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JP2024127326A - シートベルト用リトラクタ - Google Patents

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JP2024127326A JP2023036423A JP2023036423A JP2024127326A JP 2024127326 A JP2024127326 A JP 2024127326A JP 2023036423 A JP2023036423 A JP 2023036423A JP 2023036423 A JP2023036423 A JP 2023036423A JP 2024127326 A JP2024127326 A JP 2024127326A
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太郎 横山
智 角中
昂辰 井尻
紀子 藏内
絵里 藤原
大輝 土方
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Ashimori Industry Co Ltd
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Abstract

【課題】衝撃エネルギー吸収ワイヤを用いた構成において、衝撃エネルギー吸収時のウエビングの引き出し量を細かく調整することができるシートベルト用リトラクタを提供する。【解決手段】シートベルト用リトラクタは、巻取ドラム、ロッキングベース4D、少なくとも1つの衝撃エネルギー吸収ワイヤ4Bを含む。巻取ドラムとロッキングベース4Dとは衝撃エネルギー吸収部材によって連結され、巻取ドラムには衝撃エネルギー吸収ワイヤ4B用の少なくとも1つのスロットが設けられている。ロッキングベース4Dには、巻取ドラムの回転中心を中心とする周方向に互いに離間する、前記スロットの数よりも多い3つ以上の保持部54が設けられている。これらの保持部54のうちの少なくとも1つに衝撃エネルギー吸収ワイヤ4Bの頭部43が取り付けられている。【選択図】図4

Description

本発明は、車両衝突時等の緊急時に、ウエビングが引き出されつつ乗員の衝撃エネルギーを吸収可能、かつ、ウエビングの引き出し量を制限可能なシートベルト用リトラクタに関する。
従来から、車両の緊急時にウエビングの引き出しを防止するシートベルト用リトラクタが知られている。シートベルト用リトラクタでは、ウエビングを巻き取る巻取ドラムがハウジングの一対の側壁の間に回転可能に収容される。
例えば、特許文献1には、衝撃エネルギー吸収部材であるトーションバーと、略コ字状に形成された衝撃エネルギー吸収ワイヤ(特許文献1では「ベンディングエレメント」と称呼)を含むシートベルト用リトラクタが開示されている。
具体的に、特許文献1のシートベルト用リトラクタでは、巻取ドラム(特許文献1では「スピンドル」と称呼)が一方の端面に開口する中心穴を有し、巻取ドラムの一方の端面に対向するようにロッキングベース(特許文献1では「トレッドヘッド」と称呼)が配置されている。トーションバーは巻取ドラムの中心穴内に挿入され、ロッキングベースと反対側の一端側が巻取ドラムと相対回転不能に結合され、他端側がロッキングベースと相対回転不能に結合されている。トーションバーは、車両の緊急時に捩れによる塑性変形によって衝撃エネルギーを吸収する。
さらに、巻取ドラムには、ロッキングベースと対向する一方の端面に開口する2つの収納溝が、当該巻取ドラムの回転中心回りに180度間隔で設けられている。略コ字状の衝撃エネルギー吸収部材は、互いに平行な両端部と、それらの両端部を連結する中央部を含み、両端部が巻取ドラムの収容溝内に、当該両端部における前記中央部側の基端部が張り出す状態でそれぞれ収容されている。一方、ロッキングベースには保持部として2つの貫通孔が設けられており、これらの貫通孔に衝撃エネルギー吸収ワイヤの両端部の基端部が挿入によって取り付けられている。衝撃エネルギー吸収ワイヤは、車両の緊急時に両端部が収容溝から塑性変形しながら引き出されて衝撃エネルギーを吸収する。
また、特許文献2には、トーションバーおよび1つの衝撃エネルギー吸収ワイヤ(特許文献2では「エネルギー吸収ピン」と称呼)に加えて、トーションバーの衝撃エネルギー吸収時の巻取ドラム(特許文献2では「スプール」と称呼)とロッキングベースとの相対回転の許容量を規定するストッパ部材を含むシートベルト用リトラクタが開示されている。
ストッパ部材は、巻取ドラムの中心穴内に、巻取ドラムと相対回転不能かつ巻取ドラムの軸方向に移動可能に保持されている。ロッキングベースは巻取ドラムと同軸上の軸部を有し、この軸部の外周面に雄ネジが形成されており、この雄ネジにストッパ部材が螺合している。車両の緊急時にはストッパ部材によって巻取ドラムとロッキングベースの相対回転が所定量で規制される。これにより、ウエビングの引き出し量が制限され、乗員が所定距離以上に前方へ移動することが防止される。
