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JP2021074896A - タイヤ加硫金型 - Google Patents

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JP2021074896A
JP2021074896A JP2019200870A JP2019200870A JP2021074896A JP 2021074896 A JP2021074896 A JP 2021074896A JP 2019200870 A JP2019200870 A JP 2019200870A JP 2019200870 A JP2019200870 A JP 2019200870A JP 2021074896 A JP2021074896 A JP 2021074896A
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Abstract

【課題】ステンシルプレートの浮き上がりが生じにくいタイヤ加硫金型を提供する。【解決手段】タイヤを成型するタイヤ成型面14aと、タイヤ成型面14aに対して凹状に形成された取り付け凹部20と、表側に標識形成部31が形成されたステンシルプレート30とが設けられ、取り付け凹部20にステンシルプレート30が配置されたタイヤ加硫金型において、取り付け凹部20が深さ方向へ延びる側壁22と底面21とによって形成され、側壁22の一部に溝23が形成され、溝23にステンシルプレート30の端部の一部が挿入されたことを特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明はタイヤ加硫金型に関する。
空気入りタイヤのサイド部には、メーカー名、製造工場、サイズ、製造週、製造年等を表す標識が形成されている。標識は空気入りタイヤのサイド部の表面上に凹又は凸として形成されている。
このような標識を形成するために、標識を形成するための凹凸のあるステンシルプレートが、タイヤ加硫金型に設けられている。具体的には、タイヤ加硫金型を構成しているサイドプレート等のタイヤ成型面に凹部が形成され、その凹部内にステンシルプレートが配置されている。特許文献1や特許文献2に記載されているように、ステンシルプレートはねじで凹部内に固定されている。通常、ステンシルプレートの長手方向両側にねじ孔が設けられており、そのねじ孔にねじが通されて凹部内に固定されている。
特開2014−172660号公報 特開2014−133402号公報
ところで、ステンシルプレートの長手方向両側を強くねじ止めすると、ステンシルプレートの長手方向中央部が浮き上がってしまう。そして、ステンシルプレートの浮き上がった部分から凹部内にゴムが流入し、加硫成型後の空気入りタイヤの表面にゴムの不要な突起が出来てしまう。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、ステンシルプレートの浮き上がりが生じにくいタイヤ加硫金型を提供することを課題とする。
本発明のある態様は、タイヤを成型するタイヤ成型面と、前記タイヤ成型面に対して凹状に形成された取り付け凹部と、表側に標識形成部が形成されたステンシルプレートとが設けられ、前記取り付け凹部に前記ステンシルプレートが配置されたタイヤ加硫金型において、前記取り付け凹部が深さ方向へ延びる側壁と底面とによって形成され、前記側壁の一部に溝が形成され、前記溝に前記ステンシルプレートの端部の一部が挿入されたことを特徴とする。
上記のタイヤ加硫金型では、ステンシルプレートの端部の一部が溝に挿入されるため、ステンシルプレートの浮き上がりが生じにくい。
実施形態のタイヤ加硫金型の断面図。 実施形態のサイドプレートを金型内側から見た図。 図2のサイドプレートからステンシルプレートを取り外したときの図。 実施形態のタイヤ加硫金型で成型された空気入りタイヤの部分側面図。 図2のW−W断面図。 図5の取り付け凹部及びステンシルプレートを分解して示した図。 図2のX−X断面図。 図7の取り付け凹部及びステンシルプレートを分解して示した図。 図2のY−Y断面図。 図9の取り付け凹部及びステンシルプレートを分解して示した図。 図2のZ−Z断面図。 図11の取り付け凹部及びステンシルプレートを分解して示した図。 変更例のステンシルプレートの断面図。図2のW−Wに相当する位置での断面図。 変更例の第1溝の断面図。図2のW−Wに相当する位置での断面図。
