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JP2024088404A - ショーツ型ナプキン - Google Patents

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伸亨 加藤
Nobuyuki Kato
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Unicharm Corp
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Abstract

【課題】吸収性コアが着用者の臀部の溝に密着しやすく、経血の後ろ伝い漏れを抑制するショーツ型ナプキンを提供すること。【解決手段】ショーツ型ナプキン(1)であって、背側胴回り部(30)と重なる吸収性コア(11)の左右方向の両端を通り長手方向に延びる一対の第1仮想線と、吸収性コア(11)の上端を通り左右方向に延びる第2仮想線と、ショーツ型ナプキン(1)の長手方向の中央位置とサイド接合部の下端との間を2分する左右方向に延びる第3仮想線とで区画される矩形領域を、5分割したとき、左右方向の最も外側に位置する端部領域に比べて、左右方向の内側に隣接する領域の方が、接着剤の坪量が低く、背側胴回り部(30)は矩形領域において左右方向に連続して伸縮する弾性部材(33,35)を有する。【選択図】図6

Description

本発明は、ショーツ型ナプキンに関する。
特許文献1には、図柄を有する裏面シート及び吸収体を具備する吸収性本体と、外装体からなるパンツ型使い捨ておむつが開示されている。特許文献1では、優しい風合いを有しつつ、図柄が外観上明瞭に見えるように、腹側部や背側部において図柄が設けられている部位では、吸収性本体と外装体が接着されており、股下部における吸収性本体の幅方向中央部では、接着剤の坪量が低くなっている。
特開2005-103178号公報
特許文献1で例示されているような使い捨ておむつでは、背側に、便を収容する空間や、尿が吸収体に吸収されるまでの間、尿を蓄えておく空間を必要とする。これに対して、ショーツ型ナプキンは、主に経血の吸収を用途とし、経血は、尿に比べて粘度が高いため、身体(臀部の溝)を伝いやすく、また、表面シート上で拡散しやすい傾向にあり、かつ排泄量が少ない。そのため、ショーツ型ナプキンでは、吸収性コア(吸収体)が着用者の臀部の溝に密着し、経血の後ろ伝い漏れを抑制することが求められている。
しかし、特許文献1の使い捨ておむつでは、既述の通り、図柄が設けられている部位では、吸収性本体が外装体に密着するように接着されている。そのため、着用者の臀部の溝が当接する背側部に図柄が設けられていると、接着剤により剛性が高まって変形し難くなり、吸収体が着用者の臀部の溝に密着するように変形することが難しい。
また、特許文献1の使い捨ておむつでは、胴周囲部に設けられている幅方向に伸縮する弾性部材は、吸収体と重なる部位において、弾性伸縮性が発現されない。そのため、着用者の臀部の溝が当接する胴周囲部では、吸収体は弾性部材の影響を受けずに平らに保たれ易い。よって、吸収体が着用者の臀部の溝に密着するように変形することが難しい。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、吸収性コアが着用者の臀部の溝に密着しやすく、経血の後ろ伝い漏れを抑制するショーツ型ナプキンを提供することにある。
上記目的を達成するための主たる発明は吸収性コアを備える吸収性本体と、腹側胴回り部と、背側胴回り部と、を有し、前記腹側胴回り部、及び、前記背側胴回り部が、一対のサイド接合部によって、環状に接合されているショーツ型ナプキンであって、展開かつ伸張状態において、互いに直交する長手方向、左右方向、及び、厚さ方向を有し、前記背側胴回り部と前記厚さ方向に重なる前記吸収性コアの部位の前記左右方向の両端をそれぞれ通り、前記長手方向に延びる一対の第1仮想線と、前記背側胴回り部と前記厚さ方向に重なる前記吸収性コアの部位の前記長手方向の胴回り側の端を通り、前記左右方向に延びる第2仮想線と、前記ショーツ型ナプキンの前記長手方向の中央位置と背側の前記サイド接合部の股下側の端との間を前記長手方向に2分割する、前記左右方向に延びる第3仮想線と、で区画される矩形領域を有し、前記矩形領域を前記左右方向に5分割したとき、前記左右方向の最も外側に位置する端部領域に比べて、当該端部領域と前記左右方向の内側に隣接する領域の方が、前記背側胴回り部と前記吸収性本体を接合する接着剤の坪量が低く、前記背側胴回り部は、少なくとも前記矩形領域において、前記左右方向に連続して前記左右方向に伸縮する弾性部材を有することを特徴とするショーツ型ナプキンである。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、吸収性コアが着用者の臀部の溝に密着しやすく、経血の後ろ伝い漏れを抑制するショーツ型ナプキンを提供することができる。
ショーツ型ナプキン1を腹側から見た正面図である。 ショーツ型ナプキン1を背側から見た背面図である。 展開かつ伸張状態のショーツ型ナプキン1を肌側から見た平面図である。 図4Aは、図3の第1中心線CL1での概略断面図であり、図4Bは、図3の第2中心線CL2での概略断面図である。 図5Aは吸収性本体10に設けられる接着領域10Rの説明図であり、図5Bは、胴回り部20,30に設けられる接着領域20Rの説明図である。 ナプキン1に設けられる接着領域1Rの説明図である。 図7A及び図7Bは、第1矩形領域Raの説明図である。 図8A及び図8Bは、第2矩形領域Rb及び第3矩形領域Rcの説明図である。 図9A及び図9Bは、接着領域1Rの変形例の説明図である。 図10A及び図10Bは、接着領域1Rの変形例の説明図である。 図11A及び図11Bは、第4矩形領域Rd及び第5矩形領域Reの説明図である。 図12A及び図12Bは、第6矩形領域Rfの説明図である。 図13A及び図13Bは、第2実施形態の接着領域1Rの説明図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
(態様1)
吸収性コアを備える吸収性本体と、腹側胴回り部と、背側胴回り部と、を有し、前記腹側胴回り部、及び、前記背側胴回り部が、一対のサイド接合部によって、環状に接合されているショーツ型ナプキンであって、展開かつ伸張状態において、互いに直交する長手方向、左右方向、及び、厚さ方向を有し、前記背側胴回り部と前記厚さ方向に重なる前記吸収性コアの部位の前記左右方向の両端をそれぞれ通り、前記長手方向に延びる一対の第1仮想線と、前記背側胴回り部と前記厚さ方向に重なる前記吸収性コアの部位の前記長手方向の胴回り側の端を通り、前記左右方向に延びる第2仮想線と、前記ショーツ型ナプキンの前記長手方向の中央位置と背側の前記サイド接合部の股下側の端との間を前記長手方向に2分割する、前記左右方向に延びる第3仮想線と、で区画される矩形領域を有し、前記矩形領域を前記左右方向に5分割したとき、前記左右方向の最も外側に位置する端部領域に比べて、当該端部領域と前記左右方向の内側に隣接する領域の方が、前記背側胴回り部と前記吸収性本体を接合する接着剤の坪量が低く、前記背側胴回り部は、少なくとも前記矩形領域において、前記左右方向に連続して前記左右方向に伸縮する弾性部材を有することを特徴とするショーツ型ナプキン。
態様1によれば、着用者の臀部の溝が当接する矩形領域のうち、吸収性コアの左右方向の両側部が対応する端部領域よりも、内側の隣接する領域の剛性が低くなり、変形しやすくなる。そのため、隣接する領域が折れ起点となり、吸収性コアの左右方向の中央部が臀部の溝に密着するように凸状に変形しやすくなる。また、矩形領域内の弾性部材によって、吸収性コアが左右方向に収縮しようとする際も、無秩序に皺が形成され難く、剛性の低い、隣接する領域が変形しやすく、吸収性コアの凸状への変形が促進され、かつ着用中も吸収性コアが臀部の溝に密着した状態が維持されやすくなる。したがって、経血等の後ろ伝い漏れを抑制できる。
(態様2)
態様1に記載のショーツ型ナプキンであって、前記背側胴回り部は、前記腹側胴回り部とは別部材として構成されていることを特徴とするショーツ型ナプキン。
態様2によれば、背側胴回り部から腹側胴回り部まで連続する一体型の外装部材とは異なり、着用者の股下部の動き(脚の開閉等)が外装部材を介して背側胴回り部に伝達されてしまうことを防止できる。よって、吸収性コアが臀部の溝に密着した状態が維持されやすくなる。また、ナプキン装着のための引き上げ時に、吸収性本体と背側胴回り部の接着部分に力が集中しやすく、吸収性コアが臀部に押し当てられ、臀部の溝に密着しやすくなる。
(態様3)
態様2に記載のショーツ型ナプキンであって、展開かつ伸張状態において、前記一対の第1仮想線と、背側の前記サイド接合部の股下側の端を通り、前記左右方向に延びる第4仮想線と、前記背側胴回り部の股下側の端を通り、前記左右方向に延びる第5仮想線と、で区画される第2矩形領域を有し、前記第2矩形領域を前記左右方向に5分割したとき、前記左右方向の最も外側に位置する第2端部領域に比べて、当該第2端部領域と前記左右方向の内側に隣接する領域の方が、前記接着剤の坪量が低く、前記背側胴回り部は、少なくとも前記第2矩形領域において、前記左右方向に連続して前記左右方向に伸縮する前記弾性部材を有することを特徴とするショーツ型ナプキン。
態様3によれば、臀部の溝の開始部から深くなる箇所に当接する第2矩形領域において、第2端部領域よりも内側の隣接する領域の剛性が低く、折れ起点となりやすい。そのため、吸収性コアが臀部の溝の開始部から深くなる箇所に密着するように凸状に変形しやすくなる。また、第2矩形領域内の弾性部材によって、吸収性コアの凸状への変形が促進され、かつ着用中も吸収性コアが臀部の溝に密着した状態が維持されやすくなる。
(態様4)
態様1から態様3の何れかに記載のショーツ型ナプキンであって、前記矩形領域を前記左右方向に5分割したときの、前記端部領域よりも前記左右方向の内側の3つの領域は、前記接着剤が設けられていない非接着領域を有することを特徴とするショーツ型ナプキン。
態様4によれば、接着領域に比して非接着領域では剛性が低くなる為、内側の3つの領域が非接着領域を有することで、3つの領域の剛性が低くなり、着用者の臀部の溝や周辺部の形状に吸収性コアが沿いやすくなる。よって、ショーツ型ナプキンと着用者の間に隙間が生じ難くなり、経血等の後ろ漏れを抑制できる。
(態様5)
