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JP2020095950A - ポリオレフィン微多孔膜、電池用セパレータ及びポリオレフィン微多孔膜の製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン微多孔膜、電池用セパレータ及びポリオレフィン微多孔膜の製造方法 Download PDF

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健人 竹田
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敏彦 金田
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Abstract

【課題】機械的強度および寸法安定性、シャットダウン特性に優れる薄膜のポリオレフィン微多孔膜及び電池用セパレータを提供することを目的とする。【解決手段】膜厚が12μm以下、機械方向のラマン配向パラメータ値が14以上であって、バブルポイント細孔径が25nm以下であるポリオレフィン微多孔膜。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオレフィン微多孔膜、電池用セパレータ及びポリオレフィン微多孔膜の製造方法に関するものである。
微多孔膜は、ろ過膜、透析膜などのフィルター、電池用セパレータや電解コンデンサ用のセパレータなどの種々の分野に用いられる。これらの中でも、ポリオレフィンを主成分とするポリオレフィン微多孔膜は、耐薬品性、絶縁性、機械的強度などに優れ、シャットダウン特性を有するため、二次電池用セパレータとして広く用いられている。
特許文献1の実施例1には、膜厚16μm、突刺強度159mN/μm、105℃での機械方向の熱収縮率4.5%、幅方向の熱収縮率5.5%のポリエチレン微多孔膜が例示されている。
特許文献2の実施例1には、膜厚20μm、突刺強度8232mN/μm、105℃での機械方向の熱収縮率3.1%、幅方向の熱収縮率3.4%のポリエチレン微多孔膜が例示されている。
特許文献3の実施例9には、膜厚9μm、20μm膜厚での突刺強度5020mN/μm、シャットダウン温度133.6℃のポリオレフィン微多孔膜が例示されている。
特開2013−166804号公報 特開2003−103626号公報 特開2015−049961号公報
二次電池としてエネルギー密度が高いリチウムイオン二次電池はパーソナルコンピュータ、携帯電話などに使用されている。また近年では、電気自動車やハイブリッド自動車のモータ駆動用電源への展開のために二次電池の高容量化、高出力化が進んでいる。
今後、リチウムイオン二次電池の高容量化、高出力化のためには、電極間の距離を短くすることが好適であり、リチウムイオン二次電池用セパレータの薄膜化がますます進んでいくものと予想されている。そしてセパレータの薄膜化による破膜や、電極間距離が短くなるため電圧に耐えきれずに短絡してしまう危険性が増すことが懸念される。これら破膜や短絡を防ぐためにリチウムイオン二次電池用セパレータにはより高い機械強度が求められている。
特許文献1〜3に開示されるように膜の機械強度の向上には、樹脂の高分子量化や延伸倍率の増加が一般的な手法として知られている。しかしながら、従来の手法では薄膜化した際に強度を担保するにはより高分子量成分を増加させるか、延伸倍率を増加させる必要があり、電池の耐熱性に重要である熱収縮率とシャットダウン温度が増加してしまい、高安全性の薄膜セパレータを得ることが困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みて薄膜かつ高強度化した際にも、熱収縮率を低減させることのでき、さらに低いシャットダウン温度を有するポリオレフィン微多孔膜、及び、それを用いたセパレータと、その製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等が鋭意検討した結果、ゲル状シートから製膜用溶剤等を抽出する前の二軸湿式延伸及び製膜用溶剤等を抽出した後の機械方向の乾式延伸を採用する延伸方式において、二軸湿式延伸では動的粘弾性測定(DMA)で得られる結晶緩和温度+30℃以上かつ、示差走査熱量測定(DSC)でゲル状シートの結晶度が70%となる温度以下で特定範囲の倍率で延伸し、乾式延伸ではDMAで得られる結晶緩和温度+30℃以上かつ、DSCで得られる乾燥後の微多孔膜の結晶度が延伸前微多孔膜の50%となる温度以下で特定範囲の倍率で延伸することにより、機械強度と寸法安定性、およびシャットダウン特性に優れるポリオレフィン微多孔膜が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
