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JP2022526406A - 振り子式減衰装置 - Google Patents

振り子式減衰装置 Download PDF

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JP2022526406A JP2021558897A JP2021558897A JP2022526406A JP 2022526406 A JP2022526406 A JP 2022526406A JP 2021558897 A JP2021558897 A JP 2021558897A JP 2021558897 A JP2021558897 A JP 2021558897A JP 2022526406 A JP2022526406 A JP 2022526406A
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Abstract

-軸Xを中心として回転可能である支持体(2)と、-前記支持体(2)に対して移動可能である少なくとも一つの振り子体(3)と、-前記支持体(2)に対する前記振り子体(3)の移動を案内する少なくとも1つの転動部品(11)であって、前記支持体(2)と一体の少なくとも1つの第1軌道(12)および前記振り子体(3)と一体の少なくとも1つの第2軌道(13)と協働する転動部品(11)と、を備える振り子式減衰装置(1)であって、前記第1軌道(12)および前記第2軌道(13)のうちの一方は円弧を規定し、前記第1軌道(12)および前記第2軌道(13)のうちの他方は円弧以外の形状を規定する、装置。

Description

本発明は、特に自動車のトランスミッションシステム用の振り子式減衰装置に関する。
このような応用において、エンジンの非周期的な動作による振動をフィルタリングすることを目的として、振り子式減衰装置が、燃焼エンジンをギアボックスに選択的に接続可能なクラッチのねじり減衰システムに組み込まれ得る。このようなねじり減衰システムは、例えば、デュアルマスフライホイールである。
変形例として、このような応用において、振り子式減衰装置は、摩擦クラッチディスク、または流体力学的トルクコンバータ、またはクランクシャフトに固着されたフライホイール、または乾式/湿式のデュアルクラッチ、または単一の湿式クラッチ、またはハイブリッドパワートレインに組み込まれ得る。
このような振り子式減衰装置は、慣例的に、支持体と、この支持体に対して移動可能な単数または複数の振り子体と、を実装している。支持体に対する各振り子体の移動は、2つの転動部品により案内される。2つの転動部品は、一方で支持体と一体の軌道と協働し、他方で振り子体と一体の軌道と協働する。各振り子体は、例えば、互いにリベット留めされた2つの振り子質量体を備えている。
例えば、特許EP 2652355から、振り子体を提供することが知られており、支持体に対する振り子体の移動は、ダミー軸を中心とした並進移動と振り子それ自体の回転移動とを組み合わせたものである。このような振り子体の移動は、「複合移動」と称されることがある。EP 2652355では、特に自由形状の軌道上を転動する転動部品により振り子体の移動を案内することを具体的に教示されているが、この自由形状の性質は説明されていない。
DE 10 2016 125 256、US 2018/231098、FR 3033187は、いくつかの軌道の形状を特定しない振り子式減衰装置を開示している。
容易に製造される軌道を使用して振り子体を複合移動させるという要求が存在している。
本発明の目的は、この要求に応えることであり、その態様の1つによれば、
-軸を中心として回転自在である支持体と、
-前記支持体に対して移動可能である少なくとも1つの振り子体と、
-前記支持体に対する前記振り子体の移動を案内する少なくとも1つの転動部品であって、前記支持体と一体の少なくとも1つの第1軌道および前記振り子体と一体の少なくとも1つの第2軌道と協働する転動部品と、
を備える振り子式減衰装置であって、
前記第1軌道および前記第2軌道のうちの一方は円弧を規定し、前記第1軌道および前記第2軌道のうちの他方は円弧以外の形状を規定する、装置を使用することでこの要求に応える。
