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JP2024146219A - 導光フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

導光フィルムおよびその製造方法 Download PDF

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JP2024146219A JP2023058997A JP2023058997A JP2024146219A JP 2024146219 A JP2024146219 A JP 2024146219A JP 2023058997 A JP2023058997 A JP 2023058997A JP 2023058997 A JP2023058997 A JP 2023058997A JP 2024146219 A JP2024146219 A JP 2024146219A
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拓矢 吉本
博之 武本
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Abstract

【課題】2次元瞳複製に適するとともに効率よく製造するのに適した導光フィルムとその製造方法を提供する。【解決手段】本発明の導光フィルムXは、透明樹脂フィルム10と、複数のハーフミラー(HM)薄膜21と、複数のHM薄膜22とを備える。透明樹脂フィルム10は、第1面10Aと、その反対の第2面10Bを有し、アレイ領域R1,R2を含む。アレイ領域R1にて第1面10Aは複数の直立面11を含む。直立面11は、それぞれ第1方向D1に延び、第2方向D2に互いに離れている。アレイ領域R2にて第1面10Aは複数の傾斜面13を含む。傾斜面13は、それぞれ第3方向D3に延び、第4方向D4に互いに離れている。第1方向D1と第3方向D3との角度は30°~60°、面方向Dに対する直立面11および傾斜面13の角度は85°~90°および20°~70°である。直立面11上にHM薄膜21があり、傾斜面13上にHM薄膜22がある。【選択図】図1

Description

本発明は、導光フィルムおよびその製造方法に関する。
AR(Augmented Reality)グラスが知られている。ARグラスは、ユーザーの頭部に装着されるメガネ型のウェアラブルデバイスである。ARグラスを装着したユーザーには、ARグラスにより、実在の風景とデジタル映像とが重ねられて、表示される。そのため、ユーザーは、ARグラスを介して、仮想的に拡張された世界を視認できる。
ARグラスは、導光板と、マイクロプロジェクターと、フレームとを備える。導光板は、フレームにおいて、ユーザーの眼に対向する位置に保持される。導光板は、例えば、眼鏡レンズ様の形状を有する。マイクロプロジェクターは、フレームにおいて、映像光(映像を形成するための光線)を、導光板の一部から当該導光板内に入射できる位置に、保持される。このような、ARグラスの導光板に関する技術については、例えば下記の特許文献1に記載されている。
国際公開第2019/087576号
図10に示すように、特許文献1の導光板100は、内反射面110,120および端面130,140を有する。内反射面110,120は、互いに厚さ方向Hに離れ、且つ平行である。内反射面110は、ユーザーの顔に対向する面である。端面130,140は、厚さ方向Hと直交する一の方向D’に離れている。方向D’は、例えば横方向である。また、導光板100は、複数の部分反射面150を内部に有する。部分反射面150は、ハーフミラーである。各部分反射面150は、厚さ方向Hおよび方向D’と直交する方向(例えば縦方向)に延び、且つ、内反射面110,120に対して傾斜している。複数の部分反射面150は、方向D’に互いに間隔を空けて配置され、且つ、互いに平行である。
導光板100を備えるARグラスでは、マイクロプロジェクター(図示略)からの映像光L’が、光カップリング部(図示略)を介して端面130にて導光板100に入射される。導光板100内において、映像光L’は、端面130から、内反射面110,120での全反射を繰り返して、端面140側へと進む。各部分反射面150は、導光板100内を進む映像光L’の一部を通過させ、且つ、当該映像光L’の他の一部を反射させる。部分反射面150で反射した映像光L’は、内反射面110(導光板100におけるユーザ側)から導光板100外に出射する。導光板100では、以上のようにして、映像光L’が複製される。これにより、方向D’において、ARグラスにおけるアイボックス(ユーザが映像を視認できる範囲)が拡大する。
特許文献1によると、導光板100は、次のように製造される。
まず、図11Aに示すように、必要数のプレート101を用意する(用意されるプレート数が5である場合を例示的に図示する)。プレート101は、ガラスまたは樹脂からなる。端面130(図10)を形成するプレート101以外のプレート101(図11Aではプレート101a~101d)の厚さ方向一方面には、予め、部分反射面150が形成される。部分反射面150は、プレート101に対して所定の屈折率差を有する材料の成膜によって形成される。
次に、図11Bに示すように、複数のプレート101を接合する。具体的には、プレート101と、部分反射面150とが交互に連なる配置で、複数のプレート101を、接着剤を介して接合する(接合工程)。これにより、プレート積層体100Aを得る。
次に、図11Cに示すように、プレート積層体100Aを切断加工する(切断加工工程)。
