うことが出来
る。
ヒビター、補欠分子類、補酵素、酵素前駆体、アポ酵
素、蛍光物質、色素物質、化学ルミネッセンス化合物、
発光物質、発色物質、磁気物質、金属粒子、例えば金コ
ロイドなど、放射性物質などを挙げることができる。酵
素としては、脱水素酵素、還元酵素、酸化酵素などの酸
化還元酵素、例えばアミノ基、カルボキシル基、メチル
基、アシル基、リン酸基などを転移するのを触媒する転
移酵素、例えばエステル結合、グリコシド結合、エーテ
ル結合、ペプチド結合などを加水分解する加水分解酵
素、リアーゼ、イソメラーゼ、リガーゼなどを挙げるこ
とができる。酵素は複数の酵素を複合的に用いて検知に
利用することもできる。例えば酵素的サイクリングを利
用することもできる。
ルオキシダーゼなどのペルオキシダーゼ、大腸菌β−D
−ガラクトシダーゼなどのガラクトシダーゼ、マレエー
ト・デヒドロゲナーゼ、グルコース−6−フォスフェー
ト・デヒドロゲナーゼ、グルコースオキシダーゼ、グル
コアミラーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、カタラー
ゼ、ウシ小腸アルカリホスファターゼ、大腸菌アルカリ
ホスファターゼなどのアルカリ・フォスファターゼなど
が挙げられる。アルカリホスファターゼを用いた場合、
4−メチルウンベリフェリルフォスフェートなどのウン
ベリフェロン誘導体、ニトロフェニルホスフェートなど
のリン酸化フェノール誘導体、NADPを利用した酵素
的サイクリング系、ルシフェリン誘導体、ジオキセタン
誘導体などの基質を使用したりして、生ずる蛍光、発光
などにより測定できる。ルシフェリン、ルシフェラーゼ
系を利用したりすることもできる。カタラーゼを用いた
場合、過酸化水素と反応して酸素を生成するので、その
酸素を電極などで検知することもできる。電極としては
ガラス電極、難溶性塩膜を用いるイオン電極、液膜型電
極、高分子膜電極などであることもできる。酵素標識
は、ビオチン標識体と酵素標識アビジン(ストレプトア
ビジン)に置き換えることも可能である。標識は、複数
の異なった種類の標識を使用することもできる。こうし
た場合、複数の測定を連続的に、あるいは非連続的に、
そして同時にあるいは別々に行うことを可能にすること
もできる。
ロキシフェニル酢酸、1,2−フェニレンジアミン、テ
トラメチルベンジジンなどと西洋ワサビ・ペルオキシダ
ーゼ、ウンベリフェリルガラクトシド、ニトロフェニル
ガラクトシドなどとβ−D −ガラクトシダーゼ、グルコ
ース−6−リン酸・デヒドロゲナーゼなどの酵素試薬の
組合わせも利用でき、ヒドロキノン、ヒドロキシベンゾ
キノン、ヒドロキシアントラキノンなどのキノール化合
物、リポ酸、グルタチオンなどのチオール化合物、フェ
ノール誘導体、フェロセン誘導体などを酵素などの働き
で形成しうるものが使用できる。
物としては、フルオレセインイソチオシアネート、例え
ばローダミンBイソチオシアネート、テトラメチルロー
ダミンイソチオシアネートなどのローダミン誘導体、ダ
ンシルクロリド、ダンシルフルオリド、フルオレスカミ
ン、フィコビリプロテイン、アクリジニウム塩、ルミフ
ェリン、ルシフェラーゼ、エクォリンなどのルミノー
ル、イミダゾール、シュウ酸エステル、希土類キレート
化合物、クマリン誘導体などが挙げられる。標識するに
は、チオール基とマレイミド基の反応、ピリジルジスル
フィド基とチオール基の反応、アミノ基とアルデヒド基
の反応などを利用して行うことができ、公知の方法ある
いは当該分野の当業者が容易になしうる方法、さらには
それらを修飾した方法の中から適宜選択して適用でき
る。また上記免疫原性複合体作製に使用されることので
きる縮合剤、担体との結合に使用されることのできる縮
合剤などを用いることができる。
ド、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソチオシアネート、N,N’−ポリメチレンビスヨ
ードアセトアミド、N,N’−エチレンビスマレイミ
ド、エチレングリコールビススクシニミジルスクシネー
ト、ビスジアゾベンジジン、1−エチル−3−(3−ジ
メチルアミノプロピル)カルボジイミド、スクシンイミ
ジル 3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(S
PDP)、N−スクシンイミジル 4−(N−マレイミ
ドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(S
MCC)、N−スルホスクシンイミジル 4−(N−マ
レイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレー
ト、N−スクシンイミジル (4−ヨードアセチル)ア
ミノベンゾエート、N−スクシンイミジル 4−(1−
マレイミドフェニル)ブチレート、N−(ε−マレイミ
ドカプロイルオキシ)コハク酸イミド(EMCS),イ
ミノチオラン、S−アセチルメルカプトコハク酸無水
物、メチル−3−(4’−ジチオピリジル)プロピオン
イミデート、メチル−4−メルカプトブチリルイミデー
ト、メチル−3−メルカプトプロピオンイミデート、N
