JP2609922B2 - 2′―ケトパントテン酸エステル - Google Patents
2′―ケトパントテン酸エステルInfo
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- JP2609922B2 JP2609922B2 JP4540789A JP4540789A JP2609922B2 JP 2609922 B2 JP2609922 B2 JP 2609922B2 JP 4540789 A JP4540789 A JP 4540789A JP 4540789 A JP4540789 A JP 4540789A JP 2609922 B2 JP2609922 B2 JP 2609922B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、医薬として、また生理学的に重要な物質で
あるビタミンとして有用なD−パントテン酸の新規な合
成用中間体に関する。
あるビタミンとして有用なD−パントテン酸の新規な合
成用中間体に関する。
さらに詳しく言えば、本発明は、式 (式中、Rはアルキル基又はアラルキル基を示す) で示される新規化合物2′−ケトパントテン酸エステ
ル、すなわち、N−(2−Rオキシカルボニルエチル)
−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−2−オキソブチル
アミドを提供するものである。
ル、すなわち、N−(2−Rオキシカルボニルエチル)
−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−2−オキソブチル
アミドを提供するものである。
本発明に係る新規物質、2′−ケトパントテン酸エス
テルは、D−パントテン酸エステルのプロキラル体であ
り、このものを原料として、一般的なカルボニル還元試
薬であるNaBH4等を用いて還元反応を行なうとD,L−パン
トテン酸エステルが得られ、また、微生物により不斉還
元反応を行なわせるとD−パントテン酸エステルを得る
ことができるので、D,L−パントテン酸エステル特に、
D−パントテン酸エステル製造のための新中間体物質と
して極めて有用なものである。
テルは、D−パントテン酸エステルのプロキラル体であ
り、このものを原料として、一般的なカルボニル還元試
薬であるNaBH4等を用いて還元反応を行なうとD,L−パン
トテン酸エステルが得られ、また、微生物により不斉還
元反応を行なわせるとD−パントテン酸エステルを得る
ことができるので、D,L−パントテン酸エステル特に、
D−パントテン酸エステル製造のための新中間体物質と
して極めて有用なものである。
[発明の開示] 本発明に係る2′−ケトパントテン酸エステルは、ケ
トパントラクトンとβ−アラニンエステルとを用いてア
ミノリシスを行なわせることにより、得ることができ
る。
トパントラクトンとβ−アラニンエステルとを用いてア
ミノリシスを行なわせることにより、得ることができ
る。
この反応においては、反応溶媒としては、メタノール
等のアルコール、酢酸エチル等のエステル類、ヘキサン
等の脂肪族炭化水素、ベンゼン等の芳香族炭化水素、ク
ロロホルム等のハロゲン化炭化水素、アセトン等のケト
ン類、アセトニトリル等が使用される。その際の反応温
度は室温から各反応溶媒の煮沸温度程度までの範囲内で
あり、反応時間は通常、1時間から1日である。反応終
了後、反応溶媒を留去し、酢酸エチルや塩化メチレン等
の有機溶媒で目的物の抽出を行なう。必要に応じ、希酸
水溶液や希アルカリ水溶液で洗浄を行なう。かくして、
好収率で、単一の2′−ケトパントテン酸エステルが得
られる。
等のアルコール、酢酸エチル等のエステル類、ヘキサン
等の脂肪族炭化水素、ベンゼン等の芳香族炭化水素、ク
ロロホルム等のハロゲン化炭化水素、アセトン等のケト
ン類、アセトニトリル等が使用される。その際の反応温
度は室温から各反応溶媒の煮沸温度程度までの範囲内で
あり、反応時間は通常、1時間から1日である。反応終
了後、反応溶媒を留去し、酢酸エチルや塩化メチレン等
の有機溶媒で目的物の抽出を行なう。必要に応じ、希酸
水溶液や希アルカリ水溶液で洗浄を行なう。かくして、
好収率で、単一の2′−ケトパントテン酸エステルが得
られる。
以下に実施例を掲げ、本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1 2′−ケトパントテン酸メチルエステルの製造 金属ナトリウム1.2g(52mモル)を無水メタノール200
mlに溶解し、これに室温下で、β−アラニンメチルエス
テル塩酸塩7.3g(52mモル)およびケトパントラクトン
6.4g(50mモル)をその順序で加える。室温にて一晩撹
拌した後、メタノールを留去する。副生した塩化ナトリ
ウムを含む反応混合物に水に溶解し、酢酸エチルで抽出
する。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後、減圧濃縮し、シリカゲルによるカラムクロマト精製