[1]膜厚が12μm以下、機械方向のラマン配向パラメータ値が14以上であって、バブルポイント細孔径が25nm以下であるポリオレフィン微多孔膜。
[2]突刺強度が230gf以上、105℃、8時間における幅方向の熱収縮率が15%以下かつシャットダウン温度が140℃未満である(1)のポリオレフィン微多孔膜。
[3][1]又は[2]のいずれかに記載のポリオレフィン微多孔膜を用いた電池用セパレータ。
[4]以下の工程(1)〜(6)を含むポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
(1)重量平均分子量1×10以上1×10未満の高密度ポリエチレンと、重量平均分子量1×10以上の超高密度ポリエチレンの混合物に製膜用溶剤を添加した後、溶融混練し、ポリオレフィン樹脂溶液を調製する工程、
(2)ポリオレフィン樹脂溶液をダイリップより押し出した後、冷却してゲル状シートを形成する工程、
(3)ゲル状シートの結晶緩和温度+30℃以上、ゲル状シートの結晶化度が加熱前の70%となる温度以下でゲル状シートを同時二軸延伸法により機械方向と幅方向に5.0倍以上に延伸する工程、
(4)製膜用溶剤を除去する工程、
(5)得られた微多孔膜を乾燥する工程、及び
(6)乾燥後微多孔膜の結晶緩和温度+30℃以上、乾燥後微多孔膜の結晶化度が加熱前の50%となる温度以下で乾燥後微多孔膜を機械方向に3.0倍以上乾式延伸する工程。
本発明のポリオレフィン微多孔膜は、突刺強度と熱収縮率およびシャットダウン特性のバランスをとることができ本発明のポリオレフィン微多孔膜を電池用セパレータとして用いると、電池の短絡防止性能が高まる。
短絡耐性試験に用いるサンプル積層体を示す。 短絡耐性試験を示す模式図である。
以下、本発明の実施態様について説明する。なお、本発明は以下に説明する実施態様に限定されるものではない。
1.ポリオレフィン微多孔膜
本明細書において、ポリオレフィン微多孔膜とは、ポリオレフィンを主成分として含む微多孔膜をいい、例えば、ポリオレフィンを微多孔膜全量に対して90質量%以上含む微多孔膜をいう。
(組成)
ポリオレフィン微多孔膜は、ポリオレフィン樹脂を主成分として含む。ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを用いることができ、中でもポリオレフィン微多孔膜全量に対して、ポリエチレンを50質量%以上含むポリオレフィン樹脂が好ましい。ポリエチレンとしては、特に限定されず、種々のポリエチレンを用いることができ、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等が用いられる。なお、ポリエチレンは、エチレンの単独重合体であってもよく、エチレンと他のα−オレフィンとの共重合体であってもよい。α−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、スチレン等が挙げられる。
(重量平均分子量(Mw))
ポリオレフィン微多孔膜全体の重量平均分子量は、例えば、3×10以上2×10以下が好ましい。Mwがこの範囲である場合、成形性、機械的強度等に優れる。そして、ポリオレフィン微多孔膜の製造工程において、比較的高い倍率で延伸しても、局所的な応力集中が起こらず、均一かつ微細な孔構造を形成し、なおかつ熱収縮率の上昇を抑えることができる。なお、ポリオレフィン微多孔膜のMwは、ポリオレフィン樹脂の構成成分の配合割合や溶融混錬の条件を適宜調整することにより、上記範囲とすることができる。なお、ポリオレフィン微多孔膜のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
ポリオレフィン微多孔膜は、高密度ポリエチレン(密度:0.920g/m以上0.970g/m以下)を含有する場合、溶融押出特性に優れ、均一な延伸加工特性に優れる。原料として用いられる高密度ポリエチレンの重量平均分子量は1×10以上1×10以下であることが好ましい。なお、Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。高密度ポリエチレンの含有量はポリオレフィン樹脂全体100質量%に対して、50質量%以上、100質量%以下が好ましい。
