JP2515919B2 - 球状繊維塊活性炭の製造方法 - Google Patents
球状繊維塊活性炭の製造方法Info
- Publication number
- JP2515919B2 JP2515919B2 JP2258825A JP25882590A JP2515919B2 JP 2515919 B2 JP2515919 B2 JP 2515919B2 JP 2258825 A JP2258825 A JP 2258825A JP 25882590 A JP25882590 A JP 25882590A JP 2515919 B2 JP2515919 B2 JP 2515919B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- activated carbon
- pitch
- spherical
- fibers
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Inorganic Fibers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、タールピッチを原料として、球状繊維塊活
性炭を製造する方法に関する。
性炭を製造する方法に関する。
(従来の技術) 活性炭は無数の微細孔を有し、単位重量当たりの外表
面積が大きく、気相,液相中での種々の分子を吸着保持
し、また脱離させることもできるという機能を有してい
る。従って、従来から活性炭は、この吸着脱離能力を活
かして種々の分子の分離剤、除去剤、吸着剤、分解剤、
回収剤、触媒、触媒担体として用いられている。
面積が大きく、気相,液相中での種々の分子を吸着保持
し、また脱離させることもできるという機能を有してい
る。従って、従来から活性炭は、この吸着脱離能力を活
かして種々の分子の分離剤、除去剤、吸着剤、分解剤、
回収剤、触媒、触媒担体として用いられている。
かかる活性炭は、その形態から、一般に粒径が149μ
m以下の粉末活性炭と、粒径が1mm〜3mm程度の粒状活性
炭と、無定形の繊維状活性炭とに大別される。
m以下の粉末活性炭と、粒径が1mm〜3mm程度の粒状活性
炭と、無定形の繊維状活性炭とに大別される。
また、繊維状活性炭は、一般に炭素繊維をガス賦活、
または薬品賦活することで製造される繊維状の活性炭
で、単位重量当たりの外表面積が大きく、吸着脱着速度
が速いものである。
または薬品賦活することで製造される繊維状の活性炭
で、単位重量当たりの外表面積が大きく、吸着脱着速度
が速いものである。
一方、球状活性炭素繊維の製造方法としては、炭素繊
維または不融化処理したピッチ繊維に、炭素含有樹脂を
含む液を賦与し、湿潤状態で分断または切断して塊状物
とし、該塊状物を乾燥硬化した後に賦活化処理する方法
が特開平2−38374号公報に開示さており、更に従来、
ピッチを原料とする繊維状活性炭に関しては特開昭60−
167929号公報、特開昭61−295217号公報、特開昭61−29
6124号公報、特開昭61−34225号公報、特開昭62−27315
号公報等が、ピッチを原料とした球状活性炭に関しては
特開昭55−113608号公報が知られている。
維または不融化処理したピッチ繊維に、炭素含有樹脂を
含む液を賦与し、湿潤状態で分断または切断して塊状物
とし、該塊状物を乾燥硬化した後に賦活化処理する方法
が特開平2−38374号公報に開示さており、更に従来、
ピッチを原料とする繊維状活性炭に関しては特開昭60−
167929号公報、特開昭61−295217号公報、特開昭61−29
6124号公報、特開昭61−34225号公報、特開昭62−27315
号公報等が、ピッチを原料とした球状活性炭に関しては
特開昭55−113608号公報が知られている。
(発明が解決しようとする課題) かかる粉末活性炭は、粒状活性炭に比べて単位重量当
たりの外表面積が大きく吸着速度が速い利点はあるが、
粒径が149μm以下と小さいために飛散し易く、概して
取扱が困難で粉塵爆発の危険性を有している。また、固
定層で使用するとき通気抵抗が大きいことから、気相中
での使用は困難であり、処理液と適当量の活性炭を混合
した後に濾過する接触回分法で利用され、一般には液相
