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JP2023107353A - 振動デバイス - Google Patents

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誠一郎 小倉
Seiichiro Ogura
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Abstract

【課題】振動素子の破損が生じ難い振動デバイスを提供すること。【解決手段】振動デバイス1は、基部70と、基部70から第1方向であるB方向に延びる複数の振動腕としての検出腕71,72および駆動腕75,76,77,78と、を有する振動素子6と、基体21と、振動素子6を基体21に対して支持する支持基板4と、を備え、支持基板4は、基体21に固定される基体固定部41と、振動素子6の基部70を支持する素子支持部40と、基体固定部41と素子支持部40とを接続する梁部42,43,44,45と、を有し、支持基板4は、振動素子6に対向する面側である上面の、平面視で振動腕71,72,75,76,77,78の少なくとも一部が重なる領域に、複数の振動腕71,72,75,76,77,78に対応した複数の凹部91,92,93,94,95,96を有する。【選択図】図8

Description

本発明は、振動デバイスに関する。
特許文献1には、ベースと振動素子との間に支持基板を介在させて、ベースに振動素子を固定する振動デバイスが記載されており、支持基板は、振動素子が搭載される素子搭載部と、素子搭載部の外側に位置し、ベースに固定される枠状の支持部と、素子搭載部と支持部とを連結する梁部と、を有し、振動素子は、素子搭載部の上面に固定され、振動素子と支持基板とは、平面視で互いに重なって配置されている。
特開2021-71370号公報
特許文献1に記載の振動デバイスの構成では、支持基板の厚さ方向における支持基板と振動素子との間の間隙が小さい。そのため、外部からの衝撃などにより振動素子が変位すると、支持基板と振動素子とが当接し易い。特に、振動素子の振動腕の先端部は変位が大きいため、振動腕の先端部と支持基板の支持部とが当接し易い。振動素子の振動腕が支持基板と当接した場合、振動腕が破損するおそれがある。
振動デバイスは、基部と、前記基部から第1方向に延びる複数の振動腕と、を有する振動素子と、基体と、前記振動素子を前記基体に対して支持する支持基板と、を備え、前記支持基板は、前記基体に固定される基体固定部と、前記振動素子の前記基部を支持する素子支持部と、前記基体固定部と前記素子支持部とを接続する梁部と、を有し、前記支持基板は、前記振動素子に対向する面側の、平面視で前記振動腕の少なくとも一部が重なる領域に、前記複数の前記振動腕に対応した複数の凹部を有する。
実施形態1に係る振動デバイスの断面図。 実施形態1に係る振動デバイスの平面図。 実施形態1に係る振動デバイスが有する振動素子を示す平面図。 図3中のA-A線断面図。 図3中のB-B線断面図。 振動素子の駆動を説明する模式図。 振動素子の駆動を説明する模式図。 支持基板を上側から見た平面図。 図8中のM1部の位置に相当する平面図。 図9中のN1-N1線断面図。 図8中のM2部の位置に相当する平面図。 図11中のN2-N2線断面図。 振動素子の変位を説明する模式図。 実施形態2に係る振動デバイスのM1部の位置に相当する平面図。 図14中のN3-N3線断面図。 実施形態3に係る振動デバイスのM1部の位置に相当する平面図。 図16中のN4-N4線断面図。 図16中のN5-N5線断面図。 実施形態4に係る振動デバイスのM1部の位置に相当する平面図。 図19中のN6-N6線断面図。 図19中のN7-N7線断面図。
次に、図面を参照して、本開示の実施形態を説明する。
説明の便宜上、各図には、互いに直交する3つの軸として、A軸、B軸、およびC軸を図示している。A軸に沿った方向を「A方向」、B軸に沿った方向を「B方向」、C軸に沿った方向を「C方向」と言う。また、各軸方向の矢印先端側を「プラス側」、矢印基端側を「マイナス側」とも言う。例えば、C方向とは、C方向プラス側とC方向マイナス側との両方の方向を言う。また、C方向プラス側を「上」、C方向マイナス側を「下」とも言う。また、C方向からの平面視を、単に「平面視」とも言う。また、B方向を「第1方向」とも言い、A方向を「第2方向」とも言い、C方向を「第3方向」とも言う。
1.実施形態1
実施形態1に係る振動デバイス1について、図1~図13を参照して説明する。
図1に示すように、振動デバイス1は、C軸を検出軸とし、C軸回りの角速度ωcを検出する物理量センサーである。振動デバイス1は、パッケージ2と、パッケージ2に収納される回路素子3、支持基板4、および振動素子6と、を有する。
パッケージ2は、上面に開口する凹部211を備える基体21と、凹部211の開口を塞いで基体21の上面に接合部材23を介して接合されている蓋体であるリッド22と、を有する。パッケージ2の内側には凹部211によって内部空間Sが形成され、内部空間Sに回路素子3、支持基板4および振動素子6がそれぞれ収容される。例えば、基体21は、アルミナなどのセラミックスで構成することができ、リッド22は、コバールなどの金属で構成することができる。ただし、基体21およびリッド22を構成する材料としては、それぞれ、特に限定されない。
内部空間Sは、気密であり、減圧状態、好ましくは、より真空に近い状態となっている。これにより、粘性抵抗が減って振動素子6の振動特性が向上する。ただし、内部空間Sの雰囲気は、特に限定されず、例えば、大気圧状態、加圧状態となっていても構わない。
また、凹部211は、複数の凹部で構成され、基体21の上面に開口する凹部211aと、凹部211aの底面に開口し、凹部211aよりも開口幅が小さい凹部211bと、凹部211bの底面に開口し、凹部211bよりも開口幅が小さい凹部211cと、を有する。そして、凹部211aの底面に、振動素子6を支持した状態で支持基板4が固定され、凹部211cの底面に回路素子3が固定される。
また、内部空間Sにおいて、振動素子6、支持基板4、および回路素子3は、C方向に沿って並んで配置される。
つまり、図2に示すように、振動素子6、支持基板4、および回路素子3は、平面視で互いに重なって配置される。これにより、パッケージ2のA方向およびB方向への平面的な広がりを抑制でき、振動デバイス1の小型化を図ることができる。また、支持基板4は、振動素子6と回路素子3との間に位置し、振動素子6を下側、すなわちC方向マイナス側から支持する。
また、図1および図2に示すように、凹部211aの底面には複数の内部端子241が配置され、凹部211bの底面には複数の内部端子242が配置され、基体21の下面には複数の外部端子243が配置される。内部端子241,242および外部端子243は、基体21内に形成されている図示しない配線を介して電気的に接続されている。また、内部端子241は、導電性の接合部材B1,B2および支持基板4を介して振動素子6と電気的に接続され、内部端子242は、ボンディングワイヤーBWを介して回路素子3と電気的に接続される。
