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JP2020026854A - ブレーキ装置 - Google Patents

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JP2020026854A
JP2020026854A JP2018152049A JP2018152049A JP2020026854A JP 2020026854 A JP2020026854 A JP 2020026854A JP 2018152049 A JP2018152049 A JP 2018152049A JP 2018152049 A JP2018152049 A JP 2018152049A JP 2020026854 A JP2020026854 A JP 2020026854A
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braking
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崇 近田
Takashi Chikada
崇 近田
卓也 稲葉
Takuya Inaba
卓也 稲葉
悠也 荒川
Yuya Arakawa
悠也 荒川
圭一 篠
Keiichi Shino
圭一 篠
陽平 小溝
Yohei KOMIZO
陽平 小溝
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Abstract

【課題】例えば、音や振動をより小さくすることができる構成のような、より不都合の少ない新規な構成を有したブレーキ装置を得る。【解決手段】ブレーキ装置は、例えば、モータと、制動部材を制動状態とする制動位置と制動部材を非制動状態とする非制動位置との間で制動部材を動かす作動部材と、モータのロータと連動して回転する回転部材と、当該回転部材の回転に応じて直動し作動部材を制動位置と非制動位置との間で動かし作動部材とは別体である直動部材と、を有した運動変換機構と、作動部材を非制動位置よりも制動位置とは反対側の第一方向へ移動するのを止めるストッパと、作動部材が非制動位置に配置された状態で作動部材を第一方向へ付勢しストッパに押し付ける第一付勢部材と、を備える。【選択図】図2

Description

本開示は、ブレーキ装置に関する。
従来、モータの出力シャフトと連動して回転する回転部材と、当該回転部材の回転に応じて直動する直動部材と、を有した回転直動変換機構を備え、当該直動部材によってケーブルを引くことによりブレーキシューを動かして制動するブレーキ装置が知られている(例えば、特許文献1)。
特許06184873号公報
この種のブレーキ装置では、リリース時にケーブルや当該ケーブルに付随する部品がハウジングから浮いたりハウジングに弱い力で接触した状態となったりすることにより、音や振動の一因となる虞があった。
そこで、本開示の課題の一つは、例えば、音や振動をより小さくすることができる構成のような、より不都合の少ない新規な構成を有したブレーキ装置を得ることである。
本開示のブレーキ装置は、例えば、モータと、制動部材を制動状態とする制動位置と上記制動部材を非制動状態とする非制動位置との間で上記制動部材を動かす作動部材と、上記モータのロータと連動して回転する回転部材と、当該回転部材の回転に応じて直動し上記作動部材を上記制動位置と上記非制動位置との間で動かし上記作動部材とは別体である直動部材と、を有した運動変換機構と、上記作動部材を上記非制動位置よりも上記制動位置とは反対側の第一方向へ移動するのを止めるストッパと、上記作動部材が上記非制動位置に配置された状態で上記作動部材を上記第一方向へ付勢し上記ストッパに押し付ける第一付勢部材と、を備える。
このような構成によれば、例えば、第一付勢部材が作動部材をストッパに押し付けない構成に比べて、作動部材の非制動位置に配置されている状態におけるがたつきを抑制することができ、当該作動部材のがたつきに基づいて音や振動が生じるのを抑制することができる。
また、上記ブレーキ装置は、例えば、上記運動変換機構を収容するハウジングを備え、上記第一付勢部材は、上記ハウジングに対して上記作動部材を付勢する。このような構成によれば、例えば、作動部材の第一方向への付勢およびストッパへの押し付けを、ハウジングに対して作動部材を第一方向へ付勢する第一付勢部材を含む比較的簡素な構成によって、実現することができる。
また、上記ブレーキ装置では、例えば、上記第一付勢部材は、上記直動部材に対して上記作動部材を付勢する。このような構成によれば、例えば、作動部材の第一方向への付勢およびストッパへの押し付けを、直動部材に対して作動部材を第一方向へ付勢する第一付勢部材を含む比較的簡素な構成によって、実現することができる。
また、上記ブレーキ装置では、例えば、上記直動部材が、上記作動部材における上記直動部材から上記第一方向とは反対の第二方向へ力を受ける力伝達部位から、上記第一方向へ離間した状態で、上記第一付勢部材は、上記直動部材に対して上記作動部材を付勢する。このような構成によれば、例えば、非制動状態において、制動状態において互いに押圧しながら摺動する二つの押圧フランク面の間の隙間にグリスを供給することができるため、押圧フランク面において摩耗が促進するのを抑制することができる。
また、上記ブレーキ装置は、例えば、上記運動変換機構を収容するハウジングと、上記ハウジングに対して上記回転部材を上記第一方向とは反対の第二方向に付勢する第二付勢部材と、を備える。このような構成によれば、例えば、第二付勢部材が回転部材を第二方向へ付勢しない構成に比べて、回転部材のがたつきを抑制することができ、当該回転部材のがたつきに基づいて音や振動が生じるのを抑制することができる。
また、上記ブレーキ装置では、例えば、上記第一付勢部材は、台形ばねである。このような構成によれば、例えば、第一付勢部材は、作動部材を回転中心に近付くように第一方向または第二方向へ押圧することができるため、言い換えると、第一付勢部材は、作動部材に対する回転中心への調心作用を有しているため、作動部材が回転中心からずれて配置されることによりがたつくのを抑制することができ、当該作動部材のがたつきに基づいて音や振動が生じるのを抑制することができる。
また、上記ブレーキ装置では、例えば、上記第一付勢部材は、上記作動部材をガイドする案内部材に対して上記作動部材を付勢する。このような構成によれば、例えば、作動部材の第一方向への付勢およびストッパへの押し付けを、案内部材に対して作動部材を付勢する第一付勢部材を含む比較的簡素な構成によって、実現することができる。
また、上記ブレーキ装置では、例えば、上記第一付勢部材は、上記作動部材と上記制動部材との間に介在する介在部材に対して上記作動部材を付勢する。このような構成によれば、例えば、作動部材の第一方向への付勢およびストッパへの押し付けを、介在部材に対して作動部材を付勢する第一付勢部材を含む比較的簡素な構成によって、実現することができる。
