本発明の主題に従う代表的な実施形態は、図1〜図19に示され、同じ又は概して同様の特徴は、共通の参照番号を共有する。
本発明の主題は、概して、断熱材を提供するが、特定の条件下で選択的通気又は空気透過性を有する柔軟性のある構成物10、110を対象とする。本明細書で使用される場合、「通気」又は「空気透過性」は、表面の一方の側から反対側への空気又は流体輸送の促進を意味する概して同義の用語であるが、「空気透過性」は、多くの場合、湿気を多く含んだ空気又は蒸気の輸送を示唆する。
本発明の主題はまた、代表的な物品200、300など、本構成物を組み込む物品を対象とする。本構成物は、衣料品、履物、帽子、手袋、寝袋、及び他のそのような応用など、様々な個人使用物品における中間層としての使用に特に好適である。本発明の主題によると、本構成物は、バット材料12、112及び被覆層14、16の組み立てから少なくとも部分的に形成される。バット材料は、特に、断熱材として好適なものである。一般的に、また本明細書内で企図されるように、そのようなバット材料は、交絡繊維の嵩高のウェブによって特徴付けられ得る。それらは、典型的には、シート形態で提供されるが、非平面の三次元形態を有してもよい。例えば、それらは、頭、肩、肘、膝などの身体の輪郭に従う、及びそれを囲む形態で提供されてよい。バット材料は、衣料品などの個人使用製品において使用されるときは、典型的には、柔軟な材料又はドレープ性の材料である。
被覆層14、16は、バット材料10、110に隣接して、及びその上に同一の広がりをもって配設される層であり、このバット材料10、110は、それが1つ以上の被覆層を支持している限りでは、基材層とも呼ばれ得る。被覆層は、基材層を形成する交絡繊維のウェブに対する構造的支持及び強度、通気若しくは空気透過性、耐久性若しくは保護、並びに/又は所望の審美を提供する役割を果たし得る薄い層である。被覆層は、典型的には、基材層よりもはるかに薄い。例えば、基材層は、被覆層よりも少なくとも1.0、1.5、2、4、5、7、9、10、20、50、100倍厚くてもよい。同様に、被覆層は、典型的には、基材層よりもはるかに軽い。例えば、基材層は、1平方メートルあたりのグラムの観点から、被覆層よりも少なくとも1.0、1.5、2、4、5、7、9、10、20、50、100、200、300、400、500倍重くてもよい。
本発明の主題の様々な考えられる実施形態において、構成物10、110は、通気又は空気透過性が必要とされるときには、アクティブな条件下で材料層を通る完全な穿孔まで選択的に開くスリット18の使用により選択的通気を提供する。スリットは、基材層及び/又は被覆層内に形成され得る。スリットは、孔を形成するために広がって開くことができる、層内の1つ以上の接触辺のセットである。本明細書内で使用される場合、穿孔とは、そのような孔が層の一方の側から他方の反対側へ貫通し、その結果スルーホールが存在するときである。所与の構成物層は、それが第1の状態にあるときスリットが閉じられ、比較的に伸長した第2の状態にあるときスリットが完全な穿孔まで開き、それにより、層の一方の側から他方への空気、湿気、又は他の流体の通気を可能にするように、スリットを用いて構成され得る。
任意の所与のスリット付き層は、スリットの開閉を促進するために弾性であってもよい。衣料品又は他のボディウェアの物品を例とすると、活動していないユーザは、スリットを開くのに十分なほど被覆層に応力を与えない場合がある。寒い環境では、これは、断熱構成物が体温を保持することを助けるために有益である。しかしながら、ユーザが活動的になると、通気及び空気透過性が必要とされ得る。腕、脚、又は他の身体部位の活発な動きは、スリットの反対側にあるスリット付き層の区域を伸長下に置く。十分な伸長は、スリットを穿孔まで開かせる。スリット付き層の片側で蓄積した熱及び/又は湿気は、この穿孔を通って発散する。穿孔はまた、外の空気が開口部を通過して、ユーザの身体を冷やすことを可能にする。ユーザがあまり活動的でなくなると、熱が保持されるように穿孔は閉じる。
本発明の主題の原則は、これより、図に示される特定の考えられる非限定的な実施形態に関して例証される。図1は、本発明の主題に従う、断熱構成物10を示す。本構成物は、弾性の繊維質の不織シート又はプライ材料の1つ以上の層で作製され得る。例えば、本構成物は、本明細書内では「基材層」とも呼ばれ得る不織バット層12、及び少なくとも被覆層14を含み得る。被覆層は、典型的には、基材層14と比較して薄く、基材層に利益をもたらす働きをする。例えば、被覆層は、基材層を強化する、保護する、及び/又はそれに審美的利益をもたらすことができる。それはまた、基材層と別の層との中間にある界面層として働き、基材層の他の層への付着を促進することによって、基材層に利益をもたらし得る。
構成物10、又は層12、14、16のうちの1つ以上、及び本明細書内で企図される任意の他の層は、弾性の構成物又は層であってもよい。材料、層、又は構成物は、それが第1の及び概して弛緩した(外からの張力のない)長さから第2の又は拡張した長さへ延伸又は延長され得る場合、「弾性」であるか、又は「弾性特性」を有する。本明細書内で使用される場合、弾性層とは、第1の長さの少なくとも2倍延伸することができ、次いで、延伸力の解放時に、第1の長さの110パーセントを超えない第3の長さまで後退する層である。又は、異なる言い方をすると、第3の長さは、第1の長さの1.1倍を超えない。したがって、例として、材料又は層は、それが100センチメートルの初期長さを有していた場合、少なくとも200センチメートルの長さまで延伸され、次いで、延伸力の開放時に、110センチメートルを超えない長さまで後退され得る場合に、弾性である。
