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JP2023071921A - 様々な用量のレナリドミドの経口用錠剤組成物 - Google Patents

様々な用量のレナリドミドの経口用錠剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】硬質カプセルのレナリドミド製剤と理化学的同等性を示し、非臨床試験及び生物学的同等性試験において同じ薬理学的、治療効果を有する、服用の容易性、取扱性、安全性などが向上した、レナリドミドを含む経口用錠剤組成物及びその製造方法を提供する。【解決手段】希釈剤としてラクトース、微晶質セルロース、マンニトール、デンプンまたはこれらの混合物、崩壊剤として、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウムまたはこれらの混合物、潤滑剤として、ステアリン酸マグネシウム、ステアリ酸、高分散シリカまたはこれらの混合物を適切な比率で用い、必要に応じてコーティング層を付した経口用錠剤組成物とする。【選択図】図1

Description

本発明は、レナリドミドを含む経口用錠剤組成物に関するものである。
多発性骨髄腫は、形質細胞の異常な分化及び増殖を特徴とする血液癌である。これらの異常な形質細胞は、骨髄腫細胞(myeloma cell)と呼ばれている。主に男性(特に、黒人男性)及び65歳以上の高齢者から発生しており、近年、韓国では、発生率が徐々に増加している傾向にある。このような多発性骨髄腫の主な治療剤としては、ボルテゾミブ、サリドマイド及びレナリドミドがある。
レナリドミドは、セルジーン社が経口用カプセル製剤として開発したものであり、25、20、15、10、7.5、5、2.5mgの用量で製品化されている。
レナリドミドもサリドマイドの誘導体であるため、妊婦には絶対処方不可能である。そこで、レナリドミドは、薬物の意図しない流出により被害が生じないように硬質カプセル剤として市販された。即ち、サリドマイドと同様に厚い硬質カプセル剤に薬物を充填することによって薬物の流出、消失を制御した。
韓国でのブランド名は、レブラミド(登録商標)カプセルであり、レナリドミド半水和物を含んでいる。硬質カプセル製剤であるレブラミド(登録商標)カプセルは、25、20、15、10mgの製剤の全ての場合において0号カプセルに充填されており、長軸が約2.17cmとかなり長くて、嵩張っている。従って、患者、特に高齢の患者は服用が不便であると感じることがある。更に、水で服用した場合でも、カプセルは嚥下中に喉や食道に張り付くことがある。この場合、たとえ患者が多量の水を飲んだとしてもカプセルはその部位から除去できないことがある。薬物が誤ってカプセルから放出されると、痛みを引き起こす可能性があり、場合によっては炎症を引き起こす可能性がある。特にレブラミド(登録商標)カプセルの製剤は、25、20、15、10mg製剤の場合、有効成分の含量が異なっているにもかかわらず、すべて0号カプセルに充填されており、20、15、10mg含量のように相対的に低含量のカプセル剤を服用しなければならない患者にも大きな不便を招く。また、市販中のレナリドミド7.5、5mg含量のカプセル製剤は2号カプセル、2.5mg含量のカプセル製剤は4号カプセルを使用しているが、最高含量製剤であるレナリドミド25mgカプセル剤と対比するとき、その有効成分の含量が30%以下にもかかわらず、カプセルのサイズにはほとんど差がなく、7.5、5、2.5mgのような低含量のカプセル剤を服用しなければならない患者も、服用時に大きな不便を感じることがある。
従って、相対的に少ない含量(例えば、20mg又はそれ以下の含量)のレナリドミドの投与が処方された患者も、長さが長くて、嵩高く、服用も不便な大型のカプセル製剤を服用しなければならない不便があった。
また、相対的に少ない含量のレナリドミドカプセル製剤は、最高含量製剤であるレナリドミド25mgカプセル剤と対比するとき、相対的にさらに高い含量比で賦形剤を含んでいるため、低含量のレナリドミドカプセル製剤と高含量のレナリドミドカプセル製剤と間に互いに同等な溶出パターンが現れないことがある。従って、高含量のレナリドミドカプセル製剤が処方された場合に、これを低含量のレナリドミドカプセル製剤に代替すること(例えば、レナリドミド25mgカプセル剤をレナリドミド5mgカプセル剤の5個に代替すること、又はレナリドミド25mgカプセル剤をレナリドミド15mgカプセル剤及
