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JP2633081B2 - ズームレンズ鏡筒 - Google Patents

ズームレンズ鏡筒

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JP2633081B2
JP2633081B2 JP31624390A JP31624390A JP2633081B2 JP 2633081 B2 JP2633081 B2 JP 2633081B2 JP 31624390 A JP31624390 A JP 31624390A JP 31624390 A JP31624390 A JP 31624390A JP 2633081 B2 JP2633081 B2 JP 2633081B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ズームレンズ鏡筒の距離調節機構に関する
ものであり、特に近距離撮影時の改良に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
近年ズームレンズのコンパクト化、オートフオーカス
化に加えて、高倍率化が一般的となりつつあるが、特に
至近撮影距離の近距離化に関する従来技術としては、 (A)ズーム領域にかかわらず、最至近距離が一定であ
るズームレンズ。
(B)ズーム領域の一部の領域において、最至近距離が
設定されているズームレンズ。
(C)ズーム領域の領域外において、最至近距離が設定
されているズームレンズ。等があった。
〔発明が解決しようとしている課題〕
しかしながら上記従来例に於ては、 (A)に記載の従来例の場合、ズーム比が大きくなるに
連れ、ワイド側における最至近距離がテレ端の最至近距
離により規制を受けて、ワイド側の至近距離が遠くなり
操作正に不満が残る。
(B)に記載の従来例の場合、至近距離使用時のズーム
操作が煩わしく、操作性が劣る。
(C)に記載の従来例の場合、(B)と同様な難点があ
った。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば、ズーミングによる焦点距離の変化に
応じてフォーカスに作用するレンズの合焦の為の繰り出
し量が変わるズームレンズ鏡筒において、前記レンズを
光軸方向に移動させるために光軸方向に移動するカムフ
ォロアーと、前記カムフォロアーと当接し、ズーミング
の際に光軸回りに回転するカムと、ズーミング動作に連
動して前記カムを光軸回りに回転させることにより前記
カムと前記カムフォロアーとの当接位置を変えて前記レ
ンズの合焦の為の繰り出し量を変える機構と、操作部材
を回転させるフォーカス動作に連動して前記カムフォロ
アーを回転させることにより前記カムフォロアーを光軸
方向に移動させる機構とを有し、前記カムの変位を、ワ
イド側での合焦可能な至近距離よりもテレ側での合焦可
能な至近距離の方が遠くなり且つワイド端からテレ端ま
で前記操作部材の最大回転角が等しくなるように設定す
ることにより、ワイド側のズーム領域においても至近撮
影時の良好な操作性が得られるようにしたものである。
〔実施例〕
第1図から第10図は、本発明の第1実施例を示し、 第1図は、レンズのテレ端状態を示す断面図である。
第2図は、レンズのワイド端を示す断面図である。
第3図は、カム筒の展開図である。
第4図は、固定筒の展開図である。
第5図は、5群鏡筒の嵌合部の展開図である。
第6図は、1群鏡筒の展開図である。
第7図は、フード用カム筒の展開図である。
第8図は、フオーカス連絡筒の展開図でる。
第9図は、各ズーム群のズーミングに於ける、ズーム
の移動線図である。
第10図は、フォーカスカム回りの詳細図である。表1
は、本発明の第1実施例において、フオーカス回転量に
対する撮影距離を各ズーミング毎に表したものである。
第12図は、表1をグラフ化したものである。
第1図〜第9図において、Iは1群レンズ、IIは2群
レンズ、IIIは3群レンズ、IVは4群レンズ、Vは5群
レンズ、VIは6群レンズを表わす。(尚第1図中Aで表
してある部分は着脱可能である所のフイルターであ
る。) 図中1は固定筒で、1aは外面直進溝、1bは内面直進
溝、1cは2群保持穴でそれぞれ等分に3本づつ設けられ
