JP2020141376A - 画像符号化装置及びその制御方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的少ないメモリ量でも画質劣化の時間方向の累積を抑制しつつ、画像符号化を行う。【解決手段】画像符号化装置は、参照画像データを生成する場合に、第1のタイプか、第2のタイプの参照画像データとするかを判定する。判定の結果が第1のタイプの参照画像データを示す場合には着目フレームのローカルデコードで得た画像データを第1の削減率でローカル符号化し、得られた符号化データをメモリに格納し、判定の結果が第2のタイプの参照画像データを示す場合には着目フレームのローカルデコードで得た画像データを第1の削減率よりも高い第2の削減率でローカル符号化し、得られた符号化データをメモリに格納する。メモリに格納された符号化データを復号し、参照画像データとして供給する。第1のタイプの参照画像データは、参照画像データとなるフレームが含まれる場合であり、第2のタイプは、参照画像データとなるフレームが含まれない。【選択図】図7
Description
本発明は画像の符号化技術に関するものである。
近年、4Kテレビや4Kビデオカメラが普及しており、動画像の高解像度化が進んでいる。これにともない、システムが処理すべきデータ量も増加している。
動画像の国際標準符号化規格である、H.264やHEVC(High Efficiency Video Coding)などの符号化方式では、動き予測という技術が用いられている。動き予測は、これから符号化を行う画像と、それとは時間的に異なる符号化済みの参照画像との間で動きを検出し、その動き情報に基づいて動画像圧縮を行うことにより、符号化効率を高めるものである。
動き予測をハードウェア処理で行う場合、外部メモリに置かれている参照画像のうち探索範囲部分を読み出して内部メモリに保持しておき、動き探索を行う。しかし、近年の動画像の高解像度化に伴い、動き探索を行う範囲が広範囲になったことから、外部メモリに対して頻繁にアクセスが発生する。この結果、メモリ帯域が圧迫し、より高帯域なメモリバンド幅が望まれるようになってきている。しかし、メモリバンド幅を高めるには、動作クロックの周波数を高くする等の方法が必要となり、結果として実装コストを増加させてしまう。
一方、メモリバンド幅を有効に利用するため、参照画像を圧縮して外部メモリに記憶する方法が提案されている。しかし、この方法は参照画像を圧縮する際、非可逆な圧縮処理が行われるため、参照画像が劣化してしまう。また、次に符号化する画像は劣化した参照画像を参照するため、劣化が伝播してしまう。さらに、この符号化画像は次の参照画像として用いられるため、参照画像を圧縮する際の画質劣化が時間方向に大きく累積してしまう。
そこで、参照画像を圧縮したものと圧縮していないもの両方を外部メモリに記憶しておき、読み込む参照画像を適応的に選択することで画質劣化が時間方向に大きく累積してしまうことを抑える技術が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1では、画質劣化が時間方向に大きく累積してしまうことを抑えるため、参照画像を圧縮したものと圧縮していないもの両方を格納するため、容量の大きなメモリもしくはメモリ領域を必要となる。
本発明はかかる問題に鑑みなされたものであり、比較的少ないメモリ量でも画質劣化の時間方向の累積を抑制しつつ、画像の符号化を行う技術を提供する。
この課題を解決するため、例えば本発明の画像符号化装置は以下の構成を備える。すなわち、
フレーム間動き補償を行って動画像データを符号化する画像符号化装置であって、
フレーム間符号化を行う際の参照画像データを格納するためのメモリと、
符号化対象の着目フレームから参照画像データを生成するか、生成する場合には第1のタイプの参照画像データとするか、第2のタイプの参照画像データとするかを判定する判定手段と、
前記着目フレームを、前記メモリに格納された既符号化の参照画像データを参照して符号化し、符号化ストリームを生成する符号化手段と、
前記判定手段の判定の結果が前記第1のタイプの参照画像データを示す場合には前記着目フレームのローカルデコードで得た画像データを第1の削減率でローカル符号化し、得られた符号化データを前記メモリに格納し、
前記判定手段の判定の結果が前記第2のタイプの参照画像データを示す場合には前記着目フレームのローカルデコードで得た画像データを前記第1の削減率よりも高い第2の削減率でローカル符号化し、得られた符号化データを前記メモリに格納するローカル符号化手段と、