特許文献1によると、以上のようにして光板100が製造される。しかし、このような導光板製造方法では、上述の接合工程および切断加工工程を実施する必要があり、効率的でない。また、特許文献1の導光板100は、アイボックスを一方向に拡大するものである。すなわち、導光板100は、1次元瞳複製のための構成を有する。導光板100は、2次元瞳複製のための構成(アイボックスを二方向に拡大する構成)を有しない。
本発明は、2次元瞳複製に適するとともに効率よく製造するのに適した導光フィルム、およびその製造方法を提供する。
本発明[1]は、第1面と、当該第1面とは反対側の第2面とを有する透明樹脂フィルムと、複数の第1ハーフミラー薄膜と、複数の第2ハーフミラー薄膜とを備え、前記透明樹脂フィルムが、第1アレイ領域と、第2アレイ領域とを含み、前記第1アレイ領域では、前記第1面が複数の直立面を含み、当該複数の直立面は、前記第1面において、それぞれ第1方向に延び、当該第1方向と直交する第2方向に互いに離れ、且つ互いに平行であり、前記透明樹脂フィルムの厚さ方向と直交する面方向に対する前記直立面の角度が85°以上90°以下であり、前記第2アレイ領域では、前記第1面が複数の傾斜面を含み、当該複数の傾斜面は、前記第1面において、それぞれ第3方向に延び、当該第3方向と直交する第4方向に互いに離れ、且つ互いに平行であり、前記面方向に対する前記傾斜面の角度が20°以上70°以下であり、前記第1面において前記第1方向と前記第3方向とが形成する角度が30°以上60°以下であり、前記複数の直立面のそれぞれの上に前記第1ハーフミラー薄膜が配置され、前記複数の傾斜面のそれぞれの上に前記第2ハーフミラー薄膜が配置されている、導光フィルムを含む。
本発明[2]は、前記第1ハーフミラー薄膜の、波長380nm~780nmでの光反射率が3%以上20%以下である、上記[1]に記載の導光フィルムを含む。
本発明[3]は、前記厚さ方向における前記第1ハーフミラー薄膜の長さが5μm以上100μm以下である、上記[1]または[2]に記載の導光フィルムを含む。
本発明[4]は、前記複数の第1ハーフミラー薄膜の、前記第2方向における配列ピッチが3μm以上500μm以下である、上記[1]から[3]のいずれか一つに記載の導光フィルムを含む。
本発明[5]は、前記第2ハーフミラー薄膜の、波長380nm~780nmでの光反射率が3%以上20%以下である、上記[1]から[4]のいずれか一つに記載の導光フィルムを含む。
本発明[6]は、前記厚さ方向における前記第2ハーフミラー薄膜の長さが5μm以上100μm以下である、上記[1]から[5]のいずれか一つに記載の導光フィルムを含む。
本発明[7]は、前記複数の第2ハーフミラー薄膜の、前記第4方向における配列ピッチが3μm以上500μm以下である、上記[1]から[6]のいずれか一つに記載の導光フィルムを含む。
本発明[8]は、前記透明樹脂フィルムの、波長380nm~780nmでの視感透過率に対する、前記導光フィルムの、波長380nm~780nmでの視感透過率の比率が、80%以上99%以下である、上記[1]から[7]のいずれか一つに記載の導光フィルムを含む。
本発明[9]は、更に樹脂層を備え、当該樹脂層は、前記第1面上に配置され、前記第1ハーフミラー薄膜および前記第2ハーフミラー薄膜を覆う、上記[1]から[8]のいずれか一つに記載の導光フィルムを含む。
本発明[10]は、前記樹脂層における前記透明樹脂フィルムとは反対側の表面と、前記第1ハーフミラー薄膜との間の、前記厚さ方向の距離が、1μm以上100μm以下である、上記[9]に記載の導光フィルムを含む。
本発明[11]は、前記樹脂層における前記透明樹脂フィルムとは反対側の表面と、前記第2ハーフミラー薄膜との間の、前記厚さ方向の距離が、1μm以上100μm以下である、上記[9]または[10]に記載の導光フィルムを含む。
本発明[12]は、第1低屈折率層および第2低屈折率層を更に備え、前記第1低屈折率層が、前記樹脂層における前記透明樹脂フィルムとは反対側の表面上に配置され、前記樹脂層より低い屈折率を有し、前記第2低屈折率層が、前記第2面上に配置され、前記透明樹脂フィルムより低い屈折率を有する、上記[9]から[11]のいずれか一つに記載の導光フィルムを含む。
本発明[13]は、上記[1]から[12]のいずれか一つに記載の導光フィルムを製造する方法であって、第1面と、当該第1面とは反対側の第2面とを有する透明樹脂フィルムを用意する用意工程と、前記用意工程後の前記透明樹脂フィルムの前記第1面に、賦形型を押し当てる賦形転写工程と、前記賦形転写工程後の前記透明樹脂フィルムの前記第1面上にハーフミラー層を形成する成膜工程と、前記ハーフミラー層をパターニングするパターニング工程と、を含み、前記賦形型は、前記第1アレイ領域の表面凹凸形状に対応する第1型面と、前記第2アレイ領域の表面凹凸形状に対応する第2型面とを有し、前記賦形転写工程では、前記第1面に対する前記第1型面および前記第2型面の押し当てにより、前記第1アレイ領域および前記第2アレイ領域を前記第1面に形成し、前記パターニング工程では、前記直立面上の前記第1ハーフミラー薄膜と、前記傾斜面上の前記第2ハーフミラー薄膜とを、前記ハーフミラー層から形成する、導光フィルムの製造方法を含む。
本発明[14]は、前記第1ハーフミラー薄膜および前記第2ハーフミラー薄膜を覆う樹脂層を前記第1面上に形成する樹脂層形成工程を更に含む、上記[13]に記載の導光フィルムの製造方法を含む。
本発明[15]は、前記樹脂層より低い屈折率を有する第1低屈折率層を前記樹脂層上に形成する第1低屈折率層形成工程を更に含む、上記[14]に記載の導光フィルムの製造方法を含む。
本発明[16]は、前記透明樹脂フィルムより低い屈折率を有する第2低屈折率層を前記第2面上に形成する第2低屈折率層形成工程を更に含む、上記[13]から[15]のいずれか一つに記載の導光フィルムの製造方法を含む。
