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JP2594241B2 - 酸化開環サッカライドによるヘモグロビンの選択的架橋 - Google Patents

酸化開環サッカライドによるヘモグロビンの選択的架橋

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JP2594241B2
JP2594241B2 JP6520446A JP52044694A JP2594241B2 JP 2594241 B2 JP2594241 B2 JP 2594241B2 JP 6520446 A JP6520446 A JP 6520446A JP 52044694 A JP52044694 A JP 52044694A JP 2594241 B2 JP2594241 B2 JP 2594241B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、血液代用品、ならびに、その製造方法に関
するものである。さらに詳しくは、本発明は、ヘモグロ
ビンを基質とする血液代用品、ならびに、その血液代用
品の基質としての使用適性を改善するための、ヘモグロ
ビンの化学的修飾方法に関するものである。
発明の背景 自然界における血液中酸素運搬成分としてのヘモグロ
ビンは、例えば水溶液などとして、血液代用品の基質を
形成させるための明かな候補物質である。血液代用品と
して作用する満足すべきヘモグロビン溶液を提供しよう
とする試みについて、幅広い学術研究がこれまで行わ
れ、報告されている。しかし、赤血球外におけるヘモグ
ロビンの化学的性質は、例えばその酸素親和性などにつ
いて、赤血球内におけるその性質とは著しく異なる。ヘ
モグロビンを何らか化学的に修飾して、血液代用品とし
ての使用に適したものにする必要性は長らく認識されて
おり、きわめて幅広く研究の対象とされてきた。
ヘモグロビンが、4個の小単位(sub−unit)、すな
わち、それぞれグロビン・ペプチド鎖を有する2個のα
小単位、及びそれぞれグロビン・ペプチド鎖を有する2
個のβ小単位、の四量体からなることはよく知られてい
る。この四量体は約64キロドールトン(kilodalton)の
分子量を有し、各小単位はほぼ同じ分子量を有する。四
量体ヘモグロビンは、希薄水溶液中で容易にα−β二量
体に解離し、ある条件のもとではさらにα−小単位単量
体及びβ−小単位単量体にまで解離する。二量体及び単
量体は、あまりにも分子量が低いために身体の循環器系
に停留することができず、腎臓で濾過されて尿中に排泄
される。その結果、このような物質の身体における半減
寿命は容認し難いほど短くなる。さらに、非架橋ヘモグ
ロビンは顕著な腎毒性を招くので、製品中の非架橋ヘモ
グロビンの濃度を減じる必要がある。小単位同士を化学
的に結合させて四量体形式を維持させる必要性(「分子
内架橋」)がこれまで認識されてきた。また、2個ある
いはそれ以上の四量体単位を互いに結合させて64キロド
ールトンより大きい分子量のヘモグロビンオリゴマー又
はポリマーを形成させること(「分子間架橋」)も、多
くの事例において望ましいものと認識されてきた。
ヘモグロビンは、赤血球中に存在する際、その分子中
の特定の個所において天然の配位子、ジホスホグリセレ
ート(DPG)と結合している。この特定個所はDPG裂ある
いはDPGポケットとして知られている。赤血球の細胞膜
を除去すると、DPGはヘモグロビンから解離し、その結
果、ヘモグロビン分子の立体的転移が起こり、それによ
ってヘモグロビンの酸素親和性は望ましからぬほど増大
する。ヘモグロビンを基質とする満足すべき血液代用品
は、ヘモグロビンが天然の全血液中に存在したときとほ
ぼ同じように、同じ条件で、酸素と結合し、酸素を運搬
し、放出する能力を備えているべきであろう。この問題
に対処すべく、これまでにも、ピリドキサール−5′−
ホスフェートPLPのようなDPG類似体をヘモグロビンに共
有結合的に結合させて、血液代用品の基質を形成させる
ことが行われた。
先行技術の簡単な説明 シャー(Hsia)の合衆国特許第4,857,636号(1989年
8月15日発行)には、化学的に修飾したヘモグロビンを
基質とする血液代用品が記述されている。そこでは、ポ
リアルデヒドとの反応によってヘモグロビンを分子内架