態様1から態様4の何れかに記載のショーツ型ナプキンであって、展開かつ伸張状態において、前記一対の第1仮想線と、前記第2仮想線と、背側の前記サイド接合部の股下側の端を通り、前記左右方向に延びる第4仮想線と、で区画される第3矩形領域を有し、前記第3矩形領域を前記左右方向に5分割したとき、前記左右方向の最も外側に位置する第3端部領域に比べて、当該第3端部領域と前記左右方向の内側に隣接する領域の方が、前記接着剤の坪量が低く、前記背側胴回り部は、少なくとも前記第3矩形領域において、前記左右方向に連続して前記左右方向に伸縮する前記弾性部材を有することを特徴とするショーツ型ナプキン。
態様5によれば、臀部の溝の終端部に当接する第3矩形領域において、第3端部領域よりも内側の隣接する領域の剛性が低く、折れ起点となりやすい。そのため、吸収性コアが、臀部の溝の終端部に密着するように凸状に変形しやすくなる。また、第3矩形領域の弾性部材によって、吸収性コアの凸状への変形が促進され、かつ着用中に吸収性コアが臀部の溝に密着した状態が維持されやすくなる。また、第3端部領域に隣接する領域の剛性が低いことで、吸収性コアが凸状に変形した状態から背側の平坦な部分に沿うように変形しやすく、着用中の違和感を軽減できる。
(態様6)
態様1から態様5の何れかに記載のショーツ型ナプキンであって、展開かつ伸張状態において、前記矩形領域を前記左右方向に5分割したときの、前記端部領域に隣接する領域のうち、前記長手方向に前記サイド接合部と重複する部位と、前記サイド接合部よりも前記股下側の部位との、少なくとも一方は、前記接着剤が設けられている接着領域と、前記接着剤が設けられていない非接着領域とを有し、当該非接着領域は、当該接着領域に比べて、前記左右方向の長さが長いことを特徴とするショーツ型ナプキン。
態様6によれば、端部領域に隣接する領域において、接着領域が設けられつつ、非接着領域の左右方向の長さが適度に長くなることで、折れ起点が明確となりやすい。よって、吸収性コアが臀部の溝に密着するように凸状に変形しやすくなる。
(態様7)
態様1から態様5の何れかに記載のショーツ型ナプキンであって、展開かつ伸張状態において、前記矩形領域を前記左右方向に5分割したときの、前記端部領域に隣接する領域のうち、前記長手方向に前記サイド接合部と重複する部位と、前記サイド接合部よりも前記股下側の部位との、少なくとも一方は、前記接着剤が設けられている接着領域と、前記接着剤が設けられていない非接着領域とを有し、当該非接着領域は、当該接着領域に比べて、前記左右方向の長さが短いことを特徴とするショーツ型ナプキン。
態様7によれば、端部領域に隣接する領域において、接着領域の長さが長くなることで、吸収性本体と背側胴回りの個々の動きによる擦れを抑制でき、製品破断を防止できる。
(態様8)
態様1から態様5の何れかに記載のショーツ型ナプキンであって、展開かつ伸張状態において、前記矩形領域を前記左右方向に5分割したときの、前記端部領域に隣接する領域のうち、前記長手方向に前記サイド接合部と重複する部位と、前記サイド接合部よりも前記股下側の部位との、少なくとも一方は、全域に亘り、前記接着剤が設けられていない非接着領域であることを特徴とするショーツ型ナプキン。
態様8によれば、矩形領域の中の隣接する領域において、全域が非接着領域となることで、背側胴回り部は収縮しやすいが、吸収性本体はそれに連動せずに収縮し難くなる。この収縮差によって隣接する領域が折れやすくなり、吸収性コアが臀部の溝に密着するように凸状に変形しやすくなる。
(態様9)
態様1から態様8の何れかに記載のショーツ型ナプキンであって、展開かつ伸張状態において、前記矩形領域を前記左右方向に5分割したときの中央の領域のうち、前記長手方向に前記サイド接合部と重複する部位と、前記サイド接合部よりも前記股下側の部位との、少なくとも一方は、前記接着剤が設けられている接着領域と、前記接着剤が設けられていない非接着領域とを有し、当該接着領域は、前記中央の領域の前記左右方向の中央位置と前記厚さ方向に重複し、当該非接着領域は、当該接着領域の前記左右方向の両外側に位置していることを特徴とするショーツ型ナプキン。
態様9によれば、中央の領域の接着領域が折れ起点となり、吸収性コアが凸状に2つに折れやすく、着用者の臀部の溝に入り込みやすくなる。また、接着領域の左右方向の両外側には剛性の低い非接着領域が位置することで、吸収性コアが臀部の溝及び周辺部の形状に沿いやすく、ナプキンと着用者の間に隙間が生じ難くなる。
(態様10)
態様1から態様8の何れかに記載のショーツ型ナプキンであって、展開かつ伸張状態において、前記矩形領域を前記左右方向に5分割したときの中央の領域のうち、前記長手方向に前記サイド接合部と重複する部位と、前記サイド接合部よりも前記股下側の部位との、少なくとも一方は、全域に亘り、前記接着剤が設けられていない非接着領域であることを特徴とするショーツ型ナプキン。
態様10によれば、中央の領域の剛性がより低くなり、変形しやすくなる。そのため、吸収性コアが臀部の溝及び周辺部の形状に沿いやすく、ナプキンと着用者の間に隙間が生じ難くなる。
(態様11)
態様1から態様8の何れかに記載のショーツ型ナプキンであって、展開かつ伸張状態において、前記矩形領域を前記左右方向に5分割したときの前記端部領域、及び、中央の領域のうち、前記長手方向に前記サイド接合部と重複する部位と、前記サイド接合部よりも前記股下側の部位との、少なくとも一方は、前記接着剤が設けられている接着領域を有し、前記端部領域の前記部位が有する前記接着領域の方が、前記中央の領域の前記部位が有する前記接着領域に比べて、前記左右方向の長さが長いことを特徴とするショーツ型ナプキン。
態様11によれば、中央の領域の接着領域が折れ起点となり、吸収性コアが凸状に2つに折れやすく、着用者の臀部の溝に入り込みやすくなる。一方、端部領域の接着領域の幅が広いことで、端部領域の内側の凸状に変形する吸収性コアの部位を下方から支持でき、吸収性コアが臀部の溝に密着した状態が維持されやすくなる。
(態様12)
態様1から態様11の何れかに記載のショーツ型ナプキンであって、前記サイド接合部よりも下方の前記背側胴回り部には、前記背側胴回り部の前記左右方向の両側部から中央部に向かって下側に傾斜する部位と、前記中央部において前記左右方向に延在する部位と、を有する傾斜伸縮領域が設けられ、展開かつ伸張状態において、前記一対の第1仮想線と、前記傾斜伸縮領域の胴回り側の端を通り、前記左右方向に延びる第6仮想線と、前記傾斜伸縮領域の股下側の端を通り、前記左右方向に延びる第7仮想線と、で区画される第4矩形領域を有し、前記第4矩形領域を前記左右方向に5分割したとき、前記左右方向の最も外側に位置する第4端部領域に比べて、当該第4端部領域と前記左右方向の内側に隣接する領域の方が、前記接着剤の坪量が低いことを特徴とするショーツ型ナプキン。
態様12によれば、臀部の溝の開始部に当接する第4矩形領域において、隣接する領域の剛性が低く、折れ起点となりやすい。そのため、吸収性コアが、臀部の溝の開始部に密着するように凸状に変形しやすくなる。また、第4矩形領域の弾性部材によって、吸収性コアの凸状への変形が促進され、かつ着用中も吸収性コアが臀部の溝に密着した状態が維持されやすくなる。ただし、傾斜弾性部材によって、臀部の左右の膨らみに背側胴回り部が左右の外側へ引っ張られ、吸収性コアが臀部の溝に過度に食い込むことを抑制できる。
(態様13)
態様1から態様12の何れかに記載のショーツ型ナプキンであって、前記吸収性コアは、少なくとも股下部において、前記左右方向の内側に括れた括れ部と、前記括れ部よりも背側において、前記左右方向の長さが最も広くなる最大幅広部と、を有し、展開かつ伸張状態において、前記一対の第1仮想線と、前記第2仮想線と、前記最大幅広部を通り、前記左右方向に延びる第8仮想線と、で区画される第5矩形領域を有し、前記第5矩形領域を前記左右方向に5分割したとき、前記左右方向の最も外側に位置する第5端部領域に比べて、当該第5端部領域と前記左右方向の内側に隣接する領域の方が、前記接着剤の坪量が低く、前記背側胴回り部は、少なくとも前記第5矩形領域において、前記左右方向に連続して前記左右方向に伸縮する前記弾性部材を有することを特徴とするショーツ型ナプキン。
態様13によれば、吸収性コアの幅が広い領域に当接する第5矩形領域において、隣接する領域の剛性が低く、折れ易くなる。そのため、吸収性コアが臀部の溝に密着するように凸状に変形しやすくなる。また、吸収性コアが凸状に変形しても両外側に広がる吸収性コアの幅(裾の部分)が確保されるため、横漏れを抑制でき、かつ着用者の漏れへの不安を軽減できる。
(態様14)
態様1から態様13の何れかに記載のショーツ型ナプキンであって、展開かつ伸張状態において、前記腹側胴回り部と前記厚さ方向に重なる前記吸収性コアの部位の前記左右方向の両端をそれぞれ通り、前記長手方向に延びる一対の第9仮想線と、前記腹側胴回り部と前記厚さ方向に重なる前記吸収性コアの部位の前記長手方向の胴回り側の端を通り、前記左右方向に延びる第10仮想線と、前記ショーツ型ナプキンの前記長手方向の中央位置と腹側の前記サイド接合部の股下側の端との間を前記長手方向に2分割する、前記左右方向に延びる第11仮想線と、で区画される第6矩形領域を有し、前記第6矩形領域を前記左右方向に5分割したとき、前記左右方向の最も外側に位置する第6端部領域に比べて、当該第6端部領域と前記左右方向の内側に隣接する領域の方が、前記腹側胴回り部と前記吸収性本体を接合する接着剤の坪量が低く、前記腹側胴回り部は、少なくとも前記第6矩形領域において、前記左右方向に連続して前記左右方向に伸縮する腹側の弾性部材を有することを特徴とするショーツ型ナプキン。
態様14によれば、着用者の下腹部が当接する第6矩形領域において、端部領域に隣接する領域の剛性が低く、折れ起点となりやすい。そのため、吸収性コアが下腹部の丸みに沿うように外側に凸状に変形しやすくなる。よって、腹側においてもナプキンと着用者の間に隙間が生じ難く、漏れを抑制でき、かつ着け心地が向上する。
(態様15)
態様1から態様14の何れかに記載のショーツ型ナプキンであって、前記吸収性本体は、前記吸収性コアよりも非肌側において、前記長手方向に伸縮する長手弾性部材を有し、少なくとも前記矩形領域の前記長手方向の一部に、前記長手弾性部材が設けられていることを特徴とするショーツ型ナプキン。
態様15によれば、着用者の臀部の溝に当接する矩形領域内の吸収性コアが、長手弾性部材によって肌側に押し上げられる。よって、吸収性コアが着用者の臀部の溝に密着しやすく、かつ着用中も密着した状態が維持されやすくなる。
(態様16)
態様1から態様15の何れかに記載のショーツ型ナプキンであって、背側の前記吸収性本体の胴回り側の端を跨いで設けられ、当該端を肌側から覆うカバーシートが設けられていることと、前記矩形領域の中の前記隣接する領域では、胴回り側の端部に前記接着剤が設けられていることと、のうちの少なくとも一方を満たすことを特徴とするショーツ型ナプキン。