本発明の導光フィルムは、上記のように、透明樹脂フィルムが第1アレイ領域および第2アレイ領域を含む。第1アレイ領域では、第1面が複数の直立面を含み、当該複数の直立面は、第1面において、それぞれ第1方向に延び、当該第1方向と直交する第2方向に互いに離れ、且つ互いに平行であり、透明樹脂フィルムの厚さ方向と直交する面方向に対する直立面の角度が85°以上90°以下である。複数の直立面のそれぞれの上に、第1ハーフミラー(第1HM)薄膜が配置されている。このような第1HM薄膜付き第1アレイ領域は、透明樹脂フィルムの第1アレイ領域に入射して同領域内を伝播する映像光の伝搬過程で、当該映像光を一方向(第1の複製方向)に複製しつつ第2アレイ領域に向けて反射させるのに適する。
また、第2アレイ領域では、第1面が複数の傾斜面を含み、当該複数の傾斜面は、第1面において、それぞれ第3方向に延び、当該第3方向と直交する第4方向に互いに離れ、且つ互いに平行であり、面方向に対する傾斜面の角度が20°以上70°以下である。複数の傾斜面のそれぞれの上に、第2ハーフミラー(第2HM)薄膜が配置されている。そして、第1面において、第1方向(第1アレイ領域の直立面の延び方向)に対して第3方向(第2アレイ領域の傾斜面の延び方向)が形成する角度が、30°以上60°以下である。このような第2HM薄膜付き第2アレイ領域は、第1アレイ領域からの映像光(第1の複製方向に複製されている)が第2アレイ領域を伝播する過程で、当該映像光を一方向(第1の複製方向とは交差する第2の複製方向)に複製しつつ導光フィルム外に向けて反射させるのに適する。したがって、導光フィルムは、映像光を2次元瞳複製(第1の複製方向および第2の複製方向への2次元的な複製)するのに適する。
加えて、導光フィルムの第1アレイ領域および第2アレイ領域は、第1アレイ領域の表面凹凸形状に対応する第1型面と、第2アレイ領域の表面凹凸形状に対応する第2型面とを有する賦形型を、透明樹脂フィルムの第1面に押し当てること(賦形転写工程)によって形成できる。すなわち、導光フィルムの製造においては、従来技術に関して上述した接合工程(図11B)および切断加工工程(図11C)が必要ない。そのため、導光フィルムは、効率よく製造するのに適する。
以上のように、本発明の導光フィルムは、2次元瞳複製に適するとともに、効率よく製造するのに適する。
本発明の導光フィルムの製造方法は、上記のような用意工程、賦形転写工程、成膜工程およびパターニング工程を含む。賦形転写工程では、透明樹脂フィルムの第1面に対する、賦形型の第1型面および第2型面の押し当てにより、第1アレイ領域および第2アレイ領域を第1面に形成する。そのため、本製造方法は、従来技術に関して上述した接合工程(図11B)および切断加工工程(図11C)が必要ない。このような製造方法は、上述の導光フィルムは効率よく製造するのに適する。
本発明の導光フィルムの一実施形態の平面図である。 図1のII-II線に沿った部分断面図である。 図1のIII-III線に沿った部分断面図である。 図3の部分拡大図(角度βが45°以上の場合)である。 図3の部分拡大図(角度βが45°未満の場合)である。 図1に示す導光フィルムの製造方法を表す。図6Aは、透明樹脂フィルム用意工程を表し、図6Bは賦形転写工程を表し、図6Cはハーフミラー層形成工程(成膜工程)を表す。 図6Cに示す工程の後に続く工程を表す。図7Aはパターニング工程を表し、図7Bは樹脂層形成工程を表し、図7Cは第1低屈折率層形成工程を表し、図7Dは第2低屈折率層形成工程を表す。 図1に示す導光フィルムの一変形例の部分断面図である。本変形例では、導光フィルムは第1低屈折率層を備えない。 図1に示す導光フィルムの他の変形例の部分断面図である。本変形例では、導光フィルムは第2低屈折率層を備えない。 従来のARグラス用の導光板の断面図である。 図10に示す導光板の製造方法を表す。
本発明の一実施形態としての導光フィルムFは、図1から図3に示すように、透明樹脂フィルム10と、複数のハーフミラー薄膜21(第1ハーフミラー薄膜)と、複数のハーフミラー薄膜22(第2ハーフミラー薄膜)とを備え、本実施形態では、樹脂層10’と、低屈折率層31(第1低屈折率層)と、低屈折率層32(第2低屈折率層)とを更に備える(図1では、樹脂層10’および低屈折率層31,32を省略する)。導光フィルムFは、具体的には、低屈折率層32と、透明樹脂フィルム10と、ハーフミラー(HM)薄膜21,22と、樹脂層10’と、低屈折率層31とを、厚さ方向Hにこの順で備える。導光フィルムFは、厚さ方向Hと直交する方向(面方向D)に広がる。導光フィルムFは、所定の平面視形状を有する(導光フィルムFの平面視形状が矩形である場合を例示的に図示する)。導光フィルムFは、ARグラス用の導光板である。ARグラスは、例えば、導光板(導光フィルムF)と、光カップリング部と、マイクロプロジェクターと、これらを保持するフレームとを備える。
透明樹脂フィルム10は、導光フィルムFの基材である。透明樹脂フィルム10は、第1面10Aと、当該第1面10Aとは反対側の第2面10Bとを有する。第1面10Aおよび第2面10Bは、厚さ方向Hにおいて、互いに離れている。透明樹脂フィルム10は、アレイ領域R1(第1アレイ領域)と、アレイ領域R2(第2アレイ領域)とを含む(アレイ領域R1,R2の平面視形状が矩形である場合を例示的に図示する)。アレイ領域R1,R2は、本実施形態では、導光フィルムFの長手方向に隣り合う。
アレイ領域R1における第1面10Aは、図2に示すように、複数の直立面11と複数の面12とを含む。図2に示す断面視において、直立面11と面12とは、交互に配置され且つ連続し、面方向Dに連なる複数のプリズム形状(または鋸刃形状)を形成する。
