<第1実施形態>
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1~図3に示すように、第1実施形態の間仕切り装置1Aは、起立した枠状のフレーム構造体2を備えている。フレーム構造体2は、一対の縦フレーム3,3と、一対の縦フレーム3,3の上端部同士を連結する上フレーム4と、一対の縦フレーム3,3の下端部同士を連結する下フレーム5とを有している。フレーム3,4,5は例えば鋼鉄製の丸パイプで形成されている。
一対の縦フレーム3,3は、互いに同じ長さを有し、略鉛直方向に延設されている。上フレーム4及び下フレーム5は、平面形状が互いに同じであるとともに、床面に対して略平行に延設されている。縦フレーム3と上フレーム4及び下フレーム5との連結部分(角部分)は丸みを帯びている。
上フレーム4及び下フレーム5の中途部は平面視で屈曲しており、フレーム構造体2は自立可能になっている。本実施形態では、上フレーム4及び下フレーム5は、長さ方向の中央部が丸みを帯びながら約90°に屈曲しており、屈曲部分の両端部から延びる2本の直線状部分は同じ長さになっている。
フレーム構造体2は、上下方向に延びて上フレーム4と下フレーム5の中途部同士を連結する1本の中央支柱フレーム6を備えている。中央支柱フレーム6は、例えば鋼鉄製の丸パイプで形成され、鉛直方向に延設されている。中央支柱フレーム6は、上端部が上フレーム4の屈曲部分の内側面に固着され、下端部は下フレーム5の屈曲部分の内側面に固着されている。これらの固着方法は、例えば溶接接合である。
また、フレーム構造体2は、床面と略水平方向に延びて一対の縦フレーム3,3の中途部同士を連結する横桟フレーム7を備えている。横桟フレーム7は、例えば鋼鉄製の丸パイプで形成され、上フレーム4及び下フレーム5と同じ平面形状に形成されている。すなわち、横桟フレーム7は、長さ方向の中央部が丸みを帯びながら約90°に屈曲している。横桟フレーム7の屈曲部分の内側面に、中央支柱フレーム6の中途部が固着されている。横桟フレーム7と、上フレーム4、下フレーム5及び中央支柱フレーム6との固着方法は、例えば溶接接合である。本実施形態では、フレーム3,4,5,6,7は同じ規格の丸パイプで形成されている。
フレーム構造体2の下部中央部位には、下フレーム5の屈曲の外側へ延出した平板状の安定脚8が固着されている。本実施形態では、安定脚8は、中心角が約270°の略扇形の鋼板で形成されており、安定脚8の中央部位(扇形のほぼ中心位置)が下フレーム5の屈曲部分の下方に位置し、安定脚8の2つの直線状部分が下フレーム5の直線状部分に沿うようにして、下フレーム5に固着されている。換言すれば、安定脚8は、下フレーム5の屈曲の内側に位置する部分を切り欠いた形態を有している。なお、安定脚8の2つの直線状部分は、わずかに下フレーム5の屈曲の内側にはみ出している。安定脚8の下面には、ゴム製の緩衝部材9が複数取り付けられている。
下フレーム5の両端部には、高さ調節可能なアジャスタ部材10が取り付けられている。アジャスタ部材10は、ねじ込み式のものであり、下フレーム5の両端部の下面に穴加工を施した上でナット部材を固着し、当該ナット部材にアジャスタ部材10のねじ部をねじ込むことで、下フレーム5の両端部にアジャスタ部材10が取り付けられる。ナット部材へのアジャスタ部材10のねじ込み具合を調節することで、床面に対する下フレーム5の両端部の高さ位置を調節可能になっている。
図1~図3に示すように、本実施形態では、間仕切り装置1Aは、自立可能な枠状のフレーム構造体2を1本の中央支柱フレーム6で補強したシンプルな構造で形成されているので、低コスト化及び軽量化を実現できるとともに、空間をゆるく仕切ることができる。また、間仕切り装置1Aは死角の発生を低減でき、例えば学校などの施設において使用者の安全性の確保や問題行動の抑制を実現できる。
また、間仕切り装置1Aは、フレーム構造体2が横桟フレーム7を備えていることから、フレーム構造体2のシンプルな構成を維持しながら、横桟フレーム7によって縦フレーム3の水平方向の撓みを抑制でき、間仕切り装置の強度を向上できる。さらに、横桟フレーム7の中途部が中央支柱フレーム6の中途部に固着されているので、間仕切り装置1Aの強度をより向上できる。
また、横桟フレーム7は、使用者の臀部の位置よりも高い位置、例えば床面から90cm以上の高さ位置に設けられている。これにより、使用者が横桟フレーム7に腰掛けるのを防止できるので、フレーム構造体2を細いフレームで形成でき、間仕切り装置1Aの軽量化及び低コスト化を実現できる。
図1~3に示すように、安定脚8は、間仕切り装置1Aの設置面積(平面積)を増大させるとともに、屈曲の外側への間仕切り装置1Aの傾斜に対して支えとなる。また、間仕切り装置1Aの重心がフレーム構造体2に対して屈曲の外側になるので、間仕切り装置1Aの内側への傾斜を抑制できる。これにより、間仕切り装置1Aの転倒を防止できる。
さらに、安定脚8は、下フレーム5の屈曲の内側に位置する部分を切り欠いた形態を有しているので、フレーム構造体2の屈曲の内側の床面上に、什器(例えばテーブルや椅子)などの配置物を、安定脚8に重畳させることなく、什器等の配置物の安定性を確保しながら、間仕切り装置1Aに近接して配置できる。
図1に示すように、中央支柱フレーム6の上端部は中空状に設けられており、後述するオプション品の端部を抜き差し可能に構成されている。中央支柱フレーム6の上端部には、略円柱形のキャップ部材11が着脱可能に装着されている。中央支柱フレーム6の上端部にキャップ部材11を装着することで、中央支柱フレーム6の端面の露出を防止できるとともに、中央支柱フレーム6の内部への異物の侵入を防止できる。また、キャップ部材11を取り外すことでオプション品の装着が可能になる。
キャップ部材11は、樹脂製であり、中央支柱フレーム6に挿入可能な円筒部11aの一端部に、円筒部11aよりも大径で鍔状に設けた蓋部11bを有している。円筒部11aの外径は中央支柱フレーム6の内径よりもわずかに大きい外径を有し、蓋部11bは中央支柱フレーム6の外径と同程度の外径を有している。
キャップ部材11の取付けの際には、円筒部11aを中央支柱フレーム6の上端部に圧入し、蓋部11bを中央支柱フレーム6の上端面に接触させることで、キャップ部材11を見栄え良く、かつ脱落不能に装着できる。キャップ部材11の取外しの際には、中央支柱フレーム6の上端面に設けた切欠き部6aにマイナスドライバーなどの工具の先端部を挿し込んでキャップ部材11の蓋部11bを持ち上げることで、キャップ部材11を容易に取り外すことができる。