態様16によれば、カバーシートによって吸収性本体の胴回り側の端部の捲れ(背側胴回り部からの剥離)を抑制できる。又は、端部領域に隣接する領域に設けられる接着剤によって、吸収性本体の胴回り側の端部の捲れを抑制できる。よって、吸収性本体の端部の捲れによる着用中の違和感を防止できる。
(態様17)
態様1から態様16の何れかに記載のショーツ型ナプキンであって、互いに直交する上下方向、左右方向、及び、前後方向を有し、前記吸収性本体の上端と前記サイド接合部の下端との前記上下方向の中央位置において、背側の前記吸収性本体の前記左右方向の長さの方が、腹側の前記吸収性本体の前記左右方向の長さよりも短いことを特徴とするショーツ型ナプキン。
態様17によれば、自然状態のナプキンにおいて背側の吸収性本体が左右方向に収縮していることを視認したユーザーは、臀部の溝に密着しやすいナプキンである印象を受けやすく、ユーザーの後ろ漏れへの不安を軽減できる。
(態様18)
吸収性コアを備える吸収性本体と、腹側胴回り部と、背側胴回り部と、を有し、前記腹側胴回り部、及び、前記背側胴回り部が、一対のサイド接合部によって、環状に接合されているショーツ型ナプキンであって、展開かつ伸張状態において、互いに直交する長手方向、左右方向、及び、厚さ方向を有し、前記背側胴回り部と前記厚さ方向に重なる前記吸収性コアの部位の前記左右方向の両端をそれぞれ通り、前記長手方向に延びる一対の第1仮想線と、前記背側胴回り部と前記厚さ方向に重なる前記吸収性コアの部位の前記長手方向の胴回り側の端を通り、前記左右方向に延びる第2仮想線と、前記ショーツ型ナプキンの前記長手方向の中央位置と背側の前記サイド接合部の股下側の端との間を前記長手方向に2分割する、前記左右方向に延びる第3仮想線と、で区画される矩形領域を有し、前記矩形領域を前記左右方向に5分割したとき、前記左右方向の最も外側に位置する端部領域に比べて、中央の領域の方が、前記背側胴回り部と前記吸収性本体を接合する接着剤の坪量が低く、前記背側胴回り部は、少なくとも前記矩形領域において、前記左右方向に連続して前記左右方向に伸縮する弾性部材を有することを特徴とするショーツ型ナプキン。
態様18によれば、矩形領域の中の中央の領域の剛性が低く、変形しやすくなるため、吸収性コアが着用者の臀部の溝に密着するように凸状に変形しやすくなる。また、弾性部材によって、吸収性コアの凸状への変形が促進され、かつ着用中も吸収性コアが臀部の溝に密着した状態が維持されやすくなる。一方、端部領域の剛性は高くなり、凸状に変形する吸収性コアの部位を下方から支持でき、吸収性コアが臀部の溝に密着した状態が維持されやすくなる。
(態様19)
吸収性コアを備える吸収性本体と、腹側胴回り部と、背側胴回り部と、を有し、前記腹側胴回り部、及び、前記背側胴回り部が、一対のサイド接合部によって、環状に接合されているショーツ型ナプキンであって、展開かつ伸張状態において、互いに直交する長手方向、左右方向、及び、厚さ方向を有し、前記背側胴回り部と前記厚さ方向に重なる前記吸収性コアの部位の前記左右方向の両端をそれぞれ通り、前記長手方向に延びる一対の第1仮想線と、前記背側胴回り部と前記厚さ方向に重なる前記吸収性コアの部位の前記長手方向の胴回り側の端を通り、前記左右方向に延びる第2仮想線と、前記ショーツ型ナプキンの前記長手方向の中央位置と背側の前記サイド接合部の股下側の端との間を前記長手方向に2分割する、前記左右方向に延びる第3仮想線と、で区画される矩形領域を有し、前記矩形領域を前記左右方向に5分割したとき、前記左右方向の最も外側に位置する端部領域は、前記背側胴回り部と前記吸収性本体を接合する接着剤が設けられている接着領域を有し、前記矩形領域には、前記接着領域よりも前記左右方向の内側に、前記接着剤が設けられていない非接着領域が配されており、前記背側胴回り部は、少なくとも前記矩形領域において、前記左右方向に連続して前記左右方向に伸縮する弾性部材を有することを特徴とするショーツ型ナプキン。
態様19によれば、端部領域の接着領域と、その接着領域よりも内側に設けられた非接着領域とで剛性差が生じた部位が、折れ起点となりやすく、吸収性コアが着用者の臀部の溝に密着するように凸状に変形しやすくなる。また、弾性部材によって、吸収性コアの凸状への変形が促進され、かつ着用中も吸収性コアが臀部の溝に密着した状態が維持されやすくなる。一方、端部領域の剛性は高くなり、凸状に変形する吸収性コアの部位を下方から支持でき、吸収性コアが臀部の溝に密着した状態が維持されやすくなる。
===実施形態===
<<ショーツ型ナプキン1の基本構成>>
図1は、ショーツ型ナプキン1を腹側から見た正面図である。図2は、ショーツ型ナプキン1を背側から見た背面図である。図3は、展開かつ伸張状態のショーツ型ナプキン1を肌側から見た平面図である。図4Aは、図3の第1中心線CL1での概略断面図であり、図4Bは、図3の第2中心線CL2での概略断面図である。以下の説明では、ショーツ型ナプキンを単に「ナプキン」とも称す。また、第1中心線CL1は、長手方向で製品を2分する中心点において左右方向に延びる線であり、第2中心線CL2は、左右方向で製品を2分する中心点において長手方向に延びる線である。
ショーツ型ナプキン1の展開状態とは、ナプキン1の両側部に設けられている一対のサイド接合部2を分離して、ナプキン1を開いて平面的に展開した状態である。
ショーツ型ナプキン1の伸張状態とは、ナプキン1の皺が視認できなくなる程度まで伸張させた状態である。具体的には、ナプキン1を構成する各部材の寸法が、その部材単体の寸法と一致又はそれに近い寸法になるまで伸張させた状態である。
ショーツ型ナプキン1は、互いに直交する上下方向、左右方向、及び、前後方向を有し、胴回り開口部BHと一対の脚回り開口部LHを有している。上下方向の上側が胴回り開口部BH側に対応し、下側が股下側に対応する。前後方向の前側が着用者の腹側に対応し、後側が着用者の背側に対応する。また、図4A、図4Bに示すように、ナプキン1を構成する資材が積層された方向を厚さ方向とする。厚さ方向において着用者の肌と接する側を肌側とし、その反対側を非肌側とする。
また、ショーツ型ナプキン1は、吸収性本体10と、着用者の腹側部を覆う腹側胴回り部20と、着用者の背側部を覆う背側胴回り部30とを有する。図3に示すように、ショーツ型ナプキン1は、展開状態において、互いに直交する長手方向、左右方向、及び、厚さ方向を有する。展開状態の長手方向がショーツ型状態の上下方向に対応する。以下の説明では、腹側胴回り部20と背側胴回り部30を合わせて胴回り部20,30とも称す。
展開状態のナプキン1では、腹側胴回り部20と背側胴回り部30が互いに長手方向に間隔をあけて並んだ状態で位置し、これらの間に吸収性本体10が長手方向に沿って掛け渡されている。吸収性本体10の長手方向の各端部がそれぞれ最寄りの腹側胴回り部20又は背側胴回り部30の肌側に接合固定されている。この状態から、吸収性本体10が長手方向に二つ折りされ、互いに対向する腹側胴回り部20と背側胴回り部30とが、一対のサイド接合部2にて左右方向両側部が連結され、ショーツ型ナプキン1となる。つまり、腹側胴回り部20及び背側胴回り部30は、一対のサイド接合部2によって、環状に接合されている。なお、サイド接合部2による接合方法としては、熱溶着や超音波溶着や接着剤による接合方法等を例示できる。
吸収性本体10は、経血等の排泄液を吸収して保持する吸収性コア11と、吸収性コア11よりも肌側に配置された液透過性の表面シート12(例えば不織布や開孔フィルム等)と、吸収性コア11よりも非肌側に配置された液不透過性のバックシート13(例えば樹脂フィルム等)と、サイドシート14(例えば疎水性の不織布等)を有する。また、吸収性コア11は、ティッシュペーパーや不織布等の液透過性のコアラップシート15で外周面が覆われていてもよい。
吸収性コア11としては、保水性繊維を含むものを例示できる。保水性繊維は、水分を吸収し、保持する性質を有する繊維であれば、特に制限されず、例えば、セルロース系繊維(例えば、パルプ繊維、綿や麻等の非木材系繊維、レーヨン等の再生繊維等)を例示できる。
吸収性本体10の左右方向の両側部には、吸収性本体10の長手方向に沿って一対の防漏壁部3が設けられている。防漏壁部3は、サイドシート14によって形成されている。具体的には、サイドシート14は、バックシート13の非肌側面を覆いつつ、左右方向の両外側に延出した部位が複数箇所で折り曲げられ、表面シート12の肌側面上の左右方向の両側部に設けられ、防漏壁部3が形成される。防漏壁部3には、防漏壁弾性部材16(例えば糸ゴム)が長手方向に沿って伸張した状態で取り付けられている。防漏壁弾性部材16の伸縮性に基づいて、防漏壁部3が着用者の肌側に起立する。
腹側胴回り部20及び背側胴回り部30は、それぞれ、肌側シート21,31)と、肌側シート21,31よりも非肌側に積層された非肌側シート22,32と、左右方向に伸縮する複数の胴回り弾性部材23,33(例えば糸ゴム)を有する。複数の胴回り弾性部材23,33は、肌側シート21,31と非肌側シート22,32の間に、上下方向に並んで配置されるとともに、左右方向に伸張した状態で取り付けられている。胴回り弾性部材23,33の伸縮性によって、腹側胴回り部20及び背側胴回り部30は、着用者の胴回りにフィットする。
また、吸収性本体10の上端部を肌側から覆うように、カバーシート24,34が設けられていてもよい。カバーシート24,34によって、吸収性本体10の上端エッジが着用者の肌に食い込んでしまうことを抑制したり、吸収性本体10の口開きを抑制したりできる。
また、図3に示すように、展開かつ伸張状態における腹側胴回り部20と背側胴回り部30の平面形状は異なる。腹側胴回り部20は、上下方向の長さがサイド接合部2と概ね同じ長さであり、左右方向に長い長方形状である。背側胴回り部30は、腹側胴回り部20と重なる長方形状のウェスト側部30Aと、それよりも下側(サイド接合部2よりも下側)に延出する略台形形状の股下側部30Bとを有する。
また、背側胴回り部30の下端部(サイド接合部2の下端部から股下側部30Bに亘る部位)には、傾斜弾性部材35(例えば糸ゴム)が設けられている。傾斜弾性部材35は、背側胴回り部30の下側外縁におおよそ沿うように配置され、背側胴回り部30の左右方向の両側部から中央部に向かって下側に傾斜する部位と、背側胴回り部30の中央部において左右方向に延在する部位とを有する。傾斜弾性部材35も、肌側シート31と非肌側シート32の間に伸張した状態で取り付けられ、傾斜弾性部材35の伸縮性によって、背側胴回り部30の股下側部30Bが着用者の臀部にフィットしやすくなり、臀部から捲れにくくなる。なお、図2では、傾斜弾性部材35として、3本の糸ゴムを例示するが、糸ゴムの数は特に限定されるものではない。