振動素子6は、物理量センサー素子として、C軸を検出軸とする角速度ωcを検出することができる角速度センサー素子である。本実施形態では、振動素子6は、いわゆるダブルT型構造の振動素子である。
図3に示すように、振動素子6は、振動基板7と、振動基板7の表面に配置される電極8と、を有する。振動基板7は、Zカット水晶基板から構成される。Zカット水晶基板は、水晶の結晶軸である電気軸としてのX軸および機械軸としてのY軸で規定されるX-Y平面に広がりを有し、光軸としてのZ軸に沿った方向に厚みを有する。
振動基板7は、基部70と、基部70から第1方向であるB方向に延びる複数の振動腕と、を有する。
詳細には、振動基板7は、中央部に位置する基部70と、基部70からB方向の両側に延出する一対の振動腕としての検出腕71,72と、基部70から第2方向であるA方向の両側に延出する一対の連結腕73,74と、連結腕73の先端部からB方向の両側に延出する一対の振動腕としての駆動腕75,76と、連結腕74の先端部からB方向の両側に延出する一対の振動腕としての駆動腕77,78と、を有する。
より詳細には、検出腕71は、基部70からB方向マイナス側に延出し、検出腕72は、基部70からB方向プラス側に延出している。連結腕73は、基部70からA方向プラス側に延出し、連結腕74は、基部70からA方向マイナス側に延出している。駆動腕75は、連結腕73の先端部からB方向プラス側に延出し、駆動腕76は、連結腕73の先端部からB方向マイナス側に延出している。駆動腕77は、連結腕74の先端部からB方向プラス側に延出し、駆動腕78は、連結腕74の先端部からB方向マイナス側に延出している。検出腕71と、駆動腕76と、駆動腕78と、はA方向に沿って並んで配置される、検出腕72と、駆動腕75と、駆動腕77と、はA方向に沿って並んで配置される。
なお、検出腕71,72において、検出腕71,72が基部70と接続する部分を検出腕71,72の基端部とも言う。駆動腕75,76,77,78において、駆動腕75,76,77,78が連結腕73,74と接続する部分を駆動腕75,76,77,78の基端部とも言う。検出腕71,72および駆動腕75,76,77,78のそれぞれの基端部側を、検出腕71,72および駆動腕75,76,77,78におけるB方向の基部70側とも言う。
このような形状の振動基板7を用いることにより、優れた振動バランスを有する振動素子6となる。
検出腕71,72の先端部には、基端部よりも幅が広い幅広部711,721が設けられる。駆動腕75,76,77,78の先端部には、基端部よりも幅が広い幅広部751,761,771,781が設けられる。なお、幅広部711,721,751,761,771,781を、ハンマーヘッドとも言う。幅広部711,721,751,761,771,781を設けることにより、同じ周波数で比べた場合に、検出腕71,72や駆動腕75,76,77,78を短くすることができ、振動素子6の小型化を図ることができる。また、駆動腕75,76,77,78の長さが短くなることにより、粘性抵抗が減り、発振特性が向上する。ただし、検出腕71,72および駆動腕75,76,77,78の構成としては、特に限定されず、例えば、幅広部711,721,751,761,771,781を有していなくても構わない。
また、図4および図5に示すように、駆動腕75,76,77,78は、上面に開口する溝と、下面に開口する溝と、を有し、略H状の断面形状となっている。なお、検出腕71,72についても、上面に開口する溝と、下面に開口する溝と、を有し、略H状の断面形状となっていても構わない。
図3、図4、および図5に示すように、電極8は、駆動信号電極81と、駆動接地電極82と、第1検出信号電極83と、第1検出接地電極84と、第2検出信号電極85と、第2検出接地電極86と、を有する。駆動接地電極82は、駆動信号電極81のグランドであり、第1検出接地電極84は、第1検出信号電極83のグランドであり、第2検出接地電極86は、第2検出信号電極85のグランドである。
駆動信号電極81は、駆動腕75,76の両側面と、駆動腕77,78の上面および下面と、に配置される。一方、駆動接地電極82は、駆動腕75,76の上面および下面と、駆動腕77,78の両側面と、に配置される。また、第1検出信号電極83は、検出腕71の上面および下面に配置され、第1検出接地電極84は、検出腕71の両側面に配置される。一方、第2検出信号電極85は、検出腕72の上面および下面に配置され、第2検出接地電極86は、検出腕72の両側面に配置される。
また、駆動信号電極81、駆動接地電極82、第1検出信号電極83、第1検出接地電極84、第2検出信号電極85、および第2検出接地電極86は、それぞれ、基部70の下面まで引き回されている。そして、基部70の下面には、駆動信号電極81と電気的に接続される端子701と、駆動接地電極82と電気的に接続される端子702と、第1検出信号電極83と電気的に接続される端子703と、第1検出接地電極84と電気的に接続される端子704と、第2検出信号電極85と電気的に接続される端子705と、第2検出接地電極86と電気的に接続される端子706と、が配置される。
このような振動素子6は、次のようにして角速度ωcを検出する。
まず、駆動信号電極81および駆動接地電極82間に駆動信号を印加すると、駆動腕75,76,77,78が、図6に示すように、A軸およびB軸で規定されるA-B平面に沿って、屈曲振動する。以下、この駆動モードを駆動振動モードと言う。そして、駆動振動モードで駆動している状態で、振動素子6に角速度ωcが加わると、図7に示す検出振動モードが新たに励振される。検出振動モードでは、駆動腕75,76,77,78にコリオリの力が作用して矢印Dに示す方向の振動が励振され、この振動に呼応して、検出腕71,72が矢印Eに示す方向に屈曲振動による検出振動が生じる。このような検出振動モードによって検出腕71に発生した電荷を第1検出信号電極83および第1検出接地電極84の間から第1検出信号として取り出し、検出腕72に発生した電荷を第2検出信号電極85および第2検出接地電極86の間から第2検出信号として取り出し、これら第1、第2検出信号に基づいて角速度ωcを検出することができる。
図1に示す回路素子3には、振動素子6を駆動する駆動回路と、振動素子6に加わった角速度ωcを検出する検出回路と、が含まれている。ただし、回路素子3としては、特に限定されず、例えば、温度補償回路など、他の回路が含まれていても構わない。
また、図2に示すように、支持基板4は、素子支持部40と、基体固定部41と、梁部42,43,44,45と、を有する。
素子支持部40は、振動素子6の基部70を支持する。詳細には、素子支持部40に、接合部材B2を介して、振動素子6の基部70が固定される。
基体固定部41は、素子支持部40を囲む枠状である。基体固定部41は、パッケージ2の基体21に固定される。詳細には、基体固定部41は、接合部材B1を介して、基体21における凹部211aの底面に固定される。
梁部42,43,44,45は、素子支持部40と基体固定部41とを接続する。詳細には、梁部42,43,44,45のうち、一対の梁部42,43は、素子支持部40のA方向プラス側で素子支持部40と基体固定部41とを接続し、一対の梁部44,45は、素子支持部40のA方向マイナス側で素子支持部40と基体固定部41とを接続している。つまり、素子支持部40は、梁部42,43と梁部44,45とによって、素子支持部40の両側から支持されている。
