JP2021123887A - 有孔シート被覆pc版を使用した木造建物の構築工法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、本願請求項2に係る有孔シート被覆PC版は、請求項1に記載の有孔シート被覆PC版であって、前記有孔シートはステンレススチール製若しくは難燃性の炭素繊維製若しくは難燃性のガラス繊維製若しくは難燃性の高分子プラスチック製の網目状のメッシュシートまたは平板に孔を打ち抜いたパンチングシートである、ことを特徴としている。
そして、本願請求項3係る木造建物の構築工法は、請求項1または請求項2に記載の前記有孔シート被覆PC版が木造建物の四隅に位置する独立柱を挟んで互いに直交する二方向に該独立柱とは緩衝材が介挿される隙間を有して配置され、さらに前記独立柱の中間に中間独立柱を有する場合には前記有孔シート被覆PC版は該中間独立柱を挟んで平行な方向およびそれらに直交する方向に該中間独立柱とは緩衝材が介挿される隙間を有して配置され、前記有孔シート被覆PC版の下端部は前記木造建物の基礎に埋設された固定端であって上端部は該木造建物の梁または桁まで延伸し該梁または桁とは非接触の自由端である、ことを特徴としている。
さらに、本願請求項4係る木造建物の構築工法は、請求項3に記載の木造建物の構築工法であって、前記木造建物に配設された互いに向き合う前記有孔シート被覆PC版の側面には間柱が該有孔シート被覆PC版とは隙間を有して添設されて該木造建物の軸組みが形成され、該隙間には緩衝材が介挿される、ことを特徴としている。
また、本願請求項5係る木造建物の構築工法は、請求項3または請求項4に記載の木造建物の構築工法であり、前記有孔シート被覆PC版は薄肉であってその厚さは略100mm以下である、ことを特徴としている。
(1)平板状の有孔シート被覆PC版は鉄筋に代わって引張応力を負担する有孔シートで少なくとも両面が被覆されていることから、コンクリート中の鉄筋が不要となって、打設時におけるコンクリートの回り込みが良好となる。また、有孔シートを型枠代わりとした場合には、コンクリート余剰水が透水孔から排出され、かつ、PC版製作時に長辺方向を上にしてコンクリートを打設すれば、コンクリートの側圧が小さくなり、有孔シートの膨らみは許容し得るほど小さなものになる。なお、鉄筋に代わる有孔シートは、引張応力以外にも、剪断応力を補強する役割を担うとともに、PC版自体のクラック防止にも貢献する。
(2)有孔シートが難燃性の炭素繊維製、難燃性のガラス繊維製、難燃性の高分子プラスチック製またはステンレススチール製のメッシュシートで形成されることにより、有孔シートに作用する引張応力に適した網径または網目の太さを自由に設計できる。また、平板に孔を打ち抜いたパンチングシートであっても、引張応力に適した平板の厚さやパンチングの形状を自由に選択することができる。
(3)なお、本願発明に係る有孔シート被覆PC版では、鉄筋が不要であり、その上、PC版製作時に有効シートを型枠代わりとすればコンクリートパネルも不要となり、鉄筋やコンクリートパネル製造時に必要なCO2の発生が抑えられるので、地球環境の保全にも資することになる。
(4)下端部が基礎に埋設された固定端であり上端部が自由端の有孔シート被覆PC版が木造建物の四隅に位置する独立柱を挟んで互いに直交する二方向(X方向およびY方向)に配置され、中間に中間独立柱を有する場合には有孔シート被覆PC版は中間独立柱を挟んでX方向およびY方向の三つの方向に配置されていて、木造の軸組みとは緩衝材を介して緩やかに接触している。このため、地震の揺れによる慣性力が木造の軸組みに働いても、PC版の干渉により木造軸組みの層間変位が制限されて、建物損壊を防ぐことができる。
(5)例えば、木造建築に多用される105mm×105mmの柱よりも薄く有孔シート被覆PC版の厚さを100mm以下の略75mm程度とすれば、有孔シート被覆PC版は木造建築の構造体として表面に現れることがなく、各部の収まりがよくなって設計の自由度が増す。また、蓄熱槽として兼用する場合は、有孔シート被覆PC版に外断熱をして外装を施し、室内側の厚みを付加しても壁全体の厚みを90mmないし100mmとすることができる。
