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JP2021521228A - D−グルカロ−6,3−ラクトンモノエステル及びその製造方法 - Google Patents

D−グルカロ−6,3−ラクトンモノエステル及びその製造方法 Download PDF

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JP2021521228A
JP2021521228A JP2020556860A JP2020556860A JP2021521228A JP 2021521228 A JP2021521228 A JP 2021521228A JP 2020556860 A JP2020556860 A JP 2020556860A JP 2020556860 A JP2020556860 A JP 2020556860A JP 2021521228 A JP2021521228 A JP 2021521228A
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acid
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cycloalkyl
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JP2020556860A
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オールマン,ドミニク
ロイ,アブヒジート
ティスブルガー,ボリス
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ムライ,ラフル
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BASF SE
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BASF SE
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    • C07D307/02Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings
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    • C07D307/30Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having one double bond between ring members or between a ring member and a non-ring member with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
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Abstract

本発明は、D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステル生成物、及びD-グルカロ-6,3-ラクトンと少なくとも1種のアルコールとの少なくとも1種の鉱酸又は少なくとも1種のルイス酸又は少なくとも1種のカルボン酸又は少なくとも1種のスルホン酸の存在下での反応による、その製造方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、D-グルカロ-6,3-ラクトンとアルコールから得られるモノエステル化生成物及びその製造方法に関する。
サッカリン酸又はグルカル酸は糖、例えばグルコースを硝酸で酸化することによって得られる。グルカル酸のナトリウム塩は食器洗い機の洗剤に使用されている。硬水中でグルカル酸のナトリウム塩は、カルシウム及びマグネシウムイオンのキレート剤として作用して、洗剤の効率をより良くする。グルカル酸のナトリウム塩の有用性のため、殆どの洗剤において環境上問題のあるリン酸塩に取って代わって来ている。
グルカル酸はラクトン酸の2つの異性体、即ち(1,4)及び(3,6)D-グルカロ-ラクトン酸を形成する。D-グルカロ-6,3-ラクトン酸は水性溶液中で並外れた安定性を有し、対応する二塩基酸に加水分解しない。
Figure 2021521228
D-サッカリン酸のエチル、プロピル、ブチル及びアミルモノエステルはZinner et.al.により合成された[Chem Ber 1956, 1503]。活性化されたカチオン交換体とアルコールを用いたグルカロ-3,6-ラクトン酸のエステル化により、トリベンゾエート及びトリス-p-ニトロベンゾエートとしても特徴付けられるグルカロ-3,6-ラクトン酸モノエステルが生成する。
EP0526301A1はオクチル、ドデシル、オクタデシル、ヘキシルグルカロ-1,4-ラクトンモノエステルの合成を開示している。しかしながら、グルカロ-6,3-ラクトンモノエステルに関する指摘は前記文献にはない。
L.A. Mai [Institute of Chemistry of the Academy of Science of the Latvian SSR, Vol. 31. No.8, 1961]はグルカロ-6,3-ラクトンモノエステルのメチルエステルのジラクトンからの合成方法を開示している。
Heslop and Smith [Journal of Chemical Society, 1944, pages 633-636]は、グルカロ-6,3-ラクトンモノエステルのメチルエステルのD-グルコサッカロ-1,4,3,6-ジラクトンからの合成方法を開示している。
WO2016/131672はジエステルのジラクトンからの製造方法を開示している。WO2016/131672は、モノエステルがこの反応で形成される生成物の1つであると記載している。D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステルの製造における欠点の1つは、副生成物の1つとしてジエステルが形成されることである。D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステルを選択的に得るための現在の技術は最終生成物の低い収率及び純度の点から満足なものではない。また、望ましくない生成物、例えばジエステル及び酸の比較的高い収率及び選択性のため、利用可能な技術は不都合となる。
EP0526301A1 WO2016/131672
Zinner et.al. [Chem Ber 1956, 1503] L.A. Mai [Institute of Chemistry of the Academy of Science of the Latvian SSR, Vol. 31. No.8, 1961] Heslop and Smith [Journal of Chemical Society, 1944, pages 633-636]
したがって、本発明の目的は、ジエステル、D-グルカロ-1,4-ラクトンモノエステル及びジラクトンの形成が最小になるか又は除外されるようにプロセス条件を最適化することにより本発明を経済的なものとするプロセス条件で高い純度を有するD-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステルを選択的に製造する方法を提供することであった。
驚くべきことに、D-グルカロ-6,3-ラクトン酸と一般式(I)のアルコールとの酸触媒の存在下での反応により、D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステルを生成する経済的で極めて選択的な方法が得られることが判明した。本発明の最適化されたプロセス条件により、ジエステル、D-グルカロ-1,4-ラクトンモノエステル及びジラクトンを微量でのみ形成するか又は形成することなく、D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステルを製造する選択的で経済的な方法が提供される。
したがって、一態様において、本発明は、D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステルの選択的な製造方法であって、
(A)D-グルカロ-6,3-ラクトンを、一般式(I)
R1-OH(I)
[式中
R1は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、
YはO及びSを表し、
R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル
を表す)
を表す]
の少なくとも1種のアルコールと、少なくとも1種の鉱酸又は少なくとも1種のルイス酸又は少なくとも1種のカルボン酸又は少なくとも1種のスルホン酸の存在下で反応させて、一般式(II)
Figure 2021521228
[式中
R1は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、
YはO又はSを表し、
R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル
を表す)
を表す]
の化合物を得るステップを含む、方法を対象とする。
別の態様において、本発明は、一般式(II)
Figure 2021521228
[式中
R1は、
非置換の直鎖若しくは分岐C6-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、
YはO又はSを表し、
R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル
を表す)
を表す]
の化合物を対象とする。
本発明の組成物及び配合物について記載する前に、記載される特定の組成物及び配合物は当然ながら変化し得るので、本発明がそのような組成物及び配合物に限定されないことを理解されたい。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって制限されるのみであるから本明細書で使用される専門用語は限定することを意図していないことも理解されたい。
以後ある群が少なくとも一定数の実施形態を含むと定義されるならば、これは好ましくはこれらの実施形態のみからなる群も包含することを意味する。また、本明細書及び特許請求の範囲中で用語「第1」、「第2」、「第3」又は「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」等などは同様な要素同士を区別するために使用され、必ずしも一連の又は年代の順序を記載するためではない。そうして使用される用語は適当な状況下で互換可能であり、本明細書に記載されている本発明の実施形態は本明細書に記載又は例示されているのと異なる順序で実施可能であることを理解されたい。用語「第1」、「第2」、「第3」又は「(A)」、「(B)」及び「(C)」又は「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」、「i」、「ii」等が方法又は使用又は検定のステップに関連する場合、ステップ間に時間又は時間間隔の一致はなく、すなわち、本明細書中上記又は後記されるように、本出願中で他に示されない限り、ステップは同時に実施してもよいし、又はそのようなステップ間に数秒、数分、数時間、数日、数週、数か月又はさらには数年の時間間隔があってもよい。