橋結合させている。シャー特許で使用が勧奨されている
特定のポリアルデヒドは、トリサッカライドの一種であ
るラフィノースなどのサッカライド類の開環的酸化生成
物である。この反応は、小単位のグロビン鎖を互いに非
部位特異的に架橋することによって、ヘモグロビン小単
位が四量体に結合し、この四量体ヘモグロビンがT−構
造あるいはR−構造に安定化され、得られた四量体の酸
素親和性が制御されるものと言われている。この反応は
また、安定化された四量体のほかに、所定量の分子間架
橋によってヘモグロビンのオリゴマーを形成させるべく
制御可能であると言われている。シャー特許によれば、
グロビン鎖の非部位特異的架橋は、化学量的な反応剤を
通常必要とする部位特異的架橋とは異なり、架橋安定化
ヘモグロビンの収量を増すために大過剰モル量のポリア
ルデヒドを用いることができる点で有利である、とそこ
では述べられている。
しかし、シャー特許に開示されている方法及び生産物
についてさらに調査研究を進めた結果、反応条件及びそ
の他の要因の一部を変更することによって、方法工程の
制御及び再現性において、また、最終生産物の性質及び
一貫性において、予期せざる改善の達成が可能であるこ
とが明らかになった。動物生体に投与することを目指し
た血液代用品などの生産物は、成分組成が制御可能であ
り、再現可能であって、従ってその効果及び副作用が適
切に監視できるようなものであるべきであろう。
発明の要約 本発明の目的は、ヘモグロビンを基質とする血液代用
品を製造する新規な方法を提供することにある。
本発明がさらに目的とするところは、ヘモグロビン
を、サッカライド類の酸化的開環によって誘導されるポ
リアルデヒドと反応させる、改善させた方法及び条件を
提供することにある。
本発明は、ある程度、ジ/トリ−サッカライド(本明
細書では、ジサッカライド及びトリサッカライド意味す
るためにこの言葉を用いる)の酸化的開環によるポリア
ルデヒド生産物が、ヘモグロビンの2,3−ジホスホグリ
セレート結合(DPG)裂における特定の個所で反応し
て、二つのβ−グロビン鎖を架橋結合させ、しかもポリ
アルデヒド生成物自体は実質的に均質であると言う点
で、高度に特異的である、という発見に基づいている。
開環し、酸化されたジ/トリ−サッカライドは、アルカ
リ性条件下で加水分解的分解を受ける。開環され、酸化
されたラフィノース(o−ラフィノース)の溶液は、例
えばpH>7で貯蔵した場合、顕著なアルカリ加水分解を
受けて、酸化トリサッカライドとの混合物として、酸化
ジサッカライド(例えばo−スクロール)及び酸化モノ
サッカライド(例えばo−ガラクトース)を生じる。o
−ラフィノース溶液は、貯蔵溶液をpH<7、好ましくは
pH<6に維持することによって安定に保たれる。
しかしながら、本発明方法では、ラフィノースなど、
開環酸化ジ/トリ−サッカライドの溶液のpHをpH5.0−
7.0に維持することによって、実質的に均質なポリサッ
カライドを調製する。この生成物を、ヘモグロビンと、
約1:1−4:1の化学量(ジ/トリ−サッカライド対ヘモグ
ロビン四量体のモル数として)で反応させて、高収量で
架橋安定化ヘモグロビン生成物を得ることができる。前
述のシャー特許で推奨されているような、高収量で製品
を得るのに20:1程度のきわめて大過剰の架橋剤を用いる
必要はもはやなくなったのである。しかも、そのように
大過剰の架橋剤を用いることによって経験する副次的影
響、すなわち、得られる架橋生成物の性質又は組成の制
御あるいは再現性の困難さなどは大幅に回避される。高
分子量凝集物の形成は、限られた化学量の架橋剤を使用
することによって回避される。
このようにして、本発明の一つの側面としては、水溶
液中で血液代用品として用いるにこれまでより適したも
のとなるように、ヘモグロビンを化学的に修飾する方法
が提供される。すなわち、その方法は: (a)ジ/トリ−サッカライドを酸化的開環工程に付し
て、それからポリアルデヒドを生成させ、 (b)得られた生成物の溶液のpHを、約pH5.0ないしpH
7.0の範囲内の値に調整し、維持することによって、生
成したポリアルデヒドの実質的加水分解を阻止し、 (c)この工程(b)の生成物を、ジ/トリ−サッカラ
イド及びヘモグロビン四量体を基準にして、約1:1−4:1
の化学量比で、溶液中のヘモグロビンと反応させ、 (d)形成されたシッフ塩基結合を第2級アミン結合に