中での種々の分子の分離剤、除去剤、吸着剤、分解剤、
回収剤、触媒担体としてしか用いられないという欠点を
有している。仮に気相中で、有害物質の種々の分子の吸
着効果を得ようとすれば、処理量の減少、いわゆる吸着
効率の低下を招くことになり好ましくない。
たりの外表面積が大きく吸着速度が速い利点はあるが、
粒径が149μm以下と小さいために飛散し易く、概して
取扱が困難で粉塵爆発の危険性を有している。また、固
定層で使用するとき通気抵抗が大きいことから、気相中
での使用は困難であり、処理液と適当量の活性炭を混合
した後に濾過する接触回分法で利用され、一般には液相
中での種々の分子の分離剤、除去剤、吸着剤、分解剤、
回収剤、触媒担体としてしか用いられないという欠点を
有している。仮に気相中で、有害物質の種々の分子の吸
着効果を得ようとすれば、処理量の減少、いわゆる吸着
効率の低下を招くことになり好ましくない。
一方、粒状活性炭は、粉末活性炭に比べて取扱い易
く、飛散しにくく、粉塵爆発の危険性もなく、また固定
層で使用するときは通気抵抗が小さいことから、気相中
でも液相中でも利用でき、さらに再生使用ができるとい
う利点を有するが、破砕粉化されやすく、単位重量当た
りの外表面積が小さく、吸着速度、脱着速度が遅いとい
う欠点を有している。従って、精製しようとするガスま
たは液を粒状活性炭層に流し、低濃度の有害物の種々の
分子を十分に吸着除去しようとすると、大容量の粒状活
性炭層を必要とし、処理層の減少、いわゆる吸着効率の
低下を招く結果となる。更に、精製しようとするガスま
たは液を粒状活性炭流動層に流し、有害物質の種々の分
子を吸着除去しようとすれば、粒径が1〜3mm程度と大
きいこと及び粒子密度が大きいことから、多量のガスま
たは液流を必要とし、その結果吸着除去率の低下を招
き、粒状活性炭の摩耗、破砕損失を引き起こすことにな
る。
く、飛散しにくく、粉塵爆発の危険性もなく、また固定
層で使用するときは通気抵抗が小さいことから、気相中
でも液相中でも利用でき、さらに再生使用ができるとい
う利点を有するが、破砕粉化されやすく、単位重量当た
りの外表面積が小さく、吸着速度、脱着速度が遅いとい
う欠点を有している。従って、精製しようとするガスま
たは液を粒状活性炭層に流し、低濃度の有害物の種々の
分子を十分に吸着除去しようとすると、大容量の粒状活
性炭層を必要とし、処理層の減少、いわゆる吸着効率の
低下を招く結果となる。更に、精製しようとするガスま
たは液を粒状活性炭流動層に流し、有害物質の種々の分
子を吸着除去しようとすれば、粒径が1〜3mm程度と大
きいこと及び粒子密度が大きいことから、多量のガスま
たは液流を必要とし、その結果吸着除去率の低下を招
き、粒状活性炭の摩耗、破砕損失を引き起こすことにな
る。
一方、繊維状活性炭はそれ自体の繊維集合体としての
強度、形状維持特性が悪く、飛散し易いために作業性、
取扱い性も劣り、また、空隙率が高く、充填密度が低い
という欠点を有している。また再生処理、再使用に当た
っても、飛散し易いこと、形状維持性が悪いことから、
空隙率、充填密度の再現性が悪いという問題がある。従
って仮に、精製しようとするガスまたは液を、繊維状活
性炭を綿状に充填した繊維状活性炭固定層に流し、有害
物質の種々の分子を十分に除去しようとすると、大容量
の繊維状活性炭層を必要とし、経済的でなく、処理量の
減少、いわゆる吸着効率の低下を招く結果となる。ま
た、精製しようとするガスまたは液を、繊維状活性炭を
綿状に充填した繊維状活性炭流動層に流し有害物の種々
の分子の吸着除去を行う場合には、綿状にした繊維体は
形状維持性が悪く、ばらけ飛散し、摩耗、破砕損失を引
起し、同じく吸着除去率の低下、処理量の減少、いわゆ
る吸着効率の低下を招くことになる。さらに、この形状
維持性を改善する目的で織物、不織布、フェルト、マッ
ト、ペーパー等に加工し利用するには、強度をもたせる
ための混紡繊維を必要とし、加工費がかかり経済的でな
いばかりか、加工品では活性炭素繊維の含有率が低くな
るため単位重量当たりの外表面積が低下するという問題
がある。また、一般に行われている活性炭再生炉による
熱再生法が困難となり、再生使用ができなくなるという
問題も出てくる。
強度、形状維持特性が悪く、飛散し易いために作業性、