前記メモリに格納された符号化データを復号し、前記符号化手段に前記参照画像データとして供給するローカル復号手段とを有し、
前記第1のタイプの参照画像データは、参照元となるフレームの中に参照画像データとなるフレームが含まれる場合の参照画像データであり、
前記第2のタイプの参照画像データは、参照元となるフレームの中に参照画像データとなるフレームが含まれない場合の参照画像データであることを特徴とする。
フレーム間動き補償を行って動画像データを符号化する画像符号化装置であって、
フレーム間符号化を行う際の参照画像データを格納するためのメモリと、
符号化対象の着目フレームから参照画像データを生成するか、生成する場合には第1のタイプの参照画像データとするか、第2のタイプの参照画像データとするかを判定する判定手段と、
前記着目フレームを、前記メモリに格納された既符号化の参照画像データを参照して符号化し、符号化ストリームを生成する符号化手段と、
前記判定手段の判定の結果が前記第1のタイプの参照画像データを示す場合には前記着目フレームのローカルデコードで得た画像データを第1の削減率でローカル符号化し、得られた符号化データを前記メモリに格納し、
前記判定手段の判定の結果が前記第2のタイプの参照画像データを示す場合には前記着目フレームのローカルデコードで得た画像データを前記第1の削減率よりも高い第2の削減率でローカル符号化し、得られた符号化データを前記メモリに格納するローカル符号化手段と、
前記メモリに格納された符号化データを復号し、前記符号化手段に前記参照画像データとして供給するローカル復号手段とを有し、
前記第1のタイプの参照画像データは、参照元となるフレームの中に参照画像データとなるフレームが含まれる場合の参照画像データであり、
前記第2のタイプの参照画像データは、参照元となるフレームの中に参照画像データとなるフレームが含まれない場合の参照画像データであることを特徴とする。
本発明によれば、比較的少ないメモリ量でも画質劣化の時間方向の累積を抑制しつつ、画像の符号化を行うことが可能になる。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は第1の実施形態による画像符号化装置100のブロック構成図である。ここでは、HEVC符号化方式を実現する符号化装置を例に示している。なお、符号化対象の動画像データの発生源は特に問わないが、理解を容易にするためデジタルカメラに代表される撮像装置に実装する例を説明する。
図1は第1の実施形態による画像符号化装置100のブロック構成図である。ここでは、HEVC符号化方式を実現する符号化装置を例に示している。なお、符号化対象の動画像データの発生源は特に問わないが、理解を容易にするためデジタルカメラに代表される撮像装置に実装する例を説明する。
制御部150は、装置全体の制御を司るものであり、CPUと、CPUが実行するプログラムや各種パラメータ等を記憶するROM、並びにワークエリアとして使用されるRAMを含む。操作部151は、ユーザが装置への指示入力を行うためのスイッチやボタン、タッチパネル等で構成される。表示部152は、ユーザにメニュー表示や撮像画像を表示するものである。
レンズ101は外部からの光を撮像部102の撮像面に光学像として結像させる。撮像部102は、その表面に多数の撮像素子が配列されており、結像した光学像を電気信号に変換し、更に、A/D変換することで画像データを生成し、現像処理部103に供給する。撮像部102は、例えば1秒間に30回この処理を行うことで、30フレーム/秒の動画像を撮像することになる。
現像処理部103では、ディベイヤ処理、キズ補正、ノイズ除去、拡大縮小処理、YCbCr形式への色変換などの画像処理(現像処理)が行われる。そして、現像処理部103は、画像処理後の圧縮符号化を行うことができる形式になった画像データを符号化画像フレームバッファ104に格納する。なお、符号化画像フレームバッファ104は、複数のフレームを格納する容量を有するものとする。
