JP2024108552A - インクジェット装置を用いた印刷方法及びインクジェット装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】3次元のワークに、効率的に印刷を行うことができる、インクジェット装置を用いた印刷方法及びインクジェット装置を提供すること。【解決手段】本開示の印刷方法は、曲面を含む印刷面の3Dデータを取得するステップと、印刷画像を取得するステップと、前記3Dデータと前記印刷画像とから、前記印刷面への印刷領域を決定するステップと、印刷時にインクジェットヘッドが通る経路を決定するステップと、前記経路のデータに基づいて、印刷を実行するステップと、を含み、前記経路を決定するステップでは、少なくとも、前記印刷面と前記インクジェットヘッドとの距離を表す情報に基づいて、前記経路を決定する。【選択図】図35
Description
本開示は、曲面を有する3次元の印刷対象物(以下これを「ワーク」と呼ぶ)に対してインクを塗布する際に、曲面の形状に応じた塗布制御を行う、インクジェット装置を用いた塗布方法及びインクジェット装置に関する。
従来、ワークの曲面の形状に応じた塗布制御を行う技術として、特許文献1等に記載されたものがある。特許文献1には、湾曲した領域に、インク滴の密度を変化させて塗布することで、曲面に起因する印刷像の視覚的な変化を抑える方法が記載されている。特許文献1では、曲面の形状、及び、インクジェットヘッドと対象物との相対速度などに応じて、インク滴の吐出密度を変化させることが記載されている。
ところで、曲面を有する3次元のワークに所望の画像を印刷するにあたっては、特許文献1に記載されたようなインク滴の吐出密度の制御以外にも様々な課題がある。このような様々な課題が生じる原因は、3次元のワークは、機能性やデザイン性の観点から形状が決定されており、一様な曲率で形成されていることは少なく、印刷に適した曲率で形成されているとは限らないからである。
そのため、インクジェットで印刷したい領域に、印刷を行うためには一様な変化でない曲率を考慮した印刷方法が必要であるが、一様でない曲率に対して、どのように印刷を行うのかについては、これまで十分な検討がなされていなかった。
本開示は、以上の点を考慮してなされたものであり、3次元のワークに、効率的に印刷を行うことができる、インクジェット装置を用いた印刷方法及びインクジェット装置を提供する。
本開示のインクジェット装置を用いた印刷方法の一つの態様は、
曲面を含むワークに対する、インクジェット装置の印刷方法であって、
前記曲面を含む印刷面の3Dデータを取得するステップと、
印刷画像を取得するステップと、
前記3Dデータと前記印刷画像とから、前記印刷面への印刷領域を決定するステップと、
印刷時にインクジェットヘッドが通る経路を決定するステップと、
前記経路のデータに基づいて、印刷を実行するステップと、
を含み、
前記経路を決定するステップでは、
少なくとも、前記印刷面と前記インクジェットヘッドとの距離を表す情報に基づいて、前記経路を決定する。
曲面を含むワークに対する、インクジェット装置の印刷方法であって、
前記曲面を含む印刷面の3Dデータを取得するステップと、
印刷画像を取得するステップと、
前記3Dデータと前記印刷画像とから、前記印刷面への印刷領域を決定するステップと、
印刷時にインクジェットヘッドが通る経路を決定するステップと、
前記経路のデータに基づいて、印刷を実行するステップと、
を含み、
前記経路を決定するステップでは、
少なくとも、前記印刷面と前記インクジェットヘッドとの距離を表す情報に基づいて、前記経路を決定する。
本開示のインクジェット装置の一つの態様は、
曲面を有するワークに対して液滴を吐出することで所定の画像を印刷するインクジェット装置であって、
前記ワークの表面に液滴を吐出するインクジェットヘッドを有する印刷ユニットと、
前記ワークの姿勢を調整するワーク駆動ユニットと、
前記印刷ユニット及び前記ワーク駆動ユニットを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
少なくとも、前記ワークの印刷面と前記インクジェットヘッドとの距離を表す情報に基づいて、印刷時にインクジェットヘッドが通る前記印刷面上の経路を決定する。
曲面を有するワークに対して液滴を吐出することで所定の画像を印刷するインクジェット装置であって、
前記ワークの表面に液滴を吐出するインクジェットヘッドを有する印刷ユニットと、
前記ワークの姿勢を調整するワーク駆動ユニットと、
前記印刷ユニット及び前記ワーク駆動ユニットを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
少なくとも、前記ワークの印刷面と前記インクジェットヘッドとの距離を表す情報に基づいて、印刷時にインクジェットヘッドが通る前記印刷面上の経路を決定する。
本開示によれば、3次元のワークに、効率的に印刷を行うことができる、インクジェット装置を用いた印刷方法及びインクジェット装置を実現できる。
<1>本開示に至った知見
実施の形態を詳細に説明する前に、本開示に至った発明者らによる知見について説明する。