所望の場合、追加の層が構成物10内に組み込まれてもよい。例えば、第2の繊維質の不織被覆層16が、不織バット層12の表面に配置されてもよく、この第2の被覆層は、第1の被覆層14に対向する。図7を参照されたい。明確性の目的のため、「層」という用語は、概して、単一片の材料を指すが、同じ用語が、互いに積層されて、本明細書に説明される「層」のうちの1つ以上を形成する複数片又は複数プライの材料も意味すると解釈されるべきである。
不織バット層12、112は、交絡繊維の密着性のある嵩高のウェブへと形成される任意の1つ以上の天然繊維又は合成繊維から作製されてもよい。基材層12はまた、それが2つ以上の個々の密着したウェブ及び/又はフィルムを含み得るという点で、多層材料であり得る。層は、アウトドア用品及び衣服における断熱材としての機能を果たすことができるように、厚さ、嵩高さ、及び/又は他の属性を有する。断熱特性は、特定の最終使用によって変化し得る。例えば、スキー又は登山パーカは、トレイルランニングを目的としたジャケットよりも大きい嵩及び嵩高性を有し得る。いくつかの実施形態において、不織バット層12は、少なくとも1つの方向において弾性である。いくつかの実施形態において、2つ以上の方向において弾性である材料を使用することが望ましい場合がある。
基材層12、112としての使用に好適なバット断熱材材料はよく知られている。それらは、ポリエステルファイバーフィル材料を含む。例えば、中実又は中空又は他の特別な繊維のポリエステルファイバーフィルは、3M Company(St.Paul、Minn)の市販製品である。1つのそのような製品は、「Thinsulate(商標)」である。一般的に、ポリエステルファイバーフィルは、捲縮ポリエステル短繊維から作製され、キルト状バットの形態で使用される。通常、バット嵩及び嵩耐久性は、断熱材の量を増大させるために最大限にされる。中空ポリエステル繊維は、中実繊維と比較した場合にそれらが提供する増大した嵩が理由で、そのようなファイバーフィルバットにおける使用が広がっていることが分かっている。E.I.du Pont de Nemours and Company(Wilmington、Del)の製品、Hollowfil(登録商標)、Hollowfil II(商標)などの特定のファイバーフィル材料において、ポリエステル繊維は、さらなる嵩安定性及びふわふわした軟らかさを提供するため、耐洗濯シリコーンスリックナで被覆される。
繊維加工性及び使用中の嵩のため、衣服に使用するための滑らかにされた及び滑らかにされていないファイバーフィル繊維は、通常、5〜6デニール(5.6〜6.7dtex)の範囲内であった。ニードルパンチの熱溶着されたバットの形態にある、他のポリエステル繊維の融解点よりも低い融解点を有する滑らかにされた及び滑らかにされていない1.5デニールのポリエステル短繊維及び捲縮ポリエステル短繊維の混合から作製された特別なファイバーフィルは、優れた断熱特性及び触知できる審美特性を呈することが報告されている。そのようなファイバーフィルバットは、特許文献2においても論じられる。Thinsulate(商標)は、ポリオレフィン極細繊維の、又は高デニールポリエステル繊維と混合した極細繊維の、薄く、比較的密度の高いバットの形態にある断熱材料である。高デニールポリエステル繊維は、極細繊維のみによってバットに提供される低い嵩及び嵩回復を増大させるために、Thinsulate(商標)バット内に存在する。ウィンタースポーツ用上着衣服における使用では、これらの様々な断熱材料は、多くの場合、特許文献3に開示されるタイプの多孔質のポリ(テトラフルオロエチレン)ポリマーのフィルムの層と組み合わせられる。
衣料品断熱中間層に特に関連するわけではないが、多種多様なスパンレース不織繊維が当該技術分野において知られている。例えば、特許文献4〜7は、水圧により交絡したポリエステル繊維及び織糸の安定した、孔のない、ジェットトラックされた、スパンレース不織布を開示する。通常、スパンレース布は、密集した、高エネルギー束の、水の円柱状ジェットに繊維質のバットをさらすことによって生産される。商業運転では、通常、ジェットは、センチメートルあたりのジェットの数が10〜25の範囲内にある列内に配置される。広い間隔のジェットの使用も開示されている。例えば、特許文献4では、実施例Iが、バット内に3/4インチ(1.9cm)離間した「縫い目」を形成するために、「キルト様」方式でのポリエステル繊維のバットの水圧ステッチを説明し、実施例IIが、ステッチされたバットの蒸気処理を説明する。しかしながら、いずれの実施例も、ステッチされたバットの詳細な特徴は記録していない。出願者は、そのようなステッチされたバットが概して非常に弱く、扱いが難しいということを発見した。
バット、ウェブ、スクリム、シート、及び紙などの様々な繊維質の層は、水圧交絡技術を用いて組み合わされてスパンレース不織布となり得る。例えば、特許文献8は、水圧交絡を用いて、短レーヨン繊維のバット、紙(即ち、木材パルプ繊維)を連続したポリエステル織糸のシートへと「積層すること」を開示する。インチあたり少なくとも10ジェット(cmあたり4)及び好ましくはインチあたり30〜50(12〜20cm)が、スパンレース「積層体」を形成するのに提案される。
本発明の主題の布における使用に好適である短繊維混合物は、いくつかの知られている方法のいずれかによって調製され得る。例えば、バットは、カーディング及びクロスラッピングによって、Rando−Webber技術によって、又は特許文献9に説明される空気レイダウン法によって調製され得る。通常、バットは、100〜250g/m2の範囲の面積重量を有する。より軽い重量の布には、150g/m2より重くないバットが好ましい。
