Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP2023148319A - 難燃性樹脂組成物用の相溶化剤及びそれを用いた難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物用の相溶化剤及びそれを用いた難燃性樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2023148319A
JP2023148319A JP2022056267A JP2022056267A JP2023148319A JP 2023148319 A JP2023148319 A JP 2023148319A JP 2022056267 A JP2022056267 A JP 2022056267A JP 2022056267 A JP2022056267 A JP 2022056267A JP 2023148319 A JP2023148319 A JP 2023148319A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flame
resin composition
resin
mass
retardant resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022056267A
Other languages
English (en)
Inventor
惇 松本
Atsushi Matsumoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Polyethylene Corp
Original Assignee
Japan Polyethylene Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Polyethylene Corp filed Critical Japan Polyethylene Corp
Priority to JP2022056267A priority Critical patent/JP2023148319A/ja
Publication of JP2023148319A publication Critical patent/JP2023148319A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Insulated Conductors (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Abstract

【課題】 高い難燃性を備えつつ、成形加工性及び機械的特性に優れる難燃性樹脂組成物、並びに当該難燃性樹脂組成物を用いた電線及びケーブルを提供する。【解決手段】 極性基含有化合物で0.5%質量%~5.0質量%変性されたポリオレフィン系樹脂から実質的になる、難燃性樹脂組成物用の相溶化樹脂、及びこれを用いた難燃性樹脂組成物である。【選択図】 なし

Description

本発明は、難燃性樹脂組成物用の相溶化剤及びそれを用いた難燃性樹脂組成物に関する。詳しくは、本発明は、高い難燃性と成形加工性や機械的特性を兼ね備えた難燃性樹脂組成物、並びに該組成物を用いた電線及びケーブルに関する。
従来、電線又はケーブル用被覆材等の難燃性材料として、ポリ塩化ビニル樹脂組成物が使用されてきた。しかし、ポリ塩化ビニル樹脂組成物は、火災時や廃棄焼却時に燃焼すると有毒なハロゲン含有ガスを生じるという欠点がある。ポリ塩化ビニル樹脂組成物のかかる欠点を克服するため、ポリオレフィン系樹脂に水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウム等の金属水酸化物を配合した、吸熱反応と水蒸気により燃焼を阻害する、ノンハロゲン難燃性材料が提案されている。
特許文献1には、このようなノンハロゲン難燃性ポリエチレン樹脂において、高温高湿環境下でも機械的特性を維持することを目的として、115℃を超える融点を有する無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンを含み、更に33~99.5質量%の割合でエチレン-アクリル酸エステル-無水マレイン酸三元共重合体を含むカップリング剤(相溶化剤)を用いることが開示されている。
電線又はケーブル用難燃性材料に求められる難燃グレードとしては、建物の構造の違い等により、欧州や米国等では日本国内よりも高い難燃性が要求されている。欧州では、ケーブル等の難燃規格として欧州建設資材規制(CPR:Construction Products Regulation)を取り入れており、米国では、例えば、ビル等で複数階の床を貫通する垂直布設に要求される難燃性の判別に、UL1666規格に基づくライザー試験が行われている。
ノンハロゲン難燃性ポリエチレン樹脂において、難燃性を向上させるためには、一般的に、金属水酸化物等のフィラーの含有量を増やす必要がある。フィラーの含有量を増やすために、フィラーとベース樹脂の仲立ちをする相溶化剤を配合することが行われている(特許文献2)。また、フィラーとして無機金属化合物を用いると、ケーブルの伸びなど機械特性を損なうことがあることから、フィラーと合わせて配合される樹脂の設計も試みられる(特許文献3)。一方で金属水酸化物は耐水性が良好ではないことや、炭酸ガス白化現象に伴う劣化の問題がある。そのため、別のアプローチとして、フィラーを脂肪酸やアミンで表面処理することによる改質が試みられている(特許文献4、5)。
国際公開第2013/107971号 特開2021-147555号公報 特表2013-514391号公報 特開2012-102307号公報 特開2006-111678号公報
ノンハロゲン難燃性樹脂には、ケーブルなどの製品にしたときに機械的強度が求められるが、金属水酸化物のような無機系難燃剤は、ポリマーマトリックスと金属水酸化物との界面に材料中の欠陥が存在する。また、無機系難燃剤は良好な難燃効果を得るためには多量の添加が必要となるが、難燃性を向上させるために金属水酸化物の含有量を増やすと、押出成形時における流動性が不足して成形加工性を確保することが難しくなり、また、切断時引張強さ等の機械的特性も確保することが難しくなる。
難燃剤として金属水酸化物を用いた従来の難燃性樹脂組成物は、耐炭酸ガス白化性、成形加工時の流動性、及び切断時引張強さ等の機械的特性が良好に確保された材料として十分なものとは必ずしも言えない。
本発明では、上記従来技術の問題点に鑑み、高い難燃性を備えつつ、成形加工性及び機械的特性に優れる難燃性樹脂組成物、並びに当該難燃性樹脂組成物を用いた電線及びケーブルを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、樹脂成分に含まれる相溶化剤において、極性基含有化合物で0.5~5.0質量%の範囲で変性したポリオレフィン系樹脂を相溶化剤とすると、同量の水酸化物でも難燃性により優れた難燃性樹脂組成物が得られることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第1の発明によれば、極性基含有化合物で0.5質量%~5.0質量%変性されたポリオレフィン系樹脂から実質的になる、難燃性樹脂組成物用の相溶化樹脂が提供される。
本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記極性基含有化合物が、不飽和カルボン酸又はその誘導体、エポキシ基含有化合物、ヒドロキシル基含有化合物、アミノ基含有化合物、有機シラン化合物及び有機チタネート化合物から選択される少なくとも1種である、相溶化樹脂が提供される。
本発明の第3の発明によれば、第2の発明において、前記極性基含有化合物が、マレイン酸又は無水マレイン酸である相溶化樹脂が提供される。
本発明の第4の発明によれば、第1~3のいずれかの発明において、前記ポリオレフィン系樹脂が、直鎖状低密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレンである相溶化樹脂が提供される。