実施の形態を詳細に説明する前に、本開示に至った発明者らによる知見について説明する。
図1は、インクジェットヘッド(以下これを単に「ヘッド」と呼ぶ)10を下方(-Z方向)から見た平面図である。ヘッド10は複数のノズル11を有する。複数のノズル11は、ピッチaの間隔でノズル配列方向(Y方向)に配列されている。ここで、ノズル配列方向の中心をヘッド中心C0、ノズル配列方向での両端のノズル10間の距離を最大塗布幅W0と定義する。また、ヘッド10のX方向のサイズをx0、Y方向のサイズをy0とする。ここで、X方向は、印刷における走査方向である。なお、本実施の形態の場合、ヘッド中心とは、より厳密には、Y方向及びX方向の中心(換言すれば、図1におけるx0とy0の交点)である。
図2は、ノズル11からの液滴12の飛翔を示した図ある。ノズル11から吐出された液滴12は速度vで飛翔する。ノズル12は液滴12を真下(-Z方向)に吐出するように設計されているが、飛翔空間での気流や、ノズル11からの僅かな吐出方向のずれに起因して、飛翔距離が長くなるほど、着弾位置がXY方向にずれる傾向にある。例えば飛翔距離が、3mmを超えると液滴12の位置ズレが数100μm程度となり、印刷像ににじみやかすれなどが生じる。よって、実施の形態では、着弾位置のずれが許容できる飛翔距離の範囲を、許容到達距離L1として設定する。実施の形態では、許容到達距離L1は、例えば2.5mmに設定される。
図3及び図4は、ヘッド10に対向するワーク20の曲面が上に凸の形状である場合における塗布幅W1の説明に供する図である。図3は曲面の曲率半径が大きい場合、図4は面20の曲率半径が小さい場合を示す。
図3に示したように、曲面の曲率半径が大きい場合には、ノズル11からの距離が許容到達距離L1以内の範囲が広いので、塗布幅W1が広くなる。一方、図4に示したように、曲面の曲率半径が小さい場合には、ノズル11からの距離が許容到達距離L1以内の範囲が狭く、塗布幅W1が狭くなる。
図5及び図6は、ヘッド10に対向するワーク20の曲面が下に凸の形状である場合における塗布幅W1の説明に供する図である。図5は曲面の曲率半径が小さい場合、図6は面20の曲率半径が大きい場合を示す。
図5に示したように、曲面の曲率半径が小さい場合には、ノズル11からの距離が許容到達距離L1以内の範囲は、ノズル配列の両端近傍に塗布幅W1で現れる。一方、図6に示したように、面20の曲率半径が大きい場合には、ノズル11からの距離が許容到達距離L1以内の範囲が広く、塗布幅W1が広くなる。
ここで注意する点は、上に凸の面に対してはヘッドが最も接近するのはヘッド10の中心であり、一方、下に凸の面に対してはヘッド10が最も接近するにはヘッドの両端である可能性が高いことである。よって、ヘッドと印刷面の接触を回避しつつ、ヘッドと印刷面との距離を一定に保つためには、上に凸の面に対してはヘッドの中心から面までの距離を基準とし、一方、下に凸の面に対してはヘッドの両端から面までの距離を基準とすることが好ましい。以下、ヘッドが最も接近する距離を、「ヘッド近接距離」と呼ぶ。
図7は、ワーク20の曲面が上に凸の形状である場合における、曲面の曲率半径と塗布幅W1との関係を示すグラフである。曲率半径が大きくなるにつれて塗布幅W1は大きくなっていき、曲面がほぼ平面となったときに塗布幅W1は最大塗布幅W0となる。
図8は、曲面が下に凸の形状である場合における、曲面の曲率半径と塗布幅W1との関係を示すグラフである。曲率半径がある値になるまでは(換言すれば、曲面がほぼ平坦になるまでは)塗布幅W1はほとんど0に近く、曲率半径がある値になると塗布幅W1は急激に大きくなる。
ここで、ヘッド近接距離と許容到達距離L1とを設定することで、印刷できる曲率半径(曲率)と塗布幅W1を計算することが可能である。
本開示の発明者らは、このような知見に基づき、ワーク20の印刷面の曲率と、印刷面からヘッド10までの距離と、塗布幅W1との関係とに基づいて、印刷時にヘッド10が通る経路を決定すれば、曲面を有する3次元のワーク20に効率的に印刷を行うことができると考え、本開示に至った。
<2>経路についての考察
ここでは、ワーク20の表面に印刷のための経路を作成する方法について説明する。経路とは、ヘッド10が印刷時にワーク20の曲面と一定の距離を保って相対的に移動する際に、ヘッド10が通る軌跡の基となる、曲面上の曲線で表現されるものである。逆に軌跡とは、この経路を基にヘッド10が曲面と一定の間隔(ヘッド近接距離)を保って、相対的に移動する曲線で表現できる。
ここでは、ワーク20の表面に印刷のための経路を作成する方法について説明する。経路とは、ヘッド10が印刷時にワーク20の曲面と一定の距離を保って相対的に移動する際に、ヘッド10が通る軌跡の基となる、曲面上の曲線で表現されるものである。逆に軌跡とは、この経路を基にヘッド10が曲面と一定の間隔(ヘッド近接距離)を保って、相対的に移動する曲線で表現できる。
同じ形状の曲面に対しても、経路の作成方法は複数ある。その方法を順に示す。
図9及び図10は、凸形状の曲面の一部への経路データの作成方法の一例を示す図である。ここで説明する方法はワーク20の曲面に対して、直線の経路40及び軌跡50を作成する方法である。また、図9及び図10の方法は、3D(三次元)モデリングで経路40を作成する一例を示している。
