JP2006270177A - 圧電振動片および圧電デバイス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 圧電材料により形成された基部51と、基部51と一体に形成され、互いに平行に延びる複数の振動腕35,36と、この各振動腕の長手方向に沿って形成された長溝33,34と、この長溝の内面に配置された内面電極44,45、及びこの内面電極に対向する側面に配置された側面電極46,47により形成された励振電極とを備えており、各振動腕35,36の幅寸法が、振動腕35,36の基部51に対する付け根の箇所で、基部51側に向かって拡幅する拡幅部60を有し、この拡幅部60の側面60cおよび主面60dに側面電極46が引き回されている圧電振動片。
【選択図】 図3
Description
図において、圧電振動片1は、水晶などの圧電材料をエッチングすることにより、図示する外形を形成するもので、矩形の基部2と、基部2から図において右方に延長された一対の振動腕3,4を備えており、これら振動腕の主面(表裏面)に長溝3a,4aを形成するとともに、必要な駆動用の電極を形成したものである。
電極5は、振動腕3に設けられた長溝3aの内面と、振動腕4の長溝4aの内面に対向する側面4bに引き回されている。
電極6は、電極5と短絡しないように、振動腕3の長溝3aの内面に対向する側面3bに設けられた側面電極6a、及び基部2の主面に設けられた基部電極6bを通って、振動腕4に設けられた長溝4aの内面まで引き回されている。
このようにして、長溝3a,4aの各内面に設けられた電極と、振動腕3,4の各側面3b,4bに設けられた電極との間において電界を生じさせて、クリスタルインピーダンス値(以下、「CI値」という。)を低減できるので、圧電振動片を小型化することができる。
そこで、振動腕の根元付近を拡大した部分拡大図である図9に示すような圧電振動片10が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この圧電振動片10は、振動腕14の付け根にある長溝13の幅W2を、長溝13の先端側の幅W3に比べて狭くしており、この幅を狭くした分だけ、長溝13の内面に設けた電極と接触することなく、側壁上の電極12を確実に形成できるようにしている。
そして、この側壁の主面上の電極12の位置が多少ズレても、図9の長溝13の幅W2を従来よりもさらに小さくして、側壁の主面上の電極12の幅をさらに大きくすることで、側面電極11と側壁上の電極12との断線を回避する手段もあるが、長溝13の幅W2を無闇に小さくすると、逆に、CI値が増大してしまうという問題が残ってしまう。
さらに、拡幅部の側面および主面に側面電極が引き回されている。このため、たとえ振動腕の側壁の主面上の電極と基部上の電極とが接触していない場合であっても、拡幅部の側面および主面に引き回された電極を介して、側面電極と基部上の電極とを接続することができる。
また、このように、振動腕の側壁の主面上の電極の幅を気にしなくても、側面電極と基部上の電極とを接続できるので、振動腕の側壁の主面上の電極の幅を小さく形成し、或いは形成しなくてもよく、このため、長溝内の電極との短絡を防止できる。
かくして、圧電振動片を小型化した場合であっても、電極間の短絡を防止しつつ電極の断線を防止し、CI値を低く抑えることができる圧電振動片を提供することができる。
第2の発明の構成によれば、拡幅部は、基部側に向かって拡幅の度合いを段階的に変えながら拡幅しているので、拡幅部の側面と拡幅部の主面とが接する長さを、拡幅の度合いを変えない場合に比べて、長くすることができる。したがって、第1の発明に比べて、拡幅部の側面と拡幅部の主面との断線を防止することができる。
第3の発明の構成によれば、第1の発明と同様の原理により、電極間の短絡を防止するとともに電極の断線を防止し、振動腕の屈曲振動を安定させて、CI値を低く抑えた圧電デバイスを提供することができる。
なお、図1および図2においては、理解の便宜のために、後述する励振電極を省略して図示してある。また、図3の平行斜線は断面を示しものではなく、電極を示している。
また、パッケージ37は、圧電振動片32を収容した後で、透明なガラス製の蓋体40が封止材38を用いて接合されることにより、気密に封止されている。これにより、蓋体40を封止した後で、外部からレーザ光LBを照射して圧電振動片32の電極などをトリミングして、周波数調整できるようになっている。
なお、このような圧電振動片32の音叉状の外形と、後述する各振動腕に設ける長溝は、それぞれ例えば水晶ウエハなどの材料をフッ酸溶液などでウエットエッチングしたり、ドライエッチングすることにより形成することができる。
すなわち、この基部51の幅方向の両端には、互いに異極となるように実装端子41,42(図2を参照)に接続された複数の引出し電極52,53が設けられている。この引出し電極52,53は、後述する励振電極に駆動用の電圧を伝達するための電極であり、例えば、クロム(Cr)および金(Au)をスパッタして形成されている。
そして、振動腕35,36には、図3および図4に示すように、長溝33,34の内面に配置された内面電極44,45、及びこの内面電極44,45に対向する側面35b,36bに配置された側面電極46,47により、駆動用の電極となる励振電極が形成されている。すなわち、内面電極44と側面電極46は対向して配置され、また、内面電極45と側面電極47も対向して配置され、内面電極44,45と側面電極46,47とが互いに異極となるように、基部51上の引出し電極52,53に接続されている。これらの励振電極は、例えば、クロム(Cr)および金(Au)をスパッタして形成されている。