梁部42,43,44,45は、それぞれ、その途中にS字状に蛇行した部分を有しており、A方向およびB方向に弾性変形し易い形状となっている。梁部42,43,44,45がA方向およびB方向に変形することにより、基体21から伝わる応力を効果的に吸収、緩和することができる。ただし、梁部42,43,44,45の形状は、それぞれ、特に限定されず、例えば、蛇行した部分を省略してストレート状としても構わない。また、梁部42,43,44,45は、少なくとも1つが他と異なる形状となっていても構わない。
また、支持基板4は、上述した構成に限らない。例えば、支持基板4は、素子支持部40と基体固定部41とが、A軸回りに回転可能な梁部とB軸回りに回転可能な梁部とを介して接続されるジンバル構造を有していても構わない。
このように、振動素子6と基体21との間に支持基板4を介在させることにより、支持基板4によって基体21から伝わる応力を吸収、緩和することができ、当該応力が振動素子6に伝わり難くなる。そのため、振動素子6の振動特性の低下や変動を効果的に抑制することができる。
また、支持基板4は、水晶基板で構成されている。支持基板4を振動基板7と同様に水晶基板で構成することにより、支持基板4と振動基板7との熱膨張係数を等しくすることができる。そのため、支持基板4と振動基板7との間には、互いの熱膨張係数差に起因する熱応力が実質的に生じず、振動素子6がより応力を受け難くなる。そのため、振動素子6の振動特性の低下や変動をより効果的に抑制することができる。
詳細には、支持基板4は、振動基板7と同じカット角であるZカット水晶基板で構成されており、支持基板4の結晶軸の向きは、振動基板7の結晶軸の向きと一致している。すなわち、支持基板4と振動基板7とでX軸が一致し、Y軸が一致し、Z軸が一致している。水晶は、X方向、Y方向、およびZ方向のそれぞれで熱膨張係数が異なるため、支持基板4と振動基板7とを同じカット角とし、互いの結晶軸の向きを揃えることにより、支持基板4と振動基板7との間で、互いの熱膨張係数差に起因する熱応力がより生じ難くなる。そのため、振動素子6がさらに応力を受け難くなり、その振動特性の低下や変動をさらに効果的に抑制することができる。
なお、支持基板4としては、これに限定されず、例えば、振動基板7と同じカット角であるが、結晶軸の方向が振動基板7とは異なる水晶基板であっても構わない。また、支持基板4は、振動基板7と異なるカット角の水晶基板であっても構わない。また、支持基板4は、水晶基板に限定されず、例えば、シリコン(Si)などの半導体基板であっても構わない。
また、支持基板4には、図示しない配線パターンが配置される。支持基板4に配置される配線パターンは、振動素子6と内部端子241とを電気的に接続する。
詳細には、支持基板4に配置される配線パターンは、図3に示す振動素子6の端子701,702,703,704,705,706と、導電性の接合部材B2を介して電気的に接続される。支持基板4に配置される配線パターンは、図1および図2に示す内部端子241と、導電性の接合部材B1を介して電気的に接続される。つまり、振動素子6の端子701,702,703,704,705,706と、内部端子241と、は、接合部材B2と、支持基板4に配置される配線パターンと、接合部材B1と、を介して電気的に接続される。
なお、接合部材B1、B2としては、導電性と接合性とを兼ね備えていれば、特に限定されない。接合部材B1、B2としては、例えば、金バンプ、銀バンプ、銅バンプ、はんだバンプなどの各種金属バンプ、ポリイミド系、エポキシ系、シリコーン系、アクリル系の各種接着剤に銀フィラーなどの導電性フィラーを分散させた導電性接着剤などを用いることができる。接合部材B1、B2として金属バンプを用いると、接合部材B1、B2からのガスの発生を抑制でき、内部空間Sの環境変化、特に圧力の上昇を効果的に抑制することができる。一方、接合部材B1、B2として導電性接着剤を用いると、接合部材B1、B2が比較的柔らかくなり、接合部材B1、B2においても基体21から伝わる応力を吸収、緩和することができる。
本実施形態では、接合部材B1として導電性接着剤を用いており、接合部材B2として金属バンプを用いている。それぞれ異種の材料で構成される支持基板4と基体21とを接合する接合部材B1として導電性接着剤を用いることにより、これらの間の熱膨張係数の差に起因して生じる熱応力を接合部材B1によって効果的に吸収、緩和することができる。一方、支持基板4と振動素子6とは、比較的狭い領域に配置されている6つの接合部材B2で接合されているため、接合部材B2として金属バンプを用いることにより、導電性接着剤のような濡れ広がりが抑制され、接合部材B2同士の接触を効果的に抑制することができる。
ところで、上述したように、振動デバイス1では、振動素子6と、支持基板4と、はC方向に沿って並んで配置される。つまり、振動素子6と、支持基板4と、はC方向に互いに重なって配置される。
図1に示すように、支持基板4と振動素子6との間の間隙Gは、支持基板4と振動素子6とを接合する接合部材B2により形成されており、支持基板4と振動素子6との間の間隙Gは、比較的小さい。そのため、例えば、外部からの衝撃などによって駆動腕75,76,77,78や検出腕71,72が支持基板4側に撓むと、駆動腕75,76,77,78や検出腕71,72が支持基板4に当接し易い。駆動腕75,76,77,78や検出腕71,72が支持基板4に当接すると、駆動腕75,76,77,78や検出腕71,72が破損するおそれがある。駆動腕75,76,77,78や検出腕71,72が破損すると、駆動腕75,76,77,78や検出腕71,72の振動特性が低下する。
そこで、本実施形態では、図8に示すように、支持基板4は、複数の凹部91,92,93,94,95,96を有する。支持基板4が凹部91,92,93,94,95,96を有することにより、駆動腕75,76,77,78や検出腕71,72と、支持基板4と、の当接が生じ難くなり、当接による駆動腕75,76,77,78や検出腕71,72の破損が抑制される。
以下、支持基板4が有する凹部91,92,93,94,95,96について、図8~図13を参照して説明する。
図8に示すように、支持基板4は、振動素子6に対向する面側であって、平面視で、検出腕71,72および駆動腕75,76,77,78の先端部と重なる領域に、検出腕71,72および駆動腕75,76,77,78にそれぞれ対応した凹部91,92,93,94,95,96を有する。
なお、検出腕71,72を第1振動腕とも言い、駆動腕75,76,77,78を第2振動腕とも言う。また、検出腕71,72に対応して設けられる凹部91,92を第1凹部とも言い、駆動腕75,76,77,78に対応して設けられる凹部93,94,95,96を第2凹部とも言う。
本実施形態では、支持基板4における振動素子6に対向する面は、支持基板4の上面である。つまり、凹部91,92,93,94,95,96は、基体固定部41の上面に設けられる。また、検出腕71,72および駆動腕75,76,77,78の先端部は、平面視で、支持基板4の基体固定部41と重なっている。つまり、凹部91,92,93,94,95,96は、基体固定部41に設けられる。
