JP2020189954A - 洗浄液及び洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
Description
即ち、本発明は以下の1)〜6)に関する。
1)
少なくとも2種類の界面活性剤と、水とを含有する洗浄液であって、一方の界面活性剤のHLB値が10.0〜20.0であり、他方の界面活性剤のHLB値が3.0以上10.0未満である洗浄液。
但し、界面活性剤のHLB値は以下のようにして算出する。
[HLB値の算出方法]
界面活性剤0.5gをエタノール5mLに溶解させて溶液を得る。得られた溶液を25℃で撹拌し、この溶液に2質量%フェノール水溶液を滴下し、液が混濁したところを終点とする。終点までに要した2質量%フェノール水溶液の量がQ(mL)のとき、下記式(1)によってHLB値を算出する。
前記HLB値が10.0〜20.0の界面活性剤が、ノニオン界面活性剤から選択される界面活性剤である、前記1)に記載の洗浄液。
3)
前記HLB値が3.0以上10.0未満の界面活性剤が、ノニオン界面活性剤から選択される界面活性剤である前記1)又は2)に記載の洗浄液。
4)
さらに、グリコールエーテルを含有する前記1)に記載の洗浄液。
5)
前記1)〜4)のいずれか一項に記載の洗浄液の、インクジェットプリンタの洗浄における使用。
6)
前記1)〜4)のいずれか一項に記載の洗浄液を用いて、インクジェットプリンタに付着したインクジェットインクの固形物を洗浄する、インクジェットプリンタの洗浄方法。
前記の洗浄液は、少なくとも2種類の界面活性剤を含有する。そのうちの一方の界面活性剤のHLB値は通常10.0〜20.0、好ましくは10.5〜20.0、より好ましくは10.5〜19.5(以下「界面活性剤A」ということがある。)である。また、他方の界面活性剤のHLB値は通常3.0以上10.0未満、好ましくは3.5以上10.0未満、より好ましくは4.0以上10.0未満(以下「界面活性剤B」ということがある。)である。
界面活性剤A及びBの種類は特に限定されず、ノニオン、アニオン、カチオン、両性、シリコン、及びフッ素等の、各界面活性剤が挙げられる。これらの中ではノニオン、及びアニオンの各界面活性剤から選択される界面活性剤が好ましく、ノニオン界面活性剤がより好ましい。
界面活性剤のHLB値は、以下のようにして算出する。
[HLB値の算出方法]
界面活性剤0.5gをエタノール5mLに溶解させて溶液を得る。得られた溶液を25℃で攪拌し、この溶液に2質量%フェノール水溶液を滴下し、液が混濁したところを終点とする。終点までに要した2質量%フェノール水溶液の量がQ(mL)のとき、下記式(1)によってHLB値を算出する。算出したHLB値は小数点以下2桁目を四捨五入することにより、小数点以下1桁目までを算出値として用いる。なお、エタノール5mLに溶解しない界面活性剤、及び、2質量%フェノール水溶液を滴下しても混濁を生じない界面活性剤は、界面活性剤A及びBには含まれない。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル(例えば、花王株式会社製のエマルゲン A−60、A−90、A−500)等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール(アルコール)系;ポリグリコールエーテル系等が挙げられる。これらの市販品としては、例えば、日信化学株式会社のサーフィノール 104、104PG50、82、420、440、465、485、オルフィン STG;花王株式会社製のエマルゲン A−60、A−90、A−500、MS−110;EVONIC社製のTEGO Wet 500、505、510、株式会社日本触媒製のソフタノール30、90、EP−9050;第一工業製薬株式会社製のDKS NL−30;竹本油脂株式会社製のパイオニン D−1502、D−1305P等が挙げられる。
前記の洗浄液は、グリコールエーテルを含有することができる。グリコールエーテルとしては、ジ又はトリC2−C4アルキレングリコールのモノアルキルエーテルが好ましい。
C2−C4アルキレングリコール部分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びブチレングリコールが挙げられる。これらの中ではエチレングリコール、及びプロピレングリコールが好ましく、エチレングリコールがより好ましい。
モノアルキルエーテル部分のアルキルの炭素数の範囲は、通常C1−C6、好ましくはC1−C5、より好ましくはC2−C4、さらに好ましくはC3−C4、特に好ましくはC4である。
その具体例としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルジグリコール)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらの中ではブチルジグリコールが好ましい。
洗浄液の総質量中における、グリコールエーテルの総含有量は通常0〜15%、好ましくは0.1〜15%、より好ましくは0.2〜13%、さらに好ましくは0.5〜10%である。
洗浄液の総質量に対して、有機溶剤以外のインク調製剤の総含有量は通常0%〜30%、好ましくは0%〜20%、より好ましくは0%〜10%程度である。
