JP2520287B2 - 香味の優れた麦茶エキスの製造法 - Google Patents
香味の優れた麦茶エキスの製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は香味共に優れた濃厚麦茶エキスの製造方法に
関し、更に詳しくは、(イ)麦茶を水蒸気と接触させ、
麦茶の揮発性香気成分含有凝縮液を得る第1工程、
(ロ)第1工程で香気成分を回収した麦茶残渣を熱水で
抽出処理して抽出液を得る第2工程、(ハ)該抽出液と
揮発性香気成分含有凝縮液を混合する第3工程の各工程
からなる香味の優れた麦茶エキスの製造方法に関する。
関し、更に詳しくは、(イ)麦茶を水蒸気と接触させ、
麦茶の揮発性香気成分含有凝縮液を得る第1工程、
(ロ)第1工程で香気成分を回収した麦茶残渣を熱水で
抽出処理して抽出液を得る第2工程、(ハ)該抽出液と
揮発性香気成分含有凝縮液を混合する第3工程の各工程
からなる香味の優れた麦茶エキスの製造方法に関する。
(従来の技術) 焙煎麦を水中で煮沸して得られる飲用麦茶は極めて変
質し易く、焙煎麦の香ばしいほのかな香りは容易に失わ
れるものである。
質し易く、焙煎麦の香ばしいほのかな香りは容易に失わ
れるものである。
工業的規模で製造される麦茶エキスの香味増強法に関
して従来から様々な提案がなされている。例えば、焙焼
大麦をアルコールで抽出し、抽出残渣の懸濁液をアミラ
ーゼ処理後、濾過乾燥して粉末とし、前記アルコール抽
出液を濃縮して前記粉末に混和する粉末麦茶の製造法が
開示されている(特開昭47−30899号)。しかしながら
この提案は、アルコール抽出液を濃縮する際に軽い香気
が失われるという欠点があった。
して従来から様々な提案がなされている。例えば、焙焼
大麦をアルコールで抽出し、抽出残渣の懸濁液をアミラ
ーゼ処理後、濾過乾燥して粉末とし、前記アルコール抽
出液を濃縮して前記粉末に混和する粉末麦茶の製造法が
開示されている(特開昭47−30899号)。しかしながら
この提案は、アルコール抽出液を濃縮する際に軽い香気
が失われるという欠点があった。
これに対して原料麦茶の香気を増強する試みもなされ
ており、例えば、原料麦に糖とアミノ酸をコーティング
又は混合した後焙煎する(特開昭59−6868号)、あるい
は焙煎後の麦に糖とアミノ酸よりなるメラノイジンをコ
ーティングもしくは混合する(特開昭59−6867号)こと
により、抽出液の色及び風味ともに優れた冷却用麦茶を
製造する方法がそれぞれ開示されている。
ており、例えば、原料麦に糖とアミノ酸をコーティング
又は混合した後焙煎する(特開昭59−6868号)、あるい
は焙煎後の麦に糖とアミノ酸よりなるメラノイジンをコ
ーティングもしくは混合する(特開昭59−6867号)こと
により、抽出液の色及び風味ともに優れた冷却用麦茶を
製造する方法がそれぞれ開示されている。
また、原料大麦にアミノ酸を添加した後、焙焼するこ
とにより、極めて芳香性の高い香味成分を生成し美味な
麦茶を製造するという提案もある(特開昭60−62969
号)。これらの提案によれば、原料麦茶の色及び香気は
強くなるが、これを加熱抽出し、更には濃縮などの加工
処理工程中にフレーバーが失われ、その効果は必ずしも
満足できるものではなかった。
とにより、極めて芳香性の高い香味成分を生成し美味な
麦茶を製造するという提案もある(特開昭60−62969
号)。これらの提案によれば、原料麦茶の色及び香気は
強くなるが、これを加熱抽出し、更には濃縮などの加工
処理工程中にフレーバーが失われ、その効果は必ずしも
満足できるものではなかった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は上記のごとき従来提案の欠点を解決し、焙煎