本発明の第5の発明によれば、エチレンを含む共重合体であるベース樹脂及び請求項1~4のいずれか一項記載の相溶化樹脂とを含む樹脂成分と、金属水酸化物を含有する難燃性樹脂組成物であって、前記樹脂成分の合計100質量部に対し、前記金属水酸化物を80~250質量部含む、難燃性樹脂組成物が提供される。
本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、前記樹脂成分の総量100質量%中に、前記ベース樹脂及び前記第1~4のいずれかの相溶化樹脂を合計で90質量%以上含む、難燃性樹脂組成物が提供される。
本発明の第7の発明によれば、第5又は6の発明において、前記ベース樹脂がエチレン-酢酸ビニル共重合体及びエチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体から選ばれる少なくとも1種を含む、難燃性樹脂組成物が提供される。
本発明の第8の発明によれば、第5~7のいずれかの発明において、前記金属水酸化物が、水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムである、難燃性樹脂組成物が提供される。
本発明の第9の発明によれば、前記第5~8のいずれかの難燃性樹脂組成物を用いた電線又はケーブルが提供される。
本発明によれば、高い難燃性を備えつつ、成形加工性及び機械的特性に優れる難燃性樹脂組成物、並びに当該難燃性樹脂組成物を用いた電線及びケーブルを提供することができる。
本発明は、極性基含有化合物で0.5質量%~5.0質量%変性されたポリオレフィン系樹脂から実質的になる、相溶化樹脂を用いることを特徴とする。該相溶化樹脂は、ベース樹脂と合わせて難燃性樹脂組成物の樹脂成分を構成する。相溶化樹脂及びベース樹脂は、難燃性樹脂組成物の成形体を形作るためのマトリックス成分であり、典型的にはポリマーである熱可塑性樹脂であり、熱可塑性エラストマーを含む。
以下に、本発明を詳細に説明する。なお、”x~y”という範囲を示す表記は、特に断りが無い限り、当該範囲にxとyが入るものとする。
本発明の難燃性樹脂組成物は、樹脂成分として、ベース樹脂と相溶化樹脂とを含み、相溶化樹脂は上記のとおり極性基含有化合物で0.5質量%~5.0質量%変性された、ポリオレフィン系樹脂から実質的になるものである。本発明の難燃性樹脂組成物には、本発明の特性を損なわない範囲で、ベース樹脂及び相溶化樹脂とは異なるその他の樹脂成分を更に含有していてもよい。
1.相溶化樹脂
本発明において、相溶化樹脂は、ベース樹脂と後述の金属水酸化物との相溶性を向上して、樹脂組成物の流動性及び可撓性を確保する熱可塑性樹脂であり、極性基含有化合物で0.5質量%~5.0質量%変性された、ポリオレフィン系樹脂から実質的になる。以下、相溶化樹脂が「変性された」というとき、上記範囲の量であることを省略して記載することがある。
特許文献4、5に記載されるように、難燃剤としての水酸化マグネシウムを表面処理して用いることは従来行われている。これに対し、本発明の難燃性樹脂組成物は、極性基含有化合物で0.5質量%~5.0質量%変性されたポリオレフィン系樹脂からなる相溶化樹脂を用いることで、同量のフィラーでも難燃性がより優れる難燃性樹脂組成物が得られる。そのため、樹脂成分による機械的強度を損なうことなく、高い難燃性も達成することができる。
本発明において相溶化樹脂が有する極性基としては、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、グリシジル基、カルボニル基、アミノ基及びトリクロロシリル基から選ばれる少なくとも1種の極性基であることが、ベース樹脂と金属水酸化物との相溶効果が高い点から好ましい。中でも、カルボキシル基及びカルボン酸無水物基から選ばれる少なくとも1種の極性基であることがより好ましい。
極性基含有化合物で変性されたポリオレフィン系樹脂は、上述したように、ベース樹脂及び必要に応じて含有される熱可塑性エラストマーなどのその他の樹脂成分と良好な相溶性を有し、これらの樹脂成分と金属水酸化物との相溶性を向上する相溶効果に優れる。特に、極性基含有化合物で変性された量が0.5質量%~5.0質量%であることで、金属水酸化物による難燃性の効果をより高めることができる。
上記極性基含有化合物で変性されたポリオレフィン系樹脂中の、極性基含有化合物に由来する構成単位の含有量(以下、「グラフト化率」ともいう)は、0.5~5.0質量%、好ましくは0.5~4.5質量%、より好ましくは0.6~4.0質量%の範囲で選択される。例えばグラフト化率0.5質量%とは極性基含有化合物で0.5質量%変性されたことと同意である。上記含有量が0.5質量%未満では、ベース樹脂と金属水酸化物との相溶効果が不足するおそれがある。また、5.0質量%を超える場合は、ポリオレフィン系樹脂を変性させる際に分解又は架橋反応が併発するおそれがある。無機系難燃剤は主にポリマーマトリックスと金属水酸化物から構成されているが、これらの界面が材料中の欠陥となる。しかし本発明の相溶化樹脂は、ポリマーマトリックスと均一に混ざりつつも金属と相互作用しやすい極性基があるため、界面を強固に接着する作用がある。金属との相互作用を形成する極性基の割合を制御することによって難燃性が高まることを見出したことに、本発明は基づいている。
極性基含有化合物で変性されたポリオレフィン系樹脂としては、例えば、(i)不飽和カルボン酸又はその誘導体、(ii)エポキシ基含有化合物、(iii)ヒドロキシル基含有化合物、(iv)アミノ基含有化合物、(v)有機シラン化合物、(vi)有機チタネート化合物などの極性基含有化合物で変性されたポリオレフィン系樹脂を挙げることができる。
なお、上記極性基含有化合物で変性されたポリオレフィン系樹脂は、典型的には、単独重合体又はエチレン-α-オレフィン共重合体であるポリオレフィン系樹脂を上記極性基含有化合物で変性した樹脂である。
(i)不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フラン酸、クロトン酸、ビニル酢酸、ペンテン酸などの不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸などのα,β-不飽和ジカルボン酸及びこれらの酸無水物、及びこれらの金属塩などが挙げられるが、特に好ましいものとしてはマレイン酸又は無水マレイン酸を挙げることができる。
(ii)エポキシ基含有化合物としては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸モノグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸ジグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル及びα-クロロアリル、マレイン酸、クロトン酸、フマル酸などのグリシジルエステル類又はビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジルオキシエチルビニルエーテル、スチレン-p-グリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル類、p-グリシジルスチレンなどが挙げられるが、特に好ましいものとしてはメタクリル酸グリシジル、及びアリルグリシジルエーテルを挙げることができる。
(iii)ヒドロキシル基含有化合物としては、例えば、1-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(iv)アミノ基含有化合物としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの3級アミノ基含有化合物などが挙げられる。
(v)有機シラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセチルシラン、ビニルトリクロロシランなどが挙げられる。
