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JP2021100843A - 鞍乗型車両 - Google Patents

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JP2021100843A JP2019233135A JP2019233135A JP2021100843A JP 2021100843 A JP2021100843 A JP 2021100843A JP 2019233135 A JP2019233135 A JP 2019233135A JP 2019233135 A JP2019233135 A JP 2019233135A JP 2021100843 A JP2021100843 A JP 2021100843A
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Abstract

【課題】鞍乗型車両において、キャニスターに接続されるパイプの長さを短くでき、且つ、パイプに液体が溜まり難くできるようにする。【解決手段】シリンダー部30が、クランクケース29から延びるシリンダーブロック31及びシリンダーブロック31から延びるシリンダーヘッド32を備えるエンジン11と、エンジン11に上方から重なるように配置される燃料タンクと、燃料タンクの蒸発燃料を吸着するキャニスター60と、シリンダーヘッド32に吸気を供給する吸気通路41と、燃料タンクとキャニスター60とを接続するチャージパイプ61と、キャニスター60と吸気通路41とを接続するパージパイプ62とを備える鞍乗型車両において、キャニスター60は、車両側面視においてシリンダー部30に重なるように、シリンダー部30の車幅方向外側に配置される。【選択図】図2

Description

本発明は、鞍乗型車両に関する。
従来、燃料タンクの蒸発燃料を吸着するキャニスターが、燃料タンクに対し前方に並べて配置される鞍乗型車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、燃料タンクとキャニスターとを接続するチャージパイプ(インレットホース)、及び、キャニスターとエンジンの吸気通路とを接続するパージパイプの長さを短くすることで、蒸発燃料の通気抵抗を低減させている。特許文献1のチャージパイプは、キャニスターから下方に延びた後、水平に延び、その後、上方に延びており、略U字の谷状に配索される。
特開2012−7537号公報
しかしながら、上記従来の鞍乗型車両では、キャニスターに接続されるパイプが谷状に配索されるため、パイプに蒸発燃料が液化した液体が溜まり易い。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、鞍乗型車両において、キャニスターに接続されるパイプの長さを短くでき、且つ、パイプに液体が溜まり難くできるようにすることを目的とする。
鞍乗型車両は、クランクケース(29)、及び、前記クランクケース(29)から延びるシリンダー部(30)を備え、前記シリンダー部(30)が、前記クランクケース(29)から延びるシリンダーブロック(31)及び前記シリンダーブロック(31)から延びるシリンダーヘッド(32)を備えるエンジン(11)と、前記エンジン(11)に上方から重なるように配置される燃料タンク(46)と、前記燃料タンク(46)の蒸発燃料を吸着するキャニスター(60)と、前記シリンダーヘッド(32)に吸気を供給する吸気通路(41)と、前記燃料タンク(46)と前記キャニスター(60)とを接続するチャージパイプ(61)と、前記キャニスター(60)と前記吸気通路(41)とを接続するパージパイプ(62)とを備える鞍乗型車両において、前記キャニスター(60)は、車両側面視において前記シリンダー部(30)に重なるように、前記シリンダー部(30)の車幅方向外側に配置されることを特徴とする。
また、上述の構成において、前記キャニスター(60)は、前記燃料タンク(46)及び前記吸気通路(41)の下方で、車両側面視において前記シリンダーブロック(31)に重なるように、前記シリンダーブロック(31)の車幅方向外側に配置されても良い。
また、上述の構成において、前記シリンダー部(30)は、前記シリンダー部(30)の軸線(31a)が上方に延びるシリンダーであっても良い。
また、上述の構成において、前記キャニスター(60)は、前記キャニスター(60)の長手方向が車両前後方向に指向する向きで配置されても良い。
さらに、上述の構成において、ヘッドパイプ(15)と、前記ヘッドパイプ(15)側から下方に延びるダウンフレーム(17)とを備える車体フレーム(10)が設けられ、前記ダウンフレーム(17)は、前記キャニスター(60)に前方から重なっても良い。
また、上述の構成において、前記クランクケース(29)は、上方に膨出する膨出部(29c)を備え、前記膨出部(29c)は、前記キャニスター(60)に後方から重なっても良い。
また、上述の構成において、前記キャニスター(60)を支持するブラケット(75)が設けられ、前記ブラケット(75)は、車両側面視で後方に向かうに従って先細る略三角形状であり、当該ブラケット(75)の前端部を介して車体に固定されても良い。
また、上述の構成において、前記キャニスター(60)には、前記ブラケット(75)が係合する係合部(81a,82a)が車両前後方向に並べて複数設けられ、複数の前記係合部(81a,82a)は、前記キャニスター(60)の周方向において互いに異なる位置に配置されても良い。
また、上述の構成において、前記キャニスター(60)の前部には、大気開放口(64)が設けられ、前記大気開放口(64)を覆うキャップ(66,266)が設けられても良い。
さらに、上述の構成において、前記キャップ(266)は、前記キャニスター(60)を車幅方向外側から覆うカバー部(266b)を備えても良い。
また、上述の構成において、前記キャニスター(60)は、車両側面視で、前記キャニスター(60)の長手方向の軸線(60a)が、前記シリンダー部(30)の軸線(31a)に略直交する向きで配置されても良い。