詳細には、凹部91は、基体固定部41の上面であって、平面視で、検出腕71の先端部と重なる領域に設けられる。換言すると、凹部91は、検出腕71に対向して配置され、平面視で、検出腕71の先端部と重なっている。
凹部92は、基体固定部41の上面であって、平面視で、検出腕72の先端部と重なる領域に設けられる。換言すると、凹部92は、検出腕72に対向して配置され、平面視で、検出腕72の先端部と重なっている。
凹部93は、基体固定部41の上面であって、平面視で、駆動腕75の先端部と重なる領域に設けられる。換言すると、凹部93は、駆動腕75に対向して配置され、平面視で、駆動腕75の先端部と重なっている。
凹部94は、基体固定部41の上面であって、平面視で、駆動腕76の先端部と重なる領域に設けられる。換言すると、凹部94は、駆動腕76に対向して配置され、平面視で、駆動腕76の先端部と重なっている。
凹部95は、基体固定部41の上面であって、平面視で、駆動腕77の先端部と重なる領域に設けられる。換言すると、凹部95は、駆動腕77に対向して配置され、平面視で、駆動腕77の先端部と重なっている。
凹部96は、基体固定部41の上面であって、平面視で、駆動腕78の先端部と重なる領域に設けられる。換言すると、凹部96は、駆動腕78に対向して配置され、平面視で、駆動腕78の先端部と重なっている。
より詳細には、図9および図11に示すように、凹部91は、平面視で、検出腕71の最もB方向マイナス側に位置する最先端部P1と重なる領域に設けられる。検出腕71がC方向に撓んだとき、検出腕71のC方向の変位量は、検出腕71の先端側ほど大きくなる。つまり、検出腕71が支持基板4側、すなわちC方向マイナス側に撓んだとき、検出腕71の最先端部P1が支持基板4側、すなわちC方向マイナス側に最も大きく変位する。そのため、凹部91と検出腕71の最先端部P1とが重なるようにすることにより、検出腕71が支持基板4側に撓んだとき、検出腕71と支持基板4との当接が生じ難くなる。
同様に、凹部92は、平面視で、検出腕72の最もB方向プラス側に位置する最先端部P2と重なる領域に設けられる。凹部93は、平面視で、駆動腕75の最もB方向プラス側に位置する最先端部P3と重なる領域に設けられる。凹部94は、平面視で、駆動腕76の最もB方向マイナス側に位置する最先端部P4と重なる領域に設けられる。凹部95は、平面視で、駆動腕77の最もB方向プラス側に位置する最先端部P5と重なる領域に設けられる。凹部96は、平面視で、駆動腕78の最もB方向マイナス側に位置する最先端部P6と重なる領域に設けられる。
これにより、凹部92,93,94,95,96についても、凹部91と同様の効果が得られる。つまり、検出腕72および駆動腕75,76,77,78と支持基板4との当接が生じ難くなる。
なお、検出腕71の最先端部P1を、検出腕71のB方向の先端部とも言う。同様に、検出腕72の最先端部P2、駆動腕75の最先端部P3、駆動腕76の最先端部P4、駆動腕77の最先端部P5、および駆動腕78の最先端部P6を、それぞれ、検出腕72のB方向の先端部、駆動腕75のB方向の先端部、駆動腕76のB方向の先端部、駆動腕77のB方向の先端部、駆動腕78のB方向の先端部とも言う。
図9、図10、図11、および図12に示すように、凹部91,92,93,94,95,96は、支持基板4の上面から支持基板4の下面側に向かって窪む形状を有する。
凹部91,92,93,94,95,96は、フォトリソグラフィー技法およびエッチング技法を用いて、支持基板4を上面からハーフエッチングすることにより形成される。エッチング技法としては、ウェットプロセスによるウェットエッチングや、ドライプロセスによるドライエッチングが用いられる。ウェットエッチングでは、例えば、フッ化水素酸とフッ化アンモニウムとの混合液である緩衝フッ酸などをエッチング液としてエッチングが行われる。ドライエッチングでは、例えば、CHF3やCF4などのフッ素系ガスをエッチングガスとしてエッチングが行われる。
本実施形態では、凹部91,92,93,94,95,96は、ドライエッチングにより形成される。
本実施形態では、凹部91,92,93,94,95,96は、B方向に沿って延設される有底の溝である。凹部91,92,93,94,95,96のB方向の端部は、基体固定部41の内周面および外周面に開口する。つまり、凹部91,92,93,94,95,96は、基体固定部41の上面と、内周面と、外周面と、に開口を有する。基体固定部41の内周面とは、基体固定部41の上面と下面とを接続する側面のうち、素子支持部40に対向する面であり、基体固定部41の外周面とは、基体固定部41の側面のうち、基体固定部41の内周面と対向する面である。
凹部91,92,93,94,95,96が形成されていない領域における基体固定部41の厚さは、凹部91,92,93,94,95,96が形成されている領域における基体固定部41の厚さよりも大きい。言い換えると、凹部91,92,93,94,95,96が形成されていない領域における基体固定部41は、基体固定部41の厚肉部であり、凹部91,92,93,94,95,96が形成されている領域における基体固定部41は、基体固定部41の薄肉部である。
本実施形態では、基体固定部41の厚肉部は、平面視で、凹部91,92,93,94,95,96をA方向プラス側およびA方向マイナス側の2つの方向から挟むように設けられる。
凹部91,92,93,94,95,96は、それぞれ、底面100と、第1側面101と、第2側面102と、を有する。第1側面101および第2側面102は、凹部91,92,93,94,95,96の底面100と、基体固定部41の上面と、を接続する面である。第1側面101と、第2側面102と、はB方向に沿って対向する。第1側面101は、凹部91と、凹部91のA方向マイナス側に設けられる厚肉部と、の境界に配置される。つまり、第1側面101は、底面100のA方向マイナス側の端部に配置される。第2側面102は、凹部91と、凹部91のA方向プラス側に設けられる厚肉部と、の境界に配置される。つまり、第2側面102は、底面100のA方向プラス側の端部に配置される。
ここで、凹部91,92のA方向に沿った幅をWa1とし、凹部93,94,95,96のA方向に沿った幅をWa2とする。検出腕71,72の先端部のA方向に沿った幅をWb1とし、駆動腕75,76,77,78の先端部のA方向に沿った幅をWb2とする。なお、A方向に沿った幅を、単に「幅」とも言う。
凹部91,92の幅Wa1は、検出腕71,72の先端部の幅Wb1よりも大きい。つまり、Wa1>Wb1である。
このように構成された凹部91,92を、平面視で、検出腕71,72の先端部と重なる領域に設けることにより、例えば、外部からの衝撃などによって検出腕71,72が支持基板4側に撓んだとき、検出腕71,72と支持基板4との当接が生じ難くなる。
凹部93,94,95,96の幅Wa2は、駆動腕75,76,77,78の先端部の幅Wb2よりも大きい。つまり、Wa2>Wb2である。
このように構成された凹部93,94,95,96を、平面視で、駆動腕75,76,77,78の先端部と重なる領域に設けることにより、例えば、外部からの衝撃などによって駆動腕75,76,77,78が支持基板4側に撓んだとき、駆動腕75,76,77,78と支持基板4との当接が生じ難くなる。