本発明での使用のための好適な短繊維バットは、例えば、軽い捲縮ポリエステル短繊維及び重い捲縮ポリエステル短繊維の混合物から調製され得る。軽い繊維は、1〜90の範囲のdtexを有し得、合計して40〜85重量%のバットになり得る。特定の考えられる実施形態において、軽い繊維は、合計して少なくとも50重量%のバットになる。特定の考えられる実施形態において、重い繊維は、軽い繊維のdtexの少なくとも2倍であるが15倍を超えないdtexを有する。いくつかの考えられる実施形態において、重い繊維のdtexは、軽い繊維のdtexの少なくとも4倍である。先述の範囲及び値は例示であり、他の範囲及び値もまた、当業者によって理解されるように、好適であり得る。
いくつかの実施形態において、バットの捲縮ポリエステル短繊維は、2〜5捲縮/cmの捲縮レベルを有するが、よりも高い又は低い捲縮レベルもまた好適であり得る。短繊維長は、通常、1〜6cmの範囲内であるが、より短い又は長い繊維も満足であり得る。繊維は、中実又は中空であってもよく、また実質的にいかなる断面のものであってもよい。
軽い短繊維及び重い短繊維に加えて、バット材料は、任意選択的に、バインダー繊維を含有し得る。それらの融解点を超える温度での熱処理の際、バインダー繊維は、バットを接着するために、他の繊維の表面上又は交差場所において融合することによって、繊維としてのそれらのアイデンティティを失う。接着は、必須ではないが、短繊維バットの寸法安定性を増進する。
本発明の主題によると、捲縮ポリエステル短繊維の上記混合物は、適切な密度、厚さ、回復力、手触り、及び断熱特徴を複合不織布に付与する。一般的な効果に従って、短繊維バットに対して定められた制限内で、バットパラメータは、以下のように制御され得る:重い繊維の量又はそれらのデニールにおける増加は、通常、より大きい回復力及び嵩を有する複合布を結果としてもたらす。繊維捲縮の増大は、柔らかさを増進する。中空繊維の量における増加は、嵩を増加させ、密度を減少させ、耐熱性を向上させる。バット密度におけるいかなる減少も、一般的に、複合布の耐熱性を増大させる。
基材層12として使用される布の基本重量は、1平方メートルあたり約5〜約250グラムの範囲にわたり得る。しかしながら、基本重量は、回復特性及びバリア特性を含む所望の特性を提供するために、変化され得る。いくつかの考えられる実施形態において、エラストマ基材の基本重量は、1平方メートルあたり約25〜約200グラムの範囲にわたり得る。さらにより詳細には、エラストマ布の基本重量は、1平方メートルあたり約40〜約150グラムの範囲にわたり得る。
基材層12に付着されるのは、少なくとも第1の繊維質のウェブ被覆層14及び/又は16である。被覆層14の基本重量は、最終使用に依存する。一般的に、エラストマ不織のボンデッドカーデッドウェブ、及びスパンボンドウェブが、好適な被覆層である。不織材料よりも重く、より高価であるという傾向のある織層及び/又はニット層もまた、例えば、材料の重量及び/又は費用が他の基準と比べてあまり重要でない特定の応用においては、好適であり得る。これらの構築物は、特定の実施形態では好適である弾性を有して形成され得る。
断熱バットとの使用に特に好適である被覆層の1つの形態は、「スクリム」シートである。例外も存在し得るが、織布と不織スクリムとの基本的な違いは、織りが伝統的な上下の交錯を必要とする一方、不織スクリムにおいては、糸が互いの上に置かれて、化学的に合わされるということである。最も大きな違いの1つは、不織スクリムにおける糸の「真直度」である。不織スクリムでは、「捲縮消失」伸び、及び織りの幾何学と関連付けられた糸/糸摩擦がほとんどないことから、糸特性がより直接的に布特性に移行される。必然的に、不織スクリムでは糸は、通常所定の位置にロックされ、伝統的な織りの格子模様が崩壊するやり方で崩壊することができないため、バイアス挙動も非常に異なる。
繊維質の不織ウェブ被覆層14、16を形成するために使用されるプロセスは、以下にさらに説明されるように物理的特性の必要な範囲を有する材料を結果としてもたらすプロセスを含む。好適なプロセスは、限定されるものではないが、エアレイプロセス、スパンボンドプロセス、及びボンデッドカーデッドウェブ形成プロセスを含む。スパンボンド不織ウェブは、押出織糸の直径を有する紡糸口金内の複数の微細管から織糸として熱可塑性溶融材料を押し出し、次いで、例えば、非抽出式若しくは抽出式の流体抜き取り機序又は他の周知のスパンボンド機序によって、急速に縮小されることによって形成される繊維から作製される。スパンボンド不織ウェブの生産は、Appelらの特許文献10、Dorschnerらの特許文献11、Kinneyの特許文献12及び特許文献13、Levyの特許文献14、Petersonの特許文献15、Hartmanの特許文献16、並びにDodoらの特許文献17などの特許に例証される。
被覆層14、16はまた、ボンデッドカーデッドウェブから作製され得る。ボンデッドカーデッドウェブは、通常はベールの状態で購入される短繊維から作製される。ベールは、繊維を分離するピッカー内に置かれる。次に、繊維は、概して機械方向に配向された繊維質の不織ウェブを形成するように、短繊維をさらにばらばらにして機械方向に整列させるコーミング装置又はカーディング装置を通して送られる。ウェブが形成されると、次いでウェブは、いくつかの接着法のうちの1つ以上によって接着される。1つの接着法は、粉末状の粘着剤が、ウェブ全体に分布され、次いで、通常はウェブ及び粘着剤を熱風で加熱することによって、活性化されるという、粉末接着である。別の接着法は、加熱されたカレンダロール又は超音波接着設備が、通常は局所的な接着パターンで、繊維を接着するために使用されるが、ウェブは、その表面全体にわたって接着されることが所望される場合にはそのように接着され得るという、パターン接着である。2成分短繊維を使用するとき、好適な方法のうちの1つは、2成分スパンボンドウェブ形成プロセスに関して上に説明されるようなスルーエアボンダを使用することである。