複数の直立面11は、図1に示すように、第1面10Aにおいて、それぞれ第1方向D1に延び、且つ、第1方向D1と直交する第2方向D2において互いに離れている。複数の直立面11は、互いに平行である。図2に示すように、面方向Dに対する直立面11の角度αは、後述のHM薄膜21の傾斜角度に相当する。直立面11の角度αは、ユーザーに視認される後述の映像光L(映像を形成するための光線)の画像ボケを抑制する観点から、85°以上90°以下であり、好ましくは88°以上90°以下であり、より好ましくは90°である。
複数の面12は、図1に示すように、第1面10Aにおいて、それぞれ第1方向D1に延び、且つ、第1方向D1と直交する第2方向D2において互いに離れている。面12は、平坦面であってもよいし、曲面であってもよい。直立面11上にHM薄膜21を適切に形成する観点から、面12は、好ましくは平坦面である。平坦面としての面12の、面方向Dに対する角度αは、直立面11の上記の角度α、HM薄膜21の後記の配列ピッチp、HM薄膜21の幅等の寸法に応じて設定される。角度αは、例えば20°以上40°以下である。
アレイ領域R2における第1面10Aは、図3に示すように、複数の傾斜面13と複数の面14とを含む。図3に示す断面視において、傾斜面13と面14とは、交互に配置され且つ連続し、面方向Dに連なる連続する複数のプリズム形状(または鋸刃形状)を形成する。
複数の傾斜面13は、図1に示すように、第1面10Aにおいて、それぞれ第3方向D3に延び、且つ、第3方向D3と直交する第4方向D4において互いに離れている。複数の傾斜面13は、互いに平行である。図3に示すように、面方向Dに対する傾斜面13の角度βは、後述のHM薄膜22の傾斜角度に相当する。傾斜面13の角度βは、2次元複製後の映像光Lを導光フィルムF外に適切に出射させる観点から、20°以上70°以下である。
複数の面14は、図1に示すように、第1面10Aにおいて、それぞれ第3方向D3に延び、且つ、第3方向D3と直交する第4方向D4において互いに離れている。面14は、平坦面であってもよいし、曲面であってもよい。傾斜面13上にHM薄膜22を適切に形成する観点から、面14は、好ましくは平坦面である。平坦面としての面14の、面方向Dに対する角度βは、傾斜面13の上記の角度β、HM薄膜22の後記の配列ピッチp、HM薄膜22の幅等の寸法に応じて設定される。角度βは、例えば80°以上90°以下である。
第1面10Aにおいて第1方向D1(直立面11の延び方向)と第3方向D3(傾斜面13の延び方向)とが形成する角度γは、アレイ領域R1からアレイ領域R2に映像光Lを適切に伝播させる観点から、30°以上であって、好ましくは40°以上、より好ましくは43°以上であり、また、60°以下であって、好ましくは50°以下、より好ましくは47°以下である。
透明樹脂フィルム10の材料としては、例えば、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂が挙げられる。後述の賦形転写工程において、アレイ領域R1,R2の表面凹凸形状を適切に形成する観点から、透明樹脂フィルム10の材料は、熱可塑性樹脂であるのが好ましい。
透明樹脂フィルム10の屈折率は、導光フィルムF内において適切な導光を実現する観点から、例えば1.2以上、好ましくは1.5以上であり、また、例えば2.8以下、好ましくは2.5以下である。
透明樹脂フィルム10の厚さ(厚さ方向Hの最大値)は、例えば0.1mm以上、好ましくは1.0mm以上であり、また、例えば5.0mm以下、好ましくは2.0mm以下である。
複数の直立面11のそれぞれの上に、HM薄膜21が配置されている。各HM薄膜21は、好ましくは、一の直立面11の全面上に配置されている。HM薄膜21は、導光フィルムF内を進む映像光Lの一部を通過させ、且つ、当該映像光Lの他の一部を反射させる。すなわち、HM薄膜21は、映像光Lに対する反射性と透過性とを併有する。HM薄膜21は、透明樹脂フィルム10よりも屈折率が大きな高屈折率材料、または、透明樹脂フィルム10よりも屈折率が小さな低屈折率材料から形成される。高屈折率材料としては、例えば、酸化チタンおよび酸化ニオブが挙げられる。低屈折率材料としては、例えば、ナノボイドシリカが挙げられる。HM薄膜21の材料は、好ましくはナノボイドシリカである。HM薄膜21の材料についての以上のことは、後記のHM薄膜22の材料についても同様である。
HM薄膜21と透明樹脂フィルム10および樹脂層10’との屈折率差は、HM薄膜21における映像光Lの透過および反射のバランスの観点から、例えば0.1~2である。
HM薄膜21の厚さは、HM薄膜21における映像光Lの透過および反射のバランスの観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上であり、また、好ましくは10μm以下、より好ましくは8μm以下である。
HM薄膜21の、波長380nm~780nmでの光反射率は、HM薄膜21からアレイ領域R2に向けての映像光Lの反射量(光量)を確保する観点から、好ましくは3%以上、より好ましくは7%以上、更に好ましくは10%以上である。HM薄膜21の、波長380nm~780nmでの光反射率は、HM薄膜21通過時の映像光Lの減衰を抑制する観点から、好ましくは20%以下、より好ましくは17%以下、更に好ましくは15%以下である。
厚さ方向HにおけるHM薄膜21の長さhは、光散乱に因る画像ボケの抑制の観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上である。長さhは、HM薄膜21通過時の映像光Lの減衰を抑制する観点から、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下である。