本発明によれば、支持体に対して振り子体を、支持体の回転軸に平行なダミー軸を中心とした並進移動と、特に重心を中心として回転することによる軌道を利用した振り子それ自体の回転運動との両方により移動させることができる。軌道のうちの一方は円弧を規定することを考慮すれば、軌道の製造は複雑ではない。
本願の意味において、
-「軸方向に」とは、「回転軸に平行に」ということを意味し、
-「径方向に」とは、「回転軸に直行する平面に属する直線であって、この回転軸と交差する直線に沿って」ということを意味し、
-「角度的に」または「周方向に」とは、「回転軸を中心に」ということを意味し、
-「直交して」とは、「径方向に垂直に」ということを意味し、
-「一体に/固着された」とは、「しっかりと結合された」ということを意味し、
-燃焼エンジンの励磁オーダーは、クランクシャフト1回転毎のエンジンの燃焼数に等しく、
-振り子体の静止位置は、この振り子体が、燃焼エンジンの非周期的な動作に起因するねじり振動を受けずに遠心力を受ける位置であり、この静止位置では、振り子体の重心の曲線横座標の値はゼロであり、
-オーダー値は、振り子式減衰装置が存在するときのこのオーダー値に対するねじり振動の振幅と、振り子式減衰装置が存在しないときのこの同一の振幅との比が0.2未満、特に0.1未満である場合に、振り子式減衰装置によってフィルタリングされる。
本発明の一実施形態によれば、前記第2軌道は円弧を規定し、前記第1軌道は円弧以外の形状を規定する。しかしながら、変形例として、第1軌道は円弧を規定し、第2軌道は円弧以外の形状を規定する。
前記第1軌道は、前記振り子体が静止している場合に前記転動部品と当該第1軌道との接触点に対応する静止点を有し、前記第1軌道が円弧以外の形状を規定する場合、前記第1軌道は、当該静止点の移行部に、特に曲率の不連続性を伴い得る形状の不連続性を有し得る。このような形状の不連続性により、第1軌道に非対称性が生じる。
第1軌道が静止点の移行部に形状の不連続性を有する場合、前記第1軌道は、前記静止点の一側において円弧を規定し得るとともに、前記静止点の他側において円弧と異なる形状を規定し得る。第2軌道により規定される円弧の半径は、第1軌道の一部により規定される円弧の半径と同じであり得る、またはこれより大きくてもよい、またはこれより小さくてもよい。
より正確な例において、前記第1軌道は、前記静止点の一側において円弧を規定するとともに、前記静止点の他側において連続して可変の曲率、特に、連続して増加または連続して減少する曲率を有する形状を規定する。例えば、第1軌道について、静止点の一側に円弧が存在し、静止点の他側にアルキメデス螺旋が存在する。
上記全体を通じて、振り子式減衰装置は、前記支持体に対する前記振り子体の移動を案内する2つの転動部品を備え得る。各転動部品は、前記支持体と一体の第1軌道であって前記転動部品に特有の第1軌道上、および前記振り子体と一体の第2軌道であって前記転動部品に特有の第2軌道上を転動する。これらの第1軌道のうちの一方は、三角関数方向に移動することにより当該第1軌道の前記静止点から円弧を規定し得るとともに、非三角関数方向に移動することにより前記静止点から円弧と異なる形状を規定し得る。これらの第1軌道のうちの他方は、非三角関数方向に移動することにより当該第1軌道の前記静止点から円弧を規定し得るとともに、三角関数方向に移動することにより前記静止点から円弧と異なる形状を規定し得る。
換言すれば、支持体に対する移動が2つの転動部品により案内される振り子体の場合、この振り子体に関連付けられる2つの第1軌道は、反転した形状を有し得る。例えば、これらの第1軌道に面する部分は、以下で「近位部」とも称され、例えば円弧、それぞれ、例えば円弧と異なる形状である同一形状を有する。一方、例えば、これらの第1軌道の互いから最も離間した部分は、以下で「遠位部」とも称され、例えば円弧と異なる形状、それぞれ、例えば円弧である同一形状を有する。
同一の振り子体の移動の案内に関する2つの第1軌道は、静止位置にある振り子体の対象軸を規定し得る回転軸に対して対称性を有し得る。2つの第1軌道についてのこの対称軸は、径方向に延び得る。
前記転動部品は、前記第1軌道に沿って、前記静止点の両側に配置された2つの端位置間を移動可能であり、前記静止点は、前記第1軌道の長さの中間点に配置されてもされなくてもよい。この長さは、これら2つの端位置間で測定される。