び10mgカプセル剤に代替すること)には、注意が必要である。
一方、レナリドミドは、pH依存性の溶解度を有し、体内のどの部位で崩壊されるかによって薬物の溶解度及び吸収に大きな影響を及ぼすことがある。従って、様々な単量の製剤を開発するとき、各製剤の崩壊時間及び溶出パターンを類似するように調節することが均一な薬物吸収パターンを確保するのに重要な要件となる。
本発明の目的は、市販の硬質カプセル剤のレナリドミド製剤の剤型を錠剤に変更し、長さが短くて、嵩高くなく、服用が容易であり、コーティング基剤の選定及びコーティング厚さを適切に選択することにより、錠剤全体を一定厚さにわたって完全に包むことによって、内部の薬物と取扱者を互いに分離することができ、コーティング工程中に薬物が放出するのを防止することができる錠剤組成物を提供することである。従って、市販中のカプセル製剤と同様の薬理学的効能と効果を有しており、更に発展して、外観、服用及び取扱の便利性、製造容易性、安全性などが向上した錠剤組成物を提供することである。
また、本発明の目的は、レナリドミドの用量に関係なく、組成物内の各成分の含量比が一定の錠剤を提供することによって、相対的に低含量のレナリドミド製剤投与時、服薬便宜性を高め、しかも、高含量のレナリドミド製剤を処方されたとき、高含量がない場合に、これをいくつかの低含量のレナリドミド製剤に容易に代替することができるようにする。
用語の意義
特に明記しない限り、本明細書に使用する幾つかの用語は以下のように定義され得る。
文脈上、そうでないとする明確な指示がない限り、「含む」又は「含有する」は、任意の構成要素(又は構成成分)を特別な制限なしに含むことを意味し、他の構成要素(又は構成成分)を除外すると解釈すべきではない。
また、「レナリドミド」は、レナリドミドベース(塩を含まない基剤)、又はそれらの薬学的に許容される塩若しくはその異性体、又はそれらの混合物であってもよい。また、それぞれの場合において様々な水和物であってもよく、また、それぞれの場合において様々な結晶形であってもよい。例えば、レナリドミド無水物、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物など種々の水和物又は種々の溶媒和物、又はそれらの混合物であってもよい。
前記課題を解決するために、本発明は、有効成分として、レナリドミド及び一つ以上の薬学的に許容される担体を含む経口用錠剤組成物を提供する。より詳細には、レナリドミド、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤を含む経口用錠剤組成物を提供する。
本発明による経口用錠剤組成物において、有効成分であるレナリドミドは、単位製剤当たり様々な用量であってもよいが、好ましくは1mg~50mg、より好ましくは2mg~30mg、さらに好ましくは2.5mg~25mgの用量であってもよい。
本発明の経口用錠剤組成物は、前記レナリドミドの用量と関係がなく、前記希釈剤、崩壊剤、潤滑剤及びコーティング剤の含量比が一定である。従って、相対的に低含量のレナリドミド製剤投与時、服薬便宜性を高め、しかも、高含量のレナリドミド製剤を処方された場合に、これを低含量のレナリドミド製剤に容易に代替することができる。
一実施形態において、前記経口用錠剤組成物の希釈剤は、糖、糖アルコール、セルロース、デンプン、無機塩及びこれらの混合物よりなる群から1種以上選ばれてもよく;崩壊剤は、膨潤性崩壊剤、湿潤性崩壊剤、及びこれらの混合物よりなる群から1種以上選ばれてもよく;潤滑剤は、可溶性潤滑剤、不溶性潤滑剤及びこれらの混合物よりなる群から1種以上選ばれてもよい。
一実施形態において、前記経口用錠剤組成物は、レナリドミド1重量部対比希釈剤2~50重量部、崩壊剤0.05~10重量部、潤滑剤0.05~10重量部を含む。好ましくは、前記経口用錠剤組成物は、レナリドミド1重量部対比希釈剤2~45重量部、崩壊剤0.2~1.5重量部、潤滑剤0.1~3重量部を含む。
