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JP2656712B2 - 水性粘接着剤組成物 - Google Patents

水性粘接着剤組成物

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Publication number
JP2656712B2
JP2656712B2 JP8053493A JP8053493A JP2656712B2 JP 2656712 B2 JP2656712 B2 JP 2656712B2 JP 8053493 A JP8053493 A JP 8053493A JP 8053493 A JP8053493 A JP 8053493A JP 2656712 B2 JP2656712 B2 JP 2656712B2
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JP
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aqueous
monomer
outermost layer
water
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JP8053493A
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豊二 富田
正博 青木
武志 粟田
隆太郎 林
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Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd
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Publication date
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Priority to EP94105376A priority patent/EP0619341B1/en
Priority to US08/224,518 priority patent/US5447970A/en
Priority to DE69403984T priority patent/DE69403984T2/de
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水性粘接着剤組成物に関
し、特に耐水接着力に優れ、適度なオープンタイムを有
し、かつゲル化することなく(可使時間の長い)取扱の
容易な水性粘接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ビニル系単量体の乳化重合によっ
て得られる共重合体水性分散液を、粘着剤皮膜や接着剤
皮膜の形成に使用することは知られているが、その皮膜
は、被着体がポリエチレンやポリプロピレン等の極性の
小さい表面を有するものや、ガラス、金属、プラスチッ
ク、ゴム製品等の吸水性のないものの場合に接着力に乏
しいという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】接着力を向上させるた
めに、分子中にエポキシ基を2個以上含有する化合物と
ヒドラジン誘導体を共重合体水性分散液に添加する方法
が試みられたが、この方法によると接着力は向上するも
のの、オープンタイムが短いために接着力にバラつきが
大きいという問題が生じた。
【0004】この問題を解決するために、さらにポリビ
ニルアルコール水溶液を混合することが考えられたが、
オープンタイムが延長され耐水接着力が向上するもの
の、調製後1〜3日でゲル化が生じてしまい依然として
作業性が悪いという問題が残った。本発明は、上記のよ
うな従来の問題を解決し、耐水接着力に優れ、適度なオ
ープンタイムを有し、かつゲル化することなく(可使時
間の長い)取扱の容易な水性粘接着剤組成物を提供する
ことを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、以下の構成を採ることにより、上記目的を達成
することができた。即ち、本発明の水性粘接着剤組成物
は、(A)少なくとも最外層にカルボニル基を含有する
2層以上の構造の樹脂粒子からなるカルボニル基含有樹
脂水性分散液、(B)分子中に少なくとも2個のヒドラ
ジノ基を有するヒドラジン誘導体及び(C)エポキシ基
を分子中に少なくとも2個含有するエポキシ基含有化合
物からなる水性粘接着剤組成物であって、該カルボニル
基含有樹脂水性分散液の樹脂粒子の最外層の5重量%以