中央支柱フレーム6の上端部の側面に、オプション品の端部を固定するためのねじを挿通可能なねじ挿通孔6bが形成されている。ねじ挿通孔6bは、中央支柱フレーム6の上端部寄りの側面のうち、上フレーム4の屈曲部分とは反対側で上フレーム4よりも少し低い高さ位置の箇所に形成されている。ねじ挿通孔6bには、目隠し部材16が着脱可能に取り付けられる。オプション品の取付けについては後述する。
図4に示すように、間仕切り装置1Aのフレーム構造体2は、3つのパーツに分離可能に構成されている。上フレーム4は、屈曲部分を構成するL字状の上コーナーパイプ4aと、上コーナーパイプ4aの両端部に連結される2本の上直線状パイプ4b,4bとに分離可能に構成されている。同様に、下フレーム5はL字状の下コーナーパイプ5aと2本の下直線状パイプ5b,5bとに分離可能に構成され、横桟フレーム7はL字状の横桟コーナーパイプ7aと2本の横桟直線状パイプ7b,7bとに分離可能に構成されている。
中央支柱フレーム6に、互いに同一形状かつ同一寸法の丸鋼管で形成されたコーナーパイプ4a,5a,7aが固着され、下コーナーパイプ5aに安定脚8が固着されて、中央フレーム構造体が形成されている。
縦フレーム3とそれに連続する上直線状パイプ4b及び下直線状パイプ5bは、コ字形に曲げ加工された一本の鋼管で形成されている。縦フレーム3の中途部に、横桟直線状パイプ7bの一端が例えば溶接接合にて固着されている。縦フレーム3と直線状パイプ4b,5b,7bとで、E字状フレーム構造体が形成されている。1台の間仕切り装置1Aには、同一形状の2つのE字状フレーム構造体が使用される。
図4~図6に示すように、上コーナーパイプ4aと上直線状パイプ4bとの連結、下コーナーパイプ5aと下直線状パイプ5bとの連結、および横桟コーナーパイプ7aと横桟直線状パイプ7bとの連結には、共通部品であるフレーム連結具13が使用される。本実施形態では、中央支柱フレーム6、コーナーパイプ4a,5a,7a及び安定脚8を有する中央フレーム構造体と、直線状パイプ4b,5b,7bの先端部のそれぞれにフレーム連結具13を固着したE字状フレーム構造体とを予め組み立てておき、間仕切り装置1Aの設置場所にて、中央フレーム構造体とE字状フレーム構造体とを連結して容易に組立可能に構成されている。
図5及び図6に示すように、フレーム連結具13は、金属製であり、直線状パイプ4b,5b,7bの内部に挿入可能な第1軸部13aと、コーナーパイプ4a,5a,7aの内部に挿入可能な第2軸部13bと、軸部13a,13bの間に設けた大径部13cとを備えている。
E字状フレーム構造体において、直線状パイプ4b,5b,7bの先端部それぞれには、フレーム連結具13が固着されている。上直線状パイプ4bとフレーム連結具13との固着について説明すると、フレーム連結具13の第1軸部13aは、上直線状パイプ4bの内径よりも少し小さい外径をもち、上直線状パイプ4bの先端部内に挿入されている。そして、上直線状パイプ4bの先端面と大径部13cとを突き合わせた状態で、上直線状パイプ4bと第1軸部13aとが例えば溶接接合にて固着されている。直線状パイプ5b,7bの先端部にも、同様にしてフレーム連結具13が固着されている。
E字状フレーム構造体の直線状パイプ4b,5b,7bの先端部に固着したフレーム連結具13を、中央フレーム構造体のコーナーパイプ4a,5a,7aの一端部に挿入して連結することで、間仕切り装置1Aが組み立てられる。
上直線状パイプ4bに固着したフレーム連結具13と上コーナーパイプ4aとの連結について説明すると、フレーム連結具13の第2軸部13bは、上コーナーパイプ4aの内径よりも少し小さい外径をもち、上コーナーパイプ4a内に挿入される。第2軸部13bの軸方向(長さ方向)の中途部には、第2軸部13bの軸方向に直交するねじ穴13dが形成されている。上コーナーパイプ4aには、上コーナーパイプ4aの端面と大径部13cとを突き合わせた状態でフレーム連結具13のねじ穴13dに重なる位置に、ねじ挿通穴15が形成されている。
フレーム連結具13のねじ穴13dに、上コーナーパイプ4aの外周側からねじ挿通穴15を介してねじ14をねじ込むことで、上コーナーパイプ4aと第2軸部13bとを固着する。これにより、上コーナーパイプ4aと上直線状パイプ4bとがフレーム連結具13を介して連結される。
コーナーパイプ5a,7aと直線状パイプ5b,7bとの連結も、同様にして行われる。本実施形態では、フレーム4,5,7について、ねじ挿通穴15はコーナーパイプ4a,5a,7aの下面に形成されており、間仕切り装置1Aを起立設置したときにねじ14の頭部が目立たないようになっている。
フレーム連結具13の大径部13cの外径は、パイプ4a,4b,5a,5b,7a,7bの外径と同じ寸法で形成され、フレーム連結具13を使用してこれらのパイプを連結したときに、継ぎ目部分に段差がなく見た目が美しくなるように構成されている。なお、フレーム連結具13の軸部13a,13bの側面の一部には、軸方向に沿って切り欠いた切削面が形成されており、4a,4b,5a,5b,7a,7b内の溶接ビードに干渉しないように構成されている。
このように、間仕切り装置1Aは、3つのパーツに分離可能に構成されているので、組立前の保管及び運搬が容易であるとともに、設置場所にて容易かつ迅速に組み立てることができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の間仕切り装置1Bについて、図7及び図8を参照しながら説明する。図7及び図8において、第1実施形態の間仕切り装置1Aと同様の部分には同じ符号を付している。
第2実施形態の間仕切り装置1Bは、フレーム構造体2が平面視で約120°に屈曲して自立可能に構成されている。フレーム構造体2の上フレーム4、下フレーム5及び横桟フレーム7は、長さ方向の中央部が丸みを帯びながら約120°に屈曲しており、屈曲部分の両端部から延びる2本の直線状部分は同じ長さになっている。
フレーム構造体2の下部中央部位に固着した安定脚8は、中心角が約240°の略扇形の鋼板で形成されている。安定脚8は、例えば溶接接合にて下フレーム5に固着されており、安定脚8の中央部位が下フレーム5の屈曲部分の下方に位置し、かつ安定脚8の2つの直線状部分が下フレーム5の直線状部分に沿うようにして配置されている。間仕切り装置1Bの安定脚8も、間仕切り装置1Aの安定脚8と同様に、下フレーム5の屈曲の内側に位置する部分を切り欠いた形態を有している。
間仕切り装置1Bのその他の構成は、第1実施形態の間仕切り装置1Aと同様である。そして、間仕切り装置1Bは、間仕切り装置1Aと同様に、フレーム構造体2を3つのパーツに分離可能に構成されている。
間仕切り装置1Bにおいて、上フレーム4は、約120°の屈曲部分を有するくの字状の上コーナーパイプ4aと、上コーナーパイプ4aの両端部に連結される2本の上直線状パイプ4b,4bとに分離可能に構成されている。同様に、下フレーム5は、くの字状の下コーナーパイプ5aと、2本の下直線状パイプ5b,5bとに分離可能に構成され、横桟フレーム7は、くの字状の横桟コーナーパイプ7aと、2本の横桟直線状パイプ7b,7bとに分離可能に構成されている。