特許第5339042号公報 特開2020-104777号公報
特許文献2のようにシートベルト用リトラクタがストッパ部材を含む場合、巻取ドラムの軸方向におけるストッパ部材の初期位置を調整して、衝撃エネルギー吸収時のウエビングの引き出し量を調整することが望まれる。しかしながら、特許文献2の構造では、衝撃エネルギー吸収ワイヤが巻取ドラムとロッキングベースとに跨って延びているため、巻取ドラムに対するロッキングベースの取付角度を変更することができない。なお、衝撃エネルギー吸収ワイヤがなければ、巻取ドラムに対するロッキングベースの取付角度を変更することで、巻取ドラムの軸方向におけるストッパ部材の初期位置を調整することができる。
そこで、特許文献1のシートベルト用リトラクタのロッキングベースのように、特許文献2のロッキングベースに180度間隔で2つの保持部を設けることが考えられるが、この場合には、巻取ドラムに対するロッキングベースの取付角度を180度でしか変更できず、ウエビングの引き出し量を細かく調整することができない。
そこで、本発明は、衝撃エネルギー吸収ワイヤを用いた構成において、衝撃エネルギー吸収時のウエビングの引き出し量を細かく調整することができるシートベルト用リトラクタを提供することを目的とする。
本発明は、互いに対向する一対の側壁を含むハウジングと、ウエビングを巻き取る、前記一対の側壁の間に前記ウエビングの巻取方向と引出方向に回転可能に収容された巻取ドラムであって、少なくとも一方の端面に開口する中心穴を有する巻取ドラムと、前記巻取ドラムの前記一方の端面と対向するように配置される、車両の緊急時に前記引出方向への回転が阻止されるロッキングベースであって、前記巻取ドラムと同軸上の軸部の外周面に雄ネジが形成されたロッキングベースと、一端側が前記巻取ドラムに結合されるとともに、他端側が前記ロッキングベースに結合されて、通常時に前記巻取ドラムと前記ロッキングベースとを一体的に回転可能に連結するとともに、前記ロッキングベースの前記引出方向への回転が阻止された状態で前記ウエビングの引出力が所定値を超える場合に塑性変形して、前記巻取ドラムと前記ロッキングベースとの相対回転を許容しつつ衝撃エネルギーを吸収する衝撃エネルギー吸収部材と、前記巻取ドラムに設けられた、前記巻取ドラムの前記一方の端面に開口する少なくとも1つのスロット内に収容されるとともに、前記スロットの開口から張り出す頭部が前記ロッキングベースに取り付けられ、前記巻取ドラムと前記ロッキングベースとの相対回転時に前記開口から塑性変形しながら引き出されて衝撃エネルギーを吸収する少なくとも1つの衝撃エネルギー吸収ワイヤと、前記中心穴内に、前記巻取ドラムと相対回転不能かつ前記巻取ドラムの軸方向に移動可能に保持されるとともに、前記ロッキングベースの前記雄ネジに螺合して、前記衝撃エネルギー吸収部材の衝撃エネルギー吸収時の前記巻取ドラムと前記ロッキングベースとの相対回転の許容量を規定するストッパ部材と、を備え、前記ロッキングベースには、前記巻取ドラムの回転中心を中心とする周方向に互いに離間する、前記スロットの数よりも多い3つ以上の保持部が設けられており、これらの保持部のうちの少なくとも1つに前記少なくとも1つの衝撃エネルギー吸収ワイヤの頭部が取り付けられている、シートベルト用リトラクタを提供する。
本発明によれば、衝撃エネルギー吸収ワイヤを用いた構成において、衝撃エネルギー吸収時のウエビングの引き出し量を細かく調整することができるシートベルト用リトラクタが提供される。
本発明の一実施形態に係るシートベルト用リトラクタの斜視図である。 図1に示すシートベルト用リトラクタの分解斜視図である。 図1に示すシートベルト用リトラクタの断面図である。 図3のIV-IV線に沿った断面図である。 図3のV-V線に沿った断面図である。 巻取ドラムユニットの一部の分解斜視図である。 巻取ドラムユニットの残り及びシンクロギヤの分解斜視図である。 巻取ドラムの斜視図である。 ロッキングベースの断面図である。 駆動輪の斜視図である。 ロッキングベース本体およびロック部材の分解斜視図である。 ロッキングベース本体およびロック部材を反対側から見たときの分解斜視図である。 (a)はロック部材が非係合位置に位置するときの復帰バネの状態を示し、(b)はロック部材が係合位置に位置するときの復帰バネの状態を示す。
図1および図2に、本発明の一実施形態に係るシートベルト用リトラクタ1を示す。このシートベルト用リトラクタ1は、車両衝突時などの緊急時にシートベルトであるウエビング10の引き出しを防止するものである。