上記全体を通じて、前記振り子式減衰装置は、単一の支持体を備え得る。前記振り子体は、前記支持体の第1側に軸方向に配置された第1振り子質量体と、前記支持体の第2側に軸方向に配置された第2振り子質量体と、を備え得る。前記第1振り子質量体および前記第2振り子質量体は、少なくとも1つのリンク部品により互いに固着される。
振り子式減衰装置が単一の支持体を有する第1の好適な実施形態によれば、第1振り子質量体と第2振り子質量体とは、単数または複数のリンク部品により互いにしっかりと接続される。
この第1の好適な実施形態によれば、転動部品は、単一の第1軌道および単一の第2軌道と協働することができ、この第2軌道は、振り子体のリンク部品により規定される。この第2軌道が円弧形状にあるという事実により、リンク部品を形成する部材の製造が単純化され得る。同様に、振り子体を形成するようにリンク部品を形成する部材を振り子質量体に組み付けるステップもより単純なものとなり得る。このリンク部品の輪郭の一部が、例えば第2軌道を規定する。変形例として、第2軌道を形成するように、リンク部品の輪郭の当該一部にコーティングが施され得る。このようなリンク部品は、例えばその軸方向端部のそれぞれを介して、振り子質量体のうちの一方に設けられた孔に圧力嵌めされる。変形例として、リンク部品は、その軸方向端部を介して、第1振り子質量体および第2振り子質量体のそれぞれに溶接される、またはネジ留めされる、またはリベット留めされる。
この好適な実施形態によれば、支持体に対する各振り子質量体の移動が少なくとも2つの転動部品、特に正確には2つの転動部品によって案内される場合、2つのリンク部品が設けられ得る。それぞれのリンク部品は、転動部品と協働する。変形例として、単一のリンク部品が設けられ得る。この単一のリンク部品は、2つの別個の第2軌道を規定し得る。これらの第2軌道のうちの一方は転動部品のうちの一方と協働し、これらの第2軌道のうちの他方は転動部品のうちの他方と協働する。
各転動部品は、上述の第1軌道と第2軌道の間においてのみ圧縮荷重を受けるものとすることができる。同一の転動部品と協働するこれらの第1軌道および第2軌道は、少なくとも部分的に径方向に互いに対面し得る。すなわち、これらの軌道がともに延びる回転軸に垂直な平面が存在する。
第1の好適な実施形態によれば、各転動部品は、リンク部品を既に収容しているが他の転動部品を収容していない支持体の開口に収容され得る。この開口は、例えば閉鎖した輪郭により規定される。閉鎖した輪郭の一部が、この転動部品と協働する支持体と一体の第1軌道を規定する。
単一の支持体を有する振り子式減衰装置の第2の好適な実施形態によれば、前記振り子式減衰装置は、軸方向にオフセットされるとともに単数または複数のリンク部品により互いにしっかりと接続された第1振り子質量体および第2振り子質量体をも備えている。ただし、各転動部品は、一方で支持体と一体の単一の第1軌道、および他方で振り子体と一体の2つの第2軌道と協働する。各振り子質量体は、孔を有し、孔の輪郭の一部がこれらの第2軌道のうちの一方を規定する。
この第2の好適な実施形態によれば、各リンク部品は、例えば、複数のリベットをまとめたもので、このリンク部品は支持体の開口に収容される。一方、転動部品は、リンク部品を収容する開口とは別の支持体の孔に収容される。この第2の好適な実施形態によれば、各リンク部品は、変形例として、リベットであり得る。
この第2の好適な実施形態によれば、2つの転動部品が支持体に対する振り子体の移動を案内する場合、各転動部品は、当該転動部品に専用の第1軌道、および当該転動部品に専用の2つの第2軌道と協働する。
この第2の好適な実施形態によれば、各転動部品は、軸方向に連続して、
-第1振り子質量体の孔に配置された部分であって、この孔の輪郭の一部により形成された第2軌道と協働する部分と、
-支持体の孔に配置された部分であって、この孔の輪郭の一部により形成された第1軌道と協働する部分と、
-第2振り子質量体の孔に配置された部分であって、この孔の輪郭の一部により形成された第2軌道と協働する部分と、
を備え得る。