本発明において、前記希釈剤は、例えば、ラクトース(無水物又は水和物、例えば、一水和物)、セルロース粉末、微晶質セルロース、ケイ化微晶質セルロース、デンプン、糊化デンプン、炭酸カルシウム、シクロデキストリン、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、三ケイ酸マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、リン酸水素カルシウム二水和物、リン酸三カルシウム、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マンニトール、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、ラクトース、デキストロース、マルトース、スクロース、グルコース、フルクトース、マルトデキストリン、デキストレート、デキストリン及びこれらの混合物よりなる群から選ばれた1種以上であってもよいが、これらに制限されない。好ましくは、ラクトース、微晶質セルロース、マンニトール、デンプン又はこれらの混合物であってもよい。より好ましくは、希釈剤は、2種以上の混合物であってもよい。最も好ましくは、ラクトースと微晶質セルロースとの混合物であってもよい。希釈剤は結合剤の役割を一緒にする場合もありえる。
本発明において、希釈剤は、レナリドミド1重量部に対して、例えば、2~50重量部、又は2超~50未満重量部又は2~45重量部、又は5~30重量部、又は10~20重量部の量で使用される。希釈剤の使用量が前記範囲より遥かに少ないと、錠剤に製造することが困難であり、前記範囲より遥かに多いと、薬物の濃度が低くなり、製造時に含量均一性の確保に問題があり得る。
本発明において、前記崩壊剤は、例えば、デンプン、セルロース、架橋高分子、ガム類、多糖類及びこれらの混合物よりなる群から選ばれてもよい。例えば、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、クロスポビドン、L-HPC(低置換度ヒドロキシプロピルセルロース)、デンプン(小麦、米、トウモロコシ又はジャガイモデンプン)、ナトリウムカルボキシメチルデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、寒天、キシラン、ジェランガム、キサンタンガム、部分加水分解されたデンプン及びこれらの混合物よりなる群から選ばれた1種以上であってもよいが、これらに制限されない。好ましくは、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、L-HPC、デンプングリコール酸ナトリウムであってもよい。より好ましくはクロスカルメロースナトリウムであってもよい。
一実施形態において、前記崩壊剤は、レナリドミド1重量部に対して、例えば0.05~10重量部、又は0.1~5重量部、又は0.2~1.5重量部、又は0.1~1重量部の量で使用してもよい。崩壊剤の使用量が前記範囲より遥かに少ないと崩壊速度の遅延による溶出速度の遅延問題となる場合がある。一方、崩壊剤の使用量が前記範囲より遥かに多いと、圧縮不良、コーティング不良など、生産性に問題が生じる可能性がある。
本発明において、潤滑剤は、潤滑剤、粘着防止剤、流動促進剤を包括する概念である。
例えば、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、デンプン(小麦、米、トウモロコシ又はジャガイモデンプン)、タルク、高分散(コロイド状)シリカ、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ベヘン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、硬化植物油、硬質流動パラフィン、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、モノステアリン酸ポリオキシエチレン、トリ酢酸グリセリル、スクロースモノラウラート及びこれらの混合物よりなる群から選ばれた1種以上であってもよいが、これらに制限されない。前記潤滑剤は、好ましくは、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、高分散(コロイド)シリカであってもよい。より好ましくは、ステアリン酸マグネシウムであってもよい。
一実施形態において、前記潤滑剤は、レナリドミド1重量部に対して、例えば0.05~10重量部、又は0.05超~4未満重量部、又は0.1~5重量部、又は0.1~3重量部、又は0.1~1重量部の量で使用してもよい。潤滑剤の使用量が前記範囲より遥かに少ないと、圧縮不良など、生産性に問題が生じる場合がある。一方、潤滑剤が前記範囲より遥かに多いと、溶出遅延や生産性に問題が生じる可能性がある。
本発明の経口用錠剤組成物は、コーティング層をさらに含むことが好ましい。