(vi)有機チタネート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラ-n-ブチルチタネート、テトラキス(2-エチルヘキソキシ)チタネート、チタンラクテートアンモニウムなどが挙げられる。
これらの中でも、(i)不飽和カルボン酸又はその誘導体が好ましく、特に、マレイン酸又は無水マレイン酸が好ましい。
上記極性基含有化合物で変性されたポリオレフィン系樹脂において、変性に用いるポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン単独重合体、エチレン-α-オレフィン共重合体、及びこれらの混合物等を用いることができる。
エチレンの重合体としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等の各種ポリエチレン系樹脂等を用いることができる。耐水性、絶縁性に優れることからケーブル用途に有用な高密度ポリエチレン、耐熱性がありベース樹脂と金属水酸化物との相溶効果に優れる直鎖状低密度ポリエチレンが好ましく用いられる。
高密度ポリエチレンは、密度が0.94~0.97g/cm、好ましくは0.945~0.960g/cmの範囲のものが好適に使用される。製法は特に制限されず、低圧法、中圧法のような公知の方法で、高密度ポリエチレンを得ることができる。
直鎖状低密度ポリエチレンは、若干の分岐を有することで密度が低くなった直鎖状のポリエチレンであり、後述するα-オレフィンとの共重合などで得ることができる。直鎖状低密度ポリエチレンは、密度が0.91~0.935g/cm、好ましくは0.915~0.930g/cmの範囲のものが好適に使用される。製法は特に制限されず、気相重合法、液相重合法のような公知の方法で、直鎖状低密度ポリエチレンを得ることができる。
エチレンとα-オレフィンとの共重合体をポリオレフィン系樹脂として用いることもできる。コモノマーとして利用されるα-オレフィンは、炭素数3~20、好ましくは炭素数3~12の、末端にビニル基を有する炭化水素であり、具体例として、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、3-メチル-1-ブテン、及び4-メチル-1-ペンテン等が挙げられる。
上記極性基含有化合物で変性されたポリオレフィン系樹脂としては、中でも、上記極性基含有化合物で変性されたポリエチレンが、該ポリオレフィン系樹脂と金属水酸化物との相溶性に優れ、軟質樹脂の可撓性を損なわずに耐熱性を維持し、燃焼時の炭化層の形成を促し難燃性を向上し、機械的強度の向上が望めることから好ましい。更に、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリエチレンがより好ましく、無水マレイン酸で変性されたポリエチレンが特に好ましい。
上記極性基含有化合物で変性されたポリオレフィン系樹脂のメルトフローレイト(MFR)は、成形方法に応じて適宜調整され、特に限定はされないが、本発明の難燃性樹脂組成物の成形加工性及び耐久性の両立の観点から、0.01~20g/10分であることが好ましく、0.01~10g/10分であることがより好ましく、0.01~5g/10分であることがより更に好ましい。
上記極性基含有化合物で変性されたポリオレフィン系樹脂の含有量は、ベース樹脂及び相溶化樹脂の合計100質量%に対して1~30質量%であることが好ましく、より好ましくは2~20質量%、更に好ましくは3~18質量%である。上記極性基含有化合物で変性されたポリオレフィン系樹脂を含有することにより、ベース樹脂と金属水酸化物との相溶効果が向上し、該難燃性樹脂組成物の切断時伸び等の機械的特性が向上する。上記極性基含有化合物で変性されたポリオレフィン系樹脂の上記含有量が1質量部未満では、相溶効果が十分に発揮されない場合があり、30質量%を超える場合には、難燃性樹脂組成物が硬くなり、可撓性や柔軟性が失われる場合があり、電線又はケーブルをドラムに巻く際の作業性の低下などの弊害が生じる可能性、また、物性の長期持続性が低下する可能性がある。
上記極性基含有化合物で変性されたポリオレフィン系樹脂は、例えば、ポリオレフィン系樹脂を、極性基含有化合物及び有機過酸化物の存在下で加熱及び混合し、グラフト変性させることにより得られる。また、極性基含有化合物に由来する構成単位の含有量が上記範囲内となるようにポリオレフィン系樹脂を変性したものが好ましく用いられる。
(グラフト変性方法)
極性基含有化合物で変性されたポリオレフィン系樹脂の製造方法は、ベース樹脂、及び極性基含有化合物の所定量(各構成単位割合に応じて設定)に、ラジカル開始剤を加え、単数又は複数の重合反応器或いは単軸押出機及び/又は二軸押出機等を用いて溶融混練又は溶媒中で変性することにより達成される。
具体的には、押出機やバンバリーミキサー、ニーダーなどを用いる溶融混練法、適当な溶媒に溶解させる溶液法、適当な溶媒中に懸濁させるスラリー法、或いはいわゆる気相グラフト法等が挙げられる。
処理温度は、ベース樹脂の劣化や極性基含有化合物の分解、使用する過酸化物の分解温度等を考慮して適宜選択されるが、前記の溶融混練法を例に挙げると、通常はベース樹脂の融点以上~350℃であり、好ましくは190~320℃、とりわけ200~300℃の範囲が好適である。
ラジカル開始剤の添加量は、ベース樹脂及び極性基含有化合物の合計量100重量部に対して、0.1~5重量部、好ましくは0.3~3重量部、より好ましくは0.5~2重量部の範囲である。上記添加量が0.1重量部未満では良好なグラフト反応が行われない場合があり、5重量部を超える場合には架橋やゲル化が生じるなどの過度の反応が起こり、好ましくない。
上記のラジカル開始剤としては、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ラウロイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゾエート、1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン、ジt-ブチルジパーオキシイソフタレート、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレレート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシアセテート、シクロヘキサノンパーオキサイド、t-ブチルパーオキシラウレート、アセチルパーオキサイド、i-ブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシピバレート、t-ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、1,1-ビスt-ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2-ビスt-ブチルパーオキシオクタン、2,2-アゾビスイソブチロニトリル等の有機過酸化物が挙げられる。これらの中でも、半減期1分を得るための分解温度が、160~200℃のものが好ましい。
上記極性基含有化合物で変性されたポリオレフィン系樹脂の含有量は、好ましくは、それ単独で相溶化剤を形成する。したがって、本発明の相溶化樹脂は上記の極性基含有化合物で変性されたポリオレフィン系樹脂から実質的になる。ただし、本発明の特性を損なわない範囲で、上記極性基含有化合物で変性されたポリオレフィン系樹脂以外のその他の相溶化剤を更に含有していてもよい。その他の相溶化剤としては、例えば、エチレン-アクリル酸共重合体及びエチレン-メタクリル酸共重合体を挙げることができる。上記相溶化剤が上記その他の相溶化剤を含有する場合、上記その他の相溶化剤の含有量は、耐熱性の低下を抑制する点から、相溶化樹脂の総量100質量%中、10質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましい。
2.ベース樹脂
