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JP2021054919A - ゴム成形体の製造方法およびゴム成形体 - Google Patents

ゴム成形体の製造方法およびゴム成形体 Download PDF

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Akio Mase
昭雄 間瀬
中村 直樹
Naoki Nakamura
直樹 中村
幸男 大山
Yukio Oyama
幸男 大山
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

【課題】ゴム成形体の軽量化を図るとともに、金型成形やプレス成形により薄肉に成形しても寸法安定性等に優れるゴム成形体を製造することが可能な、ゴム成形体の製造方法およびそれにより得られるゴム成形体を提供する。【解決手段】加硫剤を含まないジエン系ゴムに熱膨張性マイクロカプセルを混合する、マイクロカプセル混合工程と、上記マイクロカプセル混合工程後の混合物に熱を加え上記混合物中の熱膨張性マイクロカプセルを膨張させる、膨張工程と、上記膨張工程後の混合物に加硫剤を混合する、加硫剤混合工程と、上記加硫剤混合工程後の混合物を金型成形またはプレス成形により熱架橋させる、架橋工程と、を備えている。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム成形体の製造方法およびゴム成形体に関するものであり、詳しくは、ゴム成形体の軽量化を図るとともに、薄肉に成形しても寸法安定性等に優れるゴム成形体を製造することが可能な、ゴム成形体の製造方法およびゴム成形体に関するものである。
ゴム成形体の軽量化を実現する方法としては、例えば、そのゴム成形体を発泡体とすることが一般的である。そして、上記のような発泡体とするには、上記ゴム成形体の材料中に化学発泡剤を加えることにより、ゴム加硫とともに発泡させるといった手法が、従来から執り行われている。
しかしながら、このような材料を用いてゴム成形体を金型成形等した場合、金型と接している箇所(ゴム成形体表面)に厚いスキン層(発泡がみられない層)が形成されやすく、さらに、上記化学発泡剤によりゴム成形体中に形成された発泡セルが均一になりにくくばらつきが生じやすいため、ゴム物性が安定しないといった問題がある。
従来、上記問題を解消する方法としては、脱型後にスキン層を切削する等の対処法がとられているが、この対処法では、寸法精度が出ない、製造工程が煩雑になる、多量に廃棄物(切削除去されたスキン層)が生成される等の問題が残る。
そこで、化学発泡剤による発泡ではなく、上記ゴム成形体の材料中にマイクロバルーンを予め分散させてゴム組成物を調製し、上記ゴム組成物を加硫させるといった手法が検討されている。この手法では、先に述べたような寸法精度の問題は解消されるものの、比重が極端に低いマイクロバルーンをゴム組成物中に均一に分散させることが実際には難しいため、例えば、マイクロバルーンを均一に分散させるためにゴム組成物の混練を長時間行わなければならなくなる。
しかしながら、このような長時間の混練を行った場合、マイクロバルーンが潰れて、ゴム成形体が発泡体にならないといった問題が生じやすい。
そのような中、上記ゴム成形体の材料中に熱膨張性マイクロカプセルを分散させて、ゴム組成物を調製し、上記ゴム組成物を加硫させるのと同時に上記マイクロカプセルを熱膨張させるといった手法が検討されている(特許文献1〜3参照)。
特開平11−92571号公報 特開2005−82620号公報 特開昭60−149642号公報