また、明細書を通じて規定されている範囲は終値も含む。即ち、1〜10の範囲は1と10の両方がその範囲に含まれることを示している。誤解を避けるために、出願人は適用法令に従ってあらゆる等価な値を得る権利がある。
以下の節において、本発明のいろいろな態様がより詳細に定義される。そのように定義される各々の態様は、明らかにそれとは反対に示されない限り、いずれか他の態様(複数可)と組み合わせることができる。特に、好ましい又は有利であるとして示されているいずれの特徴も、好ましい又は有利であるとして示されているいずれか他の特徴(複数可)と組み合わせてもよい。
本明細書を通じて「一実施形態(one embodiment)」又は「一実施形態(an embodiment)」に対する言及は、その実施形態に関連して記載されている特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通じて様々な場所で語句「一実施形態(one embodiment)において」又は「一実施形態(an embodiment)において」の出現は必ずしもすべてが同じ実施形態を指すものではないが、そうであってもよい。また、特定の特徴、構造又は特性は本開示から当業者に明らかなように1つ以上の実施形態でいずれかの適切な方法で組み合わせることができる。また、本明細書に記載されている幾つかの実施形態は、他の実施形態に含まれる幾つかの特徴を含むが他の特徴は含まず、異なる実施形態の特徴の組合せは本発明の範囲内であることを意味し、当業者には理解されるように異なる実施形態を形成する。例えば、添付の特許請求の範囲において、特許請求の範囲に記載の実施形態のいずれかをいかなる組合せで使用することもできる。
したがって、D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステルを製造する方法は、
(A)D-グルカロ-6,3-ラクトンを、一般式(I)
R1-OH(I)
[式中
R1は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル、又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、
YはO又はSを表し、
R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル
を表す)
を表す]
の少なくとも1種のアルコールと、少なくとも1種の鉱酸又は少なくとも1種のルイス酸又は少なくとも1種のカルボン酸又は少なくとも1種のスルホン酸の存在下で反応させて、一般式(II)
Figure 2021521228
[式中
R1は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル、又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、
YはO又はSを表し、
R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル
を表す)
を表す]
の化合物を得るステップを含む。
より好ましくは、D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステルを製造する方法は、
(A)D-グルカロ-6,3-ラクトンを、一般式(I)
R1-OH(I)
[式中
R1は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル、又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、
YはO又はSを表し、
R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル
を表す)
を表す]
の少なくとも1種のアルコールと、少なくとも1種のルイス酸又は少なくとも1種のカルボン酸又は少なくとも1種のスルホン酸の存在下で反応させて、一般式(II)
Figure 2021521228
[式中
R1は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル、又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、
YはO又はSを表し、
R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル
を表す)
を表す]
の化合物を得るステップを含む。
最も好ましくは、D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステルを製造する方法は、
(B)D-グルカロ-6,3-ラクトンを、一般式(I)
R1-OH(I)
[式中
R1は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル、又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、
YはO又はSを表し、
R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル
を表す)
を表す]
の少なくとも1種のアルコールと、少なくとも1種のルイス酸又は少なくとも1種のカルボン酸の存在下で反応させて、一般式(II)
Figure 2021521228
[式中
R1は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル、又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、
YはO又はSを表し、
R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル
を表す)
を表す]
の化合物を得るステップを含む。
特に好ましくは、D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステルを製造する方法は、
(C)D-グルカロ-6,3-ラクトンを、一般式(I)
R1-OH(I)
[式中、
R1は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、
YはO又はSを表し、
R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル
を表す)
を表す]
の少なくとも1種のアルコールと、少なくとも1種のルイス酸の存在下で反応させて、一般式(II)
Figure 2021521228
[式中、
R1は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル、又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、
YはO又はSを表し、
R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル
を表す)
を表す]
の化合物を得るステップを含む。
別の好ましい実施形態において、本発明は、D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステルを製造する方法であって、
(D)D-グルカロ-6,3-ラクトンを、一般式(I)
R1-OH(I)
[式中
R1は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル、又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、
YはO又はSを表し、
R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル
を表す)
を表す]
の少なくとも1種のアルコールと、Al(CH3-SO3)3の存在下で反応させて、一般式(II)
Figure 2021521228
[式中、
R1は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル、又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、
YはO又はSを表し、
R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル
を表す)
を表す]
の化合物を得るステップを含む、方法を対象とする。
D-グルカロ-6,3-ラクトン(式III)
Figure 2021521228
アルドースの、例えば臭素-水による酸化はアルデヒド基のみに作用し、アルデヒド基をカルボキシル基に変換する。用語「アルドース」とは、アルデヒド基を分子当たり1つだけ含有する単糖をいう。酸化生成物はアルドン酸と呼ばれ、例えばD-グルコン酸はD-グルコースから得られる。アルドースをより強く、例えば濃硝酸で酸化すると、一級アルコール基及びアルデヒド基がカルボキシル基に変換される。生成物はアルダル酸として知られているポリヒドロキシジカルボン酸である。
アルダル酸の一例はグルコースから誘導されるアルダル酸、即ちサッカリン酸としても知られるD-グルカル酸である。D-グルカル酸を得るには慣用の技術を使用できる。そのような技術は当業者に公知である。それにもかかわらず、US2,472,168は酸素と塩基の存在下で白金触媒を用いたD-グルカル酸のグルコースからの製造方法を例示している。US6,049,004、US5,599,977、US6,498,269及びUS8,669,397に開示されている他の酸化方法も使用できる。
D-グルカロ-6,3-ラクトンはまた、様々な利用可能な技術でも得ることができる。1つのそのような技術がChen及びKielyにより論じられており[J. Org. Chem. 1996, 61, 5847-5851]、そこではカチオン交換樹脂がD-グルカル酸一カリウムと水の混合物に加えられる。さらに酸形態のカチオン交換樹脂が加えられ、その後ろ過と濃縮が行われる。D-グルカロ-6,3-ラクトンは2〜3日の結晶化後白色の固体の形態で得られ、頭部(head)、尾部(tail)ヒドロキシル化ナイロンの合成に使用される。Troyらは[J. Org. Chem. 2009, 74, 8373-8376]アセトン-水の存在下でのD-グルカル酸カルシウム四水和物の硫酸による酸性化を開示している。酸性化ステップの後にろ過、減圧操作及び濃縮ステップが続き、最終的にD-グルカル酸、D-グルカロ-1,4-ラクトン、D-グルカロ-6,3-ラクトン及びD-グルカロ-1,4:6,3-ラクトンの一定比率の混合物の固体粒子を含有する濃縮水溶液を得る。本発明においては、D-グルカロ-6,3-ラクトンの選択はそれを製造するのに使用される方法に制限されない。当業者はそのような方法を知っており、利用可能な技術のいずれかを使用して同じものを得ることができる。