図9に示したように、印刷したい3Dのワーク20の印刷領域30の表面に相対する位置に1本の直線で軌跡50を作成する。軌跡50は経路40を基に作成される。軌跡50は、ヘッド10の吐出面の中心が、印刷領域30の表面とある距離(ヘッド近接距離d)を保ち相対的に移動する線である。例えば、図10に示す例では、印刷したい曲面に対して、その印刷領域30の中心部分から、法線方向に作成した平面上に経路40が直線で存在しており、さらに平面を法線方向に離した位置に軌跡50が存在する。印刷したい画像がヘッド10の塗布幅(印刷領域30の幅)内に収まらない場合は、最初に作成した直線の経路40に対して、次の経路40を平面上で隣接して作成する。
図11及び図12は、凸形状の曲面の一部への経路データの作成方法の別の例を示す図である。ここで説明する方法は経路を曲面に沿って曲線で作成する方法である。図11及び図12の方法は、3Dモデリングで経路を作成する一例を示す。
図11及び図12には、曲面上に配置した仮想経路41が示されている。図11は斜視図であり、図12は上面図である。印刷したい3Dのワーク20の表面から離した位置で、仮想経路41を1本作成する。この仮想経路41として、ワーク20の表面とヘッド10との距離、ヘッド10の寸法及び許容到達距離L1に基づいて、塗布幅(印刷領域30の幅)に相当する複数の仮想経路41を作成する。複数の仮想経路41は直線であると作成がしやすい。
図13は、この仮想経路41を曲面に投影した状態を示す斜視図である。複数の仮想経路41を印刷領域30に投影する。投影された経路は、ヘッド10の吐出面の中心が、印刷領域30の表面とある距離を保ち、相対的に移動する軌跡50の基になる。このようにして、曲面の表面に経路40を作成できる。
印刷領域30の全ての領域において、隣り合う塗布領域の少なくとも一部が重なるように経路及び塗布幅を設定する。隣り合う塗布領域が重なっていない状態から、隣り合う塗布領域の少なくとも一部が重なっているようにするために、本実施の形態では、経路及び塗布幅を変更する。その際、隣り合う塗布領域の重なりが最小となるような経路及び塗布幅を探索する。
一例として、本開示では、以下のステップを実行する。
ステップ1);一定の塗布幅で経路40を作成する。
ステップ2);塗布幅に重なっていない部分があれば、上記一定の塗布幅を変更(最大幅の1/2や1/3など)する。
ステップ3);ステップ1、2を塗布したい面に重なりが生じるまで繰り返す。
要は、塗布幅の重なりが経路間で0mm以上になるような塗布幅を探す処理を行う。
ステップ1);一定の塗布幅で経路40を作成する。
ステップ2);塗布幅に重なっていない部分があれば、上記一定の塗布幅を変更(最大幅の1/2や1/3など)する。
ステップ3);ステップ1、2を塗布したい面に重なりが生じるまで繰り返す。
要は、塗布幅の重なりが経路間で0mm以上になるような塗布幅を探す処理を行う。
ここまでは、各経路40間の距離が一定である場合における、塗布幅の設定処理について説明した。ワークの曲率に応じて塗布可能な幅が異なる(曲率によっては、ヘッドの端部が塗れない場合がある)。隣同士の塗布幅が重なっていれば、所定の領域を全て塗布できるが、隣同士の塗布幅に隙間が空くと、塗れない領域が生じてしまう。これを回避するために、上記のステップ1)~3)では、塗布幅を変えて(隙間ができない塗布幅を探索して)、経路を作成するようにしている。
なお、本実施の形態では、計算の簡略化のため、ヘッドとワーク間の距離を一定として、経路を探索する例について説明したが、ヘッドとワーク間の距離を可変にして経路を探索してもよい。
以下では、各経路40間の距離が変わる例について説明する。
図14及び図15は、凸形状の曲面への経路データの作成方法の例を示す図である。ここで説明する方法は曲面に沿って経路40を曲線で作成する方法である。図14及び図15から分かるように、経路40間の距離が変更されている。図14及び図15の方法は、3Dモデリングで経路を作成する一例を示す。
図14は、1番最初の経路40-1を示す図である。これを基準経路とする。図15は、基準経路及び2本目の経路を示す図である。曲面上に経路40を複数増やす際の、基準ピッチを用意する。基準経路40-1と基準ピッチの方向は、直交する軸に配置する。図14及び図15の場合は、基準経路40-1はY方向であり、基準ピッチはX方向である。なお、図14及び図15の例では、基準経路40-1を印刷領域30の中央に作成しているが、基準経路40-1は印刷領域30の端に作成してもよい。図15から分かるように、基準経路の隣に基準ピッチに沿って2本目の経路が形成される。
図16及び図17は、1番最初の基準経路40-1に、最大塗布幅W0の条件を与える例の説明に供する図である。ヘッド10の中心が基準経路40-1を通過する場合で考える。図17は、図16におけるヘッド位置を含むYZ断面図である。図17を用いて、ある基準ピッチの経路40の端を断面方向から確認する。基準経路40-1の端にて、最大印刷幅W0に相当する領域を作成する。基準経路40-1に対して最大塗布幅W0に相当する寸法にて、曲面上の座標を決定する。印刷幅左端(Xpl,Ypl,Zpl)と印刷幅右端(Xpr,Ypr,Zpr)がこの座標に該当する。