上が可溶化しており、最外層を除く内層の可溶化率は1
0重量%以下でありかつ粒子全体の4〜35重量%が可
溶化していることを特徴とする。
【0006】本発明におけるカルボニル基含有樹脂水性
分散液(A)の樹脂は少なくとも2層構造であり、その
最外層にカルボニル基を含有するものであればよく、特
に単量体の種類及び使用量に制限はないが、(a)分子
中に、少なくとも1個のアルド基又はケト基と1個の重
合可能な不飽和二重結合とを含有するカルボニル基含有
単量体、(b)エチレン性不飽和カルボン酸、(c)2
0℃における水への溶解度が8g/100ml以下の単
量体、(d)その他の不飽和単量体を適宜組合みわせた
ものが、張り合わせ作業性や耐水接着力のバランスの点
で好ましい。
【0007】樹脂水性分散液(A)を調製するための前
記単量体(a)としては、たとえばアクロレイン、ジア
セトンアクリルアミド、ホルミルスチロール、4〜7個
の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(たとえば、
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチ
ルケトンなど)、一般式
【0008】
【化1】
【0009】(式中、R1 はH又はCH3 、R2 はH又
は炭素数1〜3個のアルキル基、R3は炭素数1〜3個
のアルキル基、R4 は炭素数1〜4のアルキル基を示
す。)で表わされるアクリル(又はメタクリル)オキシ
アルキルプロペナール、ジアセトンアクリレート、アセ
トニルアクリレート、ジアセトンメタクリレート、2−
ヒドロキシプロピルアクリレート、アセチルアセテー
ト、ブタンジオール−1,4−アクリレートアセチルア
セテート等があげられる。特に好ましいその単量体はジ
アセトンアクリルアミド、アクロレイン及びビニルメチ
ルケトンである。これらの単量体は、2種以上併用して
もよい。
【0010】前記単量体(a)は、本樹脂水性分散液
(A)の調製に必須の成分であり、その使用量は樹脂粒
子を構成する全単量体のうち、好ましくは0.5重量%
以上、さらに好ましくは2〜30重量%である。単量体
(a)の使用割合が少なすぎるとヒドラジン誘導体によ
る架橋反応が十分行われず、耐水性の向上が望めず、同
単量体の使用割合が大きくなりすぎると、その量に見合
った物性の向上がみられないばかりか、本組成物から得
られる皮膜がもろくなり実用に供さない。
【0011】単量体(a)は本発明の樹脂水性分散液の
樹脂粒子の最外層には必らず必要であり、さらには内外
両層に含有されている方が耐水接着力の点からは好まし
い。最外層においては、最外層を構成する全単量体の
0.5重量%以上が好ましく、2〜30重量%が特に好
ましい。また、内層においては、内層を構成する全単量
体の0.5重量%以上が好ましく、1〜15重量%が特
に好ましい。
【0012】樹脂水性分散液(A)を調製するための前
記単量体(b)は、モノカルボン酸てあっても、多価カ
ルボン酸であってもよいが、好ましくは3〜5個の炭素
原子を有するモノ又はジオレフィン性不飽和カルボン酸
である。特に、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸
が好ましい。単量体(b)の使用量は、最外層において
は最外層を構成する全単量体の0.5〜20重量%、好
ましくは2〜15重量%であり、最外層を除く内層にお
いては内層を構成する全単量体のうち、5重量%未満、
好ましくは2重量%未満であるのが好ましい。
【0013】最外層における同単量体の量が少なすぎる
と、アルカリ及び/又は有機溶剤の添加による可溶化処
理をした場合に充分な可溶化(水溶化)を行わせること
ができず、該組成物の塗布後の皮膜の乾燥速度が早過
ぎ、接着面の全面密着が困難であったり、張り直しが出
来なくなったりして作業性が低下する。また、同単量体
の量が多すぎると、皮膜の耐水性が低下する為、被着体
に対する密着性が低下してしまう。また、最外層を除く
内層を構成する全単量体における同単量体の量が多すぎ
ると、耐水接着力の低下という問題が生じるので好まし
くない。
【0014】樹脂水性分散液(A)を調製するための前
記単量体(c)は、単量体(a),(b)と共重合可能
な単量体であって、20℃における水中への溶解度が8
g/100ml水以下の単量体である。その具体例とし
ては、たとえば炭素数1〜10の飽和アルコールのアク
リル酸又はメタクリル酸エステル、たとえばメチルアク
リレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート;スチレンなどのビニル芳