図1は、実施形態のブレーキ装置の車両後方から見た例示的かつ模式的な背面図である。 図2は、第1実施形態のブレーキ装置の一部の例示的かつ模式的な断面図であって、非制動状態での図である。 図3は、第1実施形態のブレーキ装置の一部の例示的かつ模式的な断面図であって、制動状態での図である。 図4は、第1実施形態の第1変形例のブレーキ装置の一部の例示的かつ模式的な断面図であって、非制動状態での図である。 図5は、第1実施形態の第2変形例のブレーキ装置の一部の例示的かつ模式的な断面図であって、非制動状態での図である。 図6は、第2実施形態のブレーキ装置の一部の例示的かつ模式的な断面図であって、非制動状態での図である。 図7は、第2実施形態のブレーキ装置の一部の例示的かつ模式的な断面図であって、制動状態での図である。 図8は、図6中の方向VIIIから見たブレーキ装置の一部の例示的かつ模式的な平面図である。 図9は、図8のIX−IX断面図であって、非制動状態での図である。 図10は、第2実施形態のブレーキ装置の運動変換機構に含まれる雄ねじと雌ねじとの噛み合い状態を示す例示的かつ模式的な断面図であって、制動状態での図である。 図11は、第2実施形態のブレーキ装置の運動変換機構に含まれる雄ねじと雌ねじとの噛み合い状態を示す例示的かつ模式的な断面図であって、非制動状態での図である。 図12は、第3実施形態のブレーキ装置の車幅方向外方からの例示的かつ模式的な側面図である。 図13は、第3実施形態のブレーキ装置の移動機構による制動部材の動作を示す例示的かつ模式的な側面図であって、非制動状態での図である。 図14は、第3実施形態の第1変形例のブレーキ装置の移動機構による制動部材の動作を示す例示的かつ模式的な側面図であって、非制動状態での図である。 図15は、図14中の矢印XVから見た移動機構の一部の例示的かつ模式的な正面図である。
以下、本発明の例示的な実施形態および変形例が開示される。以下に示される実施形態および変形例の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態および変形例に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
以下の実施形態および変形例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される場合がある。また、本明細書において、序数は、部品や部位等を区別するために便宜上付与されており、優先順位や順番を示すものではない。
また、各図中、回転部材141の回転中心Axの軸方向であって当該端部150aが制動部材に近付く方向が矢印D1で示され、回転中心Axの軸方向であってケーブル150の端部150aが制動部材から離れる方向が矢印D2で示されている。また、以下では、特に言い換えない限り、回転中心Axの軸方向が単に軸方向と称され、回転中心Axの径方向が単に径方向と称され、回転中心Axの周方向が単に周方向と称される。また、矢印Yは、車幅方向外方を示し、矢印Zは、車両上方を示している。
[第1実施形態]
図1は、車両用のブレーキ装置2の車両後方からの背面図である。図1に示されるように、ブレーキ装置2は、円筒状のホイール1の周壁1aの内側に収容されている。ブレーキ装置2は、所謂ドラムブレーキである。ブレーキ装置2は、前後に離間した二つのブレーキシュー3を備えている。二つのブレーキシュー3は、円筒状のドラムロータ(不図示)の内周面に沿って円弧状に伸びている。ドラムロータは、車幅方向(方向Y)に沿う回転中心C回りに、ホイール1と一体に回転する。ブレーキ装置2は、二つのブレーキシュー3を、円筒状のドラムロータの内周面に接触するよう移動させる。これにより、ブレーキシュー3とドラムロータとの摩擦によって、ドラムロータひいてはホイール1が制動される。ブレーキシュー3は、制動部材の一例である。
ブレーキ装置2は、ブレーキシュー3を動かすアクチュエータとして、油圧によって動作するホイールシリンダ(不図示)と、通電によって作動するモータ120と、を備えている。ホイールシリンダおよびモータ120は、それぞれ、二つのブレーキシュー3を動かすことができる。ホイールシリンダは、例えば、走行中の制動に用いられ、モータ120は、例えば、駐車時の制動に用いられる。すなわち、ブレーキ装置2は、電動パーキングブレーキの一例である。なお、モータ120は、走行中の制動に用いられてもよい。
ブレーキ装置2は、円盤状のバッキングプレート4を備えている。バッキングプレート4は、ホイール1の回転中心Cと交差した姿勢で設けられる。すなわち、バッキングプレート4は、回転中心Cと交差する方向に略沿って、具体的には回転中心Cと直交する方向に略沿って、広がっている。ブレーキ装置2の構成部品は、バッキングプレート4の車幅方向の外側および内側の双方に設けられている。バッキングプレート4は、ブレーキ装置2の各構成部品を直接的または間接的に支持する。すなわち、バッキングプレート4は、支持部材の一例である。また、バッキングプレート4は、車体との不図示の接続部材と接続される。接続部材は、例えば、サスペンションの一部(例えば、アーム、リンク、取付部材等)である。なお、ブレーキ装置2は、駆動輪および非駆動輪のいずれにも用いることができる。
電動アクチュエータ100は、バッキングプレート4の車幅方向の内側の面4aからブレーキシュー3とは反対側に突出した状態で、当該バッキングプレート4に固定されている。電動アクチュエータ100は、ハウジング110、モータ120、減速機構130、運動変換機構140、ケーブル150(図2)、および制御装置(不図示)を備えている。
ハウジング110は、例えば、鉄やアルミニウム合金のような金属材料や、プラスチックのような合成樹脂材料によって構成されうる。ハウジング110は、複数の部品が一体化されることにより構成されている。
モータ120は、例えば、ステータや、ロータ、コイル、磁石、出力シャフト等(いずれも不図示)を有する。出力シャフトは、ロータの一部である。モータ120は、制御装置によって制御され、ロータおよび出力シャフトを回転させる。モータ120は、アクチュエータとも称されうる。
減速機構130は、ハウジング110に回転可能に支持された複数のギヤを含み、出力シャフトと連動して回転する。
図2は、電動アクチュエータ100(ブレーキ装置2)の一部の非制動状態での断面図であり、図3は、電動アクチュエータ100の一部の制動状態での断面図である。電動アクチュエータ100は、ケーブル150を介して、ブレーキシュー3を引き、非制動状態であるブレーキシュー3を制動状態にする。ケーブル150は、バッキングプレート4に設けられた貫通孔(不図示)を貫通している。ケーブル150は、作動部材の一例である。図2において、ケーブル150は、非制動位置Prに配置され、図3において、ケーブル150は、制動位置Pbに配置される。非制動位置Prは、リリース位置とも称されうる。非制動位置Prは、制動位置Pbから方向D1(図2,3の下方)へ離間し、制動位置Pbは、非制動位置Prから方向D2(図2,3の上方)へ離間している。方向D1は第一方向の一例であり、方向D2は第二方向の一例である。
運動変換機構140は、回転部材141、直動部材142、および回り止め部材143を有している。
回転部材141は、周壁141aと、フランジ141bと、を有している。周壁141aの形状は、回転中心Axを中心とした円筒状である。周壁141aの内側には、軸方向に沿った貫通孔141cが設けられている。
