Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP2020124126A - 乳幼児用栄養組成物 - Google Patents

乳幼児用栄養組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2020124126A
JP2020124126A JP2019016957A JP2019016957A JP2020124126A JP 2020124126 A JP2020124126 A JP 2020124126A JP 2019016957 A JP2019016957 A JP 2019016957A JP 2019016957 A JP2019016957 A JP 2019016957A JP 2020124126 A JP2020124126 A JP 2020124126A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sialic acid
amount
protein
infants
milk
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019016957A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7338978B2 (ja
Inventor
博文 福留
Hirofumi Fukudome
博文 福留
史彦 酒井
Fumihiko Sakai
史彦 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Snow Brand Milk Products Co Ltd filed Critical Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority to JP2019016957A priority Critical patent/JP7338978B2/ja
Publication of JP2020124126A publication Critical patent/JP2020124126A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7338978B2 publication Critical patent/JP7338978B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Dairy Products (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)

Abstract

【課題】本発明はタンパク質量を母乳に近い2.4g/100kcal未満に収めつつ、シアル酸量を母乳レベルまで増加させた新たな乳幼児用栄養組成物、及びその製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】本発明はシアル酸が250 mg/100 g固形以上であり、かつタンパク質量が2.4g/100 kcal未満であることを特徴とする乳幼児用栄養組成物を提供する。さらに、上記に加えガラクト−N−ビオースが90 mg/100 g固形以上である乳幼児用栄養組成物を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、乳幼児用栄養組成物に関する。
近年、乳幼児用栄養組成物に含まれる様々な成分は、可能な限り母乳の成分に近づけることが重要視されている。食品の国際規格を定めるコーデックス委員会(CODEX)、欧州食品安全機関(EFSA)、および厚生労働省では、乳幼児用調製粉乳に含まれるタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの含量について、母乳に近似したある一定の規格範囲量を示している。
タンパク質については、以前は乳幼児用調製粉乳のタンパク質が母乳に比べて消化吸収性が劣る(低い利用効率)ことが考慮され、乳幼児用調製粉乳のタンパク質量は母乳よりも高めに設定されていた。しかし、乳児期の過剰なタンパク質摂取による生活習慣病発症リスクの増加が危惧されるようになり、現在では乳幼児用調製粉乳中のタンパク質量を減量する傾向にある。例えば、CODEXでは乳幼児用調製粉乳中のタンパク質量を1.8〜3.0g/100kcal(非特許文献1)、EFSAでは1.8〜2.5g/100kcal(非特許文献2)の規格範囲を示している。現在日本で許可を受けている乳幼児用調製粉乳の製品では、2.4g/100kcal未満である。
母乳中には乳児の健全な発育・生育を促す成分が豊富に含まれており、シアル酸はその一成分として注目されてきた。シアル酸は負に荷電した9炭糖の一つであり、母乳中ではオリゴ糖、糖タンパク質、糖脂質の分子形態で存在する。母乳中のシアル酸は、乳幼児の感染防御効果(特許文献1)、細菌毒素の中和効果(特許文献2)、ミネラル吸収促進作用(特許文献3)、脳機能発達効果(非特許文献3)、などの様々な機能性を担っている。しかし、牛乳はシアル酸量が少ないため、牛乳由来の乳素材を原材料とする乳幼児用栄養組成物では母乳に比べてシアル酸含量が非常に少なくなる。
具体的には、母乳中のシアル酸量は、714mg±64mg/L(平均±標準誤差)と報告されており、これは、母乳の平均的な固形率が12.1%として590mg/100g固形に相当する(非特許文献4)。井戸田らによる日本国内の母乳の一般成分(非特許文献5)、およびシアル酸含量(非特許文献6)の調査結果から算出した母乳の固形100gあたりの総シアル酸量について、表1に示した。この結果から、母乳のシアル酸量は泌乳期の経過に伴って減少するが、泌乳期120日以降のシアル酸量は約260mg/100g固形で一定となる傾向が認められる。また、表1について、非乳期3〜482日までの総シアル酸濃度の加重平均値は、約330mg/100g固形である。以上から、乳幼児用栄養組成物のシアル酸量を母乳に近似させるには、260mg/100g固形以上が必要であり、好ましくは日本人の母乳の平均的なシアル酸量である330mg/100g固形以上が望ましく、さらに好ましくは非特許文献4に記載されている母乳の平均的なシアル酸量である590mg/100g固形以上が望ましいと考えられる。