を行なうと、2′−ケトパントテン酸メチルエステル1
0.1g(収率:87.3%)がoilとして得られた。
mlに溶解し、これに室温下で、β−アラニンメチルエス
テル塩酸塩7.3g(52mモル)およびケトパントラクトン
6.4g(50mモル)をその順序で加える。室温にて一晩撹
拌した後、メタノールを留去する。副生した塩化ナトリ
ウムを含む反応混合物に水に溶解し、酢酸エチルで抽出
する。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後、減圧濃縮し、シリカゲルによるカラムクロマト精製
を行なうと、2′−ケトパントテン酸メチルエステル1
0.1g(収率:87.3%)がoilとして得られた。
IR(neat)νcm-1:3380,2955,2875,1740, 1715,1680,1515,1420, 1370,1260,1200,1180, 10501 H−NMR(CDCl3)δ:1.28(6H,s) 2.57(2H,t) 3.58(2H,q) 3.72(5H,s) 7.5 (1H,bs) 実施例2 2′−ケトパントテン酸エチルエステルの製造 ソジウムエトキシド3.6g(52.5mモル)を無水エタノ
ール150mlに溶解し、これに、β−アラニンエチルエス
テル塩酸塩8.1g(52.5mモル)およびケトパントラクト
ン6.4g(50mモル)をその順序で加える。室温にて一晩
撹拌した後、エタノールを留去する。エタノールの留去
後は、実施例1におけるメタノール留去後と同様の操作
を行ない、2′−ケトパントテン酸エチルエステルを1
0.8g(収率:88.1%)をoilとして得た。
ール150mlに溶解し、これに、β−アラニンエチルエス
テル塩酸塩8.1g(52.5mモル)およびケトパントラクト
ン6.4g(50mモル)をその順序で加える。室温にて一晩
撹拌した後、エタノールを留去する。エタノールの留去
後は、実施例1におけるメタノール留去後と同様の操作
を行ない、2′−ケトパントテン酸エチルエステルを1
0.8g(収率:88.1%)をoilとして得た。
IR(neat)νcm-1:3380,2980,2945,2875,1735,1680,152 5,1480,1380,1190,1100,10501 H−NMR(CDCl3)δ:1.28(6H,s) 1.28(3H,t) 2.57(2H,t) 3.58(2H,q) 3.75(2H,s) 4.18(2H,q) 7.5 (1H,bs) 実施例3 2′−ケトパントテン酸イソプロピルエステルの製造 ソジウムエトキシド3.6g(52.5mモル)を無水イソプ
ロパノール150mlに溶解し、これに、β−アラニンイソ
プロピルエステル塩酸塩8.8g(52.5mモル)およびケト
パントラクトン6.4g(50mモル)をその順序で加える。
室温にて一晩撹拌した後、イソプロパノールを留去す
る。イソプロピノールの留去後は実施例1におけるメタ
ノール留去後と同様の操作を行なって、2′−ケトパン
トテン酸イソプロピルエステル11.3g(収率:87.2%)を
oilとして得た。
ロパノール150mlに溶解し、これに、β−アラニンイソ
プロピルエステル塩酸塩8.8g(52.5mモル)およびケト
パントラクトン6.4g(50mモル)をその順序で加える。
室温にて一晩撹拌した後、イソプロパノールを留去す
る。イソプロピノールの留去後は実施例1におけるメタ
ノール留去後と同様の操作を行なって、2′−ケトパン
トテン酸イソプロピルエステル11.3g(収率:87.2%)を
oilとして得た。
IR(neat)νcm-1:3380,2980,2940,2875, 1730,1680,1525,1475, 1380,1270,1200,1105, 10501 H−NMR(CDCl3)δ:1.28(6H,s) 1.25(6H,d) 2.54(2H,t) 3.57(2H,q) 3.75(2H,d) 5.04(1H,qq) 7.29(1H,bs) 実施例4 2′−ケトパントテン酸ベンジルエステルの製造 β−アラニンベンジルエステル−p−トルエンスルホ
ン酸塩3.5g(10mモル)を10%炭酸ソーダ水に溶解し、
酢酸エチルで抽出する。この酢酸エチル層を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した後、減圧濃縮する。残留物を、無
水メタノールに溶解し、これに、ケトパントラクトン1.
3g(10mモル)を加え、6時間、還流煮沸した後、メタ
ノールを留去する。メタノール留去後は、実施例1にお
けるメタノール留去後と同様の操作を行なって、2′−
ケトパントテン酸ベンジルエステル1.6g(収率:52%)
をoilとして得た。
ン酸塩3.5g(10mモル)を10%炭酸ソーダ水に溶解し、
酢酸エチルで抽出する。この酢酸エチル層を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した後、減圧濃縮する。残留物を、無
水メタノールに溶解し、これに、ケトパントラクトン1.