図1に本実施形態のタイヤ加硫金型10を示す。タイヤ加硫金型10は、円周状に並べられた複数のセクター12と、複数のセクター12が形成する円周の軸方向両側に設けられた一対のサイドプレート14と、同じく一対のビードリング16とを備えている。サイドプレート14及びビードリング16は前記軸方向から見て円形である。
セクター12、サイドプレート14及びビードリング16は、空気入りタイヤ(以下「タイヤ」)を成型するための成型面12a、14a、16aを有する成型部材である。複数のセクター12の成型面12aは主にタイヤのトレッド部を、一対のサイドプレート14の成型面14aは主にタイヤのサイド部を、一対のビードリング16の成型面16aは主にタイヤのビード部を、それぞれ成型する。
セクター12の材質は、限定されないが、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金(例えばAl−Cu系、Al−Mg系、Al−Mn系、Al−Si系の合金)である。またサイドプレート14及びビードリング16の材質は、限定されないが、例えば、一般構造用圧延鋼材(例えばSS400)等の鋼材である。セクター12、サイドプレート14、ビードリング16は、加硫成型時には、図示しない電気ヒータや高温蒸気により加硫温度(例えば130〜200℃)に熱せられる。
図1及び図2に示すように、サイドプレート14にはステンシルプレート30が設けられている。図3、図5、図6等に示すように、ステンシルプレート30の取り付けのための構造として、サイドプレート14には、成型面14aに対して凹状の取り付け凹部20が形成されている。この取り付け凹部20内にステンシルプレート30が設けられている。
ステンシルプレート30は、タイヤの表面を成型する表面33(図6等参照)と、その裏面34とを有する、板状の部材である。ステンシルプレート30の材質は、限定されないが、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金である。ステンシルプレート30の厚みt1(図6参照)は例えば0.4〜0.6mmである。
図2に示すように、ステンシルプレート30は、表面33側から見ると、サイドプレート14の周方向に沿って湾曲させながら延長された細長い形状をしている。以下においてステンシルプレート30の延長されている方向をステンシルプレート30の長手方向とする。
図2、図5、図6等に示すように、ステンシルプレート30の表面33には、標識形成部としての複数の凹部(以下「標識形成凹部31」)が並べて形成されている。これらの標識形成凹部31は、図4に示すようにタイヤTのサイド部に標識Mを形成するための凹部である。
一般にタイヤの標識は、文字、記号、図形等が並べられて形成されたもので、全体でメーカー名、製造工場、サイズ、製造週、製造年等の一部又は全部を表すものである。本実施形態における標識Mは、設計コード(設計の識別文字のことで、図4では「EFG」)、週セリアル(製造された週を表す数字のことで、図4では「01」)及び年セリアル(製造された年を表す数字のことで、図4では「19」)がこの順に並んで形成されているものとする。
図2に示すように、ステンシルプレート30を表面33側から見たときの複数の標識形成凹部31は、全体として、標識Mが反転した形となっている。
なお、本実施形態では、図2及び図3に示すように、ステンシルプレート30の隣に、標識形成凹部31とは別の第2標識形成部としての複数の凹部(以下「第2標識形成凹部15」)が設けられている。第2標識形成凹部15は、例えば、サイドプレート14に埋め込まれた変駒に刻印として形成されているか、成型面14aに直接刻印として形成されている。これらの第2標識形成凹部15は図4に示すようにタイヤTのサイド部に第2標識M2を形成するための凹部である。本実施形態における第2標識M2は、工場コード(製造工場を表す文字のことで、図4では「AB」)及びサイズコード(タイヤサイズを表す文字のことで、図4では「CD」)がこの順に並んで形成されているものとする。図2及び図3に示すように、複数の第2標識形成凹部15は、全体として、第2標識M2が反転した形となっている。
上記のステンシルプレート30において、標識形成凹部31は、プレス加工によって平坦な板状部材の一部を陥没させて形成されている。そのため、図6等に示すように、ステンシルプレート30の裏面34側には、標識形成凹部31に対応する膨出部32が現れている。標識形成凹部31の深さt2(図6参照)は例えば0.2〜0.8mmであり、膨出部32の膨出の高さは標識形成凹部31の深さと同等である。