一方、一般的な乳幼児用調製粉乳のシアル酸量は193mg/100g固形であり(非特許文献7)、前記の日本人の母乳中のシアル酸量の低値である260mg/100g固形からは67mg/100g固形が不足し、母乳中シアル酸量の平均値である590mg/100g固形からは397mg/100g固形も不足している。牛乳中のシアル酸の90%以上はタンパク質に結合した形態で存在するため、例えばEFSA規格に従って乳幼児用調製粉乳中のタンパク質量を低下させると、それに伴ってシアル酸量も減少し、母乳と乳幼児用調製粉乳のシアル酸量はますます乖離してしまうという問題があった。
この問題に対して、遺伝子組み換えした微生物を利用して調製したシアル酸やシアル酸含有オリゴ糖を利用することが報告されているが(特許文献4)、遺伝子組換え技術を利用して調製したシアル酸を乳幼児用栄養組成物に使用することに対しては各国の法規制への適合状況や、遺伝子組換え技術そのものに対する消費者の受容性などの観点において、未だ産業上の利用において忌避感が持たれている。
ガラクト−N−ビオース(GNB)は、オリゴ糖のひとつであり、最近プレバイオティクスとして注目されている。ビフィズス菌は消化管上皮細胞から産生されるムチンのコアI型のO結合型糖鎖GNBを切り出す菌体外酵素をもち、ムチンからGNBを遊離させる(非特許文献8)。遊離したGNBは特異的なABC型のトランスポーターにより菌体内に取りこまれ、菌体内のGNBを加リン酸分解するGNB/LNBホスホリラーゼにより代謝することで(非特許文献9)、GNBをエネルギー源として利用すると考えられている。この代謝経路はビフィズス菌以外の微生物からはほとんど見つかっておらず(非特許文献10)、ビフィズス菌に選択的なオリゴ糖である。従って、GNBは乳児に有用なビフィズス菌を選択的に増やすオリゴ糖である。
一般的な乳幼児用調製粉乳中のGNB量の報告は見当たらないが、乳中ではGNBはグリコマクロペプチド(GMP)に結合して存在する。GMPは、一般的な乳幼児用調製粉乳中のタンパク質の14%であると報告されている(非特許文献11)。また、GMPにはGalNAc-O-R、Galβ1-3GalNAc-O-R、Neu5Acα2-3Galβ1-3GalNAc-O-R、Galβ1-3 (NeuAcα2-6) GalNAc-O-R、およびNeu5Acα2-3Galβ1-3 (Neu5Acα2-6) GalNAc-O-Rという5種類の糖鎖が結合するが、その結合割合(モル比)はそれぞれ0.8、6.3、18.4、18.5、および56%と報告されている(非特許文献12)。さらに、GMP中のシアル酸は6%と報告されており、これらの報告を参考にGMP中のGNB量は5%と試算された。
これらの結果から一般的な乳幼児用調製粉乳中のGNB量は82mg/100g固形と考えられた。これまでにGNBを強化した乳幼児用調製粉乳は上市されていない。また、遺伝子組み換えした微生物を利用した製造法についても報告されていない。さらに今後報告があった場合でも、遺伝子組換え技術を利用して調製したGNBを乳幼児用栄養組成物に使用することに対しては各国の法規制への適合状況や、遺伝子組換え技術そのものに対する消費者の受容性などの観点において、未だ産業上の利用において忌避感がもたれている。
特許第2514375号公報 特許第2821770号公報 特許第3372499号公報 特許第4318549号公報 特許第2673828号公報
STANDARD FOR INFANT FORMULA AND FORMULAS FOR SPECIAL MEDICAL PURPOSES INTENDED FOR INFANTS, CODEX STAN 72-1981, Formerly CAC/RS 72-1972. Adopted as a worldwide Standard in 1981. Amendment: 1983, 1985, 1987, 2011, 2015 and 2016. Revision: 2007. COMMISSION DELEGATED REGULATION (EU) 2016/127 of 25 September 2015 Sakai F et al., Journal of Applied Glycoscience, 53(4), 249-254, 2006 Qiao Y et al., The relationship between dietary vitamin A intake and the levels of sialic acid in the breast milk of lactating women. J Nutr Sci Vitaminol (Tokyo). 2013;59(4):347-51. 井戸田正ほか:日本小児栄養消化器病学会雑誌、5:145-158, 1991. 井戸田正ほか:日本栄養・食糧学会誌、47:357-362, 1994. 乳児用調製粉乳「すこやかM1」(雪印ビーンスターク株式会社)缶表示値 Fujita K et al., Identification and molecular cloning of a novel glycoside hydrolase family of core 1 type O-glycan-specific endo-alpha-N-acetylgalactosaminidase from Bifidobacterium longum. J Biol Chem. 2005; 280(45): 37415-22. Nakajima M et al., Identification of Lacto-N-Biose I Phosphorylase from Vibrio vulnificus CMCP6. Appl Environ Microbiol. 2008; 74(20): 6333-6337. 日高將文ほか:ビフィズス菌のヒトミルクオリゴ糖分解に関わるホスホリラーゼの結晶構造, PFNEWS、27:18-21, 2009. Bruck WM et al., Effects of bovine alpha-lactalbumin and casein glycomacropeptide-enriched infant formulae on faecal microbiota in healthy term infants. J Pediatr Gastroenterol Nutr. 2006; 43(5): 673-9. Saito T, & Itoh T et al., Variations and distributions of O-glycosidically linked sugar chains in bovine kappa-casein. J Dairy Sci. 2006; 43(5): 673-9.