ところで、図8に示すように、検出腕71,72は、基部70からB方向の両側に延出しており、駆動腕75,76,77,78は基部70からA方向の両側に延出している連結腕73,74の先端部からB方向の両側に延出している。つまり、駆動腕75,76,77,78は、連結腕73,74を介して基部70に接続しており、検出腕71,72よりも基部70から遠方に配置される。
振動素子6は、基部70において素子支持部40に固定される。そのため、外部からの衝撃などが加えられたとき、基部70が固定される素子支持部40に近い位置に配置される検出腕71,72の変位と、検出腕71,72よりも素子支持部40から遠方に配置される駆動腕75,76,77,78の変位と、はそれぞれ異なる。
図13は、図8に示す振動素子6に外部からの衝撃などが加えられたときの振動素子6の変位の一例を模式的に示す図である。詳細には、図13は、例えば、外部からの衝撃としてA方向プラス側の加速度が加えられたときの、検出腕71の先端部に設けられる幅広部711、および駆動腕76,78のそれぞれの先端部に設けられる幅広部761,781の変位を模式的に示す図である。
図13に示すように、A方向プラス側の加速度が加えられたとき、検出腕71、および駆動腕76,78には、矢印Hで示すA方向マイナス側の慣性力がはたらく。そのため、検出腕71の先端部は、A方向マイナス側に変位する。検出腕71は、素子支持部40に近い位置に配置されているため、検出腕71の先端部におけるC方向の変位は僅かである。駆動腕76,78は、検出腕71に比べ、素子支持部40から遠い位置に配置されているため、駆動腕76,78の先端部は、A方向マイナス側に変位するとともに、検出腕71の先端部に比べ、C方向にも大きく変位する。詳細には、駆動腕76の先端部は、A方向マイナス側に変位するとともに、C方向プラス側に変位する。駆動腕78の先端部は、A方向マイナス側に変位するとともに、C方向マイナス側に変位する。図示は省略するが、検出腕72の先端部は、検出腕71の先端部と同様に変位する。駆動腕75の先端部は、駆動腕76の先端部と同様に変位する。駆動腕77の先端部は、駆動腕78の先端部と同様に変位する。
なお、A方向マイナス側の加速度が加えられたときは、検出腕71,72の先端部は、A方向プラス側に変位する。検出腕71,72の先端部におけるC方向の変位は僅かである。駆動腕75,76の先端部は、A方向プラス側に変位するとともに、検出腕71,72の先端部に比べ、C方向マイナス側にも大きく変位する。駆動腕77,78の先端部は、A方向プラス側に変位するとともに、検出腕71,72の先端部に比べ、C方向プラス側にも大きく変位する。
このように、外部からの衝撃などがA方向に加えられたとき、駆動腕75,76,77,78の先端部は、A方向の変位とともに、検出腕71,72の先端部に比べ、C方向にも大きな変位を生じる。
ここで、図9、図10、図11、および図12に戻って、凹部91,92の幅Wa1、凹部93,94,95,96の幅Wa2、検出腕71,72の幅Wb1、および駆動腕75,76,77,78の幅Wb2の関係について、説明する。
凹部91,92の幅Wa1と検出腕71,72の幅Wb1との差分Wa1-Wb1は、A方向における凹部91,92と検出腕71,72との間隙の大きさを示す。凹部93,94,95,96の幅Wa2と駆動腕75,76,77,78の幅Wb2との差分Wa2-Wb2は、A方向における凹部93,94,95,96と駆動腕75,76,77,78との間隙の大きさを示す。
本実施形態では、凹部93,94,95,96の幅Wa2と駆動腕75,76,77,78の幅Wb2との差分Wa2-Wb2を、凹部91,92の幅Wa1と検出腕71,72の幅Wb1との差分Wa1-Wb1よりも大きくしている。つまり、差分Wa1-Wb1と差分Wa2-Wb2とは、Wa2-Wb2>Wa1-Wb1を満たす。
このように、差分Wa2-Wb2を差分Wa1-Wb1よりも大きくすることにより、A方向からの衝撃などにより駆動腕75,76,77,78の先端部がA方向に変位しながら、C方向マイナス側、すなわち支持基板4側に変位するとき、駆動腕75,76,77,78と支持基板4との当接が生じ難くなる。
また、差分Wa2-Wb2に比べ、差分Wa1-Wb1を小さくできるので、凹部91,92の幅Wa1の過度な拡大が抑制され、支持基板4の剛性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、検出腕71,72の最先端部P1,P2、および駆動腕75,76,77,78の最先端部P3,P4,P5,P6は、平面視で、支持基板4と重なるように配置されているが、検出腕71,72の最先端部P1,P2、および駆動腕75,76,77,78の最先端部P3,P4,P5,P6は、平面視で、支持基板4と重ならないように配置されていても構わない。例えば、検出腕71,72の最先端部P1,P2、および駆動腕75,76,77,78の最先端部P3,P4,P5,P6は、平面視で、基体固定部41の外周面よりも外側に配置されていても構わない。このような構成においても、支持基板4における振動素子6に対向する面側の、平面視で、検出腕71,72および駆動腕75,76,77,78と重なる領域に、凹部91,92,93,94,95,96を設けることにより、検出腕71,72および駆動腕75,76,77,78と支持基板4との当接が生じ難くなる。
換言すると、支持基板4における振動素子6に対向する面側、すなわち基体固定部41の上面であって、平面視で検出腕71,72および駆動腕75,76,77,78の少なくとも一部が重なる領域に、検出腕71,72および駆動腕75,76,77,78に対応した凹部91,92,93,94,95,96を設けることにより、検出腕71,72、および駆動腕75,76,77,78と、支持基板4と、の当接が生じ難くなり、当接による検出腕71,72、および駆動腕75,76,77,78の破損が抑制される。
以上述べた通り、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
振動デバイス1は、基部70と、基部70から第1方向であるB方向に延びる複数の振動腕としての検出腕71,72および駆動腕75,76,77,78と、を有する振動素子6と、基体21と、振動素子6を基体21に対して支持する支持基板4と、を備え、支持基板4は、基体21に固定される基体固定部41と、振動素子6の基部70を支持する素子支持部40と、基体固定部41と素子支持部40とを接続する梁部42,43,44,45と、を有し、支持基板4は、振動素子6に対向する面側である上面の、平面視で振動腕71,72,75,76,77,78の少なくとも一部が重なる領域に、複数の振動腕71,72,75,76,77,78に対応した複数の凹部91,92,93,94,95,96を有する。
これにより、外部からの衝撃などによる、振動腕としての検出腕71,72および駆動腕75,76,77,78と、支持基板4と、の当接が生じ難くなる。検出腕71,72および駆動腕75,76,77,78と、支持基板4と、の当接が生じ難くなることにより、当接による駆動腕75,76,77,78や検出腕71,72の破損が抑制される。
2.実施形態2