そして、間仕切り装置1Bは、間仕切り装置1Aと同様に、中央支柱フレーム6とコーナーパイプ4a,5a,7aと安定脚8とを有する中央フレーム構造体と、縦フレーム3と直線状パイプ4b,5b,7bとを有するE字状フレーム構造体とに分離可能に構成されている。間仕切り装置1Bでも、中央フレーム構造体とE字状フレーム構造体は、フレーム連結具13を介して連結可能に構成されている。
E字状フレーム構造体は、間仕切り装置1Aと間仕切り装置1Bとで共通化されている。このように、部品を共通化することで製造コストを抑制しながら、製品のバリエーションを多様化できる。
<第3実施形態>
次に、図9及び図10を参照しながら、間仕切り装置の第3実施形態について説明する。この実施形態は、間仕切り装置1Aに、面材21を取り付けたものである。なお、本実施形態又は以下に説明する実施形態を説明するための図面において、便宜上、面材の厚みが大きく図示されている。
上述のように、間仕切り装置1Aは、上フレーム4と、上フレーム4の両端部から垂下した一対の縦フレーム3,3と、一対の縦フレーム3,3の中途部同士を連結する横桟フレーム7とを有するフレーム構造体2を備えている。
面材21は、可撓性を有する材料で形成され、縦フレーム3,3の間に配設されている。本実施形態では、中央支柱フレーム6を挟んで、2枚の面材21が設けられている。面材21は、例えば光透過性を有する布で形成されている。また、面材21は、その上縁部21aが横桟フレーム7よりも上方に位置するようにして、フレーム構造体2に吊り下げ支持されている。本実施形態では、面材21は上フレーム4に吊り下げ支持されており、面材21が間仕切り装置1Aの上部をある程度しっかり目隠しできるように構成されている。
面材21の下縁部21bは、縦フレーム3の下端部と横桟フレーム7との間の高さ位置で、フレーム構造体2に対して変位可能に配置されている。面材21の下縁部21bは、フレーム構造体2に連結されておらず、フリー状態になっている。このように、フレーム構造体2に吊り下げ支持した面材21の下縁部21bをフリー状態にすることで、意匠的に軽やかな印象を与え、かつ面材21に力が加わっても力を逃してくれることにより、空間をゆるく仕切ることができる。また、面材21の取付構造がシンプルであることから、安価な構成でフレーム構造体2に面材21を設けることができる。また、フレーム構造体2を面材21で覆い隠さずに見せる意匠を構成できる。
また、面材21の上下方向中途部は、横桟フレーム7に近接して配置される。これにより、面材21の揺れを横桟フレーム7にて抑制して、面材21の揺れ過ぎを防止できる。
なお、本実施形態では、面材21の上下方向中途部は、平面視で屈曲した横桟フレーム7の外側に位置しているが、面材21の上下方向中途部が横桟フレーム7の屈曲の内側に位置するようにして面材21を吊り下げ支持することも可能である。このような面材21の配置の変更は、面材21の下縁部21bを持ち上げて、上フレーム4と横桟フレーム7との間を通すことで、容易に行える。これにより、使用者は、間仕切り装置1Aの配置場所や室内で生じる風の向きなどに応じて、横桟フレーム7に対する面材の配置を容易に変更でき、使い勝手が向上する。
また、面材21の下縁部21bは、縦フレーム3の下端部よりも高い位置で、下フレーム5とは隙間をあけて配置されている。これにより、面材21の下縁部21bの汚れを防止できるとともに、死角の発生を低減でき、例えば学校などの施設において使用者の安全性の確保や問題行動の抑制を実現できる。
面材21の下縁部21bには、棒状の錘部材22が取り付けられている。錘部材22は、例えば金属製の丸パイプで形成され、面材21の下縁部21bに設けられた折り返し部の袋状部分25(図10(A)参照)に挿通されることで、面材21に支持されている。錘部材22の重みで面材21の弛みが防止されるとともに、面材21の揺れ過ぎが防止されている。錘部材22の両端部には、面材21の下縁部からの錘部材22の抜けを防止する錘キャップ部材23が取り付けられている。錘キャップ部材23は、筒状の錘部材22の両端部を塞ぐ機能も有している。
図10(A)に示すように、面材21の下縁部には、縁部を折り返して縫い付けて形成した袋状部分25が形成されている。袋状部分25は、面材21の下縁部に沿って形成され、袋状部分25に棒状の錘部材22が挿通されている。
図10(A),(B)に示すように、面材21の上縁部21aには、面材21の幅方向に沿って延びる上下一対の面ファスナー27,28が上下方向に間隔をあけて設けられている。面ファスナー27,28は例えば縫い付け(接着でもよい)によって面材21に取り付けられている。一方の面ファスナー27は面材21の縁部に近接して配置されている。他方の面ファスナー28は、上フレーム4を巻き込むようにして面材21の上縁部21aを折り返したときに面ファスナー27に接合可能な位置に設けられている。
面材21の上縁部21aに、面ファスナー27,28が設けられていることで、シンプルかつ安価な構成で面材21をフレーム構造体2の上フレーム4に容易に取り付けることができる。また、使用者の用途応じて面材21を簡単に取り外し可能になり、利便性が向上する。
図11は、面材21の他の態様を示す図である。この面材21は、遮光性の布からなり、全面に多数の模様用の穴21cを有している。面材21として、多数の模様用の穴21cを有するものを用いることで、穴21cから反対側の様子を見ることや感じることができ、室内空間をゆるく仕切ることができる。なお、面材21の上縁部21aにおいて、面ファスナー27,28それぞれは、補強用の補助布29とともに面材21に縫い付けられている。また、面材21の下縁部21bにおいて、補強用の補助布26を挟んで折返し部分を縫い付けることで、袋状部分25が形成されている。
<第4実施形態>
次に、図12及び図13を参照しながら、間仕切り装置の第4実施形態について説明する。この実施形態は、間仕切り装置1Aに、互いに間隔をあけて配置された複数の縦長面材24からなる面材21を取り付けたものである。これらの縦長面材24は、可撓性を有する材料で形成され、例えば布で形成されている。
これらの縦長面材24の上縁部は、面材21の上縁部21aを構成し、縦長面材24の上縁部は面材21の下縁部21bを構成している。間隔をあけて配置された複数の縦長面材24の上縁部で構成されている。縦長面材24の上縁部21aは上フレーム4に取り付けられ、縦長面材24の下縁部21bはフレーム構造体2に連結されておらず、フリー状態になっている。また、これらの縦長面材24の下縁部21bは、1本の錘部材22を介して連結されている。これにより、複数の縦長面材24の下縁部21bは、バラバラに揺動せずに互いに連動して揺動するように構成されている。