フランジ141bの形状は、円環状かつ板状である。フランジ141bは、周壁141aから径方向外方に張り出している。フランジ141bの外周には、減速機構130の第三ギヤ133が設けられている。モータ120のロータおよび出力シャフトの回転は、減速機構130を介して、回転部材141に伝達される。回転部材141は、モータ120のロータと連動して回転する。なお、減速機構130は、回転伝達機構とも称されうる。
周壁141aは、フランジ141bから方向D2に延びる第一延部141a1と、フランジ141bから方向D1に延びる第二延部141a2と、を有している。第一延部141a1の長さは、第二延部141a2の長さよりも長い。
第一延部141a1の外周には、雄ねじ141dが設けられている。雄ねじ141dの中心は、回転中心Axである。回転中心Axは、軸心とも称されうる。
第二延部141a2の外周と、ボディ112の貫通孔112aの内周との間には、例えばスライドブッシュやころ軸受けのようなラジアルベアリング161が設けられている。また、フランジ141bの方向D1の端面141b1とボディ112の方向D2の端面112bとの間には、例えばころ軸受けのようなスラストベアリング162が設けられている。回転部材141は、これらラジアルベアリング161およびスラストベアリング162を介して、ボディ112に、回転中心Ax回りに回転可能に支持されている。回転部材141は、減速機構130の第二ギヤ132と第三ギヤ133との噛み合いにより、第二ギヤ132によって回転駆動される。
第三ギヤ133は、例えばプラスチックのような合成樹脂材料で構成され、周壁141aおよびフランジ141bのうち第三ギヤ133を除くディスク141b2は、例えば鉄やアルミニウム合金のような金属材料で構成されうる。本実施形態では、一例として、鉄が用いられている。この場合、回転部材141は、例えばインサート成形によって構成されうる。なお、回転部材141は、第三ギヤ133も含めて、金属材料によって一体に構成されてもよい。
直動部材142は、側壁142aと、フランジ142bと、を有している。側壁142aは、回転部材141に対して径方向外方に配置され、軸方向に延びている。側壁142aは、回転中心Axおよび回転部材141を取り囲んでおり、側壁142aの形状は、回転中心Axを中心とした円筒状である。側壁142aは、周壁とも称されうる。側壁142aの内部には、軸方向に沿った貫通孔142cが設けられている。回転部材141は、貫通孔142c内を軸方向に貫通している。
フランジ142bの形状は、多角形状かつ板状である。フランジ142bは、側壁142aから径方向外方に張り出している。
側壁142aは、フランジ142bから方向D2に延びる第一延部142a1と、フランジ142bから方向D1に延びる第二延部142a2と、を有している。第一延部142a1の長さは、第二延部142a2の長さよりも長い。
貫通孔142cの内面には、回転部材141の雄ねじ141dと噛み合う雌ねじ142dが設けられている。雌ねじ142dは、貫通孔142cの方向D1の端部に隣接して設けられている。雌ねじ142dは、貫通孔142cの方向D1の端部からフランジ142bと径方向に並ぶ位置に至るまでの区間に設けられており、貫通孔142cの方向D2の端部には設けられていない。また、フランジ142bは、軸方向に延びる回り止め部材143によって囲まれている。
回り止め部材143は、側壁143aを有している。側壁143aは、フランジ142bに対して径方向外方に配置され、軸方向に延びている。側壁143aは、回転中心Axおよび回転部材141の周囲を取り囲んでおり、側壁143aの形状は、管状である。側壁143aは、周壁とも称されうる。
回り止め部材143は、例えばケース111やボディ112のようなハウジング110に固定されている。よって、回り止め部材143は、ハウジング110の一部であると言うことができる。また、フランジ142bの外面142b1と側壁143aの内面143a1との間には、互いに平行な状態において微小な隙間が設けられており、外面142b1および内面143a1ともに、周方向と交差した方向に延びている。
したがって、外面142b1の回転中心Ax回りの回転が内面143a1によって制限され、これにより、直動部材142の回転が回り止め部材143によって制限される。他方、外面142b1および内面143a1ともに、軸方向に延びているため、内面143a1は外面142b1の軸方向への移動に対する障害にはならない。すなわち、回り止め部材143は、直動部材142の回転中心Ax回りの回転を禁止しながら、直動部材142を軸方向に沿って案内することができる。内面143a1は、ガイド部とも称されうる。
回り止め部材143の方向D2の端部には、側壁143aから径方向内方に突出した底壁143bが設けられている。底壁143bには、軸方向に貫通する貫通孔143b1が設けられている。底壁143bは、円環状かつ板状の形状を有しており、内向きフランジとも称されうる。貫通孔143b1の内縁は、直動部材142の側壁142aよりも、径方向外方に配置されている。
ケーブル150は、回転部材141の貫通孔141cを貫通し、軸方向に延びている。軸方向の一端(不図示)は、ブレーキシュー3を作動させる可動部材と結合されている。また、軸方向の他端としての端部150a(図2,3では上端)には、ケーブルエンド151が結合されている。ケーブルエンド151は、筒状部151aとフランジ151bとを有している。筒状部151aが外側から加締められることにより、ケーブル150とケーブルエンド151とが結合されている。フランジ151bは、直動部材142の側壁142aおよび回り止め部材143の底壁143bよりも、径方向外方に張り出している。ケーブルエンド151は、ケーブル150とともに、作動部材の一例である。
ケーブルエンド151と直動部材142とは、一体化されておらず、軸方向に離間可能に構成されている。ここで、ケーブル150は、不図示のばね等の復帰部材(付勢部材、弾性部材)によって、制動部材が制動状態となる方向(方向D1、図2,3では下方)に引かれている。電動アクチュエータ100は、ケーブル150の移動範囲(ブレーキの使用範囲)において、復帰部材による付勢力がケーブル150に常時作用するよう、構成されている。ただし、ブレーキ装置2の構成上、復帰部材による付勢力は、制動状態から非制動状態に近付くにつれて小さくなる。また、制動状態では、ケーブル150には、ブレーキ装置の剛性に応じた張力が生じる。このような構成において、直動部材142とケーブル150との間では、ケーブルエンド151を介して力が伝達される。よって、ケーブルエンド151は、伝達部材(第一伝達部材)とも称されうる。
モータ120を制御する制御装置は、例えばECU(electronic control unit)である。制御装置の一部は、ソフトウエアを実行するcentral processing unit(CPU)やコントローラのようなハードウエアによって構成されてもよいし、制御装置は、全体的にハードウエアによって構成されてもよい。制御装置は、制御部とも称されうる。
このような構成において、モータ120の出力シャフトの回転が、減速機構130を介して回転部材141に伝達され、回転部材141が回転すると、回転部材141の雄ねじ141dと直動部材142の雌ねじ142dとの噛み合い、および回り止め部材143の内面143a1による直動部材142の外面142b1の回転の制限により、直動部材142が軸方向に移動する。よって、ケーブル150は、直動部材142の移動に伴い、軸方向に沿って制動位置Pbと非制動位置Prとの間で移動する。