次に、実施形態2に係る振動デバイス1について、図14および図15を参照して説明する。なお、上述した実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態2の振動デバイス1は、凹部91,92,93,94,95,96の第1側面101および第2側面102が、傾斜面を有すること以外は、実施形態1と同様である。そのため、以下の説明では、本実施形態に関し、上述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。
また、本実施形態では、検出腕71に対応する凹部91と、検出腕72に対応する凹部92とは、構成が同様であるため、凹部91について代表して説明し、凹部92については、その説明を省略する。また、駆動腕75に対応する凹部93と、駆動腕76に対応する凹部94と、駆動腕77に対応する凹部95と、駆動腕78に対応する凹部96と、は構成が同様であるため、凹部96について代表して説明し、凹部92,93,94,95については、その説明を省略する。
図14および図15に示すように、凹部91の第1側面101は、第1側面部111と、第2側面部112と、を有する。第1側面部111の上端は、基体固定部41の上面に接続し、第1側面部111の下端は、第2側面部112の上端と接続している。第2側面部112の上端は、第1側面部111の下端に接続し、第2側面部112の下端は、凹部91の底面100と接続している。第2側面部112は、傾斜面である。第2側面部112は、凹部91の底面100に向かって第2側面102に近づくように傾斜している、つまり、第2側面部112は、凹部91の底面100に向かって縮幅する傾斜面である。
また、凹部91の第2側面102は、第1側面部121と、第2側面部122と、を有する。第1側面部121の上端は、基体固定部41の上面に接続し、第1側面部121の下端は、第2側面部122の上端と接続している。第2側面部122の上端は、第1側面部121の下端に接続し、第2側面部122の下端は、凹部91の底面100と接続している。第2側面部122は、傾斜面である。第2側面部122は、凹部91の底面100に向かって第1側面101に近づくように傾斜している、つまり、第2側面部122は、凹部91の底面100に向かって縮幅する傾斜面である。
このように、凹部91において、第1側面101および第2側面102が、凹部91の底面100に向かって縮幅する傾斜面である第2側面部112,122を有することにより、第1側面101および第2側面102と、底面100との接続部における応力集中が抑制される。第1側面101および第2側面102と、底面100との接続部における応力集中が抑制されることにより、支持基板4の割れを抑制することができる。
凹部91と同様に、凹部96の第1側面101は、第1側面部111と、第2側面部112と、を有し、凹部96の第2側面102は、第1側面部121と、第2側面部122と、を有する。第2側面部112,122は、凹部96の底面100に向かって縮幅する傾斜面である。
このように、凹部96においても、第1側面101および第2側面102が、凹部96の底面100に向かって縮幅する傾斜面である第2側面部112,122を有することにより、第1側面101および第2側面102と、底面100との接続部における応力集中が抑制される。第1側面101および第2側面102と、底面100との接続部における応力集中が抑制されることにより、支持基板4の割れを抑制することができる。
凹部92,93,94,95についても、凹部91,96と同様である。
また、本実施形態では、凹部91,92,93,94,95,96は、ウェットエッチングにより形成される。ウェットエッチングにより凹部91,92,93,94,95,96を形成することにより、支持基板4を構成する水晶基板の結晶軸に起因するエッチング異方性を利用して、傾斜面である第2側面部112,122を容易に形成することができる。
なお、本実施形態では、第2側面部112,122が傾斜面であるが、第1側面部111,121と、第2側面部112,122の両方が傾斜面であっても構わない。また、第1側面101および第2側面102は、それぞれ第1側面部111,121と第2側面部112,122の2つの側面部を有するが3つ以上の側面部を有していても構わない。
本実施形態によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
凹部91,92,93,94,95,96の第1側面101および第2側面102が、凹部91,92,93,94,95,96の底面100に向かって縮幅する傾斜面である第2側面部112,122を有することにより、第1側面101および第2側面102と、底面100と、の接続部における応力集中が抑制され、支持基板4の割れを抑制することができる。
3.実施形態3
次に、実施形態3に係る振動デバイス1について、図16、図17、および図18を参照して説明する。なお、上述した実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態3の振動デバイス1は、凹部91,92,93,94,95,96と、基体固定部41の内周面と、の間に厚肉部が設けられていること以外は、実施形態1と同様である。そのため、以下の説明では、本実施形態に関し、上述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。
また、本実施形態では、検出腕71に対応する凹部91と、検出腕72に対応する凹部92とは、構成が同様であるため、凹部91について代表して説明し、凹部92については、その説明を省略する。また、駆動腕75に対応する凹部93と、駆動腕76に対応する凹部94と、駆動腕77に対応する凹部95と、駆動腕78に対応する凹部96と、は構成が同様であるため、凹部96について代表して説明し、凹部92,93,94,95については、その説明を省略する。
図16、図17、および図18に示すように、本実施形態では、凹部91,92,93,94,95,96と、基体固定部41の内周面と、の間に厚肉部が設けられている。詳細には、基体固定部41の厚肉部は、平面視で、凹部91および凹部96のA方向プラス側およびA方向マイナス側と、凹部91および凹部96と基体固定部41の内周面との間と、に設けられる。つまり、凹部91および凹部96は、平面視で、凹部91および凹部96のA方向プラス側と、凹部91および凹部96のA方向マイナス側と、凹部91および凹部96のB方向の一方側である基体固定部41の内周面側と、の三方から基体固定部41の厚肉部に囲まれている。凹部91および凹部96のB方向の一方側である基体固定部41の内周面側とは、凹部91および凹部96のB方向プラス側である。
図16および図17に示すように、凹部91は、底面100と、第1側面101と、第2側面102と、第3側面131と、を有する。第3側面131は、凹部91と基体固定部41の内周面との間に設けられる厚肉部と、の境界に設けられる。つまり、第3側面131は、底面100における基体固定部41の内周面側であるB方向プラス側の端部に配置される。
凹部91の第3側面131は、検出腕71の先端部よりも、検出腕71の基端部側に配置される。詳細には、凹部91の第3側面131は、検出腕71の最先端部P1よりも、B方向プラス側に配置される。