本発明は上記背景技術に記載した課題を鑑み、タンパク質量を母乳に近い2.4g/100kcal未満に収めつつ、シアル酸量を母乳レベルまで増加させた新たな乳幼児用栄養組成物、及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、GMPに着目し、これを酵素処理及び膜処理をすることで特定範囲のシアル酸含量及びタンパク質含量のシアリル糖ペプチドを調製し配合することでタンパク質量及びシアル酸量を母乳に近づけた新たな乳幼児用調製粉乳を調製することができることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の構成を含むものである。
(1)シアル酸が250mg/100g固形以上であり、かつタンパク質量が2.4g/100kcal未満であることを特徴とする乳幼児用栄養組成物。
(2)さらに、ガラクト−N−ビオースが90mg/100g固形以上である(1)に記載の乳幼児用栄養組成物。
(3)乳幼児用栄養組成物が乳幼児用調整粉乳である(1)又は(2)に記載の乳幼児用栄養組成物。
(4)シアリル糖ペプチドが配合された(1)〜(3)のいずれかに記載の乳幼児用栄養組成物。
(5)シアリル糖ペプチドが、シアル酸を8重量%以上含有し、ガラクト−N−ビオースを4重量%以上含有し、タンパク質量が86重量%以下である(1)〜(4)のいずれかに記載の乳幼児用栄養組成物。
(6)前記シアリル糖ペプチドの分子量が700以上3,000以下である(1)〜(5)のいずれかに記載の乳幼児用栄養組成物。
(7)シアリル糖ペプチドは、スレオニン及び/又はセリン残基を有するペプチドに糖鎖が結合した糖ペプチドであって、前記糖鎖が前記ペプチドのスレオニン又はセリン残基の水酸基に結合し、前記糖鎖の構成糖がシアル酸、N−アセチルガラクトサミン及びガラクトースからなる(1)〜(6)のいずれかに記載の乳幼児用栄養組成物。
(8)シアリル糖ペプチドを添加する工程を含む乳幼児用栄養組成物の製造方法であって、シアリル糖ペプチドが以下の構成を有することを特徴とする乳幼児用栄養組成物の製造方法。
スレオニン及び/又はセリン残基を有するペプチドに糖鎖が結合した糖ペプチドであって、
前記糖ペプチドの分子量が700以上3,000以下であり、
前記糖鎖が前記ペプチドのスレオニン又はセリン残基の水酸基に結合し、
前記糖鎖の構成糖がシアル酸、N−アセチルガラクトサミン及びガラクトースからなり
前記シアル酸を8重量%以上含有し、
前記ガラクト-N-ビオースを4重量%以上含有し、
前記ペプチド鎖のタンパク質量が86重量%以下である
本発明は、タンパク質量を母乳に近い2.4g/100kcal未満に収めつつ、シアル酸量を母乳レベルまで増加させた新たな乳幼児用栄養組成物、及びその製造方法を提供することができる。また、さらにGNB量についても従来の乳幼児用栄養組成物より増加した新たな乳幼児用栄養組成物、及びその製造方法を提供することができる。
(乳幼児用栄養組成物)
本発明の乳幼児用栄養組成物は、乳児用調製粉乳および調製液状乳、幼児用調製粉乳(フォローアップミルクおよびグローイングアップミルク)、低出生体重児用調製粉乳、牛乳アレルギー疾患用アレルゲン除去食品および乳糖不耐症用乳糖除去食品などであり、タンパク質、脂肪、糖質、ビタミン類及びミネラル類を主成分として構成されるものである。その他、さらに乳幼児用栄養組成物に配合することが可能な成分を含有しても良い。
本発明の乳幼児用栄養組成物は、シアル酸が250mg/100g固形以上、かつタンパク質量が2.4g/100 kcal未満であることを特徴とするものである。シアル酸量が、250mg/100g固形未満では、日本人の母乳中のシアル酸量の低値より低くなるため栄養価に乏しく、タンパク質量が2.4g/100 kcal以上では、乳児期の過剰なタンパク質摂取による生活習慣病発症リスクの増加の懸念から認可がされないため適当ではない。
本発明の乳幼児用栄養組成物中のシアル酸量は、さらに好ましくは330 mg/100g固形以上であり、よりいっそう好ましくは590mg/100 g固形以上である。
また、本発明の乳幼児用栄養組成物は、さらにGNBが一般的な乳幼児調整粉乳よりも多く含まれていることが望ましく、好ましくは90mg/100g固形以上であり、さらに好ましくは100mg/100g固形以上であり、よりいっそう好ましくは119mg/100g固形以上である。
シアル酸及びタンパク質以外の成分の含量は、食品の国際規格を定めるコーデックス委員会(CODEX)、欧州食品安全機関(EFSA)、又は厚生労働省等で定める母乳に近似したある一定の規格範囲量となるよう調整すればよい。
Figure 2020124126
(乳幼児用栄養組成物の製造方法)
本発明の乳幼児用栄養組成物の製造方法について、乳幼児用調製粉乳を例に以下説明する。まず、GMPを含む組成物を酵素処理及び膜処理をすることで特定範囲のシアル酸含量、GNB含量、及びタンパク質含量のシアリル糖ペプチドを調製する。これを一般的な乳幼児用調整粉乳に配合することでタンパク質量及びシアル酸量を母乳に近づけた新たな乳幼児用調製粉乳を調製することができる。
すなわち、タンパク質源、糖質源、および前記のようにして得られたシアリル糖ペプチドをタンク内で水に溶解した。次に脂肪源を混合し、均質化後、濃縮し、噴霧乾燥により粉末化する。ビタミンやミネラルなどの微量成分は乳糖と混合後、噴霧乾燥した粉末と粉混合し本発明の乳幼児用調製粉乳を得ることができる。
上記GMPの酵素処理及び膜処理により、タンパク質含量をGMPより低くしつつ、シアル酸含量及びGNB含量をGMPより増加させることができる。タンパク質含量の低下とシアル酸量及びGNBの増加とのバランスは、酵素処理の条件(酵素の種類、温度、時間等)や膜処理の条件(膜の分画分子量の違い等)により所望のシアリル糖ペプチドが得られるように適宜調整することができる。