図18は、ヘッド10が、曲面に対してヘッド近接距離の条件を与える例を示す図である。ヘッド近接距離は例えば1mmである。基準経路40-1とヘッド中心との交点から、最大塗布幅W0にあたる座標を決定する。塗布幅左端(Xal,Yal,Zal)と塗布幅右端(Xar,Yar,Zar)がこの座標に該当する。
図19は、インクジェット装置が、曲面に対して許容到達距離L1の条件を与える例を示す図である。図中の網掛けで示したインク到達領域は、許容到達距離L1に基づくものである。許容到達距離L1は例えば2.5mmである。塗布幅左端(Xal,Yal,Zal)と塗布幅右端(Xar,Yar,Zar)とから、許容到達距離L1を曲面の法線方向へ垂線を下した座標を決定する。仮想液滴左端(Xl,Yl,Zl)と仮想液滴位置右端(Xr,Yr,Zr)がこの座標に該当する。図19の例では、仮想液滴左端(Xl,Yl,Zl)よりも塗布幅左端(Xal,Yal,Zal)の座標位置が上にあるため、正常な液滴の塗布を行うことができる。
図20及び図21は、曲面上の基準経路40-1に沿って許容到達距離L1に対応するインク到達領域を作成する例を示す図である。図21は、図20の塗布領域を線L0を含むYZ平面で切った拡大断面図である。図22の拡大断面図から分かるように、塗布幅左端(Xal,Yal,Zal)と塗布幅右端(Xar,Yar,Zar)と仮想液滴左端(Xl,Yl,Zl)と仮想液滴位置右端(Xr,Yr,Zr)の座標から、曲面の一部でのインク到達領域(図中の網掛けで表されている領域)を定義できる。
図22は、基準経路40-1に作成したインク到達領域が、外れていないか判定する例を示す図である。作成したサーフェス断面と、曲面のサーフェスとの交差曲線を作成する。塗布幅が正しい場合には、面交差曲線を作成できる。一方、塗布幅が正しくない場合には、面交差曲線が作成できない。基準経路40-1の左右で、面交差曲線の存在を確認することで、基準経路40-1に作成したインク到達領域が外れていないかを判定できる。
図23及び図24は、基準経路40-1上に軌跡50-1を作成した様子を示した図である。図24は、図23の塗布領域を線L0を含むYZ平面で切った拡大断面図である。
図25、図26及び図27は、基準経路40-1の隣の経路の作成の説明に供する図である。図25は斜視図であり、図26は断面図であり、図27は面交差曲線を含む位置の拡大断面図である。図中のW0は最大塗布幅を示し、W0´は最大塗布幅W0の2倍の塗布幅を示す。図の例では、塗布幅右端(曲面と円との交点)から、塗布幅W0に対応する円を描いているので、基準経路40-1の隣の経路を含めた塗布幅W0´の円は塗布幅W0の2倍となっている。図26に示す右端(Xpr,Ypr,Zpr)すなわち基準経路40-1の片側の端の部分から、最大塗布幅W0の半径の円がこの断面おける次に塗布可能な領域である。
次いで、基準経路40-1の隣に、図18及び図19で説明したのと同様の処理を行うことで2本目の経路を作成する。2本目の経路作成について詳しく説明する。
先ず、図26に示すように、1本目の経路の印刷幅の右端(座標(Xpr,Ypr,Zpr)を中心とし、半径が最大塗布幅W0´の円を描き、当該円とワークとの右側の交点を、2本目の経路の印刷幅の右端(Xpr2,Ypr2,Zpr2)とする。図27に示すように、2本目の経路の印刷幅の左端(座標(Xpl2,Ypl2,Zpl2)を、1本目の経路の印刷幅の右端(座標(Xpr,Ypr,Zpr)に設定する。2本目の印刷幅の左端と右端の点を直線で結ぶ。この直線をZ軸の正方向に平行移動して、インク到達距離とヘッド近接距離が分かる線を作成する。次いで、経路全体でインク到達距離の範囲内であるかを、面交差曲線を作成して判定する。つまり、経路全体において面交差曲線を作成できる場合には、その経路を2本目の経路と決定する。一方、経路の一部において面交差曲線を作成できない場合には、塗布幅を最大塗布幅W0より小さくする。この処理を、経路全体において面交差曲線が存在するようになるまで行う。3本目以降の経路も同様に作成する。
2本目以降の経路についても、図22に示したように、インク到達領域と曲面との関係から面交差曲線が作成できるか否かを判定し、経路に作成したインク到達領域が外れていないかを判定する。この判定処理は、図22を用いて上述したの同様である。
図28、図29及び図30は、基準経路40-1の隣に、2本目の経路40-2(図30)を作成するまでの様子を示す図である。2本目の経路は、1つ目の経路40-1の端部を基準点(基準線)として、1つ目の経路40-1の端部にヘッド10の端部を合わせることで作成する。
これを基準経路にそって、同様の処理を繰り返すことで、複数の経路を作成する。
図14~図30で示した曲面は長軸方向と短軸方向からなるが、経路を作成する方向は、図14~図30について説明した例のように長軸方向に沿ってもよいし、短軸方向に沿ってもよい。許容到達距離L1と最大塗布幅W0から塗布回数が少なる方に選択を行うことが好ましい。
このように作成した経路40は、例えばNURBS曲線と呼ばれる自由曲線にて表現される。経路40から法線方向にある一定の距離をヘッド10が移動して塗布を行うことで、3D曲面への印刷が可能となる。一般的に液滴のサイズと解像度といわれる各液滴の間隔によって印刷画像の画質が決定される。