本実施形態では、隣り合う縦長面材24の間に縦方向に延びる隙間を形成でき、その隙間を通じて面材21の裏側の様子を見たり感じたりすることができ、よりゆるい間仕切りを実現できる。
図13(C)に示すように、縦長面材24の下縁部21bには、袋状部分25が形成されるとともに、袋状部分25に挿通される錘部材22と、袋状部分25の内周面とが接着部材30にて接合されている。これにより、1本の錘部材22に取り付けられる複数の縦長面材24の下縁部21bの横ズレを防止でき、隣り合う縦長面材24の間隔を所定間隔に保って見栄えを維持することができる。また、間仕切り装置1Bを設置場所で組み立てる際に、1本の錘部材22に複数の縦長面材24の下縁部21bそれぞれを予め固着しておくことで、組立作業の容易化及び作業時間の短縮化が可能になる。
また、縦長面材24の上縁部21aにおいて、上下の面ファスナー27,28の間に、例えば皮材からなる滑り止め部材31が縫製又は接着にて取り付けられている。滑り止め部材31は、縦長面材24の上縁部21aを上フレーム4に取り付けたときに上フレーム4に接触して、滑り止めとして機能する。これにより、各縦長面材24について、上フレーム4に対する上縁部21aの位置ズレを防止でき、複数の縦長面材24で構成される面材21の見栄えを維持することができる。
なお、上下の面ファスナー27,28の間に滑り止め部材31を設ける構成や、錘部材22と袋状部分25の内周面とを接着部材30にて接合する構成は、図10及び図11に示した面材21にも適用可能である。
<第5実施形態>
次に、図14を参照しながら、間仕切り装置の第5実施形態について説明する。この実施形態は、図7及び図8に示した第2実施形態の間仕切り装置1Bに、複数の縦長面材24からなる面材21を取り付けたものである。
上述のように、間仕切り装置1Bは、フレーム構造体2が平面視で約120°に屈曲して自立可能に構成されている。フレーム構造体2の上フレーム4には、中央支柱フレーム6を挟んで両側に、互いに間隔をあけて配置された複数の縦長面材24からなる面材21が吊り下げ支持されている。
本実施形態において、図12及び図13に示した第4実施形態の面材21と同じである。平面視で約90°に屈曲した間仕切り装置1A(図12参照)と、約120°に屈曲した間仕切り装置1B(図14参照)とで、上フレーム4及び横桟フレーム7の直線状部分の長さはほぼ同じである。したがって、間仕切り装置1A,1Bに取り付ける面材21を共通化できる。このように、部品を共通化することで製造コストを抑制しながら、製品のバリエーションを多様化できる。
なお、フレーム構造体2が平面視で約120°に屈曲した間仕切り装置1Bにおいて、図10などを参照して説明した面材21や、図11などを参照して説明した模様用の穴21cを有する面材21を取り付けることも可能である。また、間仕切り装置1A,1Bにおいて、中央支柱フレーム6を挟む2面で、異なる種類の面材21を取り付けてもよく、間仕切り装置1A,1Bに取り付ける面材21の種類は適宜選択できる。
ここで、面材21の上縁部21aと上フレーム4とを連結する構成は、面材21の上縁部を上フレーム4に直接取り付けてもよいし、例えばS字フックなどの連結具を介して面材21の上縁部が上フレーム4に吊り下げ支持されてもよい。また、可撓性を有する面材21の材料は、布に限定されず、例えばビニールや皮、ゴムなどであってもよい。
<第6実施形態>
図15に示すように、第6実施形態の間仕切り装置1Cは、フレーム構造体2の一対の縦フレーム3,3に横架した第2横桟フレーム12を上フレーム4と横桟フレーム7との間の高さ位置に設け、第2横桟フレーム12に面材21を吊り下げ支持している。第2横桟フレーム12は、横桟フレーム7と同様に、コーナーフレーム12aと2本の直線状フレーム12bとが2つのフレーム連結具13(図4参照)で連結された構成を有する。なお、上フレーム4と横桟フレーム7との間の高さ位置に設ける第2横桟フレーム12の本数は2本以上であってもよく、この場合、いずれの第2横桟フレーム12に面材21を吊り下げ支持してもよい。このように、本発明の間仕切り装置における面材の吊り下げ支持の構成は、面材の上縁部が上フレームに連結される構成に限定されない。
<第7実施形態>
図16に示すように、本実施形態の間仕切り装置1Aには、一対の縦フレーム3,3の間に、上下2枚の面材32が張設されている。面材32は、例えば布で形成され、一方の側縁部32aが一方の縦フレーム3に取り付けられ、他方の側縁部32aが他方の縦フレーム3に取り付けられている。面材32の中途部は中央支柱フレーム6の外側を通っており、面材32は縦フレーム3と中央支柱フレーム6の間の面を塞ぐようにして配設されている。
上下2枚の面材32のうち、上側の面材32は上フレーム4と横桟フレーム7の間に設けられ、下側の面材32は横桟フレーム7と下フレーム5の間に設けられている。上側の面材32の上縁部は上フレーム4とは間隔をあけて配置され、下縁部は横桟フレーム7に近接配置されている。下側の面材32の上縁部は横桟フレーム7に近接配置され、下縁部は下フレーム5とは間隔をあけて配置されている。フレーム構造体2の上部及び下部に面材32で塞いでいない領域を設けることで、面材32によって目隠ししながら、ゆるい間仕切りを実現できる。
図17に示すように、面材32の側縁部32aには、上下方向に延びる一対の面ファスナー33,34が横方向に間隔をあけて取り付けられている。面ファスナー33,34は例えば縫い付け(接着でもよい)によって面材32に取り付けられている。一方の面ファスナー33は面材21の縁部に近接して配置され、他方の面ファスナー34は、縦フレーム3を巻き込むようにして面材32の側縁部32aを折り返したときに面ファスナー33と接合可能な位置に設けられている。
面材32の取付け時には、一方の縦フレーム3に一方の側縁部32aを取り付け、面材32を中央支柱フレーム6の外側を通しながら、他方の側縁部32aを他方の縦フレーム3に近づける。そして、他方の側縁部32aを他方の縦フレーム3に巻き込み、面材32を引っ張りながら面ファスナー33,34を接合することで、面材32を弛みなくピンと張った状態で取り付けることができる。また、接合した面ファスナー33,34を剥がすことで、使用者の用途応じて面材21を簡単に取り外し可能であり、高い利便性を有する。
<第8実施形態>