凹部91をこのように構成することにより、外部からの衝撃などによって検出腕71が支持基板4側に撓んだとき、検出腕71と支持基板4との当接が生じ難くなる。
また、凹部91と基体固定部41の内周面との間にも厚肉部が設けられていることにより、支持基板4の剛性が向上する。
凹部92は、凹部91と同様である。
図示は省略するが、凹部92と基体固定部41の内周面との間にも厚肉部が設けられる。詳細には、凹部92は、平面視で、凹部92のA方向プラス側と、凹部92のA方向マイナス側と、凹部92およびのB方向の一方側である基体固定部41の内周面側と、の三方から基体固定部41の厚肉部に囲まれている。凹部92は、検出腕72の最先端部P2よりも、検出腕72の基端部側であるB方向マイナス側に配置される第3側面131を有する。
また、図16および図18に示すように、凹部96は、底面100と、第1側面101と、第2側面102と、第4側面132と、を有する。第4側面132は、凹部96と基体固定部41の内周面との間に設けられる厚肉部と、の境界に設けられる。つまり、第4側面132は、底面100における基体固定部41の内周面側であるB方向プラス側の端部に配置される。
凹部96の第4側面132は、駆動腕78の先端部よりも、駆動腕78の基端部側に配置される。詳細には、凹部96の第4側面132は、駆動腕78の最先端部P6よりも、B方向プラス側に配置される。
凹部96をこのように構成することにより、外部からの衝撃などによって駆動腕78が支持基板4側に撓んだとき、駆動腕78と支持基板4との当接が生じ難くなる。
また、凹部96と基体固定部41の内周面との間にも厚肉部が設けられていることにより、支持基板4の剛性が向上する。
凹部93,94,95は、凹部96と同様である。
図16に示すように、凹部94と基体固定部41の内周面との間にも厚肉部が設けられる。詳細には、凹部94は、平面視で、凹部94のA方向プラス側と、凹部94のA方向マイナス側と、凹部94およびのB方向の一方側である基体固定部41の内周面側と、の三方から基体固定部41の厚肉部に囲まれている。凹部94は、駆動腕76の最先端部P4よりも、駆動腕76の基端部側であるB方向プラス側に配置される第4側面132を有する。
図示は省略するが、凹部93,95と基体固定部41の内周面との間にも厚肉部が設けられる。詳細には、凹部93,95は、平面視で、凹部93,95のA方向プラス側と、凹部93,95のA方向マイナス側と、凹部93,95のB方向の一方側である基体固定部41の内周面側と、の三方から基体固定部41の厚肉部に囲まれている。凹部93は、駆動腕75の最先端部P3よりも、駆動腕75の基端部側であるB方向マイナス側に配置される第4側面132を有する。凹部95は、駆動腕77の最先端部P5よりも、駆動腕77の基端部側であるB方向マイナス側に配置される第4側面132を有する。
ところで、上述したように、外部からの衝撃などが加えられたとき、基部70が固定されている素子支持部40に近い位置に配置される検出腕71,72の変位と、検出腕71,72よりも素子支持部40から遠方に配置される駆動腕75,76,77,78の変位と、はそれぞれ異なる。
ここで、図16、図17、および図18に示すように、検出腕71の先端部、具体的には最先端部P1と、凹部91の第3側面131と、のB方向における距離をLc1とする。駆動腕78の先端部、具体的には最先端部P6と、凹部96の第4側面132と、のB方向における距離をLc2とする。
本実施形態では、駆動腕78の先端部と凹部96の第4側面132との距離Lc2を、検出腕71の先端部と凹部91の第3側面131との距離Lc1よりも大きくしている。つまり、距離Lc1と距離Lc2とは、Lc2>Lc1を満たす。
このように、駆動腕78の先端部と凹部96の第4側面132との距離Lc2を、検出腕71の先端部と凹部91の第3側面131との距離Lc1よりも大きくすることにより、A方向からの衝撃などにより駆動腕78の先端部がA方向に変位しながら、C方向マイナス側、すなわち支持基板4側に変位するとき、駆動腕78と支持基板4との当接が生じ難くなる。
また、距離Lc2に比べ、距離Lc1を小さくできるので、凹部91の第3側面131と基体固定部41の内周面との間に設けられる厚肉部をB方向に大きくすることができる。これにより、支持基板4の剛性がさらに向上する。
凹部92は凹部91と同様であり、凹部93,94,95は凹部96と同様である。
つまり、駆動腕75,76,77,78の先端部と凹部93,94,95,96の第4側面132との距離Lc2を、検出腕71,72の先端部と凹部91,92の第3側面131との距離Lc1よりも大きくしている。これにより、A方向からの衝撃などにより駆動腕75,76,77,78の先端部がA方向に変位しながら、C方向マイナス側、すなわち支持基板4側に変位するとき、駆動腕75,76,77,78と支持基板4との当接が生じ難くなる。また、凹部91,92の第3側面131と基体固定部41の内周面との間の厚肉部をB方向に大きくすることができ、支持基板4の剛性がさらに向上する。
本実施形態によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
凹部91,92,93,94,95,96と基体固定部41の内周面との間にも厚肉部が設けられていることにより、支持基板4の剛性が向上する。
4.実施形態4
次に、実施形態4に係る振動デバイス1について、図19、図20、および図21を参照して説明する。なお、上述した実施形態3と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態4の振動デバイス1は、凹部91,92,93,94,95,96と、基体固定部41の外周面と、の間に厚肉部が設けられていること以外は、実施形態3と同様である。そのため、以下の説明では、本実施形態に関し、上述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。
また、本実施形態では、検出腕71に対応する凹部91と、検出腕72に対応する凹部92とは、構成が同様であるため、凹部91について代表して説明し、凹部92については、その説明を省略する。また、駆動腕75に対応する凹部93と、駆動腕76に対応する凹部94と、駆動腕77に対応する凹部95と、駆動腕78に対応する凹部96と、は構成が同様であるため、凹部96について代表して説明し、凹部92,93,94,95については、その説明を省略する。
図19、図20、および図21に示すように、本実施形態では、基体固定部41の厚肉部は、平面視で、凹部91および凹部96のA方向プラス側およびA方向マイナス側と、凹部91および凹部96と基体固定部41の内周面との間と、凹部91および凹部96と基体固定部41の外周面との間と、に設けられる。つまり、凹部91および凹部96は、平面視で、凹部91および凹部96のA方向プラス側と、凹部91および凹部96のA方向マイナス側と、凹部91および凹部96のB方向の一方側である基体固定部41の内周面側と、凹部91および凹部96のB方向の他方側である基体固定部41の外周面側と、の四方から基体固定部41の厚肉部に囲まれている。凹部91および凹部96のB方向の一方側である基体固定部41の内周面側とは、凹部91および凹部96のB方向プラス側である。凹部91および凹部96のB方向の他方側である基体固定部41の外周面側とは、凹部91および凹部96のB方向マイナス側である。