まず、引出し電極53は、基部51の主面(表裏面)を通って、長溝33の内面電極44に接続されると共に、振動腕36の内面電極45と対向する側面36bに設けらた側面電極47に接続されている。
すなわち、引出し電極52は、振動腕35の側面35b上の側面電極46に接続され、この側面電極46は、基部51の主面(表裏面)の接続用電極48を介して、振動腕35の長溝34内の内面電極45と接続されている。
なお、側面電極46を基部51の接続用電極48に接続する際には、側面電極46が、基部51の振動腕35と振動腕36との間に位置する股部51aに被覆されないようにし、股部51aに電界が生じないようにしている。
この拡幅部60,60は、好ましくは、図1に示すように、平面視において、振動腕35,36の幅方向の中心を通る長手方向に沿った仮想線CLを中心にした外側の拡幅部60aと内側(股部51a側)の拡幅部60bとが略対称となるように形成されている。これにより、振動腕35,36の内側と外側とのバランスをとって、安定した屈曲振動を可能としている。
また、拡幅部60は、基部51に接した位置における最大幅Wbが大きいほど、後述するように電極の引き回しを容易にすることができ、少なくとも長溝33が設けられたことで形成された側壁35aの幅よりも大きな幅となるように拡幅している。但し、この拡幅部60の最大幅Wbが大き過ぎると、股部51aがなくなって、拡幅部60自体が股部のような働きをする部分になってしまう、或いは、この拡幅部60の股部化を避けるためには、股部51aの幅寸法を大きくすることも考えられるが、そうすると、圧電振動片32全体の幅が大きくなってしまう。そこで、拡幅部60は、股部51aが残るように、最大幅Wbが23μm程度となるように形成されている。また、拡幅部60の長さL1は、最大幅Wbのおよそ2倍の50μm程度とされている。
すなわち、上述のように、一方の引出し電極52及びこれと電気的に接続された励振電極と、他方の引出し電極53及びこれと電気的に接続された励振電極とが接触しないように、一方の引出し電極52を振動腕35の側面および先端を回り込ませて側面電極46を形成し、この側面電極46を基部51の主面まで引き回して、基部51上に振動腕36の内面電極45と接続された接続用電極48を形成するようにしている。そこで、この側面電極46を基部51上の接続用電極48まで引き回す際に、拡幅部60bの側面60cと主面60dが利用されている。
この図において、図1ないし図5の圧電振動片32と同一の符号を付した箇所は共通の構成であるから、重複する説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
図6において、圧電振動片70が、図1ないし図5の圧電振動片32と異なるのは、拡幅部60の形状のみについてである。
より好ましくは、各拡幅部60は、先端側の拡幅部60−1よりも基部側の拡幅部60−2の方が、拡幅の度合いが大きくなるように形成されている。これにより、より大きな応力が作用し、歪みが大きくなる基部側の付け根部分の剛性を高めることができる。
なお、図6の変形例では、各拡幅部60は、拡幅の度合いは1段階だけ変わっており、平面視において、2つの異なる傾斜角度を有する拡幅部60−1,60−2で形成されているが、拡幅の度合いは2段階以上にわたって変わっていても勿論よい。
例えば、図6に示す圧電振動片70を図1および図2に示すパッケージ37に収容して圧電デバイスを形成するようにしても勿論よく、また、パッケージは箱状のパッケージに限られず、例えばシリンダー状の容器などであってもよい。
さらに、圧電振動片についても、図1ないし図6では、基部51がパッケージ37に接合されているが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、振動腕35,36とは別に、基部51の端部から第2の腕部を延ばし、この第2の腕部をパッケージに接合するようにしてもよい。
Claims (3)
- 圧電材料により形成された基部と、
前記基部と一体に形成され、互いに平行に延びる複数の振動腕と、
前記各振動腕の長手方向に沿って形成された長溝と、
前記長溝の内面に配置された内面電極、および前記振動腕の前記内面電極に対向する側面に配置された側面電極により形成された励振電極と
を備えており、
前記各振動腕の幅寸法が、前記振動腕の前記基部に対する付け根の箇所で、基部側に向かって拡幅する拡幅部を有し、この拡幅部の側面および主面に前記側面電極が引き回されている
ことを特徴とする圧電振動片。 - 前記拡幅部は、基部側に向かって拡幅の度合いを段階的に変えながら拡幅していることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片。
- パッケージまたはケース内に圧電振動片を収容した圧電デバイスであって、
前記圧電振動片が、
圧電材料により形成された基部と、
前記基部と一体に形成され、互いに平行に延びる複数の振動腕と、
前記各振動腕の長手方向に沿って形成された長溝と、
前記長溝の内面に配置された内面電極、および前記振動腕の前記内面電極に対向する側面に配置された側面電極により形成された励振電極と
を備えており、
前記各振動腕の幅寸法が、前記振動腕の前記基部に対する付け根の箇所で、基部側に向かって拡幅する拡幅部を有し、この拡幅部の側面および主面に前記側面電極が引き回されている
ことを特徴とする圧電デバイス。
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