複数のHM薄膜21の、第2方向D2における配列ピッチpは、光散乱に因る画像ボケの抑制の観点から、好ましくは3μm以上、より好ましくは10μm以上、更に好ましくは20μm以上である。配列ピッチpは、隣り合うHM薄膜21,21における低屈折率層31側(図中上端側)の端部の間の距離である。配列ピッチpは、実在風景の視認性確保の観点から、好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下、更に好ましくは100μm以下である。
複数の傾斜面13のそれぞれの上に、HM薄膜22が配置されている。各HM薄膜22は、好ましくは、一の傾斜面13の全面上に配置されている。HM薄膜22は、導光フィルムF内を進む映像光Lの一部を通過させ、且つ、当該映像光Lの他の一部を反射させる。すなわち、HM薄膜22は、映像光Lに対する反射性と透過性とを併有する。
HM薄膜22と透明樹脂フィルム10および樹脂層10’との屈折率差は、HM薄膜22における映像光Lの透過および反射のバランスの観点から、例えば0.1~2である。
HM薄膜22の厚さは、HM薄膜22における映像光Lの透過および反射のバランスの観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上であり、また、好ましくは10μm以下、より好ましくは8μm以下である。
HM薄膜22の、波長380nm~780nmでの光反射率は、HM薄膜22から導光フィルムF外への映像光Lの反射量(光量)を確保する観点から、好ましくは3%以上、より好ましくは7%以上、更に好ましくは10%以上である。HM薄膜22の、波長380nm~780nmでの光反射率は、HM薄膜22通過時の映像光Lの減衰を抑制する観点から、好ましくは20%以下、より好ましくは17%以下、更に好ましくは15%以下である。
厚さ方向HにおけるHM薄膜22の長さhは、光散乱に因る画像ボケの抑制の観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上である。長さhは、傾斜面13の角度βを70°以下に抑えるためには、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下である。
複数のHM薄膜22の、第2方向D2における配列ピッチpは、光散乱に因る画像ボケの抑制の観点から、好ましくは3μm以上、より好ましくは10μm以上、更に好ましくは20μm以上である。配列ピッチpは、隣り合うHM薄膜22,22における低屈折率層31側(図中上端側)の端部の間の距離である。配列ピッチpは、実在風景の視認性確保の観点から、好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下、更に好ましくは100μm以下である。
樹脂層10’は、第1面10A上に配置され、HM薄膜21およびHM薄膜22を覆う。透明樹脂フィルム10および樹脂層10’は、導光フィルムFにおける導光メディア部を形成する。樹脂層10’は、透明樹脂フィルム10とは反対側に表面10Cを有する。表面10Cは、本実施形態では平坦面である。表面10Cは、ユーザーの眼の側を向く面である。透明樹脂フィルム10の第2面10Bと樹脂層10’の表面10Cは、本実施形態では平行である。第2面10Bと表面10Cは、互いに対向する内反射面である。
樹脂層10’の材料としては、例えば、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂が挙げられる。樹脂層10’の材料と、透明樹脂フィルム10の材料とは、同じであるのが好ましい。樹脂層10’の屈折率は、導光フィルムF内において適切な導光を実現する観点から、例えば1.2以上、好ましくは1.5以上であり、また、例えば2.8以下、好ましくは2.5以下である。樹脂層10’の屈折率と、透明樹脂フィルム10の屈折率とは、同じであるのが好ましい。
樹脂層10’の表面10CとHM薄膜21との間の、厚さ方向Hの距離dは、HM薄膜21の保護の観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上である。また、距離dは、導光フィルムFの薄型化の観点から、好ましくは100μm以下、より好ましくは70μm以下である。
低屈折率層31は、樹脂層10’の表面10C上に配置されている。低屈折率層31は、表面10Cに接する。低屈折率層31は、好ましくは、表面10Cの全面を覆う。低屈折率層31の屈折率は、本実施形態では、樹脂層10’の屈折率より小さい。低屈折率層31の屈折率は、表面10Cにて映像光Lの全反射を適切に実現する観点から、樹脂層10’の屈折率より小さい限りにおいて、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.2以下である。樹脂層10’の屈折率と低屈折率層31の屈折率との差は、表面10Cにて映像光Lの全反射を適切に実現する観点から、樹脂層10’の屈折率より小さい限りにおいて、例えば0.1~2である。
低屈折率層31の材料としては、例えば、ナノボイドシリカ等が挙げられ、好ましくはナノボイドシリカが用いられる(後記の低屈折率層32の材料についても同様である)。
低屈折率層31の厚さは、表面10Cにて映像光Lの全反射を適切に実現する観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上である。低屈折率層31の厚さは、導光フィルムFのシースルー性(実在風景由来の光線の透過性)を確保する観点から、例えば100μm以下である。
低屈折率層32は、透明樹脂フィルム10の第2面10B上に配置されている。低屈折率層32は、第2面10Bに接する。低屈折率層32は、好ましくは、第2面10Bの全面を覆う。低屈折率層32の屈折率は、本実施形態では、透明樹脂フィルム10の屈折率より小さい。低屈折率層32の屈折率は、第2面10Bにて映像光Lの全反射を適切に実現する観点から、透明樹脂フィルム10の屈折率より小さい限りにおいて、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.2以下である。透明樹脂フィルム10の屈折率と低屈折率層32の屈折率との差は、第2面10Bにて映像光Lの全反射を適切に実現する観点から、透明樹脂フィルム10の屈折率より小さい限りにおいて、例えば0.1~2である。