−スクシンイミジル−S−アセチルメルカプトアセテー
トなどが挙げられる。
を酵素などで標識したモノクローナル抗体試薬と、担体
に結合された抗体とを順次反応させることができるし、
同時に反応させることもできる。試薬を加える順序は選
ばれた担体系の型により異なる。感作されたプラスチッ
クなどのビーズを用いた場合には、酵素などで標識した
モノクローナル抗体試薬を測定すべき物質を含む検体試
料と共に最初適当な試験管中に一緒に入れ、その後該感
作されたプラスチックなどのビーズを加えることにより
測定を行うことができる。本発明の定量法においては、
免疫学的測定法が用いられるが、その際の固相担体とし
ては、抗体などタンパク質を良く吸着するポリスチレン
製、ポリカーボネイト製、ポリプロピレン製あるいはポ
リビニル製のボール、マイクロプレート、スティック、
微粒子あるいは試験管などの種々の材料および形態を任
意に選択し、使用することができる。測定にあたっては
至適pH、例えばpH約4〜9に保つように適当な緩衝
液系中で行うことができる。特に適切な緩衝剤として
は、例えばアセテート緩衝剤、クエン酸塩緩衝剤、フォ
スフェート緩衝剤、トリス緩衝剤、トリエタノールアミ
ン緩衝剤、ボレート緩衝剤、グリシン緩衝剤、炭酸塩緩
衝剤、トリス−塩酸緩衝剤などが挙げられる。緩衝剤は
互いに任意の割合で混合して用いることができる。抗体
抗原反応は約0℃〜60℃の間の温度で行うことが好ま
しい。
試薬及び担体に結合せしめられた抗体試薬、さらには測
定すべき物質のインキュベーション処理は、平衡に達す
るまで行うことができるが、抗体抗原反応の平衡が達成
されるよりもずっと早い時点で固相と液相とを分離して
限定されたインキュベーション処理の後に反応を止める
ことができ、液相又は固相のいずれかにおける酵素など
の標識の存在の程度を測ることができる。測定操作は、
自動化された測定装置を用いて行うことが可能であり、
ルミネセンス・ディテクター、ホト・ディテクターなど
を使用して基質が酵素の作用で変換されて生ずる表示シ
グナルを検知して測定することもできる。抗体抗原反応
においては、それぞれ用いられる試薬、測定すべき物
質、さらには酵素などの標識を安定化したり、抗体抗原
反応自体を安定化するように適切な手段を講ずることが
できる。さらに、非特異的な反応を除去し、阻害的に働
く影響を減らしたり、あるいは測定反応を活性化したり
するため、タンパク質、安定化剤、界面活性化剤、キレ
ート化剤などをインキュベーション溶液中に加えること
もできる。キレート化剤としては、エチレンジアミン四
酢酸塩(EDTA)がより好ましい。当該分野で普通に
採用されていたりあるいは当業者に知られた非特異的結
合反応を防ぐためのブロッキング処理を施してもよく、
例えば、哺乳動物などの正常血清タンパク質、アルブミ
ン、スキムミルク、乳発酵物質、コラーゲン、ゼラチン
などで処理することができる。非特異的結合反応を防ぐ
目的である限り、それらの方法は特に限定されず用いる
ことが出来る。本発明の測定方法で測定される試料とし
ては、あらゆる形態の溶液やコロイド溶液などが使用し
うるが、好ましくは生物由来の流体試料、例えば血液、
血漿、、関節液、脳脊髄液、唾液、羊水、尿、その他の
体液、細胞培養液、組織培養液などが挙げられる。特に
好ましくは血漿、血清、関節液などが挙げられる。キレ
ート化剤、例えばEDTAなどで処理された血漿、血清
などは好適に用いられる。
するが、本発明は実施例に限定されること無く様々な態
様が含まれることは理解されるべきである。 実施例1 抗MMP−8モノクローナル抗体の作製 a)抗体産生細胞の調製 Biol.Chem.Hoppe−Seyler.,3
71,295−304,1990に記載のKnaupe
r et al.の方法により調製したヒトMMP−8
124μgを完全フロイントアジュバントと共に6週
令BALB/c雌マウス2匹にそれぞれ腹腔内投与し、
初回免疫した。19日後に0.9%塩化ナトリウム水溶
液に溶解したヒトMMP−8 162μgを初回免疫し
たそれぞれのマウスに腹腔内投与し追加免疫した。更
に、31日後に追加免疫時と同様にヒトMMP−8 5
0μgを静脈内および60μgを腹腔内投与し、最終免
疫とした。その3日後に脾臓を摘出し、脾細胞懸濁液と
した。
w Lab.)に重炭酸ナトリウム(24mM)、ピル
ビン酸ナトリウム(1mM)、ペニシリンGカリウム
(50U/ml)、硫酸アミカシン(100μg/m
l)を加え、ドライアイスでpHを7.2にし、0.2
μm東洋メンブレンフィルターで除菌ろ過した。 NS−1培地:上記RPMI−1640培地に除菌ろ過
したFCS(M.A.Bioproducts)を15
%(v/v)の濃度になるように加えた。 PEG4000溶液:RPMI−1640培地にポリエ
チレングリコール4000(PEG 4000,Mer
k & Co.)を50%(w/w)になるように加
え、無血清溶液を調製した。 8−アザグアニン耐性ミエローマ細胞SP2(SP−2
/0−Ag14)との融合は、Selected Me
thod in Cellular Immunolo
gy,eds.B.B.Mishell and S.