図31に示したように、自由曲線で表現されている経路40(図31A)を、印刷の解像度のピッチ、もしくはそれの倍数の数字で分割する(図31B)。このことで、印刷したい領域において、経路40が通過する部分に対して3次元的な座標(x,y,z)や(u,v,w)として、表現することができる。
図32は、経路40と、軌跡(ヘッドの移動経路と言ってもよい)50とを示す図である。インクジェット装置で印刷したい領域上に、複数の経路40があり、その経路40上には印刷解像度のピッチか、その倍数などで分割された3次元的な座標(x,y,z)や(u,v,w)が作成されている。そのデータを用いて、法線方向に空間上一定距離を離した位置の座標(図中の×印の座標)を計算する。この一定距離は、上述したヘッド近接距離に相当する。計算した各座標をつなぎ、ヘッド10が移動する曲線を作成する。この曲線が上述した軌跡50に相当する。
さらに、この作成した曲線を改めて、印刷解像度に該当するピッチに分割する。ここで急激な曲率の変化が無いように、図33に示したように、隣接するデータを逐次平均化するなど、いわゆるスムージング処理を行うことでスムージング処理後の軌跡50´を作成するとより好ましい。
なお、上記印刷解像度のピッチや、その倍数の数字で分割したデータは、印刷する絵のデータである。例えば1200dpi=25.4mm÷1200≒21μmなどである。一方、軌跡50や軌跡50´のピッチは、印刷速度に関するピッチである。軌跡のピッチは、印刷解像度のピッチと同一でもよいが、異なっていてもよい。例えば、軌跡のピッチは印刷機ヘッドが実際に動作可能な速度や加減速から決めてもよい。印刷解像度のピッチより大きくすることで、急激な速度変化や加減速変化を避けることができる。
インクジェット装置は、経路データを作成すると、当該経路データを基にインクジェット装置を構成する軸を動かす座標を計算する。
この計算は、一般的にCAM(Computer-Aided Manufacturing)と呼ばれるソフトウェアで言われるワーク表面の各座標データ(いわゆるCLデータ)を工作機械データ(いわゆるNCデータ)へ変換する処理に相当する。
図32及び図33に示したような、ヘッド10が通る軌跡の各座標値から、インクジェット装置の各軸(x、y、z、A、B)のポイントごとの座標を計算する。この座標値を順次指令として送ることで、インクジェット装置が動作する。ここで、x、y、zは直動軸機構であり、A、Bは回転軸機構である。
<3>インクジェット装置の構成
図34は、本実施の形態のインクジェット装置の構成例を示す概略図である。インクジェット装置100は、三次元の曲面を有するワーク20に対して液滴12を吐出して所定の画像を印刷する。ワーク20は、例えば、樹脂成形品で構成されている。
図34は、本実施の形態のインクジェット装置の構成例を示す概略図である。インクジェット装置100は、三次元の曲面を有するワーク20に対して液滴12を吐出して所定の画像を印刷する。ワーク20は、例えば、樹脂成形品で構成されている。
インクジェット装置100は、印刷ユニット110と、ワーク駆動ユニット130と、制御部115とを備えている。インクジェット装置100は、架台102と、架台102から立設した門型のガントリー103とを有する。架台102には、ワーク駆動ユニット130が設けられている。ガントリー103には、印刷ユニット110が設けられている。
印刷ユニット110は、ワーク20の印刷面よりも上方に配置されている。印刷ユニット110は、1軸の駆動機構であるX軸直動機構111(主走査直動機構)と、複数のインクジェット部120とを有する。
X軸直動機構111は、ガントリー103に取り付けられている。複数のインクジェット部120は、X軸直動機構111にそれぞれ取り付けられている。複数のインクジェット部120は、X軸直動機構111によって、同一の主走査方向(図34で左右方向)にそれぞれ移動する。
具体的には、X軸直動機構111は、リニアモータ式の駆動機構で構成されている。X軸直動機構111は、複数のインクジェット部120をX方向にそれぞれ別々に駆動させる。これにより、印刷に関与するインクジェット部120のみをワーク20の表面に対向させるとともに、印刷に関与しないインクジェット部120をワークWから退避させること、インクジェット部120は、例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色に対応して4つ設けられている。
インクジェット部120は、主走査方向に移動しながらワーク20に向かって液滴12を吐出することで、ワーク20の表面に画像を印刷する。このとき、ワーク駆動ユニット130によって、インクジェット部120に対してワーク20を相対移動させることで、主走査方向に直交する副走査方向にも画像を印刷することができる。
インクジェット部120は、ヘッド10を有する。また、インクジェット部120は、紫外線光源やヒーター等からなり塗布されたインクを硬化させる硬化部(図示せず)を有する。