一例としては、GMPを含む組成物をプロテアーゼまたは/およびペプチダーゼで処理した後に、酵素分解液を分画分子量500から1000の限外ろ過膜またはナノフィルトレーション膜で濃縮することで、シアル酸含量が8%以上、GNB含量が4%以上、タンパク質量が86%以下となるシアリル糖ペプチドを調製し、このシアリル糖ペプチドを一般的な乳幼児用調製粉乳(シアル酸:193mg/100g固形、GNB:82mg/100g、固形タンパク質:2.28g/100kcal)に配合することで、タンパク質量を母乳に近い量にしつつ、シアル酸および/又はGNBを強化した乳幼児用調製粉乳(シアル酸:250mg/100g固形以上、GNB:90mg/100g固形以上、タンパク質:2.4g/100kcal未満)を調製することができる。
なお、明細書中、シアリル糖ペプチドとは、シアル酸を糖鎖の構成として含む糖ペプチドをいう。
(GMPの製造方法)
GMPを含む組成物は、特許第2673828号などに記載の方法により調製することができる。すなわち、GMPを含有する乳原料物質、例えばチーズホエイ、ホエイタンパク質濃縮物、除タンパク質チーズホエイ等を、まずpH4未満に調整した後、分画分子量10,000〜50,000の膜を用い、限外濾過処理をして透過液を得、好ましくは再度、該透過膜をpH4以上に調整した後、分画分子量50,000以下の膜を用いて脱塩し濃縮することによりGMPを調整する方法が挙げられる。また、乳質ホエイをpH6.0以上に調整し40〜79℃で加熱処理したものを膜処理に付して乳清たんぱく質を除去し、GMPを濃縮液側に回収し、得られた濃縮液をpH5.5以下にした後、再び膜処理に供してGMPを透過液側に回収することによりGMP含有量の高い組成物を調製する方法を挙げることができる。
得られた組成物中のGMP量は、例えば、特許第3372499号の実施例に示されるようなウレア−SDS電気泳動法により分析することができる。
(シアリル糖ペプチドの製造方法)
GMPをエンド型プロテアーゼまたはエキソ型プロテアーゼで処理する工程と、前記工程で得られた処理物を分画分子量500以上3,000以下の限外ろ過に供する処理工程を経ることにより本発明のシアリル糖ペプチド組成物を製造することができる。
糖ペプチド製造に用いるプロテアーゼの種類は、ペプチド結合を加水分解し、上記(シアリル糖ペプチド組成物)で記載したような分子量と糖鎖を有する糖ペプチドを得ることができるものであれば特に限定されるものではなく、1種類、又は複数のエンド型プロテアーゼ、エキソ型プロテアーゼを用いることができる。好ましくは、食品や医薬品の製造に使用可能な酵素がよく、アクチナーゼE(科研ファルマ)、アクチナーゼAS(科研ファルマ)、ヌクレイシン(HBI)、オリエンターゼAY(HBI)、スミチームFP(新日本化学工業)、スミチームSPP−G(新日本化学工業)、プロテアーゼA(天野エンザイム)、ペプチダーゼR(天野エンザイム)、アルカラーゼ(ノボザイム)、フレーバザイム(ノボザイム)などを単独、あるいは組み合わせて使用することができる。
このようにして得られるシアリル糖ペプチドはどのようなものでも用いることができるが、以下の特徴を有するものを用いることが好ましい。
スレオニン及び/又はセリン残基を有するペプチドに糖鎖が結合した糖ペプチドであって、
(1)糖ペプチドの分子量が700以上3,000以下であり、
(2)糖鎖が前記ペプチドのスレオニン又はセリン残基の水酸基に結合し、
(3)糖鎖の構成糖がシアル酸、N-アセチルガラクトサミン及びガラクトースからなり
(4)シアル酸を8重量%以上含有し、
(5)GNBを4重量%以上含有し、
(6)タンパク質量が86重量%以下である
シアリル糖ペプチド。
(タンパク質源)
タンパク質源としては、カゼイン、乳清タンパク質濃縮物(WPC)、乳清タンパク質分離物(WPI)、αs-カゼイン、β−カゼイン、α−ラクトアルブミン、及びβ−ラクトグロブリンなどの乳タンパク質分画物、あるいは大豆タンパク質や小麦タンパク質などの植物タンパク質、さらにはこれらを種々の分解度まで酵素的に分解したペプチド、あるいはアミノ酸などを用いることができる。
(脂肪源)
脂肪源としては、乳脂肪、ラード、牛脂、又はカツオ油、マグロ油などを含む魚油などの動物性油脂、あるいは大豆油、菜種油、コーン油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、エゴマ油、アマニ油、月見草油、MCT、又は綿実油などの植物性油脂、さらにはこれらの分別油、水添油、エステル交換油などを用いることができる。
(糖質源)
糖質源としては、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、ショ糖、デキストリン、ガラクトシルラクトース、フラクトオリゴ糖、ラクチュロースなどのオリゴ糖、人工甘味料、可溶性多糖類、又は澱粉などを用いることができる。
(ビタミン及びミネラル源)
ビタミン及びミネラル源としては、『乳幼児食品を含む特殊用途食品のCODEX規格及び関連衛生作業規則、CAC/VOL. IX−第1版及びSupplement 1, 2, 3, 4』( 日本国際酪農連盟発行、1993年)、『1993年版指定品目食品添加物便覧(改訂第31版)( 食品と科学社発行、1993年) 』、又は『届け出制食品添加物・食品素材天然物便覧(第12版)』( 食品と科学社発行、1992年)に記載のミネラル及びビタミン類のうち乳幼児食品に使用可能なものを用いることができる。
ビタミン類としては、例えばビタミンA、B 、C 、D 、E 、K 類、葉酸、パントテン酸、β−カロチン、ニコチン酸アミドなどを挙げることができ、又、ミネラル類としてはカルシウム、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛、ヨウ素、マンガン、セレンなどが挙げられる。
(シアル酸含量の測定方法)
50μLの50mMリン酸カリウム緩衝液(pH5.0)に、シアリル糖ペプチド濃度が250μg/mL、シアリダーゼ(コスモバイオ)の濃度が0.2U/mLとなるように溶解する。溶液を37℃で24時間インキュベートした後に超純水で2〜10倍に希釈し、遊離したシアル酸の濃度をHPLCで分析する。