制御装置によって制御されたモータ120の出力シャフトの一方向(以下、制動回転方向と称する)への回転により、ケーブル150は方向D2へ移動し、制動部材が制動状態となると、ケーブル150の張力が増大し、これにより、モータ120の回転負荷が増大し、ひいては、モータ120の駆動電流が増大する。そこで、制御装置は、例えば、モータ120の駆動電流が閾値を超えたことにより、ケーブル150が制動位置Pbに到達したことを検出し、その時点で駆動電流のモータ120への供給を停止する。これにより、出力シャフトの回転が停止し、ケーブル150は制動位置Pbに位置する(図3)。
制御装置によって制御されたモータ120の出力シャフトの他方向(以下、リリース回転方向と称する)への回転により、ケーブル150は制動位置Pb(図3)から方向D1へ移動し、ケーブルエンド151が回り止め部材143の底壁143bと当接する非制動位置Prまで移動する(図2)。この状態では、制動部材は、回転部材(不図示、例えばブレーキドラム)から離間し、電動アクチュエータ100による電気的な制動状態は解除されている。底壁143bは、ケーブルエンド151が底壁143bを超えて、非制動位置Prよりも制動位置Pbとは反対側へ、すなわち方向D1へ移動するのを制限する。回り止め部材143は、ストッパの一例である。また、底壁143bは、ケーブル150を非制動位置Prに位置決めする位置決め部とも称され、回り止め部材143は、移動制限部材とも称されうる。
また、上述したように、本実施形態では、ケーブルエンド151と直動部材142とは一体化されておらず、軸方向に離間可能である。このため、ケーブル150が非制動位置Prに配置された状態からモータ120の出力シャフトがリリース回転方向へさらに回転すると、雄ねじ141dと雌ねじ142dとの噛み合いおよび回り止め部材143による直動部材142の回り止めにより、直動部材142はケーブルエンド151から方向D1へ離間する。すなわち、ケーブル150が非制動位置Prに配置され、モータ120の作動が停止した状態で、直動部材142とケーブルエンド151との間には、軸方向に隙間gができる。
制御装置は、ケーブル150が制動位置Pbにある状態からモータ120を回転させた時間(回転時間)や、出力シャフトの回転回数を計測することにより、直動部材142がケーブルエンド151から方向D1に離間した図2に示される状態となる位置でモータ120の作動を停止する。この際、回転時間や回転回数は、停止した直動部材142と当該直動部材142から方向D1に離れた他の部材(例えば、第二ギヤ132や回転部材141のフランジ141b等)との間により確実に隙間があくよう、言い換えると他の部材と接触したり干渉したりしないよう、設定される。
また、図2,3に示されるように、電動アクチュエータ100は、コイルスプリング171を備えている。コイルスプリング171は、ケーブルエンド151から方向D2に離間したケース111の底壁111a(壁)とケーブルエンド151のフランジ151bとの間に介在し、その巻回中心が回転中心Axに沿う姿勢で配置され、ハウジング110に対してケーブルエンド151を方向D1へ付勢している。コイルスプリング171は、弾性的に圧縮された状態で組み込まれるとともにその作動範囲において圧縮された状態で用いられる所謂圧縮ばねである。コイルスプリング171は、ケーブル150およびケーブルエンド151が非制動位置Prにある状態(図2)および制動位置Pbにある状態(図3)の双方において、ケース111(ハウジング110)に対してケーブルエンド151を方向D1へ付勢している。また、コイルスプリング171は、方向D1へ向かうにつれて直径が漸減する台形ばねである。なお、コイルスプリング171は、方向D2へ向かうにつれて直径が漸減する台形ばねであってもよい。コイルスプリング171は、第一付勢部材の一例である。
さらに、電動アクチュエータ100は、回転部材141と方向D1に隣接したガイド部材113と、当該ガイド部材113と方向D1に隣接したリング172と、を有している。ガイド部材113は、環状の形状を有し、ボディ112の貫通孔112aの内側でケーブル150をガイドする。ガイド部材113は、エラストマや合成樹脂材料を有している。また、リング172は、エラストマのような弾性材料によって構成され、ガイド部材113とボディ112の段差面112cとの間に軸方向に介在し、軸方向に弾性的に圧縮された状態で組み込まれ、ボディ112(ハウジング110)に対してガイド部材113ひいては回転部材141を方向D2へ付勢し、回転部材141を直動部材142または回り止め部材143(ハウジング110)に押し付け6ている。リング172は、第二付勢部材の一例である。なお、リング172に替えて、例えば、皿ばねやコイルスプリングのような、エラストマとは異なる形態の第二付勢部材が設けられてもよい。
以上説明したように、本実施形態では、コイルスプリング171(第一付勢部材)は、図2に示されるように、ケーブル150およびケーブルエンド151(作動部材)が非制動位置Prに配置された状態で、ケーブルエンド151を方向D1(第一方向)へ付勢し回り止め部材143(ストッパ)に押し付けている。このような構成によれば、例えば、コイルスプリング171がケーブルエンド151を回り止め部材143に押し付けない構成に比べて、ケーブルエンド151の非制動位置Prに配置されている状態におけるがたつきを抑制することができ、当該ケーブルエンド151のがたつきに基づいて音や振動が生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、コイルスプリング171は、ハウジング110に対してケーブルエンド151を方向D1へ付勢する。このような構成によれば、例えば、ケーブルエンド151の方向D1への付勢および回り止め部材143への押し付けを、ハウジング110に対してケーブルエンド151を方向D1へ付勢するコイルスプリング171を含む比較的簡素な構成によって、実現することができる。
また、本実施形態では、コイルスプリング171は、図示されないが、ケーブル150およびケーブルエンド151が非制動位置Pr(図2)と制動位置Pb(図3)との間であって制動位置Pbよりも非制動位置Prに近い位置に配置された状態、言い換えるとケーブル150およびケーブルエンド151が非制動位置Prの近傍に配置された状態、さらに言い換えるとケーブルエンド151が回り止め部材143の底壁143bから方向D2へ僅かに離間した状態(以下、単に微小離間状態と称する)においては、ケーブルエンド151を方向D1へ付勢し直動部材142に押し付けている。微小離間状態においては、ケーブル150からケーブルエンド151に作用する方向D1への力が比較的小さくなるため、コイルスプリング171が無い構成にあっては、ケーブルエンド151が直動部材142に対してがたつき易くなる。この点、本実施形態によれば、微小離間状態において、コイルスプリング171がケーブルエンド151を方向D1へ付勢し雄ねじ141dと雌ねじ142dとの噛み合い部位において直動部材142に押し付けるため、ケーブルエンド151の直動部材142に対するがたつきを抑制することができ、当該ケーブルエンド151のがたつきに基づいて音や振動が生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、コイルスプリング171は、方向D1(または方向D2)へ向かうにつれて直径が漸減する台形ばねである。