動き予測部107は、参照画像伸張部106に対し、参照フレームバッファ105に格納されている、既符号化のフレームの符号化データの伸張処理を行わせる。そして、動き予測部107は、符号化画像フレームバッファ104に格納されている符号化対象画像データにおける符号化対象ブロックと、伸長処理で得た参照画像データ間でブロックマッチングをとり、フレーム間動きベクトルの探索処理を行う。そして、動き予測部107は、符号化対象ブロックと、検出された動きベクトル位置の予測画像ブロックとの間で画素の差分をとり、差分画像ブロックを得る。そして、動き予測部107は、差分画像ブロックを直交変換部108に供給する。更に、動き予測部107は、検出した動きベクトルが示す位置の予測画像ブロックを動き補償部115に供給する。
直交変換部108は、送られてきた差分画像ブロックに対して離散コサイン変換を行って変換係数を生成し、生成した変換係数を量子化部109に供給する。
量子化部109は、直交変換部108より供給された変換係数に対して、量子化制御部110が出力する量子化ステップサイズに従い、量子化を行う。そして、量子化部109は、量子化された変換係数を、符号化ストリーム作成のため可変長符号化部111、ならびにローカルデコード画像作成のため逆量子化部113に供給する。
可変長符号化部111は、量子化後の変換係数に対してジグザグスキャン、オルタネートスキャン等を行い、可変長符号化を行う。また、可変長符号化部111は、可変長符号化で得た符号化データに加え、動きベクトルや量子化ステップサイズ、ブロック分割情報、適応オフセット処理用パラメータなどの符号化方式情報を可変長符号化したものを付加し、フレーム間符号化処理に基づく符号化ストリームを生成する。そして、可変長符号化部111は、生成された符号化ストリームを記録メディア112に記録する。また、可変長符号化部111は、符号化の際にブロックごとの発生符号量を算出し、その符号量を表す情報を量子化制御部110に供給する。
量子化制御部110は、可変長符号化部111から送られてくるブロック単位の発生符号量を用いて、着目フレームの総符号量が目標符号量になるように量子化ステップサイズを決定し、量子化部109に通知する。
逆量子化部113は、量子化部109から送られてきた量子化後の変換係数に対して逆量子化を行い、ローカルデコード用の変換係数を生成する。そして、逆量子化部113は、生成した変換係数を逆直交変換部114に供給する。逆直交変換部114は、逆量子化部113から送られてきた変換係数に対して逆直交変換を行い、差分画像ブックを生成する。そして、逆直交変換部114は、生成された差分画像ブロックを動き補償部115に供給する。
動き補償部115は、動き予測部107から送られてきた動きベクトル位置の予測画像ブロックと、逆直交変換部114から送られてきた差分画像ブロックとを加算することにより、ローカルデコード用の画像ブロックデータを生成する。そして、動き補償部115は、生成された画像ブロックデータをデブロッキングフィルタ部116に供給する。デブロッキングフィルタ部116は、動き補償部115から送られてきた画像ブロックデータに対してデブロッキングフィルタをかける。そして、デブロッキングフィルタ部116は、デブロッキングフィルタ後の画像ブロックデータを、適応オフセット処理部117に供給する。
適応オフセット処理部117は、バンドオフセット処理、エッジオフセット処理、もしくは何も処理をしない、のいずれかの選択を行い、適応オフセット処理を行うバンド位置、エッジ方向、オフセット値などを決定する。また、適応オフセット処理部117は、適応オフセット処理としてどの処理を選択したか、バンド位置、エッジ方向、オフセット値などの適応オフセット処理用のパラメータを符号化ストリームとして生成するため、そのパラメータを可変長符号化部111に供給する。
参照画像圧縮部118は、適応オフセット処理を行った画像ブロックデータを、削減率設定部119で設定された削減率に従って圧縮符号化(ローカル符号化)し、その符号化データを参照フレームバッファ105に格納する。
なお、ここで言う削減率の技術的意味を明確するため、実施形態では以下のように定義する。
削減率={1−(符号化後のデータ量/符号化前のデータ量)}×100
つまり、削減率が低いほど、圧縮符号化後のデータ量はオリジナルのデータ量に近く、符号化によるロスが小さいことを意味する。したがって、例えば、削減率20%と削減率17%とを比較した場合、削減率17%の方がデータ量は多くなり、画質が高いことを意味する。
削減率={1−(符号化後のデータ量/符号化前のデータ量)}×100
つまり、削減率が低いほど、圧縮符号化後のデータ量はオリジナルのデータ量に近く、符号化によるロスが小さいことを意味する。したがって、例えば、削減率20%と削減率17%とを比較した場合、削減率17%の方がデータ量は多くなり、画質が高いことを意味する。