また、振り子式減衰装置は、単一の支持体を有する装置でなくてもよく、例えば、軸方向にオフセットされるとともに互いに固着された2つの支持体を備え、前記振り子体は、これら2つの支持体の間に軸方向に配置された少なくとも1つの振り子質量体を備えている。振り子体は、例えば、互いに固着された複数の振り子質量体を備える。同一の振り子体が有するこれら全ての振り子質量体は、2つの支持体の間に軸方向に配置され得る。変形例として、振り子体の振り子質量体の一部のみが2つの支持体の間で軸方向に延び、この振り子体の他の振り子質量体は、支持体のうちのいずれか一方を超えて軸方向に延びる。転動部品は、2つの第1軌道であって、それぞれが各支持体と一体の第1軌道、および振り子質量体と一体の単一の第2軌道と協働し得る。各第1軌道は、例えば、各支持体に設けられた孔の輪郭の一部により規定され、第2軌道は、振り子質量体に配置された孔の輪郭の一部により規定される。
上記全体を通じて、各転動部品は、支持体と一体の単数または複数の軌道、および振り子質量体と一体の単数または複数の軌道と、その外面を介してのみ協働し得る。各転動部品は、例えば、スチール製のローラである。ローラは、中空または中実であり得る。このローラは、その全長手方向軸に沿う単一の直径を有し得る。変形例として、このローラは、長手方向に異なる直径を有する部分、例えば、第1直径を有する中央部分と第1直径より小さい第2直径を有する2つの部分とを有する。中央部分は2つの部分に長手方向に囲まれている。別の変形例として、ローラは、互いに追従する部分であって、長手方向に均一に変化する異なる直径を有する部分を有する。装置は、例えば、2~8個に亘る、特に3個、4個、5個、または6個の振り子体を備える。振り子体の各々は、これが支持体に対して移動する際に、第1の所定のオーダー値および第2の所定のオーダー値をフィルタリングし得る。
これら全ての振り子体は、互いに周方向に追従し得る。したがって、装置は、回転軸に垂直な複数の平面を備え得る。全ての振り子体が、前記平面のそれぞれに配置される。
上記全体を通じて、支持体は、例えば全体として金属製の一部品として製造され得る。
上記全体を通じて、振り子式減衰装置において、支持体と一体の全ての第1軌道は、それらの間で全く同一の形状、必要であれば上述のように反転した形状を有し得る。および/または、振り子体と一体の全ての第2軌道は、それらの間で全く同一の形状を有し得る。
同じく上記全体を通じて、2つの周方向に隣接する振り子体は、例えば出願EP3153741、EP3380750、EP3190310の教示に従って、少なくとも一つの弾性復帰部品により互いに接続され得る。これらの特許出願の教示は、周方向に隣接する振り子体の接続に関して、本願に参照として組み込まれる。変形例として、2つの隣接する振り子体は、例えば、EP 3332147出願の教示に従って、軸方向の摩擦を伴う接続部により接続され得る。この特許出願の教示は、周方向に隣接する振り子体の間の接続に関して、本願に参照として組み込まれる。
本発明のさらなる目的は、本発明の態様の別の1つによれば、自動車のトランスミッションシステム用の部品であって、前記部品は、特に上述の振り子式減衰装置を備えるデュアルマスフライホイール、流体力学的トルクコンバータ、クランクシャフトに固着されたフライホイール、湿式または乾式のデュアルクラッチ、単一の湿式クラッチ、ハイブリッドパワートレイン部品、または摩擦クラッチディスクである部品である。
振り子式減衰装置の支持体は、
-前記部品のウェブ、
-前記部品を案内するためのワッシャ、
-前記部品を位相調整するためのワッシャ、または、
-前記ウェブ、前記案内ワッシャ、および前記位相調整ワッシャとは別個の支持体、
のうちの1つであり得る。
装置がクランクシャフトに固着されたフライホイールに組み込まれている場合、支持体はこのフライホイールに固着され得る。
本発明は、非限定的な例に関する以下の説明を読み、添付図面を参照することでより良く理解されるであろう。
図1は、本発明が適用され得る振り子式減衰装置を示す。 図2は、図1の詳細を示す。 図3は、本発明が適用され得る別の振り子式減衰装置を示す。 図4は、本発明の一実施形態による軌道の図である。 図5は、図4の実施形態の変形例による軌道の図である。
図1は、振り子式減衰装置1の一例を示す。装置1は、特に自動車のトランスミッションシステムに装備することができ、例えばこのようなトランスミッションシステムの図示しない部品に組み込まれている。当該部品は、例えば、デュアルマスフライホイール、流体力学的トルクコンバータ、クランクシャフトに固着されたフライホイール、湿式または乾式のデュアルクラッチ、単一の湿式クラッチ、ハイブリッドパワートレイン部品、または摩擦クラッチディスクである。