また、ポリオレフィン微多孔膜は、超高分子量ポリエチレン(UHMwPE)を含むことが好ましい。超高分子量ポリエチレンは、重量平均分子量(Mw)が1×10以上であり、好ましくは1×10以上8×10以下である。Mwが上記範囲である場合、成形性が良好となる。なお、Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。超高分子量ポリエチレンは1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができ、例えばMwの異なる二種以上の超高分子量ポリエチレンを混合して用いてもよい。
超高分子量ポリエチレンは、ポリオレフィン樹脂全体100質量%に対して、2質量%以上70質量%以下含むことが好ましい。例えば、超高分子量ポリエチレンの含有量が10質量%以上、60質量%以下である場合、得られるポリオレフィン微多孔膜のMwを後述する特定の範囲に容易に制御しやすく、かつ押出し混練性などの生産性に優れる傾向がある。また、超高分子量ポリエチレンを含有した場合、ポリオレフィン微多孔膜を薄膜化した際にも破膜せずに延伸できる。超高分子量ポリエチレン含有率が上記範囲であれば熱収縮率の悪化を抑えながら高い機械的強度を実現できる。
ポリオレフィン微多孔膜は、ポリプロピレンを含んでもよい。ポリプロピレンの種類は、特に限定されず、プロピレンの単独重合体、プロピレンと他のα−オレフィン及び/又はジオレフィンとの共重合体、あるいはこれらの混合物のいずれでも良いが、機械的強度及び貫通孔径の微小化等の観点から、プロピレンの単独重合体を用いることが好ましい。ポリオレフィン樹脂全体に対するポリプロピレンの含有量は、例えば0質量%以上、15質量%以下が好ましく、特に、耐熱性の観点からは2.5質量%以上、15質量%以下が好ましい。
また、ポリオレフィン微多孔膜は、必要に応じて、ポリエチレン及びポリプロピレン以外の樹脂成分を含むことができる。その他の樹脂成分としては、例えば、ポリウレタンなどの耐熱性樹脂等が挙げられる。また、ポリオレフィン微多孔膜は、本発明の効果を損なわない範囲において、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤や充填剤、結晶造核剤、結晶化遅延剤等の各種添加剤を含有させてもよい。
ポリオレフィン微多孔膜は、単層であってもよいが、ポリオレフィン微多孔膜からなる層を1層以上積層してもよい。多層ポリオレフィン微多孔膜は、二層以上のポリオレフィン微多孔膜からなる層を有することができる。多層ポリオレフィン微多孔膜の場合、各層を構成するポリオレフィン樹脂の組成は、同一組成でもよく、異なる組成でもよい。
次に、本発明のポリオレフィン微多孔膜の物性について説明する。本発明のポリオレフィン微多孔膜は膜厚が12μm以下であって、突刺強度が230gf以上、105℃、8時間における幅方向の熱収縮率が15%以下、シャットダウン温度が140℃未満である。
上記特性を満たすポリオレフィン微多孔膜は、薄膜でありながら高い機械強度を示すとともに熱に対する寸法安定性も向上する。そのため電池用セパレータとして使用すると、耐衝撃性や寸法安定性に優れた安全性の高い電池が得られる。上記特性満たすためには、分子配向を高めることが重要であるが、従来公知の手法では薄くても破膜せずに延伸するためにはポリエチレンの結晶が融解し結晶化度が比較的低くなる温度で延伸することが一般的であった。しかし、そのような手法では破膜せずに高倍率まで延伸することは可能であるものの、融点以上の温度であるため高倍率に延伸しても分子配向が緩和され高配向の膜をなすことが困難である。本発明では湿式延伸における延伸倍率および温度、乾式延伸における延伸倍率および温度を最適に制御することで上記特性を達成できることを見出した。さらに、本発明で見出した最適延伸倍率、延伸温度範囲で機械方向にフィブリルを高度に配向させることによりフィブリルが密になり孔径を小さくすることができる。上記のように融解によって孔が素早く閉塞するため延伸によるシャットダウン温度の上昇も抑制することも可能となる。
(膜厚)
ポリオレフィン微多孔膜の膜厚の上限は12μm以下である。前記上限を超えると十分な電池容量を確保できない。前記膜厚の上限は、好ましくは7μm以下である。膜厚の下限は、特に限定されないが、例えば、1μm以上、好ましくは3μm以上である。膜厚が上記範囲である場合、ポリオレフィン微多孔膜を電池用セパレータとして使用した際、電極サイズを大きくすることができ、電池容量を向上させることができる。
(ラマン配向パラメータ)