M.Shiigi,W.H.Freeman and
Company,351−372,1980に記載のO
i and Herzenberg et al.の方
法を若干改変して行った。
細胞率100%)とミエローマ細胞(生細胞率100
%)とを5:1の割合で融合した。脾臓細胞とミエロー
マ細胞とを別に前記のRPMI−1640培地で洗浄
し、次に同じ培地で懸濁し、融合させるため上記の割合
で混合した。容量250mlのポリプロピレン製遠沈管
(岩城硝子)を用い、25mlのRPMI−1640培
地中400×g,10分間遠心し、上清を完全に吸出し
た。沈殿細胞に37℃加温PEG 4000溶液4.3
mlを1分間で滴下し、さらに1分間撹拌し細胞を再懸
濁、分散させた。次に37℃加温RPMI−1640培
地4.3mlを1分間で滴下した。この操作をさらに1
回繰り返した後、同培地29.2mlを2〜3分間で常
に撹拌しながら滴下し細胞を分散させた。これを400
×g,7分間遠心分離し、上清を完全に吸引除去した。
次にこの沈殿細胞に37℃加温、NS−1培地42.7
mlを速やかに加え、細胞の大きい塊を10mlのピペ
ットを用いて注意深くピペッティングして分散した。更
に同培地85.3mlを加えて希釈し、ポリスチレン製
96穴マイクロウェル(岩城硝子)にウェル当り6.0
×105 個/0.1mlの細胞を加えた。細胞を加えた
上記のマイクロウェルを7%炭酸ガス/93%空気中で
温度37℃、湿度100%下に培養に付した。
的増殖 (1)使用する培地は以下の通りである。 HAT培地:前記b)で述べたNS−1培地に更にヒポ
キサンチン(100μM)、アミノプテリン(0.4μ
M)およびチミジン(16μM)を加えた。 HT培地:アミノプテリンを除去した以外は上記HAT
培地と同一組成のものである。 (2)前記b)の培養開始後翌日(1日目)、細胞にパ
スツールピペットでHAT培地2滴(約0.1ml)を
加えた。2、3、5、8、11日目に培地の半分(0.
1ml)を新しいHAT培地で置き換えた。ハイブリド
ーマ生育全ウェルについて次項d)記載のELISAに
より陽性ウェルをチェックした。次にフィーダーとして
107 個のマウス胸腺細胞を含むHT培地1mlをポリ
スチレン製24穴セルウェル(岩城硝子)に加えたもの
を用い、上記で検出された各陽性ハイブリドーマの全内
容物を移した。これを前記b)と同様に7%炭酸ガス存
在下、37℃で約1週間培養に付した。その間1〜2回
各ウェルの上清0.5mlを新しいHT培地0.5ml
と交換した。ハイブリドーマの充分生育した時点でEL
ISA法により陽性を再確認し、それぞれについて次項
e)記載の限界希釈法によるクローニングを行った。な
お、クローニングに使用後の残液をポリスチレン製25
cm2 組織培養フラスコ(岩城硝子)に移し、凍結保存
用試料を調製した。
産生ハイブリドーマの検索 Anal.Biochem.,104,205,198
0に記載のRennard et al.の方法を若干
改変した方法を用いた。この方法は、ハイブリドーマ抗
体の検出に適している。96穴ミクロタイトレーション
プレート(Flow Lab.)を100ngのヒトM
MP−8でコートし、次に、未コート部分を1%BSA
でブロックした。これに前記c)で得られたハイブリド
ーマ生育ウェルの上清の一部を加えて室温で約1時間イ
ンキュベートした。2次抗体として西洋わさびペルオキ
シダーゼ(HRP)標識ヤギ抗マウス免疫グロブリン
(Cappel Lab.)を加え、更に室温で約1時
間インキュベートした。次に基質である過酸化水素とo
−フェニレンジアミンを加え生成した褐色の程度をマイ
クロプレートリーダー(MRP−A4、東ソー)を用い
て492nmの吸光度を測定し判定した。
リドーマが生育している可能性があるので、限界希釈法
によりクローニングを行い、モノクローナル抗体産生ハ
イブリドーマを取得する。NS−1培地 1ml当りフ
ィーダーとして107 個のマウス胸腺細胞を含むクロー
ニング培地を調製し、96穴マイクロウェルの36ウェ
ル、36ウェル及び24ウェル当り5個、1個及び0.