まで還元し、かつ、 (e)形成された修飾ヘモグロビンを回収することを包
含する。
本発明を用いて得られる架橋反応生成物の性質及び組
成は、単に制御可能であり、再現可能であるばかりでな
く、また優れてもいる。本製品は非修飾ヘモグロビンを
ほとんど含まず、ごくわずかな量も必要に応じて膜濾過
によって容易に除去することができる。このものは、高
分子量(600,000ドールトンより大きい)のヘモグロビ
ン凝集物を含まない。このものは、主として、約40%の
四量体ヘモグロビン、5%未満の二量体ヘモグロビンか
らなり、残余は分子量64,000ないし500,000ドールトン
のオリゴマーである。
これまでは、メトヘモグロビンの過剰形成のおそれか
ら、pH7.4より低いところでのヘモグロビンの架橋反応
は避ける必要があるものと考えられていた。本発明のさ
らに予期せざる、有利な特徴は、ここに記述するような
架橋剤を用いれば、メトヘモグロビンを過剰に生成する
ことなく、pH5.0−7.0の範囲内で、ヘモグロビンの架橋
反応を実施できることにある。いうまでもなく、これは
o−サッカライド(ポリアルデヒド)を安定に保つため
のpH範囲であり、従って、架橋反応に先立ってpHを調整
するなどの余分な工程が避けられる点で有利である。
図面の簡単な説明 第1図は、ラフィノースの酸化的開環によってヘキサ
−アルデヒドを生じる化学反応、及びアセタール化合物
によるその後の化学的平衡関係の形成を示す模式図であ
る。
第2図は、ポリアルデヒドのヘモグロビンとの化学反
応、及びその後の化学的還元工程を示す模式図である。
第3図は、以下の実施例1による生成物のHPLC分析曲
線である。
第4図は、以下の実施例3に述べる反応の動力学の模
式図である。
第5図は、以下の実施例4における非修飾ヘモグロビ
ンのC4グロビン鎖分析を示すクロマトグラムであり、ヘ
ム、ベータ鎖、及びアルファ鎖を示す。
第6図は、以下の実施例4における架橋ヘモグロビン
のC4グロビン鎖分析を示す、第5図と同様のクロマトグ
ラムである。
好ましい実施態様の説明 本発明で使用するに好ましいジ/トリ−サッカライド
は、トリサッカライドであるラフィノースであり、従っ
て、説明を明解にするために、特にラフィノースの使用
に関して以下本発明を説明する。ただし、これはジ/ト
リ−サッカライドの好ましい一つの選択肢であって、本
発明がこれに限定されるものと解釈してはならないもの
と理解すべぎである。その他の適切なトリサッカリドに
は、プランテオース、マンニノトリオース、ガラクトト
リオース、ゲンチアノース、メレジトース、o−アルフ
ァ−D−ガラクトピラノシル−(1−6′)−マンノビ
オース、マルトトリオース、及びセロトリオースが含ま
れる。適切なジサッカライドには、スクロース、ラクト
ース、マルトース、イソマルトース、セラビオース、メ
リビオース、プランテオビオース、ガラクトビオース、
ゲンチアビオース、ツラノース及びマンノビオースが含
まれる。本発明は、ここに具体的に述べたジ/トリ−サ
ッカライドの使用に限定されるものと解釈されてはなら
ない。
好ましくは、例えば過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素
酸カリウムなど、過ヨウ素酸塩のような強酸化剤を用い
る溶液反応によって、ラフィノースを酸化的に開環させ
る。この酸化反応は非常に低いpHで起こる。この反応が
行われた後、適当な緩衝液によって溶液をpH5.0−7.0、
好ましくはpH6.0−6.5に調整する。pH調整によって塩類
が生じる場合、これがその後のヘモグロビンとの反応を
邪魔するかも知れないので、これをこの階段で、例えば
結晶化、混合床イオン交換、ゲル透過クロマトグラフィ
ー、逆浸透膜などによって除去することが好ましい。燐
酸緩衝液は効果的ではあるが、避ける方が好ましい。な
ぜなら、溶液中に残留する燐酸イオンがその後の架橋反
応を妨げることが有り得るからである。得られた生成物
は、好ましくは緩衝液で約pH6.0にした水溶液中に蓄え
て、使用に備えることができる。適切な緩衝液は、pH6
−7の範囲に緩衝するものであり、それには、MES(2
−[N−モルホリノ]エタンスルホン酸);BIS−TRIS
(ビス[2−ヒドロキシエチル]イミノ−トリス[ヒド
ロキシメチル]メタン);ADA(N−[2−アセタミド]
−2−イミノジ酢酸);ACES(2−[(2−アミノ−2