傾斜弾性部材35が設けられている領域、つまり、最も上側に位置する傾斜弾性部材35aと最も下側に位置する傾斜弾性部材35bで囲まれた領域を、傾斜伸縮領域A35と称す。また、傾斜弾性部材35はシート状の弾性部材(伸縮性不織布や伸縮性フィルム等)であってもよく、この場合、伸縮性不織布が配置され伸縮性が発現される部位が、傾斜伸縮領域A35となる。
以上、ナプキン1の基本構成を説明したが、上記のナプキン1の構成は一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、表面シート12とコアラップシート15の間に液透過性の中間シートが設けられていてもよい。
また、背側胴回り部30が股下側部30Bや傾斜弾性部材35を有さず、腹側胴回り部20と同じ平面形状であってもよいし、腹側胴回り部20が股下側に延出する部位を有していてもよい。
また、胴回り部20,30の上端部(ウェスト部)には糸状の胴回り弾性部材23,33を設け、しっかりとフィットさせ、それよりも下側では、糸状の胴回り弾性部材23,33の代わりに、伸縮性シートを配してもよい。肌側シート21、31と非肌側シート22、32の間に伸縮性シートを配し、積層されたシートを間欠接合することで、胴回り部20,30は伸縮性を発現し、着用者の胴回りに面で柔らかくフィットする。
また、図3に例示するナプキン1では、傾斜弾性部材35よりも左右方向の外側に延出する背側胴回り部30の部位の長さが短くてもよい。
===第1実施形態===
<<吸収性本体10と胴回り部20,30の接着について>>
図5Aは、吸収性本体10に設けられる接着領域10Rの説明図であり、図5Bは、胴回り部20,30に設けられる接着領域20Rの説明図である。図6は、ナプキン1に設けられる接着領域1Rの説明図である。ナプキン1の接着領域1Rは、吸収性本体10の接着領域10Rと胴回り部20,30の接着領域20Rを重ねた領域である。図7A及び図7Bは、第1矩形領域Raの説明図である。
本実施形態のショーツ型ナプキン1とは異なる使い捨ておむつでは、背側において、便を収容しておく空間や、尿が吸収体に吸収されるまでの間、尿を蓄えておく空間を必要とする。これに対してショーツ型ナプキン1は、主に経血の吸収を用途とする。経血は尿に比べて、粘度が高いため、身体(臀部の溝)を伝いやすく、表面シート上で拡散しやすい傾向にあり、かつ排泄量が少ない。そのため、ショーツ型ナプキン1では、吸収性コア11が着用者の臀部の溝に密着することが求められる。そうすることで、経血がナプキンと着用者の間に生じた隙間を伝う後ろ伝い漏れを抑制できる。
本実施形態のショーツ型ナプキン1は、図7A及び図7Bに示すように、着用者の臀部の溝が当接する「第1矩形領域Ra(矩形領域)」を有する。第1矩形領域Raは、ナプキン1の展開かつ伸張状態において、背側胴回り部30と厚さ方向に重なる吸収性コア11の部位の左右方向の両端11aをそれぞれ通り、長手方向に延びる一対の「第1仮想線Lv1」と、背側胴回り部30と厚さ方向に重なる吸収性コア11の部位の上端11b(長手方向の胴回り側の端)を通り、左右方向に延びる「第2仮想線Lv2」と、ナプキン1の長手方向の中央位置CL1と背側のサイド接合部2の下端2a(股下側の端)との間を長手方向に2分割して左右方向に延びる「第3仮想線Lv3」とで区画される。
第1矩形領域Raを左右方向に(均等に)5分割したとき、左右方向の最も外側に位置する第1端部領域(端部領域)Ra1,Ra5に比べて、当該第1端部領域Ra1,Ra5と左右方向の内側に隣接する第1隣接領域Ra2,Ra4の方が、背側胴回り部30と吸収性本体10を接合する接着剤の坪量(g/m)が低くなっている。以下の説明では、背側胴回り部30と吸収性本体10を接合する接着剤を単に接着剤とも称す。
本実施形態では、第1端部領域Ra1,Ra5に比べて、第1隣接領域Ra2,Ra4の方が、背側胴回り部30と吸収性本体10を接合する接着領域1Rの面積を小さくする。具体的には、図5Aに示すように、吸収性本体10の背側の領域には、左右方向の両側部に接着剤が塗布され、長手方向に長く延びた長方形状の接着領域10Rが設けられている。この接着領域10Rよりも左右方向の内側の領域には接着剤が設けられていない。また、図5Bに示すように、背側胴回り部30には、接着剤が塗布されず、接着領域が設けられていない。そのため、吸収性本体10と背側胴回り部30を接合したナプキン1では、図6に示すように、吸収性本体10の背側の領域の左右方向の両側部に、接着領域1R(10R)が設けられるのみとなる。この接着領域1Rは、吸収性コア11の長手方向の両側部と重なるように位置し、図7Bに示すように、第1端部領域Ra1,Ra5に位置する。また、第1隣接領域Ra2,Ra4には、接着領域1Rが位置しない。
このように、第1端部領域Ra1,Ra5に比べて、第1隣接領域Ra2,Ra4の方が、接着領域1Rの面積が小さく、接着剤の坪量が低いことで、第1隣接領域Ra2,Ra4は、剛性が低く、変形しやすくなる。なお、第1端部領域Ra1,Ra5と第1隣接領域Ra2,Ra4とで接着領域1Rの面積を変えるに限らず、例えば面積が同じであっても、第1隣接領域Ra2,Ra4の方が接着剤の坪量が低ければ(薄く塗布されれば)、第1隣接領域Ra2,Ra4の方が剛性が低くなる。
つまり、本実施形態のナプキン1では、着用者の臀部の溝が当接する第1矩形領域Raにおいて、吸収性コア11の左右方向の両側部が対応する第1端部領域Ra1,Ra5と、その内側の第1隣接領域Ra2,Ra4とで、剛性差が生じる。そのため、剛性差の境界部が折れ起点となり、低剛性部である第1隣接領域Ra2,Ra4が折れやすくなる。ゆえに、ナプキン1の装着の為の引き上げ時に、吸収性コア11が着用者の臀部に押し当てられた際に、第1隣接領域Ra2,Ra4が折れて、吸収性コア11が臀部の溝に沿うように変形しつつ、溝に入り込みやすくなる。すなわち、第1端部領域Ra1,Ra5よりも内側の、吸収性コア11の左右方向の中央部が肌側に凸となるように変形しやすく、溝に入り込みやすくなる。その結果、吸収性コア11が着用者の臀部の溝に密着し、経血の後ろ伝い漏れを抑制できる。
さらに、図7Aに示すように、背側胴回り部30は、少なくとも第1矩形領域Raにおいて、左右方向に連続して左右方向に伸縮する弾性部材を有する。本実施形態のナプキン1では、複数の胴回り弾性部材33と複数の傾斜弾性部材35とが第1矩形領域Ra内を左右方向に連続して伸縮する。
吸収性コア11と重なる領域においても弾性部材33,35の伸縮性が発現することで、左右方向に収縮する力が吸収性コア11に作用する。吸収性コア11が左右方向に収縮しようとする際も、無秩序に皺が形成されるのではなく、低剛性部である第1隣接領域Ra2,Ra4が折れやすくなる。つまり、第1矩形領域Raの弾性部材33,35によって、吸収性コア11の凸状の変形が促進される。ゆえに、吸収性コア11が着用者の臀部の溝に密着するように一層変形しやすくなる。また、第1矩形領域Raの弾性部材33,35によって、吸収性コア11が臀部の溝に密着している状態が維持されやすく、着用者が寝返り等で大きく動いても後ろ漏れを抑制できる。
なお、接着剤の坪量の比較は、周知の方法で行うことができる。例えば、ナプキン1から対象の領域(第1端部領域Ra1,Ra5と第1隣接領域Ra2,Ra4等)をサンプルとして切り出す。切り出したサンプルの重量を測定した後、トルエン等で接着剤を溶かす。サンプルを乾燥させた後のサンプルの重量を測定する。接着剤を溶かす前のサンプルの重量から接着剤を溶かした後のサンプルの重量を減じた重量を、サンプルに塗布されていた接着剤の重量(g)とする。そして、サンプルの面積(m)に基づいて坪量を算出し、比較する。
また、2つの第1端部領域Ra1,Ra5の接着剤の坪量の平均値と、2つの第1隣接領域Ra2,Ra4の接着剤の坪量の平均値とを比較する。このように対象となる領域が左右に2つある場合、2つの領域の接着剤の坪量の平均値で比較する。以下の実施例において接着剤の坪量を比較する場合も同様とする。
また、接着領域1Rは、実際に接着剤が塗布された領域に外接する左右方向及び長手方向に沿った直線で囲まれた閉じた領域である。接着剤は、接着領域1Rの全面に隈なく塗布する所謂ベタ塗りであってもよいし、周知の塗布パターン(例えば、スパイラルパターン、Ωパターン、ラインパターン等)で塗布してもよい。詳しくは、パターンで接着剤を塗布する場合、周囲の接着剤との間隔が1.5mm未満である部位は接着領域1Rに含むものとする。
また、背側胴回り部30は、腹側胴回り部20とは別部材として構成されていることが好ましい。そうすることで、背側胴回り部が腹側胴回り部まで連続する一体型の外装部材である場合に比べて、着用者の股下部の動き(脚の開閉等)が外装部材を介して背側に伝達されてしまうことを防止できる。よって、吸収性コア11が着用者の臀部の溝に密着した状態が維持されやすくなる。
また、腹側胴回り部20と背側胴回り部30が分離していることで、ナプキン1の装着の為の引き上げ時に、背側胴回り部30と吸収性本体10の接合部(背側の接着領域1R)に引き上げの力が集中しやすい。よって、吸収性コア11が着用者の臀部に押し当てられる力が作用しやすく、吸収性コア11が臀部の溝に沿って入り込み、密着しやすくなる。
ただし、上記に限定されず、背側胴回り部は、腹側胴回り部まで連続する1体型の外装部材(例えば平面形状が略砂時計形状である外装部材)の一部であってもよい。その場合、展開かつ伸張状態のナプキン1を長手方向に3分割し、背側に位置する外装部材の部位を背側胴回り部とし、腹側に位置する外装部材の部位を腹側胴回り部とする。又は、別部材である腹側胴回り部20と背側胴回り部30の間を繋ぎ、両胴回り部20,30とは別部材の股下部の外装部材を有するナプキンであってもよい。
図8A及び図8Bは、第2矩形領域Rb及び第3矩形領域Rcの説明図である。ナプキン1は、サイド接合部2の下端2aから背側胴回り部30の下端30aまでの領域であり、着用者の臀部の溝の開始部から深くなる箇所に当接する「第2矩形領域Rb」を有する。第2矩形領域Rbは、ナプキン1の展開かつ伸張状態において、一対の第1仮想線Lv1と、背側のサイド接合部2の下端2a(長手方向の股下側の端)を通り左右方向に延びる第4仮想線Lv4と、背側胴回り部30の下端30a(長手方向の股下側の端)を通り左右方向に延びる第5仮想線Lv5とで区画される。
第2矩形領域Rbを左右方向に(均等に)5分割したとき、左右方向の最も外側に位置する第2端部領域Rb1,Rb5に比べて、当該第2端部領域Rb1,Rb5と左右方向の内側に隣接する第2隣接領域Rb2,Rb4の方が、接着剤の坪量が低いことが好ましい。図8Bでは、第2端部領域Rb1,Rb5にのみ接着領域1Rが位置し、第2隣接領域Rb2,Rb4には接着領域1Rが位置しない。