取扱い性も劣り、また、空隙率が高く、充填密度が低い
という欠点を有している。また再生処理、再使用に当た
っても、飛散し易いこと、形状維持性が悪いことから、
空隙率、充填密度の再現性が悪いという問題がある。従
って仮に、精製しようとするガスまたは液を、繊維状活
性炭を綿状に充填した繊維状活性炭固定層に流し、有害
物質の種々の分子を十分に除去しようとすると、大容量
の繊維状活性炭層を必要とし、経済的でなく、処理量の
減少、いわゆる吸着効率の低下を招く結果となる。ま
た、精製しようとするガスまたは液を、繊維状活性炭を
綿状に充填した繊維状活性炭流動層に流し有害物の種々
の分子の吸着除去を行う場合には、綿状にした繊維体は
形状維持性が悪く、ばらけ飛散し、摩耗、破砕損失を引
起し、同じく吸着除去率の低下、処理量の減少、いわゆ
る吸着効率の低下を招くことになる。さらに、この形状
維持性を改善する目的で織物、不織布、フェルト、マッ
ト、ペーパー等に加工し利用するには、強度をもたせる
ための混紡繊維を必要とし、加工費がかかり経済的でな
いばかりか、加工品では活性炭素繊維の含有率が低くな
るため単位重量当たりの外表面積が低下するという問題
がある。また、一般に行われている活性炭再生炉による
熱再生法が困難となり、再生使用ができなくなるという
問題も出てくる。
一方、近年、トリクロロエチレン等による地下水の汚
染問題の対策、水道水のトリハロメタン対策、フロンガ
ス対策、脱臭、消臭、快適さなどアメニティー空間の創
造等の社会的な要求を背景に、活性炭の機能の向上、形
状の改良が求められている。
染問題の対策、水道水のトリハロメタン対策、フロンガ
ス対策、脱臭、消臭、快適さなどアメニティー空間の創
造等の社会的な要求を背景に、活性炭の機能の向上、形
状の改良が求められている。
そこで、本発明の目的は、上述したような従来の活性
炭、すなわち、粉状活性炭、粒状活性炭、および繊維状
活性炭の欠点を解消し、吸着能力が高く、吸着脱着速度
が速く、ハンドリング性が良好で形状維持性が良く、か
つ再生使用が容易な高機能性の球状繊維塊活性炭の製造
方法を提供することにある。
炭、すなわち、粉状活性炭、粒状活性炭、および繊維状
活性炭の欠点を解消し、吸着能力が高く、吸着脱着速度
が速く、ハンドリング性が良好で形状維持性が良く、か
つ再生使用が容易な高機能性の球状繊維塊活性炭の製造
方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結
果、紡糸用に調製されたピッチを原料として紡糸した後
に、不融化して不融化ピッチ繊維を得、これにピッチ繊
維を混合し、さらに球状化した後、これをさらに賦活化
することにより高機能性の球状繊維塊活性炭が得られる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。また、ここ
で不融化ピッチ繊維のかわりに、不融化繊維をさらに炭
化処理して得られた炭化繊維またはこれらの混合繊維を
用いても同様の効果を得ることができる。更にピッチ繊
維の混合割合は、混合繊維中で5重量%以上、50重量%
以下であることを特徴とする。
果、紡糸用に調製されたピッチを原料として紡糸した後
に、不融化して不融化ピッチ繊維を得、これにピッチ繊
維を混合し、さらに球状化した後、これをさらに賦活化
することにより高機能性の球状繊維塊活性炭が得られる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。また、ここ
で不融化ピッチ繊維のかわりに、不融化繊維をさらに炭
化処理して得られた炭化繊維またはこれらの混合繊維を
用いても同様の効果を得ることができる。更にピッチ繊
維の混合割合は、混合繊維中で5重量%以上、50重量%
以下であることを特徴とする。
従って、本発明は、複数本の繊維状の活性炭素繊維が
互いに接着してなる球状繊維塊活性炭の製造方法に関す
るものである。
互いに接着してなる球状繊維塊活性炭の製造方法に関す
るものである。
以下、本発明の球状繊維塊活性炭の製造方法を詳細に
説明する。
説明する。
本発明に用いられる原料はタールピッチが好ましい。
これは、従来製造されているポリアクリロニトリル系、
フェノール樹脂系、セルロース系等に比べて、ピッチを