前記コーティング基剤は、親水性高分子であってもよく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、マクロゴールポリビニルアルコールグラフト共重合体、アクリル酸及びその塩の重合体、ポリメタクリレート、ポリ(ブチルメタクリレート、2-ジメチルアミノエチルメタクリレート、メチルメタクリレート)共重合体(例えば、オイドラギット(登録商標)E、エボニック(Evonik))、カルボキシメチルセルロース(ナトリウム塩及びカルシウム塩)、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、L-HPC(低置換度のHPC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン-ビニルアセテート共重合体(例えば、コリドン(Kollidon)VA64、BASF社製)、ゼラチン、グァーガム、部分加水分解されたデンプン、アルギネート、キサンタン及びこれらの混合物よりなる群から選ばれた1種以上であってもよいが、これらに制限されない。好ましくは、前記コーティング基剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、マクロゴールポリビニルアルコールグラフト共重合体、ポリ(ブチルメタクリレート、2-ジメチルアミノエチルメタクリレート、メチルメタクリレート)共重合体(例えば、オイドラギットE、エボニック(Evonik))であってもよい。
一実施形態において、前記コーティング基剤は、レナリドミド1重量部に対して、例えば0.05~10重量部、又は0.1~5重量部、又は0.1~3.5重量部、又は0.1~2.5重量部の量で使用してもよい。コーティング基剤の使用量が前記範囲より遥かに少ないと、素錠全体がコーティング基剤で覆われていないか、取扱時にコーティングが破損するという問題が生じる場合がある。一方、前記コーティング基剤が前記範囲より遥かに多いと、溶出速度が過度に遅れる可能性がある。
前記コーティング層を単層で形成する場合は、1種類以上のコーティング基剤を混合して用いてもよく、錠剤全体を十分量のコーティング基剤で被覆してコーティング層を形成してもよい。前記コーティング層は、二層以上であることが好ましい。例えば、二層を超える層でコーティングする場合、各層は、錠剤を薬物への暴露、水分、酸化などから保護するために異なるコーティング基剤で作製してもよい。一実施形態において、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を用いた1次コーティングを行って薬物に対するバリアを形成し、次いでマクロゴールポリビニルアルコールグラフト重合体を用いた2次
コーティングを行って最終的に二層のコーティング層を形成することが好ましい。一実施形態において、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)による1次コーティングを行って薬物に対するバリアを形成し、次いでポリビニルアルコール(PVA)による2次コーティングを行って防湿バリアを形成することによって、より優れた機能を有する二層コーティング層を形成することができる。1次コーティング及び2次コーティングのそれぞれは、0.02~5、0.05~2.5、0.05~1.5、又は0.05~1重量部であってもよい。
前述のようなコーティング錠を製造する過程で、更に、コーティング効率、薬物安定性、外観、色、保護、維持、結合、性能、及び製造方法などを改善する目的のために、種々のさらなる生物学的に不活性な成分を使用することができる。
本発明の一実施形態において、前記コーティング層に更に含まれてもよい生物学的に不活性な成分は、可塑剤、潤滑剤、着色剤、着香剤、界面活性剤、安定化剤、酸化防止剤、発泡剤、消泡剤、パラフィン、及びワックスなどよりなる群から選ばれた1種以上であってもよい。
本発明の錠剤組成物は、有効成分としてレナリドミド及び一つ以上の薬学的に許容される担体を混合し、混合物を打錠してコーティング前錠剤(素錠)を製造した後、素錠の表面をコーティング基剤でコーティングすることを含む工程を経て製造することができる。
具体的に、本発明の錠剤は、原料成分の称量後、顆粒化、混合、打錠、コーティングの順で製造されるか、原料成分の称量後、混合、打錠(直接打錠)、コーティングの順で製造することができる。一実施形態において、本発明の錠剤は、レナリドミド及び希釈剤を混合する第1工程;前記第1工程の混合物に崩壊剤及び潤滑剤をさらに混合する第2工程;及び前記第2工程の混合物を打錠する工程を含むことができる。前記第2工程は、希釈剤を追加する工程をさらに含むことができる。希釈剤が2種以上の場合、第1工程及び第2工程に、それぞれ互いに異なる希釈剤を使用することができる。