本発明の相溶化樹脂は、少なくとも1種のベース樹脂と合わせて、難燃性樹脂組成物の樹脂成分を構成する。ベース樹脂が、耐摩耗性等の耐久性及び強度を確保するための成分である。本発明に使用するベース樹脂は、電線・ケーブル用途に用いられるような樹脂であれば特に制限されないが、本発明の趣旨から、ノンハロゲン系の材料が好ましい。具体的な例としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体及びエチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。
エチレン-酢酸ビニル共重合体は、当該共重合体の全構成単位100質量%中、酢酸ビニルコモノマー単位を5~30質量%含むものが好ましく、15~30質量%含むものが更に好ましい。酢酸ビニルコモノマー単位の含有量が上記範囲内にあると、電線又はケーブルとしての難燃性を確保しやすい。
なお、本発明において、共重合体中の各構成単位の含有量は、共重合体を合成する際の原料の仕込み量から求められる量であってもよい。
エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、エチレンと、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種との共重合体であれば特に限定はされず、例えば、エチレン-アクリル酸メチル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸ブチル共重合体等のエチレン-アクリル酸エステル共重合体、及び、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-メタクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸ブチル共重合体等のエチレン-メタクリル酸エステル共重合体が挙げられる。中でも、エチレン-アクリル酸エステル共重合体が好ましく、エチレンと、アルキル基の炭素数が1~4であるアクリル酸アルキルエステルとの共重合体がより好ましく、エチレン-アクリル酸エチル共重合体が特に好ましい。
これらのエチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、1種単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
なお、本発明において(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの各々を表す。
エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、当該共重合体の全構成単位100質量%中、(メタ)アクリル酸エステルコモノマー単位を5~30質量%含むものが好ましく、15~30質量%含むものが更に好ましい。(メタ)アクリル酸エステルコモノマー単位の含有量が上記範囲内にあると、電線又はケーブルとしての難燃性を確保しやすい。
なお、エチレン-酢酸ビニル共重合体及びエチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、例えば、チューブラー反応器、オートクレープ反応器等を使用して、高圧ラジカル重合法により製造してもよいし、或いは、中低圧法で、金属錯体を触媒とし、イオン重合によって製造してもよい。
ベース樹脂は、メルトフローレイト(MFR)が、0.1g/10分を超え、15g/10分以下であることが好ましく、より好ましくは0.1g/10分を超え、5g/10分以下であることが好ましい。ベース樹脂のMFRがこの範囲内にあると、本発明の難燃性樹脂組成物は、電線又はケーブルを製造する際の加工特性に優れる点から好ましい。一方、ベース樹脂のMFRが0.1g/10分以下では、高速押出成形時に流動性が不足し、成形品に外観不良などの問題が生じる恐れがある。ベース樹脂のMFRが15g/10分より大きいと、引裂強度や切断時引張強さ等の機械的強度が向上されにくく、また成形時の溶融張力が不足して樹脂切れや外観不良の原因となる場合がある。
本発明において、熱可塑性樹脂のMFRは、JIS K7210-1(2014)「プラスチック-熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の求め方-第1部:標準的試験方法」に準拠して、190℃、21.18N(2.16kg)荷重の条件でMFRを測定したときの値をいう。
熱可塑性樹脂のMFRは、例えば、重合時の温度及び圧力等の調整により制御できる。
上記ベース樹脂の含有量は、樹脂成分100質量%中、70~99質量%であることが好ましく、80~98質量%であることがより好ましく、82~97質量%であることが更に好ましい。
3.その他の樹脂成分
本発明に使用する樹脂成分は、上記ベース樹脂及び上記相溶化樹脂以外のその他の樹脂成分を更に含有していてもよい。例えば、本発明の難燃性樹脂組成物において、金属水酸化物を多量に含有させながら、柔軟性を保持するために、その他の樹脂成分として、エチレン-酢酸ビニル共重合体及びエチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体以外の非変性ポリオレフィン系樹脂、及び熱可塑性エラストマーから選ばれる少なくとも1種を含有することができる。
上記非変性ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等の各種ポリエチレン系樹脂等を挙げることができる。
上記熱可塑性エラストマーとしては、例えば、エチレンプロピレンゴム(EPR)及びエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等を挙げることができる。
上記樹脂成分に含まれる上記その他の樹脂成分の含有量は、樹脂成分の総量100質量%中、8質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがより更に好ましい。したがって、難燃性樹脂組成物の樹脂成分は、総量100質量%中に、前記ベース樹脂及び相溶化樹脂を合計で92質量%以上含むことが好ましい。
4.金属水酸化物
本発明の難燃性樹脂組成物は、難燃性を付与する成分として、金属水酸化物を含む。金属水酸化物としては、金属元素と、水酸基又は結晶水の少なくともいずれかとを有する化合物であれば特に限定はされず、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトなどの金属水酸化物、及び水和珪酸アルミニウム、水和珪酸マグネシウムなどの珪酸塩の水和物などが挙げられる。中でも、水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムが好ましい。
水酸化マグネシウムとしては、樹脂組成物の難燃剤として一般的に使用される水酸化マグネシウムを用いることができ、例えば、海水等から得られる塩化マグネシウムをアルカリ処理して得られる水酸化マグネシウム、及び、炭酸マグネシウム鉱石(マグネサイト)を焼成、水和して得られる水酸化マグネシウム等を用いることができる。
また、金属水酸化物は、M(OH)で表される化合物(Mは金属原子、好ましくは1、2、12、13族の典型金属原子であり、nは金属原子の価数である)をそのまま用いてもよいし、これに任意の量の水和水を含むものを用いてもよい。また、金属水酸化物を脂肪酸処理若しくはリン酸エステル処理したもの、又はそれらの混合物を用いてもよい。脂肪酸やリン酸エステルで処理された金属水酸化物は、炭酸ガス白化を抑制する効果があるため好ましい。
脂肪酸処理された金属水酸化物は、例えば、脂肪酸又はその塩で金属水酸化物の粒子を表面処理することにより得られる。表面処理方法としては、例えば、湿式法、乾式法等の公知の方法を用いることができ、特に限定はされないが、湿式法が好ましい。
表面処理剤として用いる脂肪酸又はその塩としては、金属水酸化物の表面処理剤として従来用いられているものの中から適宜選択することができ、特に限定はされない。