このような構成によれば、例えば、コイルスプリング171は、ケーブルエンド151を回転中心Axに近付くように方向D1(または方向D2)へ押圧することができるため、言い換えると、コイルスプリング171は、ケーブルエンド151に対する回転中心Axへの調心作用を有しているため、ケーブルエンド151が回転中心Axからずれて配置されることによりがたつくのを抑制することができ、当該ケーブルエンド151のがたつきに基づいて音や振動が生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、リング172(第二付勢部材)が、回転部材141をボディ112(ハウジング110)に対して方向D2(第二方向)へ付勢し、当該回転部材141を直動部材142または回り止め部材143(ハウジング110)に押し付けている。このような構成によれば、例えば、リング172が回転部材141を方向D2へ付勢しない構成に比べて、回転部材141のがたつきを抑制することができ、当該回転部材141のがたつきに基づいて音や振動が生じるのを抑制することができる。また、微小離間状態においてコイルスプリング171がケーブルエンド151を直動部材142に押し付けるとともにリング172が回転部材141を直動部材142に押し付ける場合にあっては、コイルスプリング171とリング172との間に、ケーブルエンド151、直動部材142、および回転部材141が一体化される状態となり、マスダンパ効果によって、ケーブルエンド151、直動部材142、および回転部材141の振動、ひいては電動アクチュエータ100の振動が、より一層抑制される。
[第1実施形態の第1変形例]
図4は、本変形例の電動アクチュエータ100Aの一部の断面図である。図4に示されるように、電動アクチュエータ100Aは、第二付勢部材としてのリング172に替えて、リング172Aを備えている。リング172Aは、エラストマのような弾性材料によって構成され、回転部材141のフランジ141bとボディ112の端面112bとの間に介在し、軸方向に弾性的に圧縮された状態で組み込まれ、ボディ112(ハウジング110)に対して回転部材141を方向D2へ付勢し、当該回転部材141を直動部材142または回り止め部材143(ハウジング110)に押し付けている。このような構成によっても、上記第1実施形態のリング172による作用および効果と同様の作用および効果が得られる。リング172Aは、第二付勢部材の一例である。
[第1実施形態の第2変形例]
図5は、本変形例の電動アクチュエータ100Bの一部の断面図である。図5に示されるように、電動アクチュエータ100Bは、第二付勢部材としてのリング172,172Aに替えて、第三付勢部材としてのリング172Bを備えている。リング172Bは、エラストマのような弾性材料によって構成され、回り止め部材143の底壁143bとは反対側のフランジ143cと回転部材141のフランジ141b(第三ギヤ133)の方向D2の先端との間に介在し、軸方向に弾性的に圧縮された状態で組み込まれ、回り止め部材143(ハウジング110)に対して回転部材141を方向D1へ付勢し、当該回転部材141をスラストベアリング162ひいてはボディ112に押し付けている。このような構成によれば、回転部材141が方向D1へ付勢されない構成に比べて、回転部材141のがたつきを抑制することができ、当該回転部材141のがたつきに基づいて音や振動が生じるのを抑制することができる。
[第2実施形態]
図6は、本実施形態の電動アクチュエータ100Cの一部の非制動状態での断面図であり、図7は、電動アクチュエータ100Cの一部の制動状態での断面図である。図6,7に示されるように、電動アクチュエータ100Cは、コイルスプリング171に替えて、コイルスプリング171Cを備えている。本実施形態では、複数のコイルスプリング171Cが設けられている。コイルスプリング171Cは、それぞれ、直動部材142のフランジ142bとケーブルエンド151のフランジ151bとの間に介在し、直動部材142の第一延部142a1と回り止め部材143またはケース111との間で軸方向に略沿って延びた姿勢で配置され、直動部材142に対してケーブルエンド151を方向D1へ付勢している。コイルスプリング171Cは、弾性的に伸長された状態で組み込まれるとともにその作動範囲において引っ張られた状態で用いられる所謂引っ張りばねである。コイルスプリング171Cは、ケーブル150およびケーブルエンド151が非制動位置Prにある状態(図6)および制動位置Pbにある状態(図7)の双方において、直動部材142に対してケーブルエンド151を方向D1へ付勢している。また、複数のコイルスプリング171Cは、それぞれ巻回中心が方向D1に向かうにつれて回転中心Axから離れるように当該回転中心Axに対して僅かに傾斜した方向に延びる姿勢で配置されている。よって、複数のコイルスプリング171Cは、ケーブルエンド151に対する回転中心Axへの調心作用を有している。なお、複数のコイルスプリング171Cは、それぞれ巻回中心が方向D2に向かうにつれて回転中心Axから離れるように当該回転中心Axに対して僅かに傾斜した方向に延びる姿勢で配置されてもよい。コイルスプリング171Cは、第一付勢部材の一例である。
コイルスプリング171Cの長手方向の両端にはフック171aが設けられている。コイルスプリング171Cは、各フック171aの一部がフランジ142b,151bに設けられた穴142b2,151b1に通された状態で、フランジ142b,151bに引っ掛けられている。
また、図6に示されるように、本実施形態でも、ケーブルエンド151と直動部材142とは一体化されておらず、軸方向に離間可能であり、ケーブル150が非制動位置Prに配置された状態からモータ120の出力シャフトがリリース回転方向へさらに回転し、直動部材142はケーブルエンド151から方向D1へ離間する。すなわち、ケーブル150が非制動位置Prに配置され、モータ120の作動が停止した状態で、直動部材142とケーブルエンド151との間には、軸方向に隙間gができる。
図8は、図6の矢印VIII方向に見た電動アクチュエータ100Cの一部の平面図、図9は、図8のIX−IX断面図であって、非制動状態での図である。図8に示されるように、回り止め部材143の底壁143b(内向きフランジ)の貫通孔143b1の縁には、径方向外方に向けて切り欠かれた切欠143b2が設けられており、コイルスプリング171Cは、当該切欠143b2を貫通している。また、図9に示されるように、ケーブル150およびケーブルエンド151が非制動位置Prに配置された状態において、ケーブルエンド151のフランジ151bは、底壁143bにおける切欠143b2が設けられていない部位と当接する。本実施形態でも、底壁143bは、ケーブルエンド151が底壁143bを超えて、非制動位置Prよりも制動位置Pbとは反対側へ、すなわち方向D1へ移動するのを制限する。
なお、図9に示されるように、非制動状態では、直動部材142の方向D2の端面142eは、ケーブルエンド151のフランジ151bの底面151b2から方向D1へ離間し、底面151b2と端面142eとの間には、隙間gができている。底面151b2および端面142eは、図7に示される制動状態において互いに当接し押圧しあう。底面151b2は、力伝達部位の一例である。