また、上述の構成において、ヘッドパイプ(15)と、前記ヘッドパイプ(15)側から下方に延びて前記エンジン(11)の前方に位置するダウンフレーム(17)とを備える車体フレーム(10)が設けられ、前記キャニスター(60)を支持するブラケット(75)が設けられ、前記ブラケット(75)は、前記ダウンフレーム(17)に固定されても良い。
さらに、上述の構成において、前記ブラケット(75)は、前記ダウンフレーム(17)に固定される前側固定部(76a,77a)を前端部に備え、前記ブラケット(75)は、前記前側固定部(76a,77a)を介し前記ダウンフレーム(17)に片持ちで支持されても良い。
鞍乗型車両は、クランクケース、及び、クランクケースから延びるシリンダー部を備え、シリンダー部が、クランクケースから延びるシリンダーブロック及びシリンダーブロックから延びるシリンダーヘッドを備えるエンジンと、エンジンに上方から重なるように配置される燃料タンクと、燃料タンクの蒸発燃料を吸着するキャニスターと、シリンダーヘッドに吸気を供給する吸気通路と、燃料タンクとキャニスターとを接続するチャージパイプと、キャニスターと吸気通路とを接続するパージパイプとを備え、キャニスターは、車両側面視においてシリンダー部に重なるように、シリンダー部の車幅方向外側に配置される。
この構成によれば、キャニスターが、車両側面視でシリンダー部に重なるように、シリンダー部の車幅方向外側に配置されるため、キャニスターが、燃料タンク及び吸気通路に近くなる。このため、チャージパイプ及びパージパイプの長さを短くできるとともに、チャージパイプ及びパージパイプが谷状になり難く、チャージパイプ及びパージパイプに液体が溜まり難くなる。
また、上述の構成において、キャニスターは、燃料タンク及び吸気通路の下方で、車両側面視においてシリンダーブロックに重なるように、シリンダーブロックの車幅方向外側に配置されても良い。
この構成によれば、チャージパイプ及びパージパイプは、燃料タンク及び吸気通路の下方のキャニスターから燃料タンク及び吸気通路に延びるため、谷状に配索され難い。このため、チャージパイプ及びパージパイプに液体が溜まり難くなる。
また、上述の構成において、シリンダー部は、シリンダー部の軸線が上方に延びるシリンダーであっても良い。
この構成によれば、チャージパイプ及びパージパイプをキャニスターから上方に延ばすことができ、チャージパイプ及びパージパイプに液体が溜まり難い。
また、上述の構成において、キャニスターは、キャニスターの長手方向が車両前後方向に指向する向きで配置されても良い。
この構成によれば、キャニスターを車幅方向及び上下方向にコンパクトに配置できる。
さらに、上述の構成において、ヘッドパイプと、ヘッドパイプ側から下方に延びるダウンフレームとを備える車体フレームが設けられ、ダウンフレームは、キャニスターに前方から重なっても良い。
この構成によれば、ダウンフレームによって、キャニスターを前方から保護できる。
また、上述の構成において、クランクケースは、上方に膨出する膨出部を備え、膨出部は、キャニスターに後方から重なっても良い。
この構成によれば、クランクケースの膨出部によって、キャニスターを後方から保護できる。
また、上述の構成において、キャニスターを支持するブラケットが設けられ、ブラケットは、車両側面視で後方に向かうに従って先細る略三角形状であり、ブラケットの前端部を介して車体に固定されても良い。
この構成によれば、後方側よりもサイズが大きい前端部を介し、ブラケットを車体に強固に固定できるとともに、ブラケットを軽量化できる。
また、上述の構成において、キャニスターには、ブラケットが係合する係合部が車両前後方向に並べて複数設けられ、複数の係合部は、キャニスターの周方向において互いに異なる位置に配置されても良い。
この構成によれば、ブラケットは、キャニスターを広い範囲に亘って支持できる。このため、キャニスターをブラケットに強固に固定できる。
また、上述の構成において、キャニスターの前部には、大気開放口が設けられ、大気開放口を覆うキャップが設けられても良い。
この構成によれば、水や塵埃等の異物が大気開放口に入ることをキャップによって抑制できる。
さらに、上述の構成において、キャップは、キャニスターを車幅方向外側から覆うカバー部を備えても良い。
この構成によれば、キャップのカバー部によって、キャニスターを車幅方向外側から隠すことができ、外観性を向上できる。
また、上述の構成において、キャニスターは、車両側面視で、キャニスターの長手方向の軸線が、シリンダー部の軸線に略直交する向きで配置されても良い。
この構成によれば、キャニスターをシリンダー部の外側方にコンパクトに配置できるとともに、キャニスターとシリンダー部との統一感が得られ、外観性が良い。
また、上述の構成において、ヘッドパイプと、ヘッドパイプ側から下方に延びてエンジンの前方に位置するダウンフレームとを備える車体フレームが設けられ、キャニスターを支持するブラケットが設けられ、ブラケットは、ダウンフレームに固定されても良い。
この構成によれば、キャニスターを支持するブラケットを、エンジンの前方に位置するダウンフレームによって強固に支持できる。
さらに、上述の構成において、ブラケットは、ダウンフレームに固定される前側固定部を前端部に備え、ブラケットは、前側固定部を介しダウンフレームに片持ちで支持されても良い。
この構成によれば、エンジンの前方のダウンフレームを利用して、片持ちによる簡単な構造でブラケットを支持できる。
本発明の第1の実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。 蒸発燃料処理装置の取付状態を示す左側面図である。 蒸発燃料処理装置を車両前方側から見た正面図である。 図3のIV−IV断面図である。 チャージパイプ及びパージパイプの配索状態を示す断面図である。 パージパイプの配索状態を示す断面図である。 第2の実施の形態においてキャニスターの取付状態を示す左側面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示す。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る自動二輪車1の左側面図である。