脂肪酸としては、例えば、炭素数8以上の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸を挙げることができ、好ましくは炭素数10~22の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸である。炭素数8以上の飽和脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸等が挙げられ、炭素数8以上の不飽和脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、リノレン酸、リノール酸等が挙げられる。中でも、好ましくは、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ベヘン酸及びリノール酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは、ステアリン酸及びオレイン酸から選ばれる少なくとも1種である。
脂肪酸の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、及びカルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩が好ましく用いられ、アルカリ金属塩がより好ましい。
脂肪酸及びその塩は、それぞれ1種単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
脂肪酸処理された金属水酸化物における脂肪酸の処理量は、脂肪酸処理前の金属水酸化物100質量%に対し、通常0.2~3.5質量%であるが、下限としては、好ましくは0.3質量%以上であり、上限としては、好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下である。脂肪酸の処理量が上記範囲内であることにより、良好な機械的特性等が得られやすい。
なお、脂肪酸の処理量は、例えばエーテル抽出量等により測定することができる。
金属水酸化物を脂肪酸処理する場合、使用される金属水酸化物の全量100質量%中、脂肪酸の処理量が1質量%超過である金属水酸化物の含有割合が、好ましくは10質量%以下、より好ましくは6質量%以下となるように処理が行われると望ましい。これにより、難燃性樹脂組成物における耐炭酸ガス白化性を向上する効果と、流動性の上昇を抑制する効果とをバランスよく得られる。
脂肪酸処理された水酸化マグネシウムとしては、市販品を用いてもよい。脂肪酸処理された水酸化マグネシウムの市販品としては、例えば、協和化学工業社製の商品名キスマ5A、キスマ5AL及びキスマ5B等、神島化学工業社製の商品名マグシーズN-6、マグシーズN-4、マグシーズLN-6及びマグシーズBN-6等を挙げることができる。
リン酸エステル処理された金属水酸化物は、例えば、リン酸エステル又はその塩で金属水酸化物の粒子を表面処理することにより得られる。表面処理方法としては、例えば、脂肪酸処理における表面処理方法と同様の方法を挙げることができる。
表面処理剤として用いるリン酸エステル又はその塩としては、金属水酸化物の表面処理剤として従来用いられているものの中から適宜選択することができ、特に限定はされない。
リン酸エステルは、リン酸モノエステル、リン酸ジエステル又はリン酸トリエステルのいずれであってもよく、これらの混合物であってもよい。リン酸エステルとしては、例えば、炭素数8以上のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキルリン酸エステル及びアルケニルリン酸エステルを挙げることができる。アルキルリン酸エステル及びアルケニルリン酸エステルにおいて、アルキル基の炭素数及びアルケニル基の炭素数は、10~22であってもよい。アルキル基の炭素数が8以上のアルキルリン酸エステルとしては、例えば、ステアリルリン酸エステル、ラウリルリン酸エステル、ミリスチルリン酸エステル、パルミチルリン酸エステル等が挙げられる。アルケニル基の炭素数が8以上のアルケニルリン酸エステルとしては、例えば、オレイルリン酸エステル、パルミトレイルリン酸エステル等が挙げられる。
リン酸エステルの塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、及びジエタノールアミン塩等のジアルコールアミン塩が好ましく用いられる。
リン酸エステル及びその塩は、それぞれ1種単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
金属水酸化物をリン酸エステル処理する場合、リン酸エステル処理された金属水酸化物におけるリン酸エステルの処理量が、リン酸エステル処理前の金属水酸化物100質量%に対し、好ましくは0.1~4質量%であり、より好ましくは1.5~3.5質量%となるように処理が行われると望ましい。なお、リン酸エステルの処理量は、例えばICP発光分光分析等により測定することができる。
リン酸エステル処理された水酸化マグネシウムとしては、市販品を用いてもよい。リン酸エステル処理された水酸化マグネシウムの市販品としては、例えば、協和化学工業社製の商品名キスマ5J(リン酸エステル処理量:2.7質量%)等を挙げることができる。
脂肪酸処理された金属水酸化物及びリン酸エステル処理された金属水酸化物を併用すると、各種特性のバランスがより優れたものになるため好ましい。このとき、脂肪酸処理された金属水酸化物及びリン酸エステル処理された金属水酸化物の合計100質量%中に、リン酸エステル処理された金属水酸化物を40~90質量%含むことが好ましく、50~90質量%含むことがより好ましい。これにより、難燃性樹脂組成物において、耐炭酸ガス白化性と、成形加工性及び機械的特性とのバランスが更に良好になる。
水酸化マグネシウム以外の金属水酸化物を脂肪酸処理又はリン酸エステル処理したものを用いることもできる。この場合は、炭酸ガス白化を抑制する効果が増大する点から、脂肪酸処理された金属水酸化物及びリン酸エステル処理された金属水酸化物の合計100質量%中、脂肪酸処理された水酸化マグネシウム及びリン酸エステル処理された水酸化マグネシウムの合計含有量が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上であるとよい。中でも、脂肪酸処理された金属水酸化物及びリン酸エステル処理された金属水酸化物の組み合わせが、脂肪酸処理された水酸化マグネシウム及びリン酸エステル処理された水酸化マグネシウムからなることが特に好ましい。
また、本発明に使用される金属水酸化物の平均粒径は、特に限定はされないが、難燃性樹脂組成物の難燃性、成形加工性及び機械的特性に優れる点から、好ましくは0.1~5.0μmであり、より好ましくは0.5~2.0μmである。
本発明の難燃性樹脂組成物において、上記金属水酸化物の含有量は、ベース樹脂及び相溶化樹脂の合計100質量部に対して60~250質量部であればよいが、好ましくは70~230質量部であり、より好ましくは80~220質量部である。金属水酸化物の含有量が60質量部未満では、難燃性が不十分となり、250質量部を超える場合には材料が脆化し、硬くなり、製品の可撓性や機械的強度が低下する可能性がある。なお、金属水酸化物の含有量は、金属水酸化物の仕込み量から求められる量であってもよい。
5.その他の成分
本発明の難燃性樹脂組成物は、必要に応じ、本発明の特性を損なわない範囲で、上記樹脂成分及び上記金属水酸化物以外のその他の成分を更に含有していてもよい。
本発明の難燃性樹脂組成物は、脂肪酸両性金属塩を更に含有することが、耐炭酸ガス白化性を向上する点から好ましい。本発明の難燃性樹脂組成物が含有する脂肪酸両性金属塩は、上記金属水酸化物の表面処理剤として用いられる脂肪酸又はその塩とは別に添加されるものである。
脂肪酸両性金属塩に用いられる両性金属としては、好ましくは亜鉛及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは亜鉛である。