一般式I(R1-OH)のアルコール
本発明においては、一般式Iのアルコールは
R1-OH(I)であり、
R1は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、
YはO又はSを表し、
R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル
を表す)
を表す。
好ましい実施形態において、
R1は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、
YはO又はSを表し、
R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル
を表す)
を表し、
より好ましくは、R1は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換のC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC3-C10シクロアルケニル又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、YはOであり、
R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル
を表す)
であり、
さらにより好ましくは、R1は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換のC3-C10シクロアルキル又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、YはOであり、
R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル
を表す)
であり、
最も好ましくは、R1は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換のC3-C10シクロアルキル又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、YはOであり、
R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル
を表す)
であり、
特に好ましくは、R1は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)
である。
本発明との関連で、本明細書で使用される用語「アルキル」は、一般式CnH2n+1(nは炭素原子の数1、2、3、4等である)で表される直鎖又は分岐のアルキル飽和炭化水素基を含む非環式の飽和脂肪族基を指す。
好ましい実施形態において、非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキルは、C1-C20の炭素原子、より好ましくはC2-C20の炭素原子、さらにより好ましくはC3-C20の炭素原子、最も好ましくはC4-C20の炭素原子、特に好ましくはC5-C20の炭素原子、さらに特に好ましくはC6-C20の炭素原子を有する分岐又は非分岐の飽和炭化水素基を指す。
好ましい実施形態において、R1は非置換の直鎖C1-C20アルキルを表し、好ましくは限定されることはないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル及びエイコシルからなる群から選択され、より好ましくはヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル及びエイコシルからなる群から選択される。
好ましい実施形態において、R1は非置換の分岐C1-C20アルキルを表し、限定されることはないが、イソプロピル、イソ-ブチル、ネオ-ペンチル、2-エチル-ヘキシル、2-プロピル-ヘプチル、2-ブチル-オクチル、2-ペンチル-ノニル、2-ヘキシル-デシル、イソ-ヘキシル、イソ-ヘプチル、イソ-オクチル、イソ-ノニル、イソ-デシル、イソ-ドデシル、イソ-テトラデシル、イソ-ヘキサデシル、イソ-オクタデシル及びイソ-エイコシルからなる群から選択され、より好ましくは2-エチル-ヘキシル、2-プロピル-ヘプチル、2-ブチル-オクチル、2-ペンチル-ノニル、2-ヘキシル-デシル、イソ-ヘキシル、イソ-ヘプチル、イソ-オクチル、イソ-ノニル、イソ-デシル、イソ-ドデシル、イソ-テトラデシル、イソ-ヘキサデシル、イソ-オクタデシル及びイソ-エイコシルからなる群から選択される。
好ましい実施形態において、R1は非置換の直鎖又は分岐アルケニルを表し、好ましくはC2-C20炭素原子、より好ましくはC3-C20炭素原子、さらにより好ましくはC4-C20炭素原子、最も好ましくはC5-C20炭素原子、特に好ましくはC6-C20炭素原子から選択され、いずれかの位置に少なくとも1個のC=C二重結合、好ましくは1〜5個のC=C二重結合、より好ましくは1〜4個のC=C二重結合、さらにより好ましくは1〜3個のC=C二重結合、最も好ましくは1〜2個のC=C二重結合、特に好ましくは1個のC=C二重結合を有し、各々の場合、各々の炭素原子は1個より多くの二重結合に関与しない。
少なくとも1個の二重結合を含有するC2-C20アルケニルの代表的な例には、限定されることはないが、1-プロペニル、1-ブテニル、1-ペンテニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、1-ヘプテニル、2-ヘプテニル、1-オクテニル、2-オクテニル、1-ノネニル、2-ノネニル、1-デセニル、2-デセニル、1-ウンデセニル、2-ウンデセニル、1-ドデセニル、2-ドデセニル、1-トリデセニル、2-トリデセニル、1-テトラデセニル、2-テトラデセニル、1-ペンタデセニル、2-ペンタデセニル、1-ヘキサデセニル、2-ヘキサデセニル、1-ヘプタデセニル、2-ヘプタデセニル、1-オクタデセニル、2-オクタデセニル、1-ノナデセニル、2-ノナデセニル、1-エイコセニル及び2-エイコセニルがあり、より好ましくは1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、1-ヘプテニル、2-ヘプテニル、1-オクテニル、2-オクテニル、1-ノネニル、2-ノネニル、1-デセニル、2-デセニル、1-ウンデセニル、2-ウンデセニル、1-ドデセニル、2-ドデセニル、1-トリデセニル、2-トリデセニル、1-テトラデセニル、2-テトラデセニル、1-ペンタデセニル、2-ペンタデセニル、1-ヘキサデセニル、2-ヘキサデセニル、1-ヘプタデセニル、2-ヘプタデセニル、1-オクタデセニル、2-オクタデセニル、1-ノナデセニル、2-ノナデセニル、1-エイコセニル及び2-エイコセニルから選択される。
本発明においては、2個の二重結合を含有するC2-C20-アルケニルの代表的な例には、限定されることはないが、1,4-ヘキサジエニル、1,3-ヘキサジエニル、2,5-ヘキサジエニル、3,5-ヘキサジエニル、2,4-ヘキサジエニル等がある。
本発明においては、3個の二重結合を含有するC2-C20-アルケニルの代表的な例には、限定されることはないが、1,3,5-ヘキサトリエニル、1,3,6-ヘプタトリエニル、1,4,7-オクタトリエニル又は2-メチル-1,3,5-ヘキサトリエニル等がある。
本発明においては、4個の二重結合を含有するC2-C20-アルケニルの代表的な例には、限定されることはないが、1,3,5,7-オクタテトラエニル、1,3,5,8-ノナテトラエニル、1,4,7,10-ウンデカテトラエニル、2-エチル-1,3,6,8-ノナテトラエニル、2-エテニル-1,3,5,8-ノナテトラエニル等がある。
本発明においては、5個の二重結合を含有するC2-C20-アルケニルの代表的な例には、限定されることはないが、1,3,5,7,9-デカペンタエニル、1,4,6,8,10-ウンデカペンタエニル、1,4,6,9,11-ドデカペンタエニル等がある。
本発明においては、非置換又は分岐のC3-C10シクロアルキルという用語は、単環式及び二環式で3〜10員の飽和脂環式基を指す。
好ましい実施形態において、R1は非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキルを表し、好ましくはC3-C10、より好ましくはC4-C10、最も好ましくはC5-C10、特に好ましくはC6-C10から選択される単環式及び二環式である。
非置換又は分岐のC3-C10単環式及び二環式シクロアルキルの代表的な例には、限定されることはないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル及びビシクロ[3.1.1]ヘプチルがある。
C3-C10単環式及び二環式シクロアルキルはさらに、1つ以上の同一又は異なるアルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、n-ペンチル、イソ-ペンチル、ネオ-ペンチル等で分岐していることができる。分岐したC3-C10単環式及び二環式シクロアルキルの代表的な例には、限定されることはないがメチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル等がある。
好ましい実施形態において、R1は非置換又は分岐のC3-C10シクロアルケニルを表し、これは1個以上の二重結合を含む単環式及び二環式で3〜10員、より好ましくはC4-C10、最も好ましくはC5-C10、特に好ましくはC6-C10の不飽和脂環式基を指す。C3-C10シクロアルケニルの代表的な例には、限定されることはないが、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロノネニル又はシクロデセニルがある。これらの基は1つ以上の同一又は異なるアルキル基、好ましくはメチル、エチル、n-プロピル又はイソ-プロピルで分岐していることができる。分岐したC3-C10単環式及び二環式のシクロアルケニルの代表的な例には、限定されることはないがメチルシクロヘキセニル、ジメチルシクロヘキセニル等がある。
本発明との関連において、用語アルキレンとは、非環式の飽和炭化水素鎖を指し、これは異なる部分を併せ持つ。アルキレン基の代表的な例には、限定されることはないが、-CH2-CH2-、-CH2-CH(CH3)-、-CH2-CH(CH2CH3)-、-CH2-CH(n-C3H7)-、-CH2-CH(n-C4H9)-、-CH2-CH(n-C5H11)-、-CH2-CH(n-C6H13)-、-CH2-CH(n-C7H15)-、-CH2-CH(n-C8H17)-、-CH(CH3)-CH(CH3)-、-(CH2)3-、-(CH2)4-、-(CH2)5-、-(CH2)6-、-(CH2)8-、-(CH2)10-、-C(CH3)2-、-CH2-C(CH3)2-CH2-、及び-CH2-[C(CH3)2]2-CH2-がある。好ましいC2-C10-アルキレンは-CH2-CH2-、CH2-CH(CH3)-、-CH2-CH(CH2CH3)-、-CH2-CH(n-C3H7)-、-CH2-CH(n-C4H9)-、-CH2-CH(n-C6H13)-、及び-(CH2)4-である。