図10は、制動状態における雄ねじ141dと雌ねじ142dとの噛み合い状態を示す断面図、図11は、非制動状態における雄ねじ141dと雌ねじ142dとの噛み合い状態を示す断面図である。
図7に示される制動状態においては、直動部材142は、ケーブル150によりケーブルエンド151を介して方向D1へ向けて押圧される。よって、制動状態では、図10に示されるように、回転部材141の雄ねじ141dの方向D2を向いた第二フランク面141d2と、直動部材142の雌ねじ142dの方向D1を向いた第一フランク面142d1とが、当接し、回転部材141の回転に応じて摺動する。これに伴い、雄ねじ141dの方向D1を向いた第一フランク面141d1と雌ねじ142dの方向D2を向いた第二フランク面142d2との間には、隙間cnができる。ケーブルエンド151が回り止め部材143から方向D2へ離間している状態では、雄ねじ141dと雌ねじ142dとは図10に示されている状態で当接している。第二フランク面141d2および第一フランク面142d1は、押圧フランク面とも称されうる。
図6,9に示される非制動状態においては、上述したように、ケーブルエンド151は、ケーブル150により方向D1に付勢され回り止め部材143に押し付けられ、直動部材142は、ケーブルエンド151の底面151b2から方向D1へ離間している。よって、非制動状態では、ケーブル150による直動部材142に対する方向D1への押圧が解除され、直動部材142は、コイルスプリング171Cにより方向D2へ付勢される。非制動状態では、図11に示されるように、回転部材141の雄ねじ141dの方向D1を向いた第一フランク面141d1と、直動部材142の雌ねじ142dの方向D2を向いた第二フランク面142d2とが、当接する。これに伴い、雄ねじ141dの方向D2を向いた第二フランク面141d2と雌ねじ142dの方向D1を向いた第一フランク面142d1との間、すなわち二つの押圧フランク面の間には、隙間cpができる。ケーブルエンド151が回り止め部材143と当接し、直動部材142がケーブルエンド151から方向D1へ離間した状態では、雄ねじ141dと雌ねじ142dとは図11に示されている状態で当接している。第一フランク面141d1および第二フランク面142d2は、非押圧フランク面とも称されうる。
よって、雄ねじ141dと雌ねじ142dとの間にグリスが塗布された構成にあっては、ケーブル150およびケーブルエンド151が制動位置Pbから非制動位置Prへ移動し、ケーブルエンド151が回り止め部材143と当接した後、モータ120の回転と連動して回転部材141が回転し直動部材142が方向D1へ動く際に、図10の状態から図11の状態に移行し、これに伴い、グリスが、二つの非押圧フランク面としての第一フランク面141d1と第二フランク面142d2との間の隙間cn(図10)から、二つの押圧フランク面としての第二フランク面141d2と第一フランク面142d1との間の隙間cp(図11)へ移送される。
以上説明したように、本実施形態では、コイルスプリング171C(第一付勢部材)は、図6に示されるように、ケーブル150およびケーブルエンド151(作動部材)が非制動位置Prに配置された状態で、ケーブルエンド151を方向D1(第一方向)へ付勢し回り止め部材143(ストッパ)に押し付けている。このような構成によれば、例えば、コイルスプリング171Cがケーブルエンド151を回り止め部材143に押し付けない構成に比べて、ケーブルエンド151の非制動位置Prに配置されている状態におけるがたつきを抑制することができ、当該ケーブルエンド151のがたつきに基づいて音や振動が生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、コイルスプリング171Cは、直動部材142に対してケーブルエンド151を方向D1へ付勢する。このような構成によれば、例えば、ケーブルエンド151の方向D1への付勢および回り止め部材143への押し付けを、直動部材142に対してケーブルエンド151を方向D1へ付勢するコイルスプリング171Cを含む比較的簡素な構成によって、実現することができる。
また、本実施形態では、直動部材142が、ケーブルエンド151(作動部材)の底面151b2(力伝達部位)から方向D2(第二方向)へ離間した状態で、コイルスプリング171Cは、直動部材142に対してケーブルエンド151を方向D1へ付勢する。このような構成によれば、例えば、非制動状態において、制動状態において互いに押圧しながら摺動する二つの押圧フランク面としての第二フランク面141d2と第一フランク面142d1との間の隙間cpにグリスを供給することができるため、押圧フランク面において摩耗が促進するのを抑制することができる。
[第3実施形態]
図12は、本実施形態のブレーキ装置2Dの車幅方向外方からの側面図であり、図13は、ブレーキ装置2Dの移動機構8によるブレーキシュー3(制動部材)の動作を示す側面図であって、非制動状態での図である。本実施形態のブレーキ装置2Dは、ブレーキ装置2のコイルスプリング171に替えて、コイルスプリング171Dを備えている。
図12に示されるホイールシリンダ51やブレーキシュー3等は、バッキングプレート4の車幅方向外方に配置されている。ブレーキシュー3は、バッキングプレート4に移動可能に支持されている。具体的には、図13に示されるように、ブレーキシュー3の下端部3aが、回転中心C11回りに回転可能な状態でバッキングプレート4に支持されている。回転中心C11は、ホイール1の回転中心Cと略平行に延びている。また、図12に示されるように、ホイールシリンダ51は、バッキングプレート4の周縁部に近い位置、図12ではバッキングプレート4の上部に、設けられている。ホイールシリンダ51は、車両前後方向(図12では左右方向)に突出可能な二つの不図示の可動部(ピストン)を有している。二つの可動部は、ホイールシリンダ51内の加圧に応じて突出し、それぞれ、ブレーキシュー3の上端部3bを押す。二つの可動部の突出により、二つのブレーキシュー3は、それぞれ、回転中心C11回りに回転し、上端部3b同士が車両前後方向に互いに遠ざかるように移動する。これにより、二つのブレーキシュー3は、ホイール1の回転中心Cの径方向外方に移動する。各ブレーキシュー3の外周部には、円筒面に沿う帯状のライニング31が設けられている。二つのブレーキシュー3の径方向外方への移動により、ライニング31とドラムロータ5の内周面5aとが接触し、ライニング31と内周面5aとの摩擦により、ドラムロータ5ひいてはホイール1(図1参照)が制動される。また、ブレーキ装置2Dは、復帰部材32を備えている。復帰部材32は、ホイールシリンダ51によるブレーキシュー3を押す動作が解除された場合に、二つのブレーキシュー3を、ドラムロータ5の内周面5aと接触し当該内周面5aを押圧する位置(制動位置、不図示)からドラムロータ5の内周面5aと接触しない位置(非制動位置Psn、初期位置、図13参照)へ動かす。復帰部材32は、例えば、コイルスプリング等の弾性部材である。復帰部材32は、二つのブレーキシュー3の一方に、他方のブレーキシュー3に近付く方向の力、すなわち、ドラムロータ5の内周面5aから離れる方向の力を与える。