具体的に、シートベルト用リトラクタ1は、ハウジング2、巻取バネユニット1A、巻取ドラムユニット1B、プリテンショナ1Cおよびロックユニット1Dを含む。巻取ドラムユニット1Bは、ウエビング10を巻き取る巻取ドラム3を含み、ハウジング2は、巻取ドラム3の軸方向で互いに対向する第1側壁21および第2側壁22を含む。
巻取ドラム3は、第1側壁21および第2側壁22の間にウエビング10の巻取方向および引出方向に回転可能に収容されている。ハウジング2は、第1側壁21および第2側壁22と共に板金加工により形成された、第1側壁21および第2側壁22と垂直な背板23を含む。以下、説明の便宜上、巻取ドラム3の軸方向を左右方向(第1側壁21側を左方、第2側壁22側を右方)というとともに、背板23の厚さ方向を前後方向(側壁21,22側を前方、その反対側を後方)という。また、図1および図2の作図通りに、左右方向および前後方向と直交する方向の一方を上方、他方を下方という。
ハウジング2の第1側壁21および第2側壁22の前辺の下部同士および上部同士は連結バー24,25で連結されている。第1側壁21および第2側壁22には、巻取ドラム3が挿通される開口21a,22aがそれぞれ設けられている。また、背板23には、巻取ドラム3を露出させる開口23aが設けられている。
ハウジング2の第2側壁22には巻取バネユニット1Aが取り付けられ、第1側壁21にはプリテンショナ1Cが取り付けられている。ロックユニット1Dはプリテンショナ1Cに取り付けられている。
巻取ドラム3は、図3に示すように、ハウジング2の第1側壁21側の第1端面31と、第2側壁22側の第2端面32を有する。本実施形態では、巻取ドラム3が第2端面32から右方に突出する軸部33を有し、この軸部33が巻取バネユニット1Aに回転可能に支持されている。ただし、後述する衝撃エネルギー吸収部材4Aであるトーションバーが巻取ドラム3を貫通し、このトーションバーの右端部が巻取バネユニット1Aに回転可能に支持されてもよい。なお、巻取バネユニット1Aの構成は公知であるため、詳細な説明は省略する。
巻取ドラムユニット1Bは、巻取ドラム3の他に、図6および図7に示すように、ブッシュ3A、ベアリング3B、衝撃エネルギー吸収部材4A、衝撃エネルギー吸収ワイヤ4B、ストッパ部材4C、ロッキングベース4D、復帰バネ9Aおよび回転軸9Bを含む。
ロッキングベース4Dは、巻取ドラム3の第1端面31と対向するように配置されており、車両の緊急時に引出方向への回転が阻止される。ロッキングベース4Dは、ロッキングベース本体6と、ロッキングベース本体6に取り付けられた駆動輪5を含む。
ブッシュ3Aおよびベアリング3Bは、車両の緊急時にハウジング2に対する巻取ドラム3の相対位置がずれたとしても巻取ドラム3をスムーズに回転させるための非常手段である。図3に示すように、ブッシュ3Aは、巻取ドラム3における第2側壁22の開口22a内に位置する右端部に取り付けられ、ベアリング3Bは、巻取ドラム3における第1側壁21の開口21a内に位置する左端部に取り付けられる。さらに、ベアリング3Bは、巻取ドラム3とロッキングベース4Dが相対回転する際に駆動輪5と摺動する、巻取ドラム3の左端部の内側に折り返された折り返し部3Ba(図6参照)を含む。
巻取ドラム3は、当該巻取ドラム3の中心軸に沿って延びる中心穴30を有する。本実施形態では、中心穴30が有底であり、第1端面31のみに開口している。ただし、上述したように衝撃エネルギー吸収部材4Aであるトーションバーが巻取ドラム3を貫通する場合は、中心穴30は第1端面31だけでなく第2端面32にも開口してもよい。
本実施形態では、衝撃エネルギー吸収部材4Aが、巻取ドラム3の中心穴30内に挿入されたトーションバーである。衝撃エネルギー吸収部材4Aのロッキングベース4Dと反対側の一端側が巻取ドラム3と相対回転不能に結合されるとともに、他端側がロッキングベース4Dと相対回転不能に結合されている。
より詳しくは、トーションバーである衝撃エネルギー吸収部材4Aの一端側および他端側にはスプライン状の結合部41,42がそれぞれ設けられている。巻取ドラム3の中心穴30の底には、結合部41との結合用のスプライン状の凹みが設けられており、この凹みに結合部41が嵌合する。
衝撃エネルギー吸収部材4Aは、通常時に巻取ドラム3とロッキングベース4Dとを一体的に回転可能に連結するとともに、ロッキングベース4Dの引出方向への回転が阻止された状態でウエビング10の引出力が所定値を超える場合に塑性変形して、巻取ドラム3とロッキングベース4Dとの相対回転を許容しつつ衝撃エネルギーを吸収する。
衝撃エネルギー吸収ワイヤ4Bは、巻取ドラム3とロッキングベース4Dとが相対回転するときの初期に衝撃エネルギーを吸収するものである。本実施形態では、図8に示すように、巻取ドラム3に、第1端面31に開口する2つのスロット35が設けられている。本実施形態では、各スロット35が巻取ドラム3の外周面から斜めに凹む溝状であるが、スロット35は巻取ドラム3の軸方向に延びる穴であってもよい。