原料としたほうが、原料が安価であり、かつ賦活化収率
が高いからである。また、ここで用いられるピッチは、
後工程の紡糸、不融化、賦活性に適したように適度に重
質化された高軟化点のものが適しているが、180℃以上
の軟化点のものから任意に選択するのが好ましい。この
ようなピッチの製造方法としては、例えば特開昭61−00
2712号公報などに提案されているように、精製、溶剤抽
出、蒸留、熱処理などを施して調製されたものが適して
いる。
これは、従来製造されているポリアクリロニトリル系、
フェノール樹脂系、セルロース系等に比べて、ピッチを
原料としたほうが、原料が安価であり、かつ賦活化収率
が高いからである。また、ここで用いられるピッチは、
後工程の紡糸、不融化、賦活性に適したように適度に重
質化された高軟化点のものが適しているが、180℃以上
の軟化点のものから任意に選択するのが好ましい。この
ようなピッチの製造方法としては、例えば特開昭61−00
2712号公報などに提案されているように、精製、溶剤抽
出、蒸留、熱処理などを施して調製されたものが適して
いる。
次に該ピッチを紡糸するが、溶融押出紡糸、遠心紡糸
等の公知の方法を用いることができる。
等の公知の方法を用いることができる。
次いで得られたピッチ繊維を後工程で高温下で賦活化
する際に球状の繊維形状を維持できるように、不融化
(酸化)処理を行うが、酸化性の雰囲気下、150〜350℃
程度の温度で行うのが好ましい。好適な不融化条件は、
用いる原料ピッチにより異なるが、例えば、ピッチの軟
化点を目安に昇速度、温度、時間、雰囲気ガス等を適宜
選択しておこなう。
する際に球状の繊維形状を維持できるように、不融化
(酸化)処理を行うが、酸化性の雰囲気下、150〜350℃
程度の温度で行うのが好ましい。好適な不融化条件は、
用いる原料ピッチにより異なるが、例えば、ピッチの軟
化点を目安に昇速度、温度、時間、雰囲気ガス等を適宜
選択しておこなう。
さらに、得られた不融化繊維は、不活性雰囲気下で50
0℃以上で炭化処理し炭素繊維とし、該炭素繊維を不融
化繊維のかわりに用いて本発明の球状繊維塊活性炭を製
造しても良く、更にこれらの混合繊維を用いても良い。
以下、代表して、不融化繊維の場合について説明する。
0℃以上で炭化処理し炭素繊維とし、該炭素繊維を不融
化繊維のかわりに用いて本発明の球状繊維塊活性炭を製
造しても良く、更にこれらの混合繊維を用いても良い。
以下、代表して、不融化繊維の場合について説明する。
次に、この不融化繊維とピッチ繊維を混合し球状化す
る。不融化繊維とピッチを混合すると、ピッチ繊維は後
工程の賦活化時に溶融し不融化繊維を部分的に接着させ
るバインダーとして作用する。すなわち、混合したピッ
チ繊維が,溶融して不融化繊維同士を接着させることに
より、球状の繊維形状の保持力が格段に改善されること
が可能となりさらに、この結果ハンドリング時の繊維の
脱落、飛散等を極度に減少させることができる。
る。不融化繊維とピッチを混合すると、ピッチ繊維は後
工程の賦活化時に溶融し不融化繊維を部分的に接着させ
るバインダーとして作用する。すなわち、混合したピッ
チ繊維が,溶融して不融化繊維同士を接着させることに
より、球状の繊維形状の保持力が格段に改善されること
が可能となりさらに、この結果ハンドリング時の繊維の
脱落、飛散等を極度に減少させることができる。
この時のピッチ繊維の混合比率は任意に選択すること
ができるが、混合に供されるピッチ繊維の割合が混合繊
維中で50重量%を越えると、融着が進みすぎ繊維形状が
維持されず、強度も低下し、収率が低下するため好まし
くない。
ができるが、混合に供されるピッチ繊維の割合が混合繊
維中で50重量%を越えると、融着が進みすぎ繊維形状が
維持されず、強度も低下し、収率が低下するため好まし
くない。
また、ピッチ繊維の混合割合は混合繊維中で5重量%
以上が好ましい。5重量%未満の場合バインダーとして
の効果が小であり、好ましくない。
以上が好ましい。5重量%未満の場合バインダーとして
の効果が小であり、好ましくない。
次に球状化する方法については、例えば内部に旋回気
流を生じさせた円筒容器中に炭素繊維の短繊維集合体を
混入し、気流とともに旋回させる方法が提案されており
(特開昭62−114636号公報)、この方法を利用すること
