JP2596931Y2 - ウエストニッパー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は女性用下着の一種であっ
て、ウエスト部を引締め、サポートするためのウエスト
ニッパーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】体形の崩れを防止するためにボディスー
ツを着用する女性は多い。該ボディスーツは胸からウエ
スト部、それにヒップにかけて体を適度に締付け、体形
を整えることが出来る。しかし、このボディスーツは上
記胸、ウエスト及びヒップの各部位があくまでも標準体
型を基本としたサイズで製作されているため、着用して
も圧迫感が残ってしまう。一般には標準体形である人は
少なく、特に年令を重ねるに連れて、部分的に贅肉が付
いて肥満化するケースが多く、このような場合に従来の
ボディスーツを利用して体形を整え、体の線を美しく見
せることは出来ない。

【０００３】そこで、このボディスーツを分割してブラ
ジャー、ウエストニッパー及びガードルとで構成した下
着が多用されている。これは自分の体形に合わせて上記
ブラジャー、ウエストニッパー、それにガードルを選択
して組合わせることが出来、しかも部分的な着用が可能
になることから便利である。本考案は上記下着の中でこ
のウエストニッパーを対象としたものである。

【０００４】図３は従来のウエストニッパーを長手方向
に多少縮小して表わしたもので、ウエスト部に巻き付け
て着用するため、一方側にはカギ(イ) 、(イ) …が、他方
側にはホック(ロ) 、(ロ) …が止着されていて、上記カギ
(イ) 、(イ) …はホック(ロ) 、(ロ) …に係止する。またウ
エストのサイズに応じて適度な締め具合が得られるよう
に、中心（Ｏ−Ｏ）からの距離が異なる位置に上記カギ
(イ) 、(イ) …及びホック(ロ) 、(ロ) …が設けられてい
る。そして縦方向には所定の間隔をおいて、柔軟性のあ
る骨(ハ) 、(ハ) …が縫着されている。

【０００５】図４は上記ウエストニッパーを着用した状
態での参考図であるが、ウエストニッパーの上縁(ニ) は
滑らかな凸状を成し、同じく下縁(ホ) も滑らかな曲線を
呈していて、上縁(ニ) は乳房の下まで達し、下縁(ホ) は
下腹まで延びている。そして、上記カギ(イ) 、(イ) …を
ホック(ロ) 、(ロ) …に係止してウエストニッパーを着用
した場合、該ウエストニッパーには周方向の張力Ｐが作
用して、その周長は多少伸ばされた状態となる。

【０００６】ところで、このように滑らかな凸状を呈す
上縁(ニ) を形成したウエストニッパーは、作用する張力
により胃（水おち）を圧迫し、着用した場合に窮屈であ
るとともに、圧迫感を与える。従来のウエストニッパー
は、図４に示すごとく、その上縁(ニ) の中央が水おち部
に位置するためで、滑らかな凸状を成す上縁(ニ) の中央
にもほぼ均等に作用する張力は、体の急所となる該水お
ち部に負担を与えてしまうことに起因する。またこのよ
うな形状の上縁(ニ) では正しい位置にて着用出来ず、し
かも着用したウエストニッパーの位置ズレを防止するこ
とも出来ず、体を動かしたりしているうちに回ってしま
うことがある。

【０００７】更にこのウエストニッパーは図３に示すご
とく、カギ(イ) 、(イ) …及びホック(ロ) 、(ロ) …が止着
されている両サイド方向の幅（高さ）が、中央部に比べ
て縮小された形状となっている。このことはウエストニ
ッパーに作用する張力により体を締付ける圧力は両サイ
ド方向、すなわち着用した場合には肋骨部から背中にか
けて最も高くなる。背中に作用する圧力が多少高くなっ
ても問題はないが、横腹や肋骨部が痛くなってしまう。

【０００８】

【本考案が解決しようとする課題】このように、従来の
ウエストニッパーには上記のごとき問題がある。本考案
が解決しようとする課題はこれら問題点であって、圧迫
感や痛みを覚えることなく、安定した着用を可能とする
ウエストニッパーを提供する。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本考案のウエストニッパ
ーは上縁の形状に特徴を有すものであって、一つには水
おちを圧迫しない形となっている。すなわち、中心部に
おいては小さい凸状の山形とし、その両側は乳房の下側
カーブに沿った形の滑らかな凹状とし、両サイドの幅
（高さ）は従来のように縮小されず、中央部の幅とほぼ
同じ幅としている。両サイドの止着手段はカギとホック
による係合手段に限定せず、また一般には縦方向に柔軟
性のある骨を縫着するが、この骨の有無も問わない。