また、背側胴回り部30は、少なくとも第2矩形領域Rbにおいて、左右方向に連続して左右方向に伸縮する弾性部材(図8Aでは傾斜弾性部材35)を有することが好ましい。
そうすることで、第2隣接領域Rb2,Rb4の剛性が低く、変形しやすくなる。よって、臀部の溝の開始部から深くなる箇所において、第2隣接領域Rb2,Rb4が折れて、吸収性コア11が臀部の溝に密着するように凸状に変形しやすくなる。また、傾斜弾性部材35の収縮により、第2隣接領域Rb2,Rb4が折れて、吸収性コア11の凸状への変形が促進され、着用中も吸収性コア11が臀部の溝に密着した状態が維持されやすくなる。
なお、本実施形態のナプキン1には存在しないが、サイド接合部2よりも下方の背側胴回り部30に、左右方向の一端から他端に亘り左右方向に沿って直線状に配置された弾性部材が、第2矩形領域Rbに位置してもよい。
また、ナプキン1は、図8Aに示すように、サイド接合部2の下端2aから吸収性コア11の上端11bまでの領域であり、着用者の臀部の溝の終端部に当接する「第3矩形領域Rc」を有する。第3矩形領域Rcは、ナプキン1の展開かつ伸張状態において、一対の第1仮想線Lv1と、第2仮想線Lv2と、第4仮想線Lv4とで区画される。
第3矩形領域Rcを左右方向に(均等に)5分割したとき、左右方向の最も外側に位置する第3端部領域Rc1,Rc5に比べて、当該第3端部領域Rc1,Rc5と左右方向の内側に隣接する第3隣接領域Rc2,Rc4の方が、接着剤の坪量が低いことが好ましい。図8Bでは、第3端部領域Rc1,Rc5にのみ接着領域1Rが位置し、第3隣接領域Rc2,Rc4には接着領域1Rが位置しない。
また、背側胴回り部30は、少なくとも第3矩形領域Rcにおいて、左右方向に連続して左右方向に伸縮する弾性部材(図8Aでは胴回り弾性部材33)を有することが好ましい。
そうすることで、第3隣接領域Rc2,Rc4の剛性が低く、変形しやすくなる。よって、着用者の臀部の溝の終端部において、第3隣接領域Rc2,Rc4が折れて、吸収性コア11が臀部の溝に密着するように凸状に変形しやすくなる。また、胴回り弾性部材33の収縮により、第3隣接領域Rc2,Rc4が折れて、吸収性コア11の凸状への変形が促進され、着用中も吸収性コア11が臀部の溝に密着した状態が維持されやすくなる。特にサイド接合部2間では、腹側と背側の胴回り弾性部材23,33が環状に連続しやすく、寝かえり等の大きな動きに対しても、吸収性コア11が臀部の溝に密着した状態が維持されやすい。
また、第3隣接領域Rc2,Rc4の剛性が低く、変形しやすいことで、臀部の溝の終端部から背中の平坦部分に沿うように、吸収性コア11が凸形状から平坦な形状に切り替わりやすくなる。よって、吸収性コア11は背中の平坦な部分にも密着しやすく、後ろ漏れをより抑制できる。また、凸状の吸収性コア11が背中に当接してしまうことを抑制でき、着用中の違和感を軽減できる。
図9A、図9B、図10A、及び図10Bは、接着領域1Rの変形例の説明図である。吸収性本体10と胴回り部20,30を接合する接着領域1Rとして、図6を例示したが、接着領域1Rの形状、面積、数、配置位置等はこれに限定されないものとする。例えば、図9A及び図9Bの変形例では、第1矩形領域Raの中の第1隣接領域Ra2,Ra4にも接着領域1Rが設けられている。ただし、第1端部領域Ra1,Ra5の接着領域1Rよりも、第1隣接領域Ra2,Ra4の方が、接着領域1Rの面積が小さく、接着剤の坪量が低くなっている。
第1矩形領域Raを左右方向に5分割したときの第1端部領域Ra1,Ra5よりも左右方向の内側の3つの領域Ra2~Ra4は、接着剤が設けられていない非接着領域(図面において斜線が施されていない領域)を有することが好ましい。図7Bに示すように、3つの領域Ra2~Ra4の全域が非接着領域であってもよいし、図9Aや図9B等の変形例のように、3つの領域Ra2~Ra4の一部が非接着領域であってもよい。
例えば、第1端部領域Ra1,Ra5に比べて、内側の3つの領域Ra2~Ra4に薄く接着剤を塗布することによっても、内側の3つの領域Ra2~Ra4の剛性を下げることができる。ただし、内側の3つの領域Ra2~Ra4が各々非接着領域を有することで、剛性がより下がり、変形しやすい領域となる。この場合、第1端部領域Ra1,Ra5との剛性差により第1隣接領域Ra2,Ra4が折れて、吸収性コア11が凸状に変形しつつ、内側の3つの領域Ra2~Ra4は、臀部の溝及び周辺部の形状に沿いやすくなる。よって、臀部の溝及び周辺部とナプキン1との間に隙間が生じ難くなり、経血の後ろ伝い漏れを抑制できる。
また、図9Aに示すように、ナプキン1の展開かつ伸張状態において、第1矩形領域Raの中の第1隣接領域Ra2,Ra4は、長手方向にサイド接合部2と重複する部位(重複部RO)と、サイド接合部2よりも股下側の部位(延出部RE)とに分けられる。そして、第1隣接領域Ra2,Ra4の重複部ROと延出部REの少なくとも一方は、接着領域1Rと、非接着領域とを有し、当該非接着領域の左右方向の長さW4(非接着領域の最大幅)が、当該接着領域の左右方向の長さW3(接着領域の最大幅)に比べて、長いとよい(W4>W3)。
この場合、非接着領域の左右方向の長さW4は、第1隣接領域Ra2,Ra4の全幅W3+W4よりも短いが、接着領域1Rの左右方向の長さW3よりも長い。このように非接着領域の左右方向の長さを適度に長くすることで、非接着領域が明確な折れ起点となりやすい。そのため、第1隣接領域Ra2,Ra4の吸収性コア11が折れて、吸収性コア11が臀部の溝に密着するように凸状変形しやすくなる。
上記とは逆に、図9Bに示すように、第1隣接領域Ra2,Ra4の重複部ROと延出部REの少なくとも一方において、非接着領域の左右方向の長さW6が、接着領域1Rの左右方向の長さW5に比べて、短くともよい(W6<W5)。
この場合、左右方向の長さの長い接着領域1Rによって、第1隣接領域Ra2,Ra4の吸収性本体10と背側胴回り部30とがしっかりと接合される。そのため、吸収性本体10と背側胴回り部30の個々の動きによる擦れを軽減でき、製品破断を防止できる。また、長さ(W6)が短くとも非接着領域によって第1隣接領域Ra2,Ra4の吸収性コア11が折れやすく、吸収性コア11が臀部の溝に密着するように凸状変形しやすくなる。
或いは、図7Bに示すように、第1隣接領域Ra2,Ra4の重複部ROと延出部REの少なくとも一方は、全域に亘り、接着剤が設けられていない非接着領域であってもよい。
この場合、第1隣接領域Ra2,Ra4の剛性がより低くなり、変形しやすくなる。さらに、第1隣接領域Ra2,Ra4では、吸収性本体10と背側胴回り部30の動きが連動しないので、背側胴回り部30は収縮しやすいが、吸収性本体10は収縮し難くなる。この収縮差によって吸収性本体10の中の吸収性コア11が折れやすくなり、吸収性コア11が臀部の溝に密着するように凸状変形しやすくなる。
また、第1矩形領域Raを左右方向に5分割したときの中央の領域Ra3も、長手方向にサイド接合部2と重複する重複部ROと、サイド接合部2よりも股下側の延出部REに分けられる。変形例の図9Aに示すように、中央の領域Ra3の重複部ROと延出部REの少なくとも一方は、接着領域1Rと、非接着領域とを有するとよい。そして、接着領域1Rは、中央の領域Ra3の左右方向の中央位置(すなわちナプキン1の左右方向の第1中心線CL1)と厚さ方向に重複するとよい。また、非接着領域は、接着領域1Rの左右方向の両外側に位置しているとよい。
そうすることで、中央の領域Ra3の剛性の高い接着領域1Rが折れ起点となり、吸収性コア11が左右に2つの折れやすくなる。よって、吸収性コア11が臀部の溝に密着するように凸状に変形しやすくなる。また、吸収性コア11が凸状に変形した際に、接着領域1Rによって凸部の頂部が形成され、吸収性コア11が臀部の溝に入り込みやすくなる。また、接着領域1Rの両外側が剛性の低い非接着領域となることで、凸部の頂部となる接着領域1Rは臀部の溝に入り込みつつ、その両外側の非接着領域は、溝及び周辺部の形状に沿いやすくなる。よって、臀部の溝及び周辺部とナプキン1との間に隙間が生じ難くなり、経血の後ろ伝い漏れを抑制できる。
上記とは逆に、図7Bや図9Bに示すように、中央の領域Ra3の重複部ROと延出部REの少なくとも一方は、全域に亘り、接着剤が設けられていない非接着領域であってもよい。
この場合、中央の領域Ra3の剛性が下がり、変形しやすくなる。そのため、第1隣接領域Ra2,Ra4が折れて吸収性コア11が凸状に変形した際に、中央の領域Ra3全体が、臀部の溝及び周辺部の形状に沿いやすくなる。よって、臀部の溝及び周辺部とナプキン1との間に隙間が生じ難くなり、経血の後ろ伝い漏れを抑制できる。
また、図9Aに示すように、第1端部領域Ra1,Ra5及び中央の領域Ra3の重複部ROと、第1端部領域Ra1,Ra5及び中央の領域Ra3の延出部REと、の少なくとも一方は、接着領域1Rを有するとよい。そして、重複部ROにおいて、第1端部領域Ra1,Ra5の接着領域1R(W7)の方が、中央の領域Ra3の接着領域1R(W8)に比べて、左右方向の長さが長いことと、延出部REにおいて、第1端部領域Ra1,Ra5の接着領域1R(W7)の方が、中央の領域Ra3の接着領域1R(W8)に比べて、左右方向の長さが長いことの、一方又は両方であるとよい。
そうすることで、第1端部領域Ra1,Ra5の左右方向に長い接着領域1Rによって、吸収性本体10の長手方向の両側部を背側胴回り部30にしっかりと接合でき、両部材10,30の剥離を抑制できる。また、第1端部領域Ra1,Ra5の剛性が高くなるため、その内側の凸状に変形する吸収性コア11の部位を下方からしっかりと支持できる。一方、中央の領域Ra3の接着領域1Rの左右方向の長さが短いことによって、吸収性コア11が凸状に左右に2つに折れやすく、また、吸収性コア11が凸状に変形した際に、凸部の頂部が形成され、吸収性コア11が臀部の溝に入り込みやすくなる。
図11A及び図11Bは、第4矩形領域Rd及び第5矩形領域Reの説明図である。ナプキン1は、図11Aに示すように、傾斜伸縮領域A35と重なる領域であり、着用者の臀部の溝の開始部に当接する「第4矩形領域Rd」を有する。第4矩形領域Rdは、ナプキン1の展開かつ伸張状態において、一対の第1仮想線Lv1と、傾斜伸縮領域A35の上端35a(長手方向の胴回り側の端)を通り左右方向に延びる第6仮想線Lv6と、傾斜伸縮領域A35の下端35c(長手方向の股下側の端)を通り左右方向に延びる第7仮想線Lv7とで区画される。