−オキソエチル)アミノ]エタンスルホン酸);PIPES
(ピペラジン−N,N′−ビス[2−エタンスルホン
酸]);MOPSO(3−[N−モルホリノ]−2−ヒドロキ
シプロパンスルホン酸);BIS−TRIS PROPANE(1,3−ビ
ス[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]プロパ
ン);BES(N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−
アミノエタンスルホン酸);MOPS(3−[N−モルホリ
ノ]プロパンスルホン酸);TES(N−トリス[ヒドロキ
シメチル]メチル−2−アミノエタンスルホン酸);HEP
ES(N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N′−
[2−エタンスルホン酸])が含まれ、これらの内でBI
S−TRIS及びBIS−TRIS PROPANEが最も好ましい。
ラフィノース反応溶液の燐酸による緩衝は、反応効率
の点から最も避けるべきである。開環ラフィノースポリ
アルデヒド生成物によるその後のヘモグロビンの架橋反
応に際して、架橋剤は特定的にDPG結合個所で反応する
が、燐酸塩もまたこの個所で作用するであろう。従っ
て、燐酸塩を避けることによって、種間の反応競合が避
けられ、得られる化学生成物について収量が高くなり、
反応が早く、制御が優れることになる。
この反応の化学的な進行過程を、添付図面における第
1図に模式的に示す。pHを適切に制御しない場合は、o
−ラフィノースは部分的に加水分解されて、o−スクロ
ース及びo−ガラクトースの混合物を形成し、ある条件
のもとではさらに小さな酸化断片となる。生じるジアル
デヒド及びテトラアルデヒドの混合生成物は、その非均
質性及び非再現性から望ましからぬ混合物であるばかり
でなく、また、ヘモグロビンに対して反応性が低く、従
って、良好な物質収量を得るためには大量の使用が必要
となる。o−スクロースを用いるヘモグロビンの架橋
は、本発明の範囲内で効果的であり、有用ではあるが、
o−ラフィノースの場合よりも緩慢に、異なる特異性を
もって進む。
本発明方法に用いるヘモグロビンは、ヒトの赤血球か
ら導かれたヘモグロビンであることが好ましい。しか
し、本発明は、動物のヘモグロビン、特にウシのヘモグ
ロビン、ヒツジのヘモグロビン、及びそれらに類する他
の種類のヘモグロビンに適用して、血液代用品の基質と
することもできる。ヒトの患者に投与するための血液代
用品の基質を形成させるためには、現在のところ、ヒト
のヘモグロビンを選択することが好ましい。
本発明で使用するには、ヘモグロビンは既知の標準技
法に従って回収し、調製することができる。すなわち、
赤血球を溶解せしめ、遠心分離、濾過などの標準技法に
よって細胞の残屑及び間質を除去する。最も好ましい組
成及び総合的性質を備えた製品を得るためには、ヘモグ
ロビン濃度が2−14重量%のヘモグロビン溶液を用いる
ことが好ましい。最終製品の毒性を回避するためには、
ヘモグロビンの純度は実質的に達成可能な高さとするべ
きであろう。最終の精製はクロマトグラフィーによって
行うことが適当である。
ヘモグロビンは、通常デオキシヘモグロビンと名付け
られるT−構造(tight conformation)、あるいは、オ
キシヘモグロビンと名付けられるR−構造(relaxed co
nformation)で自然界に存在する。デオキシヘモグロビ
ンの酸素結合特質の方がいっそう望ましい特質である。
なぜなら、これは、自然の血液赤血球内のヘモグロビン
が自然にとる構造だからである。従って、本発明の方法
はデオキシヘモグロビンについて行うことが好ましく、
ラフィノースの開環によって誘導されるポリアルデヒド
による架橋反応は、ヘモグロビンをT−構造に安定化さ
せるに役立つ。しかし、何らかの理由でR−構造のヘモ
グロビンを用いて出発することを選ぶ場合は、本発明に
よる架橋反応は、ヘモグロビンを一貫してR−構造に安
定化する。
架橋剤との反応に先だって、既知の技法に従って、ヘ
モグロビン溶液を窒素などの非酸化性ガスで処理するこ
とによって、ヘモグロビンの脱酸素化を実施してデオキ
シヘモグロビンを形成させることが好ましい。前述のシ
ャー特許に述べられているものを含めて、一部の先行技
術の方法工程では、オキシヘモグロビンの最後の痕跡を