好ましい実施形態において、R1は非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキルを表し、これはC3-C10シクロアルキル基を併せ持つ非環式の飽和炭化水素鎖を指す。アルキレン鎖は分岐又は直鎖であることができ、非置換であり、C1-C10アルキレンの場合1〜10個の炭素原子を、又はC1-C6アルキレンの場合1〜6個の炭素原子を含む。C3-C10シクロアルキルは単環式及び二環式で3〜10員、より好ましくはC4-C10、さらにより好ましくはC5-C10、最も好ましくはC5-C10、特に好ましくはC6-C10の飽和脂環式基を指す。
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキルの代表的な例には、限定されることはないが、-CH2-(C3H5)、-CH2-(C4H7)、-CH2-(C5H9)、-CH2-(C6H11)、-CH2-(C7H13)、-CH2-CH2(C3H5)、-CH2-CH2(C4H7)、-CH2-CH2(C5H9)、-CH2-CH2(C6H11)、-CH2-CH(C7H13)-、-CH2-CH(C6H11)-、-CH2-CH(C5H9)がある。
好ましい実施形態において、R1は非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニルを表し、これはC3-C10シクロアルケニル基を併せ持つ非環式の飽和炭化水素鎖を指す。アルキレン鎖は分岐又は直鎖であることができ、非置換であり、C1-C10アルキレンの場合1〜10個の炭素原子を、又はC1-C6アルキレンの場合1〜6個の炭素原子を含む。C3-C10シクロアルケニルは少なくとも1個のC=C二重結合を有する単環式及び二環式で3〜10員、より好ましくはC4-C10、さらにより好ましくはC5-C10、最も好ましくはC5-C10、特に好ましくはC6-C10の不飽和脂環式基を指す。
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニルの代表的な例には、限定されることはないが、-CH2-(C3H3)、-CH2-(C4H5)、-CH2-(C5H7)、-CH2-(C6H9)、-CH2-(C7H11)、-CH2-CH(C5H7)、-CH2-CH2(C6H9)、-CH2-CH(C7H11)、-CH2-CH(C7H9)-、-CH2-CH(C6H7)-、-CH2-CH(C5H5)-がある。
好ましい実施形態において、R1は-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数であり、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜7、さらにより好ましくは2〜6、最も好ましくは3〜6、特に好ましくは3〜5の範囲である)を表す。-(CH2CH2O)nHの代表的な例には、限定されることはないが、-(CH2CH2O)2H、-(CH2CH2O)3H、-(CH2CH2O)4H、-(CH2CH2O)5H、-(CH2CH2O)6H、-(CH2CH2O)12H、-(CH2CH2O)15H等がある。
好ましい実施形態において、R1は-(CH2)nYR2を表す。本発明との関連で、用語「n」は1〜20、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜6から選択される整数である。本発明との関連で、YはO又はSを表し、より好ましくはYはOを表す。
好ましい実施形態において、R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル
を表し、
より好ましくは、R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C8-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C8-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル
を表し、
最も好ましくはR2は、
非置換の直鎖C8-C18アルキル又は
非置換の直鎖C8-C18アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC6-C10シクロアルキル
を表し、
特に好ましくはR2は、
非置換の直鎖C10-C18アルキル又は
非置換の直鎖C10-C18アルケニル
を表す。
本発明においては、用語非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニルは上述と同じ定義を有する。

好ましい実施形態において、ステップ(A)で少なくとも1種の酸は鉱酸、ルイス酸、カルボン酸及びスルホン酸からなる群から選択され、より好ましくは少なくとも1種の酸は鉱酸、ルイス酸及びスルホン酸からなる群から選択され、さらにより好ましくは少なくとも1種の酸は鉱酸及びルイス酸からなる群から選択され、最も好ましくは少なくとも1種の酸はルイス酸である。
別の好ましい実施形態において、鉱酸は硫酸、塩酸、リン酸、過塩素酸、硝酸、亜硝酸、亜硫酸、塩素酸、亜塩素酸及び次亜塩素酸からなる群から選択され、より好ましくは鉱酸は硫酸及び塩酸から選択され、さらにより好ましくは鉱酸は硫酸である。
別の好ましい実施形態において、ルイス酸は、
a)AsX3、GaX3、BX3、BX3・(C2H5)2O、BX3・S(CH3)2、AlX3、(C2H5)2AlX、SbX3、SbX5、SnX2、MgX2、MgX2・O(C2H5)2、ZnX2、BiX3、FeX2、TiX2、TiX4、NbX5、NiX2、CoX2、HgX2(式中、Xは各々の場合にF、Cl、Br、SO3、CF3-SO3、CH3-SO3、又はIを表す)、
b)BH3、B(CH3)3、GaH3、AlH3、Al(アセテート)(OH)2、Al[OCH(CH3)2]3、Al(OCH3)3、Al(OC2H5)3、Al2O3、(CH3)3Al、Ti[OCH(CH3)2]3Cl、Ti[OCH(CH3)2]4、メチルアルミニウムジ-(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシド)、メチルアルミニウムジ-(4-ブロモ-2,6-ジ-tert-ブチルフェノキシド)、LiClO4
c)Mg(アセテート)2、Zn(アセテート)2、Ni(アセテート)2、Ni(NO3)2、Co(アセテート)2、Co(NO3)2、Cu(アセテート)2、Cu(NO3)2、Li(アセテート)、Zr(アセチルアセトネート)4、Si(アセテート)4、K(アセテート)、Na(アセテート)、Cs(アセテート)、Rb(アセテート)、Mn(アセテート)2、Fe(アセテート)2、Bi(アセテート)3、Sb(アセテート)3、Sr(アセテート)2、Sn(アセテート)2、Zr(アセテート)2、Ba(アセテート)2、Hg(アセテート)2、Ag(アセテート)、Tl(アセテート)3、Sc(フルオロメタンスルホネート)3、Ln(フルオロメタンスルホネート)3、Ni(フルオロメタンスルホネート)2、Ni(トシレート)2、Co(フルオロメタンスルホネート)2、Co(トシレート)2、Cu(フルオロメタンスルホネート)2及びCu(トシレート)2
からなる群から選択される金属含有化合物であり、
より好ましくは、ルイス酸は、
a)BX3、BX3・(C2H5)2O、BX3・S(CH3)2、AlX3、(C2H5)2AlX、TiX4(式中、Xは各々の場合にF、Cl、Br、SO3、CF3-SO3、CH3-SO3、又はIを表す)、
b)BH3、B(CH3)3、AlH3、Al(アセテート)(OH)2、Al[OCH(CH3)2]3、Al(OCH3)3、Al(OC2H5)3、Al2O3、(CH3)3Al、Ti[OCH(CH3)2]3Cl、Ti[OCH(CH3)2]4、メチルアルミニウムジ-(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシド)、メチルアルミニウムジ-(4-ブロモ-2,6-ジ-tert-ブチルフェノキシド)、
c)Sc(フルオロメタンスルホネート)3、Ln(フルオロメタンスルホネート)3、Ni(フルオロメタンスルホネート)2、Co(フルオロメタンスルホネート)2、Cu(フルオロメタンスルホネート)2
からなる群から選択され、
最も好ましくは、ルイス酸はBX3、BX3・S(CH3)2、AlX3、及びTiX4(式中、Xは各々の場合にF、Cl、CF3-SO3、又はCH3-SO3を表す)からなる群から選択され、
特に好ましくは、ルイス酸はAlX3(式中、XはF、Cl、CF3-SO3、又はCH3-SO3を表す)である。
好ましい実施形態において、カルボン酸はトリフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、フルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、モノクロロ酢酸、トリブロモ酢酸、ジブロモ酢酸、ブロモ酢酸及びヨード酢酸からなる群から選択される。より好ましくは、カルボン酸はトリフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、フルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、モノクロロ酢酸、トリブロモ酢酸、ジブロモ酢酸及びブロモ酢酸からなる群から選択される。さらにより好ましくは、カルボン酸はトリフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、フルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、モノクロロ酢酸及びトリブロモ酢酸からなる群から選択される。最も好ましくは、カルボン酸はトリフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸及びジクロロ酢酸からなる群から選択される。特に好ましくは、カルボン酸はトリフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸及びトリクロロ酢酸からなる群から選択される。さらに特に好ましくは、カルボン酸はトリフルオロ酢酸である。