シアル酸の測定は、例えば、CarboPac PA1カラムを装着したDIONEX ICS−5000DPシステム(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)で行うことができる。検出器は電気化学検出器(パルスドアンペロメトリックモード)を用い、移動相には超純水(A液)、200mM水酸化ナトリウム溶液(B液)、および600mM 酢酸ナトリウムを含む100mM 水酸化ナトリウム溶液(C液)の3液を流速1mL/minで通液する。開始から7分間B液45%およびC液10%で通液し、その後10分までにB液を37.5%まで直線的に減少、C液を25%まで直線的に増加させる。10分から20分にかけてはB液37.5%、C液25%で通液し、20.1分から25分はB液45%およびC液10%で通液する。濃度既知の標準品を用いて作成した検量線から試料中のシアル酸量を算出することができる。
(GNB含量の測定方法)
50μLの50mMリン酸カリウム緩衝液(pH5.0)に、シアリル糖ペプチド濃度が250μg/mL、シアリダーゼ(コスモバイオ)の濃度が0.2U/mL、O-グリカナーゼ(Prozyme)の濃度が0.125U/mLとなるように、酵素および基質を溶解する。
溶液をサーマルサイクラー(Takara)により37℃で24時間インキュベートした後、氷冷により反応を停止した。反応液を超純水で2〜10倍に希釈した後、遊離したシアル酸とGNBの濃度をHPLCで分析する。
GNBの測定は、CarboPac PA1カラムを装着したDIONEX ICS−5000DPシステム(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)で行うことができる。検出器は電気化学検出器(パルスドアンペロメトリックモード)を用い、移動相には超純水(A液)、200mM水酸化ナトリウム溶液(B液)、および600mM 酢酸ナトリウムを含む100mM 水酸化ナトリウム溶液(C液)の3液を流速1mL/minで通液する。開始から10分間B液50%で溶出した後、25分までにC液の割合を0%から100%まで直線的に増加させ、30分までC液100%で溶出する。次に30.1分でB液50%とし、その後45分までB液50%で溶出する。濃度既知の標準品を用いて作成した検量線から試料中のGNB量を算出する。
(アミノ酸分析の方法)
アルギニン、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、セリン、スレオニンおよびアスパラギン酸の15種類のアミノ酸は、塩酸で加水分解後、JLC−500/V全自動高速アミノ酸分析機により分析する。シスチンおよびメチオニンは、過ギ酸溶液により加水分解後、JLC−500/V全自動高速アミノ酸分析機により分析する。トリプトファンは試料溶液に水酸化バリウム八水和物およびチオジエチレングリコールを加え、加熱した後、塩酸で加水分解し、HPLCにより分析する。
(タンパク質量の算出)
GMPおよびシアリル糖ペプチドのタンパク質量は、アミノ酸分析から得られた総アミノ酸量の数値をタンパク質量とする。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕本発明のシアリル糖ペプチド組成物の調製方法
1.GMPの製造方法
ホエイタンパク質濃縮物(サンラクトN−2、太陽化学製)1kgを50℃の水50Lに溶解し、濃塩酸によりpH3.5に調整した。これを、分画分子量20,000の限外ろ過膜(GR61PP、DDS製)を用い、50℃、圧力0.4MPa、平均透過液流速52.4L/m・hにて限外ろ過を行なった。透過液量が40Lに達した時点で濃縮液に50℃の水40Lを加え、連続して限外ろ過を行なった。以上の様にして連続運転を行い、透過液を160L得た。
得られた透過液に25%苛性ソーダを加え、pH7.0とし、再度同じ条件、同じ限外ろ過膜で濃縮液が5Lになるまで限外ろ過を行い、脱塩濃縮した。続いて50℃の水を加え、濃縮液量を常に10Lに保ちながら、これまでと同じ条件、同じ限外ろ過膜でダイアフィルトレーションを行い、さらに脱塩した。このダイアフィルトレーションにより透過液量が80Lに達した時点で濃縮液に水を加えるのをやめ、濃縮液量が2Lになるまで限外ろ過にて濃縮し、この濃縮液を乾燥し、GMP54gを得た。
2.シアリル糖ペプチド組成物の製造方法
上記1.で得られたGMPを用い、30kgの5%GMP溶液を調製した。これをアルカラーゼ(ノボザイム社製)およびフレーバザイム(ノボザイム社製)を添加して50℃で4時間反応させた。これを、分画分子量1,000の限外ろ過膜を用いて限外ろ過を行なった。濃縮液に水を加えて連続して限外ろ過を行なうことでダイアフィルトレーションを行ない、5倍の加水濃縮を行なった後に濃縮液画分を得た。この濃縮液を乾燥し、シアリル糖ペプチド組成物Aを300g得た。さらに、加水濃縮を10倍まで行なうことで得られたものをシアリル糖ペプチド組成物B(300g)とした。
3.シアル酸量、GNB量、およびアミノ酸組成の分析
調製したGMPおよびシアリル糖ペプチド組成物中のシアル酸量およびGNB量は、以下に記載した方法で測定した。
(1)すなわち、50μLの50mMリン酸カリウム緩衝液(pH5.0)に、シアリル糖ペプチド濃度が250μg/mL、シアリダーゼ(コスモバイオ)の濃度が0.2U/mL、O-グリカナーゼ(Prozyme)の濃度が0.125U/mLとなるように、酵素および基質を溶解した。溶液をサーマルサイクラー(Takara)により37℃で24時間インキュベートした後、氷冷により反応を停止した。反応液を超純水で2〜10倍に希釈した後、遊離したシアル酸とGNBの濃度をHPLCで分析した。CarboPac PA1カラムを装着したDIONEX ICS−5000DPシステム(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)で行った。検出器は電気化学検出器(パルスドアンペロメトリックモード)を用い、移動相には超純水(A液)、200mM水酸化ナトリウム溶液(B液)、および600mM 酢酸ナトリウムを含む100mM 水酸化ナトリウム溶液(C液)の3液を流速1mL/minで通液した。