ラマン配向パラメータとは、結晶分子鎖の配向度合いをラマン分光測定によって算出される値で表す指標である。この値が高いほど結晶分子鎖がより高度に配向していることを意味する。ポリオレフィン微多孔膜の機械方向のラマン配向パラメータの下限は14以上である。より好ましくは15以上であり、さらに好ましくは16以上である。上限は特に設けないが、フィブリルの融点上昇の観点から20以下である。ラマン配向パラメータの値が上記範囲である場合、機械強度と熱収縮特性に優れたポリオレフィン微多孔膜を製造することができる。ラマン配向パラメータの値が14未満の場合、十分な機械強度が得られず、フィブリルの熱的安定性が低下するために熱収縮率が上昇する。
ラマン配向パラメータは、延伸倍率の上昇や延伸温度の低下によって増加させることができる。つまり延伸倍率や延伸温度によって適宜調整することができる。
機械方向のラマン配向パラメータはラマン分光測定によって算出される。例えば、顕微ラマン分光装置によりポリオレフィン微多孔膜の機械方向に偏光させたレーザを試験片に入射させ、散乱光を機械方向に向いた検光子を通して集光して得られたラマンスペクトルの1130cm−1と1060cm−1のラマンバンドの比I1130/I1060をラマン配向パラメータとして値を算出できる。1130cm−1は結晶相中ポリエチレン分子鎖のC−C伸縮振動に帰属するバンドであり、振動のラマンテンソルの方向が分子鎖軸と一致しているため分子鎖の配向状態を知ることができる。配向パラメータの値が大きいほど結晶分子鎖が高度に配向していることを意味する。
(バブルポイント(BP)細孔径)
バブルポイント細孔径とは、バブルポイント法によりポリオレフィン微多孔膜を測定したときの測定値であり、上限は25nm未満である。上述したラマン配向パラメータが14以上であってバブルポイント細孔径が前記上限を超えると異常時に電池内部の温度上昇を抑えることができず熱暴走につながる。前記シャットダウン温度の上限は22nm未満が好ましく、20nm未満であることがさらに好ましい。またバブルポイント細孔径の下限は電池出力の観点から15nmである。バブルポイント細孔径が上記範囲である場合、高配向化による熱的安定化で樹脂が融解しにくくなった場合においても電池の異常発熱時により早くシャットダウンし、異常発熱を防止できる。また孔径が上記範囲である場合、電池においてデンドライトの成長を抑制でき、また繰り返し使用による目詰まりも抑制できるためサイクル特性も良好となる。
バブルポイント細孔径は、湿式延伸温度の低下や機械方向への乾式延伸倍率の上昇によって小さくすることができる。つまり湿式延伸温度や機械方向への乾式延伸倍率によって適宜調整することができる。
バブルポイント細孔径は、ASTM F316−86に準拠した方法(バブルポイント法)によって測定することができる。
(突刺強度)
ポリオレフィン微多孔膜の突刺し強度の下限は230gfが好ましく、300gfがより好ましく、350gfがさらに好ましく、400gfが最も好ましい。上限は特に設けないが550gfもあれば十分である。突刺強度が上記範囲であるポリオレフィン微多孔膜は、高い張力が掛かった場合も膜が破断しにくく、高い耐久性を有する。上記範囲の突刺強度は、ポリオレフィン微多孔膜を前述のラマン配向パラメータの範囲とすることで達成できる。
(熱収縮率)
ポリオレフィン微多孔膜の105℃、8時間における幅方向の熱収縮率の上限は15%が好ましく、14%がより好ましく、13%がさらに好ましく、11%が最も好ましい。熱収縮率が上記範囲である場合、電池内部温度上昇時に寸法変化が少なく絶縁性を保つことができる。上記範囲の熱収縮率は、ポリオレフィン微多孔膜を前述のラマン配向パラメータの範囲とすることで達成できる。
(シャットダウン温度)
ポリオレフィン微多孔膜のシャットダウン温度は140℃未満が好ましく、138℃未満がより好ましく、136℃未満がさらに好ましい。シャットダウン温度が上記範囲である場合、電池の異常発熱時により早くシャットダウンし、異常発熱を防止できる。上記範囲のシャットダウン温度は、ポリオレフィン微多孔膜を前述の孔径の範囲とすることで達成できる。
2.ポリオレフィン微多孔膜の製造方法
本発明のポリオレフィン微多孔膜の製造方法は、(1)上記ポリオレフィン樹脂に製膜用溶剤を添加した後、溶融混練し、ポリオレフィン樹脂溶液を調製する工程、(2)ポリオレフィン樹脂溶液をダイリップより押し出した後、冷却してゲル状シートを形成する工程、(3)ゲル状シートを結晶緩和温度+30℃以上、ゲル状シートの結晶化度が加熱前の70%となる温度以下で同時二軸延伸法により機械方向と幅方向に5倍以上に延伸する工程、(4)製膜用溶剤を除去する工程、(5)得られた微多孔膜を乾燥する工程、及び(6)乾燥した微多孔膜を結晶緩和温度+30℃以上、乾燥後の膜の結晶化度が加熱前の50%となる温度以下で機械方向に乾式延伸する工程を含む。更に(1)〜(6)の工程の後、必要に応じて(7)熱処理工程を設けてもよい。