第4矩形領域Rdを左右方向に(均等に)5分割したとき、左右方向の最も外側に位置する第4端部領域Rd1,Rd5に比べて、当該第4端部領域Rd1,Rd5と左右方向の内側に隣接する第4隣接領域Rd2,Rd4の方が、接着剤の坪量が低いことが好ましい。図11Bでは、第4端部領域Rd1,Rd5にのみ接着領域1Rが位置し、第4隣接領域Rd2,Rd4には接着領域1Rが位置しない。
そうすることで、第4隣接領域Rd2,Rd4の剛性が低く、変形しやすくなる。よって、着用者の臀部の溝の開始部において、第4隣接領域Rd2,Rd4が折れて、吸収性コア11が臀部の溝に密着するように凸状に変形しやすくなる。また、傾斜弾性部材35の収縮により、第4隣接領域Rd2,Rd4が折れて、吸収性コア11の凸状への変形が促進され、着用中も吸収性コア11が臀部の溝に密着した状態が維持されやすくなる。
ただし、上記に限らず、例えば、図10Aの変形例に示すように、傾斜弾性部材35が設けられる領域に、左右方向に連続して延びる接着領域1Rが設けられていてもよい。背側胴回り部30の傾斜伸縮領域A35と吸収性本体10が接着することで、背側胴回り部30の下部の剛性が高まり、背側胴回り部30の下部の左右方向の収縮を抑えることができる。よって、背側胴回り部30の下部にて臀部を被覆でき、着用者に安心感を付与できる。
また、傾斜伸縮領域A35の方が、胴回り弾性部材33に比して、伸縮力が低いことが好ましい。詳しくは、第4矩形領域Rd(吸収性本体10と重なる傾斜伸縮領域A35の部位)の方が、第1矩形領域Ra(図7)のうち胴回り弾性部材33が配置されている部位に比して、上下方向の単位長さの領域を左右方向に所定の長さ伸張させるための力が弱いことが好ましい。
なお、ナプキン1から対象の領域(背側胴回り部30と吸収性本体10を分離し、傾斜伸縮領域A35と胴回り弾性部材33が配置されている部位と)をサンプルとして切り出す。そして、引張試験機を用いて、サンプルを左右方向に所定の長さを伸張させたときの荷重(上下方向の単位幅(mm)あたりの値(N/mm))を取得して、比較するとよい。
上記のように、傾斜伸縮領域A35の伸縮力を低くすることで、股下部に近い吸収性コア11の部位では、吸収性コア11の凸状への変形を適度に抑えることができる。よって、経血の横漏れを抑制でき、着用者の漏れへの不安を軽減できる。一方、胴回り弾性部材33の伸縮力を高めることで、臀部の溝が深くなる箇所において、吸収性コア11の凸状への変形が促進され、吸収性コア11が臀部の溝に密着しやすくなる。
また、ナプキン1が傾斜伸縮領域A35を有することで、ナプキン1の引き上げ時に、左右の臀部の膨らみによって、背側胴回り部30が左右方向の外側に引っ張られ、吸収性コア11が臀部の溝に過度に食い込み過ぎてしまうことを抑制できる。そのため、吸収性コア11を凸状に変形させつつ、吸収性コア11の幅を適度に確保できるため、横漏れを抑制でき、着用者の漏れへの不安を軽減できる。
また、図5Aに示すように、吸収性コア11は、少なくとも股下部において、左右方向の内側に括れた括れ部11Dと、括れ部11Dよりも背側において、左右方向の長さが最も広くなる最大幅広部11Eを有することが好ましい。そうすることで、着用者の股下部の動き(脚の開閉等)が、吸収性コア11に作用し難く、吸収性コア11の背側に伝達されてしまうことを抑制できる。よって、吸収性コア11が着用者の臀部の溝に密着した状態が維持されやすくなる。
吸収性コア11が上記の形状である場合、ナプキン1は、図11Aに示すように、最大幅広部11Eから吸収性コア11の上端11bまでの領域である「第5矩形領域Re」を有する。第5矩形領域Reは、ナプキン1の展開かつ伸張状態において、一対の第1仮想線Lv1と、第2仮想線Lv2と、最大幅広部11Eを通り左右方向に延びる第8仮想線Lv8とで区画される。なお、最大幅広部11Eが長手方向に長さを有する場合には、第8仮想線Lv8は最大幅広部11Eの下端を通るものとする。
第5矩形領域Reを左右方向に(均等に)5分割したとき、左右方向の最も外側に位置する第5端部領域Re1,Re5に比べて、当該第5端部領域Re1,Re5と左右方向の内側に隣接する第5隣接領域Re2,Re4の方が、接着剤の坪量が低いことが好ましい。図11Bでは、第5端部領域Re1,Re5にのみ接着領域1Rが位置し、第5隣接領域Re2,Re4には接着領域1Rが位置しない。
また、背側胴回り部30は、少なくとも第5矩形領域Reにおいて、左右方向に連続して左右方向に伸縮する弾性部材(図11Aでは胴回り弾性部材33)を有することが好ましい。
そうすることで、第5隣接領域Re2,Re4の剛性が低く、変形しやすくなる。よって、吸収性コア11が臀部の溝に密着するように凸状に変形しやすくなる。また、胴回り弾性部材33の収縮により、第5隣接領域Re2,Re4が折れて、吸収性コア11の凸状への変形が促進され、着用中も吸収性コア11が臀部の溝に密着した状態が維持されやすくなる。また、吸収性コア11の最大幅広部11E及びその周辺部では、吸収性コア11が凸状に変形しても、凸状の吸収性コア11よりも左右方向の外側の長さ(凸部の裾の部分の長さ)が確保される。そのため、横漏れを抑制でき、着用者の漏れへの不安を軽減できる。
図12A及び図12Bは、第6矩形領域Rfの説明図である。ここで吸収性コア11の腹側について説明する。ナプキン1は、図12Aに示すように、着用者の下腹部に当接する「第6矩形領域Rf」を有する。第6矩形領域Rfは、ナプキン1の展開かつ伸張状態において、腹側胴回り部20と厚さ方向に重なる吸収性コア11の部位の左右方向の両端11cをそれぞれ通り、長手方向に延びる一対の第9仮想線Lv9と、腹側胴回り部20と厚さ方向に重なる吸収性コア11の部位の上端11d(長手方向の胴回り側の端)を通り左右方向に延びる第10仮想線Lv10と、ナプキン1の長手方向の中央位置CL1と腹側のサイド接合部2の下端2b(長手方向の股下側の端)との間を長手方向に2分割して左右方向に延びる第11仮想線Lv11とで区画される。
第6矩形領域Rfを左右方向に(均等に)5分割したとき、左右方向の最も外側に位置する第6端部領域Rf1,Rf5に比べて、当該第6端部領域Rf1,Rf5と左右方向の内側に隣接する第6隣接領域Rf2,Rf4の方が、腹側胴回り部20と吸収性本体10を接合する接着剤の坪量が低いとよい。
図5Aに示すように、腹側の吸収性本体10には、左右方向の両側部に、長手方向に長い長方形状の接着領域10Rが設けられている。一方、図5Bに示すように、腹側胴回り部20には、上端部と下端部に、左右方向に長い長方形状の接着領域20Rが設けられている。そのため、図12Bに示すように、第6端部領域Rf1,Rf5には、長手方向の広い範囲に亘り接着領域1Rが設けられ、かつ、上端部と下端部では接着領域1Rが重ねて配置されている。一方、第6隣接領域Rf2,Rf4には、上端部と下端部に接着領域1Rが設けられているのみである。したがって、第6端部領域Rf1,Rf5に比べて、第6隣接領域Rf2,Rf4の方が、接着剤の坪量が低くなっている。
また、腹側胴回り部20は、少なくとも第6矩形領域Rfにおいて、左右方向に連続して左右方向に伸縮する腹側の弾性部材(胴回り弾性部材23)を有することが好ましい。
そうすることで、第6隣接領域Rf2,Rf4の剛性が低く、変形しやすくなる。よって、ナプキン1の装着時に、第6矩形領域Rfの吸収性コア11が下腹部に押し当てられた際に、第6隣接領域Rf2,Rf4が折れ、吸収性コア11は、下腹部の丸みに沿って外側に凸状に変形しやすくなる。ゆえに、腹側でも吸収性コア11と着用者の下腹部との間に隙間が生じ難く、経血等の漏れを抑制できる。また、腹側の胴回り弾性部材23により吸収性コア11が左右方向に収縮する際も、無秩序に皺が形成されるのではなく、第6隣接領域Rf2,Rf4が折れやすい。よって、吸収性コア11の凸状への変形が促進され、下腹部に吸収性コア11が密着した状態が維持されやすい。
また、図3や図4Aに示すように、吸収性本体10は、吸収性コア11よりも非肌側において、長手方向に伸縮する長手弾性部材17を有することが好ましい。図3に例示する長手弾性部材17は糸ゴムであり、長手方向に沿って配置された長手弾性部材17が左右方向に間隔を空けて2本設けられている。ただし、長手弾性部材17の数は特に限定されない。また、長手弾性部材17は、シート状の弾性部材であってもよい。また、図4Aに示すようにバックシート13とサイドシート14の間に長手弾性部材17が設けられている。
ナプキン1が長手弾性部材17を有する場合、図7Aに示すように、少なくとも第1矩形領域Raの長手方向の一部に、長手弾性部材17が設けられていることが好ましい。そうすることで、長手弾性部材17の収縮により、第1矩形領域Raの吸収性コア11が肌側に押し上げられ、吸収性コア11が着用者の臀部の溝に押し当てられる。その際に、低剛性である第1隣接領域Ra1,Ra5が折れて、吸収性コア11が臀部の溝に密着するように凸状に変形しやすくなる。
また、ナプキン1では、以下の2つの少なくとも一方を満たすことが好ましい。1つ目は、図3や図4Bに示すように、背側の吸収性本体10の上端(胴回り側の端)を跨いで設けられ、当該端を肌側から覆うカバーシート34が設けられていることである。2つ目は、第1矩形領域Raの中の第1隣接領域Ra2,Ra4では、接着剤の坪量を低くするが、上端部(胴回り側の端部)に接着剤が設けられていることである。なお、第1矩形領域Raの上端部とは、第1矩形領域Raを長手方向に5分割したときの最も上側の端部とする。その上端部の少なくとも一部に接着領域1Rが設けられていればよい。
例えば、図7Bでは、第1隣接領域Ra2,Ra4の上端部に、接着領域1Rが位置しない。この場合、背側胴回り部30にカバーシート34が設けられることで、吸収性本体10の上端部が背側胴回り部30から捲れ難く、着用中の違和感となってしまうことを抑制できる。
一方、図10Bに示すように変形例の接着領域1Rでは、一方側の第1端部領域Ra1から他方側の第1端部領域Ra5まで左右方向に連続して接着領域1Rが設けられている。そのため、第1隣接領域Ra2,Ra4では、接着剤の坪量を低くしているが、上端部に接着剤が設けられているため、背側胴回り部30にカバーシート34が設けられていなくとも、吸収性本体10の上端部が捲れ難く、着用中の違和感となってしまうことを抑制できる。
また、図1及び図2に示すように、自然状態のナプキン1において、以下であるとよい。吸収性本体10の上端10aとサイド接合部2の下端2aとの上下方向の中央位置CL3において、背側の吸収性本体10の左右方向の長さW2(図2)の方が、腹側の吸収性本体10の左右方向の長さW1よりも短いことが好ましい(W2<W1)。