(2)シアル酸の測定は、開始から7分間B液45%およびC液10%で通液し、その後10分までにB液を37.5%まで直線的に減少、C液を25%まで直線的に増加させた。10分から20分にかけてはB液37.5%、C液25%で通液し、20.1分から25分はB液45%およびC液10%で通液した。濃度既知の標準品を用いて作成した検量線から試料中のシアル酸量を算出した。シアル酸量は、N−アセチルノイラミン酸(Neu5Ac)量として算出した。
(3)GNBの測定は、開始から10分間B液50%で溶出した後、25分までにC液の割合を0%から100%まで直線的に増加させ、30分までC液100%で溶出した。次に30.1分でB液50%とし、その後45分までB液50%で溶出した。濃度既知の標準品を用いて作成した検量線から試料中のGNB量を算出した。
(4)調製したGMPおよびシアリル糖ペプチド組成物中のアミノ酸組成は、一般的な食品成分中のアミノ酸組成分析法により分析した。総アミノ酸量をタンパク質量とした。
(5)分析結果
シアリル糖ペプチド組成物Aは、シアル酸量が20重量%、GNB量が11重量%、タンパク質量は67重量%であり、シアリル糖ペプチド組成物Bは、シアル酸量が36重量%、GNB量が19.8重量%、タンパク質量は42重量%であった(表2)。また、調製したGMPはシアル酸量が6.0重量%、GNB量が5.0重量%、タンパク質量は84重量%であった(表2)。
LC/MS分析で得られたMSスペクトルおよびMS/MSスペクトルから、シアリル糖ペプチド組成物に含まれる糖ペプチドの糖鎖構造を推定した。検出した多くの糖ペプチドが、シアル酸を2分子結合したNeu5Acα2-3Galβ1-3(Neu5Acα2-6)GalNAcの糖鎖構造(Glycan type 3, 4, 5, 6, 7)を有していたが、シアル酸が1分子であるNeu5Acα2-3Galβ1-3GalNAc(Glycan type 1)やGalβ1-3(Neu5Acα2-6)GalNAc(Glycan type 2)も検出された。さらに、シアル酸のO−アセチル体であるN,O−ジアセチルノイラミン酸(O-Ac-Neu5Ac, Glycan type 4)、およびN,O,O−トリアセチルノイラミン酸(O- diAc-Neu5Ac, Glycan type 5)も検出された。また、一つのペプチド鎖に2本の糖鎖が結合した糖ペプチド(Glycan type 6, 7)も検出された。すなわち、検出したいずれの糖ペプチドもシアル酸を含む糖鎖が結合したペプチドであり、糖鎖が前記ペプチドのスレオニン又はセリン残基の水酸基に結合し、糖鎖の構成糖がシアル酸、N−アセチルガラクトサミン及びガラクトースからなるものであった。また、MS/MSスペクトル解析から検出したペプチド鎖の分子量は、745から2928の範囲であった。
Figure 2020124126
〔実施例2〕シアリル糖ペプチド配合乳幼児用調製粉乳の調製
ホエイ粉52.7kg、脱脂乳239kg、および実施例1で調製したシアリル糖ペプチド組成物A340gを水500kgに溶解し、この溶液に植物油23.9kgを混合し、均質化した。得られた溶液を殺菌し、定法により濃縮、乾燥して粉乳99kgを得た。粉乳とビタミンとミネラル成分1kgを粉混合し、最終的に乳幼児用調製粉乳100kgを得た。得られた粉乳のシアル酸量は、250mg/100g固形であり、GNB量は114mg/100g固形以上、タンパク質量は2.29g/100 kcalであった。
〔実施例3〕シアリル糖ペプチド配合乳幼児用調製粉乳の調製
ホエイ粉52.7kg、脱脂乳239kg、および実施例1で調製したシアリル糖ペプチド組成物B190gを水500kgに溶解し、この溶液に植物油23.9kgを混合し、均質化した。得られた溶液を殺菌し、定法により濃縮、乾燥して粉乳99kgを得た。粉乳とビタミンとミネラル成分1kgを粉混合し、最終的に乳幼児用調製粉乳100kgを得た。得られた粉乳のシアル酸量は、250mg/100g固形であり、GNB量は114mg/100g固形以上、タンパク質量は2.27g/100kcalであった。
〔実施例4〕シアリル糖ペプチド配合乳幼児用調製粉乳の調製
ホエイ粉52.7kg、脱脂乳239kg、および実施例1で調製したシアリル糖ペプチド組成物B1100gを水500kgに溶解し、この溶液に植物油23.9kgを混合し、均質化した。得られた溶液を殺菌し、定法により濃縮、乾燥して粉乳99kgを得た。粉乳とビタミンとミネラル成分1kgを混合し、最終的に乳幼児用調製粉乳100kgを得た。得られた粉乳のシアル酸量は、590mg/100g固形であり、GNB量は300mg/100g固形以上、タンパク質量は2.35g/100kcalであった。
〔参考例1〕GMP配合乳幼児用調製粉乳の調製
ホエイ粉52.7kg、脱脂乳239kg、およびGMP1120gを水500kgに溶解し、この溶液に植物油23.9kgを混合し、均質化した。得られた溶液を殺菌し、定法により濃縮、乾燥して粉乳99kgを得た。粉乳とビタミンとミネラル成分1kgを粉混合し、最終的に乳幼児用調製粉乳100kgを得た。得られた粉乳のシアル酸量は、250mg/100g固形であり、GNB量は129mg/100g固形以上、タンパク質量は2.41g/100kcalであった。
〔参考例2〕GMP配合乳幼児用調製粉乳の調製
ホエイ粉52.7kg、脱脂乳239kg、およびGMP6620gを水500kgに溶解し、この溶液に植物油23.9kgを混合し、均質化した。得られた溶液を殺菌し、定法により濃縮、乾燥して粉乳99kgを得た。粉乳とビタミンとミネラル成分1kgを粉混合し、最終的に乳幼児用調製粉乳100kgを得た。得られた粉乳のシアル酸量は、590mg/100g固形であり、GNB量は413mg/100g固形以上、タンパク質量は3.35g/100kcalであった。
Figure 2020124126
本発明は、タンパク質量を母乳に近い2.4g/100kcal未満に収めつつ、シアル酸量を母乳レベルまで増加させた新たな乳幼児用栄養組成物、及びその製造方法を提供することができる。また、さらにGNB量についても従来の乳幼児用栄養組成物より増加した新たな乳幼児用栄養組成物、及びその製造方法を提供することができる。