ている。又外径部1hには周穴1iを有している。2はマウ
ントで、ビス2aで前記固定筒1に固着されていると共
に、ウラブタ3を保持し、又着脱ストツパーピン2bを有
している。前記固定筒1はその外周部1eを持ち、該外周
部1eには距離窓部4を有すると共に、該外周部1eの内面
には段部1fと嵌合部1gを有し、該段部1fと嵌合部1gにお
いて、回転筒5を回転自在に保持している。該回転筒5
の先端には、ピン5aが対向2ケ所で外周部からネジ込ま
れており、又後端内周部に向っては、3ケ所の突起部5b
を有している。6はフオーカスユニツトで、ビス6bによ
り前記固定筒1にユニツト本体6aが固着されている。
又6cは公知の超音波モーターである。6dは出力部材で
ある。6eはコロ部材でコロリング6gの外周部に軸ビス6f
で3ケ所等分に回転自在に保持されている。尚前記コロ
リング6gは内径で前記ユニツト本体6aに嵌合し回転自在
に保持されていると共に、外周部には距離目盛6iが設け
られている。又、6hは中間部材で、前記ユニツト本体6a
に嵌合保持されると共に、外周部には3ケ所の嵌合縦溝
部6jを持ち、該嵌合縦溝部6jが前記回転筒5の後端内周
部の突起部5bと嵌合し、該回転筒5と一体となって回転
出来る。又、6kは前記超音波モーター6cの加圧部材であ
り、前記ユニツト本体6aの中で、前記超音波モーター6
c、出力部材6d、コロ部材6e、中間部材6hを順番に同時
に加圧している。7はフオーカスキーで、ビス7aにより
前記フオーカスユニツト6中のコロリング6gに固着され
ている。又、該キー7は不図示の嵌合縦溝部7bを有して
いる。
8はフオーカス連絡筒で、前記固定筒1の内面と嵌合
している。又、内周面に縦溝8bを有している。ピン8aは
該フオーカス連絡筒8の外周面にネジ込まれており、前
記固定筒1の小径部1hの周穴1iで、スラスト規制を受
け、又、前記キー7の不図示の嵌合縦溝部7b(以下キー
と言う)によって、回転規制を受けている。
9は1群鏡筒で前記1群レンズIを保持すると共に、
その後端内面部にある嵌合部9aにおいて、前記固定筒1
と嵌合し、又、同時に後端内面部には直進キー9bがビス
9cにより固着されている。そして、該直進キー9bが前記
固定筒1の外面直進溝1aと嵌合することにより、前記固
定筒1に対し直進自在に保持されている。又、該1群鏡
筒9には、その前半部にカム溝9dを等分に3本有してい
る。又、その外周嵌合部にはフード用カム筒10を嵌合保
持すると共に、該フード用カム筒10のスラスト規制も実
現し、該フード用カム筒10を、該1群鏡筒9に対し定位
置で自在に回転出来る様に保持している。
9eは前記1群鏡筒9の前方外周部に設けられたダボで
等分に3ケ所設けられている。9fは前記1群鏡筒9の外
周側に伸びたツバ部でその外周部には嵌合部9gを有す
る。前記フード用カム筒10には直進ミゾ10aとカム溝10a
が共に3本づつ等分に設けられている。
11は操作環で、内面の中間部に嵌合受け部11aを持ち
該嵌合受け部11aが前記1群鏡筒9の外周側に伸びたツ
バ部9fに設けられた嵌合部9gと嵌合してスラスト規制を
行う事により、該操作環11は前記1群鏡筒9に対し、前
後運動の操作を与える事が出来る。又、該操作環11の内
面には、内面縦溝11bが対向2ケ所設けられていて、該
内面縦溝11bが前記回転筒5の先端に対向2ケ所に外周
部からネジ込まれたピン5aと嵌合している事により、前
記操作環11の回転操作を常に安定して前記回転筒5と前
記フオーカスユニツト6中の中間部材6hに伝達する事が
可能になっている。
12はフイルター枠で、先端内周部に前記フイルターA
をネジ込む為のフイルターネジ12aが切ってあり、又後
端内周部には嵌合部12bを持ち、該嵌合部12bには内側に
ダボ12cが3ケ所等分に設けられている。又、中間部内
面には縦溝12dが3ケ所等分に設けられている。該縦溝1
2dは前記1群鏡筒9の前方外周部に設けられたダボ9eと
嵌合し、回転規制をされる。更に、該フイルター枠12の
後端内周部の嵌合部12bが前記フード用カム筒10の外周
と嵌合すると同時に、前記フイルター枠12の後端内周部
の嵌合部12bの内側に3ケ所等分に設けられたダボ12c
が、前記フード用カム筒10に設けられたカム溝10bと係
合しているため、結局フード用カム筒10が回転すると、
フイルター枠12が1群鏡筒9に保持された1群レンズI