好ましい実施形態において、スルホン酸はメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1-プロパンスルホン酸、1-ブタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、p-キシレン-2-スルホン酸、ナフタレン(naphathalene)-1-スルホン酸及びナフタレン-2-スルホン酸からなる群から選択され、より好ましくはスルホン酸はメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びp-トルエンスルホン酸、さらにより好ましくはメタンスルホン酸及びp-トルエンスルホン酸からなる群から選択される。
モレキュラーシーブ
好ましい実施形態において、本発明の方法は1種以上のモレキュラーシーブの存在下で行われる。本発明の方法が1種以上のモレキュラーシーブの存在下で行われる場合、1〜3種のモレキュラーシーブ、より好ましくは1又は2種のモレキュラーシーブ、さらにより好ましくは1種のモレキュラーシーブを使用することが優先される。適切なモレキュラーシーブの例は0.1〜10オングストローム、好ましくは3〜7オングストローム、より好ましくは3〜6オングストローム、非常に好ましくは3〜4オングストロームの範囲の孔径を有するモレキュラーシーブである。
本発明の好ましい実施形態において、本発明の方法は3オングストロームの孔径を有するモレキュラーシーブの存在下で行われ、3オングストロームの孔径を有するモレキュラーシーブと式(III)の化合物とは一般に1:10〜10:1、好ましくは1:1〜5:1、より好ましくは1.5:1〜4:1、非常に好ましくは2:1〜3:1の重量比で使用される。
1種以上のモレキュラーシーブを使用する、より特定的には3オングストロームの孔径を有するモレキュラーシーブを使用する利点は、遊離した水分子を吸い上げ、そうすることで水を平衡から除去するその能力である。
極性非プロトン性溶媒
好ましい実施形態において、方法は少なくとも1種の極性非プロトン性溶媒の存在下で行われる。
本発明との関連で、用語「極性非プロトン性溶媒」とは、0.2〜5の範囲、より好ましくは0.2〜3の範囲、最も好ましくは0.2〜2の範囲の双極子モーメント及び周囲温度、即ち約20℃で少なくとも約5%(容量)の水溶性を有し、ほぼ中性のpH、即ち5〜9の範囲、又は好ましくは6〜8の範囲で有意な水素交換を起こさない有機溶媒を指す。
別の好ましい実施形態において、少なくとも1種の極性非プロトン性溶媒はエーテル、ラクトン、炭酸エステル、スルホン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N-メチル-ピロリドン及びN-エチル-ピロリドンからなる群から選択され、より好ましくは少なくとも1種の極性非プロトン性溶媒はエーテル、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N-メチル-ピロリドンからなる群から選択され、さらにより好ましくは少なくとも1種の極性非プロトン性溶媒はエーテル、ジメチルスルホキシド、N-メチル-ピロリドンからなる群から選択され、最も好ましくは少なくとも1種の極性非プロトン性溶媒はエーテルである。
本発明との関連で、エーテルは好ましくはメチルtert-ブチルエーテル、ジオキサン、ジエトキシメタン、ジメトキシメタン、テトラヒドロフラン及びテトラヒドロピランからなる群から選択され、より好ましくはエーテルはテトラヒドロフラン及びジオキサンから選択され、さらにより好ましくはエーテルはジオキサンである。
少なくとも1種の極性非プロトン性溶媒とD-グルカロ-3,6-ラクトンとの重量比は好ましくは30:1以上〜1:1以下の範囲である。より好ましくは、比は20:1以上〜1:1以下、又は10:1以上〜1:1以下、又は8:1以上〜2:1以下、又は5:1以上〜2:1以下、又は3:1以上〜2:1以下の範囲である。さらにより好ましくは、20:1以上〜1:1以下、又は10:1以上〜1:1以下、又は8:1以上〜2:1以下、又は5:1以上〜2:1以下、又は3:1以上〜2:1以下の範囲である。最も好ましくは、10:1以上〜1:1以下、又は8:1以上〜2:1以下、又は5:1以上〜2:1以下の範囲である。
好ましい実施形態において、一般式(I)の少なくとも1種のアルコールとD-グルカロ-6,3-ラクトンとのモル比は0.1:1以上〜5:1以下の範囲、より好ましくは0.5:1以上〜2:1以下の範囲、さらにより好ましくは0.8:1以上〜2:1以下の範囲、最も好ましくは1:1である。
好ましい実施形態において、少なくとも1種の酸は、方法において、各々の場合にD-グルカロ-6,3-ラクトンに対して、0.01mol%以上〜20mol%以下の範囲、より好ましくは0.01mol%以上〜10mol%以下の範囲、さらにより好ましくは0.01mol%以上〜5mol%以下の範囲、最も好ましくは0.05mol%以上〜2mol%以下の範囲、特に好ましくは0.08mol%以上〜0.5mol%以下の範囲の量で存在する。
別の実施形態において、本発明の方法は30℃以上〜90℃以下、より好ましくは50℃以上〜80℃以下、最も好ましくは60℃以上〜80℃以下の範囲、特に好ましくは65℃以上〜75℃以下の範囲の温度で行われる。一般式(I)のアルコールとD-グルカロ-6,3-ラクトンは極性非プロトン性溶媒に加えると均一な混合物を形成する。そうして得られた均一な混合物に少なくとも1種の酸触媒を加える。少なくとも1種の酸触媒の添加後得られる溶液は均一又は不均一である。この混合物を30℃以上〜90℃以下の範囲の温度に加熱する。30℃以上〜90℃以下の範囲の温度に加熱するには、任意の適切な技術を使用することができる。当業者はそのような技術を知っている。
反応で形成された式(II)の化合物は化学的分離、酸-塩基中和、蒸留、蒸発、カラムクロマトグラフィー、ろ過、濃縮、結晶化及び再結晶化又はこれらの組合せからなる群から選択される当技術分野で公知のいずれかの方法によって単離される。当業者はそのような技術を知っている。
結果として、一実施形態において本発明の方法に従って得られる一般式(II)の化合物は下に示す一般構造を有する。
Figure 2021521228
[式中、
R1は、
非置換の直鎖若しくは分岐C6-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C6-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、
YはO又はSを表し、
R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル
から独立に選択される)
を表す]。
結果として、好ましい実施形態において上記方法で得られる一般式(II)の化合物はデシル-D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステル(デシル(2R)-2-[(2S,3R,4S)-3,4-ジヒドロキシ-5-オキソ-テトラヒドロフラン-2-イル]-2-ヒドロキシ-アセテート)であり、下に示すように表される。
Figure 2021521228
結果として、好ましい実施形態において上記方法で得られる一般式(II)の化合物はドデシル-D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステル[ドデシル(2R)-2-[(2S,3R,4S)-3,4-ジヒドロキシ-5-オキソ-テトラヒドロフラン-2-イル]-2-ヒドロキシ-アセテート]であり、下に示すように表される。
Figure 2021521228
結果として、好ましい実施形態において上記方法で得られる一般式(II)の化合物はテトラデシル-D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステル[テトラデシル(2R)-2-[(2S,3R,4S)-3,4-ジヒドロキシ-5-オキソ-テトラヒドロフラン-2-イル]-2-ヒドロキシ-アセテート]であり、下に示すように表される。
Figure 2021521228
結果として、好ましい実施形態において上記方法で得られる一般式(II)の化合物はオクチル-D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステル[オクチル(2R)-2-[(2S,3R,4S)-3,4-ジヒドロキシ-5-オキソ-テトラヒドロフラン-2-イル]-2-ヒドロキシ-アセテート]であり、下に示すように表される。
Figure 2021521228
Figure 2021521228
結果として、好ましい実施形態において上記方法で得られる一般式(II)の化合物はヘキサデシル-D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステル[ヘキサデシル(2R)-2-[(2S,3R,4S)-3,4-ジヒドロキシ-5-オキソ-テトラヒドロフラン-2-イル]-2-ヒドロキシ-アセテート]であり、下に示すように表される。
Figure 2021521228
本発明の別の態様は、一般式(II)
Figure 2021521228
[式中、
R1は、
非置換の直鎖若しくは分岐C6-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、
YはO又はSを表し、
R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル
から独立に選択される)
を表す]
の化合物に関する。
本発明の方法の好ましい実施形態は、本発明の化合物にも適用される。
本発明は次の利点の1つ以上を提供する。以上に記載された新規な合成経路は現在の最先端技術に対して幾つかの利点を有する。利用可能な現在の最先端技術、例えば限定されることはないがZenner et.al.[Institute of Organic Chemistry at the University of Rostock, March 12, 1956]により記載されているものは、そこで使用されているアルコールのほぼ47モル当量とD-グルカル酸とのモノエステルを得たと報じている。しかし、驚くべきことに本方法の新規な合成経路は、非常に低いモル当量、例えば上に記載されているものでも、副生成物及び/又は不必要な不純物を微量で形成するか又は形成することなく、D-グルカロ-(6,3)-ラクトンモノエステルを提供する。本発明の別の利点は、容易に入手可能な原材料、例えば限定されることはないが上に記載されているような少なくとも1種の極性非プロトン性溶媒の使用と共に、非常に小量のアルコールを使用することである。
以下、本発明の具体的な実施形態を記載する。
1.D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステルを製造する方法であって、
(A)D-グルカロ-6,3-ラクトンを、一般式(I)
R1-OH(I)
[式中、
R1は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、
YはO又はSを表し、
R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル
から独立に選択される)
を表す]