しかしながら、上記特許文献に示されているように熱膨張性マイクロカプセルを使用した場合であっても、膨張のばらつきの問題や、寸法安定性(特に金型成形やプレス成形により薄肉にゴム成形した際の寸法安定性)の問題が生じやすい。そのため、上記特許文献に示されているように熱膨張性マイクロカプセルを使用した場合であっても、寸法精度の良い薄肉のゴム成形体を得るには、スライス等の後工程が必要である。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、ゴム成形体の軽量化を図るとともに、金型成形やプレス成形により薄肉に成形しても寸法安定性等に優れるゴム成形体を製造することが可能な、ゴム成形体の製造方法およびそれにより得られるゴム成形体の提供を、その目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、前記特許文献に示されているように、ゴム組成物を加硫させるのと同時に上記ゴム組成物に含まれるマイクロカプセルを熱膨張させるのではなく、加硫剤を含まないジエン系ゴムに熱膨張性マイクロカプセルを混合し、この混合物に熱を加えて上記マイクロカプセルを充分に膨張させた後、ゴム組成物中に加硫剤を混合し、金型成形またはプレス成形により熱架橋させることを想起した。上記のように加硫剤を含まないジエン系ゴム中で熱膨張させたマイクロカプセルは、その熱膨張による内圧により、加硫剤混合工程で過度な混練を行わない限り潰れることはない。その結果、上記のような製法により得られたゴム成形体は、膨張性が高く、軽量化が達成されており、しかも、マイクロカプセルの膨張のばらつきが小さく、金型成形やプレス成形により薄肉のゴム成形体にした場合であっても寸法安定性が良好なものとなった。そして、上記のような製造方法により、スキン層の厚みが0.1mm以下、セル径が20〜200μmの範囲、上記ゴム成形体外周の寸法精度が、ゴム成形体外周の厚み方向に対し誤差±0.05mmの範囲、無発泡の上記ゴム成形体を標準物質とする上記ゴム成形体の比重が0.1〜0.9の範囲である、といった要件を全て満たす、特徴的なゴム成形体の製造を実現することができるようになることを見いだした。
すなわち、本発明は、上記の目的を達成するために、以下の[1]〜[5]を、その要旨とする。
[1]加硫剤を含まないジエン系ゴムに熱膨張性マイクロカプセルを混合する、マイクロカプセル混合工程と、
上記マイクロカプセル混合工程後の混合物に熱を加え上記混合物中の熱膨張性マイクロカプセルを膨張させる、膨張工程と、
上記膨張工程後の混合物に加硫剤を混合する、加硫剤混合工程と、
上記加硫剤混合工程後の混合物を金型成形またはプレス成形により熱架橋させる、架橋工程と、
を備えていることを特徴とするゴム成形体の製造方法。
[2]上記加硫剤混合工程における加硫剤の混合を、別途調製した加硫剤含有ジエン系ゴムを混合することにより行う、[1]に記載のゴム成形体の製造方法。
[3]上記マイクロカプセル混合工程における熱膨張性マイクロカプセルの混合を、ジエン系ゴム全量100重量部に対し1〜30重量部の割合で混合する、[1]または[2]に記載のゴム成形体の製造方法。
[4]熱膨張性マイクロカプセルの膨張によるセルが分散されたジエン系ゴムからなるゴム成形体であって、
上記ゴム成形体外周のスキン層の厚みが0.1mm以下、
上記セルのセル径が20〜200μmの範囲、
上記ゴム成形体外周の寸法精度が、ゴム成形体外周の厚み方向に対し誤差±0.05mmの範囲、
かつ、無発泡の上記ゴム成形体を標準物質とする上記ゴム成形体の比重が0.1〜0.9の範囲
であることを特徴とするゴム成形体。
[5]上記ジエン系ゴムが、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ブチルゴム、およびクロロプレンゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つである、[4]に記載のゴム成形体。
以上のことから、本発明のゴム成形体の製造方法は、熱膨張性マイクロカプセルを充分に膨張させた状態で分散させたゴム成形体を後加工なしで製造することができる。そのため、金型成形やプレス成形により薄肉に成形しても寸法安定性等に優れるゴム成形体を製造することが可能となる。
つぎに、本発明の実施の形態について詳しく説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