衝撃エネルギー吸収ワイヤ4Bは、一方のスロット35内に、頭部43(図6参照)がスロット35の開口36から張り出した状態で収納されている。衝撃エネルギー吸収ワイヤ4Bの頭部43はロッキングベース4Dに取り付けられている。衝撃エネルギー吸収ワイヤ4Bは、巻取ドラム3とロッキングベース4Dとの相対回転時に開口36から塑性変形しながら引き出されて衝撃エネルギーを吸収する。
ストッパ部材4Cは、衝撃エネルギー吸収部材4Aの衝撃エネルギー吸収時の巻取ドラム3とロッキングベース4Dとの相対回転の許容量を規定する。ストッパ部材4Cは、巻取ドラム3の中心穴30内に、巻取ドラム3と相対回転不能かつ左右方向に移動可能に保持される。
図6に示すように、ストッパ部材4Cは、トーションバーである衝撃エネルギー吸収部材4Aが挿通される筒状である。ストッパ部材4Cの内周面には雌ネジ47が形成されている。
本実施形態では、ストッパ部材4Cが、所定の角度間隔αで回転した複数の取付姿勢で巻取ドラム3の中心穴30内に挿入可能である。より詳しくは、ストッパ部材4Cは、環状部45と、環状部45から右方に突出する3つの爪部46を含む。一方、巻取ドラム3の中心穴30内には3つのガイド溝34が設けられている。3つのガイド溝34に3つの爪部46がそれぞれ嵌合することで、ストッパ部材4Cが巻取ドラム3に、巻取ドラム3と相対回転不能かつ左右方向に移動可能に保持される。また、3つの爪部46および3つのガイド溝34は等角度間隔で設けられているため、爪部46とガイド溝34の位置が一致する限りどのような角度位置でもストッパ部材4Cが巻取ドラム3の中心穴30内に挿入可能である。つまり、上述した所定の角度間隔αは120度であり、ストッパ部材4Cの取付姿勢の数は3つである。
ただし、爪部46およびガイド溝34の数は変更可能であり、この場合、所定の角度間隔αおよびストッパ部材4Cの取付姿勢の数は爪部46およびガイド溝34の数に応じて変化する。また、ストッパ部材4Cが爪部46を含む代わりに、ストッパ部材4Cの外形の断面形状および巻取ドラム3の中心穴30の左端部の断面形状が多角形状であってもよい。あるいは、ストッパ部材4Cが1つの取付姿勢のみで巻取ドラム3の中心穴30内に挿入されてもよい。
図3および図9に示すように、ロッキングベース4Dは、上述した駆動輪5から右方に突出する、巻取ドラム3と同軸上の軸部72aを有し、この軸部72aの外周面にストッパ部材4Cの雌ネジ47が螺合する雄ネジ73が形成されている。本実施形態では、図3に示すように、巻取ドラム3とロッキングベース4Dとの相対回転時にストッパ部材4Cが駆動輪5から離間する位置から駆動輪5に当接する位置まで移動することで、巻取ドラム3とロッキングベース4Dの相対回転が所定量で規制される。
駆動輪5は、図7および図10に示すように、断面六角形状の嵌合穴を有する本体部51と、本体部51の外周面に形成された複数の歯52と、歯52の右方で本体部51から径方向外向きに突出する環状のフランジ53と、フランジ53から右方に突出するリング状のリブ55を含む。
図3に示すように、駆動輪5のフランジ53は巻取ドラム3の第1端面31と対向する。フランジ53には、巻取ドラム3の回転中心を中心とする周方向に互いに離間する複数の保持部54が設けられている。保持部54の数は、上述したスロット35の数よりも多く、3つ以上である。
本実施形態では、6つの保持部54が等角度間隔で設けられている。つまり、保持部54が互いに離間する角度間隔βは60度である。これらの保持部54の1つに上述した衝撃エネルギー吸収ワイヤ4Bの頭部43が取り付けられる。上述したように本実施形態ではストッパ部材4Cの取付姿勢に関する角度間隔αが120度であるので、保持部54の角度間隔βは角度間隔αよりも小さい。
本実施形態では、各保持部54が、径方向外向きに開口する溝である。衝撃エネルギー吸収ワイヤ4Bの頭部43は、フランジ53に対して巻取ドラム3とは反対側に位置する、保持部54である溝の幅よりも大きな抜け止め部44(図6参照)を有する。
図3に示すように、本実施形態では、駆動輪5は巻取ドラム3の第1端面31にリブ55によって当接する。衝撃エネルギー吸収ワイヤ4Bは、リブ55に巻き付けられながらスロット35の開口36から引き出される。また、巻取ドラム3とロッキングベース4Dが相対回転する際には、巻取ドラム3の軸方向では駆動輪5のリブ55が巻取ドラム3の第1端面31と接触するとともに、巻取ドラム3の径方向では駆動輪5のフランジ53の外周が、巻取ドラム3に取り付けられたベアリング3Bの折り返し部3Baと接触しつつ、巻取ドラム3と駆動輪5が相対回転する。
さらに、本体部51の内周面からは環状のフランジ56が突出している。このフランジ56は、ストッパ部材4Cと当接する部分である。このようにストッパ部材4Cをロッキングベース本体6の段差部ではなく駆動輪5のフランジ56に当接させることで、ストッパ部材4Cとの当接面積を大きく確保することができる。