麦の好ましい風味を変化させずに含有した香味の優れた
麦茶エキスを提供することを目的とする。
麦の好ましい風味を変化させずに含有した香味の優れた
麦茶エキスを提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、香味の優れた麦茶エキスの製造法につ
き鋭意検討した結果、(イ)麦茶を水蒸気と接触させ、
麦茶の揮発性香気成分含有凝縮液を得、(ロ)香気成分
を回収した麦茶残渣を熱水で抽出処理して抽出液を得、
さらに(ハ)該抽出液と揮発性香気成分含有凝縮液を混
合することにより、極めて優れた香気を有し、嗜好性の
高い麦茶エキスが得られることを見いだし、本発明を完
成した。
き鋭意検討した結果、(イ)麦茶を水蒸気と接触させ、
麦茶の揮発性香気成分含有凝縮液を得、(ロ)香気成分
を回収した麦茶残渣を熱水で抽出処理して抽出液を得、
さらに(ハ)該抽出液と揮発性香気成分含有凝縮液を混
合することにより、極めて優れた香気を有し、嗜好性の
高い麦茶エキスが得られることを見いだし、本発明を完
成した。
従来コーヒー、茶類のごときフレーバーの極めて不安
定な原料からエキスを製造する際に、不活性ガス又は水
蒸気などを用いて、予め不安定な香気成分を採取してお
き、その残渣を常法により抽出してエキスを得、先に除
いた香気成分と合わせることが行われている。しかしな
がら、かかる技術を穀類の焙焼物である麦茶に利用する
ことにより、風味の優れた麦茶エキスが得られることに
関しては全く知られていない。
定な原料からエキスを製造する際に、不活性ガス又は水
蒸気などを用いて、予め不安定な香気成分を採取してお
き、その残渣を常法により抽出してエキスを得、先に除
いた香気成分と合わせることが行われている。しかしな
がら、かかる技術を穀類の焙焼物である麦茶に利用する
ことにより、風味の優れた麦茶エキスが得られることに
関しては全く知られていない。
本発明で利用する焙煎麦は、大麦及び/又は裸麦等で
あるが所望によりハト麦などを混合したものも利用する
ことができる。これらの焙煎麦は全粒のままでも、又は
破砕したものでもよい。
あるが所望によりハト麦などを混合したものも利用する
ことができる。これらの焙煎麦は全粒のままでも、又は
破砕したものでもよい。
次に本発明の態様について具体的に説明する。本発明
の麦茶エキスを製造するに使用する装置としては、通常
のジャケット及びコンデンサー付きの抽出釜か、或は、
好ましくはジャケット付きの抽出カラムを利用するのが
よい。
の麦茶エキスを製造するに使用する装置としては、通常
のジャケット及びコンデンサー付きの抽出釜か、或は、
好ましくはジャケット付きの抽出カラムを利用するのが
よい。
カラム抽出を例に説明すれば、第1工程として麦茶を
水蒸気と接触させて、揮発性香気成分を回収する。具体
的には、焙煎麦を仕込んだカラムの底部から水蒸気を吹
き込み、留出相を、接続したコンデンサーにより約20℃
以下に冷却することによって、揮発性香気成分を含有し
た凝縮液を捕集することができる。所望により、この香
気捕集装置の先に、更に、例えば、氷−食塩及びドライ
アイス−アセトン等の冷媒を用いたコールドトラップを
接続することにより、より低沸点の揮発性香気成分を確
実に捕集することにができる。凝縮液の捕集量には特別
の制限はないが、一般的には使用した焙煎麦の約5〜約
50重量%、好ましくは、約10〜約30重量%に相当する量
を例示することができる。所望により、水蒸気を通すに
先立って、該カラムを、例えば、窒素ガスなどの不活性
ガスで置換しておくこともできる。得られた凝縮液は、