香族化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲ
ン化ビニル;エチレン、ブタジエンなどの不飽和炭化水
素;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの炭素数1〜
10の飽和カルボン酸のビニルエステル;その他アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、グリシジルメタクリ
レートなどがあげられる。
【0015】単量体(c)の使用量は、最外層において
は最外層を構成する全単量体の50〜99重量%、好ま
しくは68〜96重量%であり、最外層を除く内層にお
いては、内層を構成する全単量体の80〜100重量
%、好ましくは68〜99.5重量%であることが好ま
しい。最外層における同単量体の量が少なすぎると、耐
水接着力が低下し、又同単量体の量が多すぎると、オー
プンタイムが短くなりすぎたり耐水接着力が低下してし
まう。最外層を除く内層を構成する全単量体における同
単量体の量が少なすぎると、耐水接着力が低下する。
【0016】樹脂水性分散液(A)を調製するための前
記単量体(d)は、前記の(a)〜(c)の各単量体以
外の他の単量体であって、たとえばアクリルアミド、メ
タクリルアミドなどの不飽和アミド;ヒドロキシエチル
アクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレートなどの
水酸基含有単量体;ビニルスルホン酸、スチレンスルホ
ン酸、及びこれらの塩などのスルホン化単量体;その他
N−メチロールアクリルアミドなどがあげられる。
(d)他の不飽和単量体の量は、樹脂粒子を構成する全
不飽和単量体量の0〜69重量%、好ましくは0〜15
重量%である。
【0017】単量体(d)は、最外層及び内層ともに必
須成分ではなく、その使用量が上記割合より多くなりす
ぎると得られる樹脂粒子の親水性が高くなり過ぎる結
果、本組成物から得られる皮膜の耐水性が低下する。以
上の各単量体混合物を用いて少なくとも2層構造を有す
る樹脂粒子の樹脂水性分散液(A)の製造方法として
は、内層を構成させる単量体混合物を予じめ水中で重合
させてエマルジョン状態にしておき、その後最外層を構
成させる単量体混合物を添加、乳化重合させる。
【0018】各層を構成する単量体混合物の乳化重合に
は乳化剤を使用して水溶性の重合開始剤により重合を行
なわせる方法や、ソープフリー重合により重合を行なわ
せる方法等が用いられる。その乳化剤としては、各種の
アニオン性、カチオン性及びノニオン性の乳化剤、さら
には高分子乳化剤があげられる。特に好ましい乳化剤
は、本発明者ら(一部)の発明に係る特許出願の公開公
報である特開昭64−48801号公報に記載されてい
るカルボニル基含有高分子乳化剤である。
【0019】乳化重合において用いる重合開始剤は、過
硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素などの
無機過酸化物が好ましい。これらの無機過酸化物には、
前記したような還元剤を併用してレドックス開始剤とし
て用いてもよい。乳化重合における単量体の供給方法
は、種々の方法を用いることができる。たとえば一括仕
込法、モノマー添加法、エマルジョン添加法等の種々の
方法を用いることができる。また、添加する単量体の組
成を逐次に変化させるシード重合法、又はパワーフイー
ド重合法等も用いることができ、このような方法を用い
ると、生成共重合体樹脂粒子の中心部と外部との共重合
組成が変化して、可溶化の程度を調節することができ
る。
【0020】また、乳化重合の際には、連鎖移動剤を用
いるのが好ましい。これは、一般に乳化重合によって得
られる共重合体樹脂は高分子量のものであるために、ア
ルカリ及び/又は有機溶剤の添加等によって水可溶化さ
せる際に、充分な可溶化をさせにくいが、連鎖移動剤を
用いると、生成共重合体樹脂の分子量を低下させること
ができ、前記の可溶化が容易となる、からである。
【0021】したがって、最外層成分を重合する時に添
加することが有効である。連鎖移動剤の使用量は、その
層の全単量体量に対して100重量部に対して0.01
〜3重量部が好ましい。その用いられる連鎖移動剤は、
ビニル系単量体等の重合及び共重合に通常用いられる連
鎖移動剤であれば、いかなるものでもよい。その具体例
としては、たとえばメチルメルカプタン、t−ブチルメ
ルカプタン、デシルメルカプタン、ベンジルメルカプタ
ン、ラウリルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、
n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタ
ン、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸等のメル
カプタン類;メタノール、n−プロパノール、イソプロ
パノール、t−ブタノール、ベンジルアルコール、アリ
ルアルコール等のアルコール類;エチルベンゼン、クメ
ン等の炭化水素類;クロルエタン、クロロホルム、四塩
化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類等があげ
られる。
【0022】以上詳述した乳化重合によって調製された
樹脂水性分散液(A)の樹脂粒子の最外層はアルカリ及
び/又は有機溶剤の添加によってその樹脂の可溶化率が
5重量%以上、好ましくは15重量%以上になるように
可溶化処理されているものであり、最外層を除く内層の
可溶化率は10重量%以下、好ましくは5重量%未満で
あり、かつ、粒子全体の4〜35重量%、好ましくは5
〜30重量%が可溶化しているものである。
【0023】尚、樹脂粒子が3層構造以上の場合、最も
外側の層を最外層と呼び、それ以外の内側の2層以上を
内層と呼ぶ。粒子全体の可溶化率が小さすぎると、本組
成物から得られる皮膜の乾燥速度が早過ぎ作業性が低下
するし、逆に粒子全体の可溶化率が大きすぎると得られ
る皮膜の耐水性が低下する。
【0024】その可溶化処理(すなわち、アルカリ及び
/又は有機溶剤の添加)は、樹脂水性分散液を製造する
ための重合開始前であってもよいし、その重合であって
もよい。そしてそのいずれの場合であっても本明細書に
記載した「可溶化率」とは、下記の方法で測定した可溶
化率をいう。ヒドラジン誘導体等を添加しない他は実際
に行なう可溶化処理と全く同一の条件で可溶化処理をし
て樹脂性分散液を調製し、得られた樹脂水性分散液を不
揮発分が15重量%になるように水で希釈した後に、そ
の希釈液を遠心加速度1.8×105 gで60分間遠心
処理し、得られた上澄液中の不揮発分量を測定してw重
量部とし、また遠心分離に使用した前記の希釈液中の不
揮発分量を測定してW重量部としたときの下記式で表わ
される可溶化率をいう。
【0025】可溶化率=w/W×100(重量%) 従って、例えば樹脂水性分散液を製造するための重合
前、又は重合中の重合系にアルカリ及び/又は有機溶剤
を添加して共重合を行なわせたような場合であって、そ
の重合によって得られた生成共重合体樹脂を含有する重
合生成物が、そのままで既に可溶化率が5重量%以上に
なっているときには、改めて可溶化処理のためのアルカ
リ及び/又は有機溶剤の添加を行わなくてもよい。又、
最外層あるいは最外層成分を除いた内層の各層の可溶化
率は、本発明で用いる樹脂水性分散液(A)の樹脂粒子
を調製するのと同様な条件で各層を構成する単量体混合
物のみを重合させ、先に詳述した方法により定められ
る。
【0026】その可溶化処理に使用されるアルカリとし
ては、無機の水溶性アルカリ、たとえば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムなど;又は水に溶解してアルカリ性
を示す無機塩類、たとえば炭酸水素ナトリウム、ピロリ
ン酸ナトリウムなど;その他アンモニア水や有機アミン
などが挙げられる。アルカリの添加は、前述のとおり、
必ずしも樹脂水性分散液の重合後である必要がなく、場
合によっては重合前の単量体にアルカリを添加して中和
させてから、共重合を行なわせてもよい。使用されるア
ルカリの量は、共重合体樹脂中のカルボキシル基を完全
に中和する量であってもよいし、部分的に中和する量で
あってもよい。
【0027】可溶化処理に使用される有機溶剤は、アル
カリ添加のみでは充分に水可溶化できない場合に補助的
に添加してもよいし、有機溶剤のみの添加で可溶化させ
てもよい。使用される有機溶剤としては、特に限定され
ないが、テキサノール、エチレングリコールモノブチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル及び
それらのアセテート、ベンジルアルコール、ブチるカル
ビトールアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3
−ペンタンジオールなどが挙げられる。
【0028】本発明の組成物は前記の如くして調製され
た樹脂水性分散液(A)に分子中に少なくとも2個のヒ
ドラジノ基を有するヒドラジン誘導体及びエポキシ基を
分子中に少なくとも2個含有するエポキシ基含有化合物
を添加してなるものである。前記分子中に少なくとも2
個のヒドラジノ基を有するヒドラジンしては、たとえば
2〜10個、特に4〜6個の炭素原子を有するジカルボ