5個のハイブリドーマを加えた。5日目、12日目に全
ウェルに各0.1mlのNS−1培地を追加した。クロ
ーニング開始後14〜15日で充分なハイブリドーマの
生育が認められ、コロニー形成陰性ウェルが50%以上
である群についてELISA法を行った。テストした全
ウェルが陽性でない場合、抗体陽性ウェル中のコロニー
数を確認し、ウェル中に1コロニーが確認されたウェル
を4〜6個選び再クローニングする。最終的に表1に示
したようにヒトMMP−8に対するモノクローナル抗体
産生ハイブリドーマを得た。
生体内増殖 モノクローナル抗体の増殖は常法による。すなわち、得
られた各ハイブリドーマをNS−1培地などの適当な培
養液で培養(生体外増殖)し、その培養上清から10〜
100μg/mlの濃度のモノクローナル抗体を得るこ
とができた。一方、大量に抗体を得るために、脾細胞と
ミエローマ細胞の由来動物と同系のマウス(BALB/
c)に1匹当り0.5mlの腫瘍形成促進剤プリスタン
(Aldrich Chem.Co.)を腹腔内投与し
た。1〜3週間後に、各ハイブリドーマ1×107 個を
同じく腹腔内投与し、更にその1〜2週間後に生体内で
産生された1〜4mg/mlのモノクローナル抗体を含
む腹水を得ることができた。
トしたミクロタイトレーションプレートに前記e)で得
られた各モノクローンの培養上清を加えた。次にPBS
により洗浄した後、アイソタイプ特異的ウサギ抗マウス
Ig抗体(Zymed Lab.)を加えた。PBSに
よる洗浄後、HRP標識ヤギ抗ウサギIgG(H+L)
抗体を加え、基質として過酸化水素及び2,2′−アジ
ノージ(3−エチルベンゾチアゾリン硫酸)を用いてそ
れぞれの重鎖及び軽鎖を判定した。その結果をまとめて
後掲の表1に示した。 h)モノクローナル抗体の精製 前記f)で得られた各腹水を40%飽和硫酸アンモニウ
ムで分画した後、IgG1クラスの抗体について0.5
M塩化ナトリウム含有1.5Mグリシン−NaOH緩衝
液(pH8.9)で平衡化したアフィゲル プロテイン
A(Bio−Rad Lab.)カラム(φ2.5×1
1cm)に吸着させ、上記緩衝液で洗浄後、0.1Mク
エン酸緩衝液(pH5.0)で溶出した。溶出液4ml
/フラクションに分画したところ、例えばクローンN
o.115−1F9(生工研受託番号FERM P−1
4300)ではフラクション36〜43に、クローンN
o.115−9D9(生工研受託番号FERM P−1
4302)ではフラクション36〜50に、クローンN
o.115−11B2(生工研受託番号FERM P−
14301)ではフラクション36〜45に溶出され精
製できた。
により調製したヒトMMP−8をドデシル硫酸ナトリウ
ムを含むポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−P
AGE)に供した後、細胞工学,182,1061−1
068,1983に記載の田部の方法に従ってウエスタ
ンブロッティングを行い、各モノクローンの培養上清と
反応後、HRP標識ヤギ抗マウス免疫グロブリン(Ca
ppelLab.)を用い、間接法により免疫染色を行
った。MMP−8には潜在型MMP−8と活性型MMP
−8があることが知られており、分子量はそれぞれ85
kDaと64kDaであるとされているが、分子量は分
子中に含まれる糖鎖の種類、長さ、分解の程度などによ
り幾分異なって測定される場合もあると考えられてい
る。活性型MMP−8は、潜在型MMP−8のアミノ末
端側が欠失することにより生成すると考えられる。更に
活性型MMP−8は自己分解により切断されると考えら
れており、結果として分子量45kDa断片と分子量2
5kDa断片になると考えられている。活性型MMP−
8から生ずる二つの断片のうち分子量25kDa断片は
カルボキシル末端側領域と考えられる。表1に掲げたモ
ノクローナル抗体のうち16クローンが陽性として認め
られ、そのうち115−5D10、115−6B2、1
15−9D9(生工研受託番号FERM P−1430
2)、115−14B6、115−15C5の5クロー
ンが潜在型MMP−8のみを認識することからMMP−
8のアミノ末端領域を認識する抗体であることが示され
た。115−1F9(生工研受託番号FERMP−14
300)、115−4E3、115−7F7、115−
12A1,,115−13D2、115−18C4、1
15−21B8、115−26A1、115−30F6
の9クローンが潜在型、活性型MMP−8の両方を認識
することから、MMP−8のアミノ末端領域以外の領域
を認識することが示された。また、115−2H5は、
潜在型、活性型に加え45kDa断片も認識することか
らMMP−8の中央領域を認識し、115−11B2
(生工研受託番号FERM P−14301)は、潜在
型、活性型に加え25kDa断片を認識し、この抗体は
MMP−8のカルボキシル末端領域を認識することが示
された(表1)。
胞CCD−41SK(ATCC No.CRL 150
5)より、Clin.Chim.Acta,219,1
−14,1993に記載のZhang et al.の
方法に従い精製した。 72kDaゼラチナーゼ(MMP−2):ヒト新生児皮
膚線維芽細胞NB1RGB(RCB 222)よりCl
in.Chim.Acta,221,91−103,1
993に記載のFujimoto et al.の方法
に従い精製した。 ストロムライシン−1(MMP−3):上記NB1RG
BよりClin.Chim.Acta,211,59−
72,1992に記載のObata etal.の方法
に従い精製した。 92kDaゼラチナーゼ(MMP−9):ヒト線維肉腫
細胞HT1080(ATCC No.CCL 121)
よりJ.Biol.Chem.,267,21712−
21719,1992に記載のOkada et a
l.の方法に従い精製した。 前記a)の免疫染色で陽性となった抗ヒトMMP−8モ
ノクローナル抗体16クローンのうち、115−1F
9、115−9D9、115−11B2、115−13
D2の4クローンについて、上記の各MMPsを用いて
イムノブロッティングを行ったところ、いずれのモノク
ローナル抗体もヒトMMP−1、ヒトMMP−2、ヒト
MMP−3、ヒトMMP−9とは交差反応せず、ヒトM
MP−8に対して特異的に反応することが示された。
983に記載のIshikawa et al.の方法
に従って、マウス抗ヒトMMP−8 IgG−HRP複
合体を調製した。 a)SH基標識IgGの調製 ヒトMMP−8に対し、反応性が認められたモノクロー
ナル抗体(IgG:クローンNo.115−11B2:
生工研受託番号FERM P−14301)を0.1M
リン酸緩衝液(pH6.5)に対し透析し、その溶液に
含有されるIgGに対して100倍モルのS−アセチル
メルカプト無水コハク酸をジメチルホルムアミド溶液と
して加え、30℃、30分間インキュベーションした。
次に、0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)を総
容量の1/5量、0.1M EDTA溶液(pH6.