直ちに例えば窒素ガス等を封入して冷蔵保管するのが好
ましい。
水蒸気と接触させて、揮発性香気成分を回収する。具体
的には、焙煎麦を仕込んだカラムの底部から水蒸気を吹
き込み、留出相を、接続したコンデンサーにより約20℃
以下に冷却することによって、揮発性香気成分を含有し
た凝縮液を捕集することができる。所望により、この香
気捕集装置の先に、更に、例えば、氷−食塩及びドライ
アイス−アセトン等の冷媒を用いたコールドトラップを
接続することにより、より低沸点の揮発性香気成分を確
実に捕集することにができる。凝縮液の捕集量には特別
の制限はないが、一般的には使用した焙煎麦の約5〜約
50重量%、好ましくは、約10〜約30重量%に相当する量
を例示することができる。所望により、水蒸気を通すに
先立って、該カラムを、例えば、窒素ガスなどの不活性
ガスで置換しておくこともできる。得られた凝縮液は、
直ちに例えば窒素ガス等を封入して冷蔵保管するのが好
ましい。
次いで、第2工程として該カラムのジャケットに水蒸
気を通して保温しながら、カラムの下部又は、好ましく
はカラム上部より熱水を注入して、水蒸気蒸留残渣を抽
出処理する。抽出処理はカラムに熱水を満たして一定時
間保持した後に抽出液を抜き取る方法、或は熱水を注入
しながら抽出液を連続的に抜き取る方法などの任意の方
式を採用することができる。熱水の温度は、一般的には
約80〜約100℃、好ましくは、約90〜約95℃である。
気を通して保温しながら、カラムの下部又は、好ましく
はカラム上部より熱水を注入して、水蒸気蒸留残渣を抽
出処理する。抽出処理はカラムに熱水を満たして一定時
間保持した後に抽出液を抜き取る方法、或は熱水を注入
しながら抽出液を連続的に抜き取る方法などの任意の方
式を採用することができる。熱水の温度は、一般的には
約80〜約100℃、好ましくは、約90〜約95℃である。
抽出液の採取量には特別の制約はなく、例えば、通常
の飲用濃度の麦茶エキスを製造する場合には、原料の焙
煎麦に対して約20〜約30倍重量の抽出液を採取すること
ができる。又、高濃度の麦茶エキスを製造する場合に
は、原料焙煎麦と約同量〜約20倍重量の範囲で任意の採
取量を選択することができる。
の飲用濃度の麦茶エキスを製造する場合には、原料の焙
煎麦に対して約20〜約30倍重量の抽出液を採取すること
ができる。又、高濃度の麦茶エキスを製造する場合に
は、原料焙煎麦と約同量〜約20倍重量の範囲で任意の採
取量を選択することができる。
抽出の所要時間は、原料麦の焙煎程度、粉砕の有無、
粒度、抽出温度などにより適宜選択することができる
が、一般的には約5分〜約30分の如き抽出時間を例示す
ることができる。
粒度、抽出温度などにより適宜選択することができる
が、一般的には約5分〜約30分の如き抽出時間を例示す
ることができる。
得られた麦茶抽出液はカラム下部から取り出し、プレ
ート式熱交換機等により直ちに冷却して、例えば、約30
℃以下とすることが望ましい。
ート式熱交換機等により直ちに冷却して、例えば、約30
℃以下とすることが望ましい。
かくして得られた麦茶抽出液は、そのまま利用するこ
とができるが、所望により、保存間の混濁又は沈澱物生
成防止のためにアミラーゼ及び/又はセルラーゼ等の酵
素で処理して利用される。
とができるが、所望により、保存間の混濁又は沈澱物生
成防止のためにアミラーゼ及び/又はセルラーゼ等の酵
素で処理して利用される。
かかる酵素処理の条件は、焙煎麦の種類、抽出液の濃
度、酵素の種類及び力価などによって異なるが、一般的
な処理条件としては、例えば、アミラーゼ処理の条件と
しては、麦茶抽出液中の可溶性固形分総量に対して約0.