に対して直進繰出しを行う。
13はカム筒で略大径部13aと小径部13bを持ち、該大径
部13aは、前記固定筒1の内径に嵌合保持されている。
又該大径部13aには第3図に示したように、固定ピンカ
ム13c、3群カム13d、4群カム13e、5群カム13fが各々
等分に3本づつ設けれらている。又、小径部13bは、フ
オーカスカム13gが設けられている。又、前端外周部は
一段径が大きくなった嵌合部13hがあり、該嵌合部13hの
外面には嵌合ピン13iが等分に3ケ所ネジ込まれてい
る。
該嵌合ピン13iは、1群鏡筒9のカム溝9dを貫通し
て、前記フード用カム筒10の直進溝10aにも同時に係合
している。この為、該カム筒13の回転量が前記フード用
カム筒10の回転量を規制する事となり、前述の説明によ
り前記フイルター枠12の繰出し量を決定している訳であ
る。
14は2群鏡筒で、2群レンズを保持し、外周には嵌合
部14aを有し、該嵌合部14aには固定ピン14bが等分3ケ
所設けられている。尚該嵌合部14aに設けられた固定ピ
ン14bは前記カム筒13の大径部13aに設けられた固定ピン
カム13cに係合すると同時に、前記固定筒1に設けられ
た2群保持穴1cに係合している。この為該2群鏡筒14は
前記固定筒1に対して固定である。又、前記カム筒13は
大径部13aに設けられた固定ピンカム13cと前記1群鏡筒
9の前半部に設けられたカム溝9dの形状の2つの位置要
素により、回転位置とスラスト位置が決り、結局該カム
筒13は前記操作環11の前後運動を行う事により、回転繰
出し動作を行う。13jは移動絞りで、前記カム筒13の前
端面に固着されている。
15は5群鏡筒で5群レンズを保持すると共に、嵌合部
15aを持ち、前記カム筒13の大径部13aに嵌合保持されて
いる。更に、該5群鏡筒15の嵌合部15aには第5図に示
されるように5群ピン15bがネジ込まれると共に、3群
ミゾ15c、4群ミゾ15dが各々3本づつ等分に設けられて
いる。前記5群鏡筒15の嵌合部15aにネジ込まれた5群
ピン15bが前記カム筒13の大径部13aに設けられた5群カ
ム13fと、前記固定筒1の内面直進溝1bに同時に係合し
ているので、前述のカム筒13の回転繰出し動作によって
所定のズーム移動を直進で行う事が出来る。
16は公知の電磁絞りユニツトである。
17は3群鏡筒で、第3群レンズIIIと電磁絞りユニツ
ト16を保持している。
又、3群鏡筒17は前記5群鏡筒15に嵌合保持されると
共に、嵌合面にネジ込まれた3群ピン17aが5群鏡筒15
の嵌合部15aに設けられた3群溝15cと、前記カム筒13の
大径部に設けられた3群カム13dに同時に係合している
ので、カム筒13の回転繰出し動作によって所定のズーム
移動を直進で行う事が出来る。
18は4群鏡筒で、第4群レンズIVを保持している。4
群鏡筒18は、5群鏡筒15に嵌合保持されると共に、嵌合
面にネジ込まれた4群ピン18aが前記5群鏡筒15の嵌合
部15aに設けられた4群溝15dとカム筒13の大径部に設け
られた4群カム13eに同時に係合しているので、前記3
群鏡筒17と同様にカム筒13の回転繰出し動作によって所
定のズーム移動を直進で行う事が出来る。
19は6群鏡筒で第6群レンズVIを保持すると共に、カ
ム筒13の小径部13bの内面に嵌合保持されると共に、6
群鏡筒19の嵌合部にネジ込まれた6群ピン19aがカム筒1
3のフオーカスカム13gとフオーカス連絡筒8の内周面の
縦溝8bと係合して位置決めされている。
第9図においてズームパラメーターを、ワイド端でP
=0、テレ端でP=1と変化するパラメーターPで表わ
すとする。
第1群Iは略直線繰出しであるが第1群Iのズーム移
動量Z1(P)をPの関数で表わすと、 Z1(P)=−87.7291×P −5.9751×P2 +38.227×P3 −18.8765×P4 −7.2885×P5 +6.64197×P6 …(式1) となる。
第2群は固定群である。
第3群は非線形に繰出す。
第4群も非線形に繰出す。
第5群も非線形に繰出す。
第6群も非線形に繰出す。更に、本実施例において
は、該第6群VIにフオーカス動作を兼用させている為、
無限撮影状態のズーム移動量を前述の第1群Iのズーム