エアレイは、本発明の主題に従う繊維質の不織ウェブを作製することができる別の周知のプロセスである。エアレイプロセスでは、通常約6〜約19ミリメートルの範囲に及ぶ長さを有する小繊維の束が、分離され、給気に混入され、次いで、多くの場合は真空供給の助けを借りて、形成スクリーン上に堆積される。無作為に堆積された繊維は、次いで、例えば、熱風又は粘着スプレーを使用して、互いに接着される。
被覆層14、16は、上で論じられる特性の一部又はすべてを有する様々な材料で作製され得る。材料の例としては、限定することなく、熱可塑性ウレタン(TPU)、熱可塑性ポリエステルエラストマ(TPEE)、ポリエステル、ポリエステルエステル(COPE)、スチレンエチルブチレンスチレン(SEBS)、MPV、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、エラステイン、ポリウレタン(PU)、又はそれらの組み合わせを挙げることができる。弾性を有するニット又は織り構築物は、記載の通り、好適であり得る。
本発明の主題に従って積層体10を形成するためのプロセスは、図8に示される。不織バット層12の層は、供給ロール30から巻き取られ、一対の駆動ロール及び圧縮ロール36を通って送り込まれる。代替的に、不織バット層12は、インラインで直接的に形成され得る。次に、第1の繊維質の不織ウェブ被覆層14の供給物が、供給ロール32から巻き取られるか、又はこれもまた、インラインで形成され得る。基材層12及び/又は被覆層14が駆動ロール36に通される前に、スリッティングが提供され得る。提供されるとき、スリット18は、本明細書内の他の場所でより詳細に論じられるように、基材層12だけ、被覆層14、16だけ、又は被覆層及び基材層の組立体全体を通って、貫通し得る。以下の議論は、被覆層14に焦点を合わせているが、概して、スリットが所望される任意の所与の層に当てはまる。スリットは、パンチング、レーザ切断、及び化学的アブレーションなど、機械的な穿孔を提供するプロセスを含め、様々な様式で形成され得る。
スリット18は、図1、図5、及び図7に示されるように非連続的、又は図3に示されるように連続的であってもよい。スリット18は、例えば、図1、図5、及び図7に示されるように、スリットの長さが、被覆層14の1つの縦エッジ2a又は横エッジ4aから、それぞれ対向する縦エッジ2b又は横エッジ4bまで連続して伸びるには不十分である場合、「非連続的」である。より詳細には、図1及び図7に示されるように、個々の非連続的なスリット18のセットは、被覆層14の一方のエッジから対向するエッジまで伸びる、一連又は複数の概して平行の列内に置かれ得る。例えば、スリット18a及び18bは、1つの列内に置かれるが、スリット18cは、スリット18a及び18bを含む列に対して概して平行に配向される異なる列内に置かれる。個々の非連続的なスリット18の各列は、スリットの方向に概して垂直の方向に、不織被覆層14に伸展性を付与するために、一方の被覆層エッジから対向する被覆層エッジまで一定の間隔が空けられ得る複数のそのようなスリットを含む。被覆層14のエッジ間の個々の非連続的なスリットの配置に起因して、結果として生じる積層体10は、エッジ2a及び2b、4a及び4bに沿うだけでなく、積層体10の露出面6にわたって、伸展性又は弾性特性を呈する(例えば、図2を参照されたい)。図5に示されるように、個々の非連続的なスリットの第1のセットは、被覆層14の一方の縦エッジ2aから対向する縦エッジ2bまで延びる、第1の一連又は複数の概して平行の列内に置かれ得、個々の非連続的なスリットの第2のセットは、被覆層14の一方の横エッジ4aから対向する横エッジ4bまで延びる、第2の一連又は複数の概して平行の列内に置かれ得、非連続的なスリットの第1及び第2のセットは、配向が概して垂直である。代替的に、スリットは、例えば、図3示されるように、スリット18の長さが、被覆層14の一方の縦エッジ2aから対向する縦エッジ2bまで連続的に延びるのに十分である場合、「連続的」である。図には示されないが、そのような連続的なスリット18は、被覆層14の一方の横エッジ4aから対向する横エッジ4bまで連続的に延びるように配向され得る。
スリット18は、スリッティングロール又は他の手段38によって、インラインで直接的に予備形成又は形成され得る。積層体の形成後にスリットを作成することも可能である。特に有利なスリットパターンは、スリットが、一般的には「重なり合うれんがパターン」と呼ばれるもので形成されるパターンである。このパターンでは、1つの列内のスリットは、隣接する列内のスリット間の空隙と重なり合う。このパターンは、被覆層及び積層体全体の良好な拡張を提供する。
2つの層12及び14(及び/又は16)が合わせられると、それらは、互いに付着され得る。付着は、熱接着、超音波接着、粘着剤接着、又は他の好適な手段など、任意の好適な手段によるものであり得る。付着の程度は、積層体のその後の使用中に付着を維持するのに十分でなければならないが、スリット18が図2、図4、及び図6に示される様式で開口するのを妨げるような程度には至らない。
図8に示されるように、本プロセスにおける付着手段は、熱風を提供するための加熱装置40、及び一対の圧縮ロール42を含み得る。圧縮ロールの表面は、滑らかであってもよく、及び/又はパターン化されていてもよい。加えて、それらは、加熱装置40が除去され得る場合には、加熱され得る。粘着スプレーが使用される場合、送達システム44は、粘着剤が基材層12の内表面及び第1の被覆層14に適用されるように位置付けられなければならない。層を互いに付着させるための他の手段は、限定されるものではないが、超音波接着、赤外線接着、無線周波数接着、粉末状粘着剤接着、水流交絡、並びに、ニードリング及び1つの層を別の層上に直接形成することなどの機械的な交絡を含む。2つの層12及び14が互いと付着されると、結果としての積層体10は、巻き取りロール46に巻き上げられ得るか、又は積層体10は、さらなる加工のためにインラインに留まり得る。