図18に示すように、本実施形態の間仕切り装置1Aでは、一対の縦フレーム3,3の間に、面材35が張設されている。面材35は、例えば1枚のビニールシートで形成され、上縁部35aが上フレーム4に取り付けられ、左右の側縁部35bが左右の縦フレーム3に取り付けられている。面材35は中央支柱フレーム6及び横桟フレーム7の外側に設けられており、縦フレーム3と中央支柱フレーム6の間の面を塞ぐようにして張設されている。面材35の下縁部35cと下フレーム5との間には隙間が形成されている。
面材35の上縁部35a及び側縁部35bには、例えばスナップボタンからなる着脱可能な止め具36が設けられている。複数の止め具36が上縁部35a及び側縁部35bに沿って設けられており、上フレーム4及び縦フレーム3を巻き込むようにして上縁部35a及び側縁部35bを折り返して止め具36にて固定することで、面材35がフレーム構造体2に着脱可能に取り付けられる。
本実施形態では、面材35は、表面を消毒用アルコールなどで拭き上げ可能な材料(例えばポリ塩化ビニル)にて形成されており、使用者の飛沫などが面材35に付着したとしても消毒可能であり、衛生を保つことができる。また、面材35は、透明又は半透明に形成されており、面材35の表裏面で光を通過させることで、室内空間をゆるく仕切ることができる。
なお、図16に示した面材32及び図18に示した面材35と同様の面材を、フレーム構造体2が平面視で約120°に屈曲した間仕切り装置1Bや、第2横桟フレーム12を有する間仕切り装置1Cに取付可能であることは言うまでもない。
<第9実施形態>
図19及び図20に示すように、第8実施形態の間仕切り装置1Aは、中央支柱フレーム6の上端部に連結した吊下げ用ポール41を備えている。吊下げ用ポール41は、オプション品の一例であり、中央支柱フレーム6の上端部に下端側(一端側)を抜き差し可能な棒材で形成されている。本実施形態では、吊下げ用ポール41はフレーム構造体2のフレーム3,4,5,6と同じ規格の丸鋼管で形成されている。
吊下げ用ポール41は、下端側が中央支柱フレーム6の上端部に連結されて鉛直方向に配設される鉛直部42と、鉛直部42の上端部から斜め上向きに延びる傾斜部43とを有しおり、側面視でくの字状の形態を有する。
傾斜部43の上端部(吊下げ用ポール41の他端側)には、鉤状のフック部材45が固着されている。フック部材45は、略L字形の金属製丸棒で形成され、先端側が傾斜部43の軸線に沿って斜め上向きになるようにして傾斜部43に溶接接合されている。
吊下げ用ポール41は、傾斜部43がフレーム構造体2の屈曲内側領域の上方に位置する姿勢で、吊下げ用ポール41に取り付けられている。吊下げ用ポール41のフック部材45に、照明装置46から延びるケーブル47の中途部を引っ掛けることで、吊下げ用ポール41の先端部に照明装置46が吊下げ支持されている。ケーブル47は、図示しないケーブル止め具にて吊下げ用ポール41及び中央支柱フレーム6に沿って延設される。
傾斜部43の上端部には、キャップ部材11が着脱可能に取り付けられる。例えば、中央支柱フレーム6の上端部から取り外したキャップ部材11を利用して傾斜部43に装着することで、コストを低減できるとともに、不要物の発生を抑制できる。
鉛直部42の下端部には、フレーム連結具13(図5など参照)と同じ構成のオプション連結具44が固着されている。鉛直部42へのオプション連結具44の固着方法は、パイプ4b,5b,7bへのフレーム連結具13の固着方法と同様である。
図20に示すように、オプション連結具44は、鉛直部42の下端から下向きに突出する軸部にねじ穴44aを備えている。そして、オプション連結具44は、ねじ穴44aの方向が平面視で傾斜部43の軸線と重なるようにして、鉛直部42に固着されている。
上述のように、中央支柱フレーム6の上端部の側面に、オプション品の端部を固定するためのねじ48を挿通可能なねじ挿通孔6bが形成されている。図20(B)に示すように、ねじ挿通孔6bは、上フレーム4の屈曲の内側から見て露出する位置に穿設されている。ねじ挿通孔6bの穿設方向は、平面視で約90°に屈曲した上フレーム4の2本の直線状部分の軸線がなす角(約90°)を二等分している。
吊下げ用ポール41を中央支柱フレーム6に取り付ける際には、中央支柱フレーム6の上端部に取り付けたキャップ部材11と、ねじ挿通孔6bを覆う目隠し部材16(図1参照)とを取り外し、吊下げ用ポール41の下端のオプション連結具44を中央支柱フレーム6の上端部に挿し込む。そして、オプション連結具44のねじ穴44aをねじ挿通孔6bに位置合わせした上で、ねじ穴44aにねじ挿通孔6bを介してオプション品取付用のねじ48をねじ込むことで、中央支柱フレーム6にオプション連結具44を固定する。
このように、フレーム構造体2の強度を向上させる中央支柱フレーム6の上端部を利用してオプション品を装着可能とすることで、低コストかつ簡単な連結構造にてオプション品を容易に着脱できる。また、フレーム構造体2では、上フレーム4の側面に中央支柱フレーム6の上端部の側面が固着されているので、平面視で中央支柱フレーム6の上端部を露出させることができ、簡単な構成でオプション品の着脱を容易にできる。
ここで、吊下げ用ポール41のフック部材45には、照明装置46以外のものを吊り下げ支持することも可能であり、例えばフック部材45に案内板を吊り下げてもよい。このように、物品を吊り下げ支持可能な吊下げ用ポール41をフレーム構造体2に取り付けることで、シンプルな構造で安価かつ容易に使用態様のバリエーションを広げることができる。
また、本実施形態では、図20(B)に示すように、オプション連結具44のねじ穴44aと中央支柱フレーム6のねじ挿通孔6bとを位置合わせすることで、吊下げ用ポール41の傾斜部43を上フレーム4の2本の直線状部分に対して中間位置に配置できる。これにより、フレーム構造体2に吊下げ用ポール41を簡単な作業で確実にバランスよく取り付けることができる。なお、吊下げ用ポール41の傾斜部43の向きは本実施形態に限定されず、例えば、傾斜部43をフレーム構造体2の屈曲外側領域に向けて配置してもよいし、使用者が傾斜部43の向きを変更可能に構成してもよい。
<第10実施形態>
図21及び図22を参照しながら、間仕切りシステムの一実施形態について説明する。本実施形態の間仕切りシステム100は、平面視で約120°に屈曲したフレーム構造体2をもつ間仕切り装置1Bを2つ備えている。これらの間仕切り装置1Bは、屈曲の内側面が互い意に対向するようにして、間隔をあけて配置されている。そして、2つの間仕切り装置1Bの間に、周囲の空間とは仕切られた空間が形成されている。
2つの間仕切り装置1Bの間の床面上に、カーペットや絨毯などの敷物49が配設されている。敷物49は、正六角形の3つの対辺のうち1つの対辺49a,49aが4本の他辺49bよりも長い横長六角形の平面形状を有している。敷物49の長手方向端部49cは、間仕切り装置1Bの屈曲内側で下フレーム5の中央屈曲部に近接して配置されている。そして、長手方向端部49cを挟む2本の辺49b,49bは、下フレーム5の2本の直線状部分に沿って近接配置されている。