当該部品は、自動車のパワートレインの一部を形成し得る。前記車両は、3または4気筒燃焼エンジンを備えている。
図1において、装置1は静止している。すなわち、装置は、燃焼エンジンの非周期的な動作を理由として推進チェーンにより伝達されるねじり振動をフィルタリングしていない。
既知の態様において、このような部品は、少なくとも1つの入口要素と、少なくとも1つの出口要素と、周方向に作用する弾性復帰部品であって、前記入口要素と前記出口要素との間に配置された弾性復帰部品と、を有するねじり減衰システムを備え得る。本願の意味において、「入口」および「出口」という用語は、車両の燃焼エンジンから前記車両のホイールへのトルクの伝達方向に対して定義されている。
検討例において、装置1は、
-軸Xを中心として回転可能である支持体2と、
-支持体2に対して移動可能である複数の振り子体3と、
を備えている。
図1の例において、6個の振り子体3が、軸Xの外周に均等に分散して設けられている。
減衰装置1の支持体2は、
-ねじり減衰システムの入口要素と、
-出口要素と、または、
-減衰システムの2つで直列のバネの間に配置された中間位相調整要素と、または、
-上述の要素のうちの1つに回転的に連結されるが当該部品から離間した要素であって、例えば装置1に特有の支持体である要素と、
から構成され得る。
支持体2は、案内ワッシャまたは位相調整ワッシャである。
支持体2は、フランジ等の別タイプのものであってもよい。
検討例において、支持体2は、本例では平坦面である2つの対向する側面4を備えたリング状の全体形状を有している。
図1に示すように、各振り子体3は、検討例において、
-2つの振り子質量体5であって、支持体2の側面4の反対側に軸方向にそれぞれ延びる振り子質量体5と、
-2つの振り子質量体5を固着する2つのリンク部品6と、
を備えている。
「スペーサ」とも称されるリンク部品6は、検討例において角度的にオフセットしている。図示しない変形例において、単一のリンク部品が使用されて2つの振り子質量体が固着され得る。
図1の例において、リンク部品6の各端部が、振り子体3の振り子質量体5のうちの一方に設けられた孔に圧力嵌めされて、これら2つの振り子質量体5が互いに固着されている。
各リンク部品6は、支持体に設けられた開口9内に部分的に延びている。検討例において、開口9は、支持体内部の空のスペースを規定しており、この開口は閉鎖した輪郭10により規定されている。
また、装置1は、検討例において、支持体2に対する振り子体3の移動を案内する転動部品11を備えている。転動部品11は、本例では後述するようにローラである。図1および図2の例において、各ローラは、その全長に亘って実質的に一定の直径を維持している。
図2に示すように、装置1は、ねじり振動をフィルタリングするための静止位置からの移動の終わりや振り子体3が径方向に落下するときに生じる接触のような、支持体2と振り子質量体3との特定の相対位置において、リンク部品6と支持体2とに同時に接触可能であるストッパ減衰部品25も備え得る。本例における各ストッパ減衰部品25は、振り子体3と一体であり、各振り子体3に装着されて、当該振り子体3のリンク要素6と孔9の輪郭10との間に径方向に挿入されるように配置されている。
記載例において、支持体2に対する各振り子体3の移動は、2つの転動部品11によって案内される。図1および図2の例において、転動部品11のそれぞれが、振り子体3のリンク部品6のうちの一方と協働する。
各振り子体3が静止している図2に示すように、支持体2の回転軸Xに平行なダミー軸を中心とする振り子体の並進移動と、本例において前記振り子体3の重心を中心とする回転移動とを案内するように、各転動部品11は、転動によって、支持体2と一体の単一の第1軌道12と、および振り子体3と一体の単一の第2軌道13と協働する。
検討例において、各第2軌道13は、リンク部品6の径方向外縁の一部により形成されている。図示しない一例において、単一のリンク部品6が振り子体3全体に対して設けられ、その径方向外縁の一部が第2軌道13を規定する一方で、その径方向外縁の別の部分が別の第2軌道13を規定する。
各第1軌道12は、支持体2に設けられた開口9であって、リンク部品6の一方を収容する開口9に輪郭の一部により規定されている。