0)を総容量の1/50量、1Mヒドロキシルアミン溶
液(pH7.0)を総容量の1/5量加え、30℃、5
分間静置後、5mM EDTA含有0.1Mリン酸緩衝
液(pH6.0)で平衡化したセファデックスG−25
でゲルろ過し、SH基標識マウス抗ヒトMMP−8 I
gGを得た。
ン酸緩衝液(pH7.0)に溶解し、そのHRP量に対
して25倍モル量のEMCSをジメチルホルムアミド溶
液として加え、30℃、30分間反応させた。この反応
液を0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化した
セファデックスG−25カラムでゲルろ過し、マレイミ
ド標識HRP画分を分取した。 c)IgG−HRP複合体の調製 上記a)で調製したSH基標識IgG 1モルに、上記
b)で得られたマレイミド標識HRP約5モルを加え、
4℃、20時間静置した。この混合液を0.1Mリン酸
緩衝液(pH7.0)で平衡化したウルトロゲル Ac
A44カラム(Villeneuve−la−Gare
nne,フランス)でゲルろ過し、マウス抗ヒトMMP
−8 IgG−HRP複合体画分を分取した。BSA及
びクロルヘキシジンを各々0.1%及び0.002%に
なるように添加し、4℃で保存した。
酸ベンズアミジン、1mMフェニルメタンスルホニルフ
ルオリド(PMSF)、0.05%Brij35含有2
0mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)に懸濁し、ス
パチュラで充分に混和し、遠心分離(4000rpm,
4℃,40分間)して得られた上清を抗ヒトMMP−8
モノクローナル抗体(クローンNo.115−13D
2)結合セファロース4Bカラムに供し、その吸着タン
パク質を0.1Mグリシン−塩酸(pH3.0)で溶出
した。その溶出液を5mM塩化カルシウム、20mM塩
酸ベンズアミジン含有20mMトリス−塩酸緩衝液(p
H8.0)に対し透析し、DEAE−セファセル(Ph
armacia)に供した。その素通り画分を採取し、
更にアフィゲル プロテインA(Bio−Rad La
b.)に供した。その素通り画分を採取しヒトMMP−
8を得た。精製により得られたヒトMMP−8は、J.
Mol.Biol.,80,579−599,1973
に記載のLaemmli et al.の方法に従いS
DS−PAGEで調べたところ分子量85kDaに単一
バンドを示した。このヒト胎盤より精製して得られたヒ
トMMP−8標品と好中球から精製して得られたヒトM
MP−8標品とを比較したところ、両者は同一との結果
を得た。
983に記載のIshikawa et al.の方法
に従ってマウス抗ヒトMMP−8 IgG(測定系A:
クローンNo.115−1F9:生工研受託番号FER
M P−14300、測定系B:クローンNo.115
−9D9:生工研受託番号FERM P−14302)
を各々0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)に溶解し、
100μg/mlの濃度に調整した。そのモノクローナ
ル抗体溶液を96穴マイクロプレートにウェル当り10
0μlずつ加え、4℃、24時間静置した。次にモノク
ローナル抗体溶液を除去し、各々生理食塩液で3回洗浄
後、1% BSA,0.1M塩化ナトリウム及び10m
M EDTA含有30mMリン酸緩衝液(pH7.0,
緩衝液A)に浸漬し、4℃で保存した。
釈した標準MMP−8あるいはヒトMMP−8を含む検
体を96穴ビニルプレート(Falcon)に各々20
μl加えた。次に実施例3で調製した酵素標識抗体を1
μg/mlとなるように緩衝液Aで希釈し、上記ビニル
プレートに各々100μlずつ加え混和した。この混合
液を前項a)で調製した抗体結合プレートに100μl
加え、室温で1時間反応させ、生理食塩液で3回洗浄し
た。次に0.02%過酸化水素含有0.1Mクエン酸−
リン酸緩衝液(pH4.9)に溶解した2mg/ml
o−フェニレンジアミンをウェル当り100μl加え、
室温で30分間反応後、2N硫酸100μl添加し、反
応を停止させた。この反応混液のA492 をマイクロプレ
ートリーダー(MPR−A4,東ソー)を用いて測定
し、検量線より検体中のMMP−8量を求めた(図
1)。標準抗原0ng/mlの吸光度を8回測定したと
きの平均(M)と標準偏差(SD)を算出し、M+2S
Dに相当する標準抗原濃度を感度とするとき、その感度
は、測定系A(固相用クローンNo.115−1F9,
酵素標識用クローンNo.115−11B2)で0.4
8ng/ml(8.0pg/assay)、測定系B
(固相用クローンNo.115−9D9,酵素標識用ク
ローンNo.115−11B2)で0.34ng/ml
(5.7pg/assay)であった。なお、両測定系
の定量範囲はいずれも0.5〜500ng/ml(8.