低屈折率層32の厚さは、第2面10Bにて映像光Lの全反射を適切に実現する観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上である。低屈折率層32の厚さは、導光フィルムFのシースルー性(実風景由来の光線の透過性)を確保する観点から、例えば100μm以下である。
透明樹脂フィルム10の、波長380nm~780nmでの視感透過率に対する、導光フィルムFの、波長380nm~780nmでの視感透過率の比率は、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上であり、例えば100%以下、好ましくは99%以下である。このような構成は、導光フィルムFにおいて高いシースルー性を確保するのに好ましい。
図6Aから図7Dは、導光フィルムFの製造方法を表す。この製造方法は、本実施形態では、用意工程(図6A)と、賦形転写工程(図6B)と、成膜工程(図6C)と、パターニング工程(図7A)と、樹脂層形成工程(7B)と、第1低屈折率層形成工程(図7C)と、第2低屈折率層形成工程(図7D)とを、この順で含む。
用意工程では、図6Aに示すように、透明樹脂フィルム10Rを用意する。透明樹脂フィルム10Rは、透明樹脂フィルム10の原材フィルムである。透明樹脂フィルム10Rの材料は、透明樹脂フィルム10に関して上記した材料が挙げられる。透明樹脂フィルム10Rは、第1面10Aと、当該第1面10Aとは反対の第2面10Bとを有する。
賦形転写工程では、図6Bに示すように、透明樹脂フィルム10Rの第1面10Aに、賦形型200を押し当てる。賦形型200は、第1型面210と、第2型面220とを有する。第1型面210は、透明樹脂フィルム10における上述のアレイ領域R1の表面凹凸形状に対応する表面凹凸形状を有する。第2型面220は、透明樹脂フィルム10における上述のアレイ領域R2の表面凹凸形状に対応する表面凹凸形状を有する。賦形転写工程では、透明樹脂フィルム10の第1面10Aに対する第1型面210および第2型面220の押し当てにより、アレイ領域R1およびアレイ領域R2を第1面10Aに形成する。これにより、透明樹脂フィルム10が得られる。
本工程では、透明樹脂フィルム10Rは、好ましくは加熱される。加熱温度は、透明樹脂フィルム10Rを十分に軟化させる温度であって、透明樹脂フィルム10Rの過度の熱膨張および/または熱変形を抑制する温度である。
成膜工程では、図6Cに示すように、透明樹脂フィルム10の第1面10A上に、材料を成膜してハーフミラー層20を形成する。ハーフミラー層20の材料は、HM薄膜21,22に関して上記した材料が挙げられる。ハーフミラー層20は、HM薄膜21,22に関して上記した厚さを有する。ハーフミラー層20の形成方法としては、真空蒸着法およびスパッタリング法が挙げられる。
パターニング工程では、図7Aに示すように、ハーフミラー層20(図7B)から複数のHM薄膜21と、複数のHM薄膜22とを形成する。具体的には、ハーフミラー層20をパターニングすることにより、各直立面11上にHM薄膜21を形成し、各傾斜面13上にHM薄膜22を形成する。本工程では、例えば、ハーフミラー層20に対して、所定のエッチングマスクを介してエッチングする。これにより、ハーフミラー層20をパターニングできる。エッチング方法としては、例えばプラズマエッチングが挙げられる。本工程により、HM薄膜21,22付きの透明樹脂フィルム10が得られる。HM薄膜21,22付きの透明樹脂フィルム10は、導光フィルムFの製造過程における中間製造物としての導光フィルムである。
樹脂層形成工程では、図7Bに示すように、透明樹脂フィルム10の第1面10A上に樹脂層10’を形成する。樹脂層10’は、HM薄膜21およびHM薄膜22を覆うように形成される。樹脂層10’は、例えば、所定のコーティング方法によって形成できる。
第1低屈折率層形成工程では、図7Cに示すように、樹脂層10’上に低屈折率層31を形成する。低屈折率層31は、例えば、スプレーコート法によって形成できる。具体的には、樹脂層10’の表面10C上に、液状の低屈折率層形成材料のスプレーコーティングによって塗膜を形成した後、当該塗膜を乾燥することにより、低屈折率層31を形成できる。
第2低屈折率層形成工程では、図7Dに示すように、透明樹脂フィルム10の第2面10B上に低屈折率層32を形成する。低屈折率層32は、例えば、スプレーコート法によって形成できる。具体的には、透明樹脂フィルム10の第2面10B上に、液状の低屈折率層形成材料のスプレーコーティングによって塗膜を形成した後、当該塗膜を乾燥することにより、低屈折率層32を形成できる。
以上のようにして、導光フィルムFを製造できる。
本製造方法においては、上述の成膜工程(図6C)およびパターニング工程(図7A)の代わりに、レジストパターン形成工程と、別の成膜工程と、レジストパターン除去工程とをこの順で実施してもよい。レジストパターン形成工程では、HM薄膜21,22のパターン形状に対応する開口部を有するレジストパターンを、透明樹脂フィルム10の第1面10Aに形成する。成膜工程では、当該レジストパターンを介して、透明樹脂フィルム10の第1面10A上に材料を成膜することにより、直立面11上にHM薄膜21を形成し、傾斜面13上にHM薄膜22を形成する。その後、レジストパターンを除去する(レジストパターン除去工程)。また、本製造方法における第1低屈折率層形成工程(図7C)および第2低屈折率層形成工程(図7D)については、第2低屈折率層形成工程および第1低屈折率層形成工程の順で実施してもよい。