参照画像選択部120は、符号化画像ごとにどの画像を参照画像とするかの選択を行うものであり、フレームレート等に応じて参照画像の設定を変更する。
参照画像伸張部106は、参照フレームバッファ105に格納された符号化データを伸長処理(ローカル復号)する。参照画像圧縮部118が、削減率設定部119により設定される削減率に基づいて非可逆圧縮を行った場合、参照画像伸張部106による伸長後の画像の画質は、適応オフセット処理部117の直後の画像のそれと比較して劣化したものとなる。この劣化の度合いは、削減率設定部119で設定する削減率が高いほど、大きくなる。
図2と図3にそれぞれGOP構造の異なる一般的な符号化例を、図4に図3に対して一部のPピクチャが時間的により遠くの画像を参照するように参照関係を一部変更した符号化例を示す。それぞれ表示順に並んでおり、I、P、BはそれぞれIピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャを表す。矢印は、時間方向の予測の参照関係を示しており、矢印先のピクチャから、矢印元のピクチャに予測が行われる。
まず、IピクチャとPピクチャのみで構成される図2について説明する。はじめに、Iピクチャ201の符号化が行われ、その符号化から参照画像207が生成される。Pピクチャ202は、参照画像207を参照して符号化され、その符号化画像から参照画像208が生成される。Pピクチャ203は、参照画像208を参照して符号化され、その符号化画像から参照画像209が生成される。Pピクチャ204は、参照画像209を参照して符号化され、その符号化画像から参照画像210が生成される。Pピクチャ205は、参照画像210を参照して符号化される。続いて、Iピクチャ206の符号化が行われ、その符号化から参照画像211が生成される。
次に、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャで構成される図3について説明する。なお、Bピクチャは、他のピクチャを符号化する際の参照画像とはならない点に注意されたい。
まず、Iピクチャ301の符号化が行われ、その符号化から参照画像317が生成される。Pピクチャ304は、参照画像317を参照して符号化され、その符号化から参照画像318が生成される。Bピクチャ302と303は、参照画像317および318を参照して符号化される。Pピクチャ307は、参照画像318を参照して符号化され、その符号化から参照画像319が生成される。Bピクチャ305と306は、参照画像318および319を参照して符号化される。Pピクチャ310は、参照画像319を参照して符号化され、その符号化から参照画像320が生成される。Bピクチャ308と309は、参照画像319および320を参照して符号化される。Pピクチャ313は、参照画像320を参照して符号化され、その符号化から参照画像321が生成される。Bピクチャ311と312は、参照画像320および321を参照して符号化される。続いて、Iピクチャ316の符号化が行われ、その符号化から参照画像322が生成される。Bピクチャ314と315は、参照画像321および322を参照して符号化される。
次に、図3に対して一部の参照関係を変更した図4について説明する。まず、Iピクチャ401の符号化が行われ、その符号化から参照画像417が生成される。Pピクチャ404は、参照画像417を参照して符号化され、その符号化から参照画像418が生成される。Bピクチャ402と403は、参照画像417および418を参照して符号化する。Pピクチャ407は、参照画像417を参照して符号化され、その符号化から参照画像419が生成される。Bピクチャ405と406は、参照画像418および419を参照して符号化される。Pピクチャ410は、参照画像419を参照して符号化され、その符号化から参照画像420が生成される。次に、Bピクチャ408と409は、参照画像419および420を参照して符号化される。Pピクチャ413は、参照画像420を参照して符号化され、その符号化から参照画像421が生成される。Bピクチャ411と412は、参照画像420および421を参照して符号化される。続いて、Iピクチャ416の符号化が行われ、その符号化から参照画像422が生成される。Bピクチャ414と415は、参照画像421および422を参照して符号化される。
参照画像タイプは大きく分けてタイプA,B、Cの3つある。以下、図2乃至図4を参照して、これらのタイプを説明する。