ン酸ジヒドラジド(たとえば蓚酸ジヒドラジド、マロン
酸ジヒドラジド、こはく酸ジヒドラジド、グルタル酸ジ
ヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒ
ドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラ
ジド、イタコン酸ジヒドラジド)、2〜4個の炭素原子
を有する脂肪族水溶性ジヒドラジン(たとえばエチレン
−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−1,3−ジヒド
ラジン、ブチレン−1,4−ジヒドラジンなど)があげ
られる。
【0029】また、一般式、
【0030】
【化2】
【0031】(式中、Xは水素原子又はカルボキシ基で
あり、Yは水素原子又はメチル基であり、Aはアクリル
アミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル又は無水マレイン酸の各単位であり、
Bはアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステル又は無水マレイン酸と共
重合可能な単量体の単位である。また、k,m及びnは
下記の各式 2モル%≦k≦100モル% 0モル%≦(m+n)≦98モル% (k+m+n)=100モル% を満足する数を示す。)で表わされるポリマーも、その
ヒドラジン誘導体として使用できる。かかるポリマー
は、たとえば特開昭55−6535号公報に詳述されて
いる。
【0032】また、前記エポキシ基を分子中に少なくと
も2個含有するエポキシ基含有化合物としては、たとえ
ば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエ
チレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジ
グリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテ
ル、プロピレンジグリシジルエーテル、ポリプロピレン
グリコールジグリシジルエーテル等の多価アルコール類
のポリグリシジルエーテル、ビスフェノールAのグリシ
ジルエーテル、脂環式エポキシ樹脂、含窒素エポキシ樹
脂、ポリブタジエン型エポキシ樹脂、ウレタン変性エポ
キシ樹脂等があげられる。
【0033】本発明の水性粘接着剤組成物は前記した
(A)カルボニル基含有樹脂水性分散液、(B)ヒドラ
ジン誘導体及び(C)エポキシ基含有化合物からなる
が、それぞれの割合は、(A)成分の固形分100重量
部に対して、(C)成分は0.4〜100重量部、好ま
しくは1.0〜60重量部である。(C)成分の割合が
少なすぎると接着力の改良が充分でなく、多すぎるとか
えって耐水接着性が低下してしまう。
【0034】(B)成分は、組成物中に含まれるヒドラ
ジノ基に対するアルド基、ケト基及びエポキシ基の比
が、モル比で0.2〜8モル、好ましくは0.5〜4モ
ルの割合である。ヒドラジン誘導体の割合が少なすぎる
場合も多すぎる場合も耐水性の低下が著しく、耐水接着
力が不充分となる。本発明には必要に応じて各種合成樹
脂エマルジョンや合成ゴムラテックス、各種粘着付与剤
等の変性剤、無機フィラー等の増量剤、増粘剤又は粘性
調整剤、消泡剤等も添加出来る。
【0035】
【実施例】以下に、実施例及び比較例をあげて詳述す
る。これらの例において記載した「部」及び「%」は重
量基準による。 実施例1 温度調節器、いかり型攪拌器、還流冷却器、供給容器、
温度計及び窒素導入管を備えた反応容器内を窒素置換し
たのち、これに下記の組成物を装入した。
【0036】 水 35部 エチレンオキサイド20モル付加p−ノニルフエノール の硫酸半エステルナトリウム塩(「アニオン性乳化剤A 」という)の35%水溶液 1.8部 エチレンオキサイド25モル付加p−ノニルフエノール (「非イオン性乳化剤B」という)の20%水溶液 2部 別に供給物I,IIおよびIII として下記の混合物を用意
した。 供給物I 水 35部 上記のアニオン性乳化剤Aの35%水溶液 3.7部 上記の非イオン性乳化部Bの20%水溶液 3.5部 スチレン 37.5部 アクリル酸ブチル 37.1部 ジアセトンアクリルアミド 4.0部 アクリル酸 0.4部 供給物II 水 8部 上記のアニオン性乳化剤Aの35%水溶液 0.8部 上記の非イオン性乳化部Bの20%水溶液 1.05部 スチレン 1.5部 メタクリル酸メチル 3.6部 アクリル酸ブチル 13.9部 ジアセトンアクリルアミド 1.0部 アクリル酸 1.0部 t−ドデシルメルカプタン 0.2部 供給物III 水 12部 過硫酸カリウム 0.5部