本発明の主題に従って積層体を形成するための別のプロセスは、図9に示される。このプロセスでは、基材層12は、フィルムダイ60から放出される、押し出された弾性フィルムであり得る。溶融ポリマーが冷却ロール62と接触して、溶融ポリマーが固まるのを助ける。同時に、不織被覆層材料14の供給物64が、冷却ロール62と、冷却される場合とそうでない場合とがある、85 Shore Aゴムロールなどの第2のロール66との間で、依然として粘着性のある弾性フィルム材料12と接触する。「冷却された」とは、ロール62又は66が、フィルムポリマーの融解点未満の温度を有することを意味する。フィルム層12における弾性特性が理由で、図2内の長い線B−−Bである、交差方向(CD)において弾性特性を少なくとも有する積層体10が形成される。スリットは、上に説明される技術を使用して、一方又は両方の層内に形成され得る。
記載の通り、基材層12は、1方向にのみ、又は複数方向に、弾性特性を有し得る。基材層12が1方向にのみ弾性である場合、被覆層14内のスリット18の少なくとも一部分は、不織バット層12における弾性の方向に概して垂直でなければならない。「概して垂直」とは、選択したスリットの長手方向軸と弾性の方向との間の角度が、60°〜120°であることを意味する。加えて、「複数のスリットの少なくとも一部分が、弾性又は延伸の方向に概して垂直でなければならない」と言われるとき、これは、積層体全体が「弾性特性」を有するように、概して垂直である説明されたスリットが十分に存在しなければならないことを意味する。したがって、図2では、不織バット層12が1方向にのみ弾性である場合、その方向は、線A−−Aではなく線B−−Bに概して沿っていなければならない。線B−−Bに沿って弾性の方向を置くことによって、スリット18は、弾性の方向に概して垂直である。その結果、延伸力が線B−−Bに沿って印加されるとき、スリット18は、開口し、積層体10が同じ方向に拡張することを許す。基材12の弾性の方向を線A−−Aに沿って置くことは、これを可能にしない。
同じ理論的解釈が、図3及び図4に示される積層体にも当てはまる。ここでもまた、不織バット層12が1方向にのみ弾性である場合、その方向は、線A−−Aではなく線B−−Bと概して整列されなければならない。
図5では、基材層14は、2方向にスリットを有する。スリット18の一方のセットは、線A−−Aに概して垂直であるが、スリット18の他方のセットは、線B−−Bに概して垂直である。このタイプのスリットパターンは、不織バット層12が、例えば、線A−−A及び線B−−Bに沿って少なくとも2つの方向に弾性であるときに特に有利である。図6を見て分かるように、この構成では、結果としての積層体10は、2つの方向に「弾性特性」を呈することができる。
本発明の主題に従って生産される構成物10は、当業者によって理解されるように、目的の用途に応じて、一般的には、1平方メートルあたり約700グラム未満、一般的には1平方メートルあたり300グラム未満の基本重量を有し、また1平方メートルあたり150グラム未満であってもよい。
これより特に図10の構成物110を見ると、これは、選択的通気及び空気透過性を提供する断熱積層体である。本構成物において、基材層112は、交絡繊維の密着性のある嵩高のウェブであり、このウェブ材料が、基材層の第1の側113a及び対向する第2の側113bを画定する。この実施形態において、しかしながら必ずしもすべての実施形態ではないが、ウェブ材料は、製造中のウェブ材料のラッピングに基づいてうねりのある形態を有する。うねりのある形態は、より大きな構造的完全性及び耐久性を基材層に提供する。うねりのないウェブ材料の従来のシートにおいて、ウェブは、洗濯/乾燥又は活動的な使用から発生し得る応力の繰り返されるサイクル下で崩壊し得る。そのような従来のシート材料では、ウェブ及び繊維は、主に、水平面に配向される。うねりのある形態はまた、ウェブ及びその繊維を垂直面に配向する。これが、圧縮及び張力両方の、両方の面で作用する力からウェブを強化する。垂直面では、うねりは、構造的コルゲーションのように作用する。水平面では、うねりは、引っ張ったり引いたりすることができるアコーディオンのように作用する。うねりは、互いに隣接し、基材層112の第1の側(上面)113a及び対向する第2の側(下面)113bを画定するように圧迫される、正のピーク及び負のピーク100として特徴付けられ得る。側壁101は、ピークへと収束し、基材層の側113a、113bに直交して、又はおそらくは横方向に配向される。側壁は、丸形のピーク(示されている)、三角形のピーク、又は他の収束形状につながり得る。しかしながら、正のピーク及び負のピーク100の形状は、互いの鏡像である必要はない。さらに、側壁及びピークの緊密さは、異なる属性を提供するために変化され得る。例えば、平方センチメートルあたりより多くのピークは、より密度の高い、より強度の高い構造を結果としてもたらす。しかしながら、密度が高いほど、通気又は空気透過性は減少し得る。基材層をうねりのある形態に保つため、及び強度及び耐久性をさらに増大させるため、隣接する側壁101は、可溶性繊維又は化学的接着剤を使用して互いに接着され得る。衣料品及び他のボディウェアの場合、ウェブ内のうねりは、身体の動き及び活動のレベルに応じて拡張又は収縮され得るアコーディオン様の構造であり得る。うねりのある形態が延伸されると、ウェブ材料は、密度が小さくなり、厚さが減少し得、これが、ウェブの片側で蓄積し得る熱及び湿気の放散を促進する。より多くの活動は、より多くの拡張サイクルをもたらすことになり、それにより、より高い活動レベルは、熱放散を選択的に促進する。