ができるが、その他に、機械的な造粒により製造するこ
ともできる。
流を生じさせた円筒容器中に炭素繊維の短繊維集合体を
混入し、気流とともに旋回させる方法が提案されており
(特開昭62−114636号公報)、この方法を利用すること
ができるが、その他に、機械的な造粒により製造するこ
ともできる。
次に、賦活化処理方法としては、通常の水蒸気、炭素
ガス、酸素、空気等によるガス賦活法が採用できる。通
常、ガス賦活法では、活性炭素繊維の特性を賦活化処理
の温度、時間、ガスの種類と濃度等により制御すること
ができ、最終製品となる繊維状活性炭の細孔径、細孔分
布、比表面積をこれにより制御する。ガス賦活する場合
の好ましい賦活化条件としては、賦活化温度が、700〜1
000℃で、賦活化時間が、0〜240分であるが、要求され
る特性に合わせて条件を選択する必要がある。すなわ
ち、広い細孔径分布を有し、かつ大きい平均細孔半径を
有する繊維状活性炭を得るには高温で短時間処理するの
が適しており、狭い細孔径分布を有しかつ平均細孔半径
の小さい繊維状活性炭を得るには低温で長時間処理する
のが適している。また、賦活性化装置としては、回分式
装置を用いてもよいが、本発明では繊維が球状化されて
おり、かつ賦活化の初期過程での昇温段階においてピッ
チ繊維が溶融し不融化繊維同士を接着させることができ
るので、ボールの形態維持特性が良く、ハンドリング性
に優れるため連続式の賦活化炉を採用することもでき
る。
ガス、酸素、空気等によるガス賦活法が採用できる。通
常、ガス賦活法では、活性炭素繊維の特性を賦活化処理
の温度、時間、ガスの種類と濃度等により制御すること
ができ、最終製品となる繊維状活性炭の細孔径、細孔分
布、比表面積をこれにより制御する。ガス賦活する場合
の好ましい賦活化条件としては、賦活化温度が、700〜1
000℃で、賦活化時間が、0〜240分であるが、要求され
る特性に合わせて条件を選択する必要がある。すなわ
ち、広い細孔径分布を有し、かつ大きい平均細孔半径を
有する繊維状活性炭を得るには高温で短時間処理するの
が適しており、狭い細孔径分布を有しかつ平均細孔半径
の小さい繊維状活性炭を得るには低温で長時間処理する
のが適している。また、賦活性化装置としては、回分式
装置を用いてもよいが、本発明では繊維が球状化されて
おり、かつ賦活化の初期過程での昇温段階においてピッ
チ繊維が溶融し不融化繊維同士を接着させることができ
るので、ボールの形態維持特性が良く、ハンドリング性
に優れるため連続式の賦活化炉を採用することもでき
る。
(作 用) 以上のようにして得られた球状活性炭素繊維は、単位
重量当たりの外表面積が大きく、吸着脱着速度が速く、
しかも球状であることから作業性、ハンドリング性に優
れ、あらゆる形状に充填することが可能で、かつ緻密な
充填を行うことができる。また、形状維持特性が良いた
め、再生損失が少なく、再生使用が容易である。さら
に、高機能性を生かして、液相、気相を問わず公害防
止、環境浄化に用いることができる。
重量当たりの外表面積が大きく、吸着脱着速度が速く、
しかも球状であることから作業性、ハンドリング性に優
れ、あらゆる形状に充填することが可能で、かつ緻密な
充填を行うことができる。また、形状維持特性が良いた
め、再生損失が少なく、再生使用が容易である。さら
に、高機能性を生かして、液相、気相を問わず公害防
止、環境浄化に用いることができる。
(実施例) 実施例1 コールタールピッチを濾過精製した後、熱処理してベ
ンゼン不溶分(BI)=57重量%、キノリン不溶分(QI)
=痕跡量のピッチを得た。該ピッチの粘度は298℃で100
ポイズを示し、その軟化点は240℃であった(ピッチ−
A)。このピッチは、偏光顕微鏡で400倍で観察したと
ころ全面が光学的等方性を示す均質なピッチであった。
ンゼン不溶分(BI)=57重量%、キノリン不溶分(QI)
=痕跡量のピッチを得た。該ピッチの粘度は298℃で100
ポイズを示し、その軟化点は240℃であった(ピッチ−
A)。このピッチは、偏光顕微鏡で400倍で観察したと
ころ全面が光学的等方性を示す均質なピッチであった。
次に、これらのピッチを用いて溶融押し出し紡糸を行
い、繊維径20μmのピッチ繊維を得、次いでこのピッチ