Claims (8)

  1. シアル酸が250mg/100g固形以上であり、かつタンパク質量が2.4g/100kcal未満であることを特徴とする乳幼児用栄養組成物。
  2. さらに、ガラクト−N−ビオースが90mg/100g固形以上である請求項1に記載の乳幼児用栄養組成物。
  3. 乳幼児用栄養組成物が乳幼児用調整粉乳である請求項1又は2に記載の乳幼児用栄養組成物。
  4. シアリル糖ペプチドが配合された請求項1〜3のいずれかに記載の乳幼児用栄養組成物。
  5. シアリル糖ペプチドが、シアル酸を8重量%以上含有し、ガラクト−N−ビオースを4重量%以上含有し、タンパク質量が86重量%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の乳幼児用栄養組成物。
  6. 前記シアリル糖ペプチドの分子量が700以上3,000以下である請求項1〜5のいずれかに記載の乳幼児用栄養組成物。
  7. シアリル糖ペプチドは、スレオニン及び/又はセリン残基を有するペプチドに糖鎖が結合した糖ペプチドであって、前記糖鎖が前記ペプチドのスレオニン又はセリン残基の水酸基に結合し、前記糖鎖の構成糖がシアル酸、N−アセチルガラクトサミン及びガラクトースからなる請求項1〜6のいずれかに記載の乳幼児用栄養組成物。
  8. シアリル糖ペプチドを添加する工程を含む乳幼児用栄養組成物の製造方法であって、シアリル糖ペプチドが以下の構成を有することを特徴とする乳幼児用栄養組成物の製造方法。
    スレオニン及び/又はセリン残基を有するペプチドに糖鎖が結合した糖ペプチドであって、
    前記糖ペプチドの分子量が700以上3,000以下であり、
    前記糖鎖が前記ペプチドのスレオニン又はセリン残基の水酸基に結合し、
    前記糖鎖の構成糖がシアル酸、N−アセチルガラクトサミン及びガラクトースからなり
    前記シアル酸を8重量%以上含有し、
    前記ガラクト-N-ビオースを4重量%以上含有し、
    前記ペプチド鎖のタンパク質量が86重量%以下である
JP2019016957A 2019-02-01 2019-02-01 乳幼児用栄養組成物 Active JP7338978B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019016957A JP7338978B2 (ja) 2019-02-01 2019-02-01 乳幼児用栄養組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019016957A JP7338978B2 (ja) 2019-02-01 2019-02-01 乳幼児用栄養組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020124126A true JP2020124126A (ja) 2020-08-20
JP7338978B2 JP7338978B2 (ja) 2023-09-05