顆粒化は、乾式顆粒、湿式顆粒などの方式で行うことができる。一実施形態において、湿式顆粒で顆粒化する場合、顆粒は、結合剤溶液を製造し、薬物と共に希釈剤などの混合物から顆粒を形成し、篩分けし、乾燥することによって得られる。その後、残りの成分を混合してから圧縮した。前記結合剤溶液は、水溶性高分子、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、L-HPC(低置換度のHPC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン-ビニルアセテート共重合体(例えば、コリドン(Kollidon)(登録商標)VA64、BASF社製)、又は糖類、糖アルコール類、例えば、白糖、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリトリトールなどを水やエタノール又はこれらの混合溶液に溶解して製造することができる。
一実施形態において、乾式顆粒で顆粒化する場合、ローラーコンパクター等を用いて薬物、希釈剤及び結合剤の混合物をプレスし、篩分けした。その後、残りの成分を混合してから圧縮した。
顆粒化の代わりに直接圧縮は、原料の称量直後に成分を混合し、圧縮するので、工程が簡単になるという長所がある。薬物自体に催奇形性の副作用があるため、製造工程中に保護具を着用する必要がある。妊婦や妊娠可能性のある女性は排除した方が良い。更に、作業者の薬物への暴露が最小限に抑えられる直接圧縮を使用することが最も好ましい場合がある。
錠剤中の薬物の比率が低い場合、混合の均一性の確保が重要である。従って、混合工程から混合の均一性を確保のために注意を払う必要がある。薬物、希釈剤、崩壊剤、及び潤滑剤などが、一緒に混合されるのではなく、順次混合される場合、混合物の混合均一性が改善され得る。
薬物の投与量は変動し得るので、各錠剤について形状、重量、及びサイズを設定し、それを適切なパンチで製造する必要がある。各用量について、同じ賦形剤を使用することができる。更に、用いる賦形剤の使用割合は、各用量に対して同じであってもよい。このようにレナリドミドの各用量に対して、同じ賦形剤で、且つ同じ割合を有するように設計することによって、レナリドミドの用量、各賦形剤の用量及び錠剤の全重量を比例させることができる。さらに、錠剤の体積もレナリドミドの用量に比例関係にあるように、即ち、レナリドミドの用量が減少するほど錠剤の体積が比例的に減少するようにすることができる。
このように製造する場合、相対的に低含量のレナリドミド製剤の全重量と体積が小さくなり、投与時、服薬便宜性を高めることができる。しかも、高含量のレナリドミド製剤を処方された場合に、これを低含量のレナリドミド製剤に代替することが容易になる。
本発明において、素錠の崩壊時間は、薬物の放出時間を決定することができる重要な要素の1つである。有効成分の用量が変わっても薬物の溶出パターンは同じでなければならないので、結局、すべての用量の錠剤に対して崩壊時間は210秒~350秒を満たすのが好ましい。
溶出試験は、韓国薬局方の第10版(KP X)中の一般試験法のうち、No.35溶出試験法に準じて、第2の方法であるパドル法に従い、37℃、50回転/分で行う。ある時点での平均溶出率は、6個の錠剤のそれぞれを試験し、各時点でのそれらの溶出率をHPLCで測定することによって得ることができる。有効成分の用量が変わっても薬物の溶出パターンは同じであることが好ましい。
本発明の錠剤は、生物学的同等性試験(In vivo PK試験)において、AUC(Area under curve)とCmax(最高血中濃度)値が従来のカプセル製剤に比べて、80~125%以内を満足させることができ、好ましくは、90~110%を満足させることができ、最も好ましくは95%~105%を満足させることができる。
本発明に開示されるレナリドミドを含む錠剤組成物は、服用の便宜性、取扱性、安全性などが一層改善された錠剤形態の組成物として有用に使用することができる。
また、本発明は、レナリドミドの用量に関係なく、組成物内の各成分の含量比が一定の錠剤を提供することによって、相対的に低含量のレナリドミド製剤投与時、服薬便宜性を高め、しかも高含量のレナリドミド製剤を処方された場合に、これを低含量のレナリドミド製剤に容易に代替することができる。