(1)ポリオレフィンに製膜用溶剤を添加した後、溶融混練し、ポリオレフィン樹脂溶液を調製する工程
ポリオレフィン樹脂と製膜用溶剤とを溶融混練して樹脂溶液を調製する。溶融混練の方法としては、例えば日本国特許第2132327号、日本国特許第3347835号などの明細書に記載の二軸押出機を用いる方法を利用することができる。溶融混練方法は公知であるので説明を省略する。
(2)ポリオレフィン樹脂溶液をダイリップより押し出した後、冷却してゲル状シートを形成する工程
次いで、上記で調整した樹脂溶液を押出機からダイに送給し、シート状に押し出し、成形体を得る。得られた押出し成形体を冷却することによりゲル状シートを形成する。
ゲル状シートの形成方法として、例えば日本国特許第2132327号公報および日本国特許第3347835号公報に開示の方法を利用することができる。冷却は少なくともゲル化温度までは50℃/分以上の速度で行うのが好ましい。冷却は25℃以下まで行うのが好ましい。冷却により、製膜用溶剤によって分離されたポリオレフィンのミクロ相を固定化することができる。冷却速度が上記範囲内であると結晶化度が適度な範囲に保たれ、延伸に適したゲル状シートとなる。冷却方法としては冷風、冷却水等の冷媒に接触させる方法、冷却ロールに接触させる方法等を用いることができるが、冷媒で冷却したロールに接触させて冷却させることが好ましい。
(3)ゲル状シートを結晶緩和温度+30℃以上、ゲル状シートの結晶化度が加熱前の70%となる温度以下で同時二軸延伸法により機械方向と幅方向に5倍以上に延伸する工程
次いで、ゲル状シートを延伸する。このゲル状シートの延伸は、同時二軸延伸法で行う。ゲル状シートは製膜用溶剤を含む湿式延伸法であり均一に延伸できる。ゲル状シートは、加熱後、テンター法、ロール法、インフレーション法、又はこれらの組合せにより所定の倍率で延伸するのが好ましい。
湿式延伸の延伸倍率の下限は機械方向と幅方向ともに5倍以上である。延伸倍率を5倍以上とすると、突刺強度の向上が期待できる。湿式延伸倍率が5倍を下回ると分子鎖が十分に配向せず機械強度を向上させることができない。お、本ステップにおける延伸倍率とは、本ステップ直前のゲル状シートを基準として、次ステップに供される直前のゲル状シートの延伸倍率のことをいう。
湿式延伸の温度の下限は、ポリエチレンゲル状シートのDMAで得られる結晶緩和温度+30℃である。前記湿式延伸の温度の下限を下回ると分子鎖の延伸性が低いために、延伸により十分に配向させることができず、さらに破膜の危険性が高い。延伸温度の上限は、DSCより得られる積分曲線で結晶度が延伸前膜の70%となる温度である。前記上限を超えると分子の緩和が促進されるため延伸によって十分に分子鎖を配向させることができない。延伸温度が上記範囲内である場合、ポリオレフィン樹脂の延伸による破膜が抑制され、高倍率の延伸を可能にしながら、結晶分子鎖をより配向させることができる。ここで結晶分散温度とは、後述する動的粘弾性の温度特性測定のtanδのピーク温度により求められる値をいう。例えば分子量Mw1×10以上のポリエチレンを用いる場合、延伸温度の下限は116℃、好ましくは115℃、上限は117℃が好ましい。
上記のようにゲル状シートを湿式延伸することでポリオレフィンの結晶分子鎖を面内に高度に配向させることが可能である。これにより乾式延伸前の膜の強度を高くすることで後述する乾式延伸においてさらに高度に分子鎖を配向させやすくなり、乾式延伸において薄膜でかつ高強度化を図った際の破膜リスクを低減することができる。
(4)製膜用溶剤を除去する工程
次いで、湿式延伸後のゲル状シートから製膜用溶剤を除去して微多孔膜を得る。製膜用溶剤の除去は、洗浄溶媒を用いて洗浄を行う。ゲル状シート中のポリオレフィン相は、製膜用溶剤相と相分離しているので、製膜用溶剤を除去すると、微多孔膜が得られる。上記同時二軸延伸によりポリエチレン結晶のラメラ間に開裂が起こり、ポリエチレン相が微細化し、多数のフィブリルが形成される。フィブリルは、三次元的に不規則に連結した網目構造(三次元網目構造)を形成する。つまり微多孔膜は、三次元網目構造を形成するフィブリルと、三次元的に不規則に連通する孔(空隙)を有する。洗浄溶媒およびこれを用いた製膜用溶剤の除去方法は、公知の方法を用いることができ、例えば、日本国特許第2132327号明細書や特開2002−256099号公報に開示の方法を利用することができる。
(5)得られた微多孔膜を乾燥する工程