【0037】反応容器内に供給物Iの10%を加え、8
5℃に加熱し、次いで供給物III の10%を反応容器に
注入した。10分間保持した後供給物Iを3時間かけて
添加し、1時間の間隔を置いて供給物IIを1時間かけて
添加した。供給物III は供給物Iの添加開始から供給物
IIの添加終了まで連続して一様に供給した。添加終了後
さらに1.5時間90℃に保持した後、乳化重合を終了
し不揮発分約50%の樹脂水性分散液を得た。得られた
分散液にアンモニア水を添加しpH9.2に調整し、さ
らにその中に有機溶剤のベンジルアルコール6部及びア
ジピン酸ジヒドラジドの20%溶液25.7部、エチレ
ングリコールグリシジルエーテル2.6部を加え、水性
粘接着剤組成物を得た。なお、外層成分の可溶化率は9
5%内層成分の可溶化率は1.5%、粒子全体の可溶化
率は21.2%であった。
【0038】実施例2〜10及び比較例1〜3、5〜7 単量体組成、アルカリ、溶剤、ヒドラジン誘導体、エポ
キシ基含有化合物の種類及び添加量を表1〜3に示す様
に変更した他は、実施例1と同様にして粘接着剤組成物
を調製した。なお、供給物における水及び各乳化剤量
は、単量体混合物の重量に応じて内層、外層各々に配分
することとした。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】 *1 ADH…アジピン酸ジヒドラジドの20%水溶液 *2 SDH…セバシン酸ジヒドラジドの20%水溶液
【0042】比較例4 樹脂水性分散液としてアクロナールYJ−2730D
(三菱油化バーディッシェ(株)製商品名)固型分で1
00部に水溶性ポリビニアルコール GH−17(日本
合成化学工業(株)製商品名)の20%水溶液100
部、エチレングリコールジグリシジルエーテル6部を添
加し粘接着剤組成物を調製した。
【0043】〔物性評価〕各実施例及び比較例により得
られた水性粘接着剤組成物を以下の方法により評価し
た。なお、組成物及び試験片は予じめ20±1℃、65
±10%RH下の恒温恒湿室に3日間置き養生したもの
を使用した。
【0044】可使時間;ゲル化したかどうかを目視し、
ゲル化するまでにかかった日数とした。
【0045】オープンタイム;厚さ10mm、幅25m
mのカバ柾目材からなる被着体に、200g/m2 とな
るように塗布し、2分間毎に指触判定により、付着性が
消失する迄の時間を測定した。
【0046】耐煮沸繰返し圧縮剪断接着力 2枚の厚さ10mm、幅25mmのカバ柾目材に150
±40g/m2 となるようにそれぞれ塗り5分放置した
後、長さ25mmに両者を密着させ、圧力6〜8kg/
cm2 の圧締を24Hrs行った後3日間養生し、JI
S K−6852の5.4に準じて煮沸繰返し試験を行
った。結果は表4〜6に示した。
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】
【発明の効果】本発明の水性粘接着剤組成物は、耐水接
着力に優れ、適度なオープンタイムを有し、かつゲル化
することなく(可使時間の長い)取扱が容易である。被
着体としては、木材、合板、パーティクルボード、ハー
ドボード、段ボール、板紙、クラフト紙等の多孔質同志
及び吸水性のない被着体(例えば、ガラス、金属、プラ
スチック、ゴム製品等)との貼り合わせに好適である。
フロントページの続き (72)発明者 林 隆太郎 三重県四日市市川尻町1000番地 三菱油 化バーディッシェ株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−287407(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)少なくとも最外層にカルボニル基
    を含有する2層以上の構造の樹脂粒子からなるカルボニ
    ル基含有樹脂水性分散液、(B)分子中に少なくとも2
    個のヒドラジノ基を有するヒドラジン誘導体及び(C)
    エポキシ基を分子中に少なくとも2個含有するエポキシ
    基含有化合物からなる水性粘接着剤組成物であって、該
    カルボニル基含有樹脂水性分散液の樹脂粒子の最外層の
    5重量%以上が可溶化しており、最外層を除く内層の可
    溶化率は10重量%以下でありかつ粒子全体の4〜35
    重量%が可溶化していることを特徴とする水性粘接着剤
    組成物。
  2. 【請求項2】 カルボニル基含有樹脂水性分散液の樹脂
    粒子の最外層を除く内層の可溶化率が5重量%未満であ
    ることを特徴とする請求項1記載の水性粘接着剤組成
    物。
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