インクジェット部120は、ピエゾ方式であり、制御部115から供給される駆動信号に応じて、ヘッド10のノズルから鉛直下方に向かって、所定量の液滴12を吐出する。
距離測定部124は、インクジェット部120とワーク20との距離を測定する。距離測定部124は、ワーク20を構成する材料の種類によって選択される。例えば、距離測定部124として、接触式のプローブを用いることができる。また、レーザ変位計や超音波変位計、LED等の光をワーク20に照射してから受光素子(図示省略)に返ってくるまでの時間に基づいて距離を測定する非接触方式のものを用いることができる。
ここで、ワーク20に液滴12を吐出して印刷する前に、距離測定部124によって、ワーク20と印刷ユニット110との距離を測定するようにしている。
具体的には、樹脂成形品によってワーク20が構成されている場合には、製品の設計CADデータに対して、±1mm以上の寸法差が生じることとなる。
そこで、インクジェット部120とワーク20との距離を事前に測定しておくことで、印刷時に、インクジェット部120とワーク20とが接触することなく、且つ液滴が確実に届く距離間である印刷ギャップを適切に設定することができる。
なお、距離測定部124によって、ワーク20の形状を測定し、測定データに基づいて、ワーク20のサーフェスデータに変換するようにしてもよい。これにより、ワーク20のサーフェスデータを印刷に使用することができる。また、印刷するエリアの代表点のみを測定して、印刷ギャップを変更してもよい。
このような作業は、印刷する部品の全数でも取得してもよいし、抜き取りでもよい。なお、このような距離測定のための手順は、寸法の安定性に優れた材料であれば、特に実施する必要はない。
また、インクジェット部120は、ヘッド10に加えて、距離測定部124を有してもよい。また、インクジェット部120は、それぞれ、複数のヘッド10を有していてもよい。そして、複数のヘッド10が設けられている場合、全てのヘッド10が異なる色である必要はなく、同じ色が複数あってもよい。また、1つのインクジェット部120のヘッド10に、複数の色のノズル列を加えてもよい。
ワーク駆動ユニット130の先端には、固定治具140が取り付けられている。固定治具140には、ワーク20が固定されている。ワーク駆動ユニット130は、固定治具140に固定されたワーク20を、印刷ユニット110の下方に搬送する。
ワーク駆動ユニット130は、4軸の駆動機構を有する。4軸の駆動機構のうち2軸は、Y軸直動機構131及びZ軸直動機構132である。4軸の駆動機構のうち2軸は、A軸回転機構135及びB軸回転機構136である。
Y軸直動機構131は、架台102に載置されている。Y軸直動機構131は、ワーク20を副走査方向に移動させる。Z軸直動機構132は、Y軸直動機構131に取り付けられている。Z軸直動機構132は、ワーク20を上下方向に移動させる。
A軸回転機構135は、Z軸直動機構132に取り付けられている。A軸回転機構135は、X方向に延びるA軸を中心にワーク20を旋回させる。B軸回転機構136は、支持アーム141を介してA軸回転機構135に取り付けられている。固定治具140は、B軸回転機構136に取り付けられている。B軸回転機構136は、Z方向に延びるB軸を中心にワーク20を旋回させる。
ワーク駆動ユニット130は、Y軸直動機構131、Z軸直動機構132、A軸回転機構135、及びB軸回転機構136を動作させることで、インクジェット部120の下方にワーク20を移動させる。このとき、ワーク駆動ユニット130によって、ワーク20の位置及び姿勢が調整される。
なお図示していないが、ワーク駆動ユニット130に、C軸があってもよい。Z軸ユニットはアームを介してA軸ユニットが接続され、A軸ユニットにアームを介してB軸ユニットが、B軸ユニットにアームを介してC軸ユニットが接続されている。さらに印刷ユニット110に、C軸があってもよい。インクジェット部120が、C軸ユニットに接続されて、C軸ユニットとX軸直動機構111に接続されている。
制御部115は、例えば、パソコンやPLC(Programmable Logic Controller)等で構成されている。制御部115は、印刷ユニット110及びワーク駆動ユニット130の動作を制御する。
制御部115は、印刷ユニット110に対して、X軸直動機構111によって複数のインクジェット部120を動作させるための制御や、ヘッド10から液滴12を吐出させるための制御を行う。また、制御部115は、ワーク駆動ユニット130に対して、Y軸直動機構131、Z軸直動機構132、A軸回転機構135、及びB軸回転機構136を動作させるための制御を行う。
制御部115は、Z軸直動機構132、Y軸直動機構131、A軸回転機構135、及びB軸回転機構136を駆動させることで、ヘッド10の中央付近のノズルとワーク20の表面との距離が略一定となるように、ワーク20の姿勢と向きを調整する。この距離は、上述したように、液滴12を安定して塗布できる範囲である。なお、この距離は、ワーク20の曲面や印刷精度など、必要に応じて変更すればよい。
ところで、上述したように中央のノズルとワーク20の表面の距離を略一定にしても、ワーク20の表面には曲率の異なる箇所が存在するため、ノズルとワーク20の表面との距離が変わってしまう。