移動量Z1(P)と同様にPの関数Z6(P)で表すと、 Z6(P)=−52.2729×P +23.3911×P2 +39.3588×P3 −236.458×P4 +530.4948×P5 −580.5656×P6 +292.4738×P7 −56.326298×P8 …(式2) となる。
又、該6群VIのフオーカス時における繰出し量を各撮
影物体毎に前述のZ6(P)を基準位置として考えた場合
にDX(P)で表わすとき、 無限遠の場合から各距離の繰出し量は次の様に表わされ
る。
第10図は、前記カム筒13の小径部13bに設けられたフ
オーカスカム13gのワイド端と同フオーカスカム13g′の
テレ端の状態とそれに係わる前記フオーカス連絡筒8回
りの詳細図で、矢印Aはフオーカス無限の状態からフオ
ーカス至近の状態へ、前記フオーカス連絡筒8が移行す
る経過を示している。又、矢印Bは、先のズームのワイ
ド端からテレ端へ移行する経過を示していて該矢印Bは
前記カム筒13の大径部13aに設けられた固定ピンカム13c
の形状に等しい。
*図中Z6の長さは、第6群の無限状態におけるズーム移
動量である。
*図中θは、フオーカス無限位置からの回転角である。
*図中FX(ワイド、θ)は、回転角θに於けるワイド端
でのフオーカス移動量である。
*図中FX(テレ、θ)は、回転角θに於けるテレ端での
フオーカス移動量である。
図より明らかな様にズームがテレ端に近付くほどフオ
ーカス移動量FXが大きくなる事がわかる。
*又、図中カム形状Aは従来のカム形状を表し後述する
実施例の補正前のものである。
*尚、図中ポイントAは、カム形状を表すときの原点で
ある。
〔フオーカスカム形状の説明〕
第10図においてポイントAは、ワイド端でのフオーカ
ス無限位置に相当しこれを原点としている。該ポイント
Aから図中右方向を正とするパラメーターPを考え、P
=1がテレ端の無限位置の横座標となるようにする。
又、原点Aからの光の通過する方向(図の下の方向)へ
正の値を与える、カムの縦座標をDF(P)とするとき。
カム形状は、「P≦1.38980」の範囲で DF(P)=0.16483574×P +0.23411311×P2 +1.0812920×P3 −3.0355993×P4 +6.0473302×P5 −4.0403452×P6 +1.3991619×P7 …(式13)であり、又、 補正カム形状は、「1.38980<P」の範囲で である。
尚、補正前のカム形状Aは、「1.38980<P」の範囲
で、式13による形状をそのまま用いたものである。
〔ズーム動作の説明〕
次に上記構成に於て、ズーミング操作のために前記操
作環11をワイド端からテレ端に引き出すと、前述のよう
に1群鏡筒9は同量直進移動し、同時にカム筒13は回転
繰り出しを行なう。このためフイルター枠は1群鏡筒9
に対して直進繰りだしを行なう。又、前記カム環9の回
転繰り出しにより5群鏡筒15は直進移動を行ない、同時
に3群鏡筒17及び4群鏡筒18も同時に直進移動を行な
う。
一方6群鏡筒は、前述の通りフオーカス固定の状態で
は、フオーカスキーに連なる前記フオーカス連絡筒8の
縦溝8bにより、その回転規制を受けているので直進移動
を行なう。
〔フオーカス動作の説明〕
フオーカス回転角θは、本実施例において正の値を持
っている。(これを、ワイド・スタートのカムと呼ぶこ
ととする。)ズーム量Pに於けるフオーカス回転角θに
於ける繰り出し量は、(P+θ)に於けるカム座標DF
(P+θ)が(P)に於けるカム座標DF(P)からどれ
だけ変化したかを求めればよい。
よって、繰り出し量をDF(P、θ)と置くと、DF
(P、θ)=DF(P+θ)−DF(P)で表される。ここで
例えばP=1、つまりテレ端に於て、ある撮影距離(仮
にxm)に於ける繰り出し量DX(1)xmとDF(1,0)が同
じになれば、テレ端で合焦したことになりその時のθを
変えないで(言い換えるとフオーカスを固定して)ズー
ミングをP=1からP=0へと変化させるとき、 カムのずれ量ΔDX(P)xmは、 ΔDX(P)=DF(P,θ)−DX(1)xm…(式15)で表さ
れ、 ΔDX(P)が、常に(P=0からP=1の間で)0に
近くなるようにしたのが第10図中の補正前カム形状Aで
あるが、本実施例においては、第10図中のフオーカスカ
ム13gのように前述の式13′で定義される補正形状を設
けることにより、ズーミングのテレ側で、フオーカスの
回転角を増した領域で、フオーカス群の移動量を抑える