の少なくとも1種のアルコールと、少なくとも1種の鉱酸又は少なくとも1種のルイス酸又は少なくとも1種のカルボン酸又は少なくとも1種のスルホン酸の存在下で反応させて、一般式(II)
Figure 2021521228
[式中、
R1は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、
YはO及びSを表し、
R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル
を表す)
を表す]
の化合物を得るステップを含む、方法。
2.非置換の直鎖C1-C20アルキルが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、オクタデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル及びエイコシルからなる群から選択されることを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
3.非置換の分岐C1-C20アルキルが、イソ-プロピル、イソ-ブチル、t-ブチル、イソ-ペンチル、ネオ-ペンチル、2-エチル-ヘキシル、2-プロピル-ヘプチル、2-ブチル-オクチル、2-ペンチル-ノニル、2-ヘキシル-デシル、イソ-ヘキシル、イソ-ヘプチル、イソ-オクチル、イソ-ノニル、イソ-デシル、イソ-ドデシル、イソ-テトラデシル、イソ-ヘキサデシル、イソ-オクタデシル及びイソ-エイコシルからなる群から選択されることを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
4.R1が、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換のC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC3-C10シクロアルケニル又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、YはOであり、
R2は非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニルを表す)
を表すことを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
5.R1が、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換のC3-C10シクロアルキル又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、YはOであり、
R2は非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキルを表す)
を表すことを特徴とする、実施形態4に記載の方法。
6.R1が、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換のC3-C10シクロアルキル又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、YはOであり、
R2は非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキルを表す)
を表すことを特徴とする、実施形態4に記載の方法。
7.R1が、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)
を表すことを特徴とする、実施形態4に記載の方法。
8.ステップ(A)において少なくとも1種の鉱酸が硫酸、塩酸、リン酸、過塩素酸、硝酸、亜硝酸、亜硫酸、塩素酸、亜塩素酸及び次亜塩素酸からなる群から選択されることを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
9.ステップ(A)において少なくとも1種の鉱酸が硫酸であることを特徴とする、実施形態8に記載の方法。
10.ステップ(A)において、少なくとも1種のルイス酸が、
a)AsX3、GaX3、BX3、BX3・(C2H5)2O、BX3・S(CH3)2、AlX3、(C2H5)2AlX、SbX3、SbX5、SnX2、MgX2、MgX2・O(C2H5)2、ZnX2、BiX3、FeX2、TiX2、TiX4、NbX5、NiX2、CoX2、HgX2(式中、Xは各々の場合にF、Cl、Br、SO3、CF3-SO3、CH3-SO3、又はIを表す)、
b)BH3、B(CH3)3、GaH3、AlH3、Al(アセテート)(OH)2、Al[OCH(CH3)2]3、Al(OCH3)3、Al(OC2H5)3、Al2O3、(CH3)3Al、Ti[OCH(CH3)2]3Cl、Ti[OCH(CH3)2]4、メチルアルミニウムジ-(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシド)、メチルアルミニウムジ-(4-ブロモ-2,6-ジ-tert-ブチルフェノキシド)、LiClO4
c)Mg(アセテート)2、Zn(アセテート)2、Ni(アセテート)2、Ni(NO3)2、Co(アセテート)2、Co(NO3)2、Cu(アセテート)2、Cu(NO3)2、Li(アセテート)、Zr(アセチルアセトネート)4、Si(アセテート)4、K(アセテート)、Na(アセテート)、Cs(アセテート)、Rb(アセテート)、Mn(アセテート)2、Fe(アセテート)2、Bi(アセテート)3、Sb(アセテート)3、Sr(アセテート)2、Sn(アセテート)2、Zr(アセテート)2、Ba(アセテート)2、Hg(アセテート)2、Ag(アセテート)、Tl(アセテート)3、Sc(フルオロメタンスルホネート)3、Ln(フルオロメタンスルホネート)3、Ni(フルオロメタンスルホネート)2、Ni(トシレート)2、Co(フルオロメタンスルホネート)2、Co(トシレート)2、Cu(フルオロメタンスルホネート)2及びCu(トシレート)2
からなる群から選択される金属含有化合物であることを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
11.少なくとも1種のルイス酸がBX3、BX3・S(CH3)2、AlX3、SbX3、及びTiX4(式中、Xは各々の場合にF、Cl、CF3-SO3、又はCH3-SO3を表す)からなる群から選択されることを特徴とする、実施形態10に記載の方法。
12.ステップ(A)において少なくとも1種のルイス酸がAl(CH3-SO3)3であることを特徴とする、実施形態10又は11に記載の方法。
13.ステップ(A)において少なくとも1種のカルボン酸が、トリフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、フルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、モノクロロ酢酸、トリブロモ酢酸、ジブロモ酢酸、ブロモ酢酸及びヨード酢酸からなる群から選択されることを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
14.ステップ(A)において、少なくとも1種のスルホン酸が、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1-プロパンスルホン酸、1-ブタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、p-キシレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1-スルホン酸及びナフタレン-2-スルホン酸からなる群から選択されることを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
15.ステップ(A)がモレキュラーシーブの存在下で行われることを特徴とする、実施形態1から14のいずれか1つに記載の方法。
16.ステップ(A)においてモレキュラーシーブが0.1Å以上〜10Å以下の範囲の孔径を有することを特徴とする、実施形態15に記載の方法。
17.ステップ(A)が少なくとも1種の極性非プロトン性溶媒の存在下で行われる、実施形態1から7のいずれか1つに記載の方法。
18.少なくとも1種の極性非プロトン性溶媒が、エーテル、ラクトン、炭酸エステル、スルホン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N-メチル-ピロリドン及びN-エチル-ピロリドンからなる群から選択されることを特徴とする、実施形態17に記載の方法。
19.少なくとも1種のエーテルがメチルtert-ブチルエーテル、ジオキサン、ジエトキシメタン、ジメトキシメタン、テトラヒドロフラン及びテトラヒドロピランからなる群から選択されることを特徴とする、実施形態18に記載の方法。
20.少なくとも1種のエーテルがジオキサンであることを特徴とする、実施形態19に記載の方法。
21.ステップ(A)において一般式(I)の少なくとも1種のアルコールとD-グルカロ-6,3-ラクトンとのモル比が0.1:1以上〜5:1以下の範囲であることを特徴とする、実施形態1から20のいずれか1つに記載の方法。
22.ステップ(A)において少なくとも1種の酸がD-グルカロ-6,3-ラクトンに対して0.01mol%以上〜20mol%以下の範囲の量で存在することを特徴とする、実施形態1から13のいずれか1つに記載の方法。
23.ステップ(A)においてモレキュラーシーブがD-グルカロ-6,3-ラクトンに対して10wt%以上〜40wt%以下の範囲の量で存在することを特徴とする、実施形態1から22のいずれか1つに記載の方法。
24.少なくとも1種の極性非プロトン性溶媒とD-グルカロ-6,3-ラクトンとの重量比が1:1以上〜10:1以下の範囲であることを特徴とする、実施形態1から23のいずれか1つに記載の方法。
25.ステップ(A)において反応が、100rpm以上〜500rpm以下の範囲の回転速度で1時間以上〜10時間以下の範囲の時間撹拌することによって行われることを特徴とする、実施形態1から24のいずれか1つに記載の方法。
26.ステップ(A)が30℃以上〜90℃以下の範囲の温度で行われることを特徴とする、実施形態1から25のいずれか1つに記載の方法。
27.一般式(II)
Figure 2021521228
[式中、
R1は、
非置換の直鎖若しくは分岐C6-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C6-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル又は
-(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
-(CH2)nYR2
(式中、
nは1〜20の範囲の整数であり、
YはO又はSを表し、
R2は、
非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル
を表す)
を表す]
の化合物。
28.