したがって、各第1軌道12は、第2軌道13に径方向に対面配置され、これにより、転動部品11の同一転動面が、第1軌道12上および第2軌道13上を交互に転動する。本例における転動部品の転動面は、一定の半径を有する円柱である。
また、図2は、「パッド」とも呼ばれる挿入パッド30が設けられ得ることを示す。単数または複数のパッド30が、例えば、各振り子質量体5に固定的に支持されている。
支持体2に対する各振り子体3の移動は、図1および図2の静止位置から、静止位置を周方向に囲む停止位置に向けて生じる。これらそれぞれの停止位置において転動部品11が占める2つの位置の間において第1軌道12または第2軌道13に沿って測定した曲線距離が、前記軌道の長さを規定する。これらの停止位置は、前記軌道全体をともに規定している。
振り子体3を支持体2に対して上述の複合移動のように移動させ得る本発明の実施形態を、図4を参照して説明する。
検討例において、リンク部品6により提供される各第2軌道13は、円弧である。半径の値は、例えば一つの第2軌道13から同一振り子体の次のものまで一定である。この値は、各第2軌道13について、例えばおよそ数センチ、例えば35mmである。
検討例においても、各第1軌道12は、円弧とは異なる形状を有している。各第1軌道12は、振り子体3が静止位置にある場合に転動部品11と当該第1軌道12との接触点に対応する静止点Pを有している。この静止点は、検討例において、第1軌道12の曲率の不連続性を規定している。
検討例において、各静止点Pは、第1軌道12について、近位部30と遠位部31とを隔てている。本願の意味において、「近位部」とは、第1軌道12の一部であって、同一の振り子体3に関連する他方の第1軌道12に最も近い部分を指し、「遠位部」とは、同一の振り子体3に関連する他方の第1軌道12から最も遠い第1軌道12の部分を指す。
検討例においても、同一の振り子体に関連する2つの第1軌道12の近位部の形状はそれらの間で同一であり、遠位部はそれらの間で同一である。
図4の例において、各近位部30は、例えばすべての第1軌道12について同一の半径を有する円である。この同一の半径の値は、検討例において、例えば本例において25mmに等しい第2軌道13の半径値より小さい。各遠位部31は、本例において、円弧と異なる形状、例えば、アルキメデス螺旋等の連続して増加する曲率に対応する形状を有している。
したがって、同一振り子体3に関連する2つの第1軌道12は、振り子体3の対称平面を形成する平面Pに対して対称であることがわかる。
図5の変形例において、各遠位部31は円であり、各近位部30は円弧とは異なる形状を有している。
本発明は、上述の例に限定されない。
具体的には、本発明は図3に示す振り子式減衰装置1で実施され得る。本例において、振り子体3の2つの振り子質量体5の間のリンク部品は、リベット7である。第2軌道13は、振り子質量体5に設けられた孔輪郭の一部により形成されている。
さらなる他の変形例において、円弧である第2軌道13および円弧以外の形状を有する第1軌道12ではなく、本例では逆である。換言すれば、各第1軌道12が円弧であり、各第2軌道13が円弧とは異なる形状を有している。各第2軌道は、振り子体が静止位置にある場合に転動部品11の当該第2軌道13に対する接触点に対応する静止点P’を有している。この静止点P’は、第2軌道13の形状の不連続性を規定している。上述の説明と同様に、各第2軌道は、近位部と、静止点P’により隔てられる部分と、を備え得る。
-各近位部は円であり、各遠位部は、円弧と異なる形状、例えば連続して増加する曲率に対応する形状を有する、または、
-各遠位部は円である一方、各近位部は、円弧と異なる形状、例えば連続して増加する曲率に対応する形状を有する。

Claims (10)

  1. -軸(X)を中心として回転自在である支持体(2)と、
    -前記支持体(2)に対して移動可能である少なくとも1つの振り子体(3)と、
    -前記支持体(2)に対する前記振り子体(3)の移動を案内する少なくとも1つの転動部品(11)であって、前記支持体(2)と一体の少なくとも1つの第1軌道(12)および前記振り子体(3)と一体の少なくとも1つの第2軌道(13)と協働する転動部品(11)と、
    を備える振り子式減衰装置(1)であって、