3〜8300pg/assay)であった。
ム及び10mM EDTA含有30mMリン酸緩衝液,
pH7.0)を使用し、前記b)項記載の測定系A及び
測定系Bの方法に従って体液中のMMP−8を測定し
た。ヒト血中MMP−8を測定する場合、検体として血
清を用いると、採血から血清分離までの時間に依存して
MMP−8量が増加した。一方、EDTA血漿では、血
清のようなMMP−8量の増加は認められなかった。検
体として関節液を用いる場合で、原液そのものでは粘度
が大きく正確な測定値を得ることが困難な場合には上記
緩衝液Aで希釈することが好ましい。関節液を1〜12
8倍希釈して測定を行ったところ、4倍以上の希釈で安
定した測定値が得られる。関節液を5倍希釈したものは
十分に測定用検体として用いることができる。
た。緩衝液Aで希釈した標準抗原あるいは1/1〜1/
5倍に倍数希釈した4種類の検体(健常人血漿及び5倍
希釈関節液)を96穴ビニルプレートに20μl加え
た。以下の操作は前記b)に記載した操作と同様に行
い、各々希釈血漿及び関節液を測定した(表2及び表
3)。測定系A及び測定系Bにおいて希釈試験に用いた
いずれの血漿及び関節液も充分な直線を示し(γ>0.
991)、回帰直線もほぼ0点を通った。 e)同時再現性試験 前記b)、c)に記載した方法に従い、標準抗原及び検
体(健常人血漿及び5倍希釈関節液)について測定系A
及び測定系Bの同時再現性試験を行った(表4)。両者
の標準抗原液、血漿及び関節液の各測定値のいずれのC
V値も10%以下であった。
/ml)、各20μlを添加したものを検体とし、80
μlの酵素標識抗体液(1250ng/ml)を加え
た。以下の操作は、前記b)、c)に記載した操作法と
同様に行い、ヒトMMP−8量を測定し、回収された標
準抗原量を算出した(表5)。血漿中の標準抗原量の平
均回収率は測定系Aで97%、測定系Bで79%であっ
た。測定系Aでは充分な回収率が得られたが、測定系B
での回収率は低かった。そこで測定系Bについて緩衝液
の検討を行った。緩衝液Aにプロテアーゼインヒビター
である塩酸ベンズアミジンを最終濃度20mMになるよ
うに加えたところ(緩衝液B)、平均回収率85%にな
った。このことより測定系Bの回収率の低下は、血中プ
ロテアーゼによるMMP−8の分解が原因であると考え
られる。また、関節液中での標準抗原量の平均回収率
は、測定系Aで106%、測定系Bで98%でいずれも
充分な回収率が得られた。 g)血漿中MMP−8量の測定 前記b)、c)に記載した1ステップサンドイッチEI
A法により検体として健常人血漿(n=13)を用い測
定した。その結果、測定系Aでは6.2±4.7ng/
ml(M±SD)、測定系Bでは7.0±5.0ng/
mlであった。また同様な操作により、慢性関節リウマ
チ(RA)患者及び変形性関節症(OA)患者の関節液
を検体とし測定を行った。その結果、RA患者関節液
(n=38)を用いた時、測定系Aで439±545n
g/ml、測定系Bで454±604ng/mlであ
り、OA患者関節液(n=36)を用いた時、測定系
A、測定系Bともに測定感度以下であった。
の分子サイズ a)潜在型MMP−8の活性化 実施例4で得られたヒト潜在型MMP−8に最終濃度1
mMになるように4−APMAを加え、37℃で活性化
を行い、0、30、60、90分後に最終濃度10mM
になるようにEDTAを加え、反応を停止した。潜在型
MMP−8の活性化は、抗MMP−8モノクローナル抗
体クローンNo.115−1F9を用いイムノブロッテ
ィングにより確認した(図2)。30分後に64kDa
の活性型が認められ、90分後には完全に潜在型は活性
型に変換された。
例5、b)、c)に記載した同操作で測定した(図
3)。測定系Aでは、MMP−8の活性化が起こっても
測定値(A492 値)の低下はみられなかったが、測定系
Bでは、活性化が進むにつれ測定値(A492 値)の低下
がみられた。従って、測定系Aは、潜在型、活性型MM
P−8の両方を検出し、測定系Bは潜在型MMP−8の
みを特異的に検出することが示された。
−8の測定 測定系Aは活性型MMP−8も認識することができる。
活性型MMP−8は、そのインヒビターであるTIMP
−1あるいはTIMP−2と複合体を形成する。そこ
で、一定量の活性型MMP−8に種々の濃度のTIMP
−1あるいはTIMP−2を加えたものを検体とし、測
定系Aに対する影響を調べた。 a)TIMP−1及びTIMP−2の精製 TIMP−1は、ヒト胎盤より、J.Immunol.