繊維を回分式の炉を用いて空気中310℃まで0.5℃/分で
昇温して不融化処理を行った。次いで、この不融化繊維
−A、およびピッチ繊維−Aを、それぞれ3mmの長さに
切断しチョップ状にした後、不融化繊維−Aに対しピッ
チ繊維−Aを10重量%混合し円筒容器に挿入し、旋回気
流を生じさせながら旋回したところ、球状の不融化繊維
塊を得ることができた。
い、繊維径20μmのピッチ繊維を得、次いでこのピッチ
繊維を回分式の炉を用いて空気中310℃まで0.5℃/分で
昇温して不融化処理を行った。次いで、この不融化繊維
−A、およびピッチ繊維−Aを、それぞれ3mmの長さに
切断しチョップ状にした後、不融化繊維−Aに対しピッ
チ繊維−Aを10重量%混合し円筒容器に挿入し、旋回気
流を生じさせながら旋回したところ、球状の不融化繊維
塊を得ることができた。
次いで、この球状不融化繊維塊を回分式の炉を用い
て、炉内に33容量%の水蒸気を含む窒素ガスを流通させ
ながら昇温し、850℃で2時間保持することにより賦活
化処理を行った。得られた球状融着賦活化繊維を顕微鏡
で観察したところ第1図aに示すように繊維同士が接着
した三次元網目構造を有していた。また第1図bには、
その一部を拡大した斜視部を示す。得られた球状の融着
賦活化繊維の収率は、球状不融化繊維基準で25%であ
り、該繊維の比表面積(マイクロメリティクス社製、ア
サップ2000を用いて測定し、ラングミュア法にて解析)
は2020m2/g、平均細孔径は17Å、t−プロット法による
細孔径10Å以下の容積率は60%であった。
て、炉内に33容量%の水蒸気を含む窒素ガスを流通させ
ながら昇温し、850℃で2時間保持することにより賦活
化処理を行った。得られた球状融着賦活化繊維を顕微鏡
で観察したところ第1図aに示すように繊維同士が接着
した三次元網目構造を有していた。また第1図bには、
その一部を拡大した斜視部を示す。得られた球状の融着
賦活化繊維の収率は、球状不融化繊維基準で25%であ
り、該繊維の比表面積(マイクロメリティクス社製、ア
サップ2000を用いて測定し、ラングミュア法にて解析)
は2020m2/g、平均細孔径は17Å、t−プロット法による
細孔径10Å以下の容積率は60%であった。
実施例2 実施例1で得られた球状不融化繊維塊を回分式炭化炉
を用いて、雰囲気中に30容量%の水蒸気を含む窒素ガス
を流通させて昇温し、800℃で2時間保持することによ
り賦活化処理を行った。
を用いて、雰囲気中に30容量%の水蒸気を含む窒素ガス
を流通させて昇温し、800℃で2時間保持することによ
り賦活化処理を行った。
得られた球状の融着賦活化繊維の収率は、50%であ
り、該繊維の比表面積は1250m2/g、平均細孔径は17Å、
細孔径10Å以下の容積率は85%であった。
り、該繊維の比表面積は1250m2/g、平均細孔径は17Å、
細孔径10Å以下の容積率は85%であった。
実施例3 実施例1で得られた不融化繊維−A、およびピッチ繊
維−Aを重量比で7:3の割合で混合し、実施例1と同様
に、球状化した後、賦活化処理を行った。
維−Aを重量比で7:3の割合で混合し、実施例1と同様
に、球状化した後、賦活化処理を行った。
得られた球状の融着賦活化繊維の収率は、20%であ
り、該繊維の比表面積は1950m2/g、平均細孔径は18Å、
細孔径10Å以下の容積率は55%であった。
り、該繊維の比表面積は1950m2/g、平均細孔径は18Å、
細孔径10Å以下の容積率は55%であった。
実施例4 実施例1で得られた不融化繊維−Aをアルゴンガス中
1000℃で炭化処理し炭化繊維−Aを得た。ピッチ繊維−
A、不融化繊維−A、炭化繊維−Aをそれぞれ3mm長さ
に切断し、チップ状にした後、重量比で ピッチ繊維−A/不融化繊維−A/炭化繊維−A=10/45/45 の割合で混合し、実施例1と同様に球状化した後、賦活
化した。得られた球状賦活化繊維の収率は27%であり、
比表面積は1900m2/g、平均細孔径16Åであった。
1000℃で炭化処理し炭化繊維−Aを得た。ピッチ繊維−
A、不融化繊維−A、炭化繊維−Aをそれぞれ3mm長さ
に切断し、チップ状にした後、重量比で ピッチ繊維−A/不融化繊維−A/炭化繊維−A=10/45/45 の割合で混合し、実施例1と同様に球状化した後、賦活