本発明のゴム成形体の製造方法は、以下の(1)〜(4)に示す各工程を備えている。
(1)加硫剤を含まないジエン系ゴムに熱膨張性マイクロカプセルを混合する、マイクロカプセル混合工程。
(2)上記マイクロカプセル混合工程後の混合物に熱を加え上記混合物中の熱膨張性マイクロカプセルを膨張させる、膨張工程。
(3)上記膨張工程後の混合物に加硫剤を混合する、加硫剤混合工程。
(4)上記加硫剤混合工程後の混合物を金型成形またはプレス成形により熱架橋させる、架橋工程。
上記ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。なかでもNRが好ましい。
また、上記熱膨張性マイクロカプセルは、熱により気化、分解または化学反応して気体を発生する液体や固体を、熱可塑性樹脂からなるシェル(外殻)に内包した熱膨張性熱可塑性樹脂粒子であり、この粒子をその膨張開始温度以上の温度、通常130〜190℃の温度で加熱して膨張させることによってその熱可塑性樹脂からなる外殻中に気体を封入した気体封入熱可塑性樹脂粒子(中空ポリマー)となる。
上記熱膨張性マイクロカプセル内に内包される物質としては、例えば、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ブタン、イソブタン、ヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類、塩化メチル、塩化メチレン、ジクロロエチレン、トリクロロエタン、トリクロルエチレン等の塩素化炭化水素等の液体、あるいは、アゾジカーボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、トルエンスルホニルヒドラジド誘導体、芳香族スクシニルヒドラジド誘導体等の固体があげられる。そして、これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
また、上記熱膨張性マイクロカプセルのシェル(外殻)の材料である熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリロニトリル若しくはメタクリロニトリルの重合体、またはアクリロニトリル若しくはメタクリロニトリルと他のコモノマーとの共重合体があげられる。そして、これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。なお、上記コモノマーの例としては、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、スチレン系モノマー、アクリレート系モノマー、メタクリレート系モノマー、酢酸ビニル、ブタジエン、ビニルピリジン、クロロプレン等があげられる。
また、上記熱可塑性樹脂は、架橋されていないものが好ましいが、熱可塑性樹脂としての性質が損なわれない限度において、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、トリアクリルホルマール、トリアリルイソシアヌレート等のコモノマーを上記熱可塑性樹脂に導入して、上記熱可塑性樹脂を部分的に架橋してもよい。
上記熱膨張性マイクロカプセルには、通常その粒子径が、膨張前において10〜50μm、膨張後において30〜200μmのものが用いられる。好ましくは、膨張前において30〜40μm、膨張後において100〜150μmのマイクロカプセルである。このような熱膨張性マイクロカプセルとしては、例えば、松本油脂製薬社製のマツモトマイクロスフェアーFN−78D等として入手可能である。
つぎに、本発明のゴム成形体の製造方法における、前記(1)〜(4)に示す各工程について説明する。
[マイクロカプセル混合工程(1)]
上記マイクロカプセル混合工程(1)における熱膨張性マイクロカプセルの混合割合は、ジエン系ゴム全量100重量部に対し1〜30重量部の割合で混合して行うことが、良好な発泡がなされたゴム成形体を製造する観点から、好ましい。同様の観点から、より好ましくは、上記熱膨張性マイクロカプセルの混合割合は、ジエン系ゴム全量100重量部に対し5〜20重量部の範囲である。