そうすることで、自然状態のナプキン1において、背側の吸収性本体10が腹側の吸収性本体10に比べて左右方向に収縮していることを視認したユーザーは、臀部の溝に密着しやすいナプキン1である印象を受けやすくなる。そのため、ユーザーの後ろ漏れへの不安を軽減できる。なお、背側の吸収性本体10の幅を小さくするために、例えば、背側胴回り部30に設ける弾性部材の数を多くしたり、弾性部材の伸張倍率を高くしたりするとよい。
===第2実施形態===
図13A及び図13Bは、第2実施形態の接着領域1Rの説明図である。上記の第1実施形態では、第1矩形領域Ra(図7A)を左右方向に5分割したとき、第1端部領域Ra1,Ra5に比べて、第1隣接領域Ra2,Ra4の方が、接着剤の坪量が低くなっている。
第2実施形態では、第1矩形領域Ra(図7A)を左右方向に5分割したとき、左右方向の最も外側に位置する第1端部領域Ra1,Ra5は、接着領域1Rを有し、第1矩形領域Ra(Ra1~Ra5の何れかの部位)には、その接着領域1Rよりも左右方向の内側に、非接着領域が配されていればよい。例えば、図13Bでは、中央の領域Ra3に非接着領域が設けられている。なお、第1隣接領域Ra2,Ra4の接着剤の坪量が、第1端部領域Ra1,Ra5の接着剤の坪量と同じ又はそれ以上であってもよい。そして、第1矩形領域Raに、左右方向に連続して伸縮する弾性部材(図7Aでは胴回り弾性部材33と傾斜弾性部材35)が位置するとよい。
そうすることで、第1端部領域Ra1,Ra5の接着領域1Rと、その接着領域1Rよりも内側に設けられた非接着領域とで剛性差が生じた部位が、折れ起点となりやすく、吸収性コア11が着用者の臀部の溝に密着するように凸状に変形しやすくなる。例えば、図13Bの場合、中央の領域Ra3の非接着領域と、第1隣接領域Ra2,Ra4に設けられた接着領域1Rとの境界部が折れやすくなる。そして、第1矩形領域R1内の弾性部材33,35によって、吸収性コア11の凸状への変形が促進され、かつ着用中も吸収性コア11が臀部の溝に密着した状態が維持されやすくなる。一方、接着領域1Rによって第1端部領域の剛性は高くなり、凸状に変形する吸収性コア11の部位を下方から支持でき、吸収性コアが臀部の溝に密着した状態が維持されやすくなる。
より好ましくは、第1端部領域Ra1,Ra5の接着領域1Rと、その内側に設けられた非接着領域は、上下方向において重複する部位を有するとよい。そうすることで、折れ起点が形成されやすくなる。
また、図示しないが、第1端部領域Ra1,Ra5に接着領域1Rが設けられ、第1隣接領域Ra2,Ra4にも接着領域1Rが設けられ、その間に、非接着領域が設けられていてもよい。この場合、第1端部領域Ra1,Ra5と第1隣接領域Ra2,Ra4の境界部分に設けられる非接着領域が折れ起点となりやすく、吸収性コア11が着用者の臀部の溝に密着するように凸状に変形しやすくなる。また、この場合、第1実施形態と同様に、第1隣接領域Ra2,Ra4の接着領域1Rの左右幅が、第1端部領域Ra1,Ra5の接着領域1Rの左右幅よりも小さく、第1隣接領域Ra2,Ra4の接着剤の坪量を低くしてもよいし、第1実施形態とは異なり、第1隣接領域Ra2,Ra4の接着領域1Rの左右幅が、第1端部領域Ra1,Ra5の接着領域1Rの左右幅と同じ又はそれ以上であり、第1隣接領域Ra2,Ra4の接着剤の坪量を高くしてもよい。
===第3実施形態===
第3実施形態では、図13Bに示すように、第1矩形領域Ra(図7A)を左右方向に5分割したとき、第1端部領域Ra1,Ra5に比べて、中央の領域Ra3の方が、背側胴回り部30と吸収性本体10を接合する接着剤の坪量が低くなっていればよい。図13Bでは、中央の領域Ra3が非接着領域となっているが、中央の領域Ra3に坪量の低い接着領域1Rが設けられていてもよい(接着剤が薄く塗布されていてもよい)。なお、第1隣接領域Ra2,Ra4の接着剤の坪量が、第1端部領域Ra1,Ra5の接着剤の坪量と同じ又はそれ以上であってもよい。そして、第1矩形領域Raに、左右方向に連続して伸縮する弾性部材(図7Aでは胴回り弾性部材33と傾斜弾性部材35)が位置するとよい。
この場合、第1矩形領域Raの中の中央の領域Ra3の剛性が低く、変形しやすくなるため、吸収性コア11が着用者の臀部の溝に密着するように凸状に変形しやすくなる。また、第1矩形領域Raを通る弾性部材(33,35)によって、吸収性コア11が収縮した際に、吸収性コア11の凸状への変形が促進され、かつ着用中も吸収性コア11が臀部の溝に密着した状態が維持されやすくなる。一方、第1端部領域Ra1,Ra5の剛性は高くなり、凸状に変形する吸収性コア11の部位を下方から支持でき、吸収性コア11が臀部の溝に密着した状態が維持されやすくなる。
特に、図13Bに示すように、中央の領域Ra3の全域が非接着領域である場合、中央の領域Ra3の全域が変形しやすくなる。そのため、中央の領域Ra3の吸収性コア11が臀部の溝及び周辺部の形状に沿いやすく、隙間が生じ難くなるため、経血の後ろ伝い漏れを抑制できる。しかし、これに限定されることなく、図示しないが、中央の領域Ra3が接着領域1Rを有していてもよい。中央の領域Ra3が接着領域1Rを有する場合、その接着領域1Rは、中央の領域Ra3の左右方向の中央位置と重なるとよく、また、その接着領域1Rの両外側は非接着領域であるとよい。そうすることで、中央の領域Ra3の接着領域1Rが折れ起点となり、吸収性コアが左右に2つに折れやすく、臀部の溝に入り込みやすくなる。
また、図13Bに示すように、第1端部領域Ra1,Ra5と第1隣接領域Ra2,Ra4に同じように接着領域1Rが設けられ、中央の領域Ra3のみ非接着領域となっていてもよい。この場合、中央の領域Ra3と第1隣接領域Ra2,Ra4の間に剛性差が生じ、両領域の境界部が折れ起点となりやすい。よって、吸収性コア11が左右方向の中央部(中央の領域Ra3)で左右に2つに折れやすく、吸収性コア11が臀部の溝に入り込みやすく、密着しやすくなる。また、この場合、接着領域1Rが広くなるため、吸収性本体10と背側胴回り部30の個々の動きによる擦れを抑制でき、製品破断を防止できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのは言うまでもない。
1 ショーツ型ナプキン、
2 サイド接合部、3 防漏壁部、
10 吸収性本体、
11 吸収性コア、12 表面シート、13 バックシート、
14 サイドシート、15 コアラップシート、
16 防漏壁弾性部材、
17 長手弾性部材、
20 腹側胴回り部、
21 肌側シート、
22 非肌側シート、
23 胴回り弾性部材、
24 カバーシート、
30 背側胴回り部、
31 肌側シート、
32 非肌側シート、
33 胴回り弾性部材、
34 カバーシート、
35 傾斜弾性部材

Claims (19)

  1. 吸収性コアを備える吸収性本体と、腹側胴回り部と、背側胴回り部と、を有し、
    前記腹側胴回り部、及び、前記背側胴回り部が、一対のサイド接合部によって、環状に接合されているショーツ型ナプキンであって、
    展開かつ伸張状態において、
    互いに直交する長手方向、左右方向、及び、厚さ方向を有し、
    前記背側胴回り部と前記厚さ方向に重なる前記吸収性コアの部位の前記左右方向の両端をそれぞれ通り、前記長手方向に延びる一対の第1仮想線と、
    前記背側胴回り部と前記厚さ方向に重なる前記吸収性コアの部位の前記長手方向の胴回り側の端を通り、前記左右方向に延びる第2仮想線と、
    前記ショーツ型ナプキンの前記長手方向の中央位置と背側の前記サイド接合部の股下側の端との間を前記長手方向に2分割する、前記左右方向に延びる第3仮想線と、で区画される矩形領域を有し、
    前記矩形領域を前記左右方向に5分割したとき、前記左右方向の最も外側に位置する端部領域に比べて、当該端部領域と前記左右方向の内側に隣接する領域の方が、前記背側胴回り部と前記吸収性本体を接合する接着剤の坪量が低く、
    前記背側胴回り部は、少なくとも前記矩形領域において、前記左右方向に連続して前記左右方向に伸縮する弾性部材を有することを特徴とするショーツ型ナプキン。
  2. 請求項1に記載のショーツ型ナプキンであって、
    前記背側胴回り部は、前記腹側胴回り部とは別部材として構成されていることを特徴とするショーツ型ナプキン。
  3. 請求項2に記載のショーツ型ナプキンであって、
    展開かつ伸張状態において、
    前記一対の第1仮想線と、背側の前記サイド接合部の股下側の端を通り、前記左右方向に延びる第4仮想線と、前記背側胴回り部の股下側の端を通り、前記左右方向に延びる第5仮想線と、で区画される第2矩形領域を有し、
    前記第2矩形領域を前記左右方向に5分割したとき、前記左右方向の最も外側に位置する第2端部領域に比べて、当該第2端部領域と前記左右方向の内側に隣接する領域の方が、前記接着剤の坪量が低く、
    前記背側胴回り部は、少なくとも前記第2矩形領域において、前記左右方向に連続して前記左右方向に伸縮する前記弾性部材を有することを特徴とするショーツ型ナプキン。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載のショーツ型ナプキンであって、
    前記矩形領域を前記左右方向に5分割したときの、前記端部領域よりも前記左右方向の内側の3つの領域は、前記接着剤が設けられていない非接着領域を有することを特徴とするショーツ型ナプキン。
  5. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載のショーツ型ナプキンであって、
    展開かつ伸張状態において、
    前記一対の第1仮想線と、前記第2仮想線と、背側の前記サイド接合部の股下側の端を通り、前記左右方向に延びる第4仮想線と、で区画される第3矩形領域を有し、
    前記第3矩形領域を前記左右方向に5分割したとき、前記左右方向の最も外側に位置する第3端部領域に比べて、当該第3端部領域と前記左右方向の内側に隣接する領域の方が、前記接着剤の坪量が低く、
    前記背側胴回り部は、少なくとも前記第3矩形領域において、前記左右方向に連続して前記左右方向に伸縮する前記弾性部材を有することを特徴とするショーツ型ナプキン。
  6. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載のショーツ型ナプキンであって、
    展開かつ伸張状態において、
    前記矩形領域を前記左右方向に5分割したときの、前記端部領域に隣接する領域のうち、前記長手方向に前記サイド接合部と重複する部位と、前記サイド接合部よりも前記股下側の部位との、少なくとも一方は、前記接着剤が設けられている接着領域と、前記接着剤が設けられていない非接着領域とを有し、