01〜約5%、好ましくは、約0.1〜1%の酵素(アミラ
ーゼ)を添加し、pH約4.0〜約7.0;温度約30〜50℃;処
理時間約10分〜約4時間の如き条件を例示することがで
きる。
度、酵素の種類及び力価などによって異なるが、一般的
な処理条件としては、例えば、アミラーゼ処理の条件と
しては、麦茶抽出液中の可溶性固形分総量に対して約0.
01〜約5%、好ましくは、約0.1〜1%の酵素(アミラ
ーゼ)を添加し、pH約4.0〜約7.0;温度約30〜50℃;処
理時間約10分〜約4時間の如き条件を例示することがで
きる。
また、セルラーゼ処理の条件としては、酵素添加量約
0.01〜約5%、好ましくは約0.1〜約2%(対固形分);
pH約3.0〜約6.0;処理温度約40〜60℃;処理時間約10分
〜約4時間の如き条件を例示することができる。
0.01〜約5%、好ましくは約0.1〜約2%(対固形分);
pH約3.0〜約6.0;処理温度約40〜60℃;処理時間約10分
〜約4時間の如き条件を例示することができる。
さらに、アミラーゼとセルラーゼを同時に作用させる
場合には、上記の条件範囲内で適宜選択して行うことが
できる。
場合には、上記の条件範囲内で適宜選択して行うことが
できる。
酵素処理終了後、常法により加熱して酵素を失活し、
次いで、珪藻土、セルロース等の濾過助剤を用いて、濾
過又は遠心分離することにより清澄化された麦茶抽出液
を得ることができる。
次いで、珪藻土、セルロース等の濾過助剤を用いて、濾
過又は遠心分離することにより清澄化された麦茶抽出液
を得ることができる。
第3工程として、麦茶抽出液に、前記の水蒸気蒸留で
得られた揮発性香気成分凝縮液を混合することによって
本発明の香味の優れた麦茶エキスを得ることができる。
得られた揮発性香気成分凝縮液を混合することによって
本発明の香味の優れた麦茶エキスを得ることができる。
得られた麦茶エキスは、通常はそのまま液状で利用す
るが、所望により該エキスにデキストリン、加工澱粉、
サイクロデキストリン、アラビアガム等の賦形剤を添加
して粉末状とすることもできる。
るが、所望により該エキスにデキストリン、加工澱粉、
サイクロデキストリン、アラビアガム等の賦形剤を添加
して粉末状とすることもできる。
麦茶エキスと香気成分凝縮液の混合割合は、それぞれ
の濃度及び所望する香気の強さによって、適宜に選択す
ることができ、例えば、麦茶エキスに対して香気成分凝
縮液約0.1〜約20重量%の如き混合割合を例示すること
ができる。
の濃度及び所望する香気の強さによって、適宜に選択す
ることができ、例えば、麦茶エキスに対して香気成分凝
縮液約0.1〜約20重量%の如き混合割合を例示すること
ができる。
本発明によって得られる麦茶エキスは、所望により、
容器に充填後、又は充填前に加熱殺菌することができ
る。更に望ましくは、熱交換機により高温瞬間殺菌後凍
結して冷凍保存することにより、本発明麦茶の優れた風
味を長期間保持することができる。
容器に充填後、又は充填前に加熱殺菌することができ
る。更に望ましくは、熱交換機により高温瞬間殺菌後凍
結して冷凍保存することにより、本発明麦茶の優れた風
味を長期間保持することができる。
以下、比較例及び実施例により本発明の態様を更に具
体的に説明する。
体的に説明する。
(実施例) 実施例1 直径12cm×高さ27cm、容量約3のジャケット付きガ
ラスカラムに破砕した焙煎麦600gを仕込み、カラムの下
部より水蒸気を吹込んだ。留出相をカラム上部出口に取
り付けたコンデンサーにより約15℃に冷却して、揮発性
香気成分凝縮液120gを採取した。この凝縮液は直ちに窒
素置換し、冷蔵庫に保存した。
ラスカラムに破砕した焙煎麦600gを仕込み、カラムの下