Family

ID=72083193

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019016957A Active JP7338978B2 (ja) 2019-02-01 2019-02-01 乳幼児用栄養組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7338978B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0349648A (ja) * 1989-07-17 1991-03-04 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 細菌毒素中和能を付与した育児用粉乳
JP2011504365A (ja) * 2007-11-26 2011-02-10 ネステク ソシエテ アノニム 乳児のための年齢に合わせた栄養システム
JP2011073975A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Snow Brand Milk Prod Co Ltd シアリルラクトース素材の分離方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0349648A (ja) * 1989-07-17 1991-03-04 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 細菌毒素中和能を付与した育児用粉乳
JP2011504365A (ja) * 2007-11-26 2011-02-10 ネステク ソシエテ アノニム 乳児のための年齢に合わせた栄養システム
JP2011073975A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Snow Brand Milk Prod Co Ltd シアリルラクトース素材の分離方法

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
北岡本光: "ヒトミルクオリゴ糖によるビフィズス菌増殖促進作用の分子機構", MILK SCIENCE, vol. 61, no. 2, JPN6022045703, 2012, pages 115 - 124, ISSN: 0005028873 *
芦田久: "健康と長寿を指向したアミノ糖含有ヘテロ糖鎖による腸内環境改善技術の開発", 科学研究費助成事業研究成果報告書(2014.), JPN6022045702, 2015, pages 1 - 4, ISSN: 0005028872 *
須栗俊郎: "乳中の複合糖質について", 栄養生理研究会報, JPN6022045705, 1996, pages 81 - 91, ISSN: 0005028874 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP7338978B2 (ja) 2023-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6777391B1 (en) Composition for an infant formula having a low threonine content
EP2154990B1 (en) Functional serum protein product for use in infant food and therapeutic compositions and methods for the preparation thereof
EP1220620B1 (en) Composition comprising casein protein and whey protein
JP6234227B2 (ja) 腸内菌叢改善用栄養組成物
TW201306759A (zh) 包括乳鐵蛋白之營養組成物於刺激免疫細胞上之用途
US11647778B2 (en) Nutritional compositions containing milk-derived peptides and uses thereof
EP2257562B1 (en) Oligosaccharide ingredient
JP7338978B2 (ja) 乳幼児用栄養組成物
Pandya et al. Bioactive components in buffalo milk
JP3789146B2 (ja) オリゴ糖含有栄養組成物
JP3886915B2 (ja) ペプチドミルク
RU2497827C2 (ru) Олигосахаридный ингредиент
EP3897213B1 (en) Protein compositions with high isoelectric proteins
WO2018221526A1 (ja) 栄養組成物
JP2003113087A (ja) オリゴ糖含有栄養組成物
CN116725117A (zh) 乳清蛋白组合物
Milk et al. Bioactive Components in

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230105

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230405

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230703

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20230712

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230802

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230824

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7338978

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150