プリテンショナ1Cは、車両の緊急時に駆動輪5、ロッキングベース本体6および衝撃エネルギー吸収部材4Aを介して巻取ドラム3を巻取方向に回転させる。プリテンショナ1Cは、図2~4に示すように、ハウジング2の第1側壁21に取り付けられたプリテンショナケーシング11と、プリテンショナケーシング11から折れ曲がりながら延びるパイプ12と、パイプ12内に配置された移動部材13と、パイプ12の末端部内に配置されたガス発生器18を含む。
本実施形態では、移動部材13が棒状であり、駆動輪5の歯52の食い込みによって塑性変形する。ただし、移動部材13は駆動輪5の歯52と同ピッチで並ぶ複数の分割体(例えば、球体)で構成されてもよい。移動部材13は、車両の緊急時に、ガス発生器18が発生するガスによってパイプ12から押し出されながら駆動輪5の歯52と係合し、駆動輪5を巻取方向に回転させる。駆動輪5の回転に伴い、ロッキングベース本体6、衝撃エネルギー吸収部材Aおよび巻取ドラム3も回転する。また、プリテンショナ1Cの作動後は、パイプ12内のガスの圧力によって移動部材13がパイプ12内に押し戻されるのが阻止されるので、駆動輪5が引出方向に回転することが阻止される。
図2および図5に示すように、プリテンショナケーシング11にはロッキングベース本体6が挿通される開口11aが設けられ、開口11aの周縁には内歯11bが形成されている。一方、ロッキングベース本体6には、内歯11bと係合可能なロック部材61が設けられている。ロック部材61は、車両の緊急時に内歯11bに係合してロッキングベース4Dの引出方向への回転を阻止する。
図9,11,12に示すように、ロッキングベース本体6は、駆動輪5が取り付けられる第1ベース部材7と、第1ベース部材7に対して巻取ドラム3と反対側で第1ベース部材7に相対回転不能に取り付けられる第2ベース部材8を含む。ロック部材61は、第1ベース部材7と第2ベース部材8との間に保持される。
より詳しくは、第1ベース部材7は、円盤状の第1本体部71と、第1本体部71から右方に突出する突出部72を有する。図3に示すように、第1本体部71と巻取ドラム3の第1端面31との間には駆動輪5が配置され、突出部72は駆動輪5を貫通する。突出部72における駆動輪5のフランジ56よりも右方部分が、ロッキングベース4Dの上述した軸部72aを構成する。
突出部72の根元部は断面六角形状に形成されており、この根元部が駆動輪5の本体部51における同じく断面六角形状の嵌合穴に嵌合することで、駆動輪5が第1ベース部材7に相対回転不能に取り付けられる。また、突出部72の先端側の外周面には上述した雄ネジ73が形成されている。
さらに、第1ベース部材7には、突出部72の先端面から凹む第1凹み74と、第1凹み74と同軸上で第1本体部71における駆動輪5と反対側の表面から凹む第2凹み75が設けられている。第1凹み74は衝撃エネルギー吸収部材4Aの結合部42との結合用のスプライン状の凹みであり、この第1凹み74に結合部42が嵌合する。第2凹み75は本実施形態では断面円形状である。本実施形態では、第1ベース部材7が第1凹み74と第2凹み75とを隔てる仕切り76を有する。つまり、第1凹み74および第2凹み75が有底である。
第2ベース部材8は、第1本体部71と重なり合う板状の第2本体部81と、第2本体部81から右方に突出する嵌合突起82を有する。本実施形態では、第2本体部81には3か所の係合凹部87が設けられており、第1本体部71に設けられた3か所の係合凸部79がそれぞれ係合凹部87に係合することで、第1ベース部材7に第2ベース部材8が相対回転不能に取り付けられる。嵌合突起82の断面形状は円形状であり、嵌合突起82は第2凹み75と嵌合する。ただし、第2凹み75と嵌合突起82が断面非円形状で、嵌合突起82が第2凹み75と嵌合することにより、第1ベース部材7に第2ベース部材8が相対回転不能に取り付けられてもよい。この場合、係合凹部87および係合凸部79は省略可能である。
さらに、本実施形態では、第2ベース部材8の第2本体部81に、右方に突出する3つのカシメ突起85が設けられる一方、第1ベース部材7の第1本体部71に、カシメ突起85が挿通される3つの貫通穴77が設けられている。第1本体部71の第2本体部81と反対側には、貫通穴77と同軸かつ貫通穴77よりも大径のカシメ凹部78が形成されている。そして、各カシメ突起85の貫通穴77から突出する部分が、カシメ凹部78内で貫通穴77よりも大径に、かつカシメ凹部78の内径とほぼ同じ外径にカシメられている(図11,12では、カシメ突起85をカシメ前の形状で描いている)。
ロック部材61は、第1ベース部材7の第1本体部71と第2ベース部材8の第2本体部81とに保持される略円弧状で板状の本体部62と、本体部62の外側面に形成された、上述した内歯11bと係合可能な複数(図例では3つ)の係合歯63と、本体部62から左方に突出する操作軸64を有する。