部より水蒸気を吹込んだ。留出相をカラム上部出口に取
り付けたコンデンサーにより約15℃に冷却して、揮発性
香気成分凝縮液120gを採取した。この凝縮液は直ちに窒
素置換し、冷蔵庫に保存した。
次いで、カラムのジャケットに水蒸気を通じて保温
し、カラム上部から熱水2,280gを注入し、30分間静置し
て熱水抽出した。次いでカラム下部に接続した冷却器を
通して約30℃以下に冷却された抽出液1,600gを採取し
た。この抽出液は、Brix8.4゜;pH4.85であった。
し、カラム上部から熱水2,280gを注入し、30分間静置し
て熱水抽出した。次いでカラム下部に接続した冷却器を
通して約30℃以下に冷却された抽出液1,600gを採取し
た。この抽出液は、Brix8.4゜;pH4.85であった。
得られた抽出液にアミラーゼ[コクラーゼ(三共)]
1.34g(固形分の1%)を添加し、50〜55℃で3時間攪
拌して酵素処理した。
1.34g(固形分の1%)を添加し、50〜55℃で3時間攪
拌して酵素処理した。
次いで90℃まで加熱して酵素を失活後30℃まで急冷し
た。酵素処理液をセルロースと珪藻土をプレコートした
濾紙で吸引濾過し、清澄な抽出液1,545gを得た。この抽
出液に前記の水蒸気蒸留で得られた揮発性香気成分凝縮
液120gを添加し、均一に混合後、90℃で加熱殺菌し、直
ちに冷却し、次いで凍結して本発明の香味の優れた麦茶
エキス1,660gを得た。
た。酵素処理液をセルロースと珪藻土をプレコートした
濾紙で吸引濾過し、清澄な抽出液1,545gを得た。この抽
出液に前記の水蒸気蒸留で得られた揮発性香気成分凝縮
液120gを添加し、均一に混合後、90℃で加熱殺菌し、直
ちに冷却し、次いで凍結して本発明の香味の優れた麦茶
エキス1,660gを得た。
この麦茶エキスは、Brix7.8;pH4.75であった(本発明
品1)。
品1)。
比較例1 実施例1において、水蒸気蒸留による揮発性香気成分
含有凝縮液の採取操作を省略し、粉砕した焙煎麦を充填
したカラムに最初から熱湯2,280gを注入して30分間抽出
を行い、麦茶抽出液1,500gを得た。このエキスを実施例
1と同様にアミラーゼ処理、濾過、殺菌及び凍結処理
し、麦茶エキス1,450gを得た。この麦茶エキスは、Brix
8.5;pH4.90であった(比較品1)。
含有凝縮液の採取操作を省略し、粉砕した焙煎麦を充填
したカラムに最初から熱湯2,280gを注入して30分間抽出
を行い、麦茶抽出液1,500gを得た。このエキスを実施例
1と同様にアミラーゼ処理、濾過、殺菌及び凍結処理
し、麦茶エキス1,450gを得た。この麦茶エキスは、Brix
8.5;pH4.90であった(比較品1)。
参考例1 実施例1及び比較例1で得られた麦茶エキスをそれぞ
れ飲用濃度(Brix1〜1.2)まで水で希釈し、よく訓練さ
れた20名のパネルにより官能評価を行った。
れ飲用濃度(Brix1〜1.2)まで水で希釈し、よく訓練さ
れた20名のパネルにより官能評価を行った。
その結果を表1に示す。
表1の結果から明らかな如く、本発明品1は比較品1
に比べて香味ともに顕著に優れ、極めて嗜好性の高いも
のであった。
に比べて香味ともに顕著に優れ、極めて嗜好性の高いも
のであった。
実施例2 実施例1で使用した3ガラス製カラムに丸粒焙煎麦
500gを仕込み、カラム下部より水蒸気を吹き込み、揮発
性香気成分凝縮液50gを採取した。次いでカラムのジャ
ケットに水蒸気を通して保温し、カラム上部から熱水1,
500gを注入し、95℃にて20分間保持した後、該カラム下
部より冷却しながら抽出液を抜き取り、20℃に冷却され
た抽出液1,230gを採取した。この抽出液はBrix6.8;pH4.