図8に示すように、ステンシルプレート30の長手方向の年セリアル側の端部(図5、図6とは反対側の端部)近傍には、ステンシルプレート30を貫通するねじ孔35が形成されている。ねじ孔35は、ステンシルプレート30の表面33から深さ方向へ向かって徐々に縮径する第1ねじ孔部35aと、第1ねじ孔部35aから裏面34へ抜ける第2ねじ孔部35bからなる。第1ねじ孔部35aは皿ねじの頭部が収まる形をしている。ねじ孔35は打ち抜き加工によって形成されており、ステンシルプレート30の裏面34側には、第1ねじ孔部35aに対応する形状の突起36が形成されている。
ステンシルプレート30の表面33及び裏面34は、標識形成凹部31、膨出部32、ねじ孔35及び突起36を除き、平面になっている。
ステンシルプレート30が設けられる取り付け凹部20は、取り付け凹部20の深さ方向へ延びる側壁22、24、26、28と、成型面14aに対して平行な底面21とによって形成されている。取り付け凹部20の深さt3(図6参照)は例えば0.8〜1.9mmである。ステンシルプレート30の膨出部32は図5等に示すように取り付け凹部20の底面21に接していることが好ましいが、接していなくても良い。取り付け凹部20は、その底面21に垂直な方向から見て、ステンシルプレート30と同様の細長い形状をしている。取り付け凹部20の長手方向はステンシルプレート30の長手方向と一致する。
取り付け凹部20の底面21に垂直な方向から見て、ステンシルプレート30と取り付け凹部20とはほぼ同じ大きさである。
図5及び図6に示すように、取り付け凹部20の長手方向の一端側の側壁22は、取り付け凹部20の開口端20aから底面21まで、底面21に垂直な方向に延びている。この側壁22の高さ方向の途中に第1溝23が形成されている。第1溝23の内面として、それぞれ底面21に平行に(つまり側壁22に直交する方向へ)延びる上側壁部23aや下側壁部23bがある。
取り付け凹部20の開口端20aから第1溝23までの長さt4(図6参照)は例えば0.2〜0.5mmである。また第1溝23の深さt5(側壁22に直交する方向への長さ、図6参照)は、取り付け凹部20の開口端20aから第1溝23までの長さt4よりも長く、例えば前記長さt4の2〜3倍である。
なお、第1溝23から成型面14aまでの部分は、後述するようにステンシルプレート30を押えるプレート押え部40でもある。
また、図9及び図10に示すように、取り付け凹部20の長手方向の中央部の側壁24は、取り付け凹部20の開口端20aから底面21まで、底面21に垂直な方向に延びている。この側壁24の高さ方向の途中に第2溝25が形成されている。第2溝25の内面として、それぞれ底面21に平行に(つまり側壁24に直交する方向へ)延びる上側壁部25aや下側壁部25bがある。
取り付け凹部20の開口端20aから第2溝25までの長さt6(図10参照)は、取り付け凹部20の開口端20aから第1溝23までの長さt4(図6参照)と同じである。つまり、第2溝25は第1溝23と同じ深さの場所に形成されている。また第2溝25の深さt7(側壁24に直交する方向への長さ、図10参照)は、取り付け凹部20の開口端20aから第2溝25までの長さt6よりも長く、例えば前記長さt6の2〜3倍である。
このような第2溝25は、取り付け凹部20の幅方向(長手方向に直交する方向)の両側の側壁24に形成されている。
なお、第2溝25から成型面14aまでの部分は、後述するようにステンシルプレート30を押えるプレート押え部41でもある。
また、図11及び図12に示すように、取り付け凹部20の長手方向の中央部の側壁24の両側の側壁26には、取り付け凹部20の開口端20a側を広く、底面21側を狭くする段差が形成されている。詳細には、図12に示すように、側壁26は、底面21と平行な段差形成面27と、段差形成面27より開口端20a側の開口端側側壁部26aと、段差形成面27より底面21側の底面側側壁部26bとからなる。
開口端側側壁部26aは、取り付け凹部20の開口端20aから段差形成面27まで、底面21に垂直な方向に延びている。また、底面側側壁部26bは、段差形成面27から底面21まで、底面21に垂直な方向に延びている。
また、段差形成面27は、第1溝23の下側壁部23b及び第2溝25の下側壁部25bと同じ高さにある。そして、段差形成面27、下側壁部23b及び下側壁部25bが一体となって、取り付け凹部20の縁に沿った幅の狭い1つの平面を形成している。
このような開口端側側壁部26a、段差形成面27及び底面側側壁部26bは、取り付け凹部20の幅方向(長手方向に直交する方向)の両側の側壁26に形成されている。
また、図8に示すように、取り付け凹部20の長手方向の他端側の側壁28は、取り付け凹部20の開口端20aから底面21まで、底面21に垂直な方向に延びている。この側壁28には溝が形成されていない。