除去するために、ヒドロ亜硫酸ナトリウムのような還元
剤の使用が教示されている。このような技法は本発明で
は好ましくない。なぜなら、残存ヒドロ亜硫酸塩の存在
が四量体ヘモグロビン単位のo−ラフィノース誘導オリ
ゴマー化を阻止することが知られたからである。従っ
て、このようにしてデオキシヘモグロビンへの完全な変
換が行われるに十分な長期間、窒素気流下にこの処理を
継続し、その後に適切な脱ガスを行うことが好ましい。
デオキシヘモグロビン水溶液を、このようにして形成
されたポリアルデヒド架橋剤と反応させるには、水溶液
中で、4−40℃の範囲内の温度で、2−96時間、好まし
くは約24時間の期間、行うのが適当である。ヘキサアル
デヒドの加水分解及び分解の危険を避けるために、反応
溶液は、好ましくはBIS−TRIS緩衝溶液系を用いて、7.5
を越えないpH、好ましくは5.0−7.0の範囲内に調整す
る。先にも述べたように、ポリアルデヒドのヘモグロビ
ンに対するモル比は、o−ラフィノース対ヘモグロビン
を基準にして、1:1−4:1、好ましくは約2.5:1−3.51の
化学量である。デオキシヘモグロビンの濃度は、1−15
%(W/V)が適当であり、5−10% (W/V)の範囲内が
好ましい。
ヘモグロビンのヘキサアルデヒドとの反応では、ヘモ
グロビン鎖のアミノ基が架橋剤のアルデヒド基と反応す
るが、その結果、シッフ塩基結合が形成される。このも
のは可逆的結合である。この結合生成物は、効果的に、
非架橋ヘモグロビン及び架橋剤との平衡状態に入る。こ
れを、添付図面の第2図に模式的に示す。ここで、この
結合は、安定かつ非可逆的な第1級アミン結合に還元し
て、血液代用品を目的とするヘモグロビンの架橋結合を
完成させる必要がある。還元剤は、架橋反応が実質的に
完了した後に反応混合物に加えることが好ましい。例え
ば前述のシャー特許のような先行技術では、この還元剤
として水素化ホウ素ナトリウムの使用が推奨されている
が、本発明の好ましい態様では、この還元剤としてボラ
ン・ジメチルアミンを用いる。これは、先行技術に比べ
て、水素化ホウ素ナトリウムを用いる場合に生じるよう
な、また、方法の制御及び一般的実施における難点を招
くようなガス状水素の発生を回避できる点で、著しく有
利である。ボラン・ジメチルアミンの使用は、この点に
関して顕著な改善である。その他の水溶性ボラン・低級
アルキルアミン系還元剤として、ボラン−tert−ブチル
アミン、ボラン−アンモニア、ボラン−ジメチルアミ
ン、ボラン−トリメチルアミン、及びボラン−トリエチ
ルアミンなどを用いることもできるが、これらに限定さ
れるものではない。その他の使用可能な、ただし好まし
さにおいて劣る還元剤に、ナトリウム・シアノボロハイ
ドライドがある。
架橋反応及び未反応アルデヒド基の還元反応に際して
形成されるシッフ塩基の還元は、水溶液中で、2−25℃
の温度で、2−36時間、好ましくは24時間適切に行う必
要がある。反応混合物は、緩衝溶液によってpH5−8、
好ましくは6.5−7.0に調整することが適当である。還元
剤の、イミン基及びアルデヒド基の合計に対するモル比
は、還元剤の、架橋結合反応を開始させるために加える
アルデヒド基に対する化学量を基準にして、2:1ないし
5:1、好ましくは2.5:1ないし3.5:1の範囲内である。
ボラン・ジメチルアミンによる還元によって架橋反応
生成物の安定化が完了した後、この生成物を一酸化炭素
で処理して、貯蔵目的でのヘモグロビンの保護複合体を
形成させることが適当である。この一酸化炭素処理は、
得られた反応溶液中に、反応温度で一酸化炭素を通過さ
せることによって行うことが好都合であるが、この処理
の後、残存還元剤及びその他の残存反応剤を適切に除去
するために、混合物を膜濾過することが好ましい。残存
緩衝液は、ゲル透過クロマトグラフィーによって除去す
ることができる。残存非架橋ヘモグロビンを除去するた
めに必要な場合、塩化マグネシウムを添加して、非架橋
四量体ヘモグロビンを解離させ、続いて残屑を除去する
ために膜濾過することができる。得られた物質は、使用
時まで滅菌条件のもとに貯蔵に備える。
最も好ましい具体的態様の詳細な説明 以下、本発明を、具体的な、ただし非限定的な実施例
の記述によってさらに説明する。
実施例1 過ヨウ素酸酸化ラフィノースの調製 氷浴上で4−10℃に冷却したラフィノース(76グラ
