JP2022063747A - 保守支援装置および保守支援方法 - Google Patents
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Abstract
Description
上記保守支援装置において、前記各保守対象部は回転運動を行う回転体を含み、前記シミュレーション結果データは、前記各保守対象部に加わる予定トルク値を含み、前記寿命算出部は、前記予定トルク値を用いて前記各保守対象部の寿命消費率を算出してもよい。
上記保守支援装置において前記シミュレーション結果データは、前記予定トルク値に基づき行われた前記各保守対象部の応力解析の結果と、前記各保守対象部を構成する材料の機械的性質とを含み、前記寿命算出部は、前記応力解析の結果と、前記材料の機械的性質とを線形累積損傷則に適用することで、前記各保守対象部の寿命消費率を算出してもよい。
上記保守支援装置は、保守設定値を記憶する記憶部をさらに備え、前記保守時期算出部は、前記推定寿命に、前記記憶部から取得した前記保守設定値を掛けることで前記推奨保守時期を算出してもよい。
上記保守支援装置において、前記各保守対象部の保守作業に必要な保守費用を記憶する保守費用記憶部と、前記推奨保守時期と、前記保守費用とから、前記機械の単位時間当たりの維持費用を算出する維持費用算出部とをさらに備えてもよい。
以下、図1~図7を参照して、保守支援装置の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、保守支援装置1は、入力部11、記憶部12、取得部13、シミュレーション実施部14、寿命算出部15、保守時期算出部16、および、出力部17を備える。保守支援装置1は、CPU、ROM、RAM、ハードディスクなどのハードウェアにより構成されたコンピュータであって、例えば、デスクトップ型、ノート型、またはタブレット型の通常のコンピュータである。保守支援装置1は、機械の推奨保守時期を算出するためのコンピュータシステムである。
まず、取得部13は、記憶部12から、機械のシミュレーション条件データと、機械の運転条件とを取得する(ステップS1)。
続いて、寿命算出部15は、取得部13が取得したシミュレーション結果データを用いて、各保守対象部の寿命消費率を算出するための応力頻度解析工程を開始する。まず、寿命算出部15は、各保守対象部において得られた応力の変動パターンに対して、応力頻度解析を行う(ステップS4)。応力頻度解析では、応力の変動パターンを、互いに異なる複数の正弦波の和として表し、各正弦波が発生する頻度nを算出する。応力頻度解析には、二次元レインフロー法に代表される二次元頻度解析を用いる。各正弦波は、応力振幅と平均応力との組み合わせで表され、応力頻度解析の結果は、二次元ヒストグラムや、図5に示すような二次元分布図として表される。例えば、各正弦波がp種類の平均応力とq種類の応力振幅の組み合わせで表されるとき、図5では、横軸に平均応力σm、縦軸に応力振幅σaを示す平面において、応力振幅がσaj(j=1,2,…,p)であり平均応力がσmk(k=1,2…,q)である正弦波Wi(i=1,2,…,p×q)が発生する頻度nj,kの多寡が、当該平面上における色の濃さとして表される。平均応力がσm1、応力振幅がσa1である正弦波W1は、平均応力σm2、応力振幅がσa2である正弦波W2よりも色の薄いエリアに属しており、正弦波W1の発生頻度n1,1が正弦波W2の発生頻度n2,2よりも少ないことが示されている。
続いて、取得部13は、記憶部12から寿命消費率、機械の稼働計画、および、保守設定値を取得する(ステップS6)。そして、保守時期算出部16は、寿命消費率と、機械の稼働計画とを用いて、各保守対象部の推定寿命を算出する(ステップS7)。保守時期算出部16は、機械が1回運転したときの寿命消費率ΔDの数値を機械の稼働計画に基づき加算したとき、ΔDの総和が1に達するまでにかかる時間を、各保守対象部の推定寿命として算出する。
(1)保守支援装置1は、機械のシミュレーション条件データと運転条件とを用いて生成したシミュレーション結果データから、機械に含まれる複数の保守対象部の寿命消費率を算出する寿命算出部15と、寿命消費率と稼働計画とを用いて各保守対象部について算出された推定寿命に基づき、各保守対象部に保守作業を行うべき推奨保守時期を算出する保守時期算出部16と、を備える。そのため、機械の導入前を含めた機械が運転を開始する前から、各保守対象部の寿命消費率と推奨保守時期とを高い精度で算出することが可能となる。
続いて、図8を参照して、保守支援装置の第2実施形態について説明する。
図8に示すように、保守支援装置100は、使用者端末200、および、保守支援装置100が保守作業を支援する機械の一例である複数のエンジン試験装置2とネットワークNWを介して接続する。使用者端末200は、保守支援装置100の使用者が使用するコンピュータ端末である。保守支援装置100の使用者は、例えば、機械を製造する者であって、機械が運転を開始する前、例えば機械を導入するかどうかを検討する際の機械の見積り時に機械が備える保守対象部の寿命消費率、推定寿命、および、推奨保守時期を算出する者であって、また、機械が運転を開始した後に機械の運転状況に基づいて保守対象部の寿命消費率、推定寿命、および、推奨保守時期を更新する者である。機械の運転状況は、機械の運転に伴って検出された機械の状況を示す値であって、例えば、エンジンが出力したトルクの値、機械の温度、機械の運転音や振動の大きさである。
シミュレーション実施部204は、機械のシミュレーション条件データと機械の運転条件とを用いて機械のシミュレーションを実施して、シミュレーション結果データを生成する。シミュレーション結果データは、機械が運転条件に従って運転した際に機械の各要素にかかるトルクの大きさである予定トルク値の算出結果と、予定トルク値から算出した応力解析の結果とを含む。シミュレーション実施部204は、生成したシミュレーション結果データを記憶部202に記憶させる。