    当該非接着領域は、当該接着領域に比べて、前記左右方向の長さが長いことを特徴とするショーツ型ナプキン。
  7. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載のショーツ型ナプキンであって、
    展開かつ伸張状態において、
    前記矩形領域を前記左右方向に5分割したときの、前記端部領域に隣接する領域のうち、前記長手方向に前記サイド接合部と重複する部位と、前記サイド接合部よりも前記股下側の部位との、少なくとも一方は、前記接着剤が設けられている接着領域と、前記接着剤が設けられていない非接着領域とを有し、
    当該非接着領域は、当該接着領域に比べて、前記左右方向の長さが短いことを特徴とするショーツ型ナプキン。
  8. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載のショーツ型ナプキンであって、
    展開かつ伸張状態において、
    前記矩形領域を前記左右方向に5分割したときの、前記端部領域に隣接する領域のうち、前記長手方向に前記サイド接合部と重複する部位と、前記サイド接合部よりも前記股下側の部位との、少なくとも一方は、全域に亘り、前記接着剤が設けられていない非接着領域であることを特徴とするショーツ型ナプキン。
  9. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載のショーツ型ナプキンであって、
    展開かつ伸張状態において、
    前記矩形領域を前記左右方向に5分割したときの中央の領域のうち、前記長手方向に前記サイド接合部と重複する部位と、前記サイド接合部よりも前記股下側の部位との、少なくとも一方は、前記接着剤が設けられている接着領域と、前記接着剤が設けられていない非接着領域とを有し、
    当該接着領域は、前記中央の領域の前記左右方向の中央位置と前記厚さ方向に重複し、
    当該非接着領域は、当該接着領域の前記左右方向の両外側に位置していることを特徴とするショーツ型ナプキン。
  10. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載のショーツ型ナプキンであって、
    展開かつ伸張状態において、
    前記矩形領域を前記左右方向に5分割したときの中央の領域のうち、前記長手方向に前記サイド接合部と重複する部位と、前記サイド接合部よりも前記股下側の部位との、少なくとも一方は、全域に亘り、前記接着剤が設けられていない非接着領域であることを特徴とするショーツ型ナプキン。
  11. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載のショーツ型ナプキンであって、
    展開かつ伸張状態において、
    前記矩形領域を前記左右方向に5分割したときの前記端部領域、及び、中央の領域のうち、前記長手方向に前記サイド接合部と重複する部位と、前記サイド接合部よりも前記股下側の部位との、少なくとも一方は、前記接着剤が設けられている接着領域を有し、
    前記端部領域の前記部位が有する前記接着領域の方が、前記中央の領域の前記部位が有する前記接着領域に比べて、前記左右方向の長さが長いことを特徴とするショーツ型ナプキン。
  12. 請求項1から3の何れか1項に記載のショーツ型ナプキンであって、
    前記サイド接合部よりも下方の前記背側胴回り部には、前記背側胴回り部の前記左右方向の両側部から中央部に向かって下側に傾斜する部位と、前記中央部において前記左右方向に延在する部位と、を有する傾斜伸縮領域が設けられ、
    展開かつ伸張状態において、
    前記一対の第1仮想線と、前記傾斜伸縮領域の胴回り側の端を通り、前記左右方向に延びる第6仮想線と、前記傾斜伸縮領域の股下側の端を通り、前記左右方向に延びる第7仮想線と、で区画される第4矩形領域を有し、
    前記第4矩形領域を前記左右方向に5分割したとき、前記左右方向の最も外側に位置する第4端部領域に比べて、当該第4端部領域と前記左右方向の内側に隣接する領域の方が、前記接着剤の坪量が低いことを特徴とするショーツ型ナプキン。
  13. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載のショーツ型ナプキンであって、
    前記吸収性コアは、少なくとも股下部において、前記左右方向の内側に括れた括れ部と、前記括れ部よりも背側において、前記左右方向の長さが最も広くなる最大幅広部と、を有し、
    展開かつ伸張状態において、
    前記一対の第1仮想線と、前記第2仮想線と、前記最大幅広部を通り、前記左右方向に延びる第8仮想線と、で区画される第5矩形領域を有し、
    前記第5矩形領域を前記左右方向に5分割したとき、前記左右方向の最も外側に位置する第5端部領域に比べて、当該第5端部領域と前記左右方向の内側に隣接する領域の方が、前記接着剤の坪量が低く、
    前記背側胴回り部は、少なくとも前記第5矩形領域において、前記左右方向に連続して前記左右方向に伸縮する前記弾性部材を有することを特徴とするショーツ型ナプキン。
  14. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載のショーツ型ナプキンであって、
    展開かつ伸張状態において、
    前記腹側胴回り部と前記厚さ方向に重なる前記吸収性コアの部位の前記左右方向の両端をそれぞれ通り、前記長手方向に延びる一対の第9仮想線と、
    前記腹側胴回り部と前記厚さ方向に重なる前記吸収性コアの部位の前記長手方向の胴回り側の端を通り、前記左右方向に延びる第10仮想線と、
    前記ショーツ型ナプキンの前記長手方向の中央位置と腹側の前記サイド接合部の股下側の端との間を前記長手方向に2分割する、前記左右方向に延びる第11仮想線と、で区画される第6矩形領域を有し、
    前記第6矩形領域を前記左右方向に5分割したとき、前記左右方向の最も外側に位置する第6端部領域に比べて、当該第6端部領域と前記左右方向の内側に隣接する領域の方が、前記腹側胴回り部と前記吸収性本体を接合する接着剤の坪量が低く、
    前記腹側胴回り部は、少なくとも前記第6矩形領域において、前記左右方向に連続して前記左右方向に伸縮する腹側の弾性部材を有することを特徴とするショーツ型ナプキン。
  15. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載のショーツ型ナプキンであって、
    前記吸収性本体は、前記吸収性コアよりも非肌側において、前記長手方向に伸縮する長手弾性部材を有し、
    少なくとも前記矩形領域の前記長手方向の一部に、前記長手弾性部材が設けられていることを特徴とするショーツ型ナプキン。
  16. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載のショーツ型ナプキンであって、
    背側の前記吸収性本体の胴回り側の端を跨いで設けられ、当該端を肌側から覆うカバーシートが設けられていることと、
    前記矩形領域の中の前記隣接する領域では、胴回り側の端部に前記接着剤が設けられていることと、
    のうちの少なくとも一方を満たすことを特徴とするショーツ型ナプキン。
  17. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載のショーツ型ナプキンであって、
    互いに直交する上下方向、左右方向、及び、前後方向を有し、
    前記吸収性本体の上端と前記サイド接合部の下端との前記上下方向の中央位置において、背側の前記吸収性本体の前記左右方向の長さの方が、腹側の前記吸収性本体の前記左右方向の長さよりも短いことを特徴とするショーツ型ナプキン。
  18. 吸収性コアを備える吸収性本体と、腹側胴回り部と、背側胴回り部と、を有し、
    前記腹側胴回り部、及び、前記背側胴回り部が、一対のサイド接合部によって、環状に接合されているショーツ型ナプキンであって、
    展開かつ伸張状態において、
    互いに直交する長手方向、左右方向、及び、厚さ方向を有し、
    前記背側胴回り部と前記厚さ方向に重なる前記吸収性コアの部位の前記左右方向の両端をそれぞれ通り、前記長手方向に延びる一対の第1仮想線と、
    前記背側胴回り部と前記厚さ方向に重なる前記吸収性コアの部位の前記長手方向の胴回り側の端を通り、前記左右方向に延びる第2仮想線と、
    前記ショーツ型ナプキンの前記長手方向の中央位置と背側の前記サイド接合部の股下側の端との間を前記長手方向に2分割する、前記左右方向に延びる第3仮想線と、で区画される矩形領域を有し、
    前記矩形領域を前記左右方向に5分割したとき、前記左右方向の最も外側に位置する端部領域に比べて、中央の領域の方が、前記背側胴回り部と前記吸収性本体を接合する接着剤の坪量が低く、
    前記背側胴回り部は、少なくとも前記矩形領域において、前記左右方向に連続して前記左右方向に伸縮する弾性部材を有することを特徴とするショーツ型ナプキン。
  19. 吸収性コアを備える吸収性本体と、腹側胴回り部と、背側胴回り部と、を有し、
    前記腹側胴回り部、及び、前記背側胴回り部が、一対のサイド接合部によって、環状に接合されているショーツ型ナプキンであって、
    展開かつ伸張状態において、
    互いに直交する長手方向、左右方向、及び、厚さ方向を有し、
    前記背側胴回り部と前記厚さ方向に重なる前記吸収性コアの部位の前記左右方向の両端をそれぞれ通り、前記長手方向に延びる一対の第1仮想線と、
    前記背側胴回り部と前記厚さ方向に重なる前記吸収性コアの部位の前記長手方向の胴回り側の端を通り、前記左右方向に延びる第2仮想線と、
    前記ショーツ型ナプキンの前記長手方向の中央位置と背側の前記サイド接合部の股下側の端との間を前記長手方向に2分割する、前記左右方向に延びる第3仮想線と、で区画される矩形領域を有し、
    前記矩形領域を前記左右方向に5分割したとき、前記左右方向の最も外側に位置する端部領域は、前記背側胴回り部と前記吸収性本体を接合する接着剤が設けられている接着領域を有し、
    前記矩形領域には、前記接着領域よりも前記左右方向の内側に、前記接着剤が設けられていない非接着領域が配されており、
    前記背側胴回り部は、少なくとも前記矩形領域において、前記左右方向に連続して前記左右方向に伸縮する弾性部材を有することを特徴とするショーツ型ナプキン。
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