3g(10mモル)を加え、6時間、還流煮沸した後、メタ
ノールを留去する。メタノール留去後は、実施例1にお
けるメタノール留去後と同様の操作を行なって、2′−
ケトパントテン酸ベンジルエステル1.6g(収率:52%)
をoilとして得た。
IR(neat)νcm-1:3400,2975,2940,2875, 1735,1680,1520,1475, 1460,1390,1360,1260, 1180,1105,10501 H−NMR(CDCl3)δ:1.26(6H,s) 2.62(2H,t) 3.58(2H,q) 3.73(2H,s) 5.14(2H,s) 7.35(5H,s) 本発明に係る2′−ケトパントテン酸エステルを使用
し、微生物により夫斉還元を行なわせ、D−パントテン
酸エステルを製造する例を以下に参考例として掲げる。
し、微生物により夫斉還元を行なわせ、D−パントテン
酸エステルを製造する例を以下に参考例として掲げる。
参考例1〜6 グルコース5%、コーンステイープリカー5%、炭酸
カルシウム1%からなる液体培地(pH7.0)を6つの試
験管に2mlずつ分注し、オートクレーブ中で121℃で20分
間、加熱滅菌した。各試験管内の培地に、斜面培地から
第1表に記載した各種の菌株を1白金耳量ずつとり、接
種し、28℃で2日間、好気的に振盪培養した。この各試
験管内の培養液に対し、2′−ケトパントテン酸エチル
エステルを20mgずつ加え、28℃で2日間振盪した。反応
後、HPLC(Cosmosil5C18 φ4.6× 100mm、溶離液30
%メタノール(pH2.5)、流速1ml/min、検出波長230n
m)にて各試験管におけるパントテン酸エチルエステル
の生成量を測定した。更に、反応液より、酢酸エチルを
用いてパントテン酸エチルエステルを抽出し、塩酸で加
水分解した後、生成したパントラクトンの光学純度をGL
C(Analytical Biochemistry,112,9−16(1981))にて
測定した。その結果は第1表に示す通りである。
カルシウム1%からなる液体培地(pH7.0)を6つの試
験管に2mlずつ分注し、オートクレーブ中で121℃で20分
間、加熱滅菌した。各試験管内の培地に、斜面培地から
第1表に記載した各種の菌株を1白金耳量ずつとり、接
種し、28℃で2日間、好気的に振盪培養した。この各試
験管内の培養液に対し、2′−ケトパントテン酸エチル
エステルを20mgずつ加え、28℃で2日間振盪した。反応
後、HPLC(Cosmosil5C18 φ4.6× 100mm、溶離液30
%メタノール(pH2.5)、流速1ml/min、検出波長230n
m)にて各試験管におけるパントテン酸エチルエステル
の生成量を測定した。更に、反応液より、酢酸エチルを
用いてパントテン酸エチルエステルを抽出し、塩酸で加
水分解した後、生成したパントラクトンの光学純度をGL
C(Analytical Biochemistry,112,9−16(1981))にて
測定した。その結果は第1表に示す通りである。
第1表中、IFO No.は、財団法人醗酵研究所カタロク
番号を示し、IAM No.は、東京大学応用微生物研究所カ
タログ番号を示す。
番号を示し、IAM No.は、東京大学応用微生物研究所カ
タログ番号を示す。
Claims (5)
- 【請求項1】式 [式中Rはアルキル基又はアラルキル基を示す] で示される2′−ケトパントテン酸エステル化合物。
- 【請求項2】上記式(I)中のRがメチル基である請求
項1に記載の化合物。 - 【請求項3】上記式(I)中のRがエチル基である請求
項1に記載の化合物。 - 【請求項4】上記式(I)中のRがイソプロピル基であ
る請求項1に記載の化合物。 - 【請求項5】上記式(I)中のRがベンジル基である請
求項1に記載の化合物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4540789A JP2609922B2 (ja) | 1989-02-28 | 1989-02-28 | 2′―ケトパントテン酸エステル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4540789A JP2609922B2 (ja) | 1989-02-28 | 1989-02-28 | 2′―ケトパントテン酸エステル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02225451A JPH02225451A (ja) | 1990-09-07 |
JP2609922B2 true JP2609922B2 (ja) | 1997-05-14 |
Family
ID=12718400
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4540789A Expired - Fee Related JP2609922B2 (ja) | 1989-02-28 | 1989-02-28 | 2′―ケトパントテン酸エステル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2609922B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
RU2054415C1 (ru) * | 1994-03-02 | 1996-02-20 | Товарищество с ограниченной ответственностью "Пант" | Кетопантотенат кальция, обладающий ацетилирующей активностью d-пантотената кальция |
-
1989
- 1989-02-28 JP JP4540789A patent/JP2609922B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02225451A (ja) | 1990-09-07 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |