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JP2522527B2 - 免振装置 - Google Patents

免振装置

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JP2522527B2
JP2522527B2 JP63255973A JP25597388A JP2522527B2 JP 2522527 B2 JP2522527 B2 JP 2522527B2 JP 63255973 A JP63255973 A JP 63255973A JP 25597388 A JP25597388 A JP 25597388A JP 2522527 B2 JP2522527 B2 JP 2522527B2
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building structure
horizontal movement
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foundation
supporting
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俊幸 井滝
忠造 春日
満 大平
茂雄 桧垣
寿一 武田
智彦 角田
彰 寺村
哲夫 鈴木
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OOBAYASHIGUMI KK
Doryokuro Kakunenryo Kaihatsu Jigyodan
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OOBAYASHIGUMI KK
Doryokuro Kakunenryo Kaihatsu Jigyodan
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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明は建築構造物を大地震等の大振動から保護する
ための免振装置に関する。
《従来の技術》 従来、この種の免振装置として例えば特開昭60−2235
76号公報等に記載されたものが知られている。
即ち、建築構造物とその基礎との間に、ゴム板と鋼板
とを積層してなる弾性体と、一端を上記基礎に固定させ
他端を建築構造物に遊嵌させた鋼棒からなるダンパーと
を設け、その遊嵌部にさらにゴム等の緩衝材を介設した
ものである。
この免振装置によれば、建築構造物の鉛直荷重は弾性
体を介して基礎に支持され、中小地震時や通常時におけ
る水平方向の中小振動および微振動は弾性体と緩衝材と
によって吸収されて減衰されるようになっている。ま
た、大地震時等にその水平方向の変位が所定値を超えた
ときには、ダンパーの鋼棒が基礎と建築構造物とに相互
に係合し、その鋼棒の弾性および塑性変形で振動エネル
ギーを大きく吸収することにより、建築構造物の横滑り
等を可及的に抑えてその全体を保護し得るようになって
いる。
《発明が解決しようとする課題》 ところで、超過大地震等による水平方向の大きな相対
変位の発生時を考慮した場合、上述した従来の装置では
弾性体の横方向への変形が非常に大きくなり、その結
果、弾性体による垂直荷重の支持力が減少することが考
えられる。
垂直荷重の支持力は建築構造物の保全性確保等の面か
ら極めて重要であることから、これまで建築構造物の水
平方向の相対変位を一定範囲内に制限することが考えら
れ、例えば剛体構造のストッパーを設けたり、横滑り式
支承体を設けること等が行われている。
しかし、剛体構造のストッパーを設けた場合には、大
変形時にそのストッパーにより衝撃が発生し、建築構造
物に過大な応力が発生する可能性がある。また、横滑り
式支承体を設けた場合には、地震等の終了後にその支承
体に変形が残留し、後の復元作業に多大な労力を必要と
する等の問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、第
1の目的は、超過大地震等により建築構造物に水平方向
の大きな相対変位が生じた場合、弾性体による垂直荷重
支持を伴わずに補助するとともに、水平方向の変位も同
時に抑制して、建築構造物の免振性能の向上を図ること
にある。また、第2の目的は、上記の第1の目的に加え
て、さらに確実に建築構造物の水平方向の過大な相対変
位を防止することにある。さらに、第3の目的は、上記
の水平方向の相対変位防止に加えてエネルギー吸収をよ
り確実に行うことにある。
《課題を解決するための手段》 請求項1の発明は上記の第1の目的を達成するもの
で、基礎上に建築構造物を免振支持すべくこれら間に設
けられ、該建築構造物の鉛直荷重を支持しつつ水平方向
へ弾性変形されてこれら建築構造物と基礎との相対水平
移動を許容する弾性体と、該弾性体の許容変形範囲内で
の一定以上の相対水平移動発生時に、これら建築構造物
と基礎との相対水平移動を抑制すべく水平移動エネルギ
ーを減衰させるためのダンパーと、上記基礎上に、上記
建築構造物との間に高さ方向のクリアランスを隔てて固
設され、上記ダンパーによる相対水平移動抑制時でかつ
上記弾性体の許容変形範囲内で、該弾性体が水平方向弾
性変形に伴って高さ方向に縮むことに対応して水平移動
しつつ下降してくる該建築構造物を着座させてその鉛直
荷重を該弾性体と共に支持する剛体であって、当該着座
面に備えられて該建築構造物に滑接しつつその鉛直荷重
の支持負担の増加に応じて順次増大していく摩擦抵抗力
によって水平移動エネルギーを減衰させる摩擦板を有す
る支持体とを備えたことを特徴とする。
また、請求項2の発明は第2の目的を達成するもの
で、基礎上に建築構造物を免振支持すべくこれら間に設
けられ、該建築構造物の鉛直荷重を支持しつつ水平方向
へ弾性変形されてこれら建築構造物と基礎との相対水平
移動を許容する弾性体と、該弾性体の許容変形範囲内で
の一定以上の相対水平移動発生時に、これら建築構造物
と基礎との相対水平移動を抑制すべく水平移動エネルギ
ーを減衰させるためのダンパーと、上記基礎上に、上記
建築構造物との間に高さ方向のクリアランスを隔てて固
設され、上記ダンパーによる相対水平移動抑制時でかつ
上記弾性体の許容変形範囲内で、該弾性体が水平方向弾
性変形に伴って高さ方向に縮むことに対応して水平移動
しつつ下降してくる該建築構造物を着座させてその鉛直
荷重を該弾性体と共に支持する剛体であって、当該着座
面に備えられて該建築構造物に滑接しつつその鉛直荷重
の支持負担の増加に応じて順次増大していく摩擦抵抗力
によって水平移動エネルギーを減衰させる摩擦板を有す
る支持体と、上記弾性体の許容変形範囲内での上記支持
体上での一定以上の相対水平移動発生時に、これら建築
構造物と基礎との相対水平移動を規制するストッパーと
を備えたことを特徴とする。
さらに、請求項3の発明は第3の目的を達成するもの
で、前記ストッパーは、水平方向に座屈可能なハニカム
状部材によって構成され、その座屈により水平移動エネ
ルギーを吸収する補助ダンパーとしての機能を有するこ
とを特徴とする。
《作用》 発明者の検討によると、建築構造物と基礎との水平方
向への相対変位により、該建築構造物を支持する弾性体
が横方向に変形した場合には、これに起因して弾性体の
上下方向の寸法が短くなり、その結果、建築構造物の下
面の高さが低くなる。
このような知見に基づき、水平振動の際の弾性体の横
方向への変形で建築構造物の下面が所定高さまで低下し
たときにその下面を支持するようにすれば、横方向変形
のために鉛直荷重支持能力の低下した弾性体に対して、
垂直荷重の支持を衝撃を伴わずに補助することができる
とともに、この荷重支持状態を利用して水平方向の変位
も同時に抑制することができるものと考えられる。
すなわち、請求項1の発明によると、基礎上に、建築
構造物との間に高さ方向のクリアランスを隔てて固設さ
れ、ダンパーによる相対水平移動抑制時でかつ弾性体の
許容変形範囲内で、弾性体が水平方向弾性変形に伴って
高さ方向に縮むことに対応して水平移動しつつ下降して
くる建築構造物を着座させてその鉛直荷重を弾性体と共
に支持する剛体であって、当該着座面に備えられて建築
構造物に滑接しつつその鉛直荷重の支持負担の増加に応
じて順次増大していく摩擦抵抗力によって水平移動エネ
ルギーを減衰させる摩擦板を有する支持体を備えたこと
により、超過大地震等により建築構造物に水平方向の大
きな相対変位が生じた場合に、建築構造物との間に高さ
方向のクリアランスを隔てて基礎上に固設した剛体でな
る支持体は、ダンパーによる相対水平移動抑制時でかつ
弾性体の許容変形範囲内において、弾性体が水平方向弾
性変形に伴って高さ方向に縮むことに対応して水平移動
しつつ下降してくる該建築構造物を着座させてその鉛直
荷重を弾性体と共に支持するようになり、かつこの際、
当該着座面に備えた摩擦板が、建築構造物に滑接しつつ
その支持体における鉛直荷重の支持負担の増加に応じて
順次増大していく摩擦抵抗力により水平移動エネルギー
を減衰させるので、これらにより弾性体による鉛直荷重
支持を、建築構造物に滑接する摩擦板を備えた支持体に
よって衝撃を伴うことなく補助することができるととも
に、弾性体が水平方向に弾性変形すればするほど沈み込
んできて支持体側での鉛直荷重の支持負担が順次増加し
ていくことに応じて増大してゆく摩擦板の摩擦抵抗力に
より当該水平移動エネルギーを減衰させて水平方向の変
位も同時に抑制でき、免振性能の向上を図りつつ、フェ
ールセーフを確保することができる。
請求項2の発明によると、基礎上に、建築構造物との
間に高さ方向のクリアランスを隔てて固設され、ダンパ
ーによる相対水平移動抑制時でかつ弾性体の許容変形範
囲内で、弾性体が水平方向弾性変形に伴って高さ方向に
縮むことに対応して水平移動しつつ下降してくる建築構
造物を着座させてその鉛直荷重を弾性体と共に支持する
剛体であって、当該着座面に備えられて建築構造物に滑
接しつつその鉛直荷重の支持負担の増加に応じて順次増
大していく摩擦抵抗力によって水平移動エネルギーを減
衰させる摩擦板を有する支持体と、弾性体の許容変形範
囲内での支持体上での一定以上の相対水平移動発生時
に、これら建築構造物と基礎との相対水平移動を規制す
るストッパーとを備えたことにより、支持体による建物
の鉛直荷重の支持および水平移動エネルギーの減衰と関
連させて、弾性体の許容変形範囲を超えようとする建築
構造物の水平方向への過大な相対変形を確実に抑えるこ
とができる。
請求項3の発明によると、水平方向に座屈可能なハニ
カム状部材によって構成され、その座屈により水平移動
エネルギーを吸収する補助ダンパーとしての機能を備え
たストッパーを設備したことにより、建築構造物の水平
方向の相対変位防止に加えて、水平移動エネルギーを順
次に吸収しながら水平方向移動を抑えることができ、よ
り衝撃を伴わずに建築構造物の過大な相対水平移動を制
限することができる。
《実施例》 以下、本発明に係る免振装置の実施例を図面を参照し
て説明する。
第1図〜第6図は第1の実施例を示している。
第1図および第2図に示すように、この実施例では免
振装置2が建築構造物4と基礎6との間に介装されて、
その建築構造物4の柱下等にそれぞれ配設される。
各免振装置2は基礎6上に建築構造物4を免振支持す
べくこれら間に設けられ、建築構造物4の鉛直荷重を支
持しつつ水平方向へ弾性変形されてこれら建築構造物4
と基礎6との相対水平移動を許容する弾性体8と、弾性
体8の許容変形範囲内での一定以上の相対水平移動発生
時に、これら建築構造物4と基礎6との相対水平移動を
抑制すべく水平移動エネルギーを減衰させるためのダン
パー10と、基礎6上に、建築構造物4との間に高さ方向
のクリアランスを隔てて固設され、ダンパー10による相
対水平移動抑制時でかつ弾性体8の許容変形範囲内で、
弾性体8が水平方向弾性変形に伴って高さ方向に縮むこ
とに対応して水平移動しつつ下降してくる建築構造物4
を着座させてその鉛直荷重を弾性体8と共に支持する剛
体であって、当該着座面に備えられて建築構造物4に滑
接しつつその鉛直荷重の支持負担の増加に応じて順次増
大していく摩擦抵抗力によって水平移動エネルギーを減
衰させる摩擦板32を有する支持体12と、弾性体8の許容
変形範囲内での支持体12上での一定以上の相対水平移動
発生時に、これら建築構造物4と基礎6との相対水平移
動を規制するストッパー14とを備えて構成されている。
上記弾性体8は、平板状のゴム板16と、これとほぼ同
じ形状の鋼板18とを交互に積層して、その上下端にエン
ドプレート20を取り付けたものであって、基礎6上に基
盤6aを介して載置され、建築構造物4の鉛直荷重を分担
して支持するだけの耐荷重性を有しているとともに、水
平荷重に対して変位して主に地震時等の水平方向の振動
を吸収する機能を有している。
一方、ダンパー10は、断面が円形の鉛直配置の鋼棒22
と、この鋼棒22の上下端に配置された一対の取付けプレ
ート24とを備え、鋼棒22の上端は取付けプレート24を介
して建築構造物4に遊嵌され、鋼棒22の下端は取付けプ
レート24を介して基盤6aに固定されている。そして、建
築構造物4と基礎6との相対水平変位が鋼棒22の上端の
遊嵌部のクリアランス以上になると鋼棒22が建築構造物
4と基礎6とに係合して、その水平方向の振動エネルギ
ーを鋼棒22の塑性変形によって大きく吸収するようにな
っている。
他方、支持体12は基盤6a上に固定された垂直円筒状の
ベース26と、このベース26上に被着した支持台28とによ
って構成されている。支持台28は例えばねじ部30を介し
てベース26に高さ調節可能に螺合されており、通常の状
態においては、建築構造物4の下面に非接触とされてい
る。あるいは、ベース26と支持台28とが一体的に成形さ
れたもの(剛体)を用いても良い。即ち、支持体12の上
端面と建築構造物4の下面との間には一定の隙間があけ
られている。なお、第3図および第4図に示すように、
支持台28の上端面には、テフロン、鉄板等の滑り板から
なる摩擦板32がねじ32a等により表出固定されている。
そして、地震等により建築構造物4と基礎6との間に
水平方向の相対変位が発生し、建築構造物4を支持する
弾性体8が横方向に一定以上変形して弾性体8の上下方
向の寸法が短くなり、建築構造物4の下面が所定高さま
で低下した場合に、建築構造物4の下面が摩擦板32の表
面に接触支持されるようになっている。このような建築
構造物4の下端面と摩擦板32の表面との接触は、弾性体
8による鉛直荷重支持力が許容範囲内にある状態で行わ
れるよう設定される。
第5図は弾性体8と支持体12との荷重負担の相関関係
を示し、第6図は弾性体8の水平方向の変形量と、その
上下寸法の減少量との関係を示している。
第5図に示すように、弾性体8と支持体12との荷重負
担は徐々に交換され、また第6図に示すように、弾性体
8の水平方向の変形量増大に伴いその弾性体8の上下寸
法が次第に減少する。即ち、建築構造物4は支持体12に
対し、徐々に接触支持され、これにより軟着支持が行わ
れるものである。よって、弾性体8による垂直荷重支持
が衝撃を伴わずに補助されるとともに、水平方向の変位
も建築構造物4と滑接しつつその鉛直荷重の支持負担の
増加に応じて順次増大していく摩擦抵抗力によって水平
移動エネルギーを減衰させる摩擦板32により同時に抑制
される。
また、ストッパー14は建築構造体4の下端面に突設し
た複数の舌片によって構成されている。このストッパー
14は支持体12の周囲に配置され、一定以上の相対変位発
生時に支持体12に当接するようになっている。このよう
なストッパー14の支持体12への当接も、上記の軟着支持
と同様に、弾性体8による鉛直荷重支持力が許容範囲内
にある状態で行われるよう設定される。
以上の第1の実施例によると、超過大地震等により建
築構造物4に水平方向の大きな相対変位が生じた場合、
建築構造物4との間に高さ方向のクリアランスを隔てて
基礎6上に固設した剛体でなる支持体12は、ダンパー10
による相対水平移動抑制時でかつ弾性体8の許容範囲内
において、弾性体8が水平方向弾性変形に伴って高さ方
向に縮むことに対応して水平移動しつつ下降してくる建
築構造物4を着座させてその鉛直荷重を弾性体8と共に
支持するようになり、かつこの際、当該着座面に備えた
摩擦板32が、建築構造物4に滑接しつつその支持体12に
おける鉛直荷重の支持負担の増加に応じて順次増大して
いく摩擦抵抗力により水平移動エネルギーを減衰させる
ので、これらにより弾性体8による鉛直荷重支持を、建
築構造物4に滑接する摩擦板32を備えた支持体12によっ
て衝撃を伴うことなく補助することができるとともに、
弾性体8が水平方向に弾性変形すればするほど沈み込ん
できて支持体12側での鉛直荷重の支持負担が順次増加し
ていくことに応じて増大してゆく摩擦板32の摩擦抵抗力
により当該水平移動エネルギーを減衰させて水平方向の
変位も同時に抑制でき、免振性能の向上を図りつつ、フ
ェールセーフを確保することができる。
また、ストッパー14により、弾性体8の許容変形範囲
を超えようとする建築構造物の水平方向への過大な相対
変形を確実に抑えることができる。
第7図〜第12図は本発明の第2の実施例を示してい
る。
この実施例では、第1図のストッパー14が第7図にて
水平方向に座屈可能なハニカム状部材34によって構成さ
れ、その座屈により水平方向の振動エネルギーを吸収す
る補助ダンパーとしての機能を有するものとされてい
る。なお、弾性体8、ダンパー10および支持体12の構成
は第1の実施例と同様であるから、図の対応部分に第1
図〜第4図と同一の符号を付してその説明を省略する。
上記ストッパー14は基礎6側に配置され、建築構造物
4に形成した段部36に当接するようになっている。即
ち、基礎6にアンカーボルト38を介して支持フレーム40
が固定され、この支持フレーム40にハニカム状部材34が
段部36と対向する配置で突設されている。ハニカム状部
材34は、座屈強度の異なる複数のハニカム状エレメント
34a,34b,34cを集合したもので、各ハニカム状エレメン
ト34a,34b,34cは第8図に示すように、薄いハニカム金
属42の両側面に接着材44を介して表面板46を添着したも
のを、それぞれ上下に積層して構成されている。このハ
ニカム状エレメント34a,34b,34cが、第9図に示すよう
に、縦仕切り板48を介して水平方向に層状に連設した構
成とされている。
第10図はハニカム状部材34に水平方向の圧縮荷重Pを
加えた状態を示し、第11図はその荷重Pに対するハニカ
ム状部材34の座屈による縮み状態を示している。図示の
ように、ハニカム状エレメント34a,34b,34cが先端側
(図の右側)からTa1,Tb1,Tc1の如く順次に縮むように
なっている。
第12図は、第2の実施例における免振装置に作用する
水平力と、これによる各部の変形量との関係を示してい
る。水平力が作用すると、弾性体8が変形し始め、次い
でダンパー10の作用が開始する(δ1)。その後、支持
体12の作用が開始し(δ2)、通常起こり得る地震等に
対処することができる。さらに水平力が作用した場合に
は、ダンパー10の破断変形(δ5)の前後、ストッパー
14の座屈作用が開始し(δ3)、座屈が最大限に達した
後(δ4)に、弾性体8の限界変形(δ6)に至るもの
である。
このような第2の実施例によると、ストッパー14が水
平方向に座屈可能なハニカム状部材34によって構成さ
れ、水平方向の振動エネルギーを吸収する補助ダンパー
としての機能を有することにより、建築構造物4の水平
方向の相対変位防止に加えてエネルギー吸収をより確実
に行うことができる。
また、ハニカム状部材34は座屈強度の異なる複数のハ
ニカム状エレメント34a,34b,34cを水平方向に層状に連
設したものとしたことにより、水平方向のエネルギー吸
収を段階的に行うことができる。
《発明の効果》 以上のように請求項1の発明によれば、超過大地震等
により建築構造物に水平方向の大きな相対変位が生じた
場合、建築構造物との間に高さ方向のクリアランスを隔
てて基礎上に固設した剛体でなる支持体は、ダンパーに
よる相対水平移動抑制時でかつ弾性体の許容変形範囲内
において、弾性体が水平方向弾性変形に伴って高さ方向
に縮むことに対応して水平移動しつつ下降してくる該建
築構造物を着座させてその鉛直荷重を弾性体と共に支持
するようになり、かつこの際、当該着座面に備えた摩擦
板が、建築構造物に滑接しつつその支持体における鉛直
荷重の支持負担の増加に応じて順次増大していく摩擦抵
抗力により水平移動エネルギーを減衰させるので、これ
らにより弾性体による鉛直荷重支持を、建築構造物に滑
接する摩擦板を備えた支持体によって衝撃を伴うことな
く補助することができるとともに、弾性体が水平方向に
弾性変形すればするほど沈み込んできて支持体側での鉛
直荷重の支持負担が順次増加していくことに応じて増大
してゆく摩擦板の摩擦抵抗力により当該水平移動エネル
ギーを減衰させて水平方向の変位も同時に抑制でき、免
振性能の向上を図りつつ、フェールセールを確保するこ
とができる。
また請求項2の発明によれば、弾性体の許容変形範囲
内での支持体上での一定以上の相対水平移動発生時に、
これら建築構造物と基礎との相対水平移動を規制するス
トッパーを備えたことにより、弾性体の許容変形範囲を
超えようとする建築構造物の水平方向への過大な相対変
形を確実に抑えることができる。
さらに請求項3の発明によれば、水平方向に座屈可能
なハニカム状部材によって構成され、その座屈により水
平移動エネルギーを吸収する補助ダンパーとしての機能
を備えたストッパーに構成したことにより、水平移動エ
ネルギーを順次に吸収しながら水平方向移動を抑えるこ
とができ、より衝撃を伴わずしに建築構造物の過大な相
対水平移動を制限することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る免振装置の第1の実施例を示す側
面図、第2図は第1図の平面図、第3図は同実施例にお
ける支持体を示す拡大断面図、第4図は第3図の平面
図、第5図および第6図は作用特性線図、第7図は本発
明に係る免振装置の第2の実施例を示す縦断面図、第8