脂肪酸両性金属塩に用いられる脂肪酸としては、炭素数8以上の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸を挙げることができ、好ましくは炭素数10~22の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸であり、より好ましくは炭素数10~22の飽和脂肪酸である。炭素数8以上の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸としては、例えば、上述した金属水酸化物の表面処理剤として用いられるものと同様のものを挙げることができる。中でも、難燃性樹脂組成物の耐炭酸ガス白化性を向上し、難燃性及び機械的特性の悪化を抑制する効果が高い点から、脂肪酸両性金属塩の脂肪酸は、好ましくは、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ベヘン酸及びリノール酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは、ステアリン酸及びオレイン酸から選ばれる少なくとも1種である。
脂肪酸両性金属塩としては、中でも、ステアリン酸アルミニウム及びステアリン酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種を好適に用いることができ、ステアリン酸亜鉛をより好適に用いることができる。
本発明の難燃性樹脂組成物が脂肪酸両性金属塩を含有する場合は、ベース樹脂及び相溶化樹脂の合計100質量部に対し、脂肪酸両性金属塩を0.001~5質量部含むことが好ましく、0.5~2質量部含むことがより好ましい。脂肪酸両性金属塩の含有量が、上記下限値以上であることにより、難燃性樹脂組成物の耐炭酸ガス白化性を向上することができ、上記上限値以下であることにより、難燃性樹脂組成物の流動性の上昇を抑制することができる。
上記その他の成分としては、上記脂肪酸両性金属塩の他に、例えば、難燃助剤、安定剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、加工性改良剤、充填剤、銅害防止剤、中和剤、発泡剤、白化防止剤、気泡防止剤、造核剤、着色剤、滑剤、プロセスオイル、シリコーンオイル、カーボンブラック等の各種添加剤及び補助資材を挙げることができる。
難燃助剤としては、例えば、赤リン、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、リン酸カルシウム、酸化ジルコン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、二硫化モリブデン、粘土、ケイソウ土、カオリナイト、モンモリロナイト、ハイドロタルサイト、タルク、シリカ、ホワイトカーボン、ゼオライト、ハイドロマグネサイト、有機ベントナイトなどを挙げることができる。上記難燃助剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記難燃助剤の含有量は、上記金属水酸化物100質量部に対して50質量部以下とすることが好ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物は、更にシリコーンオイルを含有していてもよい。シリコーンオイルを含有することにより、難燃性樹脂組成物を混練する際に高トルク下で発生するスクリュー鳴き(スクリュー回転に伴う甲高い異音)を抑制し、それにより、難燃性樹脂組成物及び混練機へのダメージを抑制することができ、また、難燃助剤としての役割もあることから難燃性の低下を抑制することができる。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、及びこれらのシリコーンオイルに有機基を導入した変性シリコーンオイルが好適である。
本発明の難燃性樹脂組成物がシリコーンオイルを含有する場合は、ベース樹脂及び相溶化樹脂の合計100質量部に対し、シリコーンオイルの含有量が0.1~5質量部であることが好ましい。シリコーンオイルの上記含有量が0.1質量部未満では、シリコーンオイルによる効果が得られ難く、5質量部を超えると、加工性に問題が生じる場合がある。
また、本発明の難燃性樹脂組成物は、例えば有機過酸化物、シラン系架橋剤等の架橋剤、又は架橋助剤を添加することにより架橋させることができる。また、本発明の難燃性樹脂組成物は、電離性放射線を照射するなどにより架橋させることもできる。
6.難燃性樹脂組成物の特性
本発明の難燃性樹脂組成物は、ハイロードメルトフローレイト(HLMFR)が、5.0g/10分以上であることが好ましく、7.0g/10分以上であることがより好ましく、一方、50.0g/10分以下であることが好ましく、40.0g/10分以下であることがより好ましく、35.0g/10分以下であることが更に好ましい。
難燃性樹脂組成物のHLMFRが上記範囲内にあると、電線又はケーブルを製造する際の成形加工性に優れる点から好ましい。一方、難燃性樹脂組成物のHLMFRが5.0g/10分未満では、高速押出成形時に流動性が不足し、成形品に外観不良などの問題が生じる恐れがあり、また商用レベルで現実的なラインスピードの維持が難しくなる可能性がある。難燃性樹脂組成物のHLMFRが50.0g/10分より大きいと、機械的特性が不足するおそれがあり、また成形時の溶融張力が不足して樹脂切れや外観不良の原因となる場合がある。
なお、本発明において樹脂組成物のHLMFRは、JIS K7210-1(2014)「プラスチック-熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の求め方-第1部:標準的試験方法」に準拠して、190℃、211.8N(21.6kg)荷重の条件でMFRを測定したときの値をいう。
樹脂組成物のHLMFRは、例えば、樹脂組成物に含まれる各重合体のMFR及び含有量、並びに金属水酸化物の表面処理剤の種類及び処理量等により調整することができる。
7.難燃性樹脂組成物の製造方法
本発明の難燃性樹脂組成物は、例えば、上記のベース樹脂、相溶化樹脂及び金属水酸化物に加え、必要に応じて上記その他の成分を上述の含有量で任意の順序にて配合して、一軸押出機、二軸押出機、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ロールミキサー、ブラベンダープラストグラフ、コニーダー、ニーダー・ルーダーなど通常の混練機を用いて混練、造粒することによって製造することができる。この場合、各成分の分散を良好にすることができる混練、造粒方法を選択することが好ましく、特にバンバリーミキサー、コニーダー、ニーダー・ルーダー、二軸押出機を用いて、混練、造粒することが経済性等の面から好ましい。
8.用途
本発明の難燃性樹脂組成物は、例えば、電線、又は、電力ケーブル、光ファイバーケーブル等のケーブルに用いることができる。本発明の難燃性樹脂組成物を用いた電線又はケーブルとしては、例えば、本発明の難燃性樹脂組成物を含有する層、典型的には、本発明の難燃性樹脂組成物からなる層を有する電線又はケーブルを挙げることができる。具体的には、例えば、絶縁層又はシース層が、本発明の難燃性樹脂組成物を含有する電線又はケーブルを挙げることができる。また、内部半導電層又は外部半導電層の被覆層、或いは所望により、銅、アルミニウム、鉛などの外部金属遮蔽層、アルミニウムテープを巻回した遮水層などの通例の電線又はケーブルにおいて設けられる被覆層が、本発明の難燃性樹脂組成物を含有する電線又はケーブルを挙げることもできる。
なお、本発明の難燃性樹脂組成物を用いた電線又はケーブルの製造方法は、一般的な方法でよく、本発明の難燃性樹脂組成物は、有機過酸化物やシラン架橋などにより架橋し、或いは非架橋状態若しくは発泡させて使用してもよいし、熱可塑性樹脂や金属箔、不織布、織布などの他の基材と積層して用いてもよく、特に限定されるものではない。
以下において、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明し、本発明の卓越性と本発明の構成における優位性を実証するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例及び比較例において使用した測定方法は、以下の通りである。