そして、上述したように、ノズルとワーク20との距離が所定値よりも長い部分では、液滴12がワーク20に到達する時間が長くなるため、周囲の気流の影響を受けやすくなる。そのため、液滴12の着弾位置がずれてしまい、にじみやかすれ、色ずれなどの現象が生じる。よって、液滴12を高精度に配置するためには、ノズル列の塗布幅を、ワーク20の表面の曲率に応じて変える必要がある。
制御部115は、CAD等のデータに基づいて、以下の手順で塗布領域を設定する。その後、インクジェット部120は、塗布領域ごとに、ワーク20の表面に液滴12を塗布する。
<4>実施の形態の動作
図35は、本実施の形態のインクジェット装置100の動作の説明に供するフローチャートである。図35の処理は、インクジェット装置100の制御部115において実行される。なお、インクジェット装置100には、図35の処理の前処理として、または図35の処理の処理中に、ヘッド10のサイズのデータ、ヘッド近接距離のデータ、許容到達距離のデータが設定される。
図35は、本実施の形態のインクジェット装置100の動作の説明に供するフローチャートである。図35の処理は、インクジェット装置100の制御部115において実行される。なお、インクジェット装置100には、図35の処理の前処理として、または図35の処理の処理中に、ヘッド10のサイズのデータ、ヘッド近接距離のデータ、許容到達距離のデータが設定される。
制御部115は、ステップS1において、ワーク20の3D形状データ取得する。
次いで、制御部115は、ステップS2において、印刷画像を取得する。
次いで、制御部115は、ステップS3において、印刷面(すなわちワーク20の曲面)への印刷領域30を決定する。この印刷領域30は、3D形状データと印刷画像とから決定される。
次いで、制御部115は、ステップS4において、経路データを作成する。この経路データは上述した軌跡50を表すデータである。制御部115は、この経路データを、上述したように、少なくとも、印刷面とヘッド10との距離に基づいて決定する。
次いで、制御部115は、ステップS5において、印刷を実行する。具体的には、印刷は、制御部115が作成した経路データに基づいてワーク駆動ユニット130を制御しつつ、印刷ユニット110を制御することにより行われる。
図36は、ステップS4の経路データ作成処理で行われる詳しい処理例を示すフローチャートである。
ステップS11において、制御部115は、任意の基準点を決定する。この基準点は、印刷領域30の中心点でもよいし、端の点でもよい。
ステップS12において、制御部115は、印刷領域30の長軸方向を走査方向と設定する。なお、必ずしも長軸方向を走査方向としなくてもよいが、長軸方向を走査方向とすることで走査回数を減らすことができる。
ステップS13において、制御部115は、基準点(基準線)における、ヘッド10とワーク20との距離を印刷可能距離(許容到達距離L1に相当)内で決定する。この際、基準点にヘッド10の中心を合わせ、ヘッド10の中心での距離を、印刷領域30がヘッド10に対して上に凸の関係にある場合には最小距離とし、印刷領域30がヘッド10に対して下に凸の関係にある場合には最大距離とする。
ステップS14において、制御部115は、中心線上でヘッド10とワーク20との距離を固定しながら走査した場合の印刷可能空間を特定する。この処理は、上述した図16及び図17等で説明した処理に相当する。
ステップS15において、制御部115は、印刷可能空間に含まれ、領域の端から端まで一定の最大塗布幅を決定する。この処理は、上述した図18~図24等で説明した処理に相当する。
ステップS16において、制御部115は、1つ目の経路の塗布幅W1を決定する。この処理は、上述した図18~図24等で説明した処理に相当する。
ステップS17において、制御部115は、1つ目の経路40-1の端部を基準点(基準線)として、同様に2つ目の経路40-2を作成する。具体的には、1つ目の経路40-1の端部に、ヘッド10の端部を合わせることで、2つ目の経路40-2を作成する。この処理は、上述した図25~図30等で説明した処理に相当する。
ステップS18において、印刷領域30が全て埋まるまで、経路40を作成する。このように、本実施の形態では、経路40を決めることによって塗布幅W1が決まり、塗れてない隣の領域に対して、再び経路40と塗布幅W1を決めて塗っていく。
<5>まとめ
以上説明したように、本実施の形態によれば、少なくとも、ワーク20の印刷面とヘッド10との距離を表す情報に基づいて、経路40を決定したことにより、3次元のワーク20に、効率的に印刷を行うことができる、インクジェット装置100を用いた印刷方法及びインクジェット装置100を実現できる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、少なくとも、ワーク20の印刷面とヘッド10との距離を表す情報に基づいて、経路40を決定したことにより、3次元のワーク20に、効率的に印刷を行うことができる、インクジェット装置100を用いた印刷方法及びインクジェット装置100を実現できる。