自動二輪車1は、車体フレーム10(車体)にエンジン11が支持され、前輪2を操舵可能に支持するフロントフォーク12が車体フレーム10の前端に操舵可能に支持され、後輪3を支持するスイングアーム13が車体フレーム10の後部側に設けられる車両である。
自動二輪車1は、乗員がシート14に跨るようにして着座する鞍乗型車両であり、シート14は、車体フレーム10の後部の上方に設けられる。
車体フレーム10は、車体フレーム10の前端に設けられるヘッドパイプ15と、ヘッドパイプ15から後下方に延びる左右一対のメインフレーム16と、メインフレーム16の前端部から後下方に延びる左右一対のダウンフレーム17とを備える。
また、車体フレーム10は、メインフレーム16の後端部から下方に延びる左右一対のピボットフレーム18と、メインフレーム16の後部から後上方に延びる左右一対のシートフレーム19と、メインフレーム16の後端部とシートフレーム19の後端部とを接続する左右一対のサブフレーム20とを備える。
詳細には、各メインフレーム16は、ヘッドパイプ15の上部から後下方に延びる上側メインフレーム16aと、ヘッドパイプ15の下部から後下方に延びて上側メインフレーム16aの後端部に接続される下側メインフレーム16bとを備える。
また、車体フレーム10は、ヘッドパイプ15、上側メインフレーム16aの前端部、及び下側メインフレーム16bの前端部を接続する第1ガセット21と、第1ガセット21の後方で上側メインフレーム16aと下側メインフレーム16bとを接続する第2ガセット22と、下側メインフレーム16bとダウンフレーム17とを接続する第3ガセット23とを備える。
ここでは、ダウンフレーム17は、メインフレーム16の前端部に接続されてヘッドパイプ15側から下方に延びるが、ダウンフレーム17は、ヘッドパイプ15側から下方に延びていれば良い。例えば、ダウンフレーム17は、ヘッドパイプ15に上端部が接続されて、ヘッドパイプ15から下方に延びても良い。
フロントフォーク12は、ヘッドパイプ15に挿通されるステアリングシャフト(不図示)を介し、車体フレーム10に回動自在に支持される。操舵用のハンドル25は、フロントフォーク12の上端部に設けられる。前輪2は、フロントフォーク12の下端部に支持される。
スイングアーム13は、左右のピボットフレーム18に支持されるピボット軸26に軸支される。ピボット軸26は、車幅方向に水平に延びる。スイングアーム13は、前端部をピボット軸26に軸支され、ピボット軸26を中心に上下に揺動する。
後輪3は、スイングアーム13の後端部に支持される。
スイングアーム13と車体フレーム10との間には、リアサスペンション27が掛け渡される。
エンジン11は、メインフレーム16の下方で、車両前後方向においてダウンフレーム17とピボットフレーム18との間に配置され、車体フレーム10に固定される。
エンジン11は、車幅方向(左右方向)に水平に延びるクランク軸28を支持するクランクケース29と、クランクケース29の前部の上面から上方に延びるシリンダー部30とを備える。
シリンダー部30は、クランクケース29の前部の上面から上方に延びるシリンダーブロック31と、シリンダーブロック31から上方に延びるシリンダーヘッド32と、シリンダーヘッド32の上部を塞ぐヘッドカバー33とを備える。
シリンダーブロック31の筒状部内を往復運動するピストン(不図示)は、シリンダーブロック31の筒状部の軸線31a(シリンダー部の軸線)に沿って上下に往復運動する。軸線31aは、シリンダー部30の軸線に一致し、車両側面視でクランクケース29から上方に延びる。すなわち、エンジン11は、車両側面視で軸線31aが略直立する直立シリンダー(シリンダー部30)を有するエンジンである。
詳細には、シリンダー部30の軸線31aは、車両側面視で鉛直方向に対しやや前傾しているが、直立シリンダーは、軸線31aが鉛直方向に対し後傾しているものも含む。また、直立シリンダーは、シリンダー部の軸線が前傾または後傾している場合において、鉛直方向に対するシリンダー部の軸線の傾斜角度が45°以内のものを含む。
エンジン11の排気管35は、シリンダーヘッド32の前面の排気ポート32a(図3)から下方に引き出されて後方に延びる。マフラー36は、後輪3の外側方に配置され、排気管35の後端に接続される。
エンジン11の吸気装置37は、シリンダーヘッド32の後方に配置され、シリンダーヘッド32の後部の吸気ポート32b(図6)に接続される。
吸気装置37は、エアクリーナーボックス38と、スロットルボディ39と、スロットルボディ39を吸気ポート32bに接続する接続管40とを備える。吸気装置37には、吸気に燃料を噴射するインジェクター(不図示)が接続される。
エアクリーナーボックス38で浄化された吸気は、スロットルボディ39で流量を調整され、接続管40及び吸気ポート32bを通ってシリンダーヘッド32の燃焼室(不図示)に流れる。シリンダーヘッド32は、上記燃焼室の吸気及び排気をコントロールする動弁装置(不図示)を備える。
吸気装置37及び吸気ポート32bは、シリンダーヘッド32に吸気を供給する吸気通路41を構成する。
クランクケース29の後部は、変速機を収容する変速機ケース部29aである。エンジン11の出力は、上記変速機の出力軸と後輪3とを接続する駆動チェーン43によって後輪3に伝達される。
エンジン11の冷却水が通るラジエーター45は、ヘッドパイプ15の下方且つエンジン11の前方に配置される。
燃料タンク46は、左右のメインフレーム16に跨るようにメインフレーム16の上方に配置され、ヘッドパイプ15とシート14との間に配置される。エンジン11のシリンダー部30の上部は、左右のメインフレーム16の間に配置され、上方から見た場合には、燃料タンク46は、シリンダー部30及びクランクケース29に上方から重なる。