ム、0.128モル)の滅菌水(1リットル)中溶液に、固
体状のm−過ヨウ素酸ナトリウム(181グラム)小量ず
つ加え、添加速度の調整と氷浴冷却とによって温度を<
15℃に維持した。m−過ヨウ素酸ナトリウムの最終添加
の後、酸化反応完結のために溶液を10−15℃に維持し、
2−24時間攪拌した。次いで、溶液を4℃に冷却し、次
いで、重亜硫酸ソーダの注意深い添加によって過剰の過
ヨウ素塩酸を中和した。次に、溶液のpHを10N NaOH(10
0ミリリットル)によって調整し、固体BIS−TRISを加え
(最終濃度を20mMとする)、注意深くpHを5.0に調整し
た。溶液を4℃で16−24時間蓄えて結晶化を促すことに
よって、部分的脱塩を行わせ、酸化ラフィノースを含む
透明な上澄液を傾瀉し、濾過した。溶液の最終pHを注意
深く5.9+/−0.1に調整した。
反応溶液をpH6.1に21時間蓄えた画、上記工程による
生成物をHPLC分析に付し、その結果を第3図に示す。開
環サッカライド生成物、すなわち、ヘキサアルデヒド体
のo−ラフィノースに関して単一ピークが一つだけ存在
することは注目に値し、生成物の均質性ならびにアルカ
リ加水分解生成物の不存在を示す。クロマトグラム上の
限られたその他の顕著なピークは、塩類とギ酸に関する
もので、これらは容易に除去できる。
このo−ラフィノースは、a)混合床イオン交換樹
脂、b)サイズ排除クロマトグラフィー、又はc)逆浸
透膜を用いて脱塩することにより、さらに精製すること
ができる。
実施例2 混合床イオン交換樹脂クロマトグラフィーによるo−ラ
フィノースの精製 o−ラフィノース溶液(20ミリリットル、pH5.65)に
6N HCLを滴加して、pH1.6に調整し、次いでこの溶液
を、30ミリリットルのBiorad AG 501−8(D)分析純
度混合床樹脂中に通した。溶離液を集め、精製した試料
を凍結乾燥して、白色固体状の結晶性生成物を得た。
実施例3 ヘモグロビンのo−ラフィノースによる制御された架橋
結合及びそれに続くジメチルアミン・ボランによる還元
のための改良方法 精製したヒトのヘモグロビンの、50mM BIS−TRIS緩衝
溶液(pH6.5)中溶液(8%W/V)30ミリリットルを、室
温で攪拌を続けながら、約4−6時間加湿窒素ガス流を
送ってデオキシヘモグロビンに変換した。脱ガスした開
環酸化ラフィノース(112.5μモル)をこれに加えて、
架橋結合反応及びオリゴマー化反応を開始させた。24時
間後、3M酢酸ナトリウムをこれに加えて最終濃度を30mM
とし、次いで、1.3ミリリットルの脱ガス水に溶解した
2.25ミリモルのジメチルアミン・ボランを用いて還元を
行った。この還元を一夜進行させた。
反応の進行過程はFPLCによって監視した。その結果を
第4図に模式的に示す。ピーク1は、混合物中に存在す
るヘモグロビン二量体小単位(32キロドールトン)に由
来するもので、明らかにその数は少ない。ピーク2は、
混合生成物の約40%を構成する四量体(64キロドールト
ン)架橋結合ヘモグロビンに由来する。ピーク3は、二
量体(128キロドールトン)に由来し、ピーク4は、平
均分子量約380キロドールトンのオリゴマー状ヘモグロ
ビン単位に由来する。混合生成物が600キロドールトン
より高い分子量の区分を含んでいないことは注目に値す
る。
実施例4 架橋結合工程の特異性の実証 架橋結合反応の進行を監視するために、それぞれ1時
間、2.5時間及び23時間の架橋反応の後に、o−ラフィ
ノース:Hb溶液を、酢酸ナトリウムの存在下、ジメチル
アミン・ボランで還元した。0.5M塩化マグネシウムの移
動相を用いるSuperdex(Pharmacia)ゲル透過による分
離用サイズ排除クロマトグラフィーによって、安定化さ
れた架橋結合64キロドールトン区分を単離した。
塩化マグネシウム溶液の効果は、非架橋結合四量体ヘ
モグロビンをアルファ−ベータ二量体(32キロドールト
ン)に解離させることにある。塩化マグネシウムは架橋
結合ヘモグロビンを解離させない。このようにして、分
析目的のために、架橋ヘモグロビンを非架橋ヘモグロビ
ンから分離することができる。
架橋結合64キロドールトン化合物のヘム鎖及びグロビ
ン鎖は、孔径330オングストロームのC4 Vydacカラム
(分析用250x4.6ミリメートル、分離用250x10ミリメー
トル;The Separations Group,Hesperia CA)を用いる逆