導光フィルムFを備えるARグラスでは、マイクロプロジェクター(図示略)からの映像光Lが、光カップリング部LC(図1にて模式的に仮想線で示す)を介して導光フィルムFのアレイ領域R1に入射される。光カップリング部LCは、例えば、導光フィルムFの低屈折率層31(図2)上に配置される。光カップリング部LCは、例えば、所定形状のプリズムである。光カップリング部LCにより、映像光Lは、図1に示す平面視において導光フィルムF内をx方向に伝播するように、導光フィルムFに入射される。
導光フィルムF内に入射した映像光Lは、図2に示すように、第2面10Bおよび表面10Cでの全反射を繰り返して、アレイ領域R1内をx方向に伝播する。図1に示すように、各HM薄膜21は、導光フィルムF内を進む映像光Lの一部を通過させ、且つ、当該映像光Lの他の一部をアレイ領域R2に向けて反射させる。HM薄膜21での反射により、映像光Lが当該反射光として複製される。すなわち、複数のHM薄膜21により、映像光Lが複数に複製される。アレイ領域R1における複数のHM薄膜21により、映像光Lはx方向に複製される。
アレイ領域R2において、映像光Lは、図3に示すように、第2面10Bおよび表面10Cでの全反射を繰り返してy方向に伝播する。各HM薄膜22は、導光フィルムF内を進む映像光Lの一部を通過させ、且つ、当該映像光Lの他の一部を表面10C側に向けて反射させる。図4は、HM薄膜22の傾斜の角度βが45°以上である場合の一例を示す。図5は、HM薄膜22の傾斜の角度βが45°未満である場合の一例を示す。HM薄膜22での反射により、映像光Lが当該反射光として複製される。すなわち、複数のHM薄膜22により、映像光Lが複数に複製される。アレイ領域R2における複数のHM薄膜22により、映像光Lはy方向に複製される。HM薄膜22で反射した映像光Lは、表面10Cおよび低屈折率層31を通過して導光フィルムF外に出射する(表面10Cおよび低屈折率層31に対する入射角が小さいので、映像光Lは表面10Cにて全反射しない)。
以上のようにして、導光フィルムF外に出射した映像光Lは、2方向に映像が複製されている(2次元瞳複製)。これにより、面方向Dにおいて、ARグラスにおけるアイボックス(ユーザが映像を視認できる範囲)が2方向に拡大する。
導光フィルムFは、上述のように、透明樹脂フィルム10がアレイ領域R1およびアレイ領域R2を含む。アレイ領域R1では、上述のように、第1面10Aが複数の直立面11を含み、当該複数の直立面11は、第1面10Aにおいて、それぞれ第1方向D1に延び、当該第1方向D1と直交する第2方向D2に互いに離れ、且つ互いに平行である。面方向Dに対する直立面11の角度αは、85°以上90°以下である。そして、複数の直立面11のそれぞれの上に、HM薄膜21が配置されている。このようなHM薄膜21付きアレイ領域R1は、透明樹脂フィルム10のアレイ領域R1に入射して同領域内を伝播する映像光Lの伝搬過程で、映像光Lを一方向(第1の複製方向)に複製しつつアレイ領域R2に向けて反射させるのに適する。
また、アレイ領域R2では、上述のように、第1面10Aが複数の傾斜面13を含み、当該複数の傾斜面13は、第1面10Aにおいて、それぞれ第3方向D3に延び、当該第3方向D3と直交する第4方向D4に互いに離れ、且つ互いに平行である。面方向Dに対する傾斜面13の角度βは、20°以上70°以下である。複数の傾斜面13のそれぞれの上に、HM薄膜22が配置されている。そして、第1面10Aにおいて、第1方向D1(アレイ領域R1における直立面11の延び方向)に対して第3方向D3(アレイ領域R2における傾斜面13の延び方向)が形成する角度γは、30°以上60°以下である。このようなHM薄膜22付きアレイ領域R2は、アレイ領域R1からの映像光L(第1の複製方向に複製されている)がアレイ領域R2を伝播する過程で、映像光Lを一方向(第1の複製方向とは交差する第2の複製方向)に複製しつつ導光フィルムF外に向けて反射させるのに適する。したがって、導光フィルムFは、映像光Lを2次元瞳複製(第1の複製方向および第2の複製方向への2次元的な複製)するのに適する。
加えて、導光フィルムFのアレイ領域R1およびアレイ領域R2は、上述のように、賦形型200を、透明樹脂フィルム10の第1面10Aに押し当てることによって形成できる(賦形転写工程)。すなわち、導光フィルムFの製造においては、従来技術に関して上述した接合工程(図11B)および切断加工工程(図11C)が必要ない。そのため、導光フィルムFは、効率よく製造するのに適する。
以上のように、導光フィルムFは、2次元瞳複製に適するとともに、効率よく製造するのに適する。
導光フィルムFは、図8に示すように、樹脂層10’の表面10C上に低屈折率層31を有しなくてもよい。表面10Cへの異物(例えば水滴)の付着による、表面10Cでの映像光の全反射性の低下を抑制する観点から、導光フィルムFは、好ましくは、低屈折率層31を有する。
導光フィルムFは、図9に示すように、透明樹脂フィルム10の第2面10B上に低屈折率層32を有しなくてもよい。図9に示す導光フィルムFは、他の基材と複合化されてもよい。具体的には、導光フィルムFの第2面10B側を、他の基材の表面に貼り合わせてもよい。当該基材は、例えば、導光フィルムFより厚い。当該基材の材料としては、例えば、樹脂、ガラス、および薄ガラスが挙げられる。導光フィルムFと他の基材とを複合化した場合、基材における導光フィルムFとは反対側の表面には、好ましくは、基材よりも屈折率が小さい層(低屈折率層)が形成される。一方、導光フィルムFを他の基材と複合化しない場合には、導光フィルムFの第2面10Bへの異物(例えば水滴)の付着による、第2面20Bでの映像光の全反射性の低下を抑制する観点から、導光フィルムFは、図1に示すように、低屈折率層32を有するのが好ましい。