(1)グラフト化率
変性樹脂の無水マレイン酸の付加量(グラフト化率)は、プレス成型機を用いて100ミクロンのシートを成型(温度;190℃)し、日本分光(株)製赤外吸収スペクトル測定器にてA1:1780cm-1の酸無水物基(C=O)と、A2:1710~1720cm-1のカルボン酸基(C=O)及びA3:4250cm-1のメチレン基(-CH-)の吸光度を測定し、以下のようにして求めた。
MAH量(質量%)=[{A1(酸無水物基)吸光度+A2(カルボン酸基)吸光度} /A3(メチレン基)吸光度]×(K:0.265)
(2)HLMFR
混練により得られた難燃性樹脂組成物について、JIS K7210-1(2014)「プラスチック-熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の求め方-第1部:標準的試験方法」に準拠して、190℃、211.8N(21.6kg)荷重の条件でHLMFR(ハイロードメルトフローレイト)を測定した。
(3)切断時引張強さ及び切断時伸び
切断時引張強さ及び切断時伸びの測定は、JIS K6251に基づき、試験速度200mm/分で実施した。試験片は、混練により得られた難燃性樹脂組成物を厚さ1mmのシート状にプレス成形した後、得られたシートからJIS K6251 3号試験片(標線間距離20mm)を打ち抜くことにより得た。
JIS C3667(2008)「定格電圧1kV~30kVの押出絶縁電力ケーブル及びその附属品-定格電圧0.6/1kVのケーブル」及びIEC 60502-1のSTコンパウンドシース(ハロゲンフリー)における機械的特性の試験要求事項に基づき、切断時引張強さが9.0MPa以上、且つ切断時伸びが125%以上の場合を合格とした。なお、切断時引張強さは10.0MPa以上であることがより好ましい。
(4)難燃性
JIS K7201-1(1999)に準拠して酸素指数(OI)を測定した。酸素指数が大きいほど難燃性に優れる。酸素指数の評価は26.5%(体積分率)以上を〇、26.5%(体積分率)未満を×とした。
なお、酸素指数の測定に用いた試験片は、混練により得られた難燃性樹脂組成物を厚さ3mmのシート状にプレス成形した後、得られたシートから3mm厚×6.5mm幅×150mm長さの棒状試験片を打ち抜くことにより得た。
実施例1
[変性物ペレットの製造]
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製、製品名:ノバテックLL、グレード:Z50MG)100重量部に、無水マレイン酸0.25重量部及び2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン0.01重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで十分混合した後、50mm単軸押出機を用いて溶融混練し、MFR7.0g/10min、密度0.922g/cm、グラフト化率0.7質量%のペレット状のポリエチレン変性物1を得た。
[難燃性樹脂組成物の製造]
エチレン-アクリル酸エチル共重合体(日本ポリエチレン社製、製品名:レクスパールEEA、グレード:A1150)(MFR:0.7g/10分)95重量部、ポリエチレン変性物5重量部、脂肪酸処理された水酸化マグネシウム(協和化学工業社製、製品名:キスマ5A、平均粒径0.8μm、脂肪酸:ステアリン酸)100重量部、酸化防止剤(BASF社製、製品名:Irganox1010)0.1重量部を混練して、実施例1の難燃性樹脂組成物を製造した。表1に、実施例1の難燃性樹脂組成物の組成及び評価結果を示す。
実施例2
[変性物ペレットの製造]
実施例1の無水マレイン酸量を1.5重量部、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン0.03重量部に変更した以外は実施例1と同様にし、MFR2.0g/10min、密度0.922g/cm、グラフト化率3.0質量%のペレット状のポリエチレン変性物2を得た。
[難燃性樹脂組成物の製造]
実施例1のポリエチレン変性物を実施例2で作製したポリエチレン変性物2に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2の難燃性樹脂組成物を製造した。表1に、実施例2の難燃性樹脂組成物の組成及び評価結果を示す。
実施例3
[変性物ペレットの製造]
実施例1の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を高密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製、製品名:ノバテックHD、グレード:HB315RP)に変更した以外は実施例1と同様にし、HLMFR2.0g/10min、密度0.942g/cm、グラフト化率0.7質量%のペレット状のポリエチレン変性物3を得た。
[難燃性樹脂組成物の製造]
実施例1のポリエチレン変性物を実施例3で作製したポリエチレン変性物3に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例3の難燃性樹脂組成物を製造した。表1に、実施例3の難燃性樹脂組成物の組成及び評価結果を示す。
実施例4
[変性物ペレットの製造]
実施例3の無水マレイン酸量を1.5重量部、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン0.03重量部に変更した以外は実施例3と同様にし、HLMFR1.2g/10min、密度0.944g/cm、グラフト化率3.3質量%のペレット状のポリエチレン変性物4を得た。
[難燃性樹脂組成物の製造]
実施例1のポリエチレン変性物を実施例4で作製したポリエチレン変性物4に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例4の難燃性樹脂組成物を製造した。表1に、実施例4の難燃性樹脂組成物の組成及び評価結果を示す。
比較例1
[変性物ペレットの製造]
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製、製品名:ノバテックLL、グレード:Z50MG、密度:0.918g/cm)100重量部に、無水マレイン酸0.05重量部及び2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン0.005重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで十分混合した後、50mm単軸押出機を用いて溶融混練し、MFR7.4g/10min、密度0.914g/cm、グラフト化率0.1質量%のペレット状のポリエチレン変性物5を得た。
[難燃性樹脂組成物の製造]
エチレン-アクリル酸エチル共重合体(日本ポリエチレン社製、製品名:レクスパールEEA、グレード:A1150)(MFR:0.7g/10分)95重量部、ポリエチレン変性物5重量部、脂肪酸処理された水酸化マグネシウム(協和化学工業社製、製品名:キスマ5A、平均粒径0.8μm、脂肪酸:ステアリン酸)100重量部、酸化防止剤(BASF社製、製品名:Irganox1010)0.1重量部を混練して、比較例1の難燃性樹脂組成物を製造した。表1に、比較例1の難燃性樹脂組成物の組成及び評価結果を示す。
比較例2
[変性物ペレットの製造]
比較例1の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を高密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製、製品名:ノバテックHD、グレード:HB315RP、密度:0.953g/cm)に変更した以外は比較例1と同様にし、HLMFR1.8g/10min、密度0.947g/cm、グラフト化率0.1質量%のペレット状のポリエチレン変性物6を得た。
[難燃性樹脂組成物の製造]