自動二輪車1は、車体フレーム10及びエンジン11等の車体を覆う車体カバーとして、燃料タンク46及びエアクリーナーボックス38を覆うタンクカバー47と、ラジエーター45を車幅方向外側から覆う左右一対のシュラウド48と、タンクカバー47とメインフレーム16との間に設けられるサイドカバー49と、エンジン11を下方から覆うアンダーカバー50とを備える。
前輪2を上方から覆うフロントフェンダー51は、フロントフォーク12に支持される。
シート14の乗員が足を乗せる左右一対のステップ52は、ピボットフレーム18の下部に支持される。
ホーン53は、ラジエーター45の下方でエンジン11の前方に配置される。
サイドスタンド54は、自動二輪車1の車体の下部において、左側に配置される。自動二輪車1をサイドスタンド54で駐車すると、自動二輪車1は、左側に傾く。
自動二輪車1は、燃料タンク46の蒸発燃料の外部への拡散を低減させる蒸発燃料処理装置55を備える。
図2は、蒸発燃料処理装置55の取付状態を示す左側面図である。図3は、蒸発燃料処理装置55を車両前方側から見た正面図である。図4は、図3のIV−IV断面図である。図3では、ホーン53及び排気管35は不図示である。
図2〜図4を参照し、蒸発燃料処理装置55は、蒸発燃料を貯留するキャニスター60と、燃料タンク46(図1)とキャニスター60とを接続するチャージパイプ61と、キャニスター60と吸気通路41とを接続するパージパイプ62と、パージパイプ62の途中に設けられるパージバルブ63とを備える。
また、蒸発燃料処理装置55は、キャニスター60の内部を外部に連通させる大気開放口64と、キャニスター60内の水や液化した燃料を排出するドレンパイプ65と、キャニスター60の前部に取り付けられるキャップ66とを備える。
キャニスター60の内部には、活性炭等の吸着材(不図示)が収納される。
チャージパイプ61は、キャニスター60から上方に延び、燃料タンク46(図1)に接続される。
パージパイプ62は、キャニスター60から上方に延びて吸気通路41に接続される。
パージバルブ63は、パージパイプ62の流路を開閉する。パージバルブ63は、蒸発燃料をキャニスター60から吸気通路41に戻す経路に設けられ、キャニスター60から吸気通路41に流れる蒸発燃料の流量を調節する。パージバルブ63の開閉は、自動二輪車1の制御装置により、エンジン11の運転状態に応じて電気的に制御される。
燃料タンク46内で蒸発する燃料は、チャージパイプ61を通ってキャニスター60内に流れ、キャニスター60の内の吸着材に一旦吸着される。パージバルブ63が開かれると、パージパイプ62を介してキャニスター60と吸気通路41とが連通し、吸気の負圧によって、キャニスター60内の蒸発燃料は、パージパイプ62及び吸気通路41を通ってエンジン11に流れ、エンジン11で燃焼する。また、キャニスター60内の負圧によって、大気開放口64からキャニスター60内に外気が導入され、この外気によって、吸着されている蒸発燃料は吸着材から離脱する。
図2を参照し、シリンダーブロック31は、下面31bがクランクケース29の前部の上面に結合される。シリンダーブロック31は、上面31cがシリンダーヘッド32の下面に結合される。
シリンダーブロック31の下面31b及び上面31cは、互いに平行であるとともに、シリンダー部30の軸線31aに直交し、車両側面視で前下がりに傾斜する。
図2及び図3を参照し、クランクケース29は、シリンダー部30の外側面30aに対し車幅方向外側に膨出する側方膨出部29bを備える。側方膨出部29b内の部屋には、例えば、クランク軸28の端部に設けられるフライホイール(不図示)及び発電機(不図示)が収納される。
詳細には、側方膨出部29bは、クランク軸28を支持するクランクケース本体56の側部と、クランクケース本体56を車幅方向外側から覆うクランクケースカバー57とによって構成される。
クランクケース29の後部の上部には、クランク軸28を回転させてエンジン11を始動させるセルモーター58が設けられる。セルモーター58は、シリンダーブロック31の真後ろに配置され、シリンダーブロック31に後方から重なる。
図2及び図4を参照し、クランクケース29の側方膨出部29bは、シリンダーブロック31の下面31bよりも上方に膨出する上方膨出部29c(膨出部)を備える。上方膨出部29cは、シリンダー部30の外側面30aの車幅方向外側、且つ、シリンダーブロック31よりも後方に位置する。
セルモーター58の出力軸58aは、上方膨出部29c内に延びる。セルモーター58は、出力軸58a及び複数の歯車等を介し、クランク軸28に接続される。なお、図4では、側方膨出部29bの内部構造は出力軸58aを除き不図示である。
図2〜図4を参照し、ダウンフレーム17は、ヘッドパイプ15側から下方に延びるパイプ状である。ダウンフレーム17の下端部には、クランクケース29の前端部に固定されるエンジン固定部17aが設けられる。
ダウンフレーム17は、エンジン固定部17aに対し車幅方向に挿通されるエンジン固定具67によってクランクケース29の前端部に締結される。
また、ダウンフレーム17は、ダウンフレーム17の車幅方向の内側面から車幅方向内側に突出する固定部17bを備える。固定部17bは、エンジン固定部17aよりも上方に設けられる。
ダウンフレーム17の下部において車幅方向の内側面には、エンジン11を支持するエンジンハンガー68が接続される。
エンジンハンガー68の上端部68aは、車幅方向内側からエンジンハンガー68及び固定部17bに挿通されるエンジンハンガー固定具69によって、固定部17bに締結される。
また、エンジンハンガー68は、エンジン固定具67によってクランクケース29に対しエンジン固定部17aと共締めされ、エンジン固定部17aとクランクケース29との間に挟まれる。
エンジンハンガー68は、エンジン固定部17aよりも下方に延びる。エンジンハンガー68の下端部68bは、クランクケース29の前端部の下部に締結される。
エンジンハンガー68は、ホーンステー68cを備える。ホーン53は、ホーンステー68cに取り付けられ、ダウンフレーム17の前方に位置する。