タイプAの参照画像の代表例が参照画像207である。この参照画像207の参照するピクチャ202自身が参照画像208となるのが、その理由である。同じ理由で、参照画像208〜211それぞれもタイプAの参照画像である。
タイプBの参照画像の代表例が参照画像317である。この参照画像317を参照するピクチャは、ピクチャ302、303、304の3つであり、且つ、この3つの中には自身が参照画像となるピクチャ(ピクチャ304は参照画像318となる)が含まれる。同じ理由で、参照画像318〜322もこのタイプBの参照画像である。
ここで、タイプA,Bとなる参照画像(207乃至211、及び、317乃至322)を、以降、第一のタイプの参照画像として定義する。
ここで、第一のタイプの参照画像である参照画像207が非可逆圧縮により画質劣化した場合、図2で示した参照関係より、Iピクチャ201以降の符号化画像であるピクチャ202〜205に対して画質劣化が伝搬していく。同様にして、第一の参照画像のタイプである参照画像317が非可逆圧縮により画質劣化した場合、図3で示した参照関係より、Iピクチャ301以降の符号化画像であるピクチャ302〜315に対して画質劣化が伝搬していく。しかも、第一のタイプの参照画像が画質劣化してしまうと、時間的に後ろに位置するピクチャほど画質劣化の蓄積の度合いが大きくなっていくこともわかる。
タイプCの参照画像の代表例が参照画像418である。この参照画像418を参照するピクチャは、ピクチャ402、403、405、406の4つ(いずれもBピクチャ)だけであり、且つ、この4つのピクチャの中には自身が参照画像となるピクチャが含まれない。同じ理由で、参照画像420も、タイプCの参照画像である。
以降、参照元となるピクチャの中に自身が参照画像となるものが含まれない、タイプCの参照画像を第二のタイプの参照画像と定義する。
なお、参照画像417を参照するピクチャ402、403,404、407の中には、自身が参照ピクチャとなるものが含まれる(ピクチャ404は参照画像418となり、ピクチャ407は参照画像419となる)。故に、参照画像417は、先に定義した第一のタイプの参照画像となる。参照画像419、421,422も同じ理由で、第一のタイプの参照画像である。
ここで第二のタイプの参照画像である参照画像418が非可逆圧縮により画質劣化した場合、図4で示した参照関係より、Bピクチャ402、403、405、406の符号化画像にのみ画質劣化の影響を及ぼす。すなわち、時間的に後ろの符号化画像全体ではなく、一部の画像のみしか画質劣化の影響を及ぼさない。言い換えれば、第二のタイプの参照画像よりも第一のタイプの参照画像の方が、時間的に後ろのピクチャに対する与える劣化の影響が大きいと言える。この影響を抑えるためには、第二の参照画像タイプよりも第一の参照画像タイプの画質劣化をより小さくすることでる。そのためには、第二の参照画像タイプより第一の参照画像タイプの削減率を低く設定することである。なぜなら、削減率を低くするということは、原画像により近い画質となることを意味するからである。なお、削減率を低くすることは、圧縮しない非圧縮の場合も含む概念となる。
図3では、第一のタイプの参照画像のみ存在するが、第二のタイプの参照画像は存在しない。一方で、参照関係を変更した図4では第一の対応の参照画像と第二のタイプの参照画像の両方が混在する参照関係となっている。このとき、第二の参照画像タイプより第一のタイプの参照画像の削減率を低く設定することで、時間的に後ろの符号化画像に与える画質劣化の影響を抑えることができる。
図5に、従来の符号化方法である均一の削減率(削減率17%)で圧縮伸張処理して参照画像を生成し、符号化した場合を示す。参照関係は図3と同じである。このとき、Iピクチャ間(Iピクチャ501からIピクチャ516の間)で平均して削減率17%の参照画像の圧縮を行う。このとき、第一のタイプの参照画像しか存在しないため、時間的に後ろの符号化画像に与える画質劣化の影響に応じた削減率の割り当てができず、時間方向における参照画像の画質劣化の累積が大きくなってしまう。