次いで、製膜用溶剤を除去した後の微多孔膜を乾燥する。製膜用溶剤を除去した微多孔膜を、加熱乾燥法又は風乾法により乾燥する。乾燥温度はポリオレフィン樹脂の結晶分散温度(Tcd)以下であるのが好ましく、特にTcdより5℃以上低いのが好ましい。乾燥は、微多孔膜を100質量%(乾燥重量)に対して、残存洗浄溶媒の含有量が5質量%以下になるまで行うのが好ましく、3質量%以下になるまで行うのがより好ましい。残存洗浄溶媒が上記範囲内である場合、後述する微多孔膜の乾式延伸及び熱処理を行った際、得られるポリオレフィン微多孔膜の空孔率が向上し、透気抵抗度の悪化が抑制される。
(6)乾燥した微多孔膜を結晶緩和温度+30℃以上、ゲル状シートの結晶化度が加熱前の50%となる温度以下で機械方向に乾式延伸する工程
次いで、乾燥後の微多孔膜を延伸する。乾燥後の微多孔膜の延伸は、乾式延伸ともいう。乾燥後の微多孔膜を、機械方向に乾式延伸する。微多孔膜の乾式延伸は、加熱しながらロール延伸等により行うことができる。
乾式延伸の延伸倍率は、3.0倍以上であり、機械強度を向上させ、熱収縮率およびシャットダウン温度を下げる効果がある。一軸延伸の場合、例えば、機械方向に3.0倍以上、好ましくは3.5倍以上、5.0倍以下とするのが好ましい。3倍未満であると十分な突刺強度が得られない場合があり、5.0倍を超えると破膜しやすくなる。
乾式延伸における延伸温度の下限は、乾燥後膜の機械方向のDMAで得られる結晶緩和温度+30℃以上である。前記下限よりも低い温度では分子鎖の延伸性が低いために、延伸により十分に配向させることができず、さらに破膜の危険性が高い。乾式延伸における延伸温度の下限は好ましくは結晶緩和温度+35℃以上、より好ましくは結晶緩和温度+39℃以上である。乾式延伸における温度の上限は、DSCより得られる積分曲線で結晶度が乾燥後膜の50%となる温度以下である。上記延伸温度の範囲よりも高い温度では融解する結晶が多いために、分子鎖の運動性が高くなりすぎて延伸による配向が緩和されてしまう。例えば重量平均分子量Mwが1×10のポリエチレンを用いる場合には、乾式延伸温度の下限は108℃であり、好ましくは113℃、さらに好ましくは117℃、上限は125℃が好ましい。
本発明では乾式延伸の温度が乾燥後膜の結晶緩和温度+30℃以上とすることで分子鎖の延伸性が増し、乾燥後膜の結晶度が延伸前膜の50%となる温度以下とすることで延伸時のポリオレフィン分子鎖の配向が緩和するのを抑制できることを見出した。そして、上記温度範囲でかつ上記延伸倍率で乾式延伸を行うことで分子鎖をより高度に配向させ、熱的に安定な樹脂構造を形成させることを見出し、これにより得られる微多孔膜は高い突刺強度と低い熱収縮率を両立できる。さらに、高度に延伸することで空孔のサイズが小さくなるため、低い温度でのシャットダウン機能を維持することができる。ただし、従来の融解開始温度以上での延伸と比べると低温での延伸は膜への荷重の負荷が大きいため破膜の危険性が高く、さらに膜厚が薄いほどその危険性は増す。さらに生産開始段階において延伸倍率を所定の値まで急激に上昇させると、それに伴い急激にひずみ速度が上昇するため、膜にかかる荷重は延伸倍率の上昇のさせ方にも非常に敏感である。上記の理由から、低温で薄膜膜を高倍率に延伸することは非常に大きなリスクを伴う。本来、生産効率の観点においては立ち上げ時間短縮のため目的の延伸倍率に素早く上げることが求められるが、本発明では破膜を防止するために、生産性より本発明の特性を優先し、延伸倍率を非常に精密に段階的に上昇させることで膜への急激な応力負荷を低減した。
(7)熱処理工程
また、乾燥後の微多孔膜シートに、熱処理を施してもよい。熱処理によって結晶が安定化し、ラメラが均一化される。熱処理方法としては、熱固定処理及び/又は熱緩和処理を用いることができる。熱固定処理とは、膜の幅方向の寸法が変わらないように保持しながら加熱する熱処理である。熱緩和処理とは、膜を加熱中に機械方向や幅方向に熱収縮させる熱処理である。熱固定処理は、テンター方式又はロール方式により行うのが好ましい。例えば、熱処理方法としては特開2002−256099号公報に開示の方法があげられる。熱処理温度は第2のポリオレフィン樹脂のTcd〜Tmの範囲内が好ましく、微多孔膜の延伸温度±5℃の範囲内がより好ましく、微多孔膜の幅方向の延伸温度±3℃の範囲内が特に好ましい。
3.電池用セパレータの製造方法