実施例1~7の組成物に対する溶出パターンを示した図である。 比較例1~4に対する溶出パターンを示した図である。 レナリドミド25mgに対する比較例の組み合わせの溶出パターンを示した図である。 レナリドミド25mgに対する実施例の組み合わせの溶出パターンを示した図である。
以下の実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。ただし、これらの実施例は本発明を例示することのみを目的としており、本発明の範囲はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
実施例1: レナリドミド25mg錠剤の製造
Figure 2023071921000002
<素錠の製造>
前記表1と同じ含量及び成分比でレナリドミド25mg錠剤を製造した。具体的に、レナリドミド5.0gと無水ラクトース40.0gを篩過し、混合した。その後、微結晶セルロース31.8g、クロスカルメロースナトリウム2.4g及びステアリン酸マグネシウム0.8gを篩過し、最後に混合した。錠剤1個当たり400mg重量に対して、長方形のパンチ(punch)で圧縮した。素錠の硬度は、約153Nであった。
<素錠のコーティング>
前記で製造された錠剤を、薬物遮蔽を目的として素錠に対して、合計7.5%(w/w)量で二種類のコーティング剤で二重コーティングを行った。主成分としてHPMCを含有するオパドライ(登録商標)で1次コーティング(2.5%(w/w))した後、主成分としてPVAを含有するオパドライ(登録商標)で2次コーティング(5%(w/w))を行った。得られた錠剤の体積は、約0.31cm3であった。
実施例2: レナリドミド20mg錠剤の製造
Figure 2023071921000003
<素錠の製造>
前記表2と同じ含量及び成分比でレナリドミド20mg錠剤を製造した。実施例1の素錠の製造と同じ方法で篩過し、混合し、長方形のパンチで圧縮した。素錠の硬度は、約200Nであった。
<素錠のコーティング>
実施例1の素錠のコーティングと同じ方法で、二重コーティングを行った。得られた錠剤の体積は約0.25cm3であった。
実施例3: レナリドミド15mg錠剤の製造
Figure 2023071921000004
<素錠の製造>
前記表3と同じ含量及び成分比でレナリドミド15mg錠剤を製造した。実施例1の素錠の製造と同じ方法で篩過し、混合し、長方形のパンチで圧縮した。素錠の硬度は、約170Nであった。
<素錠のコーティング>
実施例1の素錠のコーティングと同じ方法で二重コーティングを行った。得られた錠剤の体積は、約0.19cm3であった。
実施例4: レナリドミド10mg錠剤の製造
Figure 2023071921000005
<素錠の製造>
前記表4と同じ含量及び成分比でレナリドミド10mg錠剤を製造した。実施例1の素錠の製造と同じ方法で篩過し、混合し、長方形のパンチで圧縮した。素錠の硬度は、約140Nであった。
<素錠のコーティング>
実施例1の素錠のコーティングと同じ方法で、二重コーティングを行った。得られた錠剤の体積は約0.16cm3であった。
実施例5: レナリドミド7.5mg錠剤の製造
Figure 2023071921000006
<素錠の製造>
前記表5と同じ含量及び成分比でレナリドミド7.5mg錠剤を製造した。実施例1の素錠の製造と同じ方法で篩過し、混合し、長方形のパンチで圧縮した。素錠の硬度は、約93Nであった。
<素錠のコーティング>
実施例1の素錠のコーティングと同じ方法で、二重コーティングを行った。得られた錠剤の体積は、約0.09cm3であった。
実施例6: レナリドミド5mg錠剤の製造
Figure 2023071921000007
<素錠の製造>
前記表6と同じ含量及び成分比でレナリドミド5mg錠剤を製造した。実施例1の素錠の製造と同じ方法で篩過し、混合し、長方形のパンチで圧縮した。素錠の硬度は、約80Nであった。
<素錠のコーティング>
実施例1の素錠のコーティングと同じ方法で、二重コーティングを行った。得られた錠剤の体積は、約0.06cm3であった。
実施例7: レナリドミド2.5mg錠剤の製造
Figure 2023071921000008
<素錠の製造>
前記表7と同じ含量及び成分比でレナリドミド2.5mg錠剤を製造した。実施例1の素錠の製造と同じ方法で篩過し、混合し、長方形のパンチで圧縮した。素錠の硬度は、約50Nであった。