また、上記マイクロカプセル混合工程(1)においては、加硫剤以外の各材料を適宜に加えることができる。したがって、ジエン系ゴム、熱膨張性マイクロカプセルとともに、加硫助剤、老化防止剤、プロセスオイル、発泡剤、可塑剤、着色剤、充填材(カーボンブラック、シリカ等)等を加えてもよい。なお、上記マイクロカプセル混合工程(1)において、加硫促進剤を配合することも可能であるが、良好な加硫を行う観点から、加硫促進剤は、加硫剤と同時に配合することが好ましい。
そして、上記マイクロカプセル混合工程(1)は、ニーダーミキサー等によって60〜100℃で3〜10分間混練することにより、良好に行われる。
なお、上記マイクロカプセル混合工程(1)を高温で行うと、その熱により膨張が進行したマイクロカプセルが、上記混練によって潰れやすくなるため、上記のような、マイクロカプセルの膨張が進行しない温度で混練を行うことが望ましい。
[膨張工程(2)]
上記膨張工程(2)では、上記マイクロカプセル混合工程(1)後の混合物に熱を加え上記混合物中の熱膨張性マイクロカプセルを膨張させることが行われる。例えば、上記混合物を、120〜180℃に調節したオーブン内に5〜60分間保存することにより、上記混合物のマイクロカプセルを熱膨張させることができる。
[加硫剤混合工程(3)]
上記加硫剤混合工程(3)では、上記膨張工程(2)後の混合物に対し、加硫剤(硫黄等)の混合が行われる。なお、ジエン系ゴム、熱膨張性マイクロカプセル以外の材料を、本工程で加えることも可能であるが、このような材料は、各材料の混合性および分散性の観点から、加硫促進剤を除き、前記マイクロカプセル混合工程(1)で加えることが好ましい。
また、上記加硫剤混合工程(3)における加硫剤の混合を、直接混合するのではなく、別途調製した加硫剤含有ジエン系ゴム(なお、熱膨張性マイクロカプセルは不含)を混合することにより行うことが、作業性の向上の観点から、好ましい。
上記加硫剤混合工程(3)は、ロール混練機等によって50〜70℃で3〜10分間混練することにより、良好に行われる。すなわち、上記のようして混練することにより、熱膨張したマイクロカプセルが潰されることなく、良好に加硫剤を混合することができるようになる。
[架橋工程(4)]
上記架橋工程(4)では、加硫剤混合工程(3)後の混合物を金型成形またはプレス成形により熱架橋させることが行われる。上記熱架橋は、140〜180℃で5〜60分間加熱することにより、良好に行われる。
なお、上記熱架橋前にマイクロカプセルの熱膨張は完了しているため、金型成形時にマイクロカプセルが膨張するスペースやフリー発泡させるスペースを確保しなくてもよくなり、その結果、寸法安定性が高く、しかも良好な発泡状態のゴム成形体を得ることができる。
そして、上記のようにして得られたゴム成形体はスキン層が薄いことから、スライス等の後工程が不要であり、形成材料の無駄を抑えることができる。そのため、本発明のゴム成形体の製造方法は、製造コストを抑えることができる。
上記(1)〜(4)に示す各工程を備えた本発明のゴム成形体の製造方法により、熱膨張性マイクロカプセルの膨張によるセルが分散されたジエン系ゴムからなるゴム成形体であって、スキン層の厚みが0.1mm以下(好ましくは0.01〜0.1mm)、上記セルのセル径が20〜200μmの範囲(好ましくは100〜150μmの範囲)、上記ゴム成形体外周の寸法精度が、ゴム成形体外周の厚み方向に対し誤差±0.05mmの範囲(好ましくは、上記厚み方向に対し誤差±0.03mmの範囲)、無発泡の上記ゴム成形体を標準物質とする上記ゴム成形体の比重が0.1〜0.9(好ましくは、上記比重が0.2〜0.6の範囲)、といった要件を全て満たす、特徴的なゴム成形体の製造を実現することができるようになる。
なお、上記スキン層とは、電子顕微鏡写真(50倍)によるゴム成形体の断面観察を行った際に、直径20μm以上のセルが認められない(もしくはマイクロカプセルによるセルが認められない)、ゴム成形体外周の層のことを示す。