ポリオレフィン微多孔膜は電池用セパレータとして好適に用いられるが、さらに機能を付加するために、ポリオレフィン樹脂以外の他の多孔質層を積層して積層ポリオレフィン多孔質膜としてもよい。他の多孔質層としては、特に限定されないが、例えば、バインダーと無機粒子とを含む無機粒子層などのコーティング層を積層してもよい。無機粒子層を構成するバインダー成分としては、特に限定されず、公知の成分を用いることができ、例えば、アクリル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などを用いることができる。無機粒子層を構成する無機粒子としては、特に限定されず、公知の材料を用いることができ、例えば、アルミナ、ベーマイト、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ素などを用いることができる。また、積層ポリオレフィン多孔質膜としては、多孔質化した前記バインダー樹脂がポリオレフィン微多孔膜の少なくとも一方の表面に積層されたものであってもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(測定方法と評価方法)
[膜厚]
ポリオレフィン微多孔膜の95mm×95mmの範囲内における5点の膜厚を接触厚み計(株式会社ミツトヨ製ライトマチック)により測定し、平均値を求めた。
[突刺強度]
先端が球面(曲率半径R:0.5mm)の直径1mmの針で、膜厚T(μm)のポリオレフィン微多孔膜を2mm/秒の速度で突刺したときの最大荷重L(N)を測定した。
[ラマン配向パラメータ]
ポリオレフィン微多孔膜の偏光ラマンスペクトルを顕微ラマン分光装置inVia(Renishaw社製)により次のように測定し、結晶分子鎖の配向パラメータを算出した。
(1)偏光子を用いてポリオレフィン微多孔膜の機械方向に偏光させたレーザを試験片に入射させ、散乱光を機械方向に向いた検光子を通して集光した。
(2)得られたラマンスペクトルの1130cm−1と1060cm−1のラマンバンドの比I1130/I1060をラマン配向パラメータと定義し、値を算出した。
1130cm−1は結晶相中ポリエチレン分子鎖のC−C伸縮振動に帰属するバンドであり、振動のラマンテンソルの方向が分子鎖軸と一致しているため分子鎖の配向状態を知ることができる。配向パラメータの値が大きいほど結晶分子鎖が高度に配向していることを意味する。
[熱収縮率]
105℃8時間の幅方向の熱収縮率は、次のようにして測定した。
(1)室温(25℃)におけるポリオレフィン微多孔膜の試験片の一片の長さを測定する。
(2)ポリオレフィン微多孔膜の試験片を、荷重をかけずに8時間105℃の温度にて平衡化する。
(3)ポリオレフィン微多孔膜の収縮後試験片の一片の長さを測定する。
(4)ポリオレフィン微多孔膜の熱収縮率は測定結果(3)を測定結果(1)で割り、得られた値を1から引き、その値を百分率(%)で表して算出した。
[動的粘弾性測定(DMA)]
DMA装置RSA−G2(TAインスツルメンツ社製)を用いて、ゲル状シートおよび乾燥後ポリオレフィン微多孔膜から切り出した幅3mmの試験片を、治具間距離20mmで設置し、下記測定条件で昇温過程における貯蔵弾性率E’、損失弾性率E’’を測定しその比であるtanδ(E’’/E’)を算出した。tanδのピーク位置を結晶緩和温度とした。度範囲は30−140℃、昇温速度は5℃/min、周波数はゲル状シートのときは3Hz、乾燥後ポリオレフィン微多孔膜のときは1Hzで測定した。
[示差走査熱量測定(DSC)]
ゲル状シートおよび乾燥後ポリオレフィン微多孔膜約6mgに対して、DSC装置PYRIS Diamond DSC(Perkin Elmer社製)を用いて昇温過程のDSC測定を行った。ここで測定温度範囲は30−230℃、昇温速度は10℃/minである。
上記測定により得られた熱流曲線から文献「物質科学のための熱分析の基礎 齋藤安俊著 共立出版」のpp136−138に記載されている方法で昇温開始前の結晶度を100%とした相対的な結晶度の温度変化を算出した。
[短絡耐性試験]
短絡耐性の評価は、卓上型精密万能試験機オートグラフAGS−X(株式会社 島津製作所製)を用いて実施した。まず、図1に示されるように、ポリプロピレン製絶縁体1(厚み0.2mm)、リチウムイオン電池用負極2(総厚:約140μm、基材:銅箔2(厚み約9μm)、活物質:人造黒鉛3(粒径約30μm)、セパレータ4、アルミニウム箔5(厚み約0.1mm)を積層したサンプル積層体6を作製した。次に、図2に示されるように、サンプル積層体6を万能試験機の圧縮治具(下側)7に両面テープで固定した。次に、上記サンプル積層体6のアルミニウム箔5、負極2を、コンデンサとクラッド抵抗器からなる回路にケーブルでつないだ。コンデンサは約1.5Vに充電し、サンプル積層体6中のセパレータ、アルミニウム箔5の間に直径約500μmの金属球8(材質:クロム(SUJ−2))を置いた。次に、万能試験機に圧縮治具を取り付け、図2に示されるように両圧縮治具7、9の間に金属球7を含むサンプル積層体6を置いて、速度0.3mm/min.で圧縮し、荷重が100Nに達した時点で試験終了とした。このとき、圧縮荷重変化において変曲点が現れた部分をセパレータの破膜点とし、さらに金属球を介して上記回路が形成され電流が検知された瞬間をショート発生点とした。圧縮によりセパレータが破膜し圧縮応力に変曲点を生じたときの圧縮変位A(t)、および回路に電流が流れた瞬間の圧縮変位B(t)を測定し、