<素錠のコーティング>
実施例1の素錠のコーティングと同じ方法で、二重コーティングを行った。得られた錠剤の体積は、約0.03cm3であった。
比較例: 対照薬のレブラミド(登録商標)カプセル
下記表8のように比較例として現在の市販中のレブラミドカプセルを使用した。
Figure 2023071921000009
試験例1: 摩損度測定
摩損度は、米国薬局方 1216 錠剤の摩損度試験項目に記載の方法により、4g以上の錠剤に対して、ファーマテスト摩損率試験機(Pharmatest friability tester)を用いて測定し、実施例1~7に対する素錠とコーティング錠との差を下記表9に示した(測定時間=4分)。
Figure 2023071921000010
試験例2: 崩壊試験
韓国薬局方の第10版の崩壊試験法に従って、実施例1~7及び比較例1に対して、pH1.2溶液中で崩壊試験を行い(n=6)、その結果を下記表10に示した。
Figure 2023071921000011
実施例1~7及び比較例1の製剤は、崩壊時間が210秒~350秒の好ましい範囲内にあった。
試験例3: 比較溶出試験
実施例及び比較例(レブラミド(登録商標)カプセル製剤)を用いて、US FDA溶出試験法のレナリドミド項に記載された溶出試験法に従って、0.01M HCl溶液中で溶出率を測定した。
<溶出条件>
溶出試験装置: 韓薬局方溶出試験法のパドル法
試験液: 0.01M HCl溶液
回転速度: 50rpm
温度: 37℃
溶出基準時点: 5分、10分、15分、30分
分析方法: HPLC分析法
HPLC分析条件
検出器: 紫外部吸光光度計(測定波長210nm)
カラム: 長さ250mm、直径4.6mm、5μm C18カラム又は同等のカラム
流量: 1.0mL/分
注入量: 10μL
移動相: 下記表11に記載
Figure 2023071921000012
-溶媒A: 1000mLの水に、1.36gのリン酸二水素カリウムを溶解させた後、リン酸(orthophosphate)を使用して、溶液のpHを3.5±0.05に調整して、ろ過した溶液
-溶媒B: メタノールとアセトニトリルを90:10(v/v)の割合で混合して、ろ過した溶液
図1及び2に示されるように、実施例1~7の溶出パターンは、すべて同等程度(すべての溶出時点で上限と下限曲線以内に溶出率が含まれる)であることが確認できた。反面、比較例1~4の溶出パターンは、用量別で初期溶出に差があることが分かった。
また、実施例と比較例の溶出率の偏差を比較するために、レナリドミドが全量25mgになるようにした、下記表12のように各実施例及び比較例を組み合わせて溶出率を比較した。その結果、比較例の組み合わせに比べて、実施例の組み合わせの場合、偏差が顕著に低いことが観察された(表12及び図3及び4)。
Figure 2023071921000013
試験例4: 安定性試験
実施例1と実施例7に対して、加速条件である40℃/75%RH条件と長期保管条件である25℃/60%RH条件下で、製剤の含量変化と不純物水準変化を6ヵ月間評価した。不純物水準の測定は、下記の条件を使用するHPLC分析方法を使用した。
検出器: 紫外部吸光光度計(測定波長210nm)
カラム: Eclipse XDB-C18、4.6mm×150mm、5μm又は同等のカラム
移動相: 下記表13に記載
Figure 2023071921000014
-溶媒A: 1000mLの水に1.36gのリン酸二水素カリウムを溶解させた後、リン酸(orthophosphate)を使用して溶液のpHを3.5±0.05に調整して、ろ過した溶液
-溶媒B: メタノールとアセトニトリルを90:10(v/v)の割合で混合して、ろ過した溶液
流量: 0.8mL/分
注入量: 10μL
カラム温度: 27℃
試料分析温度: 5℃
前記試験から実施例1と実施例7のいずれの製剤における含量変化と不純物水準は、試験期間にわたって試験初期と大きな変化なしで維持された。この結果は、本発明で提供される組成比の製剤が高容量及び低用量でいずれも安定していることを示していることが分かった。従って、範囲内のすべての単量の製剤が適切な安定性を有していることを意味する。
試験例5: レナリドミドの生物学的同等性試験
実施例1で製造した試験物質レナリドミド錠剤(25mg用量)と比較物質ブラミド(登録商標)(Celgene社製、25mg用量)とを比較するために、41人の健常な男性志願者に対して、生物学的同等性試験を実施した。