第2ベース部材8の第2本体部81には、左方に突出するピン84が設けられている。上述した復帰バネ9Aは、図7に示すように略円弧状であり、復帰バネ9Aの一端がロック部材61の操作軸64と係合し、他端がピン84と係合する。復帰バネ9Aは、ロック部材61を図13(a)に示す非係合位置に維持する役割を果たす。
さらに、第2ベース部材8には、嵌合突起82と同軸上で左方に開口する係合穴83が設けられている。本実施形態では、係合穴83が第2ベース部材8を貫通しており、右方にも開口する。係合穴83の断面形状は六角形状である。
ロック部材61は、シンクロギヤ14(図2,7参照)により操作される。ロックユニット1Dは、図2に示すように、シンクロギヤ14および車両センサ16を収容するカバー部材17を含む。シンクロギヤ14にはウエビングセンサ15が設けられている。ウエビングセンサ15はウエビング10が急激に引き出されたときに作動し、これによりシンクロギヤ14の引出方向への回転が阻止される。車両センサ16は車両の加速度が大きく変化したときに作動し、これによりシンクロギヤ14の引出方向への回転が阻止される。
シンクロギヤ14の引出方向への回転が阻止されると、ロッキングベース4Dが巻取ドラム3と共にシンクロギヤ14と相対回転し、ロック部材61の操作軸64がシンクロギヤ14のガイド穴14a(図7参照)で操作されることにより、ロック部材61が図13(a)に示す非係合位置から図13(b)に示す係合位置に移動する。
上述した回転軸9Bは、図7に示すように、棒状の本体部91と、本体部91から径方向外向きに延びるアーム92を有する。本体部91の右側部分の断面形状は六角形であり、この右側部分が第2ベース部材8の係合穴83に嵌合して係合する。アーム92は復帰バネ9Aを抑えるためのものであり、アーム92の先端に設けられたフック93が、第2ベース部材8の第2本体部81に設けられた係合穴86に係合する。回転軸9Bの左側部分は、図3に示すように、シンクロギヤ14を貫通しており、ロックユニット1Dのカバー部材17によって回転可能に支持されている。
以上説明したように、本実施形態のシートベルト用リトラクタ1では、ロッキングベース4Dに衝撃エネルギー吸収ワイヤ4B用の保持部54がスロット35の数よりも多く設けられているので、衝撃エネルギー吸収ワイヤ4Bをどの保持部54に取り付けるかを選択することができる。しかも、保持部54は3つ以上設けられているので、巻取ドラム3に対するロッキングベース4Dの取付角度を180度未満の角度(本実施形態では60度)で変更することができる。換言すれば、衝撃エネルギー吸収ワイヤ4Bを取り付けるべき保持部54の選択によって、ストッパ部材4Cの初期位置を保持部54の角度間隔に応じたピッチで調整することができる。従って、衝撃エネルギー吸収時のウエビング10の引き出し量を細かく調整することができる。
さらに、本実施形態では、巻取ドラム3に対するストッパ部材4Cの取付角度の変更間隔が120度であるのに対し、6つの保持部54のうちの1つをスロット35の開口36と一致させる際の巻取ドラム3に対するロッキングベース4Dの取付角度の変更間隔が60度であり、後者の方が前者よりも小さい。
ところで、保持部54は必ずしも溝である必要はなく、貫通孔であってもよい。ただし、保持部54が貫通孔である場合は、衝撃エネルギー吸収ワイヤ4Bをほぼ全長にわたって貫通孔に通す必要があり、組付けに手間がかかる。これに対し、本実施形態では保持部54が溝であるので、保持部54が貫通孔である場合に比べて、保持部54を容易に形成することができる。しかも、衝撃エネルギー吸収ワイヤ4Bをフランジ53の径方向外側から保持部54に挿入することができるので、保持部54への衝撃エネルギー吸収ワイヤ4Bの取り付けが容易である。
さらに、本実施形態では衝撃エネルギー吸収ワイヤ4Bの頭部43が抜け止め部44を有するため、衝撃エネルギー吸収ワイヤ4Bが保持部54から軸方向に抜けることが防止される。このため、巻取ドラム3とロッキングベース4Dとの相対回転によって衝撃エネルギー吸収ワイヤ4Bを開口36から確実に引き出すことができる。
<変形例>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、巻取ドラム3に設けられるスロット35の数は、1つであってもよいし3つ以上であってもよい。また、スロット35の数が複数である場合、衝撃エネルギー吸収ワイヤ4Bの数も複数であってもよい。この場合、衝撃エネルギー吸収ワイヤ4Bの数はスロット35の数と同じであってもよいし、それよりも少なくてもよい。
また、衝撃エネルギー吸収部材4Aは、巻取ドラム3とロッキングベース4Dの相対回転により衝撃エネルギーを吸収するものであれば、トーションバーに限られない。例えば、衝撃エネルギー吸収部材4Aは、巻取ドラム3とロッキングベースの相対回転により曲げ変形されて衝撃エネルギーを吸収するワイヤなどでもよい。