保守時期算出部106は、各保守対象部の寿命消費率と機械の稼働計画とを用いて保守対象部の推定寿命を算出し、そして、推定寿命と保守設定値とを用いて各保守対象部の推奨保守時期を算出する。推奨保守時期は、機械が運転を開始したときから各保守対象部に保守作業を行うことが推奨されるときまでの時間である。
(5)保守支援装置100と使用者端末200と複数の機械とは、ネットワークNWを介して接続する。シミュレーション実施部204は、ネットワークNWを介して各機械から取得した実トルク値を用いて応力解析の結果を修正する。寿命算出部105は、各機械が含む複数の保守対象部のそれぞれについて寿命消費率を算出するとともに、各機械が運転を開始した後、複数の保守対象部について修正された応力解析の結果に基づいて修正寿命消費率を算出する。そのため、機械の導入前を含めた機械が運転を開始する前に保守対象部の寿命消費率を算出した上で、機械が実際に出力した実トルク値をネットワークを介して取得して、保守対象部の修正寿命消費率を容易に算出することが可能となる。結果として、保守支援装置100は、推定寿命の精度を高めた修正推定寿命を算出し、そして、推奨保守時期をより精度高いものに更新することが可能となる。
・第1実施形態および第2実施形態において、保守支援装置1,100は、保守対象部の保守作業に必要な保守費用を記憶する保守費用記憶部と、機械の単位時間当たりの維持費用を算出する維持費用算出部とをさらに備えてもよい。維持費用算出部は、保守時期算出部16,106が算出した推奨保守時期と、保守費用とから、機械の単位時間当たりの維持費用を算出する。維持費用算出部は、例えば、機械の1年あたりの維持費用を算出する。上述した構成によれば、機械を導入する前を含めた機械が運転を開始する前から、各保守対象部の寿命消費率と推奨保守時期とに加えて機械の維持費用を算出することが可能ともなる。
・第1実施形態および第2実施形態において、応力頻度解析には、二次元レインフロー法に代表される二次元頻度解析を用いた。一方、応力頻度解析には極値法、最大最小法、レインフロー法、振幅法などの一次元頻度解析を用いてもよい。この場合、ステップS5において、二次元頻度解析の結果を一次元頻度解析の結果に換算する処理は不要である。
11,201…入力部
12,202…記憶部
13,103,203…取得部
14,204…シミュレーション実施部
15,105…寿命算出部
16.106…保守時期算出部
17,207…出力部
200…使用者端末
2…エンジン試験装置
21…クラッチ
22…中間軸
23…軸受
24…中間軸受箱
25…中間軸受軸
26…中間軸受軸延長軸
27A…第1カップリング
27B…第2カップリング
27C…第3カップリング
28…延長軸
29…トルク検出器
31…支柱
32…支柱
40…エンジン
50…動力計
NW…ネットワーク
Claims (8)
- 機械のシミュレーション条件データと前記機械の運転条件とを用いて生成された前記機械のシミュレーション結果データと、前記機械の稼働計画とを取得する取得部と、
取得した前記シミュレーション結果データから、前記機械に含まれる複数の保守対象部の寿命消費率を算出する寿命算出部と、
前記寿命消費率と前記機械の稼働計画とを用いて前記各保守対象部について算出された推定寿命に基づき、前記各保守対象部に保守作業を行うべき推奨保守時期を算出する保守時期算出部と、を備える
保守支援装置。 - 前記各保守対象部は回転運動を行う回転体を含み、
前記シミュレーション結果データは、前記各保守対象部に加わる予定トルク値を含み、
前記寿命算出部は、
前記予定トルク値を用いて前記各保守対象部の寿命消費率を算出する
請求項1に記載の保守支援装置。 - 前記シミュレーション結果データは、
前記予定トルク値に基づき行われた前記各保守対象部の応力解析の結果を含み、
前記寿命算出部は、
前記応力解析の結果と、前記各保守対象部を構成する材料の機械的性質とを線形累積損傷則に適用することで、
前記各保守対象部の寿命消費率を算出する
請求項2に記載の保守支援装置。 - 前記保守時期算出部は、
前記推定寿命に、任意に設定される保守設定値を掛けることで前記推奨保守時期を算出する
請求項1~3のいずれか一項に記載の保守支援装置。 - 前記各保守対象部の保守作業に必要な保守費用を記憶する保守費用記憶部と、
前記推奨保守時期と、前記保守費用とから、前記機械の単位時間当たりの維持費用を算出する維持費用算出部とをさらに備える
請求項1~4のいずれか一項に記載の保守支援装置。 - 前記機械が運転を開始した後、
前記取得部は、前記保守対象部に加わった実トルク値をさらに取得し、
前記寿命算出部は、前記シミュレーション結果データと前記運転条件と前記実トルク値とを用いて前記各保守対象部の修正寿命消費率を算出する
請求項1~5のいずれか一項に記載の保守支援装置。 - 前記取得部は、
ネットワークを介して接続した機械から取得した実トルク値を用いて修正された応力解析の結果を取得し、
前記寿命算出部は、前記各機械が含む複数の保守対象部について寿命消費率を算出するとともに、前記各機械が運転を開始した後、前記各機械が含む複数の保守対象部について前記実トルク値を用いて修正された応力解析の結果に基づいて修正寿命消費率を算出する
請求項6に記載の保守支援装置。 - 機械のシミュレーション条件データと前記機械の運転条件とを用いて生成された前記機械のシミュレーション結果データから、前記機械に含まれる保守対象部の寿命消費率を算出することと、
前記寿命消費率と前記機械の稼働計画とを用いて前記各保守対象部について算出された推定寿命に基づき、前記各保守対象部に保守作業を行うべき推奨保守時期を算出することと、を含む
保守支援方法。
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