様にして至近撮影距離を遠くし、逆にそれ以外のズーム
領域で、至近撮影距離を大幅に近距離側まで使用出来る
ようにしてある。
表1は、各ズームパラメーターと、フオーカス回転角
θに於ける撮影距離の値を示したものであり、第12図は
表1をグラフ化したものである。これらよりズームパラ
メーターP=1のテレ端に近くなるほど、それよりワイ
ド側の焦点距離に比べてフオーカスレンズ群の移動量が
抑えられるため、撮影距離が次第に遠くなって行くこと
が伺える。
〔他の実施例〕
次に、本発明による第2の実施例を述べる。ここで
は、前述の第1の実施例と全く同じ光学系を用いてい
る。このためズームの移動線図は、第9図と同じであ
り、前述の式1及び式2等で表される、ズーム移動量、
及び、式3から式12で表される、フオーカスにおける繰
り出し量も同じである。
又、鏡筒構造は、第1実施例の説明図である第1図から
第8図と略同様であるため割愛するが、前記フオーカス
カム13gの形状が異なるため、第10図の「フオーカスカ
ム回りの詳細図」に対応して、第11図として、「フオー
カスカム回りの詳細図」を新たな説明図とする。
表2は、本発明の第2実施例において、フオーカス回転
量に対する撮影距離を各ズーミング毎に表したものであ
る。
第13図は、表2をグラフ化したものである。
第11図は、前記カム筒13の小径部13bに設けられたフ
オーカスカム33gのワイド端と同フオーカスカム33g′の
テレ端の状態とそれに係わる前記フオーカス連絡筒8回
りの詳細図で、矢印Cはフオーカス無限の状態からフオ
ーカス至近の状態へ、前記フオーカス連絡筒8移行する
経過を示している。又、矢印Dは、先のズームのワイド
端からテレ端へ移行する経過を示している。
*図中Z6の長さは、6群の無限状態のズーム移動量であ
る。
*図中θは、フオーカスの無限位置からの回転角であ
る。
*図中FX(ワイド、θ)は、θに於けるワイド端でのフ
オーカス移動量である。
*図中FX(テレ、θ)は、θに於けるテレ端でのフオー
カス移動量である。
図より明らかな様にズームがテレ端に近付くほどフオ
ーカス移動量FXが大きくなる事がわかる。
*又、図中カム形状Bは、従来のカム形状を表し、本実
施例の補正前のものである。
*尚、図中ポイントBは、カム形状を表すときの原点で
ある。
〔フオーカス形状の説明〕
第11図においてポイントBは、ワイド端でのフオーカ
ス無限位置に相当しこれを原点としている。該原点Bか
ら図中右方向を正とするパラメーターPを考え、P=1
がテレ端の無限位置の横座標となるようにする。又、原
点Bからの光の通過する方向(図の下の方向)へ正の値
を与える、カムの縦座標をDF(P)とするとき。
DF(P)=−0.61387832×P −1.0218228×P2 −1.1237228×P3 −2.7742780×P4 −1.3559715×P5 +3.8409674×P6 −4.4016533×P7 −2.9247311×P8 +3.0573613×P9 であり、又、 補正前のカム形状Bは DF(P)=−0.587895×P −1.083093×P2 −1.627202×P3 −1.503167×P4 −0.043344×P5 −0.994588×P6 −2.833623×P7 +0.000983×P8 −1.354200×P9 である。
〔ズーム動作の説明〕
前述本発明の第1の実施例と同様にズームの動作をす
る。
〔フオーカス動作の説明〕
フオーカス回転角θは、本発明の第2の実施例におい
ては負の値を持っている。
(これを、テレ・スタートのカムと呼ぶことにする。)
ズーム量Pに於けるフオーカス回転角θに於ける繰り出
し量は、(P+θ)に於けるカム座標DF(P+θ)が
(P)に於けるカム座標DF(P)からどれだけ変化した
かを求めればよい。
よって、繰り出し量をDF(P、θ)と置くと、DF
(P、θ)=DF(P+θ)−DF(P)で表される。ここ
で例えばP=1、つまり、テレ端に於て、ある撮影距離
(仮にxm)に於ける繰り出し量DX(1)xmとDF(1,0)
が同じになれば、テレ端で合焦したことになりその時の
θを変えないで(言い換えるとフオーカスを固定して)
ズーミングをP=0からP=1へと変化させるとき、 カムのずれ量ΔDX(P)xmは、ΔDX(P)=DF(P,
θ)−DX(1)xm…(式16)で表され、 ΔDX(P)が、常に(P=0からP=1の間で)0に近