有孔シート被覆PC版10は、平板状のPC版であって、有孔シートで少なくとも両面が被覆されている。有孔シートは、図1(a)のエキスパンドメタル、図1(b)の格子目状メタル、図1(c)のパンチングメタルに例示されるような入手が容易な貫通孔のあるシートが適していて、材料は難燃性で引張強度のあるステンレススチール若しくは炭素繊維若しくはガラス繊維若しくは高分子プラスチックである。
(1)基礎21の設置該当個所に予めPC版挿入穴を凹設しておき、木造建物の軸組時に有孔シート被覆PC版10も所定位置に建込み、軸組みに合わせて建込位置の調整をし、有孔シート被覆PC版10とPC版挿入穴の隙間に、無収縮モルタルを流し込んで固定する。
(2)有孔シート被覆PC版10を正確に所定位置に建込んで懸吊固定し、その後に基礎21のコンクリート打設をする。そして、基礎型枠解体後に木造建物の軸組みをする。
方法があるが、(2)の埋入方法は有孔シート被覆PC版10の位置の微調整が難しい。
11〜13 実施例に係る有孔シート被覆PC版
21 基礎
30 木造建築の軸組
31 土台
32 独立柱(隅柱)
33 中間独立柱
34 間柱
35 梁
また、本願請求項2に係る木造建物の構築工法は、請求項1に記載の木造建物の構築工法であって、前記有孔シートはステンレススチール製若しくは難燃性の炭素繊維製若しくは難燃性のガラス繊維製若しくは難燃性の高分子プラスチック製の網目状のメッシュシートまたは平板に孔を打ち抜いたパンチングシートである、ことを特徴としている。
そして、本願請求項3係る木造建物の構築工法は、請求項1または請求項2に記載の木造建物の構築工法であって、前記木造建物に配設された互いに向き合う前記有孔シート被覆PC版の側面には間柱が該有孔シート被覆PC版とは隙間を有して添設されて該木造建物の軸組みが形成され、該隙間には緩衝材が介挿される、ことを特徴としている。
さらに、本願請求項4係る木造建物の構築工法は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の木造建物の構築工法であり、前記有孔シート被覆PC版は薄肉であってその厚さは略100mm以下である、ことを特徴としている。
Claims (5)
- 製作時のコンクリート余剰水を排出する多数の透水孔が縦横に貫設され製作後にコンクリート部材として使用されるときには、該コンクリート部材に作用する引張応力を鉄筋に代わって負担する有孔シートが両面を被覆している、ことを特徴とする矩形の有孔シート被覆PC版。
- 前記有孔シートはステンレススチール製若しくは難燃性の炭素繊維製若しくは難燃性のガラス繊維製若しくは難燃性の高分子プラスチック製の網目状のメッシュシートまたは平板に孔を打ち抜いたパンチングシートである、ことを特徴とする請求項1に記載の有孔シート被覆PC版。
- 請求項1または請求項2に記載の前記有孔シート被覆PC版は木造建物の四隅に位置する独立柱を挟んで互いに直交する二方向に、該独立柱とは緩衝材が介挿される隙間を有して配置され、
さらに前記独立柱の中間に中間独立柱を有する場合には、前記有孔シート被覆PC版は該中間独立柱を挟んで平行な方向およびそれらに直交する方向に、該中間独立柱とは緩衝材が介挿される隙間を有して配置され、
前記有孔シート被覆PC版の下端部は前記木造建物の基礎に埋設された固定端であって、上端部は該木造建物の梁または桁まで延伸し該梁または桁とは非接触の自由端である、ことを特徴とする木造建物の構築工法。 - 前記木造建物に配設された互いに向き合う前記有孔シート被覆PC版の側面には間柱が該有孔シート被覆PC版とは隙間を有して添設されて該木造建物の軸組みが形成され、該隙間には緩衝材が介挿される、ことを特徴とする請求項3に記載の木造建物の構築工法。
- 前記有孔シート被覆PC版は薄肉であってその厚さは略100mm以下である、ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の木造建物の構築工法。
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