明確性及び簡潔性のために、数個のうねりのみが図10には示される。実際には、うねりのある基材110は、被覆層の一方のエッジから他方まで連続的であってもよく、基材の一方のエッジが正のピークにおいて終了し得、対向するエッジが負のピークで終了し得るか、又は側壁の途中で終了し得る。
被覆層114、116は、一方若しくは両方の層内にスリットを有し得るか、又はいずれかの層においてはいかなるスリットも有さない場合がある。
別の実施形態において、図10に示される構成物110は、防水の空気透過性の断熱された構成物であり得る。防水の空気透過性の断熱された構成物として、被覆層114、116のうちの1つ以上は、弾性又は非弾性の、防水の空気透過性薄膜材料で作製され得る。防水の空気透過性薄膜は、例えば、ポリウレタン(PU)材料、微孔性PU材料、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材料、非膨張性の親水性薄膜であってもよい。防水の空気透過性薄膜は、限定されるものではないが、The North Face(登録商標)(Wilmington、DE)の製品、DRYVENT(商標)、W.L.Gore and Associates(Newark、DE)の製品、GORE−TEX(登録商標)、eVent(登録商標)fabrics(Lee’s Summit、MO)の製品、DVexpedition、DValpine、及びDVstorm、Marmot(登録商標)Mountain LLC(Rohnert Park、CA)の製品、MemBrain(登録商標)、並びにSympatex Technologies GmbH(Unterfohring、Germany)の製品、SympaTex(登録商標)薄膜などの材料から作製され得る。弾性の防水の空気透過性材料で作製されるとき、被覆層114、116は、いかなるスリットも有さない場合がある。別の実施形態において、被覆層は、スリット又は穿孔を有し得る。スリット又は穿孔は、スリットの回復力のある開閉を可能にする、弾力材、例えば、弾性材料内に形成される。閉じられた構成にあるとき、スリット又は穿孔は、液体水が漏出することを許さない。基材層のアコーディオン作用が、スリットあり又はなしでの熱伝達特性を変化させる。
図11は、うねりのある基材層112のシートを形成する例示的な方法の概略斜視図を示す。シートは、第1の側112a及び対向する第2の側112bを有する。「V Lap構築」として知られている例証される方法において、供給装置115は、繊維の柔軟性のある又はドレープ性のバットの連続的なシートをラッピング機117内へ送り込む。ラッピング機117の上方部分は、漏斗を含む。漏斗は、離間した平行の壁を有する比較的狭いチャンバ内へとつながる。バルク材料のシートが漏斗を通過するとき、それは縮小される。言い換えると、供給物が漏斗の狭くなっていく壁に遭遇すると、側112a及び112bが、互いに近づく。縮小されたシートが漏斗の下の比較的狭いチャンバ内へ送り込まれると、シートは、シート自体の上に前後に折り重なって、基材層110の示されるうねりのある形態を作成する。ベルト又は他の運搬装置が、ラッピング機117の反対端でシートを受け取る。シート110のうねりのある形態は、システムパラメータを制御することによって変化され得る。例えば、ラッピング機117内の壁の間隔を変化させて、層112内のうねりの振幅を変化させ得る。供給装置からの流量及び/又は運搬装置の速度もまた、うねりの緊密さに影響を与えるために変化され得る。運搬装置は、うねりのある基材層を、基材層内の繊維を所望の程度まで結合させる結合機119内へ送り込むことができる。例えば、結合機119は、熱可融性繊維が部分的又は完全に融解して、結合機内の条件下で融解しない他の繊維に接着するようにさせる炉であってもよい。(繊維を結合する他の方法は、本明細書内の他の場所で論じられる。)図15A〜図15Cは、図10の構成物のような構成物において使用される層の詳細を示す写真である。
図16は、被覆層が適用される前のうねりのある基材層112のシートを形成する別の例示的な方法の概略斜視図を示す。「振動垂直積層」として知られる、例証される方法において、基材層112のバット材料は、カバープレート1602とグリッド1604との間に垂直に送り込まれる。押さえ棒1608が右側へ後退される間(図示せず)、形成コーム1606が、基材層材料内へ降下して、折り目を形成する。形成コーム1606は、折り目を残して上方へ後退し、押さえ棒1608は、示されるように、折り畳まれた基材を左方向へ押す。基材層112の折り畳まれた部分は、運搬装置1610により押さえ棒1608から離れる方へ移動される。今やうねりのある基材層112は、図11に説明されるようなものなどの結合機へ、又はうねりを所望の程度まで互いに結合するための何らかの他のデバイス若しくはプロセス(図示せず)へ運搬され得るか、又は別の方法で輸送され得る。
シート110のうねりのある形態は、図16に示される装置のシステムパラメータを制御することによって変化され得る。例えば、運搬装置1610の上の間隔は、シートの厚さに影響を及ぼし得る一方、運搬装置1610の速度及び/又は押さえ棒の前後運動の速度は、うねりの緊密さに影響を及ぼし得る。運搬装置1610に対する形成コーム1606の角度及び/又は長さもまた、うねりの振幅に影響を及ぼし得る。