【００１０】

【作用】本考案のウエストニッパーの上縁形状は、その
中央部において乳房の下側カーブに沿った形を成してい
るため、着用した場合に作用する張力は、その上縁部に
おいて分散される。そして中央の小さい凸状山形部分に
は上記張力がほとんど及ぶことなく、該凸状山形部分は
肋骨の僅か上方に位置することになり、水おち部に与え
る圧力は非常に小さい。その結果、水おち部に痛みは勿
論のこと、圧迫感も与えない。また乳房に沿った上縁は
ウエストニッパーを定位置に安定させ、位置ズレを防止
する。更に、乳房両脇から上縁は上方へ滑らかに立ち上
がり、そのままの幅で両サイドに延びているため、すな
わち幅が縮小しないために、横腹を押える圧力は大きく
ならず、また下側の肋骨部に上縁が位置しないために痛
くならない。以下、本考案に係る実施例を図面に基づい
て詳細に説明する。

【００１１】

【実施例】図１は本考案のウエストニッパーを示す実施
例である。同図に示すように、一方のサイドにはカギ
１、１…を、他方のサイドにはホック２、２…を止着し
たもので、通気性のある生地が用いられ、縦方向には柔
軟性のあるコイルボーンから成る骨３、３…が所定の間
隔をおいて縫着されている。同図は長手方向に多少縮め
た形態で表わしているが、上縁４はその中央に小さな凸
状山形５を形成し、該凸状山形５の左右には滑らかな凹
状を成す谷部６、６が、中心（Ｏ−Ｏ）を基準として対
称形となっている。そして谷部６、６を越えて両サイド
へ延びる上縁４は、上記凸状山形５の頂点付近の高さで
水平を成している。また下縁７は中心（Ｏ−Ｏ）を基準
として下方へ突出した滑らかな凸状曲線を呈している。

【００１２】図２は本考案のウエストニッパーを着用し
た状態を示した参考図であるが、上記上縁４の両谷部
６、６は乳房の下側カーブに位置し、着用しているブラ
ジャー８の縁に沿って着用される。また中央の凸状山形
５は水おち部の上方で肋骨の上に位置し、下縁７は下腹
まで届いている。そして両サイドに止着しているカギ
１、１…をホック２、２…に係止してウエストニッパー
を着用すれば、該ウエストニッパーは引張られ、作用す
る張力により体は適度に締付けられる。しかしこの張力
は上縁４に形成した谷部６のために、凸状山形５への作
用は軽減される。すなわち、湾曲した上縁４に沿って作
用する張力は分散し、その結果上記凸状山形５の領域に
作用する張力は非常に小さくなり、水おち部を押圧する
圧力も同じく削減される。

【００１３】また上記凸状山形５は左右の乳房の間に位
置し、ウエストニッパーを着用する際の基準となり、し
かも位置ズレを防止する機能を呈す。更に上縁４は谷部
６、６を越えて上方へ立ち上がり、図２のようにブラジ
ャーの背面バンド９に沿って延び、押圧力に対して弱い
下方の肋骨からはかなり上方に位置することになる。以
上述べたように、本考案のウエストニッパーはその上縁
中央に凸状山形を設け、該凸状山形を中心として両側に
は谷部を形成し、谷部からは両サイドへほぼ水平に縁を
伸ばしたもので、次のような効果を得ることが出来る。

【００１４】

【考案の効果】本考案のウエストニッパーは、その上縁
の形状を上記のごとく湾曲して凸状山形及び谷部を形成
したことで、着用しても水おち部が圧迫されて窮屈に感
じたり、痛みを覚えることはない。また上記凸状山形や
谷部を有す上縁形状はウエストニッパーを着用する際の
位置決め基準となり、更に着用後の位置ズレを防止す
る、そして両サイドは従来のように幅が縮小されること
なく、上縁はほぼ水平に延びていて、押圧に対して弱い
下方の肋骨に当ることはないため、横腹から脇にかけて
の圧迫感も生じることなく、長時間にわたって着用でき
るウエストニッパーである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のウエストニッパーを示す実施例。

【図２】本考案のウエストニッパーを着用した状態。

【図３】従来のウエストニッパー。

【図４】従来のウエストニッパーを着用した状態。

【符号の説明】

１ カギ ２ ホック ３ 骨 ４ 上縁 ５ 凸状山形 ６ 谷部 ７ 下縁 ８ ブラジャー ９ 背面バンド 10 肋骨

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 乳房の下からウエストにかけてサポート
   し、体形を整えるためのウエストニッパーにおいて、そ
   の上縁中央には滑らかな凸状山形を形成し、該凸状山形
   の両側には滑らかに凹状湾曲した谷部を設け、谷部から
   サイドへはほぼ水平に延びた上縁形状としたことを特徴
   とするウエストニッパー。