85であった。
500gを仕込み、カラム下部より水蒸気を吹き込み、揮発
性香気成分凝縮液50gを採取した。次いでカラムのジャ
ケットに水蒸気を通して保温し、カラム上部から熱水1,
500gを注入し、95℃にて20分間保持した後、該カラム下
部より冷却しながら抽出液を抜き取り、20℃に冷却され
た抽出液1,230gを採取した。この抽出液はBrix6.8;pH4.
85であった。
得られた抽出液に、上記の揮発性香気成分凝縮液50g
を添加して混合し、本発明の香味の優れた麦茶エキス1,
280gを得た。
を添加して混合し、本発明の香味の優れた麦茶エキス1,
280gを得た。
次いで、該エキス1,000gにパインデックス#2(松谷
化学製デキストリン:DE10−12)60gを添加し、均一に溶
解後90℃/15分間加熱殺菌後、40℃以下に冷却して常法
によりスプレードライ処理して麦茶エキス粉末115gを得
た(本発明品2)。
化学製デキストリン:DE10−12)60gを添加し、均一に溶
解後90℃/15分間加熱殺菌後、40℃以下に冷却して常法
によりスプレードライ処理して麦茶エキス粉末115gを得
た(本発明品2)。
比較例2 実施例2において水蒸気蒸留による揮発性香気成分凝
縮液の採取操作を省略し、丸粒焙煎麦500gを充填したカ
ラムに最初から熱水1,500gを注入した。95℃で20分間熱
水抽出した後、20℃に冷却した抽出液1,290gを得た。こ
の抽出液(麦茶エキス)は、Brix6.8:pH4.90であった。
縮液の採取操作を省略し、丸粒焙煎麦500gを充填したカ
ラムに最初から熱水1,500gを注入した。95℃で20分間熱
水抽出した後、20℃に冷却した抽出液1,290gを得た。こ
の抽出液(麦茶エキス)は、Brix6.8:pH4.90であった。
得られた麦茶エキス1,000gにパインデックス#2を60
g添加した後、90℃,15分間加熱殺菌後冷却し、実施例2
と同様にスプレードライして麦茶エキス粉末110gを得た
(比較品2)。
g添加した後、90℃,15分間加熱殺菌後冷却し、実施例2
と同様にスプレードライして麦茶エキス粉末110gを得た
(比較品2)。
参考例2及び比較例2で得られた麦茶エキス粉末を水
で50倍に希釈し、飲用濃度とした後、よく訓練された20
名のパネルにより官能評価を行った。その結果を表2に
示す。
で50倍に希釈し、飲用濃度とした後、よく訓練された20
名のパネルにより官能評価を行った。その結果を表2に
示す。
表2の結果より明らかな如く、揮発性香気成分を予め
分離採取した後に麦茶を抽出し、該揮発性香気成分と麦
茶抽出液を合わせて粉末化した本発明品2は、香気、香
味及び総合的な嗜好性において顕著に優れていた。
分離採取した後に麦茶を抽出し、該揮発性香気成分と麦
茶抽出液を合わせて粉末化した本発明品2は、香気、香
味及び総合的な嗜好性において顕著に優れていた。
比較例3 粉砕した焙煎茶600gに水2,400gを加え加熱攪拌釜に仕
込み、沸騰するまで間接加熱を行った後、気液分離塔に
導入し約20分を要して香液120gを採取し、窒素ガスを充
填して5℃で保存した。抽出液と残渣はしぼり機にか
け、Brix8.4゜の抽出液1,600gを得た。得られた抽出液
にアルコール1,100gを添加して約40%アルコール濃度に
調製混合し、4日間放置して滓下げし過して清澄な
液2,430gを得た。次いで液は蒸留によりアルコールを
除去して1,545gまで濃縮した後、分離回収した香液120g
を加え、比較品の麦茶エキス1,660g(Brix7.0)を得
た。
込み、沸騰するまで間接加熱を行った後、気液分離塔に
導入し約20分を要して香液120gを採取し、窒素ガスを充
填して5℃で保存した。抽出液と残渣はしぼり機にか
け、Brix8.4゜の抽出液1,600gを得た。得られた抽出液
にアルコール1,100gを添加して約40%アルコール濃度に