図17は、図16に示されるプロセスによって形成され得るようなうねりのある基材層112の断面を示す写真である。様々な実施形態において、上層113aと下層113bとの間の厚さtは、約3〜約60mmの間、例えば、5〜55mmの間、又は15〜40mmの間であってもよい。図17の写真は、比較的伸長されていない第1の状態にあるうねりのある基材層を表し得る。縦に引っ張られてより伸長した第2の状態になると(図示せず)、うねりは、アコーディオン様の様式で引っ張られ得る、又は広げられ得、これが、厚さtを減少させ得る。代替的に、又は加えて、隣接するうねり間の間隔が増大し得、層の密度を減少させ、これが、より多くの空気又は流体が層を通って流れることを可能にし得る。層112の厚さ及び/又は密度を減少させることは、層が第2の状態にある間、通気及び空気透過性を増加させ得る。
図18は、被覆層が適用される前のうねりのある基材層112のシートを形成する別の例示的な方法の概略斜視図を示す。「回転垂直積層」として知られる、例証される方法において、基材層112は、供給ディスク1802を垂直に通って送り込まれる。回転する形成コーム1804が、基材層112に対して羽根又は歯を押圧して、基材層を折り畳む。形成コーム1804が回転すると、羽根又は歯が、以前に形成されたうねりに対して、及び供給ディスク1802から離れる方向に、折り畳まれた基材を押圧する。今やうねりのある基材層112は、図11に説明されるようなものなどの結合機へ、又はうねりを所望の程度まで互いに結合するための何らかの他のデバイス若しくはプロセス(図示せず)へ、下方運搬装置ベルト1808及び上方運搬装置ベルト1806に沿って運搬され得るか、又は別の方法で輸送され得る。
シート110のうねりのある形態は、図18に示される装置のシステムパラメータを制御することによって変化され得る。例えば、下方運搬装置ベルト1808と上方運搬装置ベルト1806との間の間隔は、シートの厚さに影響を及ぼし得る。運搬装置1806、1808の速度並びに/又は供給ディスク1802及び形成ディスク1804の速度は、うねりの緊密さに影響を及ぼし得る。形成ディスク1804の羽根又は歯の形状及び/又は間隔もまた、うねりの振幅及び/又は緊密さに影響を及ぼし得る。
図19は、図18に示される方法によって形成されるうねりのある基材層112を示す写真である。様々な実施形態において、上層113aと下層113bとの間の厚さtは、約2〜約75mmの間、例えば、3〜55mmの間、3〜50mmの間、5〜55mmの間、又は5〜70mmの間であってもよい。図19の写真は、比較的伸長されていない第1の状態にあるうねりのある基材層を表し得る。図17に関して説明されるように、縦に引っ張られてより伸長した第2の状態になると、うねりは、アコーディオン様の様式で引っ張られ得る、又は広げられ得、これが、厚さtを減少させ得る。
本発明の主題によると、複数の選択的に開口可能なスリット18は、例えば、図1、図2、及び図10に見られるように、少なくとも被覆層14内に形成され得る。基材層は、スリットを含む場合と含まない場合とがある。基材層もスリットを含む場合、隣接する層のスリットは、1つの層から別の層への直接通気及び空気透過性を促進するように整列され得る。又は、それらは、あまり直接的ではない通気及び空気透過性のためにオフセットされ得る。基材層がスリットを有さない場合、それは、上に説明されるように、アコーディオン様のうねりなど、別の熱放散機序を有し得る。
図14の実施形態において、複数の選択的に開口可能なスリット118は、基材層112内及び被覆層114内の両方に形成される。基材層は、スリットを含む場合と含まない場合とがある。隣接する層のスリットは、1つの層から別の層への直接通気及び空気透過性を促進するように整列され得る。又は、それらは、あまり直接的ではない通気及び空気透過性のためにオフセットされ得る。
代替的な実施形態(図示せず)において、基材層のみが選択的に開口可能なスリットを有する。被覆層は、スリットを有する場合と有さない場合とがある。被覆層がスリットを有さない場合、それは、恒久的に開いており選択的に開閉しない目の粗いメッシュ構造又は固定の穿孔などの別の熱放散機序を有し得る。
本発明の主題の下で企図される任意の実施形態において、構成物10、110は、単に1つの被覆層及び1つの基材層よりも多くの層を有し得る。例えば、基材層は、第1の側に配設された第1の被覆層、及び第2の側に配設された第2の被覆層を有し得る。各被覆層は、同じ材料であってもよく、又は異なる材料であってもよい。各被覆層は、同じ又は異なるスリット構成を有してもよい。例えば、衣料品又は他のボディウェアの物品において、身体に面する側は、スリットの数、スリットのサイズ及び形状、1平方メートルあたりのスリットの密度、並びにスリットを開くための力の程度に関して、外に面する被覆層とは異なり得る。これらの同じパラメータは、単に被覆層においてだけでなく、構成物の任意の所与の層において変化され得る。
構成物10、110の任意の所与の層はまた、複数の副層又はプライで作製され得る。例えば、基材層の身体に面する側は、隣接する外側に面している副層とは異なる湿気を逃す能力を有する第1の副層で作製され得る。又は、1つの副層は、別の副層よりも耐久性が高くてもよい。構成物の任意の所与の層内のスリットは、少なくとも1つの次元において1mm〜2cmの長さを有し得る。構成物の任意の所与の層内のスリットは、1平方メートルあたり少なくとも10スリットの密度を有し得る。構成物の任意の所与の層内のスリットは、1平方メートルあたり10,000〜10スリットくらいの密度を有し得る。
構成物10、110及びその構成要素は、他のやり方で変化され得る。企図される実施形態のいずれかにおいて、被覆層は、1平方メートルあたり5〜100グラムくらいの繊維重量を有し得る。企図される実施形態のいずれかにおいて、構成物全体は、1平方メートルあたり10グラム〜350グラムくらいの繊維重量を有し得る。いくつかの実施形態において、被覆層は、1平方メートルあたり5グラム〜100グラムくらいの重量を有する。