このように、凹部91および凹部96と基体固定部41の外周面との間にも厚肉部が設けられていることにより、支持基板4の剛性がさらに向上する。
凹部92は凹部91と同様であり、凹部93,94,95は凹部96と同様である。
図19に示すように、凹部94と基体固定部41の外周面との間にも厚肉部が設けられる。詳細には、基体固定部41の厚肉部は、平面視で、凹部94のA方向プラス側およびA方向マイナス側と、凹部94と基体固定部41の内周面との間と、凹部94と基体固定部41の外周面との間と、に設けられる。
図示は省略するが、凹部93,95と基体固定部41の外周面との間にも厚肉部が設けられる。詳細には、基体固定部41の厚肉部は、平面視で、凹部93,95のA方向プラス側およびA方向マイナス側と、凹部93,95と基体固定部41の内周面との間と、凹部93,95と基体固定部41の外周面との間と、に設けられる。
本実施形態によれば、実施形態3での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
凹部91,92,93,94,95,96と基体固定部41の外周面との間にも厚肉部が設けられていることにより、支持基板4の剛性がさらに向上する。
以上、振動デバイス1について、実施形態1~4に基づいて説明した。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていても構わない。また、各実施形態を適宜組み合わせても構わない。
例えば、実施形態2と実施形態3とを組み合わせても構わない。
また、例えば、本実施形態では、複数の振動腕として検出腕71,72、および駆動腕75,76,77,78を有する振動素子6を例示して説明したが、複数の振動腕を有する振動素子は、振動素子6に限定されない。例えば、振動素子6は、ダブルT型構造の振動素子に限らず、例えば、音叉型やH型の振動素子であっても構わない。また、振動素子6は、水晶以外の圧電体を用いる振動素子であっても構わない。また、振動素子6は、シリコンなどの半導体基板に圧電体を配置したMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)振動素子などであっても構わない。
1…振動デバイス、2…パッケージ、3…回路素子、4…支持基板、6…振動素子、7…振動基板、21…基体、22…リッド、23…接合部材、40…素子支持部、41…基体固定部、42,43,44,45…梁部、70…基部、71,72…振動腕としての検出腕、73,74…連結腕、75,76,77,78…振動腕としての駆動腕、91,92,93,94,95,96…凹部、100…底面、101…第1側面、102…第2側面、131…第3側面、132…第4側面、711,721,751,761,771,781…幅広部、B1…接合部材、B2…接合部材、P1,P2,P3,P4,P5,P6…最先端部、Wa1,Wa2…幅、Wb1,Wb2…幅、Lc1…距離、Lc2…距離。

Claims (7)

  1. 基部と、前記基部から第1方向に延びる複数の振動腕と、を有する振動素子と、
    基体と、前記振動素子を前記基体に対して支持する支持基板と、を備え、
    前記支持基板は、
    前記基体に固定される基体固定部と、
    前記振動素子の前記基部を支持する素子支持部と、
    前記基体固定部と前記素子支持部とを接続する梁部と、を有し、
    前記支持基板は、
    前記振動素子に対向する面側の、平面視で前記振動腕の少なくとも一部が重なる領域に、前記複数の前記振動腕に対応した複数の凹部を有する、
    振動デバイス。
  2. 前記凹部は、少なくとも前記振動腕の前記第1方向の先端部と重なる領域に配置されている、
    請求項1に記載の振動デバイス。
  3. 前記凹部の、前記第1方向と交差する第2方向に沿って対向する第1側面および第2側面は、前記凹部の底面に向かって縮幅する傾斜面を有する、
    請求項1または請求項2に記載の振動デバイス。
  4. 前記複数の前記振動腕は、第1振動腕と、前記第1方向と交差する第2方向に沿って前記第1振動腕と並んで配置され、かつ、前記第1振動腕よりも前記素子支持部から遠方に配置される第2振動腕と、を有し、
    前記複数の凹部は、前記第1振動腕に対向して配置された第1凹部と、前記第2振動腕に対向して配置された第2凹部と、を有し、
    前記第2方向において、前記第1振動腕の幅をWb1、前記第2振動腕の幅をWb2、前記第1凹部の幅をWa1、前記第2凹部の幅をWa2としたとき、Wa2-Wb2>Wa1-Wb1を満たす、
    請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の振動デバイス。
  5. 前記複数の前記振動腕は、第1振動腕と、前記第1方向と交差する第2方向に沿って前記第1振動腕と並んで配置され、かつ、前記第1振動腕よりも前記素子支持部から遠方に配置される第2振動腕とを有し、
    前記複数の凹部は、前記第1振動腕に対向して配置された第1凹部と、前記第2振動腕に対向して配置された第2凹部と、を有し、
    前記第1凹部は、前記第1振動腕の先端部より前記第1方向の前記基部側に第3側面を有し、
    前記第2凹部は、前記第2振動腕の先端部より前記第1方向の前記基部側に第4側面を有し、
    前記第1方向において、前記第1振動腕の先端部と前記第3側面との距離をLc1、前記第2振動腕の先端部と前記第4側面との距離をLc2、としたとき、Lc2>Lc1を満たす、
    請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の振動デバイス。
  6. 前記第1凹部は、前記第1振動腕の先端部より前記第1方向の前記基部側に第3側面を有し、
    前記第2凹部は、前記第2振動腕の先端部より前記第1方向の前記基部側に第4側面を有し、
    前記第1方向において、前記第1振動腕の先端部と前記第3側面との距離をLc1、前記第2振動腕の先端部と前記第4側面との距離をLc2、としたとき、Lc2>Lc1を満たす、
    請求項4に記載の振動デバイス。
  7. 前記第1方向および第2方向に直交する方向を第3方向としたとき、
    前記振動素子と前記支持基板とは、前記第3方向に重なって配置され、
    前記振動素子は、
    接合部材を介して前記素子支持部に固定される前記基部から前記第1方向の両側に延出する前記振動腕としての一対の検出腕と、
    前記基部から前記第2方向の両側に延出している一対の連結腕と、
    一方の前記連結腕の先端部から前記第1方向の両側に延出している前記振動腕としての一対の駆動腕と、
    他方の前記連結腕の先端部から前記第1方向の両側に延出している前記振動腕としての一対の駆動腕と、を有する、
    請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の振動デバイス。
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