上述のように、間仕切り装置1Bは、安定脚8が下フレーム5の屈曲の内側に位置する部分を切り欠いた形態を有することから、敷物49を安定脚に重畳させずに、平らな状態で見栄え良く配置できる。また、下フレーム5を、長手方向端部49cを挟む2本の辺49b,49bに沿って配置することで、間仕切り装置1Bを敷物49に対して所定の位置に正確に配置できるので、敷物49の位置を基準として、複数の間仕切り装置1Bを整然と配置できる。
間仕切り装置1Bの中央支柱フレーム6には、オプション品としての吊下げ用ポール41が取り付けられ、吊下げ用ポール41のフック部材45に照明装置46がケーブル47を介して吊り下げ支持されている。間仕切り装置1Bの中央支柱フレーム6は、間仕切り装置1Aの中央支柱フレーム6(図1参照)と同じ形態を有しており、吊下げ用ポール41を着脱可能に構成されている。
図22(B)に示すように、間仕切り装置1Bの中央支柱フレーム6に設けたねじ挿通孔6bの穿設方向は、平面視で約120°に屈曲した上フレーム4の2本の直線状部分の軸線がなす角を二等分している。これにより、オプション連結具44のねじ穴44aと中央支柱フレーム6のねじ挿通孔6bとを位置合わせして、ねじ48にて固定することで、吊下げ用ポール41の傾斜部43を上フレーム4の2本の直線状部分に対して中間位置に配置できる。したがって、フレーム構造体2に吊下げ用ポール41を簡単な作業で確実にバランスよく取り付けることができる。
本実施形態の間仕切りシステム100は、間仕切り装置1Bが枠状のフレーム構造体2で形成されているので、低コスト化及び軽量化を実現できるとともに、オープン性を確保しながら空間をゆるく仕切ることができる。また、死角の発生を低減でき、例えば学校などの施設において使用者の安全性の確保や問題行動の抑制を実現できる。
また、間仕切りシステム100は、間仕切り装置1Bに近接して敷物49を備えていることで、間仕切り装置1Bによって空間を仕切ることに加えて、敷物49によって区画領域が明確になるので、室内空間をゆるく且つ明確に区分けできる。
また、間仕切りシステム100において、間仕切り装置1Bに、面材21,32,35(図9、図12、図16、図18などを参照)を取り付けることも可能である。その場合、間仕切り装置1Bによる圧迫感を低減しながら、間仕切りシステム100にて区画される空間の境界を明確にできる。
なお、間仕切りシステム100は、敷物49を備えていない構成であっても、2つの間仕切り装置1Bで仕切られた空間を形成できるシステムであることは言うまでもない。
<第11実施形態>
図23及び図24を参照しながら、間仕切りシステムの他の実施形態について説明する。本実施形態の間仕切りシステム200は、屈曲の内側面が互い意に対向するようにして間隔をあけて配置された2つの間仕切り装置1Bを備えている。これらの間仕切り装置1Bは、屈曲の内側面が互い意に対向するようにして間隔をあけて配置されるとともに 中央支柱フレーム6の上端部に着脱可能な家型屋根フレーム50にて連結されている。2つの間仕切り装置1Bの間に、周囲の空間とは仕切られた空間が形成されている。
家型屋根フレーム50は、オプション品の他の例であり、両端部51,51がそれぞれ下向きに延びる棒材で構成されている。本実施形態では、家型屋根フレーム50はフレーム構造体2のフレーム3,4,5,6と同じ規格の丸鋼管で形成されている。
家型屋根フレーム50は、側面視で上向き凸状、かつ平面視で直線状の形態を有する。家型屋根フレーム50は、鉛直方向に沿って下向きに延びる両端部51,51と、端部51,51の上端部から斜め上向きに延びる傾斜部52,52と、傾斜部52,52の先端部同士を連結する頂部53とを有している。
端部51の下端部には、オプション連結具44が固着されている。オプション連結具44は、吊下げ用ポール41のオプション連結具44(図22参照)と同じものであり、端部51の下端から下向きに突出する軸部にねじ穴44aを備えている。家型屋根フレーム50では、ねじ穴44aの向きは、平面視で傾斜部52の軸線と重なっている。
家型屋根フレーム50は、両端部51,51のオプション連結具44,44を一方又は他方の間仕切り装置1Bの中央支柱フレーム6の上端部に挿し込むことで、2つの間仕切り装置1B,1Bを連結する。オプション連結具44は、中央支柱フレーム6のねじ挿通孔6bを介してねじ穴44aにねじ込まれるねじ48にて、中央支柱フレーム6に固定される。
上述のように、間仕切り装置1Bでは、中央支柱フレーム6のねじ挿通孔6bの穿設方向は、平面視で約120°に屈曲した上フレーム4の2本の直線状部分の軸線がなす角を二等分している。したがって、図23(B)及び図24(B)に示すように、オプション連結具44のねじ穴44aと中央支柱フレーム6のねじ挿通孔6bとを位置合わせすることで、平面視で直線状に延びる家型屋根フレーム50を間仕切り装置1Bの上フレーム4の2本の直線状部分に対して中間位置に配置できる。これにより、互いに対向配置される2つの間仕切り装置1Bを互いに真正面に相対するようにして、容易且つ正確にレイアウトできる。
家型屋根フレーム50の頂部53の下面には、略L字形の金属製丸棒で形成された鉤状のフック部材55が溶接接合にて固着されている。フック部材55に、照明装置46から延びるケーブル47の中途部を引っ掛けることで、家型屋根フレーム50の頂部53に照明装置46が吊下げ支持されている。ケーブル47は、図示しないケーブル止め具にて、家型屋根フレーム50の一方の傾斜部52及び端部51と一方の間仕切り装置1Bの中央支柱フレーム6とに沿って延設される。
図23に示すように、2つの間仕切り装置1Bの間の床面上に、カーペットや絨毯などの敷物56が配設されている。敷物56は、略正六角形の平面形状を有し、1つの角部及びその角部を挟む2辺が一方の間仕切り装置1Bの下フレーム5に沿って近接配置され、上記1つの角部の対角となる角部及びその角部を挟む2辺が他方の間仕切り装置1Bの下フレーム5に沿って近接配置されている。
本実施形態の間仕切りシステム200は、オプション品としての家型屋根フレーム50にて2つの間仕切り装置1B,1Bを連結することで、間仕切り装置1B,1Bの揺れや転倒を抑制できるとともに、2つの間仕切り装置1B,1Bで形成される空間を明確にできる。また、間仕切りシステム200は、家型屋根フレーム50にて連結された2つの間仕切り装置1B,1Bがフレーム構造体2の屈曲の内側面を互いに対向させて配置されていることから、2つの間仕切り装置1B,1Bと家型屋根フレーム50とで囲まれたアットホームな空間やシンボリックな空間を形成できる。