また、ブレーキ装置2Dは、図13に示されるような移動機構8を備えている。移動機構8は、コイルスプリング171(図2),171C(図6)のような付勢部材を有しない電動アクチュエータ100D(図12)の作動に基づいて、二つのブレーキシュー3を内周面5aから離れた非制動位置Psnから、内周面5aと接触した制動位置(不図示)に移動させる。移動機構8は、バッキングプレート4の車幅方向外方に設けられている。移動機構8は、レバー81と、ケーブル150と、ストラット83と、を有する。レバー81は、二つのブレーキシュー3のうち一方、例えば図13では左側のブレーキシュー3Lと、バッキングプレート4との間で、当該ブレーキシュー3Lおよびバッキングプレート4にホイール1の回転中心Cの軸方向に重なるように設けられている。また、レバー81は、ブレーキシュー3Lに、回転中心C12回りに回転可能に支持されている。回転中心C12は、ブレーキシュー3Lの、回転中心C11から離れた側(図13では上側)の端部に配置され、回転中心C11と略平行である。ケーブル150は、レバー81における回転中心C12から遠い側の端部81aを、図13に示される右側のブレーキシュー3Rに近付く方向に動かす(矢印a)。ケーブル150は、バッキングプレート4に略沿って移動する。また、ストラット83は、レバー81と当該レバー81が支持されるブレーキシュー3Lとは別のブレーキシュー3Rとの間に介在し、レバー81と当該別のブレーキシュー3Rとの間で突っ張る。また、レバー81とストラット83との接続位置P1は、回転中心C12と、ケーブル150とレバー81との接続位置P2と、の間に設定されている。レバー81は、ケーブル150とブレーキシュー3Lとの間に介在し、ケーブル150の作動に応じてブレーキシュー3を動かす介在部材の一例である。レバー81は、連動部材や、伝達部材(第二伝達部材)とも称されうる。
このような移動機構8において、ケーブル150が引かれて図13の右方へ動くことにより、レバー81が、ブレーキシュー3Rに向けて動くと(矢印a)、レバー81はストラット83を介してブレーキシュー3Rを図13の右方へ押す(矢印b)。これにより、ブレーキシュー3Rは、非制動位置Psnから回転中心C11回りに回転し(矢印c)、ドラムロータ5の内周面5aと接触する制動位置へ動く。この状態では、ケーブル150とレバー81との接続位置P2は力点、回転中心C12は支点、レバー81とストラット83との接続位置P1は作用点に相当する。さらに、ブレーキシュー3Rが内周面5aに接触した状態で、レバー81が図13の右方、すなわち、ストラット83がブレーキシュー3Rを押す方向へ動くと(矢印b)、ストラット83が突っ張ることにより、レバー81はストラット83との接続位置P1を支点として、レバー81の動く方向とは逆方向、すなわち、図13での反時計回りに回転する(矢印d)。これにより、ブレーキシュー3Lは、非制動位置Psnから回転中心C11回りに回転し、ドラムロータ5の内周面5aと接触する制動位置へ動く。このようにして、移動機構8の作動により、ブレーキシュー3L,3Rは、いずれも非制動位置Psnから制動位置へ動く。なお、ブレーキシュー3Rがドラムロータ5の内周面5aに接触した以降の状態では、レバー81とストラット83との接続位置P1が支点となる。なお、ブレーキシュー3L,3Rの移動量は微少であって、例えば、1mm以下である。また、復帰部材32は、電動アクチュエータ100Dの制動のための作動が解除された場合にも、二つのブレーキシュー3を、ドラムロータ5の内周面5aと接触し当該内周面5aを押圧する制動位置からドラムロータ5の内周面5aと接触しない非制動位置Psnへ動かす。このようなブレーキ装置2Dにおいて、電動アクチュエータ100Dの制動に伴うケーブル150の移動方向、すなわち、図13における右方が、方向D2(第二方向)の一例であり、電動アクチュエータ100Dの制動解除に伴うケーブル150の移動方向、すなわち、図13における左方が、方向D1(第一方向)の一例である。
また、ブレーキ装置2Dは、図13に示されるようなケーブルガイド181を備えている。ケーブルガイド181は、バッキングプレート4を貫通するケーブル150の、当該バッキングプレート4よりも車幅方向外方に位置する部位をガイドしている。ケーブルガイド181は、ベース181aと、パイプ181bと、を有している。ベース181aは、板状の形状を有し、バッキングプレート4の車幅方向の外側の面4bに例えばねじのような固定具181cによって固定されている。パイプ181bは、ベース181aから車幅方向外側に突出している。パイプ181bの筒内孔は、ベース181aに設けられた貫通孔(不図示)およびバッキングプレート4に設けられた貫通孔(不図示)と繋がっている。ケーブル150は、制動時および非制動時に移動する際、筒内孔の内周に沿って摺動する。パイプ181bは緩やかに曲げられており、パイプ181bの中間部分から先端部分にかけて(ベース181aから離れた部位)は、方向D1および方向D2に沿って延びている。このような構成のケーブルガイド181によってケーブル150がガイドされることにより、ケーブル150の端部150b、当該端部150bに設けられたケーブルエンド152、およびケーブル150とレバー81との接続位置P2は、方向D1および方向D2に移動することができる。ケーブルガイド181は、案内部材の一例である。
また、本実施形態では、ブレーキ装置2Dは、非制動状態において作動部材としてのケーブル150を方向D1(図13での左方)へ付勢するコイルスプリング171Dを備えている。コイルスプリング171Dは、ケーブルガイド181とケーブル150との間に介在し、ケーブルガイド181に対してケーブル150を方向D1へ付勢している。具体的には、コイルスプリング171Dは、ケーブル150の周囲に隙間をあけて巻かれた状態で、パイプ181bに設けられたフランジ181d(端部)とケーブル150に固設されたフランジ150cとの間に挟まれている。フランジ150cは、フランジ181dと接続位置P2(端部81a)との間に配置されている。コイルスプリング171Dは、フランジ181dとフランジ150cとによって弾性的に圧縮された状態で組み込まれるとともにその作動範囲において圧縮された状態で用いられる所謂圧縮ばねである。ケーブル150においてフランジ181dの位置は不動であるため、コイルスプリング171Dに付勢されたフランジ150cひいてはケーブル150は、非制動位置Prにある状態において、方向D1に付勢される。コイルスプリング171Dは、第一付勢部材の一例である。なお、コイルスプリング171Dおよびその周辺部位(関連部位)は、ケーブル150が制動位置にある状態において軸方向に圧縮されたコイル密着状態とならないように構成されうる。
本実施形態でも、コイルスプリング171D(第一付勢部材)は、ケーブル150が非制動位置Prに配置された状態で、ケーブル150を方向D1へ付勢し、これにより、ケーブルエンド152とは反対側のケーブルエンド151を回り止め部材143に押し付けている(図12,13には不図示、図2参照)。本実施形態によっても、比較的簡素な構成によって、ケーブルエンド151の非制動位置Prに配置されている状態におけるがたつきを抑制することができ、当該ケーブルエンド151のがたつきに基づいて音や振動が生じるのを抑制することができる。また、このような構成によれば、コイルスプリング171Dの巻径をより小さくすることができるため、よりコンパクトな構成によって、ケーブルエンド151のがたつきによる音や振動を抑制することができる。