くなるようにしたのが第11図中の補正前のカム形状Bで
あるが、 第2実施例においては、第11図中のフオーカスカム33
gのように、ズーミングのワイド側で、フオーカスの回
転角を増した領域で、フオーカス群の移動量が増加する
様にし、ここで至近の撮影距離を大幅に近距離側まで使
用することが出来るようにしてある。
表2は、各ズームパラメーターと、フオーカス回転角
θに於ける撮影距離の値を示したものであり、第13図は
表2をグラフ化したものである。これらよりズームパラ
メーターP=0のワイド端付近になるほど、それよりテ
レ側の焦点距離に比べてフオーカスレンズ群の移動量が
大きく設定できるため、撮影距離が次第に近いところま
で伸びて来ていることが伺える。
〔発明の効果〕
以上、本発明によれば、特にメカ切換えを用いずとも
ワイド側で十分近距離の至近撮影が行なえ、しかもワイ
ド端からテレ端までフォーカッシング回転角が等しくて
フォーカスシング操作部材の操作性の良いズームレンズ
鏡筒を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の第1実施例としてのズームレンズ鏡
筒のテレ端状態を示す断面図である。 第2図は、本発明の第1実施例の同じくワイド端状態を
示す断面図である。 第3図は、第1図におけるカム筒の展開図である。 第4図は、第1図における固定筒の展開図である。 第5図は、第1図における第5群鏡筒の嵌合部の展開図
である。 第6図は、第1図における1群鏡筒の展開図である。 第7図は、第1図におけるフード用カム筒の展開図であ
る。 第8図は、第1図におけるフオーカス連絡筒の展開図で
ある。 第9図は、本発明の第1、及び第2実施例の各ズーム群
のズーミングに於ける、ズームの移動線図である。 第10図は、本発明の第1実施例としてのズームレンズ鏡
筒のフォーカスカム回りの詳細図である。 第11図は、本発明の第2実施例としてのズームレンズ鏡
筒のフォーカスカム回りの詳細図である。 第12図は、表1をグラフ化した図。 第13図は、表2をグラフ化した図。 1……固定筒 5……回転筒 6……フオーカスユニツト 7……キー 8……フオーカス連絡筒 9……1群鏡筒 10……フード用カム筒 11……操作環 13……カム筒 14……2群鏡筒 15……5群鏡筒 17……3群鏡筒 18……4群鏡筒 19……6群鏡筒 33g……フオーカスカム(ワイド状態) 33g′……フオーカスカム(テレ状態) ポイントA、ポイントB……カムの原点 矢印A、矢印C……至近フオーカス回転方向 矢印B、矢印D……ズーム時のカムの移動軌跡 カム形状A、カム形状B……従来のカム形状 θ……フオーカス回転角 FX……フオーカス繰り出し量 Z6……フオーカス群のズーム移動量

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ズーミングによる焦点距離の変化に応じて
    フォーカスに作用するレンズの合焦の為の繰り出し量が
    変わるズームレンズ鏡筒において、 前記レンズを光軸方向に移動させるために光軸方向に移
    動するカムフォロアーと、 前記カムフォロアーと当接し、ズーミングの際に光軸回
    りに回転するカムと、 ズーミング動作に連動して前記カムを光軸回りに回転さ
    せることにより前記カムと前記カムフォロアーとの当接
    位置を変えて前記レンズの合焦の為の繰り出し量を変え
    る機構と、 操作部材を回転させるフォーカス動作に連動して前記カ
    ムフォロアーを回転させることにより前記カムフォロア
    ーを光軸方向に移動させる機構とを有し、 前記カムの変位を、ワイド側での合焦可能な至近距離よ
    りもテレ側での合焦可能な至近距離の方が遠くなり且つ
    ワイド端からテレ端まで前記操作部材の最大回転角が等
    しくなるように設定したことを特徴とするズームレンズ
    鏡筒。
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JPH09211295A (ja) * 1996-02-07 1997-08-15 Nikon Corp ズームレンズ系
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