さらに、間仕切りシステム200は、2つの間仕切り装置1Bによって空間をゆるく仕切ることができることに加えて、敷物56を備えていることから、仕切られた領域を明確にできる。
なお、間仕切りシステム200において、間仕切り装置1Bに、面材21,32,35(図9、図12、図16、図18などを参照)を取付け可能であることは言うまでもない。また、間仕切り装置1Bに替えて90°に屈曲した間仕切り装置1Aを使用することも可能である。さらに、家型屋根フレーム50の形状は、平面視直線状で側面視上向き凸状のものに限定されず、例えば、平面視で屈曲又は湾曲していてもよいし、側面視で下向きに開口するコ字状であってもよい。
<第12実施形態>
図25~図28を参照しながら、間仕切りシステムのさらに他の実施形態について説明する。本実施形態の間仕切りシステム300は、2つの間仕切り装置1B,1Bとそれらを連結するスクリーンフレーム60とを備えている。
2つの間仕切り装置1B,1Bは、平面視で略コ字形をなすように、フレーム構造体2の屈曲の内側面が同じ側になるようにして、一方の縦フレーム3同士を近接させて配置されている。これらの縦フレーム3,3は、後述する連結具70にて連結されている。また、これらの縦フレーム3,3の上端部から水平に延びる2本の上フレーム4の直線状パイプ4bは、一直線上に配置されている。2つの間仕切り装置1Bの間に、周囲の空間とは仕切られた平面視略コ字形の空間が形成されている。
間仕切り装置1B,1Bそれぞれの中央支柱フレーム6の上端部に、スクリーンフレーム60が着脱可能に連結されている。スクリーンフレーム60は、オプション品の一例であり、それぞれ下向きに延びる両端部61,61を有する棒材で構成されている。
スクリーンフレーム60は、互いに平行かつ下向きに延びる一対の端部61,61と、端部61,61の上端部から互いに平行かつ斜め上向きに延びる一対の傾斜部62,62と、傾斜部62,62の先端部同士を連結する第1水平フレーム63と、傾斜部62,62の下端側の部位同士を連結する第2水平フレーム64とを備えている。
本実施形態では、スクリーンフレーム60はフレーム構造体2のフレーム3,4,5,6と同じ規格の丸鋼管で形成されている。端部61の下端部には、中央支柱フレーム6の上端部に差込み可能なオプション連結具44が固着されている。
スクリーンフレーム60において、一対の端部61,61の間隔及び一対の傾斜部62,62の間隔は、平面視で略コ字状に配置された2つの間仕切り装置1B,1Bの中央支柱フレーム6,6と同じ間隔に設けられている。換言すれば、スクリーンフレーム60の下端部に設けた一対のオプション連結具44,44を間仕切り装置1B,1Bの中央支柱フレーム6,6に差し込むことで、2つの間仕切り装置1B,1Bの位置が決まる。
図26に示すように、端部61に固着したオプション連結具44は、吊下げ用ポール41のオプション連結具44(図22参照)と同じものであり、端部51の下端から下向きに突出する軸部にねじ穴44aを備えている。オプション連結具44は、中央支柱フレーム6のねじ挿通孔6bを介してねじ穴44aにねじ込まれるねじ48にて、中央支柱フレーム6に固定される。
スクリーンフレーム60では、ねじ穴44aの向きは、平面視で傾斜部62の軸線に対して内向きに30°ずれた向きとなっている。なお、図26では、右側のオプション連結具44のみを図示しているが、左右のオプション連結具44において、ねじ穴44aの向きは左右対称に設けられる。スクリーンフレーム60のオプション連結具44のねじ穴44aと中央支柱フレーム6のねじ挿通孔6bとを位置合わせすることで、2つの間仕切り装置1Bにおいて隣り合う上直線状パイプ4bを同一直線上に配置できる。これにより、スクリーンフレーム60を使用することで、2つの間仕切り装置1B,1Bを正確にレイアウトできる。
図25~図27に示すように、2本の水平フレーム63,64は、床面と略水平で、かつ平面視で2つの間仕切り装置1B,1Bの中央支柱フレーム6,6を通る直線と平行に設けられる。図25(B)に示すように、水平フレーム63,64は、平面視で2つの間仕切り装置1B,1Bで囲まれた領域内に位置しており、間仕切り装置1Bの上直線状パイプ4b(上フレーム4)に対してずれた位置に配設されている。
水平フレーム63,64は、平面視で間隔をあけて設けられており、第1水平フレーム63の方が第2水平フレーム64よりも中央支柱フレーム6から離れている。ここで、水平フレーム63,64は、2つの間仕切り装置1B,1Bにおいて同一直線上に配置される上直線状パイプ4b,4bに対して平行に延びている。
図25~図27に示すように、スクリーンフレーム60にはスクリーンを構成する面材58が吊り下げ支持されている。面材58は、2つの間仕切り装置1B,1Bにおいて同一平面に配置される隣り合う2面に対向配置されている。
面材58は、上縁部58aがスクリーンフレーム60の第1水平フレーム63に取り付けられ、中途部が第2水平フレーム64とフレーム構造体2の上直線状パイプ4bとの間を通って、第2水平フレーム64から垂れさがっている。面材58の上縁部寄りの部分は、第1水平フレーム63と第2水平フレーム64との間に張設されている。
面材58の下縁部58bは、床面とは間隔をあけて配置される。下縁部58bは、面材21の下縁部21b(図9及び図10参照)と同様に、折り返し縫製にて袋状に設けられ、当該袋状部分に錘部材59が挿通されている。
図27(A)に示すように、面材58の上縁部58aには、面材58の幅方向に沿って延びる棒状部材69が取り付けられている。棒状部材69は、例えばロールスクリーンで使用されるウェイトバーにて構成される。そして、棒状部材69をスクリーンフレーム60の第1水平フレーム63に2~3周巻き付けることで、上縁部58aが第1水平フレーム63に着脱可能に固定されている。これにより、シンプルかつ安価な構成で、面材58をスクリーンフレーム60の第1水平フレーム63に容易に取り付けることができるとともに、使用者の用途に応じて面材21を簡単に取り外し可能になり、利便性が向上する。
ここで、面材58の下縁部58bに取り付ける錘部材59を、棒状部材69と同じもの(例えばウェイトバー)で構成することも可能である。この場合、棒状部材69と錘部材59とを同じ構造のウェイトバーにて構成することで、面材58を第1水平フレーム63に取り付ける際に上縁部58aと下縁部58bとを区別する必要がなくなり、取付け作業性が向上する。なお、面材58の上縁部58aの構成は、上記の構成に限らず、例えば、面材21の上縁部21a(図9及び図10参照)と同様に、一対の面ファスナーにて第1水平フレーム63に取り付けるようにしてもよい。
図25に示すように、間仕切りシステム300の左右両側に位置する間仕切り装置1Bの面に、複数の縦長面材24を有する面材21が吊り下げ支持されている。当該面材21は、図12などを参照して説明したものと同じである。