調製混合し、4日間放置して滓下げし過して清澄な
液2,430gを得た。次いで液は蒸留によりアルコールを
除去して1,545gまで濃縮した後、分離回収した香液120g
を加え、比較品の麦茶エキス1,660g(Brix7.0)を得
た。
実施例1で得た麦茶エキスと比較例3で得た麦茶エキ
スをそれぞれ飲用濃度(Brix1〜1.2)になるまで水で希
釈した。この希釈されたエキスの香気香味を専門パネラ
ー(官能検査員)20人により比較検討した。その結果、
専門パネラー20人の全員が、実施例1で得られた麦茶エ
キスは香ばしい麦茶特有の香気が強く、かつ芳醇で好ま
しい香味を有し、比較品と比べて嗜好性において格段に
優れているとした。
スをそれぞれ飲用濃度(Brix1〜1.2)になるまで水で希
釈した。この希釈されたエキスの香気香味を専門パネラ
ー(官能検査員)20人により比較検討した。その結果、
専門パネラー20人の全員が、実施例1で得られた麦茶エ
キスは香ばしい麦茶特有の香気が強く、かつ芳醇で好ま
しい香味を有し、比較品と比べて嗜好性において格段に
優れているとした。
(発明の効果) 本発明によれば、麦茶を熱水抽出して麦茶エキスを製
造する際に、予め水蒸気と接触させて不安定な揮発性香
気成分を分離しておき、その後熱水抽出により呈味成分
を主体とするエキスを得、両者を適宜混合することによ
り、従来の麦茶エキスに比較して、麦茶特有の香ばしい
軽い先立ち、ふくよかな香味を有し、極めて優れた嗜好
性の高い麦茶エキスを得ることができる。
造する際に、予め水蒸気と接触させて不安定な揮発性香
気成分を分離しておき、その後熱水抽出により呈味成分
を主体とするエキスを得、両者を適宜混合することによ
り、従来の麦茶エキスに比較して、麦茶特有の香ばしい
軽い先立ち、ふくよかな香味を有し、極めて優れた嗜好
性の高い麦茶エキスを得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】麦茶エキスを製造するに際し、 (イ)麦茶を水蒸気と接触させ、麦茶の揮発性香気成分
含有凝縮液を得る第1工程、 (ロ)第1工程で香気成分を回収した麦茶残渣を熱水で
抽出処理して抽出液を得る第2工程、 (ハ)該抽出液と揮発性香気成分含有凝縮液を混合する
第3工程、 の各工程からなることを特徴とする香味の優れた麦茶エ
キスの製造法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP63257028A JP2520287B2 (ja) | 1988-10-14 | 1988-10-14 | 香味の優れた麦茶エキスの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP63257028A JP2520287B2 (ja) | 1988-10-14 | 1988-10-14 | 香味の優れた麦茶エキスの製造法 |
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JPH02104265A JPH02104265A (ja) | 1990-04-17 |
JP2520287B2 true JP2520287B2 (ja) | 1996-07-31 |
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ID=17300740
Family Applications (1)
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-
1988
- 1988-10-14 JP JP63257028A patent/JP2520287B2/ja not_active Expired - Lifetime
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