取り付け凹部20の長手方向の他端側の底面21には下穴51が形成されている。この下穴51は、ステンシルプレート30のねじ孔35と上下方向(取り付け凹部20の深さ方向)に一致する場所に形成されている。
以上のような取り付け凹部20の中に上記のテンシルプレート30が配置されている。図5及び図6に示すように、テンシルプレート30の長手方向の年セリアル側の端部(ねじ孔35がない方の端部)は、取り付け凹部20の長手方向の一端側の側壁22の第1溝23に挿入されている。また、図9及び図10に示すように、テンシルプレート30の幅方向(長手方向に直交する方向)両側の端部のうち、テンシルプレート30の長手方向の中央部の端部は、取り付け凹部20の長手方向中央部の側壁24の第2溝25に挿入されている。また、図11及び図12に示すように、テンシルプレート30の幅方向両側の端部のうち、第2溝25に挿入されていない部分は、側壁26の段差形成面27の上に載っている。
このように、テンシルプレート30の長手方向の一方側の端部が第1溝23に挿入され、テンシルプレート30の長手方向の中央の端部が第2溝25に挿入され、テンシルプレート30の端部の別の一部が段差形成面27の上に載っている。この態様について別の見方をすると、段差形成面27、下側壁部23b及び下側壁部25bの上にテンシルプレート30の端部が載り、図3に示すようにそのテンシルプレート30の端部の所定部分をプレート押え部40、41が上から押えていると言える。
また、図7及び図8に示すように、ステンシルプレート30のねじ孔35及び取り付け凹部20の下穴51には、固定部材としての1本のねじ50が通されている。それにより、ステンシルプレート30が取り付け凹部20に固定されている。ねじ50は皿ねじであり、その頭部52がステンシルプレート30のねじ孔35に収まり、頭部52の面52aとステンシルプレート30の表面33とが面一となっている。また、ねじ50のねじ部53が取り付け凹部20の下穴51と螺合している。
図7及び図8に示すように、ステンシルプレート30と取り付け凹部20の底面21との間のねじ50の周りには座金54が設けられている。座金54はリング状の部材で、ステンシルプレート30の裏面34側の突起36を囲んでいる。座金54の高さは、ステンシルプレート30の裏面34から取り付け凹部20の底面21までの高さと一致している。
以上の構造のタイヤ加硫金型10でタイヤTの加硫成型が行われる際は、図1に示すようなタイヤ加硫金型10の内部に未加硫タイヤ(不図示)がセットされる。そして、セットされた未加硫タイヤの内側に配置されているブラダー(不図示)が膨張し、未加硫タイヤの表面が金型内面(成型部材の成型面)に押し当てられる。この状態でタイヤ加硫金型10のサイドプレート14等が上記の加硫成型温度に保持され、未加硫タイヤが加硫成型される。
図4に示すように、加硫成型後のタイヤTには、ステンシルプレート30によって標識Mが形成される。上記のようにステンシルプレート30の標識形成凹部31は凹部であるため、加硫成型後のタイヤTには標識Mが凸部として形成される。
そして、タイヤTの標識Mを変更するときは、作業者がステンシルプレート30を交換する。詳細には、作業者は、ねじ50をステンシルプレート30のねじ孔35及び取り付け凹部20の下穴51から抜き、ステンシルプレート30を長手方向のねじ孔35の方へスライドさせる。すると、ステンシルプレート30の端部が第1溝23及び第2溝25から抜け、ステンシルプレート30が外れる。
次に、作業者は、新しいステンシルプレート30を取り付け凹部20にスライドさせながら入れ、ステンシルプレート30の端部を第1溝23及び第2溝25に挿入する。作業者は、ステンシルプレート30の端部を第1溝23に挿入した後、ねじ50をステンシルプレート30のねじ孔35及び取り付け凹部20の下穴51に挿入して螺合させ、それによってステンシルプレート30を取り付け凹部20に固定する。
以上の実施形態によれば、取り付け凹部20の側壁22、24に溝23、25が形成され、それらの溝23、25にステンシルプレート30の端部の一部が挿入されているので、ステンシルプレート30の浮き上がりが生じにくい。
ここで、取り付け凹部20の長手方向の一端側の側壁22に第1溝23が形成されているので、作業者がステンシルプレート30をその長手方向にスライドさせることによりステンシルプレート30の端部を容易に第1溝23に挿入できる。また、第1溝23と反対側でステンシルプレート30がねじ50で取り付け凹部20に固定されるので、ステンシルプレート30が外れなくなる。