2つの間仕切り装置1B,1Bで囲まれた領域の床面上に、カーペットや絨毯などの敷物65が配設されている。間仕切り装置1B,1Bで囲まれた領域内で、敷物65の上に、プロジェクタ66を載置したスタンド67が配置されている。プロジェクタ66は、面材58に映像を投影可能な位置に配置される。
敷物65は、1組の対辺が他の辺に比べて長い横長六角形の平面形状を有しており、一方の長辺とその長辺を挟む2辺とが、間仕切り装置1B,1Bの下部(下フレーム5)に沿って配置されている。敷物65のおおむね半分の部分が間仕切り装置1B,1Bで囲まれた領域内に位置し、残りの部分はその領域からはみ出している。
図25に示すように、2つの間仕切り装置1B,1Bは、間仕切りシステム300の左右方向中央位置で近接配置される左右の縦フレーム3,3が連結具70にて連結されている。図28に示すように、連結具70は、隣り合う縦フレーム3,3を挟み込む2つの連結部材71,72を備えている。
連結部材71,72それぞれは、隣り合う縦フレーム3,3の側面に沿って配置される2つの円弧状の保持部73,73と、保持部73,73の間に設けた中間部74とを備えている。保持部73の内面には、縦フレーム3の側面に当接するゴム製の滑り止め部材75が貼り付けられている。
一方の連結部材71の中間部74には、皿ねじ78の頭部を収容可能に穴あけ加工されたねじ挿通孔76が形成され、他方の連結部材72には、ねじ挿通孔76に対応する位置にナット部材77が固着されている。2本の縦フレーム3を1組の連結部材71,72で挟み込んだ状態で、皿ねじ78をねじ挿通孔76を通じてナット部材77にねじ込んで締め付ける。これにより、2本の縦フレーム3,3が連結具70にて連結される。本実施形態では、上下3箇所に設けた3つの連結具70で2つの間仕切り装置1Bを連結している。
本実施形態の間仕切りシステム300のスクリーンフレーム60は、間仕切り装置1Bのフレーム構造体2とは平面視でずれた位置に第2水平フレーム64を備えているので、スクリーンを構成する面材58を、フレーム構造体2に阻害されることなく、第2水平フレーム64からまっすぐに垂れ下げることができる。
また、面材58の上縁部寄りの部分は、第1水平フレーム63と第2水平フレーム64との間に張設されて、2つの間仕切り装置1B,1Bで囲まれた空間の上方を覆っているので、こもり感を有する空間を形成できる。
本実施形態では、2つの間仕切り装置1B,1Bを連結するスクリーンフレーム60の2本の水平フレーム63,64のうち間仕切り装置1Bの中央支柱フレーム6から遠い方の第1水平フレーム63に面材58の上縁部58aを取り付けている。そして、その面材58を、中央支柱フレーム6に近い方の第2水平フレーム64とフレーム構造体2の上フレーム4との間に上方から通して垂れ下げている。これにより、1枚の面材58で、2本の水平フレーム63,64の間に面材58を張設してこもり感を有する空間を形成できるとともに、第2水平フレーム64から垂れ下げたスクリーンを形成できる。
図27(B)に示すように、第1水平フレーム63に上縁部58aを取り付けた面材58を、第2水平フレーム64及び上フレーム4を覆うようにして、2つの間仕切り装置1B,1Bで囲まれた空間の外側(屈曲の外側)へ垂れ下げるようにすれば、外側から見て水平フレーム63,64及び上フレーム4の一部分が面材で目隠しされた見栄えの良い間仕切りを形成できる。
なお、スクリーンフレーム60の第1水平フレーム63から2つの間仕切り装置1B,1Bで囲まれた空間の外側へ垂れ下げる面材は、例えば半透明の面材など、スクリーンとは別途設けるものであってもよい。また、スクリーンフレーム60に設ける水平フレームの本数は、1本であってもよいし、3本以上であってもよい。
また、間仕切りシステム300では、2つの間仕切り装置1B,1Bは、スクリーンフレーム60にて連結されているので、間仕切り装置1Bの揺れ及び転倒を抑制できる。さらに、2つの間仕切り装置1B,1Bが連結具70によって連結されているので、間仕切り装置1Bの揺れ及び転倒の抑制効果を向上できる。
<第13実施形態>
図29を参照しながら、間仕切りシステムのさらに他の実施形態について説明する。本実施形態の間仕切りシステム400では、2つの間仕切り装置1B,1Bを備えている。各間仕切り装置1Bは、オプション品としての吊下げ用ポール41を備えており、吊下げ用ポール41に照明装置46が吊り下げ支持されている。
2つの間仕切り装置1B,1Bは、平面視で略S字形をなすように、フレーム構造体2の屈曲の内側面が互い違いになるようにして、一方の縦フレーム3同士を近接させて配置されている。これらの縦フレーム3,3の上端部から水平に延びる2本の上フレーム4の直線状パイプ4bは、一直線上に配置されている。各間仕切り装置1Bの屈曲の内側に、開放性の高い間仕切り空間が形成されている。なお、これらの縦フレーム3,3は、上述の連結具70にて連結されていてもよい。
本実施形態では、間仕切り装置1Bは、図16及び図17を参照して説明した第7実施形態の間仕切り装置1Bと同様の構成を有し、一対の縦フレーム3,3間に張設した上下2枚の面材32を備えている。なお、本実施形態の間仕切り装置1Bは、上記第7実施形態の間仕切り装置1B(図16及び図17参照)と比較して、フレーム構造体2の高さ(縦フレーム3の長さ)が低く形成されるとともに、上側の面材32の上下幅が短くなっている。本実施形態と上記第7実施形態とで、間仕切り装置1Bの横桟フレーム7の高さ位置は同じである。
間仕切り装置1Bの屈曲の内側に、テーブル80が配置されている。テーブル80の天板81は、上辺の両端の内角が120°の等脚台形に形成されており、その等脚台形の上辺と一方の斜辺が間仕切り装置1Bの屈曲の内側面に近接配置されている。テーブル80は、天板81の4つの角部の下方から垂下した4本の脚部82を備えており、そのうちの3本の脚部82が間仕切り装置1Bの屈曲の内側面に近接配置されている。
上述のように、間仕切り装置1Bの安定脚8は下フレーム5の屈曲の内側に位置する部分を切り欠いた形態を有することから、テーブル80の脚部82を下フレーム5の屈曲部の内側に近接配置させても、当該脚部82が安定脚8に乗り上げることはない。これにより、テーブル80を、その安定性を確保しながら、間仕切り装置1Bに近接してまとまりよく配置できる。
以上、実施形態を説明したが、本発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
例えば、本発明を構成する間仕切り装置において、フレーム構造体は、平面視で90°又は120°に屈曲したものに限定されず、90°及び120°とは異なる角度で屈曲したものであってもよいし、また、平面視で湾曲したものであってもよい。