図3及び図4を参照し、ラジエーター45は、シリンダーヘッド32及びダウンフレーム17の前方に配置される。ラジエーター45は、板厚方向を車両前後方向に向けて配置される板状部材である。
ダウンフレーム17は、前方に延びるステー17cを、固定部17bの上方に備える。
ラジエーター45は、ステー17cを介しダウンフレーム17に固定される。詳細には、ラジエーター45の下端部45aは、下端部45aに前方から挿通されるラジエーター固定具71によって、ステー17cに締結される。
図2〜図4を参照し、自動二輪車1は、キャニスター60を支持するブラケット75を備える。
ブラケット75は、車両側面視で、ダウンフレーム17側から後方に延びる第1のアーム部76と、第1のアーム部76の下方においてダウンフレーム17側から後上方に斜めに延びて第1のアーム部76の後端部に接続される第2のアーム部77とを備える。
また、ブラケット75は、第1のアーム部76の後端部から車幅方向外側に延出する第1の係合片78と、第2のアーム部77の後部から車幅方向外側に延出する第2の係合片79(図2)とを備える。第2の係合片79は、第1の係合片78に対し前下方に位置する。
車両側面視において、第1のアーム部76と第2のアーム部77との間隔は、後方に向かうに従って小さくなる。すなわち、ブラケット75の外形は、車両側面視において、後方に向かうに従って先細る略三角形状である。
第1のアーム部76の前端部には、ダウンフレーム17のステー17cに固定される第1の前側固定部76a(前側固定部)が設けられる。第1の前側固定部76aは、ラジエーター固定具71によって、ステー17cに対しラジエーター45の下端部45aと共締めされる。
第2のアーム部77の前端部には、ダウンフレーム17の固定部17bに固定される第2の前側固定部77a(前側固定部)が設けられる。第2の前側固定部77aは、エンジンハンガー68の上端部68aに車幅方向内側から重ねて設けられ、エンジンハンガー固定具69によって、固定部17bに対し上端部68aと共締めされる。
ブラケット75は、ブラケット75の前端部に設けられる第1の前側固定部76a及び第2の前側固定部77aのみによってダウンフレーム17に固定される。すなわち、ブラケット75は、前端部の第1の前側固定部76a及び第2の前側固定部77aを介し、ダウンフレーム17に片持ちで支持される。
ブラケット75の第2の前側固定部77aは、車幅方向外側に延出してエンジンハンガー68の前縁に当接する前側当接部77bと、車幅方向外側に延出してエンジンハンガー68の後縁に当接する後側当接部77cを備える。
ブラケット75は、前側当接部77b及び後側当接部77cによって、エンジンハンガー固定具69を中心とする回転を回り止めされる。
ブラケット75は、ダウンフレーム17の車幅方向内側から後方に延びる。ブラケット75の後部は、シリンダーブロック31の車幅方向外側、且つ、クランクケース29の側方膨出部29bの上方に位置する。
キャニスター60は、吸着材を収納する円筒状の容器であり、この円筒形状の軸線60a(キャニスターの長手方向の軸線)が車両前後方向に指向する向きで配置される。軸線60aの軸方向は、キャニスター60の長手方向に一致する。
詳細には、キャニスター60は、円筒状の外筒60bと、外筒60bの前面を塞ぐ前壁60cと、外筒60bの後面を塞ぐ後壁60dとを備える。
大気開放口64及びドレンパイプ65は、前壁60cに接続される。チャージパイプ61及びパージパイプ62は、後壁60dに接続される。
キャニスター60の外筒60bには、前方保持部材81、及び、前方保持部材81の後方に配置される後方保持部材82が設けられる。前方保持部材81及び後方保持部材82は、外筒60bの外周に嵌合する環状部材である。前方保持部材81及び後方保持部材82は、例えばゴム等の弾性が高い材料で構成される。
前方保持部材81は、ブラケット75の第2の係合片79が係合する係合部81aを備える。係合部81aは、前方保持部材81上に設けられた凸部を前方保持部材81の周方向に貫通する孔である。係合部81aは、外筒60bの下面側に設けられる。
後方保持部材82は、ブラケット75の第1の係合片78が係合する係合部82aを備える。係合部82aは、後方保持部材82上に設けられた凸部を後方保持部材82の周方向に貫通する孔である。係合部82aは、外筒60bの上面側に設けられる。
すなわち、係合部81a及び係合部82aは、車両前後方向に並べて設けられるとともに、外筒60bの周方向において互いに異なる位置に配置される。
キャニスター60は、前方保持部材81の係合部81aに第2の係合片79が車幅方向内側から挿通されるとともに、後方保持部材82の係合部82aに第1の係合片78が車幅方向内側から挿通されることで、前方保持部材81及び後方保持部材82を介しブラケット75に支持される。
キャニスター60は、車両側面視において、シリンダーブロック31に重なるように、シリンダーブロック31の車幅方向外側に配置される。すなわち、キャニスター60は、シリンダー部30の外側面30aにおけるシリンダーブロック31の外側面(左側面)に車幅方向外側から重なる。
キャニスター60は、シリンダーブロック31の左側面の外側方に配置される。シリンダーブロック31の左側面は、シリンダーブロック31の左右の側面において、サイドスタンド54が配置される側の側面である。
キャニスター60は、軸線60aがシリンダー部30の軸線31aに略直交する向きで配置されており、車両側面視では、前下がりに傾斜して配置される。
また、キャニスター60は、車両側面視で、軸線60aがシリンダーブロック31の下面31b及び上面31cに略平行となる向きで配置される。
キャニスター60は、シリンダーブロック31の下面31bよりも上方に配置される。キャニスター60の上面は、シリンダーブロック31の上面31cに沿うように、上面31cと略同じ高さ位置にある。すなわち、キャニスター60は、シリンダーブロック31の下面31bと上面31cとの間に配置される。