断熱構成物10、110の実施形態のいずれかは、衣料品、履物、帽子、手袋、寝袋のような物品の製造品内の層として具現化され得る。本構成物は、そのような物品の任意の層内で使用され得る。それは、物品内の唯一の層であってもよく、又はそれは、他の層と組み合わされてもよい。それは、他の層との間に挟まれる内層であってもよい。それは、外側に面している層又は内側に面している層であってもよい。大部分の応用における本構成物は、単独で、又は他の層と組み合わせて、物品のパネルの一部又はすべてを形成する。例えば、衣料品の場合、物品は、胸部分、身体の背面部分、身体の側面部分、脚部分、骨盤部分、腕部分、頭部分、又は物品の他のそのような実質的な部分など、被覆領域にマッピングされる実質的な部分へと細かく分割され得る。任意のそのような部分は、その部分が、他の部分に付着される別々の部分を表すか、又は他の部分と継ぎ目なく若しくは別のやり方で合併される単一部分であるかを考慮して、パネルと見なされ得る。
本発明の主題はまた、本明細書内で企図される構成物10、110及び物品を作製する様々な考えられる方法を対象とする。1つの考えられる実施形態において、選択的に通気可能な断熱材の構成物を作製する方法は、交絡繊維の密着性のある嵩高のウェブを備える基材層であって、このウェブ材料が基材層の第1の側及び対向する第2の側を画定し、それらの間のウェブ材料がウェブ材料のラッピングに基づいてうねりのある形態を有する、基材層、を提供するステップと、基材層の第1の側に隣接して、及びその上に同一の広がりをもって配設される被覆層であって、複数のスリットが被覆層内に形成される、被覆層、を提供するステップと、基材層の第1の側に隣接して、及びその上に同一の広がりをもって被覆層を組み立てるステップとを含む。本方法において、被覆層は、それが第1の状態にあるときはスリットが閉じられ、比較的に伸長した第2の状態にあるときはスリットが被覆層を通る開いた穿孔になり、それにより、基材層の第1の側に隣接する被覆層の側からの空気又は他の流体の通気を可能にするように、組み立てられ、構成される。
別の実施形態において、選択的に通気可能な断熱材の構成物を作製する方法は、交絡繊維の密着性のある嵩高のウェブを備える基材層であって、このウェブ材料が基材層の第1の側及び対向する第2の側を画定し、複数のスリットが基材層内に形成される、基材層、を提供するステップと、被覆層を提供するステップと、基材層の第1の側に隣接して、及びその上に同一の広がりをもって被覆層を組み立てるステップとを含む。本方法において、基材層は、それが第1の状態にあるときはスリットが閉じられ、比較的に緊張した第2の状態にあるときはスリットが基材層を通る開いた穿孔になり、それにより、基材層の第1の側からその第2の側への空気又は他の流体の通気を可能にするように組み立てられ、構成される。
本方法は、本発明の主題に従う構成物を、衣料品、履物、帽子、手袋、又は寝袋のような物品の製造品の他の構成要素と組み立てる、又は別の方法で使用する方法を含み得る。1つの可能性のある方法において、本構成物は、本構成物が物品内の中間層層を備えるように、他の層の間に本構成物を挟むことによって物品へと組み立てられる。別の方法において、構成物は、隣接した領域よりも比較的高い通気又は空気透過性を必要とする物品の領域へ選択的にマッピングされ、またそれへと組み立てられる。
図12〜図13は、本発明の主題に従う構成物を組み込む代表的な物品200、300を示す。示される物品は、ジャケットであり、本構成物は、中間層である。点線の領域は、構成物が存在する領域を表す。ジャケットは、一般的には、構成物を挟む外側層及びライナーを有する。ジャケットはまた、防水の空気透過性薄膜層を含み得る。図12のジャケットにおいて、本構成物は、ジャケットの前側の一部又はすべてにおいて組み込まれ得る。図13の実施形態において、本発明の構成物は、衣服の背面部分に組み込まれる。本構成物は、脇の下の真下に延びてもよい。
本明細書内で列挙される任意の特許及び非特許文献は、あらゆる目的のためその全体を本願に引用して援用する。
任意の特定の例に関する上に説明される原則は、他の例のうちの1つ以上に関して説明される原則と組み合わされてもよい。開示された実施形態の以前の説明は、当業者が開示された発明物を作製又は使用することを可能にするために提供される。それらの実施形態に対する様々な変形は、当業者には容易に明白であるものとし、本明細書内で規定される一般的原則は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用され得る。したがって、特許請求された発明は、本明細書に示される実施形態に限定されることは意図されず、請求項の言語と一致する全範囲が認められるべきであり、冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」の使用によってなど、単数形での要素に対する言及は、「1つ及び1つのみ」を意味することは、具体的にそうであることが記載されない限りは、意図されず、むしろ「1つ以上」を意味することが意図される。本明細書内で使用される場合、「及び/又は」は、「及び」又は「又は」、並びに「及び」及び「又は」を意味する。
当業者に知られている、又は後に知られるようになる開示全体を通して説明される様々な実施形態の要素に対するすべての構造的及び機能的等価物は、本明細書内で説明され特許請求される特徴によって包含されることが意図される。さらには、本明細書内で開示されることは、そのような開示が請求項内で明示的に列挙されるかどうかにかかわらず、公衆に提供されることが意図されるものではない。いかなる請求項要素も、その要素が、「〜のための手段」又は「〜のためのステップ」という表現を使用して明白に列挙されない限り、米国特許法の下、「Means plus Function」請求項として解釈されるべきではない。
本発明者らは、制限なく、少なくとも以下の主題を特許請求する権利を留保する。