Methods,127,103−108,1990に
記載のKodama et al.の方法に従い精製し
た。TIMP−2は、Clin.Chim.Acta,
220,31−45,1993に記載のFujimot
o et al.の方法に従い精製した。
効果及び活性型MMP−8の測定 実施例6、a)に記載した操作により得た活性型MMP
−8を用いて以下の操作を行った。ヒト活性型MMP−
8量を一定とし、TIMP−1あるいはTIMP−2を
モル比(TIMP−1あるいはTIMP−2/ヒト活性
型MMP−8)が0、0.04、0.2、1、5、及び
25となるように加えた。反応後、実施例5、b)、
c)に記載した測定系AでTIMP−1及びTIMP−
2の添加効果を調べた(図4、図5)。その結果、TI
MP−1及びTIMP−2の添加量の増加とともに測定
値(A492 値)の低下がみられた。
lagen Rel.Res.,7,341−350,
1987に記載の抗ウシTIMP−1モノクローナル抗
体(クローンNo.7−6C1:微工研受託番号FER
M BP−3468)、Fujimoto et a
l.,Clin.Chim.Acta,220,31−
45,1993に記載の抗TIMP−2モノクローナル
抗体(クローンNo.68−6H4:微工研受託番号F
ERM P−12691、67−4H11:微工研受託
番号FERM P−12690)を用いMMP−8−T
IMP−1複合体及びMMP−8−TIMP−2複合体
の検出を試みた(図4、図5)。その結果、MMP−8
−TIMP−1複合体測定系として固相抗体にクローン
No.115−11B2、酵素標識抗体にクローンN
o.7−6C1を用いたとき(測定系C)、TIMP−
1の添加量の増加とともに測定値(A492 )の上昇がみ
られ、モル比が1:1のところで平衡に達した。すなわ
ち、MMP−8−TIMP−1複合体を上記二種類のモ
ノクローナル抗体を用いて測定することにより、活性型
MMP−8を測定できることが示された。一方、固相抗
体にクローンNo.115−1F9、酵素標識抗体にク
ローンNo.7−6C1を用いたとき(測定系D)、T
IMP−1の増加にもかかわらず、測定値(A492 値)
は感度以下であり、複合体を測定することはできなかっ
た(図4)。
定系として固相抗体にTIMP−2アミノ末端領域認識
クローンNo.68−6H4、酵素標識抗体にクローン
No.115−11B2を用いたとき(測定系E)、T
IMP−2の添加量の増加とともに測定値(A492 値)
の上昇がみられ、モル比1:1のところで平衡に達し
た。すなわち、MMP−8−TIMP−2複合体を上記
二種類のモノクローナル抗体を用いて測定することによ
り、活性型MMP−8を測定できることが示された。ま
た、固相抗体にクローンNo.115−1F9、酵素標
識抗体にTIMP−2カルボキシル末端領域認識クロー
ンNo.67−4H11を用いたとき(測定系F)、T
IMP−2の増加にもかかわらず測定値(A492 値)は
感度以下であり、複合体を測定することはできなかった
(図5)。
11B2は、TIMPsと複合体を形成した活性型MM
P−8を認識できるが、クローンNo.115−1F9
は認識できず、この115−1F9抗体は、活性型MM
P−8がTIMPsに結合する領域を認識すると考えら
れる。すなわちKnauper et al.(Bio
chem.J.,291,847−854,1993)
は、TIMPsがMMP−8のカルボキシル末端領域と
は結合せず、触媒領域(中央領域)と結合すると報告し
ていることより、115−1F9抗体はMMP−8の中
央領域を認識する抗体であることが示唆された。従っ
て、測定系Aは、潜在型MMP−8とフリーの活性型M
MP−8を検出することはできるが、TIMPsとの複
合体を形成した活性型MMP−8は検出できないという
ことが判明した。また、MMP−8のカルボキシル末端
領域を認識するモノクローナル抗体(クローンNo.1
15−11B2)及びTIMP−1に対するモノクロー
ナル抗体(クローンNo.7−6C1)あるいはTIM
P−2のアミノ末端領域に対するモノクローナル抗体
(クローンNo.68−6H4)を使用することによ
り、活性型MMP−8の測定が可能であることが示され
た。
異的に認識することができるモノクローナル抗体を用い
ることによりMMP−8の免疫学的測定を達成できる。
特に二種類の該モノクローナル抗体を用いることによ
り、被検試料中の潜在型MMP−8あるいは潜在型及び
活性型MMP−8の両方、そして活性型MMP−8とT
IMPsとの複合体を測定することができ、その結果活
性型MMP−8を感度ならびに精度良く、また迅速に定
量し得る。そしてこうしてMMP−8の免疫学的測定を
達成できることにより、慢性関節リウマチなどのような
炎症性疾患だけでなく、腫瘍性疾患においても腫瘍の伸
展とともに炎症反応がよくみられるが、この炎症反応に
おいて重要な働きをしていると考えられるMMP−8を
精度良く且つ迅速に定量できるので、これら炎症反応の
診断の道を開き、さらには慢性関節リウマチなどのよう
な炎症性疾患、腫瘍性疾患などの診断剤として有用であ
る。
たヒトMMP−8の標準曲線を示すグラフである。
MMP−8のイムノブロッティングの結果を表す図であ
る。
Bそれぞれでの1ステップサンドイッチEIA法による
測定値の変化を示すグラフである。
加の影響を示すグラフである。
加の影響を示すグラフである。
Claims (16)
- 【請求項1】 好中球コラゲナーゼに対し特異的に結合
するモノクローナル抗体のうち好中球コラゲナーゼの実
質的に異なる領域に対し特異的に結合するモノクローナ
ル抗体であってかつそれらモノクローナル抗体のうちの
少なくとも二種類を測定試薬として用いて免疫学的に測
定を行うことを特徴とする好中球コラゲナーゼの免疫学
的定量法。 - 【請求項2】 使用する二種類のモノクローナル抗体の
うち、一方に好中球コラゲナーゼの潜在型を特異的に認