図6に本実施形態における符号化方法について示す。参照関係は、図4で示したように第一のタイプの参照画像と第二のタイプの参照画像とが混在するように変更する。なお、第一のタイプの参照画像と第二のタイプの参照画像が時間軸に対して交互になるように参照関係を変更することで、参照距離が遠くなることによる画質劣化を小さくすることができる。図5では全ての符号化画像に対して均一に17%の削減率で圧縮を行った。これに対し、図6では、第一のタイプの参照画像である参照画像617、619、621、622に対しては、削減率15%に設定する。一方で、第二のタイプの参照画像である参照画像618、620に対しては、削減率20%に設定する。よって、図6においても図5と同様にイントラピクチャ間(Iピクチャ601からIピクチャ616の間)で平均17%の参照画像の削減を行っていることとほぼ同じになっているといえる。しかし、本実施形態では、参照画像が画質劣化した場合の時間的に後ろの符号化画像に与える影響の大きさに応じて削減率を割り当てていることから、均一に参照画像の削減率を設定するときよりも時間方向における参照画像の画質劣化の累積をより小さくことができる。
図7は、制御部150の制御下における、実施形態の画像符号化装置の処理を示すフローチャートである。以下、同図を参照して符号化処理を説明する。
まず、S101にて、動き予測部107が、符号化画像フレームバッファ104から符号化対象の1フレーム(着目フレーム)の画像データを入力する。S102にて、参照画像選択部120は、第一のタイプの参照画像と第二のタイプの参照画像が存在するように変更した参照関係に基づいて、どの画像を参照画像とするか選択する。S103で、動き予測部107は、選択された参照フレームの符号化データを参照フレームバッファ105から読み出し、参照画像伸張部106にて伸張処理を行わせる。そして、動き予測部107は、符号化対象の着目フレーム内の着目ブロックについて、参照フレームの画像データを参照して動き予測を行い、予測による差分ブロックを生成する。そして、S104にて、直交変換部108、量子化部109、及び、可変長符号化部111による符号化が行われる。
S105にて、制御部150は、参照画像を生成するか否かを判断する。参照画像を生成する場合(S105でYES)、制御部150は処理をS106へ進める。このS106にて、制御部150は、着目フレームから第一のタイプの参照画像を生成するか否かを判定する。
制御部150は、このS105、S106の判定を行うとき、符号化対象のフレームが、図4のどのタイミング(何番目)のフレームであるかに基づき判定すればよい。
S106にて、制御部150は、着目フレームから生成するには第一のタイプの参照画像でないと判定した場合(第二のタイプの参照画像である場合)、処理をS107に進める。このS107にて、制御部150は削減率設定部119を制御し、削減率α(図6では削減率20%)を選択するように設定する。この結果、参照画像圧縮部118は、設定した削減率αで、着目フレームのローカルデコードした画像データの符号化処理を行い、その符号化データを参照フレームバッファ105に格納することになる。
一方、S106にて、制御部150が、着目フレームから第一のタイプの参照画像を生成すると判定した場合は、処理をS108に進める。このS108にて、制御部150は、削減率設定部119を制御し、削減率αよりも低い削減率β(β<αで、図6では削減率15%)を選択するように設定する。この結果、参照画像圧縮部118は、設定した削減率βで、着目フレームのローカルデコードした画像データの符号化処理を行い、その符号化データを参照フレームバッファ105に格納する。
以上のように、本実施形態によれば、第一のタイプの参照画像と第二のタイプの参照画像とが存在するように参照関係を変更した上で、第二のタイプの参照画像よりも第一のタイプの参照画像の削減率を低く設定する。この結果、第一のタイプの参照画像の画質劣化の累積をより小さくすることが可能になる。結果、トータル的には、従来とほぼ同じ符号量とした場合であっても、より高い画質の動画像の符号化データを生成することが可能になる。
なお、上記実施形態では、2種類の参照画像に対して設定する符号量の指標として「削減率」という表現を用いた。しかし、削減率という表現に変えて「圧縮率」を採用しても良い。一般に、「オリジナルのデータ量に対する符号化により得られる符号化データの量の割合が小さいほど、圧縮率が高い」という表現が用いられることが多い。かかる表現に鑑みなれば、上記実施形態の処理を別な表現で示すのであれば、第二のタイプの参照画像よりも第一のタイプの参照画像の方の画質劣化を抑制するため、第一のタイプの参照画像の圧縮率を、第二のタイプの参照画像の圧縮率を低くする、ということと等価である。かかる点は、以下の第2の実施形態でも言えることである。