ここで、本実施形態ではステンシルプレート30の隣に第2標識形成凹部15が設けられているが、ステンシルプレート30の第2標識形成凹部15側にねじ50があると、タイヤTにおいて標識Mと第2標識M2との間にねじ50の跡が残ってしまうおそれがある。しかし本実施形態では、取り付け凹部20の長手方向のうち第1溝23側の隣に第2標識形成凹部15が設けられており、標識形成凹部31と第2標識形成凹部15との間にねじ孔35がないため、タイヤTにおいて標識Mと第2標識M2との間にねじ50の跡が出来ない。
また、ステンシルプレート30の端部を挿入する溝が存在しない場合、ステンシルプレート30はその長手方向の中央部が最も浮き上がりやすい。しかし本実施形態では、取り付け凹部20の長手方向の中央部に第2溝25が形成され、その第2溝25にステンシルプレート30の長手方向の中央部が挿入されているため、ステンシルプレート30の浮き上がりを効果的に抑えることができる。
また、ステンシルプレート30と取り付け凹部20の底面21との間において、ねじ50の周りに座金54が設けられているため、作業者がねじ50を強く締めてもねじ50がステンシルプレート30を押し過ぎることがない。そのためステンシルプレート30の長手方向の中央部等が浮き上がりにくい。特に、座金54の高さが、ステンシルプレート30の裏面34から取り付け凹部20の底面21までの高さと一致しているため、その効果が高い。
また、上記のように、取り付け凹部20の側壁22、24、26、28のうち溝が形成されていない側壁26に、取り付け凹部20の開口端20a側を広く、底面21側を狭くする段差が形成されている。その段差を形成する段差形成面27にステンシルプレート30の端部が載っているため、ステンシルプレート30ががたつきにくい。
また、上記のように、第1溝23及び第2溝25の深さt5、t7が、取り付け凹部20の開口端20aから第1溝23及び第2溝25までの長さt4、t6よりも長い。このように第1溝23及び第2溝25が深いため、ステンシルプレート30が第1溝23及び第2溝25に深く挿入されて外れにくい。また、取り付け凹部20の開口端20aから第1溝23及び第2溝25までの長さt4、t6が短いため、加硫成型後のタイヤTにおいてステンシルプレート30が当たっていた部分(標識Mを囲む部分)があまり突出しない。
また、ステンシルプレート30の標識形成凹部31が凹部であり、タイヤTには標識Mが凸部として形成されるため、標識Mの視認性が良い。また、標識を凸部として形成すべきという近年の要求があり、その要求に応えることができる。
以上の実施形態は例示であり、発明の範囲は以上の実施形態に限定されない。以上の実施形態に対し、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変更を行うことができる。以下では複数の変更例について説明するが、上記実施形態に対して、複数の変更例のうちいずれか1つを適用しても良いし、複数の変更例のうちいずれか2つ以上を組み合わせて適用しても良い。
(変更例1)
図13に実線で示すように、ステンシルプレート30の端部が取り付け凹部20の深さ方向へ反っていても良い。この場合、標識形成凹部31が存在している領域は反らずに、標識形成凹部31が存在している領域の外側が反っていることが好ましい。
このような反りは、ステンシルプレート30に標識形成凹部31を形成するためのプレス加工の際に生じることが多い。しかし、図13に二点鎖線で示すようにステンシルプレート30の端部が取り付け凹部20の深さ方向と反対の方向に反っていると、加硫成型中に図中Sで示す微小空間にゴムが侵入し、タイヤTの表面にゴムの突出物が形成されてしまう。
それに対し、ステンシルプレート30の端部が取り付け凹部20の深さ方向へ反っていれば、加硫成型中にゴムが侵入する微小空間が出来にくく、タイヤTの表面にゴムの突出物が形成されにくい。
(変更例2)
図14に示すように、取り付け凹部20の長手方向の一端側の第1溝123において、上側壁部123aが下側壁部123bよりも第1溝123の深さ方向へ短くても良い。この場合、第1溝123の上のプレート押え部140の面積が小さいこととなり、ステンシルプレート30のプレート押え部140によって隠れる部分の面積が小さくなる。
取り付け凹部20の長手方向の中央部の第2溝においても同様に、上側壁部が下側壁部よりも第2溝の深さ方向へ短くても良い。
(変更例3)
上記実施形態における第1溝23や第2溝25のような、ステンシルプレート30の端部が挿入される溝の場所は、取り付け凹部20の長手方向の端部や中央部に限定されない。取り付け凹部20の側壁のいずれか一部に溝が形成され、その溝にステンシルプレート30の端部の一部が挿入されていれば、ステンシルプレート30の浮き上がりが生じにくくなる。
(変更例4)
ステンシルプレート30が設けられる成型部材はサイドプレート14に限定されない。例えばビードリング16に上記実施形態と同様に取り付け凹部20及びステンシルプレート30が設けられても良い。