上記のような特徴的なゴム成形体は、膨張性が高く、軽量化が達成されており、しかも、マイクロカプセルの膨張のばらつきが小さく、金型成形やプレス成形により薄肉のゴム成形体にした場合であっても寸法安定性が良好なものである。そして、上記のように寸法精度が良いことから、スライス等の後工程が不要である。また、上記ゴム成形体は、マイクロカプセルの内圧が保持されているため、高硬度であり、さらに、上記のように型成形がなされるため、形状の自由度が高い。これらのことから、上記ゴム成形体は、例えば、卓球ラバー、靴の中敷き、枕、椅子の背もたれ、クッション等として好ましく用いることができる。
なお、上記ゴム成形体は、大きな変位(引張や圧縮)により柔軟化する部分ができることから、形状記憶性能を有するゴム成形体として適用することも可能である。そして、例えば、靴の中敷き、枕、椅子の背もたれ、クッション等において、この性能を発揮させることも可能である。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
〔天然ゴム〕
RSS#3
〔亜鉛華〕
堺化学工業社製、酸化亜鉛2種
〔ステアリン酸〕
日油社製、ステアリン酸さくら
〔炭酸マグネシウム〕
神島化学工業社製、金星
〔可塑剤〕
日本サン石油社製、サンセン410
〔熱膨張性マイクロカプセル〕
松本油脂製薬社製、マツモトマイクロスフェアーFN−78D
〔既膨張マイクロカプセル〕
松本油脂製薬社製、マツモトマイクロスフェアーFN−78DE
〔化学発泡剤〕
永和化成工業社製、セルラーGX(化学発泡剤と発泡助剤の混合品)
〔加硫促進剤〕
大内新興化学工業社製、ノクセラーCZ
〔加硫剤〕
鶴見化学工業社製、サルファックスT−10
つぎに、上記各材料を用い、以下に示す実施例および比較例の製造工程に従い、厚み2mmのゴムシートの作製を行った。
[実施例1]
天然ゴム100重量部と、亜鉛華5重量部と、ステアリン酸1重量部と、炭酸マグネシウム15重量部と、可塑剤20重量部と、熱膨張性マイクロカプセル8重量部とを、3Lニーダーミキサーを用いて90℃で5分間混合し、マスターバッチを調製した。このようにして得られたマスターバッチを、160℃に調節したオーブン内に30分間保存し、マスターバッチ中のマイクロカプセルを熱膨張させた。その後、上記マスターバッチに、加硫促進剤1重量部と、加硫剤2.5重量部とを加え、ロール混練機を用いて60℃で5分間混合した。このようにして調製されたゴム組成物を、ゴムシート成形用金型に充填し、150℃で10分間加熱(加硫)して、ゴムシートを作製した。
[実施例2]
天然ゴム50重量部と、亜鉛華2.5重量部と、ステアリン酸0.5重量部と、炭酸マグネシウム7.5重量部と、可塑剤10重量部と、熱膨張性マイクロカプセル8重量部とを、3Lニーダーミキサーを用いて90℃で5分間混合し、マスターバッチを調製した。このようにして得られたマスターバッチを、160℃に調節したオーブン内に30分間保存し、マスターバッチ中のマイクロカプセルを熱膨張させた。これとは別に、天然ゴム50重量部と、亜鉛華2.5重量部と、ステアリン酸0.5重量部と、炭酸マグネシウム7.5重量部と、可塑剤10重量部と、加硫促進剤1重量部と、加硫剤2.5重量部とを、3Lニーダーミキサーを用いて90℃で5分間混合した、加硫剤含有ゴム組成物を用意した。そして、上記マスターバッチに対し、上記加硫剤含有ゴム組成物を、1:1(重量比)の割合で加え、ロール混練機を用いて60℃で5分間混合した。このようにして調製されたゴム組成物を、ゴムシート成形用金型に充填し、150℃で10分間加熱(加硫)して、ゴムシートを作製した。
[比較例1]
天然ゴム100重量部と、亜鉛華5重量部と、ステアリン酸1重量部と、炭酸マグネシウム15重量部と、可塑剤20重量部と、熱膨張性マイクロカプセル8重量部とを、3Lニーダーミキサーを用いて90℃で5分間混合し、マスターバッチを調製した。このようにして得られたマスターバッチに対し、加硫促進剤1重量部と、加硫剤2.5重量部とを加え、ロール混練機を用いて60℃で5分間混合した。このようにして調製されたゴム組成物を、ゴムシート成形用金型に充填し、150℃で10分間加熱(加硫)して、ゴムシートを作製した。