キャニスター60の前端部は、車両側面視でシリンダーブロック31の前面31dに略重なる。キャニスター60の後端部は、車両側面視でシリンダーブロック31の後面の前方に位置する。すなわち、キャニスター60の大部分は、シリンダーブロック31の前面31dと後面との間に配置される。
キャニスター60は、シリンダーブロック31の外側方において、クランクケース29の側方膨出部29bの上方、且つ、シリンダーヘッド32の下方に配置される。キャニスター60は、上面視では、側方膨出部29bに上方から重なる。
キャニスター60は、車両側面視で、ダウンフレーム17と下側メインフレーム16bとの間に配置される。
図2及び図3を参照し、左右の一方(左側)のダウンフレーム17は、車両正面視で、キャニスター60に前方から重なる。これにより、ダウンフレーム17によってキャニスター60を前方から保護できる。
図2及び図4を参照し、クランクケース29の上方膨出部29cは、キャニスター60の後方に位置し、後方から見た場合には、キャニスター60に重なる。これにより、上方膨出部29cによってキャニスター60を後方から保護できる。
図3に示すように、キャニスター60は、クランクケース29の側方膨出部29bの外端よりも車幅方向内側に位置する。このため、側方膨出部29bによってキャニスター60を保護できる。
図3及び図4を参照し、シリンダー部30の外側面30aにおいて、シリンダーブロック31の外側面は、シリンダーヘッド32の外側面よりも車幅方向内側に位置する。これは、図4において、シリンダーヘッド32の断面は現れるが、シリンダーブロック31の断面は現れないことから明らかである。このように、シリンダーブロック31は、車幅方向の幅がシリンダーヘッド32よりも小さいため、シリンダーブロック31の外側方にキャニスター60を配置し易い。
キャップ66は、キャニスター60の前端部の外周に嵌合することでキャニスター60に固定される。キャップ66は、前壁60c、大気開放口64、及びドレンパイプ65の一部を前方から覆う。キャップ66は、前側の前方保持部材81の前方に設けられる。
図5は、チャージパイプ61及びパージパイプ62の配索状態を示す断面図である。
図2及び図5を参照し、チャージパイプ61は、キャニスター60の後壁60dから後上がりに後方に延びた後、シリンダー部30の後方を上方に延び、エアクリーナーボックス38の側方を通って燃料タンク46の下面に到達する。チャージパイプ61の上部61aは、燃料タンク46の下面を貫通して燃料タンク46内を上方に延び、燃料タンク46の上部で燃料タンク46内に開口する。
このように、チャージパイプ61は、燃料タンク46の下方のキャニスター60から上方に延びて燃料タンク46に接続されるため、チャージパイプ61が下方に凸の谷状に屈曲する部分が形成され難い。このため、蒸発燃料が液化した液体がチャージパイプ61に溜まることが抑制される。また、キャニスター60がシリンダーブロック31の外側方に設けられるため、キャニスター60が燃料タンク46に近くなり、チャージパイプ61を短くできる。ここで、上記の下方に凸の谷状に屈曲する部分は、略U字状にパイプが配索される部分である。
パージパイプ62は、キャニスター60の後壁60dから後上がりに後方に延びた後、シリンダー部30の後方を上方に延び、吸気通路41に接続される。
図6は、パージパイプ62の配索状態を示す断面図である。図6ではヘッドカバー33は不図示である。
詳細には、パージパイプ62は、シリンダー部30の後方を上方に延び、接続管40の左右の側方において、キャニスター60が配置される側とは反対側の側方(右側方)を通って上方に延びる。その後、パージパイプ62は、下方に折り返して吸気通路41における吸気ポート32bの上部に上方から差し込まれ、端部62aが吸気ポート32bに接続される。
このように、パージパイプ62は、吸気ポート32bの下方のキャニスター60から上方に延びて吸気ポート32bに接続されるため、チャージパイプ61が下方に凸の谷状に屈曲する部分は形成され難い。このため、蒸発燃料が液化した液体がパージパイプ62に溜まることが抑制される。
また、キャニスター60がシリンダーブロック31の外側方に設けられるため、キャニスター60が吸気ポート32bに近くなり、パージパイプ62を短くできる。
以上説明したように、本発明を適用した第1の実施の形態によれば、自動二輪車1は、クランクケース29、及び、クランクケース29から延びるシリンダー部30を備え、シリンダー部30が、クランクケース29から延びるシリンダーブロック31及びシリンダーブロック31から延びるシリンダーヘッド32を備えるエンジン11と、エンジン11に上方から重なるように配置される燃料タンク46と、燃料タンク46の蒸発燃料を吸着するキャニスター60と、シリンダーヘッド32に吸気を供給する吸気通路41と、燃料タンク46とキャニスター60とを接続するチャージパイプ61と、キャニスター60と吸気通路41とを接続するパージパイプ62とを備え、キャニスター60は、車両側面視においてシリンダー部30に重なるように、シリンダー部30の車幅方向外側に配置される。
この構成によれば、キャニスター60が、車両側面視でシリンダー部30に重なるように、シリンダー部30の車幅方向外側に配置されるため、キャニスター60が、燃料タンク46及び吸気通路41に近くなる。このため、チャージパイプ61及びパージパイプ62の長さを短くできるとともに、チャージパイプ61及びパージパイプ62が谷状になり難く、チャージパイプ61及びパージパイプ62に液体が溜まり難くなる。
また、キャニスター60は、燃料タンク46及び吸気通路41の下方で、車両側面視においてシリンダーブロック31に重なるように、シリンダーブロック31の車幅方向外側に配置される。
この構成によれば、チャージパイプ61及びパージパイプ62は、燃料タンク46及び吸気通路41の下方のキャニスター60から燃料タンク46及び吸気通路41に延びるため、谷状に配索され難い。このため、チャージパイプ61及びパージパイプ62に液体が溜まり難くなる。
また、シリンダー部30は、シリンダー部30の軸線31aが上方に延びるシリンダーである。