また、ロッキングベース4Dの構成は適宜変更可能である。例えば、駆動輪5はロッキングベース本体6の第1ベース部材7と一体となってもよい。あるいは、ロッキングベース4Dが、駆動輪5に対して巻取ドラム3側に位置する別部材を含み、この別部材に3つ以上の保持部54が設けられてもよい。これに対し、前記実施形態のように駆動輪5に3つ以上の保持部54が設けられれば、ロッキングベース4Dが駆動輪5とは別に保持部54を有する部材を含む場合に比べて、巻取ドラム3の軸方向におけるリトラクタの寸法を小さくすることができる。しかも、駆動輪5に保持部54が設けられる構成であれば、部品点数が増加せず、部品間のガタも少ないので、エネルギー吸収の荷重が安定する。
プリテンショナ1Cおよび駆動輪5は無くてもよい。この場合、第1ベース部材7に巻取ドラム3の第1端面31に対向するフランジを設け、このフランジに3つ以上の保持部54を設けてもよい。また、プリテンショナ1Cが無い場合、ハウジング2の第1側壁21の開口21aの周縁に内歯11bが形成され、車両の緊急時にはその内歯11bにロック部材61が係合してもよい。
さらには、ロッキングベース4Dに外歯が形成され、その外歯と係合するロック部材がハウジング2の第1側壁21に設けられてもよい。
<まとめ>
第1の態様として、本開示は、互いに対向する一対の側壁を含むハウジングと、ウエビングを巻き取る、前記一対の側壁の間に前記ウエビングの巻取方向と引出方向に回転可能に収容された巻取ドラムであって、少なくとも一方の端面に開口する中心穴を有する巻取ドラムと、前記巻取ドラムの前記一方の端面と対向するように配置される、車両の緊急時に前記引出方向への回転が阻止されるロッキングベースであって、前記巻取ドラムと同軸上の軸部の外周面に雄ネジが形成されたロッキングベースと、一端側が前記巻取ドラムに結合されるとともに、他端側が前記ロッキングベースに結合されて、通常時に前記巻取ドラムと前記ロッキングベースとを一体的に回転可能に連結するとともに、前記ロッキングベースの前記引出方向への回転が阻止された状態で前記ウエビングの引出力が所定値を超える場合に塑性変形して、前記巻取ドラムと前記ロッキングベースとの相対回転を許容しつつ衝撃エネルギーを吸収する衝撃エネルギー吸収部材と、前記巻取ドラムに設けられた、前記巻取ドラムの前記一方の端面に開口する少なくとも1つのスロット内に収容されるとともに、前記スロットの開口から張り出す頭部が前記ロッキングベースに取り付けられ、前記巻取ドラムと前記ロッキングベースとの相対回転時に前記開口から塑性変形しながら引き出されて衝撃エネルギーを吸収する少なくとも1つの衝撃エネルギー吸収ワイヤと、前記中心穴内に、前記巻取ドラムと相対回転不能かつ前記巻取ドラムの軸方向に移動可能に保持されるとともに、前記ロッキングベースの前記雄ネジに螺合して、前記衝撃エネルギー吸収部材の衝撃エネルギー吸収時の前記巻取ドラムと前記ロッキングベースとの相対回転の許容量を規定するストッパ部材と、を備え、前記ロッキングベースには、前記巻取ドラムの回転中心を中心とする周方向に互いに離間する、前記スロットの数よりも多い3つ以上の保持部が設けられており、これらの保持部のうちの少なくとも1つに前記少なくとも1つの衝撃エネルギー吸収ワイヤの頭部が取り付けられている、シートベルト用リトラクタを提供する。
上記の構成によれば、ロッキングベースには衝撃エネルギー吸収ワイヤ用の保持部がスロットの数よりも多く設けられているので、衝撃エネルギー吸収ワイヤをどの保持部に取り付けるかを選択することができる。しかも、保持部は3つ以上設けられているので、巻取ドラムに対するロッキングベースの取付角度を180度未満の角度(保持部が均等な角度間隔である場合には120度、90度、60度など)で変更することができる。換言すれば、衝撃エネルギー吸収ワイヤを取り付けるべき保持部の選択によって、ストッパ部材の初期位置を保持部の角度間隔に応じたピッチで調整することができる。従って、衝撃エネルギー吸収時のウエビングの引き出し量を細かく調整することができる。
第2の態様として、第1の態様において、前記ロッキングベースは、前記巻取ドラムの前記一方の端面と対向するフランジを有し、前記3つ以上の保持部は、前記フランジに設けられた、径方向外向きに開口する溝であってもよい。この構成によれば、保持部が貫通孔である場合に比べて、保持部を容易に形成することができる。しかも、衝撃エネルギー吸収ワイヤをフランジの径方向外側から保持部に挿入することができるので、保持部への衝撃エネルギー吸収ワイヤの取り付けが容易である。
第3の態様として、第1または第2の態様において、前記少なくとも1つの衝撃エネルギー吸収ワイヤの頭部は、前記フランジに対して前記巻取ドラムとは反対側に位置する、前記溝の幅よりも大きな抜け止め部を有してもよい。この構成によれば、衝撃エネルギー吸収ワイヤが保持部から軸方向に抜けることが防止されるため、巻取ドラムとロッキングベースとの相対回転によって衝撃エネルギー吸収ワイヤを開口から確実に引き出すことができる。