相PLCによって分離し、分離のためには、0.1%トリフル
オロ酢酸及び、38%から60%に至る種々の濃度勾配のア
セトニトリルを含む展開剤を用いた。流出液は、220ノ
ナメーターで監視し、グロビン鎖は凍結乾燥によって流
出液から回収した。
同様にして、非架橋、非修飾ヘモグロビンのヘム鎖及
びグロビン鎖を分離した。
添付図面の第5図は、非修飾ヘモグロビンの逆相グロ
ビン鎖クロマトグラフィーを示し、第6図は、修飾架橋
ヘモグロビンのそれを示す。それぞれの場合、ヘモグロ
ビン分析に精通した人たちに容易に認識できるように、
また、それらの参考刊行物から容易に推論できるよう
に、ピーク1はヘムを示し、ピーク2は非修飾ベータ−
グロビン鎖を示し、ピーク3は非修飾アルファ−鎖を示
し、ピーク4はほとんどが修飾されたベータ−二量体を
示し、ピーク5はほとんどが修飾されたアルファ−二量
体を示す。第5図と第6図とを比較すれば、本発明によ
る架橋結合反応は、ベータ−二量体について、すなわ
ち、ヘモグロビン四量体単位のベータ−鎖において起こ
っていることを容易に知り得る。
修飾(架橋)の特定位置を決定するために、第5図の
ピーク(区分)2、第6図のピーク(区分)3及びピー
ク(区分)4で示されるグロビン鎖を、以下のように、
トリプシンによる酵素的加水分解に、続いてペプチド分
析に付した。
グロビン鎖の酵素的加水分解 単離したグロビン鎖をまず8M尿素に溶解し(加水分解
への感受性を増すために)、室温に2−4時間維持し
た。この溶液を、pH8.5の90mM重炭酸アンモニウムで2M
尿素まで希釈した。トリプシン(全タンパク質の2%)
をこれに加え、溶液を室温で18−20時間消化させた。次
いでトリプシン加水分解物を沸騰水中で2分間加熱し、
80mM重炭酸アンモニウム緩衝液で1M尿素まで希釈し、室
温でさらに18−72時間エンドプロテイナーゼGlu−C
(全タンパク質の1%)で消化させた。加水分解物を遠
心分離にかけ、あるいは濾過した後、HPCLカラムに注入
した。
ペプチド分析 Vydac C18カラム(25x0.46センチメーター;The Separ
ations Group,Hesperia,CA)による逆相HPLCによってペ
プチド片を分離した。分離は、0.1%TFA及び、0%から
100%に至る勾配濃度のアセトニトリルからなる展開剤
を用いて、100分間にわたって行った。ペプチド片を検
知するために、溶離液を220ナノメーターで監視した。
トリプシンは、遊離第1級アミン基を有するリジン残
基のところでタンパク質鎖を特異的に開裂させる。この
ものは、その反応において、ヘモグロビンではリジン残
基あるいは末端アミノ酸基からのみ誘導され得る第1級
アミン基に対して特異的である。ヘモグロビンのグロビ
ン鎖のアミノ酸配列は既知である。従って、第5図の区
分2及び第6図の区分4についての、逆相HPLCを用いる
トリプシン消化物のペプチド分析から、架橋結合は、ベ
ータ−鎖のリジン−82(その全てが区分4試料から消失
している)、及びベータ−鎖からの末端バリン基(その
半分が区分4から消失している)に対して特異的である
ことが示された。
ヘモグロビンのベータ−鎖におけるリジン−82は、先
行技術から、ヘモグロビンの2,3−ジホスホグリセレー
ト結合位置に位置していることが知られている。従っ
て、本発明方法による、ベータ−リジン−82を用いる、
DPG結合位置における架橋結合の特異性が実証され、証
明される。
実施例5 過ヨウ素酸酸化スクロースの調製 実施例1に記載の手順に従って、50ミリリットルの滅
菌水に溶解した3.8グラム(11.1ミリモル)のスクロー
ス、及び10.4グラムの固体状m−過ヨウ素酸ナトリウム
を用いて、過ヨウ素酸酸化ラフィノースの調製を行っ
た。
実施例6 o−スクロースによるヘモグロの制御された架橋結合反
応及びそれに続くボラン・ジメチルアミン還元 精製したヒトのヘモグロビンの、50mM BIS−TRIS緩衝
溶液(pH6.5)中溶液(8%W/V)30ミリリットルを、攪
拌を続けつつ、室温で加湿窒素ガス気流を約4−6時間
通じながら、デオキシヘモグロビンに変換した。脱ガス
した開環酸化スクロース(115ミリモル)をこれに加え
て架橋反応を開始させた。24時間後、3M酢酸ナトリウム
をこれに加えて、最終濃度を30mMとした。その後、架橋
生成物を、0.8ミリリットルの脱ガス水に溶解した1.44