本実施の形態では、ヘッド10の経路データを作成するにあたって、まず、印刷領域30内に基準点を決定し、その基準点から最大塗布幅で印刷することができるように、端から順に経路40を作っていく。
経路データを作成後に、一番シンプルな例ではその経路データに従って印刷していく。実施例では、ヘッド10の中心とワーク20との距離を2mmに設定している。オプションとして、ワーク20とヘッド10とを相対的に動かした場合に、ワーク20とヘッド10とが接触しないで動かすことができるかを検査する処理を加えてもよい。そして、接触すると判断した場合には、経路を作り直すようにしてもよい。
接触の確認では、印刷面がヘッド10に対して上に凸の関係にある場合には、ワーク20を保持している部品とヘッド10とが接触しないかを検査するとよい。印刷面がヘッド10に対して下に凸の関係にある場合には、例えばヘッド10の両側に設けられた紫外線照射部とワーク20とが接触しないかを検査するとよい。
上述の実施の形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することの無い範囲で、様々な形で実施することができる。
本開示のインクジェット装置を用いた印刷方法及びインクジェット装置は、曲面を有するワークに対して液滴を吐出することで所定の画像を印刷する印刷方法及びインクジェット装置に広く適用可能である。
10 インクジェットヘッド(ヘッド)
11 ノズル
12 液滴
20 ワーク
30 印刷領域
40 経路
50 軌跡
100 インクジェット装置
L1 許容到達距離
W0 最大塗布幅
W1 塗布幅
11 ノズル
12 液滴
20 ワーク
30 印刷領域
40 経路
50 軌跡
100 インクジェット装置
L1 許容到達距離
W0 最大塗布幅
W1 塗布幅
Claims (5)
- 曲面を含むワークに対する、インクジェット装置の印刷方法であって、
前記曲面を含む印刷面の3Dデータを取得するステップと、
印刷画像を取得するステップと、
前記3Dデータと前記印刷画像とから、前記印刷面への印刷領域を決定するステップと、
印刷時にインクジェットヘッドが通る経路を決定するステップと、
前記経路のデータに基づいて、印刷を実行するステップと、
を含み、
前記経路を決定するステップでは、
少なくとも、前記印刷面と前記インクジェットヘッドとの距離を表す情報に基づいて、前記経路を決定する、
印刷方法。 - 前記経路を決定するステップでは、
前記印刷面と前記インクジェットヘッドとの距離が予め設定された値を維持し、かつ、前記印刷面と前記インクジェットヘッドとの距離が許容到達距離以内の関係にあるヘッド幅に対応する印刷幅が一定となるように、前記経路を決定する、
請求項1に記載の印刷方法。 - 前記経路を決定するステップは、
基準点における、前記インクジェットヘッドと前記印刷面との距離を許容到達距離内で決定するステップと、
前記インクジェットヘッドと前記印刷面との距離を固定しながら走査した場合の印刷可能空間を特定するステップと、
を含む、
請求項1に記載の印刷方法。 - 前記経路を決定するステップは、
前記印刷可能空間に含まれ、前記印刷領域の端から端まで一定の最大塗布幅を決定するステップを、さらに含む、
請求項3に記載の印刷方法。 - 曲面を有するワークに対して液滴を吐出することで所定の画像を印刷するインクジェット装置であって、
前記ワークの表面に液滴を吐出するインクジェットヘッドを有する印刷ユニットと、
前記ワークの姿勢を調整するワーク駆動ユニットと、
前記印刷ユニット及び前記ワーク駆動ユニットを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
少なくとも、前記ワークの印刷面と前記インクジェットヘッドとの距離を表す情報に基づいて、印刷時にインクジェットヘッドが通る前記印刷面上の経路を決定する、
インクジェット装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2023012981A JP2024108552A (ja) | 2023-01-31 | 2023-01-31 | インクジェット装置を用いた印刷方法及びインクジェット装置 |
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JP2023012981A JP2024108552A (ja) | 2023-01-31 | 2023-01-31 | インクジェット装置を用いた印刷方法及びインクジェット装置 |
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JP2023012981A Pending JP2024108552A (ja) | 2023-01-31 | 2023-01-31 | インクジェット装置を用いた印刷方法及びインクジェット装置 |
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- 2023-01-31 JP JP2023012981A patent/JP2024108552A/ja active Pending
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