[第3実施形態の第1変形例]
図14は、本変形例のブレーキ装置2Eの移動機構8によるブレーキシュー3(制動部材)の動作を示す側面図であって、非制動状態での図である。図15は、図14中矢印XVから見た移動機構8の一部の正面図(一部断面図)である。本変形例のブレーキ装置2Eは、ブレーキ装置2Dのコイルスプリング171Dに替えて、コイルスプリング171Eを備えている。
図14に示されるように、コイルスプリング171Eは、レバー81Eとケーブル150との間に介在し、レバー81Eに対してケーブル150を方向D1へ付勢している。具体的には、コイルスプリング171Eは、ケーブル150の端部区間150dの周囲に隙間をあけて巻かれた状態で、レバー81Eとケーブルエンド152との間に挟まれている。端部区間150dは、レバー81Eに対してケーブルガイド181とは反対側でケーブルエンド152に隣接している。レバー81Eは、非制動状態において図14に示される位置Ps(非制動位置)に配置されており、コイルスプリング171Eに付勢されたケーブルエンド152ひいてはケーブル150は、非制動位置Prにある状態において、方向D1に付勢される。コイルスプリング171Eは、第一付勢部材の一例である。なお、本変形例でも、コイルスプリング171Eおよびその周辺部位(関連部位)は、ケーブル150が制動位置にある状態において軸方向に圧縮されたコイル密着状態とならないように構成されうる。
図15に示されるように、レバー81Eの端部81a、すなわち回転中心C12や接続位置P1から離れた端部81aは、図14の矢印XVから見た場合、言い換えると車両前後方向に見た場合に、U字状となるように折り返されており、屈曲部分の内側となる部分に設けられた方向D2に凹み方向D1に開く切欠81cがU字状に折り曲げられてコイルスプリング171Eの収容部81b(凹部)が設けられている。切欠81cの方向D2の底部81dが、コイルスプリング171Eの端部を支持している。収容部81bの方向D1の深さは、コイルスプリング171Eの密着長さ(コイル密着状態における全長)よりも大きく設定されている。このような構成によれば、仮にケーブルエンド152がレバー81Eの端部81aと当接する状態となるまでコイルスプリング171Eが圧縮されても(最大圧縮状態)、該コイルスプリング171Eはコイル密着状態には至らないため、耐久性確保に有利となる。
本実施形態でも、コイルスプリング171E(第一付勢部材)は、ケーブル150が非制動位置Prに配置された状態で、ケーブル150を方向D1へ付勢し、これにより、ケーブルエンド152とは反対側のケーブルエンド151を回り止め部材143に押し付けている(図14,15には不図示、図2参照)。本変形例によっても、比較的簡素な構成によって、ケーブルエンド151の非制動位置Prに配置されている状態におけるがたつきを抑制することができ、当該ケーブルエンド151のがたつきに基づいて音や振動が生じるのを抑制することができる。また、このような構成によっても、コイルスプリング171Eの巻径をより小さくすることができるため、よりコンパクトな構成によって、ケーブルエンド151のがたつきによる音や振動を抑制することができる。また、本変形例では、ケーブル150をレバー81Eに対して付勢するようコイルスプリング171Eを配けたため、制動に伴う電動アクチュエータの駆動時に、コイルスプリング171Eの圧縮反力はレバー81Eの駆動に対する反力とはならない。よって、コイルスプリング171Eの圧縮に伴う駆動力のロスは生じない。
以上、本発明の実施形態および変形例が例示されたが、上記実施形態および変形例は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
例えば、作動部材は、ケーブルのような引張部材には限定されず、ロッドのような押圧部材であってもよい。また、第一付勢部材、第二付勢部材、および第三付勢部材の、上記実施形態および変形例に開示された以外の組み合わせを採用することができる。また、第一付勢部材の数や、形態、形状、構成のようなスペックは、適宜に変更して実施することができる。
2,2D,2E…ブレーキ装置、81E…レバー(介在部材)、110…ハウジング、120…モータ、140…運動変換機構、141…回転部材、142…直動部材、143…回り止め部材(ストッパ)、150…ケーブル(作動部材)、151…ケーブルエンド(作動部材)、151b2…底面(力伝達部位)、171,171C,171D,171E…コイルスプリング(第一付勢部材)、172,172A,172B…リング(第二付勢部材)、181…ケーブルガイド(案内部材)、D1…方向(第一方向)、D2…方向(第二方向)、Pb…制動位置、Pr…非制動位置。

Claims (8)

  1. モータと、
    制動部材を制動状態とする制動位置と前記制動部材を非制動状態とする非制動位置との間で前記制動部材を動かす作動部材と、
    前記モータのロータと連動して回転する回転部材と、当該回転部材の回転に応じて直動し前記作動部材を前記制動位置と前記非制動位置との間で動かし前記作動部材とは別体である直動部材と、を有した運動変換機構と、
    前記作動部材を前記非制動位置よりも前記制動位置とは反対側の第一方向へ移動するのを止めるストッパと、
    前記作動部材が前記非制動位置に配置された状態で前記作動部材を前記第一方向へ付勢し前記ストッパに押し付ける第一付勢部材と、
    を備えたブレーキ装置。
  2. 前記運動変換機構を収容するハウジングを備え、
    前記第一付勢部材は、前記ハウジングに対して前記作動部材を付勢する、請求項1に記載のブレーキ装置。
  3. 前記第一付勢部材は、前記直動部材に対して前記作動部材を付勢する、請求項1に記載のブレーキ装置。
  4. 前記直動部材が、前記作動部材における前記直動部材から前記第一方向とは反対の第二方向へ力を受ける力伝達部位から、前記第一方向へ離間した状態で、前記第一付勢部材は、前記直動部材に対して前記作動部材を付勢する、請求項3に記載のブレーキ装置。
  5. 前記運動変換機構を収容するハウジングと、
    前記ハウジングに対して前記回転部材を前記第一方向とは反対の第二方向に付勢する第二付勢部材と、
    を備えた、請求項1〜4のうちいずれか一つに記載のブレーキ装置。
  6. 前記第一付勢部材は、台形ばねである、請求項1〜5のうちいずれか一つに記載のブレーキ装置。
  7. 前記第一付勢部材は、前記作動部材をガイドする案内部材に対して前記作動部材を付勢する、請求項1に記載のブレーキ装置。
  8. 前記第一付勢部材は、前記作動部材と前記制動部材との間に介在する介在部材に対して前記作動部材を付勢する、請求項1に記載のブレーキ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11536418B2 (en) * 2019-04-24 2022-12-27 Shanghai Chungrong Spring Co., Ltd. Telescopic bracket and open-up device using the same

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