比較例1のポリエチレン変性物を比較例2で作製したポリエチレン変性物に変更した以外は比較例1と同様にして、比較例2の難燃性樹脂組成物を製造した。表1に、比較例2の難燃性樹脂組成物の組成及び評価結果を示す。
Figure 2023148319000001
本発明の相溶化剤を含む樹脂組成物は、良好な成形加工性、機械的特性を持ちつつも、酸素指数が26.5%以上で難燃性に優れていた。一方、比較例1、2ではポリエチレン樹脂のグラフト率が低いため、難燃性が不十分であった。
以上のように、本発明の難燃性樹脂組成物は、耐熱性に優れ、更に、成形加工性及び切断時引張強さ等の機械的特性にも優れた、電線又はケーブル用の成形製品を経済的に有利に提供することが可能である難燃性樹脂組成物であることが明らかにされた。そのような望ましい特性を有する成形製品を経済的に有利に提供することのできる本発明の難燃性樹脂組成物、並びに当該難燃性樹脂組成物を用いた電線及びケーブルの工業的価値は極めて大きい。

Claims (9)

  1. 極性基含有化合物で0.5%質量%~5.0質量%変性されたポリオレフィン系樹脂から実質的になる、難燃性樹脂組成物用の相溶化樹脂。
  2. 前記極性基含有化合物が、不飽和カルボン酸又はその誘導体、エポキシ基含有化合物、ヒドロキシル基含有化合物、アミノ基含有化合物、有機シラン化合物及び有機チタネート化合物から選択される少なくとも1種である、請求項1記載の相溶化樹脂。
  3. 前記極性基含有化合物が、マレイン酸又は無水マレイン酸である、請求項2記載の相溶化樹脂。
  4. 前記ポリオレフィン系樹脂が、直鎖状低密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレンである、請求項1~3のいずれか一項記載の相溶化樹脂。
  5. エチレンを含む共重合体であるベース樹脂及び請求項1~4のいずれか一項記載の相溶化樹脂とを含む樹脂成分と、金属水酸化物を含有する難燃性樹脂組成物であって、前記樹脂成分の合計100質量部に対し、前記金属水酸化物を80~250質量部含む、難燃性樹脂組成物。
  6. 前記樹脂成分の総量100質量%中に、前記ベース樹脂及び請求項1~4のいずれか一項記載の相溶化樹脂を合計で90質量%以上含む、請求項5記載の難燃性樹脂組成物。
  7. 前記ベース樹脂がエチレン-酢酸ビニル共重合体及びエチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項5又は6記載の難燃性樹脂組成物。
  8. 前記金属水酸化物が、水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムである、請求項5~7のいずれか一項記載の難燃樹脂組成物。
  9. 請求項5~8のいずれか一項記載の難燃性樹脂組成物を用いた電線又はケーブル。
JP2022056267A 2022-03-30 2022-03-30 難燃性樹脂組成物用の相溶化剤及びそれを用いた難燃性樹脂組成物 Pending JP2023148319A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022056267A JP2023148319A (ja) 2022-03-30 2022-03-30 難燃性樹脂組成物用の相溶化剤及びそれを用いた難燃性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022056267A JP2023148319A (ja) 2022-03-30 2022-03-30 難燃性樹脂組成物用の相溶化剤及びそれを用いた難燃性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023148319A true JP2023148319A (ja) 2023-10-13

Family

ID=88287890

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022056267A Pending JP2023148319A (ja) 2022-03-30 2022-03-30 難燃性樹脂組成物用の相溶化剤及びそれを用いた難燃性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023148319A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN117534915A (zh) * 2024-01-09 2024-02-09 广东电缆厂有限公司 一种无卤低烟阻燃电缆护套及其制备方法和包含该护套的电缆

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN117534915A (zh) * 2024-01-09 2024-02-09 广东电缆厂有限公司 一种无卤低烟阻燃电缆护套及其制备方法和包含该护套的电缆
CN117534915B (zh) * 2024-01-09 2024-03-22 广东电缆厂有限公司 一种无卤低烟阻燃电缆护套及其制备方法和包含该护套的电缆

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101612580B1 (ko) 내균열성 난연성 할로겐-무함유 케이블 조립체 및 코팅 조성물
US20090030130A1 (en) Flame-Retardant Thermoplastic Resin Composition, Molded Product Thereof and Electric Wire
JP5269476B2 (ja) 電線・ケーブル
KR101357170B1 (ko) 개선된 기계적 특성을 갖는 난연성 폴리머 조성물
JP2021147555A (ja) 難燃性樹脂組成物、並びに電線及びケーブル
JPWO2007026735A1 (ja) 難燃性樹脂組成物
EP2532707B1 (en) Flame retardant polymer composition
WO2011065379A1 (ja) 難燃性樹脂組成物
JP2023148319A (ja) 難燃性樹脂組成物用の相溶化剤及びそれを用いた難燃性樹脂組成物
JP2004156026A (ja) 難燃性樹脂組成物
JP2004075992A (ja) 難燃性樹脂組成物、その製造方法および該難燃性樹脂組成物を被覆した絶縁電線
JP7140028B2 (ja) 難燃性樹脂組成物、並びに電線及びケーブル
JP2012124061A (ja) 難燃性電線・ケーブル
JP2004075993A (ja) 難燃性樹脂組成物およびそれを被覆した絶縁電線
JP4737362B2 (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体および難燃性樹脂組成物
JP5079412B2 (ja) 難燃性樹脂組成物、それが含まれた電線被膜材及びそれによって被覆された電線
JP5079411B2 (ja) 難燃性樹脂組成物、それが含まれた電線被膜材及びそれによって被覆された電線
JP5025174B2 (ja) 難燃性樹脂組成物及びそれを用いた電線、ケーブル
JP2016056295A (ja) 耐高放射線性難燃樹脂組成物並びにそれを用いてなる電線及びケーブル類
JPS62225541A (ja) 自消性ポリオレフイン組成物
JP4652845B2 (ja) 絶縁樹脂組成物および絶縁電線
JP2009084373A (ja) 難燃性樹脂組成物、それが含まれた電線被覆材及びそれによって被覆された電線
EP1396865A1 (en) Flame retardant polymer composition
MXPA05003404A (es) Composicion aislante retardante de flamas que tiene resistencia mejorada a quemaduras.
JP2007070483A (ja) 電線・ケーブル被覆用難燃性組成物および難燃電線・ケーブル