次の(式1)で求める数値が1.1以上の場合、短絡耐性は良好と評価した。
一方、式1で求める数値が1.0より大きく1.1未満の場合、短絡耐性はやや不良
1.0の場合は不良と評価した。
B(t)÷A(t)・・・(式1)
なお、本短絡性試験は通常は想定されないほどの過酷な試験である。
[バブルポイント細孔径]
微多孔膜のバブルポイント細孔径は、ASTM F316−86に準拠した方法(バブルポイント法)によって測定した。なお、測定器としてはPMI社製のパームポロメータ(型番:CFP−1500A)を、測定液としてはGalwickを、それぞれ用いた。
(実施例1)
重量平均分子量が2.8×10、の超高分子量ポリエチレン樹脂40重量部と、重量平均分子量が5.4×10の高密度ポリエチレン樹脂60重量部との混合物を二軸押出機に投入し、二軸押出機のサイドフィーダーから流動パラフィンをポンプによって注入した。流動パラフィンの注入量はポリエチレン樹脂混合物と流動パラフィンの合計を100重量%としたときに、ポリエチレン樹脂混合物の量が25重量%となるように調整した。二軸押出機に注入後に溶解混練し、ポリエチレン樹脂混合物と流動パラフィンの混合溶液を得た。得られたポリエチレン樹脂混合溶液を一軸押出機に投入し、温度210℃にて溶融押出を行った。ステンレス鋼繊維を焼結圧縮した平均目開き20μmのフィルターで濾過したのちに、T字型ダイからシート状に押出し、温度20℃の冷却ロールにて冷却しゲル状シートを得た。ゲル状シートを115℃にて幅方向、機械方向ともに延伸倍率5倍でテンターによって同時二軸延伸した後、25℃の塩化メチレンに浸漬して流動パラフィンを除去して室温の送風にて乾燥し微多孔膜を得た。
得られた微多孔膜を機械方向に延伸機でロール方式によりロールの周速差を利用して108℃で機械方向に3.0に乾式延伸し、ポリオレフィン微多孔膜を得た。
(実施例2、比較例1〜4)
表1で示された条件以外は実施例1と同様にしてポリオレフィン微多孔膜を製造した。得られたポリオレフィン微多孔膜の評価結果等を表1に記載した。
本発明のポリオレフィン微多孔膜は、突刺強度、熱収縮率、シャットダウン温度のバランスに優れているため、電池用セパレータとして好適に用いることができる。
1:ポリプロピレン製絶縁体
2:銅箔
3:人造黒鉛
4:セパレータ
5:アルミニウム箔
6:サンプル積層体
7:両圧縮治具(上)
8:金属球
9:両圧縮治具(下)

Claims (4)

  1. 膜厚が12μm以下、機械方向のラマン配向パラメータ値が14以上であって、バブルポイント細孔径が25nm以下であるポリオレフィン微多孔膜。
  2. 突刺強度が230gf以上、105℃、8時間における幅方向の熱収縮率が15%以下かつシャットダウン温度が140℃未満である請求項1に記載のポリオレフィン微多孔膜。
  3. 請求項1又は2のいずれかに記載のポリオレフィン微多孔膜を用いた電池用セパレータ。
  4. 以下の工程(1)〜(6)を含むポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
    (1)重量平均分子量1×10以上1×10未満の高密度ポリエチレンと、重量平均分子量1×10以上の超高密度ポリエチレンの混合物に製膜用溶剤を添加した後、溶融混練し、ポリオレフィン樹脂溶液を調製する工程、
    (2)ポリオレフィン樹脂溶液をダイリップより押し出した後、冷却してゲル状シートを形成する工程、
    (3)ゲル状シートの結晶緩和温度+30℃以上、ゲル状シートの結晶化度が加熱前の70%となる温度以下でゲル状シートを同時二軸延伸法により機械方向と幅方向に5.0倍以上に延伸する工程、
    (4)製膜用溶剤を除去する工程、
    (5)得られた微多孔膜を乾燥する工程、及び
    (6)乾燥後微多孔膜の結晶緩和温度+30℃以上、乾燥後微多孔膜の結晶化度が加熱前の50%となる温度以下で乾燥後微多孔膜を機械方向に3.0倍以上乾式延伸する工程。
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