この構成によれば、チャージパイプ61及びパージパイプ62をキャニスター60から上方に延ばすことができ、チャージパイプ61及びパージパイプ62に液体が溜まり難い。
また、キャニスター60は、キャニスター60の長手方向が車両前後方向に指向する向きで配置される。
この構成によれば、キャニスター60を車幅方向及び上下方向にコンパクトに配置できる。
さらに、ヘッドパイプ15と、ヘッドパイプ15側から下方に延びるダウンフレーム17とを備える車体フレーム10が設けられ、ダウンフレーム17は、キャニスター60に前方から重なる。
この構成によれば、ダウンフレーム17によって、キャニスター60を前方から保護できる。
また、クランクケース29は、上方に膨出する上方膨出部29cを備え、上方膨出部29cは、キャニスター60に後方から重なる。
この構成によれば、クランクケース29の上方膨出部29cによって、キャニスター60を後方から保護できる。
また、キャニスター60を支持するブラケット75が設けられ、ブラケット75は、車両側面視で後方に向かうに従って先細る略三角形状であり、ブラケット75の前端部を介して車体フレーム10に固定される。
この構成によれば、後方側よりもサイズが大きい前端部を介し、ブラケット75を車体フレーム10に強固に固定できるとともに、ブラケット75を軽量化できる。
また、キャニスター60には、ブラケット75が係合する係合部81a及び係合部82aが車両前後方向に並べて複数設けられ、複数の係合部81a及び係合部82aは、キャニスター60の周方向において互いに異なる位置に配置される。
この構成によれば、キャニスター60は、前後方向及び周方向に異なる位置に設けられる係合部81a及び係合部82aを介してブラケット75に係合する。これにより、ブラケット75は、キャニスター60を広い範囲に亘って支持できる。このため、キャニスター60をブラケット75に強固に固定できる。
また、キャニスター60の前部には、大気開放口64が設けられ、大気開放口64を覆うキャップ66が設けられても良い。
この構成によれば、水や塵埃等の異物が大気開放口64に入ることをキャップ66によって抑制できる。
また、キャニスター60は、車両側面視で、キャニスター60の長手方向の軸線60aが、シリンダー部30の軸線31aに略直交する向きで配置される。
この構成によれば、キャニスター60をシリンダー部30の外側方にコンパクトに配置できるとともに、キャニスター60とシリンダー部30との統一感が得られ、外観性が良い。
また、ヘッドパイプ15と、ヘッドパイプ15側から下方に延びてエンジン11の前方に位置するダウンフレーム17とを備える車体フレーム10が設けられ、キャニスター60を支持するブラケット75が設けられ、ブラケット75は、ダウンフレーム17に固定される。
この構成によれば、キャニスター60を支持するブラケット75を、エンジン11の前方に位置するダウンフレーム17によって強固に支持できる。
さらに、ブラケット75は、ダウンフレーム17に固定される第1の前側固定部76a及び第2の前側固定部77aを前端部に備え、ブラケット75は、第1の前側固定部76a及び第2の前側固定部77aを介しダウンフレーム17に片持ちで支持される。
この構成によれば、エンジン11の前方のダウンフレーム17を利用して、片持ちによる簡単な構造でブラケット75を支持できる。
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記第1の実施の形態に限定されるものではない。
上記第1の実施の形態では、キャニスター60は、車両側面視においてシリンダーブロック31に重なるように、シリンダーブロック31の車幅方向外側に配置されるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。キャニスター60は、車両側面視において、シリンダー部30のシリンダーヘッド32に重なるように、シリンダーヘッド32の車幅方向外側に配置されても良い。
また、上記第1の実施の形態では、キャニスター60は、自動二輪車1の外側に露出する部分を有するが、例えば、車体を広く覆うカウルを備えるスポーツタイプの自動二輪車において、カウルでキャニスター60を外側から覆っても良い。
また、上記第1の実施の形態では、パージパイプ62は、吸気ポート32bに接続されるものとして説明したが、これに限らず、パージパイプ62は、吸気通路41のスロットルボディ39や接続管40に接続されても良い。
さらに、上記第1の実施の形態では、鞍乗型車両として自動二輪車1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、前輪または後輪を2つ備える3輪の車両及び4輪以上を備える鞍乗型車両に適用可能である。
[第2の実施の形態]
以下、図7を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
本第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態のキャップ66とは異なる形状のキャップ266が設けられる点が、上記第1の実施の形態と異なる。
図7は、第2の実施の形態においてキャニスター60の取付状態を示す左側面図である。
キャニスター60には、キャップ266が取り付けられる。
キャップ266は、キャニスター60の前端部に取り付けられるキャップ部266aと、キャップ部266aから後方に延出するカバー部266bとを備える。
キャップ部266aは、キャニスター60の前端部の外周に嵌合することでキャニスター60に固定される。キャップ部266aは、前壁60c、大気開放口64、及びドレンパイプ65の一部を前方から覆う。
カバー部266bは、キャップ部266aからキャニスター60の後端部まで延び、キャニスター60を上方及び外側方から覆う。カバー部266bは、キャニスター60、前方保持部材81、第2の係合片79、後方保持部材82、及び第1の係合片78を外側から覆って隠す。このため、キャニスター60がシンプルに見え、外観性が良い。