被験者を2群に分け、絶食下で試験物質と比較物質を水で与え、24時間までの間、所定の間隔で血液を採取した。2週間後、群を変えて同じ薬を試験した。血液を採取し、採取した血液サンプルから血漿を分離し、それらを凍結保存した。試料をLC/MS/MS装置により分析して血中濃度を得た。当該データからAUC及びCmaxを算出し、その結
果を下記表14に示した。
Figure 2023071921000015
前記データから実施例1の錠剤は、比較物質の剤形と対比するとき、生物学的同等性があることが評価された。
試験例6: 賦形剤含量による錠剤の品質試験
実施例1及び7で製造された錠剤を基準に、賦形剤の含量を異なるようにして錠剤品質を評価した。摩損度は、試験例1に従って評価し、崩壊速度は、試験例2に従って評価した。各賦形剤の重量部は、レナリドミド1重量部に対する重量比である。
Figure 2023071921000016
前記表15に示されるように、錠剤1個当たりのレナリドミド含量に関係なく、レナリドミド1重量部に対して、希釈剤2超~50未満重量部(好ましくは15~45重量部)、潤滑剤0.05超~4未満重量部、及びコーティング剤0.1以上~3未満重量部であるとき、摩損度0.5%以下、崩壊時間210~350秒を達成して、好ましい品質のレナリドミドの生産が可能であった。

Claims (7)

  1. レナリドミド;希釈剤;崩壊剤;及び潤滑剤;を含む経口用錠剤組成物であって、
    希釈剤の含量が、レナリドミド1重量部に対して、10~20重量部であり、
    崩壊剤の含量が、レナリドミド1重量部に対して、0.1~1重量部であり、
    潤滑剤の含量が、レナリドミド1重量部に対して、0.1~1重量部であり、
    希釈剤が、ラクトース、微晶質セルロース、マンニトール、デンプン、及びこれらの混
    合物よりなる群から選ばれ、
    崩壊剤が、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロ
    ピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、及びこれらの混合物よりなる群から
    選ばれ、
    潤滑剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、高分散シリカ、及びこれらの混
    合物よりなる群から選ばれる、経口用錠剤組成物。
  2. コーティング層をさらに含む請求項1に記載の経口用錠剤組成物。
  3. コーティング層の含量が、レナリドミド1重量部に対して、0.1~5重量部である請
    求項2に記載の経口用錠剤組成物。
  4. 前記レナリドミドの含量が、1mg~50mgである請求項1~3のいずれか1項に記
    載の経口用錠剤組成物。
  5. 前記レナリドミドの含量と関係なく、レナリドミド、希釈剤、崩壊剤及び潤滑剤の各含
    量比、又はレナリドミド、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤及びコーティング層の各含量比が一定
    である請求項4に記載の経口用錠剤組成物。
  6. 前記コーティング層が2層以上である請求項2又は3に記載の経口用錠剤組成物。
  7. コーティング層のコーティング基剤が、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメ
    チルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩、エチルセルロース、メチルセ
    ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
    シプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール
    、マクロゴールポリビニルアルコールグラフト共重合体、アクリル酸及びその塩の重合体
    、ポリメタクリレート、ポリ(ブチルメタクリレート、2-ジメチルアミノエチルメタク
    リレート、メチルメタクリレート)共重合体、ビニルピロリドン-ビニルアセテート共重
    合体、ゼラチン、グァーガム、部分加水分解されたデンプン、アルギネート、キサンタン
    及びこれらの混合物よりなる群から選ばれる請求項5に記載の経口用錠剤組成物。
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