1.デシル(2R)-2-[(2S,3R,4S)-3,4-ジヒドロキシ-5-オキソ-テトラヒドロフラン-2-イル]-2-ヒドロキシ-アセテート
2.ドデシル(2R)-2-[(2S,3R,4S)-3,4-ジヒドロキシ-5-オキソ-テトラヒドロフラン-2-イル]-2-ヒドロキシ-アセテート
3.テトラデシル(2R)-2-[(2S,3R,4S)-3,4-ジヒドロキシ-5-オキソ-テトラヒドロフラン-2-イル]-2-ヒドロキシ-アセテート
4.オクチル(2R)-2-[(2S,3R,4S)-3,4-ジヒドロキシ-5-オキソ-テトラヒドロフラン-2-イル]-2-ヒドロキシ-アセテート、及び
5.ヘキサデシル(2R)-2-[(2S,3R,4S)-3,4-ジヒドロキシ-5-オキソ-テトラヒドロフラン-2-イル]-2-ヒドロキシ-アセテート
からなる群から選択される、実施形態27に記載の式(II)の化合物。
本発明をその具体的な実施形態に関して記載したが、ある特定の変更形態及び均等形態は当業者には明らかであり、本発明の範囲内に含まれることを意図するものとする。
化学物質
Figure 2021521228
はSigma Aldrichから入手可能である。
D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステルの合成の一般手順
D-グルカロ-6,3-モノラクトン(96.1%純度、0.65mol、131g)、アルコール(1.0当量、0.65mol)、メタンスルホン酸アルミニウム(0.1当量、0.065mol、20.4g)、任意にモレキュラーシーブ3Å(28g)及びジオキサン(360g)を反応フラスコに入れた。混合物を反応の完了まで50〜80℃で撹拌した。反応塊を200mLの5%重炭酸ナトリウム水溶液に加え、有機層を分離した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した後濃縮して粗生成物を得た。適切な溶媒を用いた結晶化により粗生成物を単離して所望のD-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステルを得た。
デシル-D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステル[デシル(2R)-2-[(2S,3R,4S)-3,4-ジヒドロキシ-5-オキソ-テトラヒドロフラン-2-イル]-2-ヒドロキシ-アセテート]の合成
アルコールとしてデカノール(0.65モル)を用いて上記の反応を同様に行った。生成物をヘプタンで結晶化して所望のデシル-D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステル(29g)を得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6, TMS): δ 6.18-6.16 (d, 1H), δ 5.89-5.86 (d, 1H), δ 5.47-5.46 (d, 1H), δ 4.51-4.44 (m, 2H), δ 4.26-4.21 (t, 2H), δ 4.06-4.05 (d, 2H), δ 1.58-1.56 (d, 2H), δ 1,25 (bs, 14H), δ 0.85-8.83 (t, 3H).
13C NMR (500 MHz, DMSO-d6, TMS): δ 175.8, δ 170.1, δ 80, δ 70.1, δ 69.6, δ 69.2, δ 64.2, δ 31.2, δ 28.94, δ 28.93, δ 28.68, δ 28.66, δ 27.9, δ 25.2, δ 22, δ 13.8.
ドデシル-D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステル[ドデシル(2R)-2-[(2S,3R,4S)-3,4-ジヒドロキシ-5-オキソ-テトラヒドロフラン-2-イル]-2-ヒドロキシ-アセテート]の合成
アルコールとしてドデカノール(0.05205モル)を用いて上記の反応を同様に行った。生成物をヘプタンで結晶化して所望のドデシル-D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステル(1.8g)を得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6, TMS): δ 6.19-6.17 (d, 1H), δ 5.89-5.87 (d, 1H), δ 5.48-5.46 (d, 1H), δ 4.51-4.43 (m, 2H), δ 4.25-4.18 (t, 2H), δ 4.08-4.03 (m, 2H), δ 1.60-1.56 (t, 2H), δ 1,24 (bs, 18H), δ 0.87-8.83 (t, 3H).
13C NMR (500 MHz, DMSO-d6, TMS): δ 175.8, δ 170.1, δ 80, δ 70.1, δ 69.6, δ 69.2, δ 64.2, δ 31.2, δ 29, δ 28.99, δ 28.91, δ 28.69, δ 28.65, δ 27.9, δ 25.2, δ 22, δ 13.9.
テトラデシル-D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステル[テトラデシル(2R)-2-[(2S,3R,4S)-3,4-ジヒドロキシ-5-オキソ-テトラヒドロフラン-2-イル]-2-ヒドロキシ-アセテート]の合成
アルコールとしてテトラデカノール(0.05205モル)を用いて上記の反応を同様に行った。生成物をジクロロメタンで結晶化して所望のテトラデシル-D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステル(1.3g)を得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6, TMS): δ 6.18-6.17 (d, 1H), δ 5.88-5.87 (d, 1H), δ 5.47-5.46 (d, 1H), δ 4.51-4.45 (m, 2H), δ 4.25-4.20 (t, 2H), δ 4.09-4.02 (d, 2H), δ 1.60-1.58 (d, 2H), δ 1,28 (bs, 22H), δ 0.87-8.85 (t, 3H).
13C NMR (500 MHz, DMSO-d6, TMS): δ 176.3, δ 170.6, δ 80.5, δ 70.6, δ 70.1, δ 69.7, δ 64.7, δ 31.7, δ 29.5, δ 29.48, δ 29.42, δ 29.18, δ 29.15, δ 28.4, δ 25.7, δ 22.5, δ 14.4.
オクチル-D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステル[オクチル(2R)-2-[(2S,3R,4S)-3,4-ジヒドロキシ-5-オキソ-テトラヒドロフラン-2-イル]-2-ヒドロキシ-アセテート]の合成
アルコールとしてオクタノール(0.26025モル)を用いて上記の反応を同様に行った。生成物をヘプタンで結晶化して所望のオクチル-D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステル(6g)を得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6, TMS): δ 6.17-6.16 (d, 1H), δ 5.87-5.86 (d, 1H), δ 5.46-5.45 (d, 1H), δ 4.50-4.44 (m, 2H), δ 4.25-4.20 (t, 2H), δ 4.10-4.02 (d, 2H), δ 1.61-1.56 (d, 2H), δ 1,25 (bs, 10H), δ 0.87-8.85 (t, 3H).
13C NMR (500 MHz, DMSO-d6, TMS): δ 176.3, δ 170.6, δ 80.5, δ 70.6, δ 70.1, δ 69.7, δ 61.1, δ 31.7, δ 29.2, δ 29.1, δ 29, δ 28.4, δ 25.7, δ 22.5, δ 14.4.
ヘキサデシル-D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステル[ヘキサデシル(2R)-2-[(2S,3R,4S)-3,4-ジヒドロキシ-5-オキソ-テトラヒドロフラン-2-イル]-2-ヒドロキシ-アセテート]の合成
アルコールとしてヘキサデカノール(0.26025モル)を用いて上記の反応を同様に行った。生成物を適切な溶媒を用いて結晶化して所望のヘキサデシル-D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステル(0.5g)を得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6, TMS): δ 6.22-6.21 (d, 1H), δ 5.93-5.91 (d, 1H), δ 5.51-5.50 (d, 1H), δ 4.56-4.49 (m, 2H), δ 4.30-4.25 (t, 2H), δ 4.13-4.08 (d, 2H), δ 1.65-1.62 (d, 2H), δ 1,3 (s, 26H), δ 0.9-8.88 (t, 3H).
13C NMR (500 MHz, DMSO-d6, TMS): δ 176.3, δ 170.6, δ 80.5, δ 70.6, δ 70.1, δ 69.7, δ 64.7, δ 31.7, δ 29.5, δ 29.48, δ 29.42, δ 29.18, δ 29.15, δ 28.4, δ 25.7, δ 22.5, δ 14.4.