化した。得られた球状賦活化繊維の収率は27%であり、
比表面積は1900m2/g、平均細孔径16Åであった。
比較例1 実施例3と同様に不融化繊維−A、およびピッチ繊維
−Aを重量比で4対6の割合で混合し、実施例1と同様
に球状化した後、賦活化したところ球状繊維の全体が融
着してしまい、繊維は形状をとどめておらず、球に発泡
の跡が観察された。また、この球は非常に脆く、粉化し
やすく、球状の活性炭素繊維として得ることはできなか
った。
−Aを重量比で4対6の割合で混合し、実施例1と同様
に球状化した後、賦活化したところ球状繊維の全体が融
着してしまい、繊維は形状をとどめておらず、球に発泡
の跡が観察された。また、この球は非常に脆く、粉化し
やすく、球状の活性炭素繊維として得ることはできなか
った。
(発明の効果) 以上説明してきたように、本発明の方法は、コールタ
ールピッチを原料として球状の繊維塊活性炭を効率良く
製造することができる。しかも、この球状繊維塊活性炭
は、従来の活性炭、すなわち粒状活性炭、粉末状活性
炭、繊維状活性炭に比べて吸着能力が高く、吸着脱着速
度が速く、ハンドリング性、および形状維持特性が良
く、再生使用が容易で、機能性の改良がなされているも
のである。
ールピッチを原料として球状の繊維塊活性炭を効率良く
製造することができる。しかも、この球状繊維塊活性炭
は、従来の活性炭、すなわち粒状活性炭、粉末状活性
炭、繊維状活性炭に比べて吸着能力が高く、吸着脱着速
度が速く、ハンドリング性、および形状維持特性が良
く、再生使用が容易で、機能性の改良がなされているも
のである。
従って、かかる球状繊維塊活性炭は、高吸着脱着能
力、および広い比表面積を活かして、幅広い産業分野で
利用されている活性炭として極めて優れた特性を有し、
公害防止、および環境浄化の他に、食品工業、石油工業
等幅広い分野で用いることができ、高度処理技術に不可
欠なものとして産業上極めて有用である。
力、および広い比表面積を活かして、幅広い産業分野で
利用されている活性炭として極めて優れた特性を有し、
公害防止、および環境浄化の他に、食品工業、石油工業
等幅広い分野で用いることができ、高度処理技術に不可
欠なものとして産業上極めて有用である。
第1図(a)は、本発明の方法により得られた球状繊維
塊活性炭の繊維同士が接着した三次元網目構造を示す
図、 第1図(b)は、第1図(a)のAで示された部分を拡
大した斜視図を示す。
塊活性炭の繊維同士が接着した三次元網目構造を示す
図、 第1図(b)は、第1図(a)のAで示された部分を拡
大した斜視図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 花谷 誠二 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内 (72)発明者 神下 護 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内
Claims (3)
- 【請求項1】タールピッチを原料として、球状繊維塊活
性炭を製造する方法において、ピッチを原料として紡糸
した後、不融化し、この不融化繊維にピッチ繊維を混合
して球状化した後に、賦活化することを特徴とする球状
繊維塊活性炭の製造方法。 - 【請求項2】請求項1に記載の不融化繊維を更に炭化処
理して得られた炭化繊維あるいは、請求項1に記載の不
融化繊維と前記炭化繊維の混合繊維を請求項1に記載の
不融化繊維のかわりに用いることを特徴とする請求項1
記載の球状繊維塊活性炭の製造方法。 - 【請求項3】ピッチ繊維の混合割合が、混合繊維中で5
重量%以上、50重量%以下である混合繊維を用い球状化
した後に賦活化することを特徴とする請求項1または2
記載の球状繊維塊活性炭の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2258825A JP2515919B2 (ja) | 1990-09-29 | 1990-09-29 | 球状繊維塊活性炭の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2258825A JP2515919B2 (ja) | 1990-09-29 | 1990-09-29 | 球状繊維塊活性炭の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04146219A JPH04146219A (ja) | 1992-05-20 |