また、実施形態では、画像符号化装置が図1の構成を有するものとして説明したが、CPU等のプロセッサがプログラムを読み込み実行することで、プロセッサ自身が図1に示す各処理部として機能するようにしても構わない。
[第2の実施形態]
本第2の実施形態では、より高いフレームレートで動画像を符号化する場合について説明する。なお、第1の実施形態との差異についてのみ詳細に説明する。フレームレートは、操作部151により、ユーザが設定するものとする。そして、本第2の実施形態における高フレームレートとは、第1の実施形態におけるフレームレートの2倍高い例を、図8を参照して説明する。
本第2の実施形態では、より高いフレームレートで動画像を符号化する場合について説明する。なお、第1の実施形態との差異についてのみ詳細に説明する。フレームレートは、操作部151により、ユーザが設定するものとする。そして、本第2の実施形態における高フレームレートとは、第1の実施形態におけるフレームレートの2倍高い例を、図8を参照して説明する。
まず、Iピクチャ801の符号化が行われ、その符号化から参照画像817が生成される。次に、Pピクチャ804が参照画像817を参照して符号化され、その符号化から参照画像818が生成される。Bピクチャ802と803は、参照画像817および818を参照して符号化される。Pピクチャ807は、参照画像817を参照して符号化され、その符号化から参照画像819が生成する。Bピクチャ805と806は、参照画像818および819を参照して符号化される。Pピクチャ810は、参照画像817を参照して符号化され、その符号化から参照画像820が生成する。次に、Bピクチャ808と809は、参照画像819および820を参照して符号化される。Pピクチャ813は、参照画像817を参照して符号化され、その符号化から参照画像821が生成される。Bピクチャ811と812は、参照画像820および821を参照して符号化される。次にIピクチャ816の符号化が行われ、その符号化から参照画像822が生成される。Bピクチャ814と815は、参照画像821および822を参照して符号化される。
図8は、図6と比較してフレームレートが2倍であることから、フレーム間の相関は図6の場合よりも高い。そのため、図8ではPピクチャ804と807に加えて、大きく画質劣化させることなく、より時間的に遠いPピクチャ810と813まで参照画像817を参照することができる。すると、図6ではイントラピクチャ間で第二のタイプの参照画像が2枚であったところを図8では4枚に増やすことができる。削減率は図6と同様に第一のタイプの参照画像に対しては15%の削減率、第二のタイプの参照画像に対しては20%の削減率に設定すると、図8ではイントラピクチャ間(Iピクチャ801からIピクチャ816の間)で平均19%の削減率で参照画像の圧縮を行うことができる。
図9は、本第2の実施形態の動作を示すフローチャートである。S201の処理は、第1の実施形態におけるS201の処理と同様である。S202にて、制御部150は、フレームレートが予め設定した閾値よりも高いか否かを判断する。フレームレートが閾値以下である場合(S202でNO)、第1実施形態におけるS102の処理と同様である。設定されたフレームレートが閾値より高い場合(S202でYES)、制御部150は処理をS203に進める。このS203にて、参照画像選択部120は、第一のタイプの参照画像と第二のタイプの参照画像とが混在するように変更かつ、S203よりも第二のタイプの参照画像を増やすように設定した参照関係に基づいて参照画像を選択する。以降のS205〜S210までの処理は、第1実施形態におけるS103〜S108までの処理と同様である。
以上のように、フレームレートが高いほど、第二のタイプの参照画像を増やすことで単位時間あたりにより多くのメモリバンド幅を削減できるようになる。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100…符号化装置、101…レンズ、102…撮像部、103…現像処理部、104…符号化画像フレームバッファ、105…参照フレームバッファ、106…参照画像伸長部、107…動き予測部、108…直交変換部、109…量子化部、110…量子化制御部、111…可変長符号化部、112…記録メディア、113…逆量子化部、114…逆直交変換部、115…動き補償部、116…デブロッキングフィルタ部、117…適応オフセット処理部、118…参照画像圧縮部、119…削減率設定部、120…参照画像選択部、150…制御部、151…操作部、152…表示部