(変更例5)
ステンシルプレートの標識形成部は、上記実施形態とは逆に凸部として形成されていても良い。ステンシルプレートの標識形成部が凸部の場合、タイヤのサイド部の標識は凹部として形成される。
(変更例6)
金型は、上記実施形態のようにセクター12、サイドプレート14及びビードリング16を備えたものに限定されない。例えば、上型及び下型からなり、トレッド部を含むタイヤ外面の全体を上型及び下型の2つの型で成型する金型が知られている。そのような金型において、上記実施形態と同様の構成でステンシルプレート30が設けられても良い。
(変更例7)
ステンシルプレート30を取り付け凹部20に固定する固定部材は、これらを固定できるものであれば良く、上記実施形態のようなねじに限定されない。
M…標識、M2…第2標識、T…タイヤ、10…タイヤ加硫金型、12…セクター、12a…成型面、14…サイドプレート、14a…成型面、15…第2標識形成凹部、16…ビードリング、16a…成型面、20…取り付け凹部、20a…開口端、21…底面、22…側壁、23…第1溝、23a…上側壁部、23b…下側壁部、24…側壁、25…第2溝、25a…上側壁部、25b…下側壁部、26…側壁、26a…開口端側側壁部、26b…底面側側壁部、27…段差形成面、28…側壁、30…ステンシルプレート、31…標識形成凹部、32…膨出部、33…表面、34…裏面、35…ねじ孔、35a…第1ねじ孔部、35b…第2ねじ孔部、36…突起、40…プレート押え部、41…プレート押え部、50…ねじ、51…下穴、52…頭部、52a…面、53…ねじ部、54…座金、123…第1溝、123a…上側壁部、123b…下側壁部、140…プレート押え部

Claims (9)

  1. タイヤを成型するタイヤ成型面と、前記タイヤ成型面に対して凹状に形成された取り付け凹部と、表側に標識形成部が形成されたステンシルプレートとが設けられ、前記取り付け凹部に前記ステンシルプレートが配置されたタイヤ加硫金型において、
    前記取り付け凹部が深さ方向へ延びる側壁と底面とによって形成され、前記側壁の一部に溝が形成され、前記溝に前記ステンシルプレートの端部の一部が挿入されたことを特徴とする、タイヤ加硫金型。
  2. 前記タイヤ成型面に垂直な方向から見て前記取り付け凹部が長手方向を有し、
    前記取り付け凹部の前記長手方向の一端側の前記側壁に前記溝が形成され、
    前記取り付け凹部の前記長手方向の他端側で前記ステンシルプレートが前記取り付け凹部に固定部材で固定された、
    請求項1に記載のタイヤ加硫金型。
  3. 前記取り付け凹部の前記長手方向の前記一端側の隣に、前記標識形成部とは別の第2標識形成部が設けられた、請求項2に記載のタイヤ加硫金型。
  4. 前記タイヤ成型面に垂直な方向から見て前記取り付け凹部が長手方向を有し、
    前記取り付け凹部の前記長手方向の中央部の前記側壁に前記溝が形成された、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ加硫金型。
  5. 前記ステンシルプレートを貫通して前記ステンシルプレートを前記取り付け凹部に固定する固定部材が設けられ、
    前記ステンシルプレートと前記取り付け凹部の前記底面との間の前記固定部材の周りに座金が設けられた、請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤ加硫金型。
  6. 前記取り付け凹部の前記側壁のうち前記溝が形成されていない部分の少なくとも一部に、前記取り付け凹部の開口端側を広く、前記底面側を狭くする段差が形成され、
    前記段差を形成する段差形成面に前記ステンシルプレートの端部の一部が載っている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のタイヤ加硫金型。
  7. 前記側壁に直交する方向への前記溝の深さが、前記取り付け凹部の開口端から前記溝までの長さよりも長い、請求項1〜6のいずれか1項に記載のタイヤ加硫金型。
  8. 前記ステンシルプレートの端部が前記取り付け凹部の深さ方向へ反っている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタイヤ加硫金型。
  9. 前記溝の内面として上側壁部及び下側壁部が設けられ、前記上側壁部が前記下側壁部よりも前記溝の深さ方向へ短い、請求項1〜8のいずれか1項に記載のタイヤ加硫金型。
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