JP2515919B2 true JP2515919B2 (ja) | 1996-07-10 |
Family
ID=17325562
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2258825A Expired - Lifetime JP2515919B2 (ja) | 1990-09-29 | 1990-09-29 | 球状繊維塊活性炭の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2515919B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002136867A (ja) * | 2000-05-30 | 2002-05-14 | Canon Inc | 吸着材の再生処理方法及びその装置 |
CN111960408B (zh) * | 2020-09-04 | 2023-04-07 | 湖南大学 | 一种中间相沥青炭微球的高效制备方法 |
-
1990
- 1990-09-29 JP JP2258825A patent/JP2515919B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04146219A (ja) | 1992-05-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6258300B1 (en) | Activated carbon fiber composite material and method of making | |
Menéndez-Díaz et al. | Types of carbon adsorbents and their production | |
JPS5824340A (ja) | フイルタ− | |
JP7491506B2 (ja) | 活性炭 | |
JP4418079B2 (ja) | 高強度、高吸着能を有する活性コークスの製造方法 | |
WO2005113435A1 (ja) | 球状活性炭およびその製造方法 | |
JP2515919B2 (ja) | 球状繊維塊活性炭の製造方法 | |
JP2556598B2 (ja) | 球状繊維塊活性炭の製造方法 | |
JP2002102689A (ja) | 炭素質吸着剤 | |
CN111247097B (zh) | 活性炭及该活性炭的制备方法 | |
JP2565770B2 (ja) | 活性炭素繊維およびその製造方法 | |
JP2635784B2 (ja) | 束状繊維塊活性炭およびその製造方法 | |
JP4876307B2 (ja) | 活性炭の製造方法 | |
JP7478163B2 (ja) | めっき液精製用吸着フィルター、並びに、それを用いためっき液精製装置及びめっき液精製方法 | |
JPH05186210A (ja) | 球状繊維塊活性炭の製造方法 | |
CA2347009C (en) | Carbon fiber composite molecular sieve electrically regenerable air filter media | |
JPH0764530B2 (ja) | 球状繊維塊活性炭の製造方法 | |
JPH03275139A (ja) | 球状繊維塊活性炭およびその製造方法 | |
JPH10501174A (ja) | 包囲空間内の空気清浄 | |
JPH03146722A (ja) | 球状繊維塊活性炭の製造方法 | |
JPH0280315A (ja) | 造粒活性炭 | |
JPH03279423A (ja) | 球状繊維塊活性炭の製造方法 | |
JPH05155673A (ja) | 多孔質炭素材とその製造方法 | |
JPH03199427A (ja) | 球状繊維塊活性炭およびその製造方法 | |
JPH03199426A (ja) | 球状繊維塊活性炭およびその製造方法 |