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、キャップ266は、キャニスター60を車幅方向外側から覆うカバー部266bを備える。
この構成によれば、キャップ266のカバー部266bによって、キャニスター60を車幅方向外側から隠すことができ、外観性を向上できる。
1 自動二輪車(鞍乗型車両)
10 車体フレーム(車体)
11 エンジン
15 ヘッドパイプ
17 ダウンフレーム
29 クランクケース
29c 上方膨出部(膨出部)
30 シリンダー部
31 シリンダーブロック
31a 軸線(シリンダー部の軸線)
32 シリンダーヘッド
41 吸気通路
46 燃料タンク
60 キャニスター
60a 軸線(キャニスターの長手方向の軸線)
61 チャージパイプ
62 パージパイプ
64 大気開放口
66,266 キャップ
75 ブラケット
76a 第1の前側固定部(前側固定部)
77a 第2の前側固定部(前側固定部)
81a 係合部
82a 係合部
266b カバー部

Claims (13)

  1. クランクケース(29)、及び、前記クランクケース(29)から延びるシリンダー部(30)を備え、前記シリンダー部(30)が、前記クランクケース(29)から延びるシリンダーブロック(31)及び前記シリンダーブロック(31)から延びるシリンダーヘッド(32)を備えるエンジン(11)と、前記エンジン(11)に上方から重なるように配置される燃料タンク(46)と、前記燃料タンク(46)の蒸発燃料を吸着するキャニスター(60)と、前記シリンダーヘッド(32)に吸気を供給する吸気通路(41)と、前記燃料タンク(46)と前記キャニスター(60)とを接続するチャージパイプ(61)と、前記キャニスター(60)と前記吸気通路(41)とを接続するパージパイプ(62)とを備える鞍乗型車両において、
    前記キャニスター(60)は、車両側面視において前記シリンダー部(30)に重なるように、前記シリンダー部(30)の車幅方向外側に配置されることを特徴とする鞍乗型車両。
  2. 前記キャニスター(60)は、前記燃料タンク(46)及び前記吸気通路(41)の下方で、車両側面視において前記シリンダーブロック(31)に重なるように、前記シリンダーブロック(31)の車幅方向外側に配置されることを特徴とする請求項1記載の鞍乗型車両。
  3. 前記シリンダー部(30)は、前記シリンダー部(30)の軸線(31a)が上方に延びるシリンダーであることを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗型車両。
  4. 前記キャニスター(60)は、前記キャニスター(60)の長手方向が車両前後方向に指向する向きで配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鞍乗型車両。
  5. ヘッドパイプ(15)と、前記ヘッドパイプ(15)側から下方に延びるダウンフレーム(17)とを備える車体フレーム(10)が設けられ、
    前記ダウンフレーム(17)は、前記キャニスター(60)に前方から重なることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の鞍乗型車両。
  6. 前記クランクケース(29)は、上方に膨出する膨出部(29c)を備え、前記膨出部(29c)は、前記キャニスター(60)に後方から重なることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の鞍乗型車両。
  7. 前記キャニスター(60)を支持するブラケット(75)が設けられ、
    前記ブラケット(75)は、車両側面視で後方に向かうに従って先細る略三角形状であり、当該ブラケット(75)の前端部を介して車体に固定されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の鞍乗型車両。
  8. 前記キャニスター(60)には、前記ブラケット(75)が係合する係合部(81a,82a)が車両前後方向に並べて複数設けられ、複数の前記係合部(81a,82a)は、前記キャニスター(60)の周方向において互いに異なる位置に配置されることを特徴とする請求項7記載の鞍乗型車両。
  9. 前記キャニスター(60)の前部には、大気開放口(64)が設けられ、
    前記大気開放口(64)を覆うキャップ(66,266)が設けられることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の鞍乗型車両。
  10. 前記キャップ(266)は、前記キャニスター(60)を車幅方向外側から覆うカバー部(266b)を備えることを特徴とする請求項9記載の鞍乗型車両。
  11. 前記キャニスター(60)は、車両側面視で、前記キャニスター(60)の長手方向の軸線(60a)が、前記シリンダー部(30)の軸線(31a)に略直交する向きで配置されることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の鞍乗型車両。
  12. ヘッドパイプ(15)と、前記ヘッドパイプ(15)側から下方に延びて前記エンジン(11)の前方に位置するダウンフレーム(17)とを備える車体フレーム(10)が設けられ、
    前記キャニスター(60)を支持するブラケット(75)が設けられ、前記ブラケット(75)は、前記ダウンフレーム(17)に固定されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の鞍乗型車両。
  13. 前記ブラケット(75)は、前記ダウンフレーム(17)に固定される前側固定部(76a,77a)を前端部に備え、前記ブラケット(75)は、前記前側固定部(76a,77a)を介し前記ダウンフレーム(17)に片持ちで支持されることを特徴とする請求項12記載の鞍乗型車両。
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