[比較例2]
比較例1と同様にして調製されたゴム組成物を、厚み2mmのゴムシート成形用金型に、体積率で50%の量だけ充填し、150℃で10分間加熱(加硫)して、ゴムシートを作製した。
[比較例3]
天然ゴム100重量部と、亜鉛華5重量部と、ステアリン酸1重量部と、炭酸マグネシウム15重量部と、可塑剤20重量部と、既膨張マイクロカプセル8重量部とを、3Lニーダーミキサーを用いて90℃で30分間混合し、マスターバッチを調製した。このようにして得られたマスターバッチに対し、加硫促進剤1重量部と、加硫剤2.5重量部とを加え、ロール混練機を用いて60℃で5分間混合した。このようにして調製されたゴム組成物を、ゴムシート成形用金型に充填し、150℃で10分間加熱(加硫)して、ゴムシートを作製した。
[比較例4]
天然ゴム100重量部と、亜鉛華5重量部と、ステアリン酸1重量部と、炭酸マグネシウム15重量部と、可塑剤20重量部とを、3Lニーダーミキサーを用いて90℃で5分間混合し、マスターバッチを調製した。このようにして得られたマスターバッチに対し、加硫促進剤1重量部と、加硫剤2.5重量部と、化学発泡剤4重量部とを加え、ロール混練機を用いて60℃で5分間混合した。このようにして調製されたゴム組成物を、ゴムシート成形用金型に充填し、120℃で30分間加熱して発泡させた後、145℃で20分間加熱(発泡および加硫)して、ゴム原板を作製し、その後、2mmにスライス成型してゴムシートを得た。
[比較例5]
マイクロカプセルを不含とする以外は、実施例1と同様にして、ゴムシートを作製した。
上記のようにして得られた実施例および比較例のゴムシートに関し、下記の基準に従い、各特性の測定および評価を行った。これらの結果を後記の表1に併せて示した。
≪寸法安定性≫
ゴムシートの厚みのばらつきを、厚み測定器(尾崎製作所社製、ダイヤルシックネスゲージ(0.01mmタイプ))により測定した。そして、上記測定の結果得られたゴムシートの厚みの範囲を示すとともに、その値をもとに、下記の基準に従い、寸法安定性を評価した。
○:ゴムシートの厚みの範囲が、2±0.05mmの範囲内。
△:ゴムシートの厚みの範囲が、2±0.2mmの範囲内。
×:ゴムシートの厚みの範囲が、2±0.2mmの範囲を超える。
≪比重≫
ゴムシートの比重を、島津製作所社製の比重測定装置により測定し、無発泡のゴムシート(比較例5)を標準物質とする上記ゴム成形体の比重を求めた。
≪C硬度≫
ゴムシートの硬度を、アスカーC型硬度計(高分子計器社製、アスカ―ゴム硬度計C型)により測定した。
≪収率≫
ゴム組成物投入量全体に対するゴムシートの重量割合(バリ、スキン層の削除により製造されたゴムシートの出来高)を、収率として算出した。そして、その値をもとに、下記の基準に従い、収率を評価した。
○:収率が95%以上。
△:収率が50%以上95%未満。
×:収率が50%未満。
Figure 2021054919
上記表1の結果より、実施例1のゴムシートは、マイクロカプセルを含まない比較例5の無発泡ゴム成形体の比重と比較して、比重が低下しており、発泡状態が保持されていることが分かる。また、実施例1のゴムシートは、通常のゴム加硫と同様に成形しても収率が高く、さらに、加硫前に発泡が完了しているため、寸法安定性も良好であることが分かる。しかも、実施例1のゴムシートは、マイクロカプセルが熱膨張した状態を保持していることから、カプセルの内圧が保持されており、化学発泡剤を用いたゴムシート(比較例4)と比較して、同程度の比重であるが高硬度となっている。
また、実施例2のゴムシートは、比重、寸法安定性、硬度、収率については、実施例1と同様の結果となったが、マスターバッチに対して、加硫促進剤、加硫剤を直接混合するのではなく、予め調製した加硫剤含有未加硫ゴムを混合するため、作業性が向上することが確認できた。