有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、及び第三ブタノール等の、ヒドロキシ基を1つ有するC1−C6アルカノール;N,N−ジメチルホルムアミド、及びN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、及びN−メチルピロリジン−2−オン等のラクタム;1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン、及び1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の環式尿素;アセトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン、及びエチレンカーボネート等の、ケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、及びジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−へキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、1,2−オクタンジオール、5−メチル−1,2−ヘキサンジオール、4−メチル−1,2−ヘキサンジオール、4,4−ジメチル−1,2−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、分子量が400以上のポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコール、チオジグリコール又はジチオジグリコール等の、C2−C8アルキレン単位を有するモノ、オリゴ又はポリアルキレングリコール又はチオグリコール;グリセリン、ジグリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール、トリメチロールプロパン等のポリオール(トリオール);γ−ブチロラクトン、及びジメチルスルホキシド等から選択される有機溶剤が挙げられる。
防腐剤の例としては、例えば有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリールスルホン系、ヨードプロパギル系、ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系又は無機塩系等の化合物が挙げられる。
防腐剤の市販品の具体例としては、アーチケミカル社製のプロクセル GXL(S)、XL−2(S)等が挙げられる。
防黴剤の具体例としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。
pH調整剤としては、調製されるインク組成物に悪影響を及ぼさずに、そのpHを5〜11に調整できれば、任意の物質を使用することができる。
その具体例としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化アンモニウム(アンモニア水);あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;ケイ酸ナトリウム、酢酸カリウム等の有機酸のアルカリ金属塩;リン酸二ナトリウム等の無機塩基等が挙げられる。
キレート試薬の具体例としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、及びウラシル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
防錆剤の具体例としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、及びジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。
水溶性紫外線吸収剤の例としては、例えばスルホ化されたベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾ−ル系化合物、サリチル酸系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物が挙げられる。
酸化防止剤の例としては、例えば、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤の例としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、及び複素環類等が挙げられる。
前記インクジェットプリンタの洗浄方法は、インクジェットプリンタに付着したインクジェットインクの固形物を洗浄する方法であれば、特に限定されない。通常の洗浄方法としては、例えば、洗浄液をスポンジ等に吸収させて、着色インクが付着した部分の汚れをふき取る方法等が挙げられる。一方、例えば着色インクがインクジェットヘッド上で乾燥し、インクジェットヘッドの汚れが激しいときは、着色インクの代わりに洗浄液をインクジェットヘッドに充填して洗浄することもできる。
洗浄液をインクジェットヘッドに充填して洗浄をするときは、洗浄液から夾雑物を除去する目的で、洗浄液を精密濾過するのが好ましい。
精密濾過をするときは、メンブランフィルター及び/又はガラス濾紙等を用いることができる。精密濾過を行うときのフィルター等の孔径は通常0.5μm〜20μm、好ましくは0.5μm〜10μmである。
洗浄液の表面張力は通常10mN/m〜50mN/m、好ましくは20mN/m〜40mN/mである。
洗浄液の粘度は通常30mPa・s以下、好ましくは20mPa・s以下、下限は0.1mPa・s程度である。
前記洗浄液は洗浄力が高いため、水不溶性着色剤、特に顔料を含有する水系インクの洗浄に用いることが好ましい。