Claims (5)
- フレーム間動き補償を行って動画像データを符号化する画像符号化装置であって、
フレーム間符号化を行う際の参照画像データを格納するためのメモリと、
符号化対象の着目フレームから参照画像データを生成するか、生成する場合には第1のタイプの参照画像データとするか、第2のタイプの参照画像データとするかを判定する判定手段と、
前記着目フレームを、前記メモリに格納された既符号化の参照画像データを参照して符号化し、符号化ストリームを生成する符号化手段と、
前記判定手段の判定の結果が前記第1のタイプの参照画像データを示す場合には前記着目フレームのローカルデコードで得た画像データを第1の削減率でローカル符号化し、得られた符号化データを前記メモリに格納し、
前記判定手段の判定の結果が前記第2のタイプの参照画像データを示す場合には前記着目フレームのローカルデコードで得た画像データを前記第1の削減率よりも高い第2の削減率でローカル符号化し、得られた符号化データを前記メモリに格納するローカル符号化手段と、
前記メモリに格納された符号化データを復号し、前記符号化手段に前記参照画像データとして供給するローカル復号手段とを有し、
前記第1のタイプの参照画像データは、参照元となるフレームの中に参照画像データとなるフレームが含まれる場合の参照画像データであり、
前記第2のタイプの参照画像データは、参照元となるフレームの中に参照画像データとなるフレームが含まれない場合の参照画像データである
ことを特徴とする画像符号化装置。 - 前記符号化手段は、Iピクチャ間において、前記第1のタイプの参照画像と、前記第2のタイプの参照画像が時間軸の方向に対して交互に発生させて、符号化を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像符号化装置。
- 前記符号化手段は、動画像のフレームレートが高いほど、前記第1のタイプの参照画像データに対する前記第2のタイプの参照画像データの発生する割合を高くして符号化を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像符号化装置。
- フレーム間符号化を行う際の参照画像データを格納するためのメモリを有し、フレーム間動き補償を行って動画像データを符号化する画像符号化装置の制御方法であって、
符号化対象の着目フレームから参照画像データを生成するか、生成する場合には第1のタイプの参照画像データとするか、第2のタイプの参照画像データとするかを判定する判定工程と、
前記着目フレームを、前記メモリに格納された既符号化の参照画像データを参照して符号化し、符号化ストリームを生成する符号化工程と、
前記判定工程の判定の結果が前記第1のタイプの参照画像データを示す場合には前記着目フレームのローカルデコードで得た画像データを第1の削減率でローカル符号化し、得られた符号化データを前記メモリに格納し、
前記判定工程の判定の結果が前記第2のタイプの参照画像データを示す場合には前記着目フレームのローカルデコードで得た画像データを前記第1の削減率よりも高い第2の削減率でローカル符号化し、得られた符号化データを前記メモリに格納するローカル符号化工程と、
前記メモリに格納された符号化データを復号し、前記符号化手段に前記参照画像データとして供給するローカル復号工程とを有し、
前記第1のタイプの参照画像データは、参照元となるフレームの中に参照画像データとなるフレームが含まれる場合の参照画像データであり、
前記第2のタイプの参照画像データは、参照元となるフレームの中に参照画像データとなるフレームが含まれない場合の参照画像データである
ことを特徴とする画像符号化装置の制御方法。 - コンピュータが読み込み実行することで、前記コンピュータに、請求項4に記載の方法の各工程を実行させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019037773A JP2020141376A (ja) | 2019-03-01 | 2019-03-01 | 画像符号化装置及びその制御方法及びプログラム |
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Family Applications (1)
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