識するモノクローナル抗体を用いることを特徴とする請
求項1記載の定量法。 - 【請求項3】 使用する二種類のモノクローナル抗体の
一方に、好中球コラゲナーゼの中央領域を特異的に認識
するモノクローナル抗体を用いることを特徴とする請求
項1記載の定量法。 - 【請求項4】 使用する二種類のモノクローナル抗体の
うち、少なくとも一方に好中球コラゲナーゼのカルボキ
シル末端領域を認識するモノクローナル抗体を用いるこ
とを特徴とする請求項1記載の定量法。 - 【請求項5】 使用する二種類の抗体が、各々好中球コ
ラゲナーゼのアミノ末端領域及びカルボキシル末端領域
を認識するモノクローナル抗体を用い、潜在型好中球コ
ラゲナーゼを測定することを特徴とする請求項1記載の
定量法。 - 【請求項6】 使用する二種類のモノクローナル抗体が
各々好中球コラゲナーゼの中央領域及びカルボキシル末
端領域を認識するモノクローナル抗体を用い、潜在型及
び活性型好中球コラゲナーゼを測定することを特徴とす
る請求項1記載の定量法。 - 【請求項7】 好中球コラゲナーゼの中央領域を認識す
るモノクローナル抗体のうち、ティシュ・インヒビター
・オブ・メタロプロテアーゼ結合好中球コラゲナーゼを
認識しないモノクローナル抗体。 - 【請求項8】 好中球コラゲナーゼの中央領域を認識す
るモノクローナル抗体のうち、ティシュ・インヒビター
・オブ・メタロプロテアーゼ結合好中球コラゲナーゼを
認識しないモノクローナル抗体を用い、潜在型及び活性
型の遊離好中球コラゲナーゼを測定することを特徴とす
る請求項6記載の定量法。 - 【請求項9】 使用する二種類のモノクローナル抗体の
うち一方を固相担体に結合させる抗体として用い、他方
を標識物を付与する抗体として用いて、サンドイッチ法
により免疫学的に測定を行うことを特徴とする請求項1
〜6及び8のいずれか一記載の定量法。 - 【請求項10】 好中球コラゲナーゼのカルボキシル末
端領域に特異的に結合するモノクローナル抗体とティシ
ュ・インヒビター・オブ・メタロプロテアーゼ類に特異
的に結合する抗体を用い、免疫学的に活性型MMP−8
とTIMPs複合体の測定を行うことを特徴とする活性
型好中球コラゲナーゼの免疫学的定量法。 - 【請求項11】 好中球コラゲナーゼのカルボキシル末
端領域を認識する抗体とティシュ・インヒビター・オブ
・メタロプロテアーゼ−1を特異的に認識するモノクロ
ーナル抗体を用い、サンドイッチ法により測定を行うこ
とを特徴とする請求項10記載の定量法。 - 【請求項12】 好中球コラゲナーゼのカルボキシル末
端領域を認識するモノクローナル抗体とティシュ・イン
ヒビター・オブ・メタロプロテアーゼ−2のアミノ末端
領域を認識するモノクローナル抗体を用い、サンドイッ
チ法により測定を行うことを特徴とする請求項10記載
の定量法。 - 【請求項13】 免疫学的反応にキレート化剤を含む緩
衝液を用いることを特徴とする請求項1〜6及び8〜1
2のいずれか一記載の定量法。 - 【請求項14】 キレート化剤にエチレンジアミン四酢
酸塩を用いることを特徴とする請求項13記載の定量
法。 - 【請求項15】 ヒト血漿又は関節液を検体として用い
ることを特徴とする請求項1〜6及び8〜14記載の定
量法。 - 【請求項16】 エチレンジアミン四酢酸塩処理による
ヒト血漿を検体として用いることを特徴とする請求項1
5記載の定量法。
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JP7024468A JP2742886B2 (ja) | 1995-01-20 | 1995-01-20 | 好中球コラゲナーゼの免疫学的定量法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JPH08201392A JPH08201392A (ja) | 1996-08-09 |
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Family
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JP7024468A Expired - Lifetime JP2742886B2 (ja) | 1995-01-20 | 1995-01-20 | 好中球コラゲナーゼの免疫学的定量法 |
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WO2003076934A1 (fr) * | 2002-03-12 | 2003-09-18 | Japan Science And Technology Agency | Kits d'analyse «en sandwich» permettant de detecter la shigatoxine ctx3c |
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1995
- 1995-01-20 JP JP7024468A patent/JP2742886B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (2)
Title |
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JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY 261〜12!(1986)P.5645−5650 |
JOURNAL OF EXPERIMENTAL MEDICINE 159(1984)P.1455−1463 |
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JPH08201392A (ja) | 1996-08-09 |
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