図は同実施例によるストッパー構成を示す斜視図、第9
図は同じく側面図、第10図は作用説明図、第11図および
第12図は作用を示す特性線図である。 4……建築構造物 6……基礎 8……弾性体 10……ダンパー 12……支持体 14……ストッパー 32……摩擦板 34……ハニカム状部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大平 満 東京都港区赤坂1丁目9番13号 動力 炉・核燃料開発事業団本社内 (72)発明者 桧垣 茂雄 東京都港区赤坂1丁目9番13号 動力 炉・核燃料開発事業団本社内 (72)発明者 武田 寿一 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株 式会社大林組技術研究所内 (72)発明者 角田 智彦 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株 式会社大林組技術研究所内 (72)発明者 寺村 彰 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株 式会社大林組技術研究所内 (72)発明者 鈴木 哲夫 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株 式会社大林組技術研究所内 (56)参考文献 実公 昭63−32278(JP,Y2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基礎上に建築構造物を免振支持すべくこれ
    ら間に設けられ、該建築構造物の鉛直荷重を支持しつつ
    水平方向へ弾性変形されてこれら建築構造物と基礎との
    相対水平移動を許容する弾性体と、 該弾性体の許容変形範囲内での一定以上の相対水平移動
    発生時に、これら建築構造物と基礎との相対水平移動を
    抑制すべく水平移動エネルギーを減衰させるためのダン
    パーと、 上記基礎上に、上記建築構造物との間に高さ方向のクリ
    アランスを隔てて固設され、上記ダンパーによる相対水
    平移動抑制時でかつ上記弾性体の許容変形範囲内で、該
    弾性体が水平方向弾性変形に伴って高さ方向に縮むこと
    に対応して水平移動しつつ下降してくる該建築構造物を
    着座させてその鉛直荷重を該弾性体と共に支持する剛体
    であって、当該着座面に備えられて該建築構造物に滑接
    しつつその鉛直荷重の支持負担の増加に応じて順次増大
    していく摩擦抵抗力によって水平移動エネルギーを減衰
    させる摩擦板を有する支持体と を備えたことを特徴とする免振装置。
  2. 【請求項2】基礎上に建築構造物を免振支持すべくこれ
    ら間に設けられ、該建築構造物の鉛直荷重を支持しつつ
    水平方向へ弾性変形されてこれら建築構造物と基礎との
    相対水平移動を許容する弾性体と、 該弾性体の許容変形範囲内での一定以上の相対水平移動
    発生時に、これら建築構造物と基礎との相対水平移動を
    抑制すべく水平移動エネルギーを減衰させるためのダン
    パーと、 上記基礎上に、上記建築構造物との間に高さ方向のクリ
    アランスを隔てて固設され、上記ダンパーによる相対水
    平移動抑制時でかつ上記弾性体の許容変形範囲内で、該
    弾性体が水平方向弾性変形に伴って高さ方向に縮むこと
    に対応して水平移動しつつ下降してくる該建築構造物を
    着座させてその鉛直荷重を該弾性体と共に支持する剛体
    であって、当該着座面に備えられて該建築構造物に滑接
    しつつその鉛直荷重の支持負担の増加に応じて順次増大
    していく摩擦抵抗力によって水平移動エネルギーを減衰
    させる摩擦板を有する支持体と、 上記弾性体の許容変形範囲内での上記支持体上での一定
    以上の相対水平移動発生時に、これら建築構造物と基礎
    との相対水平移動を規制するストッパーと を備えたことを特徴とする免振装置。
  3. 【請求項3】前記ストッパーは、水平方向に座屈可能な
    ハニカム状部材によって構成され、その座屈により水平
    移動エネルギーを吸収する補助ダンパーとしての機能を
    有することを特徴とする請求項2に記載の免振装置。
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