これに対し、比較例1のゴムシートは、その加硫時に、マイクロカプセルの膨張とゴムの加硫を同時に進行させているが、成形用金型にゴム組成物が満たされた状態で充填して成形が行われているため、膨張するスペースがなく、加硫のみが進行している。そのため、ゴムシートの比重が、無発泡ゴム成形体(比較例5)の比重と同程度であり、発泡体となっていないことが分かる。
比較例2のゴムシートは、成形用金型の体積に対して50%の量だけゴム組成物を充填して加熱し、シート成形が行われていることから、マイクロカプセルが膨張するスペースが存在し、その結果、得られたシートの比重は、無発泡ゴム成形体(比較例5)の比重と比較して低下している。しかし、比較例2のゴムシートは、膨張と加硫が同時に進行するため、厚みのバラツキが大きく、寸法安定性が悪いことが分かる。
比較例3のゴムシートは、既膨張マイクロカプセルをその材料として用いているが、既膨張マイクロカプセルの比重が軽いことから、実施例と同程度に均一にマイクロカプセルをゴム中に分散させるために、3Lニーダーミキサーによる混合時間を、実施例よりも長くした。そのため、上記混合によりマイクロカプセルが潰れ、実施例のゴムシートのような発泡体となっていないことが分かる。
比較例4のゴムシートは、化学発泡剤を用いて二段加熱により成形しており、発泡性は良好であったが、ゴムシート外周に厚いスキン層が存在するようになり、収率が低い結果となった。なお、上記スキン層をスライス工程により削除した場合、ゴムシートの厚みのバラツキが大きくなり、寸法安定性が低い結果となる。
本発明のゴム成形体の製造方法は、熱膨張性マイクロカプセルを充分に膨張させた状態でゴム成形体中に分散させることができ、しかも、上記のようなゴム成形体をスライス等の後加工なしで製造することができる。そのため、金型成形やプレス成形により薄肉に成形しても寸法安定性等に優れる各種ゴム成形体を製造することが可能となる。
そして、上記ゴム成形体は、マイクロカプセルの内圧が保持されているため、高硬度であり、さらに、上記のように型成形がなされるため、形状の自由度が高い。これらのことから、上記ゴム成形体は、例えば、卓球ラバー、靴の中敷き、枕、椅子の背もたれ、クッション等として好ましく用いることができる。

Claims (5)

  1. 加硫剤を含まないジエン系ゴムに熱膨張性マイクロカプセルを混合する、マイクロカプセル混合工程と、
    上記マイクロカプセル混合工程後の混合物に熱を加え上記混合物中の熱膨張性マイクロカプセルを膨張させる、膨張工程と、
    上記膨張工程後の混合物に加硫剤を混合する、加硫剤混合工程と、
    上記加硫剤混合工程後の混合物を金型成形またはプレス成形により熱架橋させる、架橋工程と、
    を備えていることを特徴とするゴム成形体の製造方法。
  2. 上記加硫剤混合工程における加硫剤の混合を、別途調製した加硫剤含有ジエン系ゴムを混合することにより行う、請求項1記載のゴム成形体の製造方法。
  3. 上記マイクロカプセル混合工程における熱膨張性マイクロカプセルの混合を、ジエン系ゴム全量100重量部に対し1〜30重量部の割合で混合する、請求項1または2記載のゴム成形体の製造方法。
  4. 熱膨張性マイクロカプセルの膨張によるセルが分散されたジエン系ゴムからなるゴム成形体であって、
    上記ゴム成形体外周のスキン層の厚みが0.1mm以下、
    上記セルのセル径が20〜200μmの範囲、
    上記ゴム成形体外周の寸法精度が、ゴム成形体外周の厚み方向に対し誤差±0.05mmの範囲、
    かつ、無発泡の上記ゴム成形体を標準物質とする上記ゴム成形体の比重が0.1〜0.9の範囲
    であることを特徴とするゴム成形体。
  5. 上記ジエン系ゴムが、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ブチルゴム、およびクロロプレンゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つである、請求項4記載のゴム成形体。
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