第4の態様として、第1乃至第3の態様の何れかにおいて、前記ロッキングベースは、ロッキングベース本体と、前記ロッキングベース本体に取り付けられた駆動輪を含み、上記のシートベルト用リトラクタは、車両の緊急時に前記駆動輪、前記ロッキングベース本体および前記エネルギー吸収部材を介して前記巻取ドラムを前記巻取方向に回転させるプリテンショナをさらに備え、前記3つ以上の保持部は前記駆動輪に設けられてもよい。この構成によれば、ロッキングベースが駆動輪とは別に保持部を有する部材を含む場合に比べて、巻取ドラムの軸方向におけるリトラクタの寸法を小さくすることができる。
第5の態様として、第1乃至第4の態様の何れかにおいて、例えば、前記ストッパ部材は、所定の角度間隔で回転した複数の取付姿勢で前記中心穴内に挿入可能であり、前記3つ以上の保持部は、前記所定の角度間隔よりも小さな角度間隔で互いに離間してもよい。
1 シートベルト用リトラクタ
1C プリテンショナ
10 ウエビング
2 ハウジング
21,22 側壁
3 巻取ドラム
30 中心穴
31,32 端面
35 スロット
36 開口
4A 衝撃エネルギー吸収部材
4B 衝撃エネルギー吸収ワイヤ
4C ストッパ部材
4D ロッキングベース
43 頭部
44 抜け止め部
5 駆動輪
53 フランジ
54 保持部
6 ロッキングベース本体
72a 軸部
73 雄ネジ

Claims (5)

  1. 互いに対向する一対の側壁を含むハウジングと、
    ウエビングを巻き取る、前記一対の側壁の間に前記ウエビングの巻取方向と引出方向に回転可能に収容された巻取ドラムであって、少なくとも一方の端面に開口する中心穴を有する巻取ドラムと、
    前記巻取ドラムの前記一方の端面と対向するように配置される、車両の緊急時に前記引出方向への回転が阻止されるロッキングベースであって、前記巻取ドラムと同軸上の軸部の外周面に雄ネジが形成されたロッキングベースと、
    一端側が前記巻取ドラムに結合されるとともに、他端側が前記ロッキングベースに結合されて、通常時に前記巻取ドラムと前記ロッキングベースとを一体的に回転可能に連結するとともに、前記ロッキングベースの前記引出方向への回転が阻止された状態で前記ウエビングの引出力が所定値を超える場合に塑性変形して、前記巻取ドラムと前記ロッキングベースとの相対回転を許容しつつ衝撃エネルギーを吸収する衝撃エネルギー吸収部材と、
    前記巻取ドラムに設けられた、前記巻取ドラムの前記一方の端面に開口する少なくとも1つのスロット内に収容されるとともに、前記スロットの開口から張り出す頭部が前記ロッキングベースに取り付けられ、前記巻取ドラムと前記ロッキングベースとの相対回転時に前記開口から塑性変形しながら引き出されて衝撃エネルギーを吸収する少なくとも1つの衝撃エネルギー吸収ワイヤと、
    前記中心穴内に、前記巻取ドラムと相対回転不能かつ前記巻取ドラムの軸方向に移動可能に保持されるとともに、前記ロッキングベースの前記雄ネジに螺合して、前記衝撃エネルギー吸収部材の衝撃エネルギー吸収時の前記巻取ドラムと前記ロッキングベースとの相対回転の許容量を規定するストッパ部材と、を備え、
    前記ロッキングベースには、前記巻取ドラムの回転中心を中心とする周方向に互いに離間する、前記スロットの数よりも多い3つ以上の保持部が設けられており、これらの保持部のうちの少なくとも1つに前記少なくとも1つの衝撃エネルギー吸収ワイヤの頭部が取り付けられている、シートベルト用リトラクタ。
  2. 前記ロッキングベースは、前記巻取ドラムの前記一方の端面と対向するフランジを有し、
    前記3つ以上の保持部は、前記フランジに設けられた、径方向外向きに開口する溝である、請求項1に記載のシートベルト用リトラクタ。
  3. 前記少なくとも1つの衝撃エネルギー吸収ワイヤの頭部は、前記フランジに対して前記巻取ドラムとは反対側に位置する、前記溝の幅よりも大きな抜け止め部を有する、請求項2に記載のシートベルト用リトラクタ。
  4. 前記ロッキングベースは、ロッキングベース本体と、前記ロッキングベース本体に取り付けられた駆動輪を含み、
    車両の緊急時に前記駆動輪、前記ロッキングベース本体および前記エネルギー吸収部材を介して前記巻取ドラムを前記巻取方向に回転させるプリテンショナをさらに備え、
    前記3つ以上の保持部は前記駆動輪に設けられている、請求項1~3の何れか一項に記載のシートベルト用リトラクタ。
  5. 前記ストッパ部材は、所定の角度間隔で回転した複数の取付姿勢で前記中心穴内に挿入可能であり、
    前記3つ以上の保持部は、前記所定の角度間隔よりも小さな角度間隔で互いに離間している、請求項1~3の何れか一項に記載のシートベルト用リトラクタ。
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