X 導光フィルム
H 厚さ方向
D 面方向
D1 第1方向
D2 第2方向
D3 第3方向
D4 第4方向
10 透明基材フィルム
R1 アレイ領域(第1アレイ領域)
R2 アレイ領域(第2アレイ領域)
10A 第1面
10B 第2面
11 直立面
13 傾斜面
10’ 樹脂層
10C 表面
21 ハーフミラー薄膜(第1ハーフミラー薄膜)
22 ハーフミラー薄膜(第2ハーフミラー薄膜)
31 低屈折率層(第1低屈折率層)
32 低屈折率層(第2低屈折率層)
70 賦形型
71 第1型面
72 第2型面

Claims (16)

  1. 第1面と、当該第1面とは反対側の第2面とを有する透明樹脂フィルムと、
    複数の第1ハーフミラー薄膜と、
    複数の第2ハーフミラー薄膜とを備え、
    前記透明樹脂フィルムが、第1アレイ領域と、第2アレイ領域とを含み、
    前記第1アレイ領域では、前記第1面が複数の直立面を含み、当該複数の直立面は、前記第1面において、それぞれ第1方向に延び、当該第1方向と直交する第2方向に互いに離れ、且つ互いに平行であり、
    前記透明樹脂フィルムの厚さ方向と直交する面方向に対する前記直立面の角度が85°以上90°以下であり、
    前記第2アレイ領域では、前記第1面が複数の傾斜面を含み、当該複数の傾斜面は、前記第1面において、それぞれ第3方向に延び、当該第3方向と直交する第4方向に互いに離れ、且つ互いに平行であり、
    前記面方向に対する前記傾斜面の角度が20°以上70°以下であり、
    前記第1面において前記第1方向と前記第3方向とが形成する角度が30°以上60°以下であり、
    前記複数の直立面のそれぞれの上に前記第1ハーフミラー薄膜が配置され、
    前記複数の傾斜面のそれぞれの上に前記第2ハーフミラー薄膜が配置されている、導光フィルム。
  2. 前記第1ハーフミラー薄膜の、波長380nm~780nmでの光反射率が3%以上20%以下である、請求項1に記載の導光フィルム。
  3. 前記厚さ方向における前記第1ハーフミラー薄膜の長さが5μm以上100μm以下である、請求項1に記載の導光フィルム。
  4. 前記複数の第1ハーフミラー薄膜の、前記第2方向における配列ピッチが3μm以上500μm以下である、請求項1に記載の導光フィルム。
  5. 前記第2ハーフミラー薄膜の、波長380nm~780nmでの光反射率が3%以上20%以下である、請求項1に記載の導光フィルム。
  6. 前記厚さ方向における前記第2ハーフミラー薄膜の長さが5μm以上100μm以下である、請求項1に記載の導光フィルム。
  7. 前記複数の第2ハーフミラー薄膜の、前記第4方向における配列ピッチが3μm以上500μm以下である、請求項1に記載の導光フィルム。
  8. 前記透明樹脂フィルムの、波長380nm~780nmでの視感透過率に対する、前記導光フィルムの、波長380nm~780nmでの視感透過率の比率が、80%以上99%以下である、請求項1に記載の導光フィルム。
  9. 更に樹脂層を備え、当該樹脂層は、前記第1面上に配置され、前記第1ハーフミラー薄膜および前記第2ハーフミラー薄膜を覆う、請求項1から8のいずれか一つに記載の導光フィルム。
  10. 前記樹脂層における前記透明樹脂フィルムとは反対側の表面と、前記第1ハーフミラー薄膜との間の、前記厚さ方向の距離が、1μm以上100μm以下である、請求項9に記載の導光フィルム。
  11. 前記樹脂層における前記透明樹脂フィルムとは反対側の表面と、前記第2ハーフミラー薄膜との間の、前記厚さ方向の距離が、1μm以上100μm以下である、請求項9に記載の導光フィルム。
  12. 第1低屈折率層および第2低屈折率層を更に備え、
    前記第1低屈折率層が、前記樹脂層における前記透明樹脂フィルムとは反対側の表面上に配置され、前記樹脂層より低い屈折率を有し、
    前記第2低屈折率層が、前記第2面上に配置され、前記透明樹脂フィルムより低い屈折率を有する、請求項9に記載の導光フィルム。
  13. 請求項1に記載の導光フィルムを製造する方法であって、
    第1面と、当該第1面とは反対側の第2面とを有する透明樹脂フィルムを用意する用意工程と、
    前記用意工程後の前記透明樹脂フィルムの前記第1面に、賦形型を押し当てる賦形転写工程と、
    前記賦形転写工程後の前記透明樹脂フィルムの前記第1面上にハーフミラー層を形成する成膜工程と、
    前記ハーフミラー層をパターニングするパターニング工程と、を含み、
    前記賦形型は、前記第1アレイ領域の表面凹凸形状に対応する第1型面と、前記第2アレイ領域の表面凹凸形状に対応する第2型面とを有し、
    前記賦形転写工程では、前記第1面に対する前記第1型面および前記第2型面の押し当てにより、前記第1アレイ領域および前記第2アレイ領域を前記第1面に形成し、
    前記パターニング工程では、前記直立面上の前記第1ハーフミラー薄膜と、前記傾斜面上の前記第2ハーフミラー薄膜とを、前記ハーフミラー層から形成する、導光フィルムの製造方法。
  14. 前記第1ハーフミラー薄膜および前記第2ハーフミラー薄膜を覆う樹脂層を前記第1面上に形成する樹脂層形成工程を更に含む、請求項13に記載の導光フィルムの製造方法。
  15. 前記樹脂層より低い屈折率を有する第1低屈折率層を前記樹脂層上に形成する第1低屈折率層形成工程を更に含む、請求項14に記載の導光フィルムの製造方法。
  16. 前記透明樹脂フィルムより低い屈折率を有する第2低屈折率層を前記第2面上に形成する第2低屈折率層形成工程を更に含む、請求項13から15のいずれか一つに記載の導光フィルムの製造方法。
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