また、実施例中で使用した「水」は、イオン交換水である。
下記表2に記載の各成分を混合して、それぞれ総量100部の液を得た後、得られた液を3μmのメンブランフィルターで濾過することにより、実施例1〜5の洗浄液を得た。
下記表3に記載の各成分を使用する以外は、前記の実施例1〜5と同様にして、比較例1〜10の比較用の洗浄液を得た。
Gly:グリセリン
2Py:2−ピロリドン。
BDG:ブチルジグリコール。
SN465:日信化学株式会社製ノニオン界面活性剤、サーフィノール 465。
SN485:日信化学株式会社製ノニオン界面活性剤、サーフィノール 485。
LA−16:第一工業製薬株式会社製アニオン界面活性剤、ハイテノール LA−16。
NL−30:第一工業製薬株式会社製ノニオン界面活性剤、DKS NL−30。
A−90:花王株式会社製ノニオン界面活性剤、エマルゲン A−90。
MS−110:花王株式会社製ノニオン界面活性剤、エマルゲン MS−110。
D−1305P:竹本油脂株式会社製ノニオン界面活性剤、パイオニン D−1305P。
TW500:EVONIC社製ノニオン界面活性剤、TEGO Wet 500。
TW505:EVONIC社製ノニオン界面活性剤、TEGO Wet 505。
TW510:EVONIC社製ノニオン界面活性剤、TEGO Wet 510。
TEA:トリエタノールアミン。
GXL(S):プロキセルGXL(S)。
[調製例1]:樹脂Aの調製。
ジョンクリル678(MW:8500)25部、及びトリエタノールアミン14.3部をイオン交換水60.7部に溶解し、一時間撹拌して溶液を得た。得られた溶液を、樹脂Aとする。
国際公開第2013/115071号の合成例3に記載のブロック共重合体を調製し、得られた高分子分散剤5部を、2−ブタノン20部に溶解させ、均一な溶液とした。この液に、水酸化ナトリウム(0.4部)を水(50.6部)に溶解させた液を加え、樹脂溶液A(4部)添加後、1時間攪拌して乳化液を得た。この乳化液にC.I.Pigment Yellow 74(20部、クラリアント社製HANSA YELLOW 5GX 01−JP)を加え、1500rpmの条件下で15時間、サンドグラインダー中で分散処理を行って液を得た。得られた液に水(100部)を滴下した後、この液をろ過し濾液を得た。得られたろ液から、エバポレータで2−ブタノン、及び水の一部を減圧留去することにより、顔料含有量が12.4%の顔料分散液(Dp1)を得た。
分散液中の顔料含有量は、株式会社エイ・アンド・デイ社製、MS−70を用いて、乾燥重量法により、液中の全固形分から、顔料含有量の換算値として求めた。
国際公開第2015/147192号ガゼットの調製例4を追試することにより、酸価が6KOHmg/g、Tgが0℃、固形分が25%の樹脂エマルションを調製した。これを「樹脂B」とする。
下記表2に記載の各成分を混合して総量100部の液を得た後、得られた液を3μmのメンブランフィルターで濾過することにより、洗浄液の洗浄力の評価に用いる着色インクを得た。
着色分散液:調製例2の着色分散液。
TEG:トリエチレングリコール。
1,2HD:1,2−ヘキサンジオール。
SN465:日信化学株式会社製ノニオン界面活性剤、サーフィノール 465。
AQ515:ビックケミー社製ポリエチレンワックス、AQUACER 515(固形分35.0%)。
各実施例、及び比較例で得た洗浄液を、室温で12時間静置した後、洗浄液の状態を目視で観察し、その安定性を評価した。評価基準は以下の2段階とした。評価結果を下記表5及び6に示す。
[評価基準]
A:洗浄液の状態に変化はなかった。
C:洗浄液から分離した液状成分が、洗浄液の表面に浮いているのが観察された。
前記の調製例4で得た着色インクをガラスシャーレ上に20マイクロリットル滴下し、60℃の恒温槽に1時間静置して乾燥させることにより、着色インクが固化した固形物を得た。
得られた固形物に実施例、及び比較例の各洗浄液を10ミリリットル滴下し、固形物を洗浄できるか否かを目視で評価した。評価基準は以下の4段階とした。評価結果を下記表5及び6に示す。
[評価基準]
A:固形物の残存が認められず、均一な液となった。
B:わずかに固形物の残存が認められるが、ほぼ均一な液となった。
C:明らかに固形物が残存し、均一な液とは認められなかった。
D:固形物の形状が全く変化しなかったか、又は、ほとんど変化しなかった。
下記表7に記載の各成分を使用する以外は、前記の実施例1〜5と同様にして、実施例6の洗浄液を得た。
下記表7に記載の各成分を使用する以外は、前記の実施例1〜5と同様にして、比較例11〜12の比較用の洗浄液を得た。
Claims (6)
- 前記HLB値が10.0〜20.0の界面活性剤が、ノニオン界面活性剤から選択される界面活性剤である、請求項1に記載の洗浄液。
- 前記HLB値が3.0以上10.0未満の界面活性剤が、ノニオン界面活性剤から選択される界面活性剤である請求項1又は請求項2に記載の洗浄液。
- さらに、グリコールエーテルを含有する請求項1に記載の洗浄液。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の洗浄液の、インクジェットプリンタの洗浄における使用。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の洗浄液を用いて、インクジェットプリンタに付着したインクジェットインクの固形物を洗浄する、インクジェットプリンタの洗浄方法。
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