    前記第1軌道(12)および前記第2軌道(13)のうちの一方は円弧を規定し、前記第1軌道(12)および前記第2軌道(13)のうちの他方は円弧以外の形状を規定する、装置。
  2. 前記第2軌道(13)は円弧を規定し、前記第1軌道(12)は円弧以外の形状を規定する、
    請求項1に記載の装置。
  3. 前記第1軌道(12)は、前記振り子体(3)が静止している場合に前記転動部品(11)と当該第1軌道(12)との接触点に対応する静止点(P)を有し、前記第1軌道(12)は、当該静止点(P)の移行部に、特に曲率の不連続性を伴う形状の不連続性を有する、
    請求項1および2のいずれかに記載の装置。
  4. 前記第1軌道(12)は、前記静止点(P)の一側において円弧を規定するとともに、前記静止点(P)の他側において円弧と異なる形状を規定する、
    請求項3に記載の装置。
  5. 前記第1軌道(12)は、前記静止点(P)の一側において円弧を規定するとともに、前記静止点(P)の他側において連続して可変の曲率、特に、連続して増加または連続して減少する曲率を有する形状を規定する、
    請求項4に記載の装置。
  6. 前記装置は、前記支持体(2)に対する前記振り子体(3)の移動を案内する2つの転動部品(11)を備え、
    各転動部品(11)は、前記支持体(2)と一体の第1軌道(12)であって前記転動部品に特有の第1軌道(12)上、および前記振り子体(3)と一体の第2軌道(13)であって前記転動部品に特有の第2軌道(13)上を転動し、
    これらの第1軌道(12)のうちの一方は、三角関数方向に移動することにより当該第1軌道の前記静止点(P)から円弧を規定するとともに、非三角関数方向に移動することにより前記静止点(P)から円弧と異なる形状を規定し、
    これらの第1軌道(12)のうちの他方は、非三角関数方向に移動することにより当該第1軌道の前記静止点(P)から円弧を規定するとともに、三角関数方向に移動することにより前記静止点から円弧と異なる形状を規定する、
    請求項4および5のいずれかに記載の装置。
  7. 前記転動部品(11)は、前記第1軌道に沿って、前記静止点の両側に配置された2つの端位置間を移動可能であり、
    前記静止点は、これら2つの端位置間で測定された前記第1軌道(11)の長さの中間点に配置されない、
    請求項3~6のいずれか一項に記載の装置。
  8. 前記振り子式減衰装置の前記支持体は、唯一であり、
    前記振り子体は、前記支持体の一側に軸方向にそれぞれ配置された2つの振り子質量体(5)を備え、
    これら2つの振り子質量体は、少なくとも1つのリンク部品(6)により互いに固着され、
    前記転動部品(11)は、単一の第1軌道(12)上を転動し、かつ、
    前記転動部品(11)は、
    -前記リンク部品(6)により規定された単一の第2軌道(12)上、または
    -前記振り子体の前記振り子質量体(5)のうちの一方によりそれぞれ規定された2つの第2軌道(13)上を転動する、
    請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
  9. 前記振り子式減衰装置は、軸方向にオフセットされるとともに固着された2つの支持体を備え、
    前記振り子体は、これら2つの支持体の間に軸方向に配置された少なくとも1つの振り子質量体を備え、
    前記転動部品は、
    -2つの前記支持体のうちの一方によりそれぞれ規定された2つの第1軌道(12)上、および、
    -前記振り子質量体用の単一の第1軌道(13)上を転動する、
    請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
  10. 自動車のトランスミッションシステム用の部品であって、前記部品は、特に、請求項1~9のいずれか一項に記載の振り子式減衰装置を備えるデュアルマスフライホイール、流体力学的トルクコンバータ、クランクシャフトに固着されたフライホイール、湿式または乾式のデュアルクラッチ、単一の湿式クラッチ、ハイブリッドパワートレイン部品、または摩擦クラッチディスクである、部品。
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