ミリモルのボラン・ジメチルアミンで還元した。この還
元反応を一夜進行させた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エル,ソン スウィー カナダ国、エム1エス 1ダブリュー 4、オンタリオ、スカーボロフ、マナー グレンクレセント 56 (56)参考文献 国際公開92/9630(WO,A)

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶液中で血液代用品における酸素運搬成
    分として用いるにこれまでより適したものとなるように
    ヘモグロビンを化学的に修飾する方法において、その方
    法が: (a)ジ/トリ−サッカライドを酸化的開環工程に付し
    て、それからポリアルデヒドを生成させ、 (b)得られた生成物の溶液のpHを、約pH5.0ないしpH
    7.0の範囲内の値に調整し、維持することによって、生
    成したポリアルデヒドの実質的加水分解を阻止し、 (c)この工程(b)の生成物を、ジ/トリ−サッカラ
    イド及びヘモグロビン四量体を基準にして、約1:1−4:1
    の化学量比で、溶液中のヘモグロビンと反応させ、 (d)形成されたシッフ塩基結合を第2級アミン結合に
    まで還元し、かつ、 (e)形成された修飾ヘモグロビンを回収する ことを包含する、ヘモグロビンの化学的修飾方法。
  2. 【請求項2】ジ/トリ−サッカライドがトリサッカライ
    ドである、請求項1の方法。
  3. 【請求項3】トリサッカライドがラフィノースである、
    請求項2の方法。
  4. 【請求項4】ヘモグロビンがデオキシヘモグロビンであ
    る、請求項3の方法。
  5. 【請求項5】有効量の還元剤の不存在下に、ヘモグロビ
    ンの脱酸素反応を実質的に完了させるに十分な条件のも
    とで、ヘモグロビンを不活性ガスと接触させることによ
    って脱酸素反応に付する初期工程を含んだ、請求項4の
    方法。
  6. 【請求項6】デオキシヘモグロビンが実質的完全にヒド
    ロ亜硫酸ナトリウム及びその残屑を含まない、請求項5
    の方法。
  7. 【請求項7】ヘモグロビンがヒトのヘモグロビンであ
    る、請求項1の方法。
  8. 【請求項8】ヘモグロビンが最初はT−構造であり、ポ
    リアルデヒドとの反応によって前記T−構造に安定化さ
    れる、請求項1の方法。
  9. 【請求項9】高酸性条件のもとで、過ヨウ素酸ナトリウ
    ム又は過ヨウ素酸カリウムとの反応によってラフィノー
    スの酸化的開環を行わせる、請求項5の方法。
  10. 【請求項10】反応生成物溶液をその後、燐酸塩不含緩
    衝溶液を用いてpH5.0−7.0に調整し、そのpH範囲に維持
    してその後の使用に備える、請求項9の方法。
  11. 【請求項11】緩衝溶液がBIS−TRIS緩衝溶液系であ
    る、請求項10の方法。
  12. 【請求項12】行程(c)においてジ/トリ−サッカラ
    イドのヘモグロビン四量体に対する化学量が約2.5:1な
    いし3.5:1である、請求項1の方法。
  13. 【請求項13】第1級アミン結合を形成させるための還
    元を、ボラン・ジメチルアミンを用いる還元によって行
    わせる、請求項1の方法。
  14. 【請求項14】ジ/トリ−サッカライドがジサッカライ
    ドである、請求項1の方法。
  15. 【請求項15】ジサッカライドがスクロースである、請
    求項14の方法。
  16. 【請求項16】本質的に約40%の四量体ヘモグロビン単
    位、0ないし5%の二量体ヘモグロビン単位からなり、
    その残余分が、分子量64,000−500,000ドールトンのオ
    リゴマー状ヘモグロビン単位であり、分子量が600,000
    ドールトンより大きいポリマー状ヘモグロビン単位を含
    まず、四量体及びオリゴマー状のヘモグロビン単位が、
    DPG結合位置におけるリジン−82において、それぞれの
    β−グロビン鎖の間で化学的に架橋結合しているよう
    な、化学的に修飾された架橋結合ヘモグロビン。
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