Claims (28)

  1. D-グルカロ-6,3-ラクトンモノエステルを製造する方法であって、
    (A)D-グルカロ-6,3-ラクトンを、一般式(I)
    R1-OH(I)
    [式中、
    R1は、
    非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
    非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
    非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
    非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
    非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
    非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル又は
    -(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
    -(CH2)nYR2
    (式中、
    nは1〜20の範囲の整数であり、
    YはO又はSを表し、
    R2は、
    非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
    非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
    非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
    非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
    非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
    非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル
    から独立に選択される)
    を表す]
    の少なくとも1種のアルコールと、少なくとも1種の鉱酸又は少なくとも1種のルイス酸又は少なくとも1種のカルボン酸又は少なくとも1種のスルホン酸の存在下で反応させて、一般式(II)
    Figure 2021521228
    [式中、
    R1は、
    非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
    非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
    非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
    非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
    非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
    非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル又は
    -(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
    -(CH2)nYR2
    (式中、
    nは1〜20の範囲の整数であり、
    YはO及びSを表し、
    R2は、
    非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
    非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
    非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
    非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
    非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
    非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル
    を表す)
    を表す]
    の化合物を得るステップを含む、方法。
  2. 非置換の直鎖C1-C20アルキルが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、オクタデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル及びエイコシルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 非置換の分岐C1-C20アルキルが、イソ-プロピル、イソ-ブチル、t-ブチル、イソ-ペンチル、ネオ-ペンチル、2-エチル-ヘキシル、2-プロピル-ヘプチル、2-ブチル-オクチル、2-ペンチル-ノニル、2-ヘキシル-デシル、イソ-ヘキシル、イソ-ヘプチル、イソ-オクチル、イソ-ノニル、イソ-デシル、イソ-ドデシル、イソ-テトラデシル、イソ-ヘキサデシル、イソ-オクタデシル及びイソ-エイコシルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. R1が、
    非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
    非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
    非置換のC3-C10シクロアルキル又は
    非置換のC3-C10シクロアルケニル又は
    -(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
    -(CH2)nYR2
    (式中、
    nは1〜20の範囲の整数であり、YはOであり、
    R2は、
    非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
    非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
    非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
    非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル
    を表す)
    を表すことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. R1が、
    非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
    非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
    非置換のC3-C10シクロアルキル又は
    -(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
    -(CH2)nYR2
    (式中、
    nは1〜20の範囲の整数であり、YはOであり、
    R2は、
    非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
    非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
    非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル
    を表す)
    を表すことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. R1が、
    非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
    非置換のC3-C10シクロアルキル又は
    -(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
    -(CH2)nYR2
    (式中、
    nは1〜20の範囲の整数であり、YはOであり、
    R2は、
    非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
    非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル
    を表す)
    を表すことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  7. R1が、
    非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
    -(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)
    を表すことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  8. ステップ(A)において、鉱酸が、硫酸、塩酸、リン酸、過塩素酸、硝酸、亜硝酸、亜硫酸、塩素酸、亜塩素酸及び次亜塩素酸からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  9. ステップ(A)において鉱酸が硫酸であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. ステップ(A)において、ルイス酸が、
    a)AsX3、GaX3、BX3、BX3・(C2H5)2O、BX3・S(CH3)2、AlX3、(C2H5)2AlX、SbX3、SbX5、SnX2、MgX2、MgX2・O(C2H5)2、ZnX2、BiX3、FeX2、TiX2、TiX4、NbX5、NiX2、CoX2、HgX2(式中、Xは各々の場合にF、Cl、Br、SO3、CF3-SO3、CH3-SO3、又はIを表す)、
    b)BH3、B(CH3)3、GaH3、AlH3、Al(アセテート)(OH)2、Al[OCH(CH3)2]3、Al(OCH3)3、Al(OC2H5)3、Al2O3、(CH3)3Al、Ti[OCH(CH3)2]3Cl、Ti[OCH(CH3)2]4、メチルアルミニウムジ-(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシド)、メチルアルミニウムジ-(4-ブロモ-2,6-ジ-tert-ブチルフェノキシド)、LiClO4
    c)Mg(アセテート)2、Zn(アセテート)2、Ni(アセテート)2、Ni(NO3)2、Co(アセテート)2、Co(NO3)2、Cu(アセテート)2、Cu(NO3)2、Li(アセテート)、Zr(アセチルアセトネート)4、Si(アセテート)4、K(アセテート)、Na(アセテート)、Cs(アセテート)、Rb(アセテート)、Mn(アセテート)2、Fe(アセテート)2、Bi(アセテート)3、Sb(アセテート)3、Sr(アセテート)2、Sn(アセテート)2、Zr(アセテート)2、Ba(アセテート)2、Hg(アセテート)2、Ag(アセテート)、Tl(アセテート)3、Sc(フルオロメタンスルホネート)3、Ln(フルオロメタンスルホネート)3、Ni(フルオロメタンスルホネート)2、Ni(トシレート)2、Co(フルオロメタンスルホネート)2、Co(トシレート)2、Cu(フルオロメタンスルホネート)2及びCu(トシレート)2
    からなる群から選択される金属含有化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  11. ルイス酸が、BX3、BX3・S(CH3)2、AlX3、SbX3、及びTiX4(式中、Xは各々の場合にF、Cl、CF3-SO3、又はCH3-SO3を表す)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. ステップ(A)においてルイス酸がAl(CH3-SO3)3であることを特徴とする、請求項10又は11に記載の方法。
  13. ステップ(A)において、少なくとも1種のカルボン酸が、トリフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、フルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、モノクロロ酢酸、トリブロモ酢酸、ジブロモ酢酸、ブロモ酢酸及びヨード酢酸からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  14. ステップ(A)において、スルホン酸が、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1-プロパンスルホン酸、1-ブタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、p-キシレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1-スルホン酸及びナフタレン-2-スルホン酸からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  15. ステップ(A)が、モレキュラーシーブの存在下で行われることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. ステップ(A)において、モレキュラーシーブが0.1Å以上〜10Å以下の範囲の孔径を有することを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  17. ステップ(A)が少なくとも1種の極性非プロトン性溶媒の存在下で行われる、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  18. 少なくとも1種の極性非プロトン性溶媒が、エーテル、ラクトン、炭酸エステル、スルホン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N-メチル-ピロリドン及びN-エチル-ピロリドンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
  19. エーテルが、メチルtert-ブチルエーテル、ジオキサン、ジエトキシメタン、ジメトキシメタン、テトラヒドロフラン及びテトラヒドロピランからなる群から選択されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
  20. エーテルがジオキサンであることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
  21. ステップ(A)において、一般式(I)の少なくとも1種のアルコールとD-グルカロ-6,3-ラクトンとのモル比が0.1:1以上〜5:1以下の範囲であることを特徴とする、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. ステップ(A)において、少なくとも1種の酸が、D-グルカロ-6,3-ラクトンに対して0.01mol%以上〜20mol%以下の範囲の量で存在することを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  23. ステップ(A)において、モレキュラーシーブが、D-グルカロ-6,3-ラクトンに対して10wt%以上〜40wt%以下の範囲の量で存在することを特徴とする、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 少なくとも1種の極性非プロトン性溶媒とD-グルカロ-6,3-ラクトンとの重量比が1:1以上〜10:1以下の範囲であることを特徴とする、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
  25. ステップ(A)において、反応が、100rpm以上〜500rpm以下の範囲の回転速度で1時間以上〜10時間以下の範囲の時間撹拌することにより行われることを特徴とする、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
  26. ステップ(A)が30℃以上〜90℃以下の範囲の温度で行われることを特徴とする、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 一般式(II)
    Figure 2021521228
    [式中、
    R1は、
    非置換の直鎖若しくは分岐C6-C20アルキル又は
    非置換の直鎖若しくは分岐C6-C20アルケニル又は
    非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
    非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
    非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
    非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル又は
    -(CH2CH2O)nH(式中、nは1〜20の範囲の整数である)又は
    -(CH2)nYR2
    (式中、
    nは1〜20の範囲の整数であり、
    YはO又はSを表し、
    R2は、
    非置換の直鎖若しくは分岐C1-C20アルキル又は
    非置換の直鎖若しくは分岐C2-C20アルケニル又は
    非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルキル又は
    非置換若しくは分岐のC3-C10シクロアルケニル又は
    非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルキル又は
    非置換のC1-C10アルキレンC3-C10シクロアルケニル
    を表す)
    を表す]
    の化合物。
  28. 1. デシル(2R)-2-[(2S,3R,4S)-3,4-ジヒドロキシ-5-オキソ-テトラヒドロフラン-2-イル]-2-ヒドロキシ-アセテート
    2. ドデシル(2R)-2-[(2S,3R,4S)-3,4-ジヒドロキシ-5-オキソ-テトラヒドロフラン-2-イル]-2-ヒドロキシ-アセテート
    3. テトラデシル(2R)-2-[(2S,3R,4S)-3,4-ジヒドロキシ-5-オキソ-テトラヒドロフラン-2-イル]-2-ヒドロキシ-アセテート
    4. オクチル(2R)-2-[(2S,3R,4S)-3,4-ジヒドロキシ-5-オキソ-テトラヒドロフラン-2-イル]-2-ヒドロキシ-アセテート、及び
    5. ヘキサデシル(2R)-2-[(2S,3R,4S)-3,4-ジヒドロキシ-5-オキソ-テトラヒドロフラン-2-イル]-2-ヒドロキシ-アセテート